説明

電気車両の充電に使用するための充電デバイスおよび電気車両に電気を提供する方法

【課題】電源から電気車両に電力を引き渡す際に使用される充電デバイスを提供する。
【解決手段】充電デバイス18には、電源14に結合される、該電源から電気車両12に電力を選択的に引き渡すための電力引渡しアセンブリ28が含まれている。センサ42は、可燃性ガスを知覚し、知覚した可燃性ガスを表す第1の監視信号を生成するように構成されている。コントローラ30が、センサおよび電力引渡しアセンブリに結合されている。コントローラは、受け取った第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて電気車両に電力を引き渡すように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は一般に充電デバイスに関し、より詳細には少なくとも1つの負荷に電力を供給する充電デバイス、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気車両および/またはハイブリッド電気車両は人気を得ており、このような車両に対する電気エネルギーの引渡しを管理するための関連する必要性が増加している。さらに、このような車両の使用の増加により、安全で、有効な充電デバイスまたはステーションを提供する必要性が新たに生まれている。
【発明の概要】
【0003】
少なくともいくつかの知られている充電ステーションには、電気車両に取外し可能に結合することができる電力ケーブルまたは他の導体が含まれている。充電ステーションは、電気公益事業配電ネットワークまたは他の電気源から電気を受け取り、電力ケーブルを介して電気車両に電気を引き渡す。知られている充電ステーションは、充電ステーションを取り囲んでいる周囲の空気中に放出される可能性のある可燃性ガスのガス源を含んだ従来の自動車に隣接する領域に配置することができる。電気充電ステーションに可燃性ガスが近接すると、充電ステーションを使用している間に可燃性ガスの望ましくない発火が生じ、そのために充電ステーションが損傷する可能性が大きくなる。
【0004】
一実施形態では、電源から電気車両に電力を引き渡す方法が提供される。この方法には、電源から電気車両に電力を引き渡す要求を受け取るステップが含まれている。可燃性ガスを表す第1の監視信号がセンサからコントローラへ送信される。コントローラは、受け取った第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて、充電デバイスから電気車両に電力を引き渡すべきかどうかを決定する。
【0005】
他の実施形態では、電気車両に電力を引き渡す際に使用される充電デバイスが提供される。充電デバイスには、電源に結合される、該電源から電気車両に電力を選択的に引き渡すための電力引渡しアセンブリが含まれている。センサは、可燃性ガスを知覚し、知覚した可燃性ガスを表す第1の監視信号を生成するように構成されている。コントローラは、センサおよび電力引渡しアセンブリに結合されている。コントローラは、受け取った第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて電気車両に電力を引き渡すように構成されている。
【0006】
さらに他の実施形態では、電気車両を充電する際に使用される電力引渡しシステムが提供される。電力引渡しシステムには、電気車両に電気結合されるように構成された電力コンジットと、該電力コンジットと電源の間に電気結合される、該電力コンジットを介して電源から電気車両に電力を選択的に引き渡すための充電デバイスが含まれている。充電デバイスには、電源に結合される、該電源から電気車両に選択的に電力を引き渡すための電力引渡しアセンブリ、および可燃性ガスを知覚し、知覚した可燃性ガスを表す第1の監視信号を生成するように構成されたセンサが含まれている。コントローラは、センサおよび電力引渡しアセンブリに結合されている。コントローラは、受け取った第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて電気車両に電力を引き渡すように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】電気車両に電気を提供する際に使用される一例示的電力引渡しシステムのブロック図である。
【図2】図1に示されている例示的コントローラのブロック図である。
【図3】図1に示されている電力引渡しシステムと共に使用することができる、電気車両に電力を引き渡す一例示的方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において説明されている例示的方法およびシステムによれば、可燃性ガスの存在に基づいて電気車両に選択的に電力を引き渡すことにより、知られている電気充電デバイスの少なくともいくつかの弱点が克服される。さらに、本明細書において説明されている充電デバイスには、充電デバイスを取り囲んでいる周囲の空気中に可燃性ガスが存在していることを知覚するセンサが含まれている。充電デバイスは、周囲の空気中の可燃性ガスの濃度が規定した可燃性ガス濃度未満である場合、電気車両に電力を引き渡す。可燃性ガスの存在を知覚し、可燃性ガスの存在に基づいて電気車両に電力を引き渡す充電デバイスを提供することにより、可燃性ガスの望ましくない発火の可能性が小さくなる。充電デバイスを取り囲んでいる可燃性ガスの望ましくない発火を抑制することにより、充電デバイスを維持し、および/または取り替えるためのコストが低減される。
【0009】
いくつかの実施形態では、「電気車両」という用語は、一般に、推進させるために使用される1つまたは複数の電動機を含んだ車両を意味している。電気車両を推進させるために使用されるエネルギーは、それらに限定されないが、オンボード蓄電池および/またはオンボード燃料電池などの様々なエネルギー源から得ることができる。一実施形態では、電気車両は、例えば制動によって生成されるエネルギーを捕獲し、蓄積するハイブリッド電気車両である。ハイブリッド電気車両には、燃料を節約するために、電池などの電源に蓄積されているエネルギーが使用され、それによりアイドリング時の運転が継続される。いくつかのハイブリッド電気車両は、電力アウトレットなどの電力レセプタクルに差し込むことによって電池を再充電することができる。したがって本明細書において使用されている「電気車両」という用語は、例えば配電網を介して電気エネルギーを引き渡すことができるハイブリッド電気車両または任意の他の車両を意味することができる。
【0010】
図1は、電気車両12などの少なくとも1つの再充電可能電気負荷の充電、あるいはこのような負荷に電気を提供する際に使用するための一例示的電力引渡しシステム10のブロック図である。この例示的実施形態では、電力引渡しシステム10には、電源14、電気車両12に結合される電力引渡しコンジット16、および電力引渡しコンジット16と電源14の間に電気結合される、電力引渡しコンジット16を介して電源14から電気車両12に選択的に電力を引き渡すための充電デバイス18が含まれている。電気車両12には、電動機22に結合された、電池および/または任意の他の電気蓄積デバイスなどの少なくとも1つの電力蓄積デバイス20が含まれている。また、電気車両12には、電力蓄積デバイス20に動作可能なように結合された車両コントローラ24が含まれている。
【0011】
充電デバイス18は、電力引渡しコンジット16を使用して電力蓄積デバイス20および車両コントローラ24に取外し可能に結合されている。別法としては、充電デバイス18は、無線データリンク(図示せず)によって車両コントローラ24に結合することも可能である。この例示的実施形態では、電力引渡しコンジット16には、電力蓄積デバイス20に電気を供給するための少なくとも1つの導体(図示せず)、および車両コントローラ24にデータを送信し、また、車両コントローラ24からデータを受信するための少なくとも1つの導体(図示せず)が含まれている。別法としては、電力引渡しコンジット16は、電力および/またはデータを送り、および/または受け取る単一の導体を含むことも可能であり、あるいは電力引渡しシステム10を本明細書において説明されているように機能させることができる任意の他の数の導体を含むことも可能である。
【0012】
一例示的実施形態では、電源14は、例えば発電機、電池および/または充電デバイス18に電気を提供する任意の他のデバイスあるいはシステムである。充電デバイス18は、配電母線26を使用して電源14に電気結合されている。配電母線26は、公益事業会社の配電網の一部などの三相母線であり、充電デバイス18に交流(AC)電力(つまりAC電流および電圧)を提供している。別法としては、配電母線26は、充電デバイス18に対する任意の相数のAC電力を含むことができる。
【0013】
この例示的実施形態では、充電デバイス18には、電力引渡しアセンブリ28、および該電力引渡しアセンブリ28と動作可能に連絡するように結合されたコントローラ30が含まれている。電力引渡しアセンブリ28には、保護デバイス32および電力調整デバイス34が含まれている。保護デバイス32は、電力源14と電力調整デバイス34の間に結合されており、電力調整デバイス34を配電母線26から電気的に選択的に隔離および/または開放する。保護デバイス32には遮断器(図示せず)が含まれている。別法としては、保護デバイス32は、ヒューズ、継電器、および/または保護デバイス32を本明細書において説明されているように機能させることができる任意の他のデバイスであってもよい。一実施形態では、保護デバイス32は、電力を電力源14から接地に放電させるために接地に電気結合されており、それにより車両電力蓄積デバイス20からの充電デバイス18の電気的隔離および/または開放を容易にする。
【0014】
この例示的実施形態では、電力調整デバイス34は、電力保護デバイス32と車両電力蓄積デバイス20の間に結合されており、電力を電力源14から車両電力蓄積デバイス20に選択的に引き渡す。電力調整デバイス34は、車両電力蓄積デバイス20の充電する際に使用するために、電源14から受け取った電圧‐アンペアの少なくとも1つの特性を調整し、電源14から受け取ったAC電圧‐アンペアをDC電力に変換する。コントローラ30は、電力引渡しアセンブリ28を動作させて、電力を電源14から電気車両12に選択的に引き渡す。この例示的実施形態では、コントローラ30は、電力蓄積デバイス20を充電する際に使用するための要求充電電流を表す直流(DC)充電要求(以下、「DCデマンド」と呼ぶ)を車両コントローラ24から受け取る。コントローラ30は、DCデマンドに基づいて指令されたDC電流(以下、「DCコマンド」と呼ぶ)を決定し、DCコマンドを表すデータを電力引渡しアセンブリ28に送る。
【0015】
コントローラ30は、車両電力蓄積デバイス20を充電するために、電力調整デバイス34を動作させて、電源14から受け取ったAC電圧‐アンペアをDCコマンドに少なくとも部分的に基づいてDC電力に変換し、変換したDC電力を電力引渡しコンジット16を介して車両電力蓄積デバイス20に引き渡す。一実施形態では、電力調整デバイス34は、電力蓄積デバイス20が満充電に到達するよう、充電中、変化するDCコマンドレベルをコントローラ30から受け取ることができる。
【0016】
この例示的実施形態では、充電デバイス18には、それぞれコントローラ30に結合されるディスプレイ36およびユーザインタフェース38が含まれている。ディスプレイ36および/またはユーザインタフェース38は、ユーザがディスプレイ36およびユーザインタフェース38にアクセスすることができるよう、充電デバイス18の外部表面40に結合することも、あるいは任意の適切な位置に配置することも可能である。ディスプレイ36には、真空蛍光ディスプレイ(VFD)および/または1つまたは複数の発光ダイオード(LED)が含まれている。追加または別法として、ディスプレイ36は、それらに限定されないが、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイ、および/または図形データおよび/またはテキストをユーザに表示することができる任意の適切な視角出力デバイスを含むことも可能である。一例示的実施形態では、充電要求、充電レベル、電力の単位当たりの経済コスト、充電中に負うべき電力の累積経済コストおよび/または任意の他の情報をディスプレイ36上でユーザに表示することができる。ユーザインタフェース38には、それらに限定されないが、キーボード、キーパッド、接触感応スクリーン、スクロールホイール、ポインティングデバイス、バーコードリーダ、磁気カードリーダ、無線周波数識別(RFID)カードリーダ、音声認識ソフトウェアを使用している音声入力デバイス、および/またはコントローラ30へのユーザによるデータ入力を可能にし、および/またはコントローラ30からのユーザによるデータ検索を可能にする任意の適切なデバイスが含まれている。この例示的実施形態では、ユーザは、ユーザインタフェース38を使用して、規定した量の電力需要、および/または電力蓄積デバイス20の充電に使用するための資金量を入力することができる。さらに、ユーザは、ユーザインタフェース38を動作させて充電デバイス18の動作を開始および/または終了させることができる。
【0017】
この例示的実施形態では、充電デバイス18には、さらに、充電デバイス18および/または電気車両12を取り囲んでいる周囲の空気44と流動連絡するように配置された、周囲の空気44を監視して可燃性ガスおよび/または有毒ガスが存在していることを決定するための1つまたは複数のセンサ42が含まれている。コントローラ30は、コントローラ30によって生成されるコマンドによってセンサ42が周囲の空気44の可燃性ゾーン、有毒ゾーンおよび/または酸素欠乏ゾーンの存在を監視し、周囲の空気44中における知覚された可燃性ガスおよび/または有毒ガスの存在に基づいて充電デバイス18に対する他の制御設定を起動するよう、センサ42と動作可能に連絡するように結合されている。この例示的実施形態では、センサ42は、例えばガソリン蒸気、天然ガス、メタン、ブタン、プロパンおよび/または水素などの可燃性ガスを知覚する。センサ42は、周囲の空気44中の可燃性ガスを知覚し、知覚した可燃性ガスを表す信号をコントローラ30に送信する。コントローラ30は、周囲の空気44中における知覚された可燃性ガスの存在に少なくとも部分的に基づいて、充電デバイス18を動作させて電力を電力源14から電気車両12に引き渡すかどうかを決定する。
【0018】
充電デバイス18が動作している間、ユーザは、電力引渡しコンジット16を使用して電力蓄積デバイス20を充電デバイス18に結合する。ユーザは、電力源14から電力蓄積デバイス20への電力の引渡しを開始するために、ユーザインタフェース38にアクセスして、例えば電力引渡し要求、要求充電電流の量および/または支払い情報などの情報を入力することができる。コントローラ30は、電力を引き渡す要求をユーザインタフェース38から受け取り、充電デバイス18および/または電気車両12を取り囲んでいる周囲の空気44中における可燃性ガスの存在を監視する。センサ42は、周囲の空気44中の可燃性ガスを表す第1の監視信号をコントローラ30に送信する。コントローラ30は、受け取った第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて、周囲の空気44中に可燃性ガスが存在しているかどうかを決定する。コントローラ30は、周囲の空気44中に可燃性ガスが存在していないことを決定すると、電力調整デバイス34を動作させて電力を電力源14から電気車両12に引き渡す。周囲の空気44中に可燃ガスが存在していることをコントローラ30が決定すると、コントローラ30は、電気車両12への電力の引渡しを開始せず、可燃性ガスが存在していることを示す通知信号をユーザに表示し、電力の引渡しが開始されていないことをユーザに通知する。
【0019】
この例示的実施形態では、周囲の空気44中に燃焼ガスが存在していないことが決定されると、充電デバイス18は電源14から電力を受け取り、電力引渡しコンジット16を介して電力蓄積デバイス20に電力を提供する。コントローラ30は、電力蓄積デバイス20への電力の引渡しを制御および/またはモニタするために、電力引渡しコンジット16を介して、および/または任意の他のコンジットを介して車両コントローラ24と無線で通信する。例えば車両コントローラ24は、電力蓄積デバイス20の充電レベル、および/または充電デバイス18によって提供される電力の所望の量および/または割合を表す信号をコントローラ30に送信することができる。充電デバイスコントローラ30は、電力蓄積デバイス20に引き渡される電気の量および/または割合を表す信号を車両コントローラ24に送信することができる。追加または別法として、充電デバイス18および/または車両コントローラ24は、電力引渡しシステム10を本明細書において説明されているように機能させることができる任意の他の信号またはメッセージを送信および/または受信することも可能である。電力蓄積デバイス20が所望のレベルまで充電されると、充電デバイス18は、電力蓄積デバイス20への電力の引渡しを停止し、ユーザは、電力引渡しコンジット16を電力蓄積デバイス20から開放する。
【0020】
電気車両12に電力を引き渡している間、コントローラ30は周囲の空気44を監視し、周囲の空気44中の可燃性ガスを表す第2の信号をセンサ42から受け取る。コントローラ30は、電気車両12に電力を引き渡している間、周囲の空気44中に可燃性ガスが存在しているかどうかを決定し、周囲の空気44中に可燃性ガスが存在していることを決定すると、保護デバイス32を動作させて電気車両12への電力の引渡しを中断する。この例示的実施形態では、コントローラ30は、保護デバイス32を動作させて電力調整デバイス34を配電母線26から開放する。別法としては、コントローラ30は、電力調整デバイス34を電力源14から電気的に隔離するために、保護デバイス32を動作させて電力を電力源14から接地に放電させることも可能である。この例示的実施形態では、コントローラ30は、周囲の空気44中に可燃性ガスが検出されたこと、および電力の引渡しが中断されたことをユーザに知らせる通知信号をディスプレイ36に表示する。
【0021】
一実施形態では、コントローラ30は、センサ42から受け取った第1の信号に少なくとも部分的に基づいて、周囲の空気44中に存在している可燃性ガスの濃度を計算する。コントローラ30は、計算した可燃性ガスの濃度が規定した燃焼ガス濃度以下である場合、電力調整デバイス34を動作させて電力を電力源14から電気車両12に引き渡す。さらに、電力を引き渡している間、コントローラ30は、センサ42から受け取った第2の信号に少なくとも部分的に基づいて周囲の空気44中の可燃性ガスの濃度を計算する。コントローラ30は、計算した可燃性ガスの濃度が規定した可燃性ガス濃度以上である場合、充電デバイス18から電気車両12への電力の引渡しを中断する。
【0022】
図2はコントローラ30のブロック図である。この例示的実施形態では、コントローラ30には、プロセッサ46およびメモリ素子48が含まれている。プロセッサ46には、1つまたは複数のシステムおよびマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、縮小命令セット回路(RISC)、専用集積回路(ASIC)、プログラム可能論理回路(PLC)、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)、および本明細書において説明されている機能を実行することができる任意の他の回路を含むことができる任意の適切なプログラム可能回路が含まれている。上に挙げた例は例示的なものにすぎず、したがって「プロセッサ」という用語の定義および/または意味を限定することは全く意図されていない。メモリ素子48には、それらに限定されないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、ディスケット、フラッシュドライブ、コンパクトディスク、ディジタルビデオディスク、および/またはプロセッサ46による命令および/またはデータの記憶、検索および/または実行を可能にする任意の適切なデバイスなどのコンピュータ可読媒体が含まれている。
【0023】
この例示的実施形態では、コントローラ30には、充電デバイス18の動作を制御する制御インタフェース50が含まれている。制御インタフェース50は、例えば保護デバイス32および/または電力調整デバイス34などの1つまたは複数の制御デバイス52にそれぞれ結合されている。また、コントローラ30には、少なくとも1つのセンサ42に結合されるセンサインタフェース54が含まれている。個々のセンサ42は、充電デバイス18の知覚された動作パラメータに対応する信号、例えば周囲の空気44中における可燃性ガスの存在および/またはその濃度などに対応する信号を送信する。個々のセンサ42は、信号を例えば連続的に、周期的に、あるいは一度だけ送信することができるが、他の信号タイミングも同じく企図されている。さらに、個々のセンサ42は、信号をアナログ形態またはディジタル形態のいずれかで送信することも可能である。さらに、コントローラ30には、ディスプレイ36および/またはユーザインタフェース38に結合される、ディスプレイ36および/またはユーザインタフェース38に信号を送信し、これらから信号を受け取るための通信インタフェース56が含まれている。
【0024】
制御インタフェース50と制御デバイス52の間、センサインタフェース54とセンサ42の間、およびプロセッサ46とディスプレイ36および/またはユーザインタフェース38の間は、様々な接続を利用することができる。このような接続には、有線であれ、あるいは無線であれ、それらに限定されないが、電気導体、Recommended Standard(RS)232またはRS‐485などの低レベルシリアルデータ接続、Universal Serial Bus(USB)またはInstitute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)1394(a/k/a FIREWIRE)などの高レベルシリアルデータ接続、IEEE 1284またはIEEE 488などのパラレルデータ接続、BLUETOOTHなどの短距離無線通信チャネル、および/または専用(例えばアクセスすることができない外部充電デバイス18)ネットワーク接続を含むことができる。
【0025】
充電デバイス18が動作している間、コントローラ30は、周囲の空気44中の可燃性ガスを表す第1の信号をセンサ42から受け取る。プロセッサ46は、受け取った第1の信号に少なくとも部分的に基づいて、周囲の空気44中に燃焼ガスが存在しているかどうかを決定し、周囲の空気44中に可燃性ガスが存在していないことを決定すると、充電デバイス18を動作させて電気車両12に電力を引き渡す。さらに、周囲の空気44中に可燃性ガスが存在していることを決定すると、プロセッサ46は電力の引渡しを開始せず、可燃性ガスが検出されたこと、および電力の引渡しが開始されないことをユーザに知らせる通知信号をディスプレイ36に表示する。一実施形態では、プロセッサ46は、受け取った第1の信号に少なくとも部分的に基づいて、周囲の空気44中に存在している可燃性ガスの濃度を計算し、計算した可燃性ガスの濃度が可燃性ガスの規定した濃度以下である場合、電気車両12に電力を引き渡す。さらに、計算した可燃性ガス濃度が規定した濃度より高いことを決定すると、プロセッサ46は電力の引渡しを開始せず、規定した濃度より高い濃度の可燃性ガスが存在していること、および電力の引渡しが開始されないことをユーザに知らせる通知信号をディスプレイ36に表示する。
【0026】
また、電力を引き渡している間、コントローラ30は、同じく、周囲の空気44中の可燃性ガスを表す第2の信号をセンサ42から受け取る。電力を引き渡している間、プロセッサ46は、周囲の空気44中に燃焼ガスが存在しているかどうかを決定し、可燃性ガスが存在していることを決定すると、電気車両12への電力の引渡しを中断する。プロセッサ46は、周囲の空気44中に可燃性ガスが検出されたこと、および電力の引渡しが中断されたことをユーザに知らせる通知信号をユーザに表示する。一実施形態では、プロセッサ46は、周囲の空気44中に存在している可燃性ガスの濃度を計算し、計算した可燃性ガスの濃度が可燃性ガスの規定した濃度以上である場合、電力の引渡しを中断する。計算した可燃性ガス濃度が規定した濃度以上であることを決定すると、プロセッサ46は、濃度が規定した濃度以上の可燃性ガスが検出されたこと、および電力の引渡しが中断されたことをユーザに知らせる通知信号をユーザに表示する。
【0027】
図3は、電気車両12に電力を引き渡すために使用することができる一例示的方法200の流れ図である。この例示的実施形態では、方法200には、電力を電力源14から電気車両12に引き渡す要求をコントローラ30が電気車両12および/またはユーザから受け取るステップ202が含まれている。センサ42は、周囲の空気44中の可燃性ガスを表す第1の監視信号をコントローラ30に送信する204。コントローラ30は、受け取った第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて、電力を充電デバイス18から電気車両12に引き渡すかどうかを決定する206。さらに、コントローラ30は、受け取った第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて、周囲の空気44中に可燃性ガスが存在しているかどうかを決定し208、周囲の空気44中に可燃性ガスが存在していないことを決定すると208、電気車両12に電力を引き渡す210。また、コントローラ30は、可燃性ガスが存在していることを決定すると208、電気車両12に電力が引き渡されないことを知らせる通知信号をユーザに表示する212。一実施形態では、コントローラ30は、受け取った第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて、周囲の空気44中に存在している可燃性ガスの濃度を計算し、計算した可燃性ガスの濃度が規定した可燃性ガス濃度未満である場合、電気車両に電力を引き渡す210。
【0028】
この例示的実施形態では、方法200には、さらに、電力を電力源14から電気車両12に引き渡している間、可燃性ガスを表す第2の監視信号をセンサ42からコントローラ30へ送信するステップ214が含まれている。コントローラ30は、受け取った第2の監視信号に少なくとも部分的に基づいて電力源14を電気車両12から開放する216。さらに、コントローラ30は、第2の監視信号に少なくとも部分的に基づいて、周囲の空気44中に可燃性ガスが存在しているかどうかを決定し218、可燃性ガスが存在していることを決定すると218、電力源14を開放する216。さらに、コントローラ30は、第2の監視信号に少なくとも部分的に基づいて、周囲の空気44中に可燃性ガスが存在しているかどうかを決定し218、可燃性ガスが存在していることを決定すると218、電力源14を開放する216。一実施形態では、方法200には、コントローラ30によって、受け取った第2の監視信号に少なくとも部分的に基づいて可燃性ガスの濃度を計算するステップ、および計算した可燃性ガスの濃度が規定したガス濃度と異なることを決定すると、電力源14を電気車両12から開放するステップが含まれている。コントローラ30は、可燃性ガスが存在していることを決定し、電力源14を電気車両12から開放すると、ユーザに通知信号を表示する。
【0029】
充電デバイス18は、可燃性ガスの望ましくない発火の危険性を小さくし、それにより充電デバイス、電気車両および/またはユーザが損傷する危険性を小さくするために、充電デバイス18を取り囲んでいる可燃性ガスの存在に基づいて電気車両12に電力を選択的に引き渡す。さらに、充電デバイス18は、電力を引き渡している間、可燃性ガスの存在を監視し、電力を引き渡している間に可燃性ガスが知覚されると電力の引き渡しを中断し、それにより電力を引き渡している間の可燃性ガスの望ましくない発火の危険性が低減され、また、充電デバイス18を維持し、および/または取り替えるためのコストが低減される。
【0030】
上で説明したシステムおよび方法によれば、充電デバイスを取り囲んでいる可燃性ガスの存在に基づいて電気車両に電力を選択的に引き渡すことにより、知られている充電デバイスの少なくともいくつかの弱点が克服される。さらに、本明細書において説明されている実施形態には充電デバイスが含まれており、この充電デバイスは、該充電デバイスを取り囲んでいる周囲の空気中に可燃性ガスが存在していることを知覚するセンサを含み、知覚した可燃性ガスの濃度が規定した可燃性ガス濃度未満である場合に電力を引き渡す。さらに、充電デバイスは、電力を引き渡している間、可燃性ガスを知覚し、可燃性ガスが存在している場合、電力を開放する。したがって充電デバイスを損傷することになる可燃性ガスの望ましくない発火の可能性が小さくなり、延いては充電デバイスを維持し、および/または取り替えるためのコストが低減され、充電デバイスの動作寿命が長くなる。
【0031】
本明細書において説明されている方法、システムおよび装置の例示的な技術的効果には、(a)電力を電源から電気車両に引き渡す要求を受け取る、(b)可燃性ガスを表す第1の監視信号をセンサからコントローラへ送信する、(c)コントローラによって、受け取った第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて、電力を充電デバイスから電気車両に引き渡すかどうかを決定する、(d)受け取った第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて、可燃性ガスが存在しているかどうかを決定する、(e)可燃性ガスが存在していないことが決定されると、電気車両に電力を引き渡す、(f)可燃性ガスが存在していることが決定されると、ユーザに通知信号を表示し、電気車両に電力を引き渡さないことを決定する、のうちの少なくとも1つが含まれている。
【0032】
以上、電気車両に電気を提供する充電デバイス、システムおよび方法の例示的実施形態について詳細に説明した。これらの、システムおよび方法は、本明細書において説明されている特定の実施形態に限定されず、それどころか充電デバイスおよび/またはシステムのコンポーネント、および/または方法のステップは、本明細書において説明されている他のコンポーネントおよび/またはステップから独立して、個々に利用することができる。例えば充電デバイスは、他の電力システムおよび方法と組み合わせて使用することも可能であり、本明細書において説明されている電気車両のみとの実践に限定されない。それどころか例示的実施形態は、多くの他の電力システム用途と関連して実施および利用することができる。
【0033】
本発明の様々な実施形態の特定の特徴は、場合によってはいくつかの図面に示され、他の図面には示されていないが、それは便宜上の理由にすぎない。本発明の原理によれば、ある図面のすべての特徴は、すべての他の図面のすべての特徴と組み合わせて参照および/または特許請求することができる。
【0034】
本明細書には、最良の態様を含む本発明を開示するために、また、すべての当業者による、任意のデバイスまたはシステムの構築および使用、ならびに組み込まれている任意の方法の実行を含む本発明の実践を可能にするために、いくつかの例が使用されている。本発明の特許請求可能範囲は、特許請求の範囲によって定義されており、当業者に思い浮ぶ他の例を包含することができる。このような他の例は、特許請求の範囲の文言とは異ならない構造構成要素をそれらが有している場合であっても、あるいは特許請求の範囲の文言とは実質的に異ならない均等な構造構成要素をそれらが含んでいる場合であっても、本特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
【符号の説明】
【0035】
10 電力引渡しシステム
12 電気車両
14 電力源
16 電力引渡しコンジット
18 充電デバイス
20 電力蓄積デバイス
22 電動機
24 車両コントローラ
26 配電母線
28 電力引渡しアセンブリ
30 コントローラ
32 保護デバイス
34 電力調整デバイス
36 ディスプレイ
38 ユーザインタフェース
40 外部表面
42 センサ
44 周囲の空気
46 プロセッサ
48 メモリ素子
50 制御インタフェース
52 制御デバイス
54 センサインタフェース
56 通信インタフェース
200 方法
202 要求を受け取るステップ
204 第1の監視信号を送信するステップ
206 電力を引き渡すかどうかを決定するステップ
208 可燃性ガスが存在しているかどうかを決定するステップ
210 電気車両に電力を引き渡すステップ
212 通知信号を表示するステップ
214 第2の監視信号を送信するステップ
216 電力源を開放するステップ
218 可燃性ガスが存在しているかどうかを決定するステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源(14)から電気車両(12)に電力を引き渡す際に使用される充電デバイス(18)であって、
前記電源に結合された、前記電源から前記電気車両に電力を選択的に引き渡すための電力引渡しアセンブリ(28)と、
可燃性ガスを知覚し、知覚した可燃性ガスを表す第1の監視信号を生成するように構成されたセンサ(42)と、
前記センサおよび前記電力引渡しアセンブリに結合されたコントローラ(30)であって、受け取った前記第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて前記電気車両に電力を引き渡すように構成されたコントローラ(30)と
を備える充電デバイス(18)。
【請求項2】
前記コントローラ(30)が、
前記受け取った第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて、可燃性ガスが存在しているかどうかを決定し、
可燃性ガスが存在していないことを決定すると、前記電気車両(12)に電力を引き渡す
ようにさらに構成されている、請求項1記載の充電デバイス(18)。
【請求項3】
前記コントローラ(30)が、
前記受け取った第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて可燃性ガスの濃度を計算し、
計算した可燃性ガスの濃度が規定した可燃性ガス濃度未満である場合、前記電気車両(12)に電力を引き渡す
ようにさらに構成されている、請求項1記載の充電デバイス(18)。
【請求項4】
前記センサ(42)が、電力を前記電源(14)から前記電気車両(12)に引き渡している間、可燃性ガスを表す第2の監視信号を送信するようにさらに構成され、前記コントローラ(30)が、受け取った前記第2の監視信号に少なくとも部分的に基づいて前記電気車両から前記電源を開放するように構成されている、請求項1記載の充電デバイス(18)。
【請求項5】
前記コントローラ(30)が、
前記第2の監視信号に基づいて可燃性ガスが存在しているかどうかを決定し、
可燃性ガスが存在していることを決定すると、前記電気車両(12)から前記電源(14)を開放する
ようにさらに構成されている、請求項4記載の充電デバイス(18)。
【請求項6】
前記コントローラ(30)が、可燃性ガスが存在していることを決定し、前記電気車両(12)から前記電源(14)を開放すると、通知信号を表示するようにさらに構成されている、請求項4記載の充電デバイス(18)。
【請求項7】
前記コントローラ(30)が、
前記受け取った第2の監視信号に少なくとも部分的に基づいて可燃性ガスの濃度を計算し、
計算した可燃性ガスの濃度が規定したガス濃度と異なることを決定すると、前記電気車両(12)から前記電源(14)を開放する
ようにさらに構成されている、請求項4記載の充電デバイス(18)。
【請求項8】
電気車両(12)を充電する際に使用される電力引渡しシステム(10)であって、
電気車両に電気結合されるように構成された電力コンジット(16)と、
前記電力コンジットと電源(14)の間に電気結合された、前記電力コンジットを介して前記電源から前記電気車両に電力を選択的に引き渡すための充電デバイス(18)であって、
前記電源に結合された、前記電源から前記電気車両に電力を選択的に引き渡すための電力引渡しアセンブリ(28)、
可燃性ガスを知覚し、知覚した可燃性ガスを表す第1の監視信号を生成するように構成されたセンサ(42)、ならびに
前記センサおよび前記電力引渡しアセンブリに結合されたコントローラ(30)であって、受け取った前記第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて前記電気車両に電力を引き渡すように構成されたコントローラ(30)
を備える充電デバイス(18)と
を具備する電力引渡しシステム(10)。
【請求項9】
前記コントローラ(30)が、
前記受け取った第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて可燃性ガスが存在しているかどうかを決定し、
可燃性ガスが存在していないことを決定すると、前記電気車両(12)に電力を引き渡す
ようにさらに構成されている、請求項8記載の電力引渡しシステム(10)。
【請求項10】
前記コントローラ(30)が、
前記受け取った第1の監視信号に少なくとも部分的に基づいて可燃性ガスの濃度を計算し、
計算した可燃性ガスの濃度が規定した可燃性ガス濃度未満である場合、前記電気車両(12)に電力を引き渡す
ようにさらに構成されている、請求項8記載の電力引渡しシステム(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−31363(P2013−31363A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−162185(P2012−162185)
【出願日】平成24年7月23日(2012.7.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.FIREWIRE
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】