説明

電気通信システムにおける資源スケジューリングの方法とシステム

【課題】移動端末から基地局にスケジューリング要求を送信する方法を提供する。
【解決手段】移動端末は基地局に最初のスケジューリング要求を送信、基地局からのスケジューリング許可信号の受信に応じて、送信バッファ状態情報を送信する。その後、スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定、トリガ・イベントが起こらなかったなら、およびトリガ・イベントを検出するまで、移動端末は基地局にスケジューリング要求を送信しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には電気通信システムに関する。本発明の実施形態は、電気通信システムにおける資源のスケジューリングに関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ移動ネットワーク用無線アクセス技術は、高速データ速度、改善したサービス圏および改善した容量のための将来の要求を満たすよう、常に発達している。広帯域符号分割多元接続(WCDMA)の最近の発展の例は、高速パケットアクセス(HSPA)プロトコルである。現在は、第3世代(3G)システム、3Gロング・ターム・エボリューション(LTE)が、新しいアクセス技術および新しいアーキテクチャを含めて、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)標準化機関内で開発されている。
【0003】
LTEの主な目的は、現在の周波数配分および新しい周波数配分で使用できる柔軟なアクセス技術を提供することである。また、LTEシステムは、各種の2重通信解決策の使用を可能とすべきである。例えば、上りリンクと下りリンクが周波数および時間でそれぞれ分離している周波数分割複信(FDD)および時分割複信(TDD)は両方とも、対および非対の両方のスペクトルでの利用を提供するよう、サポートされるべきである。
【0004】
例えば、下りリンクに対しては直交周波数分割多重(OFDM)、および上りリンクに対してはシングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)に基づくアクセス技術は、そのような柔軟なスペクトル解決策を可能にする。
【0005】
LTEの概念は、上りリンクおよび下りリンクの両方に対して周波数と時間で高速なスケジューリングをサポートするよう設計されているので、時間と周波数における資源割当ては、ユーザの瞬間的トラヒック要求およびチャネル変化に対してできれば調整可能とすべきである。LTE上りリンクでは、異なるユーザに異なる周波数部分を割当てることにより、一つの送信時間間隔(TTI)で数個のユーザをスケジューリングすることができる。シングルキャリア構成を維持するため、各ユーザは、図1に示すように、周波数において隣接する割当のみを受信すべきである。
【0006】
ここで図2を参照して、進化したノードB(基地局)204のスケジューラ202は資源割当を実行してもよい。上りリンクの二つ以上のユーザ間で資源をスケジューリングすることは、スケジューラ202が各ユーザの上りリンク・データおよび資源要求を自動的には知っていないという事実により、複雑である。即ち、例えば、スケジューラ202は、各ユーザの移動端末206(例えば、移動電話、携帯情報端末、またはその他の任意の携帯端末)の送信バッファにどれだけ多くのデータがあるか、知っていない可能性がある。移動端末206は、ユーザ機器(UE)と呼んでもよい。高速スケジューリングをサポートするため、スケジューラ202には、UEの瞬間的トラヒック要求(例えば、送信バッファ状態)を知らされなければならないだろう。
【0007】
基本的な上りリンク・スケジューリングの概念を図2に示す。通常は、上りリンク(UL)スケジューラ202にUEの瞬間的トラヒック要求を知らせるため、システム200は、(i)専用のスケジューリング要求(SR)チャネルと(ii)バッファ状態報告とをサポートする。あるいは、同じ目的のため、同期したランダム・アクセス・チャネル(RACH)を使用できる。
【0008】
スケジューラ202は、各UEのトラヒック要求をモニタし、それに従って資源を割り当てる。スケジューラ202は、資源割り当て208をUEに送信することによりスケジューリング決定をUE(例えば、UE206)に知らせる。加えて、高速リンク適応およびチャネル依存スケジューリングのために、進化したノードB(eNodeB)が広帯域チャネル評価を行うことができるように、チャネル・サウンディング基本信号を送信するようUEを構成する可能性がある。 また、同期したUEは、フォールバック解決策としてランダム・アクセス・チャネル(RACH)を使用し、UL資源を要求する機会を有する。しかしながら、一般的には、非同期のUEのために殆んど、本RACHを意図している。専用SRチャネル手法では、UEがUL資源を要求しているということをeNodeBに示すメッセージを送信するため、各アクティブUEに専用チャネルを割り当てる。そのようなメッセージをスケジューリング要求(SR)210と呼ぶ。この方法が有する利点は、いかなるUE識別子(ID)も送信する必要がないということであり、これは、UEが使用する“チャネル”によりUEを識別するからである。さらに、競合をベースとした手法と対比して、セル内の衝突が全く起こらないだろう。
【0009】
SR210を受信することに応じて、スケジューラ202は、スケジューリング許可信号(SG)208をUEに出してもよい。即ち、当然UEがこの情報を使用し、UEに通信するだろう資源(例えば、時間スロットおよび周波数またはそのいずれか一方)を、スケジューラは選択してもよい。また、スケジューラ202は、リンク・アダプテーション機能からのサポートで、転送ブロック・サイズ、変調方式、符号方式およびアンテナ方式を選択してもよい(即ち、eNodeBでリンク適合を実行し、ユーザIDの情報と一緒に選択した転送フォーマットをUEに信号伝達する)。スケジューリング許可信号はUEを指定するが、特定の無線ベアラを指定しない。その最も簡単な形式では、スケジューリング許可信号は次のUL TTI(アップリンクの送信時間間隔)に対してのみ有効である。しかしながら、必要とする制御シグナリング量を削減するため、他の継続時間を有する幾つかの提案が可能である。
【0010】
最初のSR(スケジューリング要求)を送信した後、UEはスケジューラ202により詳細なバッファ状態報告を送信してもよい。バッファ状態報告をインバンドで送信してもよい(例えば、媒体アクセス制御(MAC)ヘッダの一部として、バッファ状態報告を含めてもよい)。例えば3GPPでは、バッファ状態報告には、最初のSRに含む以上の情報を含むべきである、というのが共通した意見である。
【0011】
上記の手順について、さらに図3に示す。図3に示すように、eNodeB304に送信すべきデータを持つUE302は、まず、eNodeB304にSR306を送信し、次にeNodeB304の上りリンク・スケジューラ308によって、それを処理する。SR306に応じて、上りリンク・スケジューラ308はSG(例えば、資源割当)310をUE 302に送信する。その後に、UE302は、バッファ状態報告314と一緒にデータ312をeNodeB304に送信し、その報告を上りリンク・スケジューラ308が処理する。上記で議論したように、データ312を有するインバンドでバッファ状態報告314を送信してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
電気通信システムにおける上りリンク・スケジューリング要求をトリガするため、改善したシステムと方法を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一つの側面では、本発明は、移動端末(または“UE”)から基地局にスケジューリング要求を送信する方法を提供する。幾つかの実施形態では、本方法は、基地局に送信するため利用可能となったデータに応じて、UEが基地局に第一のスケジューリング要求(SR)を送信することから始まる。第一のSRを送信した後、UEは、基地局から送信されたスケジューリング許可信号(SG)を受信する。SGを受信することに応じて、UEは基地局に送信バッファ状態情報を送信する。基地局へバッファ状態情報を送信した後、しかし基地局への後続のSRのいずれの送信に先立って、そして少なくとも幾つかのデータが基地局へ送信されるのを待っている間、UEは、(1)スケジューリング要求のトリガ・イベントが起きたかどうかを判定し、もしトリガ・イベントが起きたなら、トリガ・イベントが起きたと判定することに応じて、UEは、次の機会に基地局に第二のSRを送信するが、(2)さもなければ、トリガ・イベントが起きなかったなら、トリガ・イベントが起きなかったということを判定したことに応じて、UEは、次の機会に基地局にトリガ・イベントが起きなかったということを示すメッセージを送信する。
【0014】
幾つかの実施形態では、スケジューリング要求のトリガ・イベントが起こったかどうかを判定するステップには、(a)第一のSRを送信した後、基地局に送信するため利用可能となった追加のデータが、最初のデータより高い優先度を持つかどうかを判定すること、(b)第一のSRを送信して以降経過した時間量が、ある閾値を超えているかどうかを判定すること、および(c)送信バッファの現在のデータ量と、送信バッファにあった前の、非ゼロのデータ量との差が、ある閾値を超えているかどうかを判定すること、または(a)〜(c)の少なくとのいずれかを含む。この実施形態、またはその他の実施形態では、スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定するステップには、基地局に送信した送信バッファ状態情報と、送信バッファの状態に関する新しい情報とを比較することを含む。
【0015】
幾つかの実施形態では、トリガ・イベントが起こらなかったということを示すメッセージは1ビットのメッセージであり、SRもまた1ビットのメッセージである。さらに、幾つかの実施形態では、無線資源制御(RRC)信号を通して基地局がUE内に閾値を構成してもよい。さらに、幾つかの実施形態では、データがUEにある空の送信バッファに到達するごとに、次の利用可能な機会にSRを送信するよう、UEを構成する。
【0016】
もう一つの側面では、本発明は改善した移動端末に関する。幾つかの実施形態で、改善した移動端末には送信バッファとデータ・プロセッサを含む。移動端末の空の送信バッファに到達するデータに応じて、移動端末に第一のスケジューリング要求(SR)を基地局に送信させ、そして基地局からスケジューリング許可信号(SG)を受信するのに応じて、移動端末に送信バッファに関する状態情報を基地局に送信させるよう、データ・プロセッサを構成してもよい。幾つかの実施形態では、スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定し、トリガ・イベントが起こったと判定することに応じて、移動端末に第二のSRを次の機会に基地局に送信させ、トリガ・イベントが一つも起こらなかったと判定するのに応じて、移動端末にトリガ・イベントが起こらなかったことを示すメッセージを次の機会に基地局に送信させるように、データ・プロセッサをさらに構成してもよい。好ましくは、少なくとも幾つかの第一のデータが基地局に送信されるのを待っている間、そしてUEがバッファ状態情報を送信した後、しかし、基地局に任意の後続のSRをUEが送信するのに先立って、これらの三つのステップを実行する。
【0017】
幾つかの実施形態では、改善した移動端末には、移動端末受信データの空の送信バッファに応じて、第一のSRを基地局に送信する手段と、基地局が送信したSGを受信する手段と、SGを受信することに応じて、送信バッファ状態に関する状態情報を基地局に送信する手段と、スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定するトリガ・イベント検出手段と、スケジューリング要求のトリガ・イベントが起こったことを判定するのに応じて、次の機会に、第二のSRを基地局に送信する手段とを含む。幾つかの実施形態では、少なくとも幾つかのデータが基地局に送信されるのを待っている間、判定を実行するようトリガ・イベント検出手段を構成する。
【0018】
もう一つの側面では、本発明は、移動端末に上りリンク資源を許可するために基地局が実行する方法に関する。幾つかの実施形態では、基地局は、第一の移動端末に上りリンク資源を配分し、それによって第一の移動端末が基地局にデータを送信できるようにし、第一の移動端末が上りリンク資源を利用している間、第二の移動端末からSRを受信し、SRを受信することに応じて第二の移動端末に上りリンク資源を再配分し、基地局に送信するよう待っている第二の移動端末のデータの優先度に関係する情報を、第二の移動端末から受信し、それぞれの優先度情報を使用して第一の移動端末のデータの優先度と第二の移動端末のデータの優先度とを比較し、第一の移動端末が第二の移動端末より高い優先度データを持つことを判定するのに応じて上りリンク資源を第一の移動端末に再配分し、第二の移動端末から後続のSRを受信するが、第二の移動端末から優先度情報を受信した後かつ第二の移動端末から他の全ての優先度情報を受信する前にその後続のSRを受信し、後続のSRを受信することに応じて第二の移動端末に上りリンク資源を再配分する。
【0019】
もう一つの側面では、本発明は改善した基地局に関する。幾つかの実施形態では、改善した基地局には、複数の移動端末と通信する手段と、端末からのバッファ状態データ送信の各々に基づいて、移動端末のうちの一つに上りリンク資源を配分てる手段と、他の端末のバッファ状態データの変化を示す単一ビットのメッセージの受信に基づいて、複数の端末のうちの他のもう一つに上りリンク資源を再配分する手段とを含む。
【0020】
さらにもう一つの側面では、本発明は、改善した移動端末と改善した基地局とを備える電気通信システムに関する。
【0021】
本発明の上記およびその他の側面と実施形態について、添付の図面を参照して以下に述べる。
【0022】
本明細書に組み込み、明細書の一部を形成する添付図面は、本発明の各種の実施形態を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】SC−FDMAシステムの各種のユーザに対する資源配分を概略的に示す。
【図2】LTEシステムにおける上りリンク・スケジューリングを示す。
【図3】UEにデータ送信のための資源を提供する方式を示す。
【図4】eNodeBと2個のUE間の改善したスケジューリング・メッセージ・フローを示す。
【図5】eNodeBと二つのUE間の更なる改善したスケジューリング・メッセージ・フローを示す。
【図6a】、
【図6b】本発明の実施形態による処理を示す。
【図7】移動端末の幾つかの構成要素を示す機能ブロック図である。
【図8】上りリンク・スケジューラの幾つかの構成要素を示す機能ブロック図である。
【図9】本発明の実施形態による処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
一つの可能なスケジューリング要求方式は、単一ビット(即ち、“信号要求ビット”)を特定の所定の値に設定(例えば、“1”に設定)した単一ビット・メッセージであるとSRを定義し、以下の場合にはいつでもUEがSRをスケジューラに送信するよう、UEを構成することである。(1)UEが送信すべきデータを持っており(例えば、UEは送信バッファにデータを持っている)、かつ、(2)UEが、そのデータをeNodeBに送信するための上りリンク資源配分を持っていない。しかしながら、図4に示すスケジューリング・メッセージ・フローの例は、この手法の潜在的な欠点を示している。
【0025】
図4に示す例では、2個の同期したUE(即ち、UE1とUE2)があり、そのいずれも最初は、データ送信のための上りリンク資源配分を持っていない、と仮定する。さらに、UEは専用のSRチャネルを持つ、と仮定する。
【0026】
図4に示すように、データがUE1の送信バッファに到達すると、UE1は、その次のSR機会を使用してスケジューラにSR(例えば、“1”)を送信することにより、このイベントの通知をスケジューラに提供する。これに応じて、スケジューラはデータ送信のために幾つかの資源をUE1に許可し、UE1にSGを送信する。これに応じて、UE1はeNodeBにバッファ状態報告を送信する。UE1はまた、割り当てられたUL資源に依存して、eNodeBにデータを送信することができる。
【0027】
図4にさらに示すように、UE2が送信用データをもつ場合、UE2は、その次のSR機会にSR(例えば、“1”)を送信する。この例のため、UE2のデータはUE1のデータより低い優先度を持つと仮定しよう。UE2が送信するSRを受信するのに応じて、スケジューラは、時間内のこの時点では、UE2のデータがUE1のデータより低い優先度を持つことを知らないが、UE2にやみくもに幾つかの資源を許可する。UE2は割り当てを受けた資源を使用し、QoS情報を含むバッファ状態報告と割り当てサイズに依存する幾つかのデータとを送信する。UE1及びUE2それぞれが送信するバッファ状態報告を使用して、スケジューラはUE1のバッファ状態とUE2のバッファ状態とを比較し、その比較結果に基づいて、UE2のデータが低い優先度特質であることを比較結果が示しているため、UE1からのデータを優先する。UE1からのデータを優先するので、スケジューラはUE2をそれ以上スケジュールせず、それ故、UE2がそのデータを送信すること防ぐ。このため、UE2は送信すべきデータを持つので、SR機会を持つTTIのそれぞれにおいて、UE2はSRを送信し続けるだろう。
【0028】
UE2が最後に送信したデータ・バッファ報告、それは、UE2が送信を待っている低い優先度のデータのみを持つという表示を報告するのであるが、その報告を信頼して、スケジューラはUE2が送信するSRを無視する。UE2が続いて送るべき高い優先度のデータを持った後でさえ、スケジューラはこれらのSRを無視するが、これは、バッファ状態報告を送信することを通じて以外に、UE2にとって、高い優先度のデータを持つということをスケジューラに通知する方法がないからである。従って、幾つかの場合では、スケジューラが、UE2の送信バッファに到達している高い優先度のデータに直ちに気付かない可能性がある。
【0029】
もし時々UE2に幾つかの上りリンク資源を許可するようスケジューラを構成するなら、この問題を回避することでき、これにより新規の高い優先度のデータを示すバッファ状態報告をスケジューラに送信する機会をUE2に提供するであろう。しかしながら、もし多くのユーザがあるなら、この解決策は資源の観点から極めて高価である。もう一つの解決策は、SRがデータ優先度に関する情報を含むことができるよう、1ビットから1ビット以上にSRを拡張することである。しかしながらこの解決策は、多くの優先度レベルがある場合は特に、SRチャネルに対して重大なオーバヘッドを与える。本発明の実施形態は、これらの二つの解決策が被る不利益なしに、上記の問題を克服する。
【0030】
本発明の実施形態は、送信バッファ状態における変化に基づく代替的なSRトリガ機構を定義する。そのような代替的トリガ機構で、SRを1ビットから数ビットに増加させることなしに、そしてバッファ状態報告を送信するためにUEを周期的にスケジューリングすることなしに、上記の問題を解決することができる。
【0031】
本発明の実施形態によれば、例えば、前に報告したこと、または前に送信したことと比較した、UEの送信バッファ内容における変化のような、ある所定の条件を満足する場合のみ、SRを送信するようUEを構成する。例えば、データがUEの送信バッファに到達し、そのデータが、前に報告したデータ(または送信したデータ)の優先度より高い優先度を持つ場合はいつでも、所定の条件に合致するものとできる。典型的には無線資源制御(RRC)シグナリングを通して、SRをトリガするバッファ状態の変化を構成される。
【0032】
幾つかの実施形態では、以下の全てが正しい場合のみ、SRを送信するようUEを構成する。(1)UEは上りリンク許可を全く持たない。(2)UEはeNodeBに送信すべきデータを持つ。(3)確認応答があった最後のバッファ報告がUEにより送信されたか、または確認応答があった最後の送信がUEにより送信された後、バッファ状態が“変化”した。これらの実施形態では、上記のように構成したUEからのSRを無視しないよう、スケジューラを構成する。
【0033】
幾つかの実施形態では、以下の条件の一個以上を満足する場合のみ、バッファ状態が“変化”したと考える。(1)より高い優先度のデータがバッファに到達した。(2)バッファ・サイズ増加が所定の閾値(閾値A)を超える。または(3)最後のSRの送信以降の経過時間が所定の閾値(閾値B)を超える。通常は、RRCシグナリングを通して閾値Aと閾値Bとを構成することができる。上記の規則に対する一つの例外は、データがUEの空のバッファに到達した場合、UEは常に次のSR機会にSRを送信すべきである、ということである。
【0034】
上記の例では、UEがスケジューラからULスケジューリング許可信号を受信する場合、UEが送信する通常のバッファ状態報告を通して、続いてUEのバッファ内容をスケジューラに気付かせる。これは、各スケジュール送信に対して連続的なバッファ報告である可能性がある。しかしながら、幾つかの実施形態では、UEにバッファ状態報告を送信させるために、判定基準を使用する。このことは、もしさらなるUL資源をUEに許可しないなら、最後に認知したバッファ報告を更新するであろう、ということを意味する。また、UEが正規のバッファ報告を送信しない場合、上記のSRトリガ規則の変形を使用することも可能である。
【0035】
例えば、UEが無線ベアラ間で厳格な優先度(即ち、より低い優先度の無線ベアラからのデータの前に、常により高い優先度の無線ベアラからのデータを送信する)を採用すると仮定すると、送信したものより高い優先度のデータは送信バッファには何もないということを、スケジューラは理解するであろう。そのような状況では、以下の条件の1個以上を満足する場合のみ、バッファ状態が“変化”したと考える。(1)より高い優先度のデータがバッファに到達した。または(2)最後のSRを送信して以降の経過時間閾値(閾値B)を超える。前と同じように、本規則に対する一つの例外は、データがUEの空のバッファに到達した場合、UEは常にその次のSR機会にSRを送信すべきである、ということである。通常は、RRCシグナリングを通して閾値Bを構成する。
【0036】
上記の例の幾つかの代替案と組合せが構成可能である。UEが送信すべきデータをもつ場合はいつでもSRを送信するようUEを構成する代わりに、送信すべきデータを持ち、かつ幾つかのその他のイベントが生じた場合のみ、SRを送信するようUEを構成する、ということにおける改善を本発明は提供するものである(例えば、最後のSRを送信した後ある時間が経過した、または、データまたは状態報告の最近の送信の後バッファのデータ量が少なくともある量だけ増加した、または、データを受信する直前に送信バッファが空であった)。
【0037】
幾つかの実施形態では、SR送信機会の前に、UEがeNodeBからスケジューリング許可信号を得た時はいつでも、トリガを受けたが未送信のSRを取り消すべきである。これらの場合には、UEはまず高い優先度のデータを送り、詳細なバッファ状態報告を選択的に含めるであろう。いずれの場合でも、eNodeBは、スケジューリング許可信号を得ることなしにでも変化に気付く。
【0038】
ここで図5を参照し、図5は、本発明の実施形態によるシステムのメッセージ・フローを示すが、そのシステムには2個のUE(UE1とUE2)を含む。UE1がその送信バッファに高い優先度のデータを受信した場合から、図示のメッセージ・フローを開始する。図5に示すように、このイベントに応じて、UE1はその次のSR機会に、eNodeBにSRを送信する。
【0039】
これに応じて、eNodeBはUE1にSGを送信する。本SGに応答して、UE1は、UE1の送信バッファ内のデータの高い優先度を示すバッファ報告を送信してもよい。UE1がバッファ報告を送信した後のいつか、UE2はその送信バッファのデータを受信してもよく、そのイベントにより、UE2はその次のSR機会にSRを送信させる。
【0040】
この例のために、UE2のデータはUE1のデータより低い優先度を持つと仮定しよう。UE2が送信するSRの受信に応じて、時間内のこの時点で、UE2のデータはUE1のデータより低い優先度を持つということを知らないeNodeBは、UE2に何らかの資源をやみくもに許可する。EU2は割り当てられた資源を使用して、QoS情報を含むバッファ状態報告と割り当てサイズに依存する幾つかのデータとを送信する。UE2のデータの優先度の低さを示すバッファ状態報告の基づき、eNodeBはUE1からのデータを優先させ、それ故、UE2をこれ以上スケジュールせず、これによって、UE2がそのデータを送信するのを防ぐ(例えば、バッファ報告を含む送信に対するハイブリッド型自動反復要求(HARQ)ACKをUE2に送信し、UE2は最後にACKした報告をストアする)。 しかしながら、各後続のSR機会にSRを送信し続けるよりはむしろ、図4に示すように、一個以上のある所定のイベントが起こるまでSRを送信しないよう、UE2を構成する(例えば、図5に示すように、UE2はeNodeBに、 “1”の代わりに“0”の値に設定したビットを有する信号要求ビットを、イベントの一つが起こるまで送信してもよい)。従って、後続の各SR機会に先立って、(高い優先度のデータの受信のような)一個以上のあるイベントが起こったかどうかをチェックするようUE2を構成し、その結果、もしそのような一つのイベントが起こった場合、UE2はその次のSR機会にSRを送信することができる。
【0041】
この例では、UE2がバッファ状態報告を送信した後のいつか、高い優先度のデータがUE2の送信バッファに到達する。UE2はこのイベントを検出し、それに応じて、eNodeBにSR(例えば、“1”)を送信する。送信バッファの状態を時間内の幾つかの前の時点で示す最後に確認応答されたバッファ状態報告と、送信バッファの現在の状態を示す新しく生成したバッファ状態情報とを比較することにより、このイベントを検出するようUE2を構成してもよい。UE2が今やより高い優先度のデータを持つことを示す新しいバッファ状態報告を、eNodeBがUE2から受信していないとしても、SRを無視するのとは対照的に、UE2に上りリンク資源を許可することによりSRに応答するよう、eNodeBを構成する。その結果、この方法で、本発明の実施形態は図4に関連して議論した問題を解決する。
【0042】
ここで図6aを参照して、図6aは、本発明の幾つかの実施形態により、UEが実行する手順600を示すフローチャートである。手順600は、ステップ602で開始してもよい。手順600では、UEは最初、eNodeBに送信すべきデータを全く持っていない(例えば、UEの送信バッファは最初、空である)と仮定し、従って、ステップ602では、送信バッファにデータを収納するまでUEは待っている。UEがeNodeBに送るべきデータを持つことに応じて、UEはeNodeBにSRを送信する(ステップ604)。ステップ606で、UEはeNodeBからSRを受信する。ステップ608で、UEはeNodeBが割り当てた資源を使用し、割り当てた資源に依存してバッファ状態報告および幾つかのデータまたはそのいずれかをeNodeBに送信する。ステップ609で、UEは、現在その送信バッファにあるデータ量を示す値を記録してもよい。
【0043】
ステップ610では、UEは、バッファ状態報告を含む送信のためのHARQ ACKを、eNodeBから受信する。ステップ612で、UEは、最後の確認応答(ACK)したバッファ状態報告(即ち、ステップ608で送信した報告)を格納する。ステップ614で、UEは、eNodeBに送るべきデータを持っているかどうか判定する(例えば、UEはその送信バッファが空かどうかを判定する)。もし送信すべきデータを持っていない(例えば、バッファが空である)なら、手順600はステップ602に戻って進んでもよく、そうでなければ、それはステップ616に進んでもよい。
【0044】
ステップ616で、UEは、SRトリガ・イベントが起こったかどうかを判定する。もし起こったなら、手順600はステップ604に戻って進み、そうでなければ、手順600はステップ618に進んでもよい。ステップ618で、まさしく次の送信機会に、UEはeNodeBに、トリガ・イベントが起こらなかったことを示すメッセージを送信する(例えば、UEはeNodeBに、ビットの値を“0”に設定した1ビットのメッセージを送信する)。ステップ618の後、手順600はステップ616に戻って進んでもよい。
【0045】
ここで図6bを参照して、図6bは本発明の幾つかの実施形態による、トリガ・イベントが起こったかどうかを判定する手順を示す。即ち、図6bは、手順600のステップ616を実行する場合に実行してもよいステップを示す。
【0046】
ここで図6bに示すように、手順はステップ656で開始してもよく、UEは、時間内の特定の時点以降、送信バッファに新しいデータが到達したかどうかを判定する。例えば、UEは、最後のバッファ状態報告を発生して以降、または、UEがステップ616を実行した最後の時間以降、新しいデータが送信バッファに到達したかどうかを判定してもよい。もしUEが、新しいデータが到達したと判定すると、手順はステップ658に進んでもよく、そうでない場合は、それはステップ662に進んでもよい。
【0047】
ステップ658で、UEは、新しいデータが到達した時、新しいデータが送信バッファにあったデータより高い優先度を持つかどうかを判定する。UEは、ステップ612でストアしたバッファ状態報告の情報と、送信バッファの現在の状況の状態を反映する、新しく生成した情報とを比較することにより、これを判定する。もし新しいデータがより高い優先度を持つなら、手順はステップ604に進んでもよく、そうでなければ、手順はステップ660に進んでもよい(即ち、UEはえNodeBにSRを送信する)。
【0048】
ステップ660で、UEは、送信バッファに現在あるデータ量と時間内の前の時点で送信バッファにあったデータ量との差が、ある閾値を超えるかどうかを判定する。例えば、ステップ660で、UEは、送信バッファに現在あるデータ量を表わす値とステップ609で記録した値との差を見付け出し、その差をその閾値値と比較してもよい。もしその差が閾値と等しいか、それを超えているなら、手順はステップ604に進んでもよく、そうでなければ手順はステップ662に進んでもよい。
【0049】
ステップ662で、UEは、最後のSRを送信して以降経過した時間量がある閾値を越えるかどうかを判定する。もしそうなら、手順はステップ604に進んでもよく、そうでなければ、手順はステップ618に進んでもよい。
【0050】
ここで、起こる可能性のあるエラー・ケースについて検討する。
【0051】
エラー・ケース1:この第一のエラーの場合では、(a)eNodeBがSRを間違えて解釈し(例えば、信号要求ビットが“1”の変わりに“0”に設定されることを、eNodeBが検出する)、資源を許可しないか、または、(b)UEが資源割当メッセージをデコードできないか、のどちらかである。この状況に対処するため、UL許可を得るまで(即ち、データおよびバッファ状態報告またはそのいずれかを送信する機会をUEに与えるまで)、全てのSRの機会にSRを送信するようUEを構成する。
【0052】
エラー・ケース2:第二のエラーの場合では、eNodeBは、バッファ状態報告または最初のデータ送信を含むメッセージをデコードし損なう。HARQ再送信を待つことは、過度の遅延の原因となるであろう。スケジューラはUL許可を、(1)もし各UL送信でバッファ報告を送信するなら信頼できる報告を得るまで、あるいは、(2)もしSRに対するものと類似の判断基準でバッファ報告がトリガされているなら(UEは、最近確認応答された報告と比較したバッファ変化を持ち、信頼できる報告を得るまで報告を送信し続けるであろう)、または、(3)もし何のバッファ報告もトリガされないなら、eNodeBがデコードできるまで新しいデータを送信する。
【0053】
エラー・ケース3:第三のエラーの場合では、eNodeBは、バッファ報告または最初のデータ送信を含むメッセージを検出するが、UEは否定応答(NACK)としてHARQ ACHを間違えて解釈する。この状況では、UEは通常のHARQ再送信を実行するが、eNodeBは更なる送信試行を全く期待しないので、再送信は失敗する。送信試行の最大回数の後、UEは停止する。もし幾つかの後続の送信が成功したなら、UEはもう一つのスケジューリング要求を実行する必要はない。ケース2のエラー処理で、もし送信が失敗したなら、eNodeBはもう一つの許可を出したであろう。
【0054】
ここで図7を参照して、図7は、本発明の実施形態によるUE700の幾つかの構成要素の機能ブロック図である。図7に示すように、UEには、eNodeBに送信すべきデータをバッファする送信バッファ702と、最後に送信されたバッファ状態報告をストアするストレージ・ユニット704と、SRを送信すべきかまたは送信すべききでないかどうかを判定するため(即ち、幾つかあるステップの中で、手順600のステップ616−622を実行するよう、ソフトウエア708を構成してもよい)、およびSRを送信すべきと判定した場合はSRを送信させるためソフトウエア708を実行するデータ・プロセッサ706と、eNodeBにデータを無線で送信する送信器と、その他の要素とを含む。
【0055】
ここで図8を参照すると、図8は、本発明の実施形態による上りリンク資源スケジューラ202の機能ブロック図である。図8に示すように、スケジューラ202には、バッファ状態報告810をストアするストレージ・ユニット804と、ソフトウエア808を実行するデータ・プロセッサ806とを含む。データ・プロセッサ806が実行する場合、ソフトウエア808がスケジューラ202を上記のように機能させるようソフトウエア808を構成する。即ち、例えば、ソフトウエア808はスケジューラ202に、eNodeB240と通信するため、UEが試行するバッファ状態の比較に基づき、上りリンク資源をスケジュールさせてもよく、そして各SRに応答させてもよい。図示していないが、データ・プロセッサ806は、スケジューラがUEと通信できる送信手段(例えば、送信バッファおよび送信器またはそのいずれか、または類似のもの)に連結している。
【0056】
ここで図9を参照して、図9は本発明の実施形態により構成した、基地局が実行する手順900を示すフローチャートである。図9に示しように、ステップ902で基地局は上りリンク資源を第一のUE(UE1)に配分し、これにより、UE1が基地局にデータを送信することを可能にする。ステップ904で、UE1が上りリンク資源を利用している間、基地局は第二のUE(UE2)からSRを受信する。ステップ906で、SRを受信することに応じて、基地局は上りリンク資源をUE2に再割り当てする。ステップ908で、基地局は、基地局への送信を待っているUE2のデータの優先度に関係する情報を、UE2から受信する。ステップ910で、各々の優先度情報を使用して、基地局は、UE1のデータの優先度とUE2のデータの優先度とを比較する。ステップ912で、UE1がUE1より高い優先度のデータを持つと判定することに応じて、基地局はUE1に上りリンク資源を再割り当てする。ステップ914で、基地局はUE2から後続のSRを受信するが、UE2から優先度情報を受信した後、およびUE2から任意の他のデータの優先度情報を受信する前、後続のSRを受信する。ステップ916で、後続のSRを受信することに応じて、基地局は上りリンク資源をUE2に再割り当てする。
【0057】
本発明の実施形態の一つの利点は、スケジューリング要求チャネルのUE電力消費量を減少させながら(ON/OFFキーイングを使用する場合)、端末のバッファ状態を選択的に更新することと、単一ビットのSRでも適当なサービス品質(QoS)を認知することとを、基地局(eNodeB)のスケジューラに提供する、ということである。
【0058】
本発明の各種の実施形態/変形を上記で述べたが、例としてのみであり、限定するものでないということでそれらを提供した、と理解すべきである。それ故、本発明の幅と範囲は、上記の典型的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではない。さらに、述べてはいないが、上記の実施形態は全て相互に排他的ではない。それ故、本発明は、各種の実施形態の特徴の任意の組合せおよび統合またはそのいずれかを含めてもよい。
【0059】
加えて、図面で示し、上記で説明した手順は、ステップのシーケンスとして示しているが、これは図示のためにのみ行ったことである。従って、幾つかのステップを追加してもよく、幾つかのステップを削除してもよく、ステップの順序を再構成してもよい、ということを考慮している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末(302)から基地局(304)にスケジューリング要求(306)を送信する方法であって、
(a)移動端末(302)から基地局(304)への送信に利用可能となる第一のデータに応じて、移動端末(302)から基地局(304)に第一のスケジューリング要求(SR)(306)を送信するステップと、
(b)第一のSR(306)を送信後、基地局(304)から送信したスケジューリング許可信号(SG)(310)を移動端末(302)で受信するステップと、
(c)SG(310)の受信に応じて、移動端末(302)から基地局(304)に送信バッファ状態情報(314)を送信するステップと、
(d)少なくとも幾つかの第一のデータが基地局(304)に送信されるのを待っている間において、バッファ状態情報(314)を送信後、かつ基地局(304)に任意の後続のSR(306)を送信するに先立って、
(d1)スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定するステップと、
(d2)トリガ・イベントが起こったなら、トリガ・イベントが起こったとの判定に応じて、次の機会に、基地局(304)に第二のSR(306)を送信するステップと、
(d3)トリガ・イベントが起こらなかったなら、トリガ・イベントが起こらなかったとの判定に応じて、その次の機会に、トリガ・イベントが起こらなかったことを示すメッセージを基地局(304)に送信するステップと、
をさらに実行するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定するステップには、基地局(304)に送信した送信バッファ状態情報(314)と送信バッファの状態に関する新しい情報とを比較するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定するステップには、基地局(304)に移動端末(302)からの送信に利用可能な第二のデータが、第一のデータより高い優先度を持つかどうかを判定するステップを有し、
第一のSR(306)を送信した後、第二のデータが基地局(304)への送信に利用可能となったこと
を特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定するステップには、第一のSR(306)を送信して以降経過した時間がある閾値を超えたかどうかを判定するステップを有すること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定するステップには、送信バッファの現在のデータ量と、送信バッファにあった、以前の非ゼロのデータ量との差がある閾値を超えたかどうかを判定するステップを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定する前記ステップが、
(a)第一のSR(306)を送信した後に基地局(304)への送信に利用可能となった第二のデータが、第一のデータより高い優先度を持つかどうかを判定するステップと、
(b)第一のSR(306)を送信して以降経過した時間がある閾値を超えたかどうかを判定するステップと、
(c)送信バッファの現在のデータ量と、送信バッファにあった、以前の非ゼロのデータ量との差がある閾値を超えたかどうかを判定するステップと
を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定する前記ステップが、
(a)第一のSR(306)を送信した後に基地局(304)への送信に利用可能となった第二のデータが、第一のデータより高い優先度を持つかどうかを判定するステップと、
(b)第一のSR(306)を送信して以降経過した時間がある閾値を超えたかどうかを判定するステップと
を有する特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
トリガ・イベントが起こらなかったことを示すメッセージが1ビットのメッセージであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
SR(306)が1ビットのメッセージであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
無線資源制御(RRC)シグナリングを通して基地局(304)が移動端末(302)で閾値を構成することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
データが移動端末(302)の空の送信バッファに到達するごとに、次の利用可能な機会にSR(306)を送信するステップをさらに有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
移動端末(302)から送信バッファ状態情報(314)を基地局(304)へ送信し、移動端末(302)に確認応答を格納した後、基地局(304)から送信したHARQ ACKを移動端末(302)で受信するステップをさらに有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
送信バッファ(702)と、
データ・プロセッサ(706)とを備え、
前記データ・プロセッサ(706)を、
(a)移動端末(302)の空の送信バッファに到達することに応じて、移動端末(302)に、第一のスケジューリング要求(SR)(306)を基地局(304)に送信さ、
(b)基地局(304)からスケジューリング許可信号(SG)(310)を受信することに応じて、移動端末(302)に、送信バッファ状態情報(314)を基地局(304)に送信させ、
(c)少なくとも幾つかの第一のデータが基地局(304)に送信されるのを待っている間において、バッファ状態情報(314)を送信後、かつ基地局(304)に任意の後続のSRを送信するのに先立って、(c1)スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定し、(c2)トリガ・イベントが起こったとの判定に応じて、次の機会に移動端末(302)に第二のSR(306)を基地局(304)に送信させ、(c3)トリガ・イベントが一つも起こらなかったとの判定に応じて、移動端末(302)に、トリガ・イベントが次の機会に起こらなかったことを示すメッセージを基地局(304)に送信させるというステップ(c1)−(c3)を実行するように構成した
ことを特徴とする移動端末(302)。
【請求項14】
基地局(304)に送信した送信バッファ状態情報(314)を送信バッファの状態に関する新しい情報と比較することにより、スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定するようデータ・プロセッサ(706)を構成することを特徴とする請求項13に記載の移動端末(302)。
【請求項15】
第一のSR(306)を送信した後、基地局(304)への送信に利用可能となった第二のデータが第一のデータより高い優先度を持つかどうかを判定することにより、スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定するようデータ・プロセッサ(706)を構成することを特徴とする請求項13または14に記載の移動端末(302)。
【請求項16】
第一のSR(306)を送信して以降経過した時間がある閾値を超えたかどうかを判定することにより、スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定するようデータ・プロセッサを構成することを特徴とする請求項13、14または15に記載の移動端末(302)。
【請求項17】
送信バッファ(702)の現在のデータ量と、送信バッファ(702)にあった、以前の非ゼロのデータ量との差がある閾値を超えたかどうかを判定することにより、スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定するようデータ・プロセッサ(706)を構成することを特徴とする請求項13、14、15または16に記載の移動端末(302)。
【請求項18】
トリガ・イベントが起こらなかったことを示すメッセージが1ビットのメッセージであることを特徴とする請求項13、14、15、16または17に記載の移動端末(302)。
【請求項19】
SR(306)が1ビットのメッセージであることを特徴とする請求項13、14、15、16、17または18に記載の移動端末(302)。
【請求項20】
(a)データを受信する移動端末(302)の空の送信バッファに応じて、基地局(304)に第一のスケジューリング要求(SR)(306)を送信する手段と、
(b)基地局(304)から受信したスケジューリング許可信号(SG)(310)を受信する手段と、
(c)SG(310)を受信することに応じて、送信バッファ状態情報(314)を基地局(304)に送信する手段と、
(d)スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったかどうかを判定するためのトリガ・イベント検出手段(706)とを備え、
前記トリガ・イベント検出手段(706)は、少なくとも幾つかのデータが基地局(304)に送信されるのを待っている間、判定を実行するよう構成され、
(e)前記スケジューリング要求トリガ・イベントが起こったとの判定に応じて、次の機会に第二のSR(306)を基地局(304)に送信する手段を備えること、
を特徴とする移動端末(302)。
【請求項21】
(f)前記スケジューリング要求トリガ・イベントが起こらなかったとの判定に応じて、前記スケジューリング要求トリガ・イベントが起こらなかったことを示すメッセージを、次の機会に、基地局(304)に送信する手段をさらに備えること、
を特徴とする請求項21に記載の移動端末(302).
【請求項22】
前記トリガ・イベント検出手段(706)には、基地局(304)に送信された送信バッファ状態情報(314)と送信バッファの状態に関する新しい情報とを比較する手段(708)を備えること、
を特徴とする請求項21または22に記載の移動端末(302)。
【請求項23】
前記トリガ・イベント検出手段(706)には、移動端末(302)から基地局(304)への送信に利用可能な第二のデータが、第一のデータより高い優先度を持つかどうかを判定する手段(708)を備え、
第一のSR(306)を送信した後、第二のデータが基地局(304)への送信に利用可能となったこと、
を特徴とする請求項20乃至22のいずれか一項に記載の移動端末(302)。
【請求項24】
トリガ・イベント検出手段(707)には、第一のSR(306)を送信して以降経過した時間が、ある閾値を超えたかどうかを判定する手段(708)を備えること、
を特徴とする請求項20乃至23のいずれか一項に記載の移動端末(302)。
【請求項25】
トリガ・イベント検出手段(707)には、送信バッファの現在のデータ量と送信バッファにあった、以前の非ゼロのデータ量との差がある閾値を超えたかどうかを判定する手段(708)を備えること、
を特徴とする請求項20乃至24のいずれか一項に記載の移動端末(302)。
【請求項26】
トリガ・イベントが起こらなかったことを示すメッセージが1ビットのメッセージであることを特徴とする請求項20乃至25のいずれか一項に記載の移動端末(302)。
【請求項27】
SR(306)が1ビットのメッセージであることを特徴とする請求項20乃至26のいずれか一項に記載の移動端末(302)。
【請求項28】
移動端末(302)に上りリンク資源を許可するために基地局(304)が実行する方法であって、
第一の移動端末(302)に上りリンク資源を割り当て、それによって第一の移動端末(302)が基地局(304)にデータを送信可能となるステップと、
第一の移動端末(302)が上りリンク資源を利用している間、第二の移動端末(302)からSR(306)を受信するステップと、
SR(306)を受信することに応じて、第二の移動端末(302)に上りリンク資源を再割り当てするステップと、
基地局(304)に送信されるのを待っている、第二の移動端末のデータの優先度に関係する情報を、第二の移動端末(302)から受信するステップと、
それぞれの優先度情報を使用して、第一の移動端末のデータの優先度と第二の移動端末のデータの優先度とを比較するステップと、
第一の移動端末(302)が第二の移動端末(302)より高い優先度を持つことを判定するステップに応じて、第一の移動端末(302)に上りリンク資源を再配分するステップと、
第二の移動端末(302)から後続のSR(306)を受信するステップとを有し、
前記第二の移動端末(302)から優先度情報を受信した後で、前記第二の移動端末(302)からその他の任意のデータの優先度情報を受信する前に、後続のSR(306)を受信するステップと、
前記後続のSR(306)の受信に応じて、前記第二の移動端末(302)に上りリンク資源を再割り当てするステップと
を有すること
を特徴とする方法。
【請求項29】
各SR(306)が1ビットのメッセージであることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第一の移動端末(302)が前記第二の移動端末(302)より高い優先度のデータを持つことの判定に応じて前記第一の移動端末(302)に上りリンク資源を再割り当てした後、前記第二の移動端末(302)から後続のSR(306)を受信するのに先立って、第二の移動端末(302)から複数のメッセージを受信するステップを有し、
前記複数のメッセージは各々、前記第二の移動端末(302)がスケジューリング要求トリガ・イベントを検出しなかったことを示すこと
を特徴とする請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記複数のメッセージの各々が1ビットのメッセージであることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
複数の移動端末(302)と通信する手段と、
端末からの各バッファ状態データ送信に基づき、前記移動端末(302)の一つに上りリンク資源を配分する手段(906)と、
他の端末のバッファ状態データの変化を示す単一ビットのメッセージの受信に基づき、複数の端末のもう一つに上りリンク資源を再割り当てする手段(906)とをさらに備えることを特徴とする基地局(304)。
【請求項33】
請求項13乃至27のいずれか一項に記載の移動端末(302)を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項34】
請求項32に記載の基地局(304)をさらに備えることを特徴とする請求項33に記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−217187(P2012−217187A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−131378(P2012−131378)
【出願日】平成24年6月8日(2012.6.8)
【分割の表示】特願2010−513154(P2010−513154)の分割
【原出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】