説明

電気的除細動を予防するためのドロネダロン

カルジオバージョンの予防に使用する医薬を製造するためのドロネダロンの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカルジオバージョン(電気的除細動)、特に電気的カルジオバージョンの予防に使用される医薬を製造するためのドロネダロンの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
2−n−ブチル−3−[4−(3−ジ−n−ブチルアミノプロポキシ)ベンゾイル]−5−メチルスルホンアミド−ベンゾフランまたはドロネダロンおよび医薬的に許容されるその塩は欧州特許EP 0 471 609 B1に記載されている。
【0003】
ドロネダロンは、カルシウムチャンネル、カリウムチャンネルおよびナトリウムチャンネルに作用する多チャンネルブロッカーであり、抗アドレナリン特性を有している。
【0004】
ドロネダロンは心房細動または心房粗動の病歴をもつ患者を治療するための抗不整脈薬である。
【0005】
電気療法は、様々な状態を治療するために18世紀から使用されており、経胸的直流電気的カルジオバージョンの開発に導いた。これはいまや多くの心不整脈のすぐれた治療方法である。
【0006】
経胸的電気的カルジオバージョンは、1962年にLownによって初めて開示されてから、AFを停止させる標準的な方法になっている(Lown B,Amarasingham R,Neuman Jら:New method for treating cardiac arrhythmias;Use of synchronized capacitor discharge.JAMA 182:548−555,1962)。それ以来、この技術は広汎に使用されており、有効であることも実証された。最近の10年間の研究の結果、除細動のメカニズムがより十分に解明され、新しいテクノロジーおよびエネルギー波形の開発、ならびに、有効率、患者の安全性および難治性症例における成功を改善するための新しい最適化戦略の開発がもたらされた。
【0007】
経胸的電気的カルジオバージョンは、2個のパドルを介して患者の胸部に与えられる同期ショックの送達によって不整脈を停止させ、不整脈の一因であるリエントリー回路に関与する組織を脱分極する。回路に関与する興奮性組織の全部が脱分極されると組織が治療抵抗性になり、リエントリーの伝播または維持がもはやできない。
【0008】
“Critical Mass Hypothesis”によれば、高レベルの除細動エネルギーは原線維活動を除去できる。この理論は、心房または心室の細動はある量の心筋層によって維持されており心筋層全体が均等に脱分極されたときに停止すると仮定している(Zipes DP,Fischer J,King RM:Termination of ventricular fibrillation in dogs by depolarizing a critical amount of myocardium.Am J Cardiol 36:37−44,1975)。
【0009】
電気的カルジオバージョンは心房細動の治療において87%という高い成功率を示し得るが、成功率は患者の状態、特に心房細動症状の発現の持続時間と介入様式に左右される。ショックを与えるために使用されるパドルの位置が特に重要であり、1つのパドルを心尖部に配置し1つを右鎖骨下に配置する前外側配置が最も効果的である(Botto GL,Politi A,Bonini Wら:External cardioversion of atrial fibrillation:Role of paddle position on technical efficacy and energy requirements.Heart 82:726−730,1999)。
【0010】
電気的カルジオバージョン手法は有効ではあるが、ときには重篤な合併症、特に卒中のような血栓塞栓イベントおよび致命的な心不整脈に至ることがある。
【0011】
血栓塞栓合併症は特に、適正な抗凝血機能の欠如した患者の1から7%に報告された(Bjerkelund CJ,Orning OM:The efficacy of anticoagulant therapy in preventing embolism related to DC electrical conversion of atrial fibrillation.Am J Cardiol 23:208−216,1969),(Arnold AZ,Mick MJ,Mazurek RPら:Role of prophylactic anticoagulation for direct current cardioversion in patients with atrial fibrillation or atrial flutter.J Am Coll Cardiol 19:851−855,1992)。
【0012】
心房細動のカルジオバージョンの後では様々な不整脈、特に心室および上室の期外収縮、徐脈、ならびに、短期間の洞停止などが生じることがある(Rabbino MDら:Complications and limitations of direct current countershock.JAMA 190:417−420,1964)。電解質インバランスまたはジギタリス治療は、心室の頻脈および細動のような他の危険な不整脈を引き起こすことがある(Lown B,Likoff W,Dreifus LS:Cardioversion and digitalis drugs:Changed threshold to electric shock in digitalized animals.Circ Res 17:519−531,1965),(Aberg H,Cullhed I:Direct current countershock complications.Acta Med Scand 183:415−421,1968)。
【0013】
皮膚熱傷も電気的カルジオバージョンによく起こる合併症である(Pagan−Carlo,Stone MS,Kerber RE:Nature and determinants of skin burns after transthoracic cardioversion.Am J Cardiol 79:689−691,1997)。
【0014】
電気的カルジオバージョン中に心筋損傷が生じることもある(Lipkin DP,Frenneaux M,Stewart Rら:Delayed improvement in exercise capacity after cardioversion of atrial fibrillation to sinus rhythm.Br Heart J 59:572−577,1988),(Patton JN,Allen JD,Pantridge JF:The effects of shock energy,propranolol and verapamil on cardiac damage caused by transthoracic countercheck.Circulation 69:357−368,1984)。
【0015】
さらに電気的カルジオバージョンは全身麻酔下で行うが、これ自体も合併症に導くことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】欧州特許第0 471 609号明細書
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Lown B,Amarasingham R,Neuman J,ら:New method for treating cardiac arrhythmias;Use of synchronized capacitor discharge.JAMA 182:548−555,1962
【非特許文献2】Zipes DP,Fischer J,King RM:Termination of ventricular fibrillation in dogs by depolarizing a critical amount of myocardium.Am J Cardiol 36:37−44,1975
【非特許文献3】Botto GL,Politi A,Bonini Wら:External cardioversion of atrial fibrillation:Role of paddle position on technical efficacy and energy requirements.Heart 82:726−730,1999
【非特許文献4】Bjerkelund CJ,Orning OM:The efficacy of anticoagulant therapy in preventing embolism related to DC electrical conversion of atrial fibrillation.Am J Cardiol 23:208−216,1969
【非特許文献5】Arnold AZ,Mick MJ,Mazurek RPら:Role of prophylactic anticoagulation for direct current cardioversion in patients with atrial fibrillation or atrial flutter.J Am Coll Cardiol 19:851−855,1992
【非特許文献6】Rabbino MDら:Complications and limitations of direct current countershock.JAMA 190:417−420,1964
【非特許文献7】Lown B,Likoff W,Dreifus LS:Cardioversion and digitalis drugs:Changed threshold to electric shock in digitalized animals.Circ Res 17:519−531,1965
【非特許文献8】Aberg H,Cullhed I:Direct current countershock complications.Acta Med Scand 183:415−421,1968
【非特許文献9】Pagan−Carlo,Stone MS,Kerber RE:Nature and determinants of skin burns after transthoracic cardioversion.Am J Cardiol 79:689−691,1997
【非特許文献10】Lipkin DP,Frenneaux M,Stewart Rら:Delayed improvement in exercise capacity after cardioversion of atrial fibrillation to sinus rhythm.Br Heart J 59:572−577,1988
【非特許文献11】Patton JN,Allen JD,Pantridge JF:The effects of shock energy,propranolol and verapamil on cardiac damage caused by transthoracic countercheck.Circulation 69:357−368,1984。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
結論として、電気的カルジオバージョンは心房細動の治療に一般的に使用されている。これは極めて成功した治療方法ではあるが、心房細動はいつでも再発のおそれがあるので、処置を繰り返すことがしばしば必要である。このような電気的カルジオバージョン処置の度毎に、卒中または致命的な心不整脈のような重篤になり得る合併症の危険が伴う。
【発明の効果】
【0019】
これらの理由から、電気的カルジオバージョンの必要性を減じる薬剤が心房細動患者には極めて有益であろう。
【0020】
発明者らはここに、ドロネダロンがカルジオバージョン、特に電気的カルジオバージョンの必要性を減じることを知見した。
【0021】
本発明の主題は、心房細動または心房粗動の病歴をもつ患者のカルジオバージョンの予防に使用される医薬を製造するためのドロネダロンまたは医薬的に許容されるその塩の1つの使用である。
【0022】
より詳細には本発明は、心房細動または心房粗動の病歴をもつ患者の電気的カルジオバージョンの予防に使用される医薬を製造するためのドロネダロンまたは医薬的に許容されるその塩の1つの使用に関する。
【0023】
より詳細には本発明は、心房細動または心房粗動の病歴をもつ患者の電気的カルジオバージョンの約32%の予防に使用される医薬を製造するためのドロネダロンまたは医薬的に許容されるその塩の1つの使用に関する。
【0024】
上記のパーセンテージは平均に相当する。
【0025】
「約32%の予防」は、ドロネダロンで治療した患者がドロネダロンで治療しなかった患者に比較して32%低いカルジオバージョンリスクを有することを意味する。
【0026】
ドロネダロンの医薬的に許容される塩としては塩酸塩を挙げることができる。
【0027】
また、「心房細動または心房粗動の病歴をもつ」、「心房細動または心房粗動の病歴をもつかまたは現在もっている」、「心房細動または心房粗動の最近の病歴をもつかまたは現在もっている」、「発作性または持続性の心房細動または心房粗動をもっている」、「発作性または持続性の心房細動または心房粗動の病歴をもつかまたは現在もっている」、「発作性または持続性の心房細動または心房粗動の最近の病歴をもつかまたは現在もっている」という表現は、過去に心房細動または心房粗動の1つ以上の症状の発現を有していた患者および/またはドロネダロンまたは医薬的に許容されるその塩を使用している時期に心房細動または心房粗動に罹っている患者を意味することを明記しておく。より特定的にはこの表現は、治療開始前の6カ月以内に心房の細動または粗動と洞調律との双方があったと記録されている患者を意味する。患者がドロネダロンまたは医薬的に許容されるその塩を開始した時期に洞調律または心房の細動もしくは粗動のいずれかを示していてもよい。
【0028】
心房細動または心房粗動の病歴を有している患者のうちにはまた、以下の危険因子の少なくとも1つを同時に示している患者を挙げることができる:
−特に70歳以上、またはさらに75歳以上の年齢、
−高血圧、
−糖尿病、
−脳卒中または全身性塞栓症の病歴、
−超音波心臓動態診断法によって測定した左心房直径が50mm以上、
−二次元超音波検査法によって測定した左心室の駆出率が40%未満。
【0029】
心房細動または心房粗動の病歴を有している患者のうちにはまた、以下の疾患の少なくとも1つに対応する追加の危険因子を有している患者を挙げることができる:
−高血圧、
−構造的心疾患、
−頻脈、
−冠状動脈性心疾患、
−非リウマチ性心臓弁膜疾患、
−虚血性拡張型心筋症、
−AF/AFL切除、たとえばカテーテル誘導切除または外科的切除の病歴、
−AF/AFL以外の上室性頻脈、
−心臓弁外科手術の病歴、
−非虚血性拡張型心筋症、
−肥大性心筋症、
−リウマチ性心臓弁膜疾患
−持続性心室頻脈、
−先天性心疾患、
−AF/AFL以外の理由による切除、たとえばカテーテル誘導切除の病歴、
−心室細動、および/または、
−ペースメーカー、
−植込み式カルジオバーター除細動器
から選択された少なくとも1つの心臓デバイス。
【0030】
本発明の別の目的は、本発明のドロネダロンおよび医薬的に許容されるその塩を有効成分として含む医薬組成物である。この医薬組成物は、有効薬用量の少なくともドロネダロンまたは医薬的に許容される塩によるその付加塩またはその水和物または溶媒和物と、少なくとも1種類の医薬的に許容される賦形剤とを含む。このような賦形剤は医薬形態および所望の投与経路に従って当業者に公知の常用の賦形剤から選択される。
【0031】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、外用、局所、気管内、鼻腔内、経皮または直腸内に投与するための本発明の医薬組成物中のドロネダロンまたはその塩、溶媒和物または水和物は、常用の医薬賦形剤とブレンドされた単位剤形として、上述の疾病状態を予防または治療するために動物およびヒトに投与できる。適当な単位剤形は、錠剤、硬質もしくは軟質ゼラチンカプセル、散剤、粒剤および経口溶液もしくは懸濁液のような経口形態、舌下、口腔内、気管内、眼内、吸入適応形態である鼻腔内の形態、外用、経皮、皮下、筋肉内もしくは静脈内送達、直腸内形態およびインプラントを含む。外用塗布のためには本発明の化合物をクリーム、ジェル、軟膏またはローションとして使用し得る。
【0032】
治療に使用する場合、ドロネダロンおよび医薬的に許容されるその塩は一般に医薬組成物に導入される。
【0033】
これらの医薬組成物はドロネダロンまたは医薬的に許容されるその塩を有効薬用量で含有し、同時に少なくとも1種類の医薬的に許容される賦形剤を含有する。
【0034】
該賦形剤は、医薬形態および所望の投与経路に従って、当業者に公知の常用の賦形剤から選択される。
【0035】
該医薬組成物は、1日1回または2回の回数で食事と共に与えられる。
【0036】
1日あたりに投与されるドロネダロンの用量は800mgに達してもよく、この量が1回以上の服用、たとえば1回または2回の服用で摂取される。
【0037】
より具体的には、投与される用量のドロネダロンが食事と共に摂取され得る。
【0038】
より具体的には、1日あたりに経口投与されるドロネダロンの用量は800mgに達してもよく、この量が2回の服用で食事と共に摂取される。
【0039】
1日あたりに経口投与されるドロネダロンの用量が1日に2回の割合で食事たとえば朝食および夕食と共に摂取され得る。
【0040】
より具体的には、2回の服用が等しい量のドロネダロンを含む。
【0041】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、外用、局所、気管内、鼻腔内、経皮または直腸内に投与するための医薬組成物中のドロネダロンまたは医薬的に許容されるその塩の1つは常用の医薬賦形剤とブレンドされた単位剤形として上記の疾患に罹っている動物およびヒトに投与できる。
【0042】
適当な単位剤形は、錠剤、硬質もしくは軟質ゼラチンカプセル、散剤、粒剤および経口溶液もしくは懸濁液のような経口形態、舌下、口腔内、気管内、眼内、吸入による鼻腔内の形態、外用、経皮、皮下、筋肉内または静脈内の形態、直腸内形態およびインプラントを含む。外用塗布のためには本発明の化合物をクリーム、ジェル、軟膏またはローションとして使用し得る。
【発明を実施するための形態】
【0043】
一例として、錠剤形態のドロネダロンまたは医薬的に許容されるその塩の1つの単位剤形は以下の成分を含むことができる。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【0046】
【表3】

【0047】
【表4】

【0048】
経口投与の場合、ドロネダロンの1日の用量は800mgに達してもよい。
【0049】
具体的症例においてはもっと多い投薬量またはもっと少ない投薬量が適当であろうが、これらの投薬量は本発明の範囲内に包含される。一般的な実態では、各患者に適した投薬量は投与経路、患者の体重、疾患、体表面積、心拍出量および応答に従って内科医が決定する。
【0050】
本発明はまた、少なくともドロネダロンまたは医薬的に許容されるその塩の1つを有効用量で患者に投与する段階を含む上記疾患の治療方法に関する。
【0051】
添付図面を参照しながら上記データに基づいて本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】個々の患者に対して12から30カ月継続する試験期間中のランダム割当から最初のカルジオバージョンまでのKaplan Meier累積発生率曲線を表す。 前向き、多国籍、ダブル盲検、ランダム割当、多施設、プラセボ対照、平行群治験においてドロネダロン塩酸塩を使用すると、ドロネダロンおよび医薬的に許容されるその塩がプラセボに比較してカルジオバーシーョンの予防に対して有効であることを示した。
【0053】
I.患者の選択
患者は、心房細動または心房粗動の病歴を有していなければならない、および/または、治験参加の時点で正常な洞調律または心房の細動もしくは粗動を有していてもよい。
【0054】
患者の参加は以下の選択基準を考慮して判断した。
【0055】
選択基準
1)以下の危険因子の1つが存在しなければならない:
−年齢が70歳以上、
−高血圧(少なくとも2つの異なるクラスの降圧薬を服用している)、
−糖尿病、
−脳卒中(一過性虚血イベントまたは完成脳卒中)または全身性塞栓症の病歴、
−超音波心臓動態診断法によって測定した左心房直径が50mm以上、
−二次元超音波検査法によって測定した左心室の駆出率が40%未満、または、
−年齢が70歳もしくはさらに75歳以上で以下の危険因子の少なくとも1つの可能性がある:
o 高血圧(少なくとも2つの異なるクラスの降圧薬を服用している)、
o 糖尿病、
o 脳卒中(一過性虚血イベントまたは完成脳卒中)または全身性塞栓症の病歴、
o 超音波心臓動態診断法によって測定した左心房直径が50mm以上、
o 二次元超音波検査法によって測定した左心室の駆出率が40%未満。
【0056】
2)患者が心房細動/粗動であったかまたはあることを示す最近6カ月以内の心電図が入手可能である。
【0057】
3)患者が洞調律であったかまたはあることを示す最近6カ月以内の心電図が入手可能である。
【0058】
II.期間および治療
試験薬の治療ユニット(プラセボまたは基剤400mgに対応するドロネダロン塩酸塩)は、各患者が朝方、朝食中または朝食直後に1錠を服用し、夕方、夕食中または夕食直後に1錠を服用するようにした。
【0059】
治療期間は、各患者の治験参加時点に左右されるが、12カ月から30カ月の範囲であった。
【0060】
III.結果
ノンパラメトリックKaplan−Meier推定値を使用して結果を計算した。
【0061】
相対リスクとも呼ばれるハザード比を推定するためにCoxの比例ハザードモデルを使用した。
【0062】
相対リスク(RR)は、ドロネダロンで治療した患者のカルジオバージョンリスクとプラセボで治療した患者のカルジオバージョンリスクとの比である。
【0063】
イベントの減少パーセンテージを以下のように計算する:
x=1−RR。
【0064】
カルジオバージョンに関する結果
治験に参加した4628名の患者のうちで、2301名はドロネダロン塩酸塩治療群に属していた。
【0065】
プラセボ群で481のイベントが記録されたのに対して、ドロネダロン塩酸塩治療群では339であった。
【0066】
形三した相対リスクは0.68に等しい値、すなわち、電気的カルジオバージョンの32%減を示した(p<0.001)。
【0067】
図1は、ドロネダロンの効果が早期に生じ、経時的に増加したことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルジオバージョンの予防に使用される医薬を製造するためのドロネダロンの使用。
【請求項2】
電気的カルジオバージョンの予防に使用される医薬を製造するための請求項1に記載の使用。
【請求項3】
カルジオバージョンの約32%の予防に使用される医薬を製造するための請求項1に記載の使用。
【請求項4】
患者が心房細動または心房粗動の病歴を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
患者が、以下の危険因子:
−特に70歳以上、またはさらに75歳以上の年齢、
−高血圧、
−糖尿病、
−過去の脳血管発作または全身性塞栓症、
−超音波心臓動態診断法によって測定された左心房直径が50mm以上、
−二次元超音波検査法による左心室の駆出率が40%未満
の少なくとも1つを有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
患者が以下の疾患:
−高血圧、
−構造的心疾患、
−頻脈、
−冠状動脈性心疾患、
−非リウマチ性心臓弁膜疾患、
−虚血性拡張型心筋症、
−AF/AFL切除、
−AF/AFL以外の上室性頻脈、
−心臓弁外科手術の病歴、
−非虚血性拡張型心筋症、
−肥大性心筋症、
−リウマチ性心臓弁膜疾患
−持続性心室頻脈、
−先天性心疾患、
−AF/AFL以外の理由による切除、
−心室細動、および/または、
−ペースメーカー、
−植込み式カルジオバーター除細動器
から選択された少なくとも1つの心臓デバイス:
の少なくとも1つに対応する追加の危険因子を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
経口投与の場合、ドロネダロンの1日の用量が800mgに達してもよいことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2011−522875(P2011−522875A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513070(P2011−513070)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【国際出願番号】PCT/IB2009/006089
【国際公開番号】WO2009/150534
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】