説明

電気調理器

【課題】電気調理器の利便性を向上しながら、部品の耐久性を確保する。
【解決手段】本発明の電気調理器は、ヒーターと接続された底側プレートを搭載した本体と、ヒーターと接続された天側プレートとを搭載した蓋体と、がヒンジを介して開閉可能に接続された電気調理器であり、電源スイッチと通電状態を示す通電ランプのいずれか又は両方を有したことを特徴としており、これにより電気調理器の利便性を向上しながら、部品の耐久性を確保している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭に使用するサンドイッチやワッフルなどの調理物を加熱調理する機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の電気調理器は、本体と蓋体が開閉自在に構成され、天・底プレートで調理物を挟み込んで成型加熱することにより、サンドイッチやワッフルなどを調理可能にしている。
【0003】
又、例えば特許文献1には、アルミニウム等の耐熱材からなる2枚の成型板がヒンジを介して接続されたホットサンド成型器と、トースター本体とからなるホットサンドトースターが記載されており、このトースターでは、パン等をホットサンド成型器に挟んで、トースター本体に挿入することにより、ホットサンドを作ることが可能である。又、ホットサンド成型器にはスイッチなどの電気部品を付けていないので、水洗いも可能にする配慮をしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭56−163611号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された従来例の電気調理器は、通電の入切をコンセントの抜き差しでしか出来ず、不便であった。
【0006】
又、通電の有無を知らせるためのランプを付けた商品が一般的になっているが、ランプがヒーターの熱を受けて高温になり、寿命が持たない課題も有していた。
【0007】
本発明の電気調理器は前記従来の課題を解決するもので、電源の入切を簡単にして利便性を高め、ランプ等の部品が長寿命を確保出来る構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために本発明の電気調理器は、ヒーターと接続された底側プレートを搭載した本体と、ヒーターと接続された天側プレートとを搭載した蓋体と、がヒンジを介して開閉可能に接続された電気調理器であり、電源スイッチと通電状態を示す通電ランプのいずれか又は両方を有したことを特徴とする。
【0009】
又、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電気調理器であり、前記電源スイッチと通電ランプを、前記天側プレート及び底側プレートとは水平方向に異なる位置に設置したことを特徴とする。
【0010】
この構成をとることにより、スイッチ等の電気部品を付けても電気部品に負担がかからず、長期間使用を続けることが出来る。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電気調理器は、スイッチや表示ランプなどの利便性の高い機能が付きながら、長寿命の商品を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用してなる実施例である電気調理器を示す断面図。
【図2】本発明を適用してなる実施例である電気調理器の、スイッチと通電ランプ周囲の構造を示す部分断面図。
【図3】従来例の電気調理器を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明を実施するための最良の形態を具体的に示した実施の形態について、図面と共に記載する。
【実施例】
【0014】
図1、図2及び図3を用いて、本実施例装置の電気調理器を説明する。
【0015】
図1は、本発明を適用してなる実施例である電気調理器の側面断面図である。
【0016】
図1に示す電気調理器は、本体4と蓋体8とが、ヒンジ9によって開閉可能に接続されている。又、本体4の上面側には、シーズヒーターからなる底側ヒーター2が密着固定されている例えば熱伝導性の良い金属からなる底側プレート1が配置されており、周囲を底側ボデー3が覆っている。
【0017】
同様に、例えば熱伝導性の良い金属からなる天側プレート5にはシーズヒーターからなる天側ヒーター6が密着固定されており、周囲を天側ボデー7が覆っている。
【0018】
底側プレート1と天側プレート5は、製品の前方側の途中まで配置されており、それよりも前方はフェノール樹脂などの天カバー10と底カバー11が配置されている。
【0019】
前記天カバー10は前記天側プレート5の延在する方向に位置し、天側プレート5の先端から前方に向けて下向きに傾斜している。同様に、前記底カバー11は前記底側プレート1の延在する方向に位置し、底側プレート1の先端から前方に向けて下向きに傾斜している。
【0020】
又、前記底側プレート1の先端部分から下方の位置には、前記底側ボデー3から上方に向けて突出した壁部分が存在し、この壁部分と前記底カバー11により囲まれた空間に、前記底側プレート1で発生した熱が伝達しないように、前記壁部分は耐熱性の高い樹脂材料(例えば、フェノール樹脂、ポリエチレンテレフタラート等)から形成されている。
【0021】
図2は、図1に示す電気調理器の先端部分を示す拡大断面図である。
【0022】
図2に示すように、底側ボデー3と壁部分と底カバー11とで囲まれた空間には、電源をオンオフするためのスイッチ12と、当該スイッチを囲むようにスイッチカバー14と、当該スイッチカバー14の上方には通電ランプ13と、が配置されている。
【0023】
前記スイッチ12は、外部に露出する図示せぬスイッチ(ユーザが電源のオンオフ操作を行う為のスイッチ)とリード線を介して電気的に接続されており、図2に示す3つの端子に図示せぬリード線が接続されている。
【0024】
又、通電ランプ13は例えばLED(Light−Emitting−Diode)からなり、図示せぬアノード端子とカソード端子夫々にリード線が接続されており、このリード線が直接(或いは抵抗を介して)前記スイッチ12或いは図示せぬ電源基板と接続されている。このため、ユーザが外部に露出する図示せぬスイッチをオン操作すると、前記スイッチ12の接点がオンすると共に通電ランプ13が点灯する。一方、ユーザが外部に露出する図示せぬスイッチをオフ操作すると、前記スイッチ12の接点がオフすると共に通電ランプ13が消灯する。尚、図2の紙面裏側、即ち本発明の電気調理器の側面には、前記通電ランプ13が外部から見えるように穴部(図示せず)が形成されており、前記通電ランプ13からの光が外部からも見えるようになっている。言い換えれば、図2の紙面表側の方向に向けて通電ランプ13のアノードとカソードの端子が延在しており、図2の紙面裏側の方向に向けて通電ランプ13の発光部分が向いていることになる。尚、通電ランプ13はLEDではなく、ネオンランプを用いても良い。
【0025】
前記スイッチカバー14は、耐熱性の高い樹脂材料(例えば、フェノール樹脂、ポリエチレンテレフタラート等)から形成されている。このように、スイッチ部品は、耐熱性の高い樹脂材料で形成されているスイッチカバー14と壁部分により囲まれている為に、底側プレート1で発生した熱の影響を受けにくい。
【0026】
このように本実施例装置では、底側プレート1や天側プレート5が熱源となっており、この上下周囲は調理中は100度〜150度まで上昇しており、仮に電気部品を底側プレート1の近傍にそのまま配置すると、電気部品は90度前後を境に温度が上がるほど寿命が短くなる特性があり、高温部に電気部品を配置すると部品の寿命が熱によって縮められてしまう恐れがある。しかしながら、本実施例装置では、電気部品を周囲温度が90℃を下回る場所に配置している。即ち、本実施例装置では、図2に示すように、スイッチ12と通電状態を示す通電ランプ13を、底側プレート1と天側プレート5の先端よりも前方に配置している。更に温度を下げるためにスイッチカバー14でスイッチ12を覆っており、熱の影響を低減している。この部分の周囲温度は70度〜80度となり、電気部品の寿命は格段に長くなる。
【0027】
尚、本実施例では電気部品を本体4側に取付ける構成で説明したが、蓋体8側であっても、天側プレート5先端よりも前方であれば同様に温度は低く、同じ効果を得ることが出来る。
【0028】
又、底側プレート1や天側プレート5の前方に限らず、側面や後方にスペースが確保されていれば、同様の効果が得られるのは言うまでも無い。
【0029】
更に、スイッチ12と通電ランプ13を両方同じ位置に配置する必要は無く、また、片方だけ設置しても効果は同じである。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明に係わる電気調理器は、家庭用又は業務用の電気調理器として有用である。
【符号の説明】
【0031】
1 底側プレート
2 底側ヒーター
3 底側ボデー
4 本体
5 天側プレート
6 天側ヒーター
7 天側ボデー
8 蓋体
12 スイッチ
13 通電ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒーターと接続された底側プレートを搭載した本体と、ヒーターと接続された天側プレートとを搭載した蓋体と、がヒンジを介して開閉可能に接続された電気調理器であり、
電源スイッチと通電状態を示す通電ランプのいずれか又は両方を有した電気調理器。
【請求項2】
前記電源スイッチと通電ランプを、前記天側プレート及び底側プレートとは水平方向に異なる位置に設置した請求項1記載の電気調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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