説明

電気部品付き基板の製造方法

【課題】信頼性の高い電気部品付き基板を製造する。
【解決手段】本発明は、電気部品側端子15の接続面17と、該接続面17に接続された他の面18に、第一の導電性樹脂ペースト膜21を形成した後、基板側端子35の表面に形成された第二の導電性樹脂ペースト膜22に、接続面17上に形成された第一の導電性樹脂ペースト膜21を接触させ、第一、第二の導電性樹脂ペースト膜21、22を一体化させた後、一体化した第一、第二の導電性樹脂ペースト膜21、22を硬化させる。従って、電気部品側端子15は接続面17だけでなく、接続面17に接続された他の面18も硬化した導電性樹脂ペースト膜25で覆われた状態で、基板側端子35に固定されるので、電気部品側端子15は基板側端子35から剥がれ難く、本発明により製造された電気部品付き基板1の信頼性は高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気部品を基板に実装し、電気部品付き基板を製造する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップを内蔵する半導体素子のような電気部品を基板に実装する方法としては、従来より半田を用いた半田リフロー法が広く用いられている。
半田リフロー法により電気部品を配線板に実装するには、先ず、基板側の接続端子上に半田を塗布し、半田膜を形成した後、電気部品の接続端子を基板側接続端子上の半田膜に載せ、全体を半田の融点以上に加熱して半田膜を溶融させる。
【0003】
溶融した半田の粘度は非常に小さいので、電気部品の自重によって電気部品側の接続端子が溶融半田に沈み込み、電気部品側の接続端子の底面だけではなく、その底面に接続された側面も溶融した半田で覆われた状態になる。
【0004】
次いで全体を冷却すると、半田が電気部品側の接続端子の底面と側面を覆った状態で硬化するので、配線板の接続端子と、電気部品の接続端子とが、硬化した半田によって強固に固定される。
【0005】
ところで、半導体チップの実装に用いられる半田には、鉛を含有するものが多く、鉛が環境に与える影響を考慮すると、鉛を有しない鉛フリー半田を用いることが好ましい。
【0006】
しかしながら、鉛フリー半田の融点は高いので、鉛フリー半田が溶融する温度に基板と電気部品とを加熱すると、電気部品がダメージを受けることがある。また、半田を加熱すると、溶融半田が飛散することがあり、飛散した半田によって基板の配線が短絡することがある。
【特許文献1】特開平1−132138号公報
【特許文献2】特開平3−11740号公報
【特許文献3】特開平8−293526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、電気部品を高温に加熱せずに、信頼性の高い電気部品付き基板を製造する技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、電気部品側端子を有する電気部品の、前記電気部品側端子の一面である接続面と、前記電気部品側端子の該接続面に接続された他の面に、第一の導電性樹脂ペーストを配置し、表面に第二の導電性樹脂ペーストが配置された基板側端子の、前記第二の導電性樹脂ペースト上に、前記接続面に配置された第一の導電性樹脂ペーストを接触させ、前記第一、第二の導電性樹脂ペーストを硬化させ、前記電気部品側端子と、前記基板側端子とを固定する電気部品付き基板の製造方法である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電気部品付き製造方法であって、前記第一、第二の導電性樹脂ペーストの硬化は、前記第一、第二の導電性樹脂ペーストを加熱する電気部品付き基板の製造方法である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の電気部品付き基板の製造方法であって、前記第一、第二の導電性樹脂ペーストに同じ種類の樹脂を含有させる電気部品付き基板の製造方法である。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電気部品付き基板の製造方法であって、前記第一、第二の導電性樹脂ペーストに、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂のいずれか一方又は両方を含有させる電気部品付き基板の製造方法である。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の電気部品付き基板の製造方法であって、前記第一の導電性樹脂ペーストと前記第二の導電性樹脂ペーストの接触は、2以上の前記電気部品側端子の前記各接続面に配置された前記第一の導電性樹脂ペーストを、前記各基板側端子の表面に配置された前記第二の導電性樹脂ペーストにそれぞれ接触させる電気部品付き基板の製造方法である。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の電気部品付き基板の製造方法であって、前記第一の導電性樹脂ペーストと前記第二の導電性樹脂ペーストの接触は、2以上の前記電気部品の前記各電気部品側端子を、前記各基板側端子の表面に配置された前記第二の導電性樹脂ペーストにそれぞれ接触させる電気部品付き基板の製造方法である。
【0009】
本発明は上記のように構成されており、接続面と、接続面に接続された他の面には予め第一の導電性樹脂ペーストが配置されているので、電気部品側端子を基板側端子に載せた状態で、第一、第二の導電性樹脂ペーストを軟化させ、一体化させた後、硬化させると、基板側端子の表面と、電気部品側端子の接続面と、接続面に接続された他の面とが一体化した導電性樹脂ペーストで覆われた状態になる。
【0010】
一般に、軟化した導電性樹脂ペーストの粘度は、溶融半田の粘度よりも高いので、電気部品の自重だけでは、電気部品側端子が軟化した導電性樹脂ペーストに沈み込むことがない。本発明では第一の導電性樹脂ペーストを予め接続面と他の面に配置しておくことで、一体化した導電性樹脂ペーストで接続面と他の面と、基板側端子の表面とを覆われた状態になるので、電気部品を押圧しなくても、電気部品が導電性樹脂ペーストに沈み込んだ場合と同じ状態になり、電気部品側端子が基板側端子に強固に固定される。
【0011】
また、軟化した導電性樹脂ペーストは、溶融半田のように飛散することがないので、基板上の配線が導電性樹脂ペーストによって短絡することがない。従って、本発明の製造方法によれば、信頼性の高い電気部品付き基板を製造することができる。
【0012】
一般に樹脂の軟化点は鉛フリー半田の融点に比べて低く、第一、第二の導電性樹脂ペーストを加熱により軟化させる場合であっても、電気部品や基板を高温に加熱する必要がなく、電気部品や基板が熱損傷を受け難い。
【0013】
第一、第二の導電性樹脂ペーストが熱硬化性樹脂を有する場合は、第一、第二の導電性樹脂ペーストを熱硬化性樹脂以上の温度に加熱して、熱硬化性樹脂を重合させれば、第一、第二の導電性樹脂ペーストが硬化する。
【0014】
また、第一、第二の導電性樹脂ペーストが熱可塑性樹脂を有する場合は、第一、第二の導電性樹脂ペーストが加熱によって軟化し、一体化した後、熱可塑性樹脂の軟化点よりも低い温度に冷却されることで、第一、第二の導電性樹脂ペーストが硬化する。
【0015】
上述したように、本発明によれば電気部品を押圧しなくても接続を行うことが可能なので、基板に接続する電気部品の高さがそれぞれ異なる場合であっても、各電器部品の電気部品側端子を基板側端子に一度に接続することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、基板側端子の表面と、電気部品側端子の接続面だけではなく、電気部品側端子の接続面に接続された他の面が一体化した導電性樹脂ペーストで覆われた状態で、該導電性樹脂ペーストが硬化させることができるので、電気部品側端子が硬化した導電性樹脂ペーストで覆われる面積が大きく、電気部品側端子が基板側端子に強固に固定される。また、第一、第二の導電性樹脂ペーストの軟化点は、鉛フリー半田の融点よりも低いので、電気部品と基板とを加熱し、第一、第二の導電性樹脂ペーストを軟化させる場合であっても、電気部品や基板がダメージを受けることがない。従って、本発明により製造された電気部品付き基板の信頼性は高い。また、押圧によって電気部品側端子を導電性樹脂ペーストに沈み込ませる必要がないので、高さの異なる複数の電気部品を、1つの基板に一緒に接続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。
先ず、本発明に用いる導電性樹脂ペーストの製造方法について説明する。
熱硬化性樹脂であるビスフェノール型エポキシ樹脂と、熱可塑性樹脂であるフェノキシ樹脂と、有機の希釈剤であるトルエンとを混合して、バインダー液を作製し、そのバインダー液に、導電性粒子である銀紛を、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の合計重量と等量加え、第一の導電性樹脂ペーストを作製する。
【0018】
これとは別に、第一の導電性樹脂ペーストに用いたものと同じ種類の熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂と、有機の希釈剤溶媒であるトルエンとを混合してバインダー液を作製し、そのバインダー液に、導電性粒子である銀紛を、熱硬化性樹脂と等量(重量)加えて、第二の導電性樹脂ペーストを作製する。
【0019】
次に、これらの導電性樹脂ペーストを用いて電気部品付き基板を製造する工程について説明する。図1(a)の符号30は後述する電気部品が実装される基板を示しており、基板30はベース31の表面に配置された基板側端子35を有している。
【0020】
先ず、上述した第二の導電性樹脂ペーストをスクリーン印刷法により基板側端子35の表面に塗布する。第二の導電性樹脂ペーストはスクリーン印刷法により塗布するときに、端子表面から流れ出さないような粘度に調整されているので、基板側端子35の表面に塗布された第二の導電性樹脂ペーストは、流れ出すことなく基板側端子35表面に留まり、第二の導電性樹脂ペースト膜22が形成される(図1(b))。
【0021】
図2(a)の符号10は電気部品である抵抗素子を示しており、同図の符号15は金属キャップからなる電気部品側端子を示している。この抵抗素子10は角柱形状の素子本体11を有しており、各電器部品端子15は素子本体11の両端にそれぞれ装着されている。
【0022】
この抵抗素子10が上述した基板30に実装されるときに、基板側端子35に固定される電気部品側端子15の一面が接続面として予め決められている。図2(a)の符号17はその接続面を示しており、同図の符号18はその接続面17に接続された他の面を示している。
この抵抗素子10を上述した基板30に接続するには、先ず、電気部品側端子15を、片方ずつ第二の導電性樹脂ペーストに漬す。
【0023】
第一の導電性樹脂ペーストの電気部品側端子15が漬されるときの粘度は、第二の導電性樹脂が基板側端子35に塗布されるときの粘度よりも低くされているので、電気部品側端子15が第一の導電性樹脂ペーストから引き上げられると、余分な第一の導電性樹脂ペーストが電気部品側端子15から落下し、接続面17と、他の側面18を覆う第一の導電性樹脂ペーストの均一な膜が形成される。
【0024】
図2(b)の符号21は接続面17と他の側面18を覆う第一の導電性樹脂ペースト膜を示している。
必要に応じて、基板30や抵抗素子10を加熱し、第一、第二の導電性樹脂ペースト膜21、22から希釈剤を揮発させた後、各接続面17に形成された第一の導電性樹脂ペースト膜21を、対応する基板側端子35に形成された第二の導電性樹脂ペースト膜22に接触させると、電気部品側端子15が基板側端子35に載せられた状態になる。
【0025】
第一、第二の導電性樹脂ペースト膜21、22を接触させた状態でリフロー炉に搬入し、基板30と抵抗素子10とを加熱し、第一、第二の導電性樹脂ペースト膜を、各導電性樹脂ペースト膜21、22に含有される樹脂の軟化点よりも高い温度に昇温させると、第一、第二の導電性樹脂ペースト膜21、22が互いに接触した状態で軟化する。
【0026】
第一、第二の導電性樹脂ペーストは同じ種類の熱硬化性樹脂を有しており、親和性が高いので、第一、第二の導電性樹脂ペースト膜21、22が互いに接触した状態で軟化すると、第一、第二の導電性樹脂ペースト膜21、22は一体化する。
【0027】
一体化した導電性樹脂ペースト膜が更に昇温し、熱硬化性樹脂の硬化温度以上の所定温度(ここでは170℃)まで昇温すると、熱硬化性樹脂が重合して、導電性樹脂ペースト膜が硬化する。
【0028】
図3(b)の符号25は硬化した導電性樹脂ペーストを示しており、導電性樹脂ペースト25は、基板側端子35の表面と、電気部品側端子15の接続面17と、該接続面17に接続された他の面18に密着した状態で硬化しているので、電気部品側端子15は基板10から剥がれ難く、強固に固定されている。従って、上述した方法により、抵抗素子10が実装されて形成された電気部品付き基板1は、信頼性が非常に高い。
【0029】
以上は、第一、第二の導電性樹脂ペーストに熱硬化性樹脂を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明に用いられる第一の導電性樹脂ペーストの他の例としては、熱可塑性樹脂であるポリエステル樹脂と、有機の希釈剤(例えば、トルエンとメチルエチルケトンのいずれか一方又は両方)と、導電性粒子である銀粉とを混合したものがあり、また、第二の導電性樹脂ペーストの他の例としては、熱可塑性樹脂であるポリエステル樹脂と、有機の希釈剤(例えば、トルエンとメチルエチルケトンのいずれか一方又は両方)と、導電性粒子である銀粉とを混合し、希釈剤の添加量によって、粘度を10000cps(10Pa・s)に調整したものがある。
【0030】
これら第一、第二の導電性樹脂ペーストを用いて、上述した工程で電気部品側端子15と、基板側端子35に、第一、第二の導電性樹脂ペースト膜21、22をそれぞれ形成し、第一、第二の導電性樹脂ペースト膜21、22を互いに接触させて、リフロー炉に搬入する。
【0031】
基板30と抵抗素子10が加熱され、第一、第二の導電性樹脂ペースト膜21、22が熱可塑性樹脂の軟化点よりも高い温度(ここでは150℃)に昇温すると、第一、第二の導電性樹脂ペースト膜21、22が互いに接触した状態で軟化する。
【0032】
第一、第二の導電性樹脂ペーストは同じ種類の熱可塑性樹脂を有しており、第一、第二の導電性樹脂ペーストの親和性は高いので、第一、第二の導電性樹脂ペースト膜21、22が互いに接触した状態で軟化すると、第一、第二の導電性樹脂ペースト膜21、22が一体化する。
【0033】
全体をリフロー炉外部へ搬出し、基板30と抵抗素子10とを冷却させ、一体化した導電性樹脂ペースト膜が熱可塑性樹脂の軟化点よりも低い温度になると、熱可塑性樹脂が塑性を失い、一体化した導電性樹脂ペースト膜が硬化する。
【0034】
第一、第二の導電性樹脂ペーストに熱可塑性樹脂を用いた場合も、電気部品側端子15は、接続面17と、接続面17に接続された他の面18が導電性樹脂ペーストで覆われた状態で基板側端子35に固定されるので、電気部品側端子15は基板側端子35から剥がれ難く、信頼性の高い電気部品付き基板1が得られる。
【0035】
以上は、角柱状の電気部品の両端に装着された電気部品側端子に第一の導電性樹脂ペーストを付着させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は多数の電気部品側端子が配置された電気部品にも適用可能である。
【0036】
例えば、図4の符号50は本発明に用いられる電気部品である半導体素子を示しており、半導体素子50は板状の素子本体51と、該素子本体51の平行な側面から突き出された多数の電気部品側端子55とを有しており、各電器部品側端子55の素子本体51から突き出された端部はそれぞれ素子本体51の底面側に折り曲げられている。
【0037】
この半導体素子50の素子本体51に第一の導電性樹脂ペーストが付着しないように、電気部品側端子55の折り曲げられた端部だけを第一の導電性樹脂ペーストに漬すと、各電器部品側端子55の折り曲げられた端部の底面と、該底面に接続された側面に第一の導電性樹脂ペーストが付着し、第一の導電性樹脂ペースト膜が形成される。
【0038】
図5の符号61は第一の導電性樹脂ペースト膜を示しており、各電気部品側端子55の折り曲げられた端部の底面57と、該底面57に接続された側面58は第一の導電性樹脂ペースト膜61で覆われている。
【0039】
上述したように、各電器部品側端子55の素子本体51から突き出された端部は、素子本体51の底面側に折り曲げられているので、素子本体51の底面を基板側に向けた状態で、電気部品側端子55を基板側端子にそれぞれ載せると、電気部品側端子55の底面57上に配置された第一の導電性樹脂ペースト膜61が、基板側端子上の第二の導電性樹脂ペースト膜に接触する。従って、この半導体素子50では電気部品側端子55の底面57が接続面となって、基板に接続されることになる。
【0040】
以上は、第一、第二の導電性樹脂ペーストに、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを併用する場合、又は熱可塑性樹脂のみを用いる場合ついて述べたが、本発明はこれに限定されず、第一、第二の導電性樹脂ペーストに熱硬化性樹脂のみを用いたり、また、アクリル樹脂のような光重合性樹脂を用いることも可能である。
【0041】
第一、第二の導電性樹脂ペーストに光重合性樹脂を用いる場合には、第一、第二の導電性樹脂ペーストを互いに接触させた状態で、光重合性樹脂が軟化する程度まで加熱し、第一、第二の導電性樹脂ペーストを一体化させた後に、一体化した導電性樹脂ペーストに光を照射すれば、導電性樹脂ペーストが硬化する。
【0042】
第一、第二の導電性樹脂ペーストに用いる熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂に限定されず、メラミン樹脂、フェノール樹脂等種々のものを用いることができる。また、第一、第二の導電性樹脂ペーストに用いる熱可塑性樹脂もポリエステル樹脂やフェノキシ樹脂に限定されず、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂等種々のものを用いることができる。
【0043】
第一、第二の導電性樹脂ペーストにはそれぞれ同じ種類の樹脂を用いることが好ましいが、各樹脂が類似する化学構造を有し、軟化した場合の親和性が高いものであれば、第一、第二の導電性樹脂ペーストに異なる種類の樹脂をそれぞれ用いることができる。
【0044】
また、導電性樹脂ペーストには、バインダーと導電性粒子以外にも、老化防止剤、着色剤等の添加剤を添加することも可能であり、また、導電性樹脂ペーストに熱硬化性樹脂を用いる場合には、該熱硬化性樹脂を硬化させる硬化剤を添加することもできる。
【0045】
導電性粒子も銀紛に限定されるものではなく、カーボン粒子、ニッケル粒子等他の導電性粒子を用いることも可能であり、また、2種類以上の導電性粒子の混合物を用いることもできる。
基板側端子35に第二の導電性樹脂ペーストを塗布する方法はスクリーン印刷に限定されるものではなく、ディスペンサ法等他の方法も用いることができる。
【0046】
電気部品を基板に実装する前に、第一、第二の導電性樹脂ペースト膜21、22から希釈剤を揮発させる方法としては、基板や電気部品を加熱する方法以外にも、第一、第二の導電性樹脂ペースト膜21、22が形成された基板や電気部品を放置して希釈剤を揮発させる方法を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(a)、(b):第二の導電性樹脂ペーストを基板側端子上に配置する工程を説明する断面図
【図2】(a)、(b):第一の導電性樹脂ペーストを電気部品側端子上に配置する工程を説明する断面図
【図3】(a)、(b):電気部品を基板に実装する工程を説明する断面図
【図4】本発明に用いられる電気部品の他の例を説明する斜視図
【図5】電気部品側端子の拡大図
【符号の説明】
【0048】
1……電気部品付基板 10、50……電気部品 15、55……電気部品側端子 17、57……接続面 18、58……他の面 21、61……第一の導電性樹脂ペースト 22……第二の導電性樹脂ペースト 30……基板 35……基板側端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品側端子を有する電気部品の、前記電気部品側端子の一面である接続面と、前記電気部品側端子の該接続面に接続された他の面に、第一の導電性樹脂ペーストを配置し、
表面に第二の導電性樹脂ペーストが配置された基板側端子の、前記第二の導電性樹脂ペースト上に、前記接続面に配置された第一の導電性樹脂ペーストを接触させ、
前記第一、第二の導電性樹脂ペーストを硬化させ、前記電気部品側端子と、前記基板側端子とを固定する電気部品付き基板の製造方法。
【請求項2】
前記第一、第二の導電性樹脂ペーストの硬化は、前記第一、第二の導電性樹脂ペーストを加熱する請求項1記載の電気部品付き基板の製造方法。
【請求項3】
前記第一、第二の導電性樹脂ペーストに同じ種類の樹脂を含有させる請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の電気部品付き基板の製造方法。
【請求項4】
前記第一、第二の導電性樹脂ペーストに、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂のいずれか一方又は両方を含有させる請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電気部品付き基板の製造方法。
【請求項5】
前記第一の導電性樹脂ペーストと前記第二の導電性樹脂ペーストの接触は、2以上の前記電気部品側端子の前記各接続面に配置された前記第一の導電性樹脂ペーストを、前記各基板側端子の表面に配置された前記第二の導電性樹脂ペーストにそれぞれ接触させる請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の電気部品付き基板の製造方法。
【請求項6】
前記第一の導電性樹脂ペーストと前記第二の導電性樹脂ペーストの接触は、2以上の前記電気部品の前記各電気部品側端子を、前記各基板側端子の表面に配置された前記第二の導電性樹脂ペーストにそれぞれ接触させる請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の電気部品付き基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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