電気湯沸かし器
【課題】容器内の液体を吐出する際に液温の低下をなくし、同時に補給された液体の加熱が効果的に行なえるようにした電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【解決手段】液体22を収容する容器24と、液体22を加熱する加熱手段25と、容器24に補給する液体を貯溜する貯溜タンク23と、容器24に設けた給液口24cと貯溜タンク23とを連通する給液路27と、容器24の受液口24bに接続されて液体を吐出口30に導く導出路31と、容器24内を給液口24c側と受液口24b側とに分割する仕切り板24cとを備えたものである。これにより、容器24内が分割されているため、容器内の液体22を吐出する際に、貯液タンク23から容器24へ補給された液体が混合されず液温の低下がなく、同時に補給された液体は容器の給液口24c側で効果的に加熱できる。
【解決手段】液体22を収容する容器24と、液体22を加熱する加熱手段25と、容器24に補給する液体を貯溜する貯溜タンク23と、容器24に設けた給液口24cと貯溜タンク23とを連通する給液路27と、容器24の受液口24bに接続されて液体を吐出口30に導く導出路31と、容器24内を給液口24c側と受液口24b側とに分割する仕切り板24cとを備えたものである。これにより、容器24内が分割されているため、容器内の液体22を吐出する際に、貯液タンク23から容器24へ補給された液体が混合されず液温の低下がなく、同時に補給された液体は容器の給液口24c側で効果的に加熱できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体内の容器へ液体を補給する貯液タンクを備えた電気湯沸かし器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気湯沸かし器としては、例えば、容器とは別に貯液タンクを備え、容器内の湯が所定量まで減少したとき、それを検知し、貯液タンクの液体をポンプで汲み上げて、容器と貯液タンクとを連結する給液路を介して液体を容器に自動的に補給するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−75317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、容器内の液体(湯)を吐出する(取り出す)際に、貯液タンクから容器へ補給された液体が混合されて液温が低下したり、補給された液体の加熱が効果的に行われなかったりするという課題を有していた。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、容器内の液体を吐出する際に、貯液タンクから容器へ補給された液体が混合されないようにして液温の低下をなくし、同時に補給された液体の加熱が効果的に行なえるようにした電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気湯沸かし器は、本体内に設けられ液体を収容する容器と、前記容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記容器に補給する液体を貯溜する貯溜タンクと、前記容器の底部に設けた給液口と貯溜タンクとを連通する給液路と、前記容器の底部で給液口と離れた位置に設けた受液口に接続されて液体を吐出口に導く導出路と、前記容器内を前記給液口側と受液口側とに分割する仕切り板とを備えたものである。
【0006】
これにより、容器内が給液口側と受液口側とに分割されているため、容器内の液体を吐出する際に、貯液タンクから容器へ補給された液体が混合されず液温の低下がなく、同時に補給された液体は容器の給液口側で効果的に加熱できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電気湯沸かし器は、容器内の液体を吐出する際に、貯液タンクから容器へ補給された液体が混合されず液温の低下がなく、同時に補給された液体は容器の給液口側で効果的に加熱できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、本体内に設けられ液体を収容する容器と、前記容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記容器に補給する液体を貯溜する貯溜タンクと、前記容器の底部に設けた給液口と貯溜タンクとを連通する給液路と、前記容器の底部で給液口と離れた位置に設けた受液口に接続されて液体を吐出口に導く導出路と、前記容器内を前記給液口側と受液口側とに分割する仕切り板とを備えた電気湯沸かし器とすることにより、容器内が給液口側と受液口側とに分割されているため、容器内の液体を吐出する際に、貯液タンクから容器へ補給された液体が混合されず液温の低下がなく、同時に補給された液体は容器の給液口側で効果的に加熱できる。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明において、仕切り板は、加熱手段が給液口側に含まれるよう容器内を分割したことにより、給液口側の液体を集中して効果的に加熱し液温を高めることができる。
【0010】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、仕切り板の上端は、容器内に収容する液体の満液位よりも低い位置に設けたことにより、給液口側で加熱された液体は上方に集められ、受液口側に移行することができる。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0012】
(実施の形態)
図1、図2は、本発明の実施の形態における電気湯沸かし器を示すものである。
【0013】
図に示すように、液体22を収容する容器24は本体21内に設けられており、ステンレス鋼板で有底円筒状に形成され、底面裏側には容器24内の液体22を加熱する加熱手段25が固着されている。また、容器24内の底部(底面に限定されるものではない)には、給液口24cと、この給液口24cと離れた位置に受液口24bを設けている。さらに、容器24内には、前記給液口24c側と受液口24b側とに分割する仕切り板24dが設けてある。この仕切り板24dは、給液口24c側に加熱手段25が含まれるような位置に設けられている。そして、仕切り板24dの上端は、容器24内に収容する液体22の満液位24aよりも低い位置に設けている。
【0014】
加熱手段25の定格消費電力は1000Wで、保温時は75Wである。導出路31はポンプ36を介して一方を容器24の底部に設けた受液口24bと連通させたものであり、ポンプ36を動作させて吐出口30から本体21外へ液体(湯)を導出する経路となっている。
【0015】
本体21の前面(吐出口30側)には、本体21外部より導出路31を臨むように本体21が開口されており、その開口部に容器24内の液量を表示する本体液位表示部21aを設けている。本体液位表示部21aは容器24の中心線に対し吐出口30を避けた位置で、本体21に向かって右寄りの位置に設けている。本体液位表示部21aはPETフィルム樹脂で構成され、その表面には液位表示目盛り44と透明窓が印刷されており、裏面に貼付けられた両面テープによって本体21に接着され、本体21の開口部を覆っている。
【0016】
制御手段41は機器の動作を制御するものであり、加熱手段25とポンプ36を制御している。
【0017】
蓋体38は容器24の上方開口部を覆うものであり、蓋体38の容器24側には蒸気抜き穴38aを設け、蓋体38には蒸気抜き穴38aと蒸気口38bとを連通する蒸気通路38cを突出させて設けている。また、蓋体38は本体21に対して回動自在で、容器24の上方に着脱自在に取り付けられる。
【0018】
貯液タンク23は、機器の設置面積を小さくするため、本体21の上方に着脱自在に載置される(併設ではない)ものであり、容器24に液体22を供給するために貯液している。本実施の形態において、蒸気通路38bは、貯液タンク23を貫くように立ち上げている。
【0019】
貯液タンク23は、タンク本体23dと補給キャップ23eとで構成され、タンク本体23dはポリプロピレン樹脂でブロー成形され、補給キャップ23eはポリプロピレン樹脂で射出成形されたものである。補給キャップ23eはタンク本体23dに対して取り外しが可能であり、取り付け時には結合部から液体22が漏れないようにシリコーンゴムなどでシールをしている。補給キャップ23eの天面23bに設けた開口部23cには、バネ39で付勢され貯液タンク23の着脱時に開口部23cを開閉する止液弁42が設けられている。この止液弁42はシリコーンゴムなどの軟質製のゴムからなり、貯液タンク23に液体22を補給したいときなど、貯液タンク23を外したときに開口部23cから液体22が大量にこぼれないようにしたものである。貯液タンク23が本体21に装着されている場合には、バネ39により開口部23cを閉塞すべく付勢されている止液弁42が持ち上げられ、開口部23cが開口するので、貯液タンク23内に収容された液体22が開口部23cから出てくる仕組みである。
【0020】
本体21の上部に設けた給液受け皿43は、貯液タンク23が着脱自在に嵌合して設置されるものであり、貯液タンク23を本体21に装着したときに開口部23cから流出した液体22を受けるものである。給液受け皿43の底面に設けた連通口43aには、バネ40で付勢され貯液タンク23の着脱時に連通口43aを開閉する給液弁32が設けられている。この給液弁32はシリコーンゴムなどの軟質製のゴムからなり、貯液タンク23が本体21に装着されている場合には、バネ40により連通口43aを閉塞すべく付勢されている給液弁32が押し下げられ、連通口43aが開口するので、給液受け皿43の液体22が連通口43aから導入される仕組みである。なお、本実施の形態において、止液弁42と給液弁32とが連動して開閉するように設けたが、それぞれの弁が独立して開閉するようにしてもよい。
【0021】
給液路27は、一方を容器24の底部に設けた給液口24cと連通し、他方を給液受け皿43の底部に設けた連通口43aと連結させたものであり、給液時に容器24に液体22を導入する経路である。
【0022】
また、貯液タンク23が本体21に装着されたときに補給キャップ23eの天面23bに設けた開口部23c(貯液タンク23の最下端面)を容器24内に収容する液体22の満液位24aと同じ高さになるように設定している。
【0023】
ここで、貯液タンク23の前面(吐出口30側)には、貯液タンク23内の液量を表示するタンク液位表示部23aを設けている。タンク液位表示部23aは、本体液位表示部21aの上方に設け、本体液位表示部21aと同様に、容器24の中心線に対し吐出口30を避けた位置で、本体21に向かって右寄りの位置に設けている。タンク液位表示部23aは、タンク本体23dに液位表示目盛り44が刻印成形されたものである。
【0024】
以上のように構成された電気湯沸かし器について、以下その動作、作用を説明する。
【0025】
まず、貯液タンク23を本体21から取り外す。そして反転させて補給キャップ23eをタンク本体23dから外して貯液タンク23に液体22を補給する。補給が完了すると、補給キャップ23eをタンク本体23dに取り付けて元の状態に戻し、貯液タンク23を本体21の上部に設けた給液受け皿43に嵌合させて設置する。このようにして貯液タンク23を本体21に装着すると、バネ39により開口部23cを閉塞すべく付勢されている止液弁42が持ち上げられるとともに、バネ40により連通口43aを閉塞すべく付勢されている給液弁32が止液弁42と連動して押し下げられる。これにより、開口部23cおよび連通口43aが開口するので、貯液タンク23内に収容された液体22が給液受け皿43を介して給液路27に導入され、貯液タンク23に収容された液体22の自重で容器24に給液される。
【0026】
ここで、貯液タンク23はタンク本体23dがポリプロピレン樹脂でブロー成形されたものであるため、貯液タンク23の内部上方にある空気層は密閉状態となり、貯液タンク23内への空気の進入を貯液タンク23の開口部23cのみに限定できる。貯液タンク23からの給液中にその開口部23cが液没すると、貯液タンク23内への空気の進入が止まると同時に、給液も止まる。
【0027】
容器24内に給液された液体22を底部に付設した加熱手段25により所定温度まで加熱、保温する。また、容器24内の液体(湯)を吐出したい場合には、ポンプ36を動作させることによって導出路31より本体21外へ導出される。
【0028】
なお、容器24内で発生した蒸気は蒸気抜き穴38aから蓋体38内部の蒸気通路38cを通り蒸気口38bから本体21外に排出される。
【0029】
以上のように、本実施の形態の電気湯沸かし器においては、容器24内を給液口24c側と受液口24b側とに分割する仕切り板24dを備えることにより、給液時の液体22と吐出用の液体22の混合をできる限り避けることができ液温の低下をなくし、同時に補給された液体の加熱が効果的に行なえるものである。
【0030】
また、仕切り板24dは、加熱手段25が給液口24c側に含まれるよう容器24内を分割したことにより、給液口24c側の液体を集中して効果的に加熱し液温を高めることができる。
【0031】
さらに、仕切り板24dの上端は、容器24内に収容する液体22の満液位24aよりも低い位置に設けたことにより、給液口24c側で加熱された液体は上方に集められ、受液口24b側に移行することができる。
【0032】
なお、本実施の形態の電気湯沸かし器においては、貯液タンク23は、機器の設置面積を小さくするため、本体21の上方に着脱自在に載置されるものを示したが、貯液タンクを併設する形式のものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上のように、本発明にかかる電気湯沸かし器は、容器内の液体を吐出する際に、貯液タンクから容器へ補給された液体が混合されず液温の低下がなく、同時に補給された液体は容器の給液口側で効果的に加熱できるので、貯液タンクを有する電気湯沸かし器全般に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態における電気湯沸かし器の断面図
【図2】図1のA−A線による部分断面図
【符号の説明】
【0035】
21 本体
22 液体
23 貯液タンク
24 容器
24a 満液位
24b 受液口
24c 給液口
24d 仕切り板
25 加熱手段
27 給液路
31 導出路
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体内の容器へ液体を補給する貯液タンクを備えた電気湯沸かし器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気湯沸かし器としては、例えば、容器とは別に貯液タンクを備え、容器内の湯が所定量まで減少したとき、それを検知し、貯液タンクの液体をポンプで汲み上げて、容器と貯液タンクとを連結する給液路を介して液体を容器に自動的に補給するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−75317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、容器内の液体(湯)を吐出する(取り出す)際に、貯液タンクから容器へ補給された液体が混合されて液温が低下したり、補給された液体の加熱が効果的に行われなかったりするという課題を有していた。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、容器内の液体を吐出する際に、貯液タンクから容器へ補給された液体が混合されないようにして液温の低下をなくし、同時に補給された液体の加熱が効果的に行なえるようにした電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気湯沸かし器は、本体内に設けられ液体を収容する容器と、前記容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記容器に補給する液体を貯溜する貯溜タンクと、前記容器の底部に設けた給液口と貯溜タンクとを連通する給液路と、前記容器の底部で給液口と離れた位置に設けた受液口に接続されて液体を吐出口に導く導出路と、前記容器内を前記給液口側と受液口側とに分割する仕切り板とを備えたものである。
【0006】
これにより、容器内が給液口側と受液口側とに分割されているため、容器内の液体を吐出する際に、貯液タンクから容器へ補給された液体が混合されず液温の低下がなく、同時に補給された液体は容器の給液口側で効果的に加熱できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電気湯沸かし器は、容器内の液体を吐出する際に、貯液タンクから容器へ補給された液体が混合されず液温の低下がなく、同時に補給された液体は容器の給液口側で効果的に加熱できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、本体内に設けられ液体を収容する容器と、前記容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記容器に補給する液体を貯溜する貯溜タンクと、前記容器の底部に設けた給液口と貯溜タンクとを連通する給液路と、前記容器の底部で給液口と離れた位置に設けた受液口に接続されて液体を吐出口に導く導出路と、前記容器内を前記給液口側と受液口側とに分割する仕切り板とを備えた電気湯沸かし器とすることにより、容器内が給液口側と受液口側とに分割されているため、容器内の液体を吐出する際に、貯液タンクから容器へ補給された液体が混合されず液温の低下がなく、同時に補給された液体は容器の給液口側で効果的に加熱できる。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明において、仕切り板は、加熱手段が給液口側に含まれるよう容器内を分割したことにより、給液口側の液体を集中して効果的に加熱し液温を高めることができる。
【0010】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、仕切り板の上端は、容器内に収容する液体の満液位よりも低い位置に設けたことにより、給液口側で加熱された液体は上方に集められ、受液口側に移行することができる。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0012】
(実施の形態)
図1、図2は、本発明の実施の形態における電気湯沸かし器を示すものである。
【0013】
図に示すように、液体22を収容する容器24は本体21内に設けられており、ステンレス鋼板で有底円筒状に形成され、底面裏側には容器24内の液体22を加熱する加熱手段25が固着されている。また、容器24内の底部(底面に限定されるものではない)には、給液口24cと、この給液口24cと離れた位置に受液口24bを設けている。さらに、容器24内には、前記給液口24c側と受液口24b側とに分割する仕切り板24dが設けてある。この仕切り板24dは、給液口24c側に加熱手段25が含まれるような位置に設けられている。そして、仕切り板24dの上端は、容器24内に収容する液体22の満液位24aよりも低い位置に設けている。
【0014】
加熱手段25の定格消費電力は1000Wで、保温時は75Wである。導出路31はポンプ36を介して一方を容器24の底部に設けた受液口24bと連通させたものであり、ポンプ36を動作させて吐出口30から本体21外へ液体(湯)を導出する経路となっている。
【0015】
本体21の前面(吐出口30側)には、本体21外部より導出路31を臨むように本体21が開口されており、その開口部に容器24内の液量を表示する本体液位表示部21aを設けている。本体液位表示部21aは容器24の中心線に対し吐出口30を避けた位置で、本体21に向かって右寄りの位置に設けている。本体液位表示部21aはPETフィルム樹脂で構成され、その表面には液位表示目盛り44と透明窓が印刷されており、裏面に貼付けられた両面テープによって本体21に接着され、本体21の開口部を覆っている。
【0016】
制御手段41は機器の動作を制御するものであり、加熱手段25とポンプ36を制御している。
【0017】
蓋体38は容器24の上方開口部を覆うものであり、蓋体38の容器24側には蒸気抜き穴38aを設け、蓋体38には蒸気抜き穴38aと蒸気口38bとを連通する蒸気通路38cを突出させて設けている。また、蓋体38は本体21に対して回動自在で、容器24の上方に着脱自在に取り付けられる。
【0018】
貯液タンク23は、機器の設置面積を小さくするため、本体21の上方に着脱自在に載置される(併設ではない)ものであり、容器24に液体22を供給するために貯液している。本実施の形態において、蒸気通路38bは、貯液タンク23を貫くように立ち上げている。
【0019】
貯液タンク23は、タンク本体23dと補給キャップ23eとで構成され、タンク本体23dはポリプロピレン樹脂でブロー成形され、補給キャップ23eはポリプロピレン樹脂で射出成形されたものである。補給キャップ23eはタンク本体23dに対して取り外しが可能であり、取り付け時には結合部から液体22が漏れないようにシリコーンゴムなどでシールをしている。補給キャップ23eの天面23bに設けた開口部23cには、バネ39で付勢され貯液タンク23の着脱時に開口部23cを開閉する止液弁42が設けられている。この止液弁42はシリコーンゴムなどの軟質製のゴムからなり、貯液タンク23に液体22を補給したいときなど、貯液タンク23を外したときに開口部23cから液体22が大量にこぼれないようにしたものである。貯液タンク23が本体21に装着されている場合には、バネ39により開口部23cを閉塞すべく付勢されている止液弁42が持ち上げられ、開口部23cが開口するので、貯液タンク23内に収容された液体22が開口部23cから出てくる仕組みである。
【0020】
本体21の上部に設けた給液受け皿43は、貯液タンク23が着脱自在に嵌合して設置されるものであり、貯液タンク23を本体21に装着したときに開口部23cから流出した液体22を受けるものである。給液受け皿43の底面に設けた連通口43aには、バネ40で付勢され貯液タンク23の着脱時に連通口43aを開閉する給液弁32が設けられている。この給液弁32はシリコーンゴムなどの軟質製のゴムからなり、貯液タンク23が本体21に装着されている場合には、バネ40により連通口43aを閉塞すべく付勢されている給液弁32が押し下げられ、連通口43aが開口するので、給液受け皿43の液体22が連通口43aから導入される仕組みである。なお、本実施の形態において、止液弁42と給液弁32とが連動して開閉するように設けたが、それぞれの弁が独立して開閉するようにしてもよい。
【0021】
給液路27は、一方を容器24の底部に設けた給液口24cと連通し、他方を給液受け皿43の底部に設けた連通口43aと連結させたものであり、給液時に容器24に液体22を導入する経路である。
【0022】
また、貯液タンク23が本体21に装着されたときに補給キャップ23eの天面23bに設けた開口部23c(貯液タンク23の最下端面)を容器24内に収容する液体22の満液位24aと同じ高さになるように設定している。
【0023】
ここで、貯液タンク23の前面(吐出口30側)には、貯液タンク23内の液量を表示するタンク液位表示部23aを設けている。タンク液位表示部23aは、本体液位表示部21aの上方に設け、本体液位表示部21aと同様に、容器24の中心線に対し吐出口30を避けた位置で、本体21に向かって右寄りの位置に設けている。タンク液位表示部23aは、タンク本体23dに液位表示目盛り44が刻印成形されたものである。
【0024】
以上のように構成された電気湯沸かし器について、以下その動作、作用を説明する。
【0025】
まず、貯液タンク23を本体21から取り外す。そして反転させて補給キャップ23eをタンク本体23dから外して貯液タンク23に液体22を補給する。補給が完了すると、補給キャップ23eをタンク本体23dに取り付けて元の状態に戻し、貯液タンク23を本体21の上部に設けた給液受け皿43に嵌合させて設置する。このようにして貯液タンク23を本体21に装着すると、バネ39により開口部23cを閉塞すべく付勢されている止液弁42が持ち上げられるとともに、バネ40により連通口43aを閉塞すべく付勢されている給液弁32が止液弁42と連動して押し下げられる。これにより、開口部23cおよび連通口43aが開口するので、貯液タンク23内に収容された液体22が給液受け皿43を介して給液路27に導入され、貯液タンク23に収容された液体22の自重で容器24に給液される。
【0026】
ここで、貯液タンク23はタンク本体23dがポリプロピレン樹脂でブロー成形されたものであるため、貯液タンク23の内部上方にある空気層は密閉状態となり、貯液タンク23内への空気の進入を貯液タンク23の開口部23cのみに限定できる。貯液タンク23からの給液中にその開口部23cが液没すると、貯液タンク23内への空気の進入が止まると同時に、給液も止まる。
【0027】
容器24内に給液された液体22を底部に付設した加熱手段25により所定温度まで加熱、保温する。また、容器24内の液体(湯)を吐出したい場合には、ポンプ36を動作させることによって導出路31より本体21外へ導出される。
【0028】
なお、容器24内で発生した蒸気は蒸気抜き穴38aから蓋体38内部の蒸気通路38cを通り蒸気口38bから本体21外に排出される。
【0029】
以上のように、本実施の形態の電気湯沸かし器においては、容器24内を給液口24c側と受液口24b側とに分割する仕切り板24dを備えることにより、給液時の液体22と吐出用の液体22の混合をできる限り避けることができ液温の低下をなくし、同時に補給された液体の加熱が効果的に行なえるものである。
【0030】
また、仕切り板24dは、加熱手段25が給液口24c側に含まれるよう容器24内を分割したことにより、給液口24c側の液体を集中して効果的に加熱し液温を高めることができる。
【0031】
さらに、仕切り板24dの上端は、容器24内に収容する液体22の満液位24aよりも低い位置に設けたことにより、給液口24c側で加熱された液体は上方に集められ、受液口24b側に移行することができる。
【0032】
なお、本実施の形態の電気湯沸かし器においては、貯液タンク23は、機器の設置面積を小さくするため、本体21の上方に着脱自在に載置されるものを示したが、貯液タンクを併設する形式のものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上のように、本発明にかかる電気湯沸かし器は、容器内の液体を吐出する際に、貯液タンクから容器へ補給された液体が混合されず液温の低下がなく、同時に補給された液体は容器の給液口側で効果的に加熱できるので、貯液タンクを有する電気湯沸かし器全般に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態における電気湯沸かし器の断面図
【図2】図1のA−A線による部分断面図
【符号の説明】
【0035】
21 本体
22 液体
23 貯液タンク
24 容器
24a 満液位
24b 受液口
24c 給液口
24d 仕切り板
25 加熱手段
27 給液路
31 導出路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体内に設けられ液体を収容する容器と、前記容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記容器に補給する液体を貯溜する貯溜タンクと、前記容器の底部に設けた給液口と貯溜タンクとを連通する給液路と、前記容器の底部で給液口と離れた位置に設けた受液口に接続されて液体を吐出口に導く導出路と、前記容器内を前記給液口側と受液口側とに分割する仕切り板とを備えた電気湯沸かし器。
【請求項2】
仕切り板は、加熱手段が給液口側に含まれるよう容器内を分割した請求項1に記載の電気湯沸かし器。
【請求項3】
仕切り板の上端は、容器内に収容する液体の満液位よりも低い位置に設けた請求項1または2に記載の電気湯沸かし器。
【請求項1】
本体内に設けられ液体を収容する容器と、前記容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記容器に補給する液体を貯溜する貯溜タンクと、前記容器の底部に設けた給液口と貯溜タンクとを連通する給液路と、前記容器の底部で給液口と離れた位置に設けた受液口に接続されて液体を吐出口に導く導出路と、前記容器内を前記給液口側と受液口側とに分割する仕切り板とを備えた電気湯沸かし器。
【請求項2】
仕切り板は、加熱手段が給液口側に含まれるよう容器内を分割した請求項1に記載の電気湯沸かし器。
【請求項3】
仕切り板の上端は、容器内に収容する液体の満液位よりも低い位置に設けた請求項1または2に記載の電気湯沸かし器。
【図1】
【図2】
【図2】
【公開番号】特開2007−289554(P2007−289554A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−123222(P2006−123222)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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