説明

電気絶縁性シートの除電方法、電気絶縁性シートの製造方法、ならびに、電気絶縁性シート

【課題】電気絶縁性シートの片面、あるいは、両面に、狭いピッチで混在する正極性と負極性の帯電領域を容易に除去することが出来る電気絶縁性シートの除電方法を提供する。
【解決手段】電気絶縁性シートが配される空間を挟むように対向して位置するイオン発生手段の少なくとも2組みが用いられ、前記イオン発生手段により、同時に、かつ、実質的に互いに逆極性の単極性のイオン雲を、前記シートの各部において、前記シートの第1の面および第2の面に対して、照射し、その後、前記第1および第2の面のそれぞれに対して、前記照射の際とは極性が反転した単極性のイオン雲を照射することにより、電気絶縁性シートの各面の正負両極性の帯電を除去する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気絶縁性シートの移動経路に対し、該シートの移動方向に間隔をおいて設けられた少なくとも2個以上の除電ユニットを有し、該除電ユニットは、前記シートを挟んで対向して配置された第1の電極ユニットと第2の電極ユニットを有し、前記第1の電極ユニットは、第1のイオン生成電極を有し、前記第2の電極ユニットは、第2のイオン生成電極を有し、前記第1のイオン生成電極に印加される電圧と前記第2のイオン生成電極に印加される電圧が、互いに実質的に逆極性の電圧であって、
電気絶縁性シートの各部において、該シートの第1の面および第2の面に対して、同時に、実質的に互いに逆極性の単極性のイオン雲を照射し、その後、前記シートの前記各部において、前記第1および第2の面のそれぞれに対して、同時に、前記照射の際とは極性が反転した単極性のイオン雲を照射する電気絶縁性シートの除電方法。
【請求項2】
電気絶縁性シートを移動させながら、該シートに、該シートの第1の面の側から、時間的に極性が反転する単一極性の第1のイオン雲を照射し、前記シートの第2の面の側から、前記第1のイオン雲と実質的に逆極性の時間的に極性が反転する単一極性の第2のイオン雲を、前記第1のイオン雲と同時に照射する電気絶縁性シートの除電方法であって、前記シートの移動方向の各部が、前記第1および前記第2のイオン雲が照射される領域を通過する間に、前記第1および前記第2のイオン雲の極性が1回以上反転するように、前記第1および前記第2のイオン雲の極性を反転させる電気絶縁性シートの除電方法。
【請求項3】
電気絶縁性シートを、前記除電ユニットの第1のイオン生成電極と第2のイオン生成電極との間を移動させながら、該シートに、該シートの第1の面の側および第2の面の側から、同時に、実質的に逆極性の単極性のイオン雲の対を照射し、その後、前記シートの前記各部において、前記第1および第2の面のそれぞれに対して、同時に、前記照射の際とは極性が反転した単極性のイオン雲を、所定の回数照射する電気絶縁性シートの除電方法であって、前記シートの各部において、前記第1および前記第2の面に対する正イオン雲および負イオン雲の照射回数が、それぞれ、前記所定の回数の1/4回以上となるように前記イオン雲の対を照射する請求項1に記載の電気絶縁性シートの除電方法。
【請求項4】
電気絶縁性シートを、前記除電ユニットの第1のイオン生成電極と第2のイオン生成電極との間を移動させながら、該シートに、該シートの第1の面の側から、時間的に滑らかに極性が反転する単一極性の第1のイオン雲群を照射し、同時に、前記シートの第2の面の側から、前記第1のイオン雲群と実質的に逆極性の時間的に滑らかに極性が反転する単一極性の第2のイオン雲群を照射し、その後、前記シートの前記各部において、前記第1および第2の面のそれぞれに対して、同時に、前記照射の際とは極性が反転した単極性のイオン雲を照射する電気絶縁性シートの除電方法であって、前記シートの移動方向の2/3以上の部分に対し、前記第1および前記第2のイオン雲群毎に、前記各イオン雲群中のイオン雲のうちの1/4以上の前記イオン雲の極性が、残りの前記イオン雲とは反対の極性となるように、前記各イオン雲群を照射する請求項1に記載の電気絶縁性シートの除電方法。
【請求項5】
前記シートの移動方向の2/3以上の部分において、前記除電ユニットの全体の数をnとし前記シートの厚さをd[単位:m]とするとき、前記各除電ユニットの前記第1および前記第2のイオン生成電極毎に、前記n個の除電ユニットのうち、式(n−0.0006/d)/2で求められる個数以上で、かつ、0個以上の前記各除電ユニットにおいて、そのイオン生成電極の直下を当該部分が通過する際の前記各除電ユニットの当該イオン生成電極の電位の極性が、残りの前記各除電ユニットにおいて、そのイオン生成電極の直下を当該部分が通過する際の前記残りの前記各除電ユニットにおける当該イオン生成電極の電位の極性とは反対の極性となるように、前記第1および前記第2のイオン生成電極毎に、前記交流電圧を印加する請求項4に記載の電気絶縁性シートの除電方法。
【請求項6】
電気絶縁性シートを、前記除電ユニットの第1のイオン生成電極と第2のイオン生成電極との間を移動させながら、該シートに、該シートの第1の面の側および第2の面の側から、同時に、実質的に逆極性の単極性のイオン雲の対を照射し、その後、前記シートの前記各部において、前記第1および第2の面のそれぞれに対して、同時に、前記照射の際とは極性が反転した単極性のイオン雲を、所定の回数照射する電気絶縁性シートの除電方法であって、
前記各除電ユニットの前記第1および前記第2のイオン生成電極にそれぞれ電圧を印加するとき、該電圧の周波数をf[単位:Hz]、片側ピーク電圧をVp[単位:V]とするとき、次の関係式(VI)、および、(VII):
130×d≦Vp≦750×d ・・・・・ (VI)
0.120×d×f≦Vp ・・・・・ (VII)
を満足し、かつ、前記シートの各部において、前記各除電ユニットの前記第1および第2のイオン生成電極毎に、前記各除電ユニットのうち1/4以上の前記各除電ユニットにおいて、そのイオン生成電極の直下を当該部分が通過する際の前記各除電ユニットの当該イオン生成電極の電位の極性が、残りの前記各除電ユニットにおいて、そのイオン生成電極の直下を当該部分が通過する際の前記残りの前記各除電ユニットにおける当該イオン生成電極の電位の極性とは反対の極性となるように、前記第1および前記第2のイオン生成電極毎に前記電圧を印加する請求項1または3に記載の電気絶縁性シートの除電方法。
【請求項7】
電気絶縁性シートを、前記除電ユニットの第1のイオン生成電極と第2のイオン生成電極との間を移動させながら、該シートに、該シートの第1の面の側および第2の面の側から、同時に、実質的に逆極性の単極性のイオン雲の対を照射し、その後、前記シートの前記各部において、前記第1および第2の面のそれぞれに対して、同時に、前記照射の際とは極性が反転した単極性のイオン雲を、所定の回数照射する電気絶縁性シートの除電方法であって、前記各除電ユニットの前記第1および前記第2のイオン生成電極に、滑らかに極性が変化する交流電圧を印加するとき、該交流電圧の周波数をf[単位:Hz]、前記第1のイオン生成電極と前記第2のイオン生成電極との電位差の実効値を2V[単位:V]とするとき、次の関係式(VIII)、および、(IX):
90×d≦V≦530×d ・・・・・ (VIII)
0.085×d×f≦V ・・・・・ (IX)
を満足し、かつ、前記シートの移動方向の2/3以上の部分において、前記各除電ユニットの前記第1および前記第2のイオン生成電極毎に、前記各除電ユニットのうち1/4以上の前記各除電ユニットにおいて、そのイオン生成電極の直下を当該部分が通過する際の前記各除電ユニットの当該イオン生成電極の電位の極性が、残りの前記各除電ユニットにおいて、そのイオン生成電極の直下を当該部分が通過する際の前記残りの前記各除電ユニットにおける当該イオン生成電極の電位の極性とは反対の極性となるように、前記第1および前記第2のイオン生成電極毎に前記交流電圧を印加する請求項1または4に記載の電気絶縁性シートの除電方法。
【請求項8】
前記シートの移動方向の2/3以上の部分において、前記除電ユニットの全体の数をnとし前記シートの厚さをd[単位:m]とするとき、前記各除電ユニットの第1および第2のイオン生成電極毎に、前記n個の除電ユニットのうち、式(n−0.0003/d)/2で求められる個数以上で、かつ、1個以上の前記各除電ユニットにおいて、そのイオン生成電極の直下を当該部分が通過する際の前記各除電ユニットの当該イオン生成電極の電位の極性が、残りの前記各除電ユニットにおいて、そのイオン生成電極の直下を当該部分が通過する際の前記残りの前記各除電ユニットにおける当該イオン生成電極の電位の極性とは反対の極性となるように、前記第1および第2のイオン生成電極毎に、前記交流電圧を印加する請求項7に記載の電気絶縁性シートの除電方法。
【請求項9】
隣接する前記各除電ユニットのそれぞれの第1および第2のイオン生成電極の先端を結ぶ線分のそれぞれの中点の前記シートの移動方向における除電ユニット間隔、すなわち、各除電ユニット間隔が一定値d20[単位:mm]であって、前記シートの移動速度をu[単位:mm/秒]、前記交流電圧の周波数をf[単位:Hz]、前記除電ユニット全体の数をnとするとき、次の関係式(XII):
X=|sin(nπfd20/u)/{n×sin(πfd20/u)}|
(ku≠fd20 但しk=1,2,3・・・)
=1 (ku=fd20) ・・・・・ (XII)
で表されるXの値が、0≦X<0.5となるように、前記各除電ユニットの前記第1および前記第2のイオン生成電極に、それぞれ実質的に同位相の前記交流電圧を印加する請求項7に記載の電気絶縁性シートの除電方法。
【請求項10】
電気絶縁性シートの移動開始および/または移動終了の所定期間においては、請求項2または5に記載の電気絶縁性シートの除電方法により、前記シートを除電し、該シートの移動の定常状態においては、請求項3、4、6から9のいずれかに記載の電気絶縁性シートの除電方法により、前記シートを除電する電気絶縁性シートの除電方法。
【請求項11】
前記各除電ユニットの第1のシールド電極と第2のシールド電極との間に直流電位差Vs[単位:V]を付与する請求項10に記載の電気絶縁性シートの除電方法であって、前記直流電位差Vsが次の関係式(XIII):
|Vs|/d<5 ・・・・・ (XIII)
を満足する電気絶縁性シートの除電方法。
【請求項12】
前記電気絶縁性シートの面内の各部における、第1の面の背面平衡電位および第2の面の背面平衡電位が、それぞれ−340V以上340V以下となるように除電する請求項1〜11のいずれかに記載の電気絶縁性シートの除電方法。
【請求項13】
前記第1の面の背面平衡電位および前記第2の面の背面平衡電位が、それぞれ−200V以上200V以下となるよう除電する請求項12に記載の電気絶縁性シートの除電方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の電気絶縁性シートの除電方法により電気絶縁性シートを除電することにより、電気絶縁性シートを製造する除電済み電気絶縁性シートの製造方法。
【請求項15】
請求項14の電気絶縁性シートの製造方法により製造されたことを特徴とする除電済み電気絶縁性シート。
【請求項16】
請求項15に記載の除電済み電気絶縁性シートの前記第1の面または前記第2の面の上に、機能性膜が形成されてなる機能性膜付き電気絶縁性シート。
【請求項17】
前記機能性膜は、導電性を有するものである請求項16に記載の機能性膜付き電気絶縁性シート。
【請求項18】
前記機能性膜は、離型性を有するものである請求項16または17に記載の機能性膜付き電気絶縁性シート。
【請求項19】
前記機能性膜がシリコーン系樹脂を用いて形成されたものであることを特徴とする請求項18に記載の電気絶縁性シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36A】
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【図36B】
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【図37A】
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【図37B】
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【公開番号】特開2010−287579(P2010−287579A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183754(P2010−183754)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【分割の表示】特願2004−221441(P2004−221441)の分割
【原出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】