説明

電気錠制御システム

【課題】利用者自身による意識的な認証行為を行うことなく開閉機構部(自動ドア開閉装置など)に実装された電気錠の解錠を行うことが可能な電気錠制御システムを提供する。
【解決手段】サーバ装置30は、位置データ取得部320で受信した少なくとも緯度と経度との情報を含む位置データを記憶する端末位置データテーブルT3と、端末位置データテーブルT3に記憶された時系列的に連続した複数の位置データに基づいて、当該携帯端末60の進行方向が自動ドア開閉装置50を指向する方向であるか否かの判定を行う進行方向判定部330bとを具備し、解錠領域内/外判定部330で携帯端末60の現在位置が解錠許可領域Aの領域内であると判定され、且つ、進行方向判定部330bで当該携帯端末60の進行方向が自動ドア開閉装置50を指向する方向であると判定された場合に電気錠10に解錠動作を行わせる制御を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気錠と、その電気錠の施錠及び解錠の動作を制御する制御装置とを備えた電気錠制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードパス、キー入力、人体的特徴などにより電気錠の開閉を行うセキュリティシステム(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【0003】
具体的には、このセキュリティシステムでは、利用者(入室希望者)によってIDカードがかざされたり、テンキーなどによるID番号が入力されると、認証サーバが、ID番号抽出部で抽出されたID番号に対応した携帯機器番号を管理データベースより検索し、携帯網により当該携帯機器番号の携帯機器から現在位置情報を取得し、当該携帯機器番号の携帯機器の現在位置情報と管理データベースに格納したセキュリティ領域の位置情報とを比較して、当該携帯機器の現在位置がセキュリティ領域の位置に近い場合に入室希望者の入室を許可するものである。
【0004】
また、従来では、車載機と携帯機との間の通信により認証を行って、車両ドアの施錠、開錠をキー操作無しで行うことが可能なキーレス装置(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【0005】
具体的には、このキーレス装置では、携帯機がLF通信可能エリア(アンロックエリア:車室内または車両ドア近傍)内にある場合、携帯機と車載機との間のLF通信により認証が行われ、認証が成立した場合にドアロック制御機能部により車両ドアがアンロック(開錠)状態にされ、他方、携帯機がLF通信可能エリア外にある場合、携帯機と車載機との間のLF通信ができないことにより、ドアロック制御機能部により車両ドアがロック(施錠)状態にされるものである。
【0006】
即ち、このキーレス装置によれば、携帯機を所持する車両の使用者が車両ドアの近傍に近づくとLF通信による認証成立によって自動的に車両ドアが開錠されるので、使用者はキー操作(意識的な認証行為)をすることなく車両に乗り込む(セキュリティ領域に入る)ことができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−056227号公報(段落0002〜0029、図4)
【特許文献2】特開2008−291422号公報(段落0111、図2、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のセキュリティシステムでは、利用者自身による意識的な認証行為が必要なものとなっており、利用者にとっては、使い勝手の悪いものとなっている。特に、利用者の両手が塞がった状態では、電気錠の解錠を行うことが困難なものとなっている。
【0009】
また、特許文献2のキーレス装置では、携帯機と車載機の両者に、LF波による送受信を行うためのLF機能部をそれぞれ設ける必要があり、車両の使用者にとっては専用の携帯機を用意しなければならない。また、このキーレス装置では、1台の車両と認証を行うことができるのは1つの携帯機だけであり、複数の使用者がそれぞれ所持する携帯機で1台の車両を共有して使用できるものではない。
【0010】
更に、特許文献2では、携帯機のGPS機能部で算出した座標点(即ち、携帯機の現在位置を示す位置データ)を、車両の駐車位置を示す位置データとして使用するとともに、駐車中の車両と車外で移動中の携帯機との距離を算出するのに使用しているが、位置データを車両ドアのロック(施錠)/アンロック(開錠)のために使用するものではない。
【0011】
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、携帯端末の例えばGPSなどを使って測定した位置データを利用した態様で、利用者自身による意識的な認証行為を行うことなく開閉機構部(自動ドア開閉装置など)に実装された電気錠の解錠を行うことが可能な電気錠制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本発明は、例えばGPSなどを使って測定した少なくとも緯度と経度との情報を含む携帯端末の現在位置を定期的に取得するとともに、携帯端末の現在位置が所定の解錠許可領域の領域内であると判定された場合に、制御装置が電気錠の解錠動作を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、携帯端末の位置データを利用した態様で、利用者自身による意識的な認証行為を行うことなく開閉機構部(自動ドア開閉装置など)に実装された電気錠の解錠を行うことが可能な電気錠制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】電気錠制御システムの概略構成を示す外観構成図である。
【図2】電気錠及び電気錠制御装置の一構成例を示すブロック図である。
【図3】第1サーバ装置の一構成例を示すブロック図である。
【図4】各種テーブルの一構成例を示すテーブル図である。
【図5】表示処理部で表示される利用者情報の設定画面の一構成例を示す図である。
【図6】電気錠制御処理部、撮影記録処理部及びメール送信処理部の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図7】電気錠制御システムにおける電気錠制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図7のステップの詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【図9】解錠許可領域に対する携帯端末の位置関係の一例を示す概略図である。
【図10】撮影記録処理部で実行される撮影記録制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】メール送信処理部で実行されるメール送信制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図7に示す電気錠制御処理の変形例を示すフローチャートである。
【図13】電気錠制御システムの変形例1を示す外観構成図である。
【図14】図3に示した第1サーバ装置の変形例を示すブロック図である。
【図15】電気錠制御システムの変形例2を示す外観構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0016】
なお、本発明は、開状態においてセキュリティ領域に対する人や物の出入りを許容する開閉機構部に実装されて当該開閉機構部の施錠及び解錠を行う電気錠と、伝送手段を介して電気錠の施錠及び解錠の動作を制御する制御装置とを備えた電気錠制御システムに適用されるものであるが、以下の実施形態では、マンションのエントランス(入り口)に設置される自動ドア開閉装置(開閉機構部)に実装される電気錠と、その電気錠の施錠及び解錠を制御する電気錠制御装置とを備えた電気錠制御システムに本発明を適用した場合について説明する。
《第1実施形態》
(構成)
【0017】
図1は、本発明が適用される電気錠制御システム1の概略構成を示す外観構成図である。
【0018】
図示のように、この電気錠制御システム1は、電気錠10と、電気錠制御装置20と、電気錠制御用のサーバ装置(以下、単に「第1サーバ装置」という。)30と、ネットワーク40とを主体に構成される。そして、電気錠制御装置20と第1サーバ装置30とにより、制御装置を構成している。
【0019】
ここで、電気錠10は、開閉機構部に実装されて該開閉機構部の施錠及び解錠を電気的に行う錠であり、図1の例では、マンションのエントランスに設置された自動ドア開閉装置(開閉機構部)50に実装され、後記の電気錠制御装置20の制御に基づいて自動ドア開閉装置50の開閉扉51、52の施錠及び解錠を行うものである。
【0020】
電気錠制御装置20は、電気錠10の施錠及び解錠を制御するコントローラであり、図1の例では、自動ドア開閉装置50に実装され、伝送線L1を介して電気錠10と通信接続されるとともに、伝送線L2を介して第1サーバ装置30と通信接続されており、第1サーバ装置30からの解錠指示信号に基づいて電気錠10の解錠動作を制御するものである。
【0021】
図2は、電気錠10及び電気錠制御装置20の一構成例を示すブロック図である。
【0022】
図示のように、電気錠10は、デッドボルト式の電気錠などの周知の電気錠であり、例えば、デッドボルト11と、駆動機構部12とを主体に構成される。
【0023】
そして、この電気錠10では、利用者が利用しない施錠状態において、駆動機構部(例えば、ソレノイドなど)12により駆動されるデッドボルト11の突起部(不図示)が、開閉扉51、52の上端部に設置された面付きボックスなどに形成された係合穴(不図示)などと係合することで物理的に開閉扉51、52の施錠を行うようになっている。また、他方、この電気錠10では、利用者が利用する解錠状態において、駆動機構部12によりデッドボルト11が駆動されて前記突起部と前記係合穴との物理的な係合が解除されることで開閉扉51、52の解錠が行われるようになっている。
【0024】
尚、本発明はこのような構造の電気錠10および自動ドア開閉装置(開閉機構部)50に限定されない。本発明は、開閉機構部の施錠及び解錠を行う電気錠であれば適用可能であり、電気錠の構造(ソレノイド、デッドボルト、係合穴等を有する構造)や、開閉機構部が自動で動くか手動で動くかは問わない。本発明において、電気錠による開閉機構部の施錠の状態とは、通行が不許可の場合に開閉機構部が開かないようにすることを意味しており、自動ドアやフラッパーゲートを閉じた状態に維持することや、電気的に錠を制御できる手動扉において施錠することを含む。同様に、本発明において、電気錠による開閉機構部の開錠の状態とは、通行を許可する場合に開閉機構部が開くようにすることを意味しており、自動ドアやフラッパーゲートを開いた状態にすることや、電気的に錠を制御できる手動扉において開錠することを含む。
【0025】
また、電気錠制御装置20は、制御部21、記憶部22、駆動処理部23、第1入出力部24、第2入出力部25、電源供給部26などを備え、システムバスSB1を介して各構成要素間でデータの送受信が行われるようになっている。
【0026】
ここで、制御部21は、この電気錠制御装置20を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成され、後記の記憶部22に記憶されている制御プログラムを解釈実行することにより、電気錠10の解錠動作及び施錠動作を制御するものである。具体的には、第2入出力部25を介して後記の第1サーバ装置30から入力する解錠指示信号に基づいて駆動処理部23に対し解錠信号を第1入出力部24を介して出力するよう指示する。
【0027】
記憶部22は、制御部21で解釈実行される制御プログラムやその制御プログラムで使用される各種データなどを記憶保持するものであり、RAM、ROM、フラッシュメモリなどのメモリなどで構成される。
【0028】
駆動処理部23は、制御部21からの指示に基づいて電気錠10に対して解錠信号を出力する駆動回路などで構成される。
【0029】
第1入出力部24は、伝送線L1を介して電気錠10と通信接続されており、電気錠10と電気錠制御装置20との間でデータ入出力処理を行う入出力回路であり、例えば、駆動処理部23からの解錠信号を電気錠10に出力するなどのデータ入出力処理を行う。
【0030】
第2入出力部25は、伝送線L2を介して第1サーバ装置30と通信接続されており、第1サーバ装置30と電気錠制御装置20との間でデータ入出力処理を行う入出力回路であり、例えば、第1サーバ装置30から解錠指示信号を入力するなどのデータ入出力処理を行う。
【0031】
電源供給部26は、商業用電流を各構成要素に必要な電流に変換して供給するための電源装置である。
【0032】
なお、本実施形態の電気錠制御装置20では、利用者などがセキュリティ領域SA(即ち、マンション内部)から外部(マンション外部)に出る場合には、認証などの特別な処理(本実施形態では、携帯端末60の位置データによる電気錠10の解錠制御処理)を行うことなく電気錠10を解錠するように設定されているとともに、電気錠10を解錠して所定時間(例えば、10秒など)が経過した場合に電気錠10を施錠するように設定されている。
【0033】
図1に戻って、第1サーバ装置30は、例えば、タワー型などの据置型やノートブックなどの携帯型のパーソナルコンピュータなどで構成され、本発明に係る電気錠制御処理を実行するサーバ装置である。そして、この第1サーバ装置30は、伝送線L2を介して電気錠制御装置20と通信接続されるとともに、伝送線L3を介してネットワーク40と通信接続される。
【0034】
図3は、第1サーバ装置30の一構成例を示すブロック図である。
【0035】
図示のように、この第1サーバ装置30は、制御部31、記憶部32、表示処理部33、操作入力処理部34、音声処理部35、記憶媒体処理部36、撮影記録制御部37、データ入出力部38、電源供給部39などを備え、システムバスSB2を介して各構成要素間でデータの送受信が行われるようになっている。なお、この第1サーバ装置30は、例えば、この電気錠制御システム1を提供する、または、この電気錠制御システム1によるサービス、即ち、利用者自身による意識的な認証行為を行うことなく自動ドア開閉装置50(開閉機構部)に実装された電気錠の解錠を行うことができるサービスを提供する提供会社(例えば、本出願人など)側で用意され、例えば、マンションの管理人室などに設置される。
【0036】
ここで、制御部31は、この第1サーバ装置30を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成され、後記の記憶部32に記憶されている電気錠制御用ソフトウエアS(電気錠制御プログラムP1、映像記録制御プログラムP2及びメール送信制御プログラムP3)などの各種プログラムを解釈実行する。
【0037】
記憶部32は、制御部31で解釈実行される電気錠制御用ソフトウエアSや、その他、第1サーバ装置30で使用するソフトウエアや各種データなどを記憶保持するものであり、RAMやROMなどのメモリや、ハードディスクなどの記憶装置などから構成される。
【0038】
なお、本実施形態の電気錠制御用ソフトウエアSは、電気錠制御システム1における電気錠10の施錠及び解錠を実行するための各種制御プログラム(電気錠制御プログラムP1、撮影記録制御プログラムP2及びメール送信制御プログラムP3)と、その制御プログラムを実行する際に用いられる各種データ(利用者情報テーブルT1、領域データテーブルT2、端末位置データテーブルT3及び開閉位置データテーブルT4)などから構成される。
【0039】
図4は、利用者情報テーブルT1、領域データテーブルT2、端末位置データテーブルT3及び開閉位置データテーブルT4の一構成例を示すテーブル図である。
【0040】
図4(a)に示すように、利用者情報テーブルT1は、利用者(図1の例では、自動ドア開閉装置50が設置されたマンションの住人)に関する各種情報を記憶するテーブルであり、例えば、番号情報T11、利用者氏名T12、通知先のメールアドレスT13などの各項目を有している。即ち、この利用者情報テーブルT1に記憶される情報(特に、番号情報)により認証を行うものである。
【0041】
ここで、番号情報T11は、利用者のGPS機能を有する携帯端末(例えば携帯電話機やPHSや携帯型通信端末)60の一意に付された番号を示す情報であり、例えば、図1に示す自動ドア開閉装置50が設置されるマンションの住民の所持する携帯電話機の携帯番号などである。また、利用者氏名T12は、利用者の氏名を示す情報であり、例えば、住民の氏名などである。また、通知先のメールアドレスT13は、後記のメール送信制御においてメール送信する送信先のメールアドレスを示す情報であり、例えば、番号情報T11に記憶されている番号情報の携帯電話機を所持する子供の親のメールアドレスなどである。
【0042】
図4(b)に示すように、領域データテーブルT2は、各種領域の位置データを記憶するテーブルであり、例えば、解錠許可領域データT21、記録領域データT22、メール送信領域データT23などの各項目を有している。
【0043】
ここで、解錠許可領域データT21は、後記の解錠許可領域Aの位置を示す位置データ(緯度、経度、高度)である。また、記録領域データT22は、後記の記録領域Bの位置を示す位置データ(緯度、経度、高度)である。また、メール送信領域データT23は、後記のメール送信領域Cの位置を示す位置データ(緯度、経度、高度)である。
【0044】
尚、図4(b)に示した領域データテーブルT2は、電気錠10を有する1つの自動ドア開閉装置50に対して緯度と経度がそれぞれ2点ずつの位置データを有する矩形状の領域の場合の例を示しているが、これに限定されず、1つの緯度と1つの経度で示される中心位置と、その中心位置からの距離のデータを有する構成としてもよい。
また、電気錠10を有する自動ドア開閉装置50が複数ある場合には、それぞれの自動ドア開閉装置50毎に位置データを用意すればよい。
【0045】
図4(c)に示すように、端末位置データテーブルT3は、利用者の携帯番号毎に各携帯端末60の位置データ(緯度、経度、高度)を時系列的に複数記憶するテーブルであり、例えば、番号情報T31、前回(過去)位置データT32、今回(現在)位置データT33などの各項目を有している。
【0046】
ここで、番号情報T31は、利用者情報テーブルT1における番号情報T11に対応するデータであり、利用者の携帯番号などを示す情報である。また、前回位置データT32は、前回受信して記憶された携帯端末60の過去の位置データ(緯度、経度、高度)を示す情報である。また、今回位置データT33は、今回受信して記憶された携帯端末60の現在(最新)の位置データ(緯度、経度、高度)を示す情報である。尚、前回位置データT32だけでなく、2つ以上過去の位置データも保存するようにしてもよい。
【0047】
図4(d)に示すように、開閉位置データテーブルT4は、自動ドア開閉装置(開閉機構部)50の位置を示す位置データを記憶するテーブルであり、本実施形態では、開閉扉(開閉部)51、52の位置を示す位置データ(緯度、経度、高度)を記憶しているが、これ以外にも、開閉扉(開閉部)51、52の周辺又は近辺の位置を示す位置データを記憶するようにしても良い。
また、自動ドア開閉装置(開閉機構部)50が複数ある場合には、それぞれの自動ドア開閉装置50毎に位置データを用意すればよい。
【0048】
図3に戻って、表示処理部33は、各種画面を表示するものであり、本実施形態では、番号情報、利用者氏名、通知先メールアドレスなどの利用者情報を設定するための利用者情報の設定画面(後記)を表示するものであり、例えば、液晶ディスプレイ、CRT、有機ELDなどの表示装置と、その表示装置における表示を制御する表示制御回路などから構成される。
【0049】
図5は、表示処理部33で表示される利用者情報の設定画面331の一構成例を示す図である。
【0050】
図示のように、この利用者情報の設定画面331は、提供会社の操作者などにより、この電気錠制御システム1を利用する利用者の情報(利用者情報テーブルT1に対応する情報)を設定するための設定画面であり、この場合、この電気錠制御システム1におけるサービスを受ける利用者、即ち、電気錠10の解錠が許可される利用者に関連付けられた携帯端末(携帯電話機など)60の番号情報(携帯番号など)を入力する入力欄331aと、当該利用者の氏名を入力する入力欄331bと、当該利用者に関連付けられた第三者のメールアドレスを入力する入力欄331cと、それら各入力欄331a〜331cで入力した設定値を確定するための確定ボタン331dとを備えている。
【0051】
なお、本実施形態の利用者情報の設定画面331は、例えば、提供会社の操作者により、利用者情報を設定するためのソフトウエアが立ち上げられた場合に表示される態様となっている。そして、操作者がキーボードなどを用いて、電話、メール、郵送などで利用者から取得した利用者情報(番号情報、利用者氏名、通知先メールアドレスなど)を入力する。
【0052】
図3に戻って、操作入力処理部34は、表示処理部33で表示装置に表示された設定画面(例えば、図5の利用者情報の設定画面331など)に係る各種設定値などの入力を受け付けるためのものであり、例えば、キーボードやマウスなどの入力装置と、その入力装置からの入力を処理する入力処理回路などから構成される。
【0053】
音声処理部35は、第1サーバ装置30が設置される場所にいるシステム管理者などにシステムの故障や異常を知らせるための警報音や音声を出力処理するものであり、例えば、スピーカと、そのスピーカから発声する音声の出力制御を行う音声処理回路などから構成される。
【0054】
記憶媒体処理部36は、記憶部32に記憶されるデータであり、電気錠制御用ソフトウエアSなどが記憶されたCDやDVDなどの記憶媒体を読み書きするためのものであり、例えば、CDドライブやDVDドライブなどから構成される。
【0055】
撮影記録制御部37は、撮影記録装置80の撮影及び撮影画像の記録を制御する回路などで構成される。
【0056】
データ入出力部38は、伝送線L2を介して電気錠制御装置20との間でデータの送受信を行うとともに、伝送線L3を介してネットワーク40(特に、後記の位置情報提供サービス側のサーバ装置41など)との間でデータの送受信を行う機能を有する。
【0057】
電源供給部39は、商業用電流を各構成要素に必要な電流に変換して供給するための電源装置である。
【0058】
図6は、第1サーバ装置30の制御部31が、本発明のプログラムが適用された電気錠制御用ソフトウエアSを記憶部32のRAM上において展開、実行することにより実現される電気錠制御処理部300、撮影記録処理部400及びメール送信処理部500の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0059】
図示のように、電気錠制御処理部300は、利用者情報処理部310、位置データ取得部320、解錠可否判定部330、解錠指示部340、利用者情報テーブルT1、領域データテーブルT2、端末位置データテーブルT3、開閉位置データテーブルT4などを有する。
【0060】
ここで、利用者情報処理部310は、利用者情報の設定画面331で設定された利用者情報(番号情報、利用者氏名及び通知先メールアドレス)を利用者情報テーブルT1に記憶する処理を実行する。
【0061】
位置データ取得部320は、データ入出力部38を介してネットワーク40、特に、位置情報提供サービス側のサーバ装置(以下、単に「第2サーバ装置」という。)41に利用者情報テーブルT1に登録されている番号情報に基づいて、利用者に関連付けられた全ての携帯端末60の位置データの送信要求を送信し、ネットワーク40、ここでは、第2サーバ装置41を介してGPSを使って測定した各携帯端末60の位置データを受信して端末位置データテーブルT3に記憶する処理を実行する。
【0062】
そして、この位置データの取得を定期的に行うことによって、利用者による意識的な認証行為を行うことなく、近づくだけで自動的に認証することが可能となる。尚、ここでいう「定期的」とは、所定のタイミングで自動的に繰り返すことを意味しており、繰り返しの間隔は必ずしも同じである必要はなく、多少間隔にずれが生じた場合でも「定期的」に含まれるものとする。繰り返しの間隔としては、例えば1〜10秒ごとに取得を行えばよいが、これに限定されるものではない。
【0063】
解錠可否判定部330は、例えば、解錠領域内/外判定部330a及び進行方向判定部330bを有しており、電気錠10の解錠の可否を判定する。
【0064】
より具体的には、解錠可否判定部330では、解錠領域内/外判定部330aが、端末位置データテーブルT3に記憶された最新の位置データ(即ち、今回位置データT33に記憶されている位置データ)と、後記の領域データテーブルT2に記憶されている解錠許可領域データ(解錠許可領域Aの位置データ)T21とを比較して当該携帯端末60の位置が解錠許可領域Aの領域内であるか否か(領域内に存在するかしないか)の判定を行う。
【0065】
また、進行方向判定部330bが、解錠領域内/外判定部330aの判定により当該携帯端末60の位置が解錠許可領域Aの領域内であると判定された場合に、端末位置データテーブルT3に記憶されている当該携帯端末60の前回位置データT32及び今回位置データT33と、開閉位置データテーブルT4に記憶されている開閉扉51、52の位置データとに基づいて、当該携帯端末60の進行方向、即ち、前回(過去)位置から今回(現在)位置に向かう方向が開閉扉51、52を指向する進行方向であるか否か、即ち、開閉扉51、52を通過しようとして開閉扉51、52に近づいているか否かを判定する。尚、より正確に判定するために、2つ以上前の位置データも利用して判定を行うようにしてもよい。
【0066】
そして、解錠可否判定部330は、解錠領域内/外判定部330a及び進行方向判定部330bの両判定の結果、当該携帯端末60の位置が解錠許可領域Aの領域内であり、且つ、当該携帯端末60の進行方向が開閉扉51、52を指向する進行方向であると判定された場合にのみ電気錠10の解錠を許可すると判定し、他方、前記以外、即ち、当該携帯端末60の位置が解錠許可領域Aの領域外である場合や、当該携帯端末60の位置が解錠許可領域Aの領域内であり、且つ、当該携帯端末60の進行方向が開閉扉51、52を指向する方向でない場合には、電気錠10の解錠を禁止する(電気錠10の解錠を行わない)と判定する。そして、解錠可否判定部330は、解錠を許可すると判定した場合に、後記の解錠指示部340に許可通知を行う。
【0067】
尚、開錠可否判定部330において、進行方向判定部330bの判定結果を用いるかどうかは必須ではなく、用いない場合は、進行方向判定部330bや、前回位置データT32はなくてもよい。
【0068】
解錠指示部340は、解錠可否判定部330の許可通知を受けると、データ入出力部38を介して電気錠制御装置20に解錠指示信号を送信する処理を実行する。
【0069】
また、撮影記録処理部400は、記録領域内/外判定部410及び記録開始/停止指示部420を有する。
【0070】
ここで、記録領域内/外判定部410は、位置データ取得部320で受信した位置データと、領域データテーブルT2に記憶されている記録領域データ(記録領域Bの位置データ)とを比較して当該携帯端末60が記録領域B内であるか否かの判定を行う。
【0071】
記録開始/停止指示部420は、記録領域内/外判定部410により携帯端末60の位置が記録領域Bの領域内であると判定された場合に、撮影制御記録部37を介して撮影記録装置80に撮影記録開始の指示を送信する処理を実行し、他方、携帯端末60の位置が記録領域Bの領域外であると判定された場合に、撮影記録装置80に撮影記録停止の指示を送信する処理を実行する。
【0072】
また、メール送信処理部500は、メール送信判定部510及びメール送信部520を有する。
【0073】
ここで、メール送信判定部510は、端末位置データテーブルT3の今回位置データT33に記憶されている位置データと、領域データテーブルT2に記憶されているメール送信領域データ(メール送信領域Cの位置データ)T23とを比較して当該携帯端末60がメール送信領域Cの外周を通過したか(跨いだか)否かの判定を行う。
【0074】
メール送信部520は、メール送信判定部510により携帯端末60がメール送信領域Cの外周を通過したと判定された場合に、利用者情報テーブルT1に記憶されている所定の通知先メールアドレス宛てにメール送信を行う処理を実行する。
【0075】
即ち、第1サーバ装置30は、この電気錠制御システム1におけるサービスを受けようとする利用者に関連付けられた携帯端末60の位置データの送信要求を後記の第2サーバ装置41に送信し、該第2サーバ装置41から携帯端末60の位置データを受信する機能を有する。
【0076】
図1に戻って、ネットワーク40は、第1サーバ装置30と携帯端末60との間の通信経路であり、本実施形態では、携帯通信事業者(電気通信事業者)が提供するインターネット回線や電話網や無線通信網などのうち少なくとも1つを含むネットワークのことであり、例えば、第2サーバ装置41及び無線基地局42などを備えている。
【0077】
ここで、第2サーバ装置41は、第1サーバ装置30からの位置データ送信要求を受信して、当該第1サーバ装置30から指定された対象の携帯端末60に対して位置データの送信要求を送信し、その送信要求に応答した携帯端末60からGPSを使って測定した位置データを受信して当該第1サーバ装置30に送信する機能を有する。
【0078】
無線基地局42は、無線を介して第2サーバ装置41と携帯端末60を通信接続するための基地局である。
【0079】
図1の例では、ネットワーク40を構成する構成要素として、第2サーバ装置41及び無線基地局42と、それらを通信接続する専用線L4しか図示していないが、実際には、前記以外にも複数の無線基地局や交換機などの各種中継装置が配置される態様となっている。なお、各携帯キャリア会社は、GPS携帯電話機の位置情報提供サービスを提供しているので、ネットワーク(第2サーバ装置41や無線基地局42など)40として携帯キャリア会社側で設置したものを利用することができる。
【0080】
携帯端末60は、この電気錠制御システム1におけるサービスを利用する利用者に関連付けられた携帯通信端末であり、本実施形態における位置データを取得するための測位部(電波受信部や測位演算部など)を備えている。特に、本実施形態では、衛星測位システムの1つである全地球測位システム(GPS:global positioning system)に対応したGPS携帯電話機、GPS機能付PHS、GPS機能付携帯型通信端末などである。
【0081】
そして、この携帯端末60では、第2サーバ装置41からの位置データの送信要求に応じて、前記測位部が、複数の人工衛星70から電波を受信してそれぞれの人工衛星70と自己の距離を割り出すことにより、自己の現在位置を示す位置データ(緯度、経度、高度など)を測定(算出)し、該測定(算出)した位置データを第2サーバ装置41に送信する。
【0082】
なお、携帯端末60は、3つの人工衛星70から電波を受信できる場合には、緯度及び経度を測定(算出)することが可能であり、4つの人工衛星70から電波を受信できる場合には、緯度及び経度に加えて高度を測定(算出)することが可能である。
【0083】
人工衛星70は、高精度の原子時計を搭載しており、該原子時計による時間情報と、全衛星の概略の軌道情報(アルマナックデータ)と、衛星自身の詳細な軌道情報(エフェメリスデータ)とを含むデータを1.2/1.5GHz帯の電波で地上に送信する人工衛星であり、本実施形態では、GPS衛星である。なお、図1では、3つの人工衛星70しか図示していないが、実際には、それ以上の人工衛星70(例えば、高度約2万kmの6つの軌道面にそれぞれ4つ以上、計24個以上など)が配置されている。
【0084】
撮影記録装置80は、所定の記録領域Bを撮影して撮影画像を記録するデジタルビデオカメラなどの撮影装置であり、本実施形態では、記録領域Bの領域内に利用者の携帯端末60が入った場合に当該携帯端末60を含む記録領域Bを撮影して撮影画像を記録する監視カメラの役目をはたすものである。なお、撮影記録装置80の撮影範囲は、記録領域Bと一致させても良いし、一致させなくても良い。また、撮影記録装置80をセキュリティ領域SAの領域内に配置して自動ドア開閉装置50を通過した人を撮影するように構成しても良い。
【0085】
セキュリティ領域SAは、電気錠10の解錠を許可された利用者が利用できる所定の広さ(面積)を有する領域であり、図1の例では、自動ドア開閉装置50の内側、即ち、マンション内のことである。
【0086】
解錠許可領域Aは、電気錠10の解錠を許可するか否かを判定するために設定された所定の広さ(面積)を有する領域のことであり、電気錠10が実装された自動ドア開閉装置50に隣接する所定の領域または自動ドア開閉装置50を含む所定の面積を有する領域である。なお、この解錠許可領域Aとしては、利用者以外の第三者(不正利用者など)の不正侵入を防ぐことを考慮して自動ドア開閉装置50の位置から半径数メートル程度の広さを有する領域であることが好ましい。
【0087】
記録領域Bは、この電気錠制御システム1を利用する利用者の携帯端末60が当該領域内に入ってきた場合にその携帯端末60を所持する者(利用者または不正利用者)を撮影するために設定された所定の広さ(面積)を有する領域である。なお、図1の例では、解錠許可領域Aより面積の大きい領域となっているが、これ以外にも、解錠許可領域Aと同じ面積を有する領域、または、解錠許可領域Aより小さい面積を有する領域などのように任意に設定することができる。
【0088】
メール送信領域Cは、この電気錠制御システム1を利用する利用者の携帯端末60が当該領域の外周を通過した場合(領域外から領域内に入る場合や領域内から領域外に出る場合)に当該携帯端末60に関連付けて予め設定されているメールアドレス宛てにメール送信を行うために設定された所定の広さ(面積)を有する領域である。なお、図1の例では、記録領域Bより面積の大きい領域となっているが、これ以外にも、記録領域Bと同じ面積を有する領域、または、記録領域Bより小さい面積を有する領域などのように任意に設定することができる。
【0089】
(処理動作)
(電気錠の解錠制御処理)
図7は、電気錠制御システム1における電気錠制御処理の手順を示すフローチャートであり、特に、第1サーバ装置30と携帯端末60の処理手順を示している。なお、この電気錠制御処理における電気錠の解錠制御は、第1サーバ装置30において所定時間(例えば、10秒など)の経過毎(定期的)に位置データ送信要求が行われることで開始されるものであり、利用者情報テーブルT1に設定されている携帯電話機全て(マンションの住人全てなど)に対して行われるものである。
【0090】
(第1サーバ装置30の処理)
図示のように、第1サーバ装置30では、電気錠制御処理部300が、ステップS301において、所定時間(例えば、10秒)が経過したか否かの判定を行い、この判定の結果、所定時間が経過したと判定した場合(ステップS301:YES)、続いて、ステップS302において、位置データ取得部320が動作して、データ入出力部38を介して、第2サーバ装置41に対し利用者情報テーブルT1に設定されている全ての携帯端末60の位置データ(即ち、今回位置データT33に記憶する位置データ)の送信要求(リクエストデータ)を送信し、続いて、ステップS303において、位置データ取得部320が位置データの待ち受け処理を行う。なお、送信要求には、第1サーバ装置30の識別情報(アドレスなど)が付与されている。
【0091】
その後、位置データ取得部320がデータ入出力部38を介して第2サーバ装置41から位置データを受信すると(ステップS304:YES)、続いて、ステップS305において、位置データ取得部320が受信した位置データの記憶処理を行う。より具体的には、位置データ取得部320は、携帯端末60毎に、今回位置データT33に記憶されている位置データを前回位置データT32に移行させて更新記憶させるとともに、受信した位置データを今回位置データT33に更新記憶させる。
【0092】
続いて、ステップS306において、解錠可否判定部330が動作して、解錠可否の判定処理を行う。
【0093】
図8は、ステップS306の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【0094】
図示のように、ステップS306の解錠可否判定処理では、まず、ステップS306aにおいて、解錠領域内/外判定部330aが動作して、端末位置データテーブルT3の今回(現在)の位置データT33に記憶されている位置データ(最新の位置データ)と、領域データテーブルT2に記憶されている解錠許可領域データとを比較して、当該携帯端末60の位置が解錠許可領域Aの領域内であるか否かの判定を行う。
【0095】
この判定の結果、当該携帯端末60の位置が解錠許可領域Aの領域内であると判定された場合(ステップS306a:YES)に、続いて、ステップS306bにおいて、進行方向判定部330bが動作して、端末位置データテーブルT3に記憶されている前回位置データT32及び今回位置データT33と、開閉位置データテーブルT4に記憶されている開閉扉51、52の位置データとに基づいて、携帯端末60の進行方向が開閉扉51、52を指向する方向であるか否かの判定を行う。
【0096】
この判定の結果、携帯端末60の進行方向が開閉扉51、52を指向する方向であると判定された場合(ステップS306b:YES)、解錠可否判定部330が解錠指示部340に解錠許可通知を行い、処理をステップS307に移行させる。
【0097】
一方、ステップS306aの判定により、携帯端末60の位置が解錠許可領域Aの領域外であると判定された場合(ステップS306a:NO)、または、ステップS306bの判定により、携帯端末60の進行方向が開閉扉51、52を指向する方向でないと判定された場合(ステップS306b:NO)には、処理をステップS301に復帰させる。
【0098】
図7に戻って、ステップS307において、解錠指示部340が解錠可否判定部330からの解錠許可通知に基づいて、データ入出力部38を介して電気錠制御装置20に解錠指示信号を送信し、その後、処理をステップS301に復帰させる。
【0099】
なお、ステップS307の処理で送信された解錠指示信号が電気錠制御装置20で受信されると、電気錠制御装置20が駆動処理部23からの解錠信号を伝送線L1を介して電気錠10に送信する。これにより、電気錠10が駆動機構部12によりデッドボルト11を駆動して開閉扉51、52を解錠する。
【0100】
また、ステップS303の待ち受け処理においては、一定時間経過しても位置データを受信(応答)しなかった場合には、タイムアウトとして処理をステップS301に復帰させる。
【0101】
(携帯端末60の処理)
なお、ステップS302の処理により、第2サーバ装置41に位置データの送信要求(リクエストデータ)の送信が行われた場合、第2サーバ装置41が対象の携帯端末60毎に位置データの送信要求(リクエストデータ)を送信する。これにより、各携帯端末(A)〜(N)60が、位置データの送信要求の待ち受け状態(ステップS601)において、位置データの送信要求を受信すると(ステップS602:YES)、ステップS603において、複数の人工衛星70から電波を受信して自己の現在位置を示す位置データを測定し、続いて、ステップS604において、測定した位置データをネットワーク40(第2サーバ装置41)に送信し、その後、処理をステップS601に復帰させる。なお、送信要求には、第2サーバ装置41の識別情報(アドレスなど)が付与されている。
【0102】
図9は、携帯端末60の一配置例を示す概略図であり、この場合、自動ドア開閉装置50及び解錠許可領域Aを俯瞰した様子を示している。
【0103】
なお、図9(a)が、利用者とともに携帯端末60が解錠許可領域Aの領域内に居り、携帯端末60がP1の位置からP2の位置に移動した様子を示し、図9(b)が、携帯端末60が解錠許可領域Aの領域外のP3の位置に居る様子を示し、図9(c)が、利用者とともに携帯端末60が解錠許可領域Aの領域内に居り、携帯端末60がP4の位置からP5の位置に移動した様子を示している。
【0104】
ここで、図9の(a)〜(c)の各位置において利用者により所持される携帯端末60を例として、図8の処理について説明する。
【0105】
図9(a)に示すP2に位置する携帯端末60では、ステップS306aにおいて、携帯端末60が解錠許可領域Aの領域内であると判定され(ステップS306a:YES)、続いて、ステップS306bにおいて、携帯端末60が前回のP1の位置から今回のP2の位置まで移動した場合であり、その進行方向が開閉扉51、52を指向する方向であると判定されるので(ステップS306b:YES)、解錠可否判定部330が解錠許可通知を解錠指示部340に出力することになり、続いて、ステップS307において、解錠指示部340がデータ入出力部38を介して解錠指示信号を電気錠制御装置20に送信させる処理を実行する。
【0106】
すると、解錠指示信号が伝送線L2を介して電気錠制御装置20に送信され、電気錠制御装置20が電気錠10に解錠信号を出力することで電気錠10が解錠動作を実行する。即ち、電気錠10では、駆動機構部12がデッドボルト11を駆動してデッドボルト11の突起部を引っ込めて、開閉扉51、52側に形成された係合穴との係合を解除する。これにより、開閉扉51、52の施錠が解除されて当該開閉扉51、52が開く状態(通行可能状態)になり、利用者などがセキュリティ領域SAに入ることが可能となる。
【0107】
また、図9(b)に示すP3に位置する携帯端末60では、ステップS306aにおいて、携帯端末60が解錠許可領域Aの領域外であると判定される(ステップS306a:NO)ので、処理をステップS301に復帰させる。
【0108】
すると、第1サーバ装置30から電気錠制御装置20に解錠指示信号が送信されないので、この場合には、電気錠10が施錠状態を維持したまま、即ち、開閉扉51、52が施錠されたままで当該開閉扉51、52が開かない状態(通行不可能状態)であり、利用者などがセキュリティ領域SAに入ることができない。
【0109】
更に、図9(c)に示すP5に位置する携帯端末60では、ステップS306aにおいて、携帯端末60が解錠許可領域Aの領域内であると判定され(ステップS306a:YES)、続いて、ステップS306bにおいて、携帯端末60が前回のP4の位置から今回のP5の位置まで移動した場合であり、その進行方向が開閉扉51、52を指向する方向でないと判定されるので(ステップS306b:NO)、処理をステップS301に復帰させる。
【0110】
これにより、図9(b)の場合と同様に、開閉扉51、52が施錠されたままで当該開閉扉51、52が開かない状態(通行不可能状態)であり、利用者などがセキュリティ領域SAに入ることができない。
【0111】
このように、第1実施形態では、携帯端末60の位置が解錠許可領域Aの領域内にある場合でも、セキュリティ領域SAから外部に出て開閉扉51、52から遠ざかる方向に携帯端末60が移動した場合などで携帯端末60の進行方向が開閉扉51、52を指向しない方向の場合には、電気錠10の解錠が行われないようになっている。
【0112】
即ち、第1実施形態によれば、セキュリティ領域SAに対する出入りが許可された利用者の利用者自身による意識的な認証行為(従来のIDカードをかざす行為やID番号のキー入力行為など)を行うことなく開閉機構部(自動ドア開閉装置50など)に実装された電気錠の解錠を行うことが可能となり、利用者の使い勝手を向上させることが可能となる。
【0113】
具体的には、利用者は、荷物などで両手が塞がっている状態でも携帯端末60を持って解錠許可領域Aの領域内に入り自動ドア開閉装置50の開閉扉51、52に向かって歩くだけで電気錠10の解錠動作が行われるので、利用者は、そのまま進んで自動的に開放された開閉扉51、52を通過してセキュリティ領域SA(マンション内)に入ることができる。
【0114】
また、第1実施形態では、携帯端末60の位置が解錠許可領域Aの領域内にあっても、当該携帯端末60の進行方向が開閉扉51、52を指向しない方向である場合には、電気錠10の解錠を行わないように構成しているため、利用者がセキュリティ領域SAから外部に出た場合に、所定時間が経過して電気錠10が一時施錠された後、利用者が解錠許可領域Aの領域内に居る限り電気錠10が解錠されたままとなってしまうなどの不都合を未然に防ぐことが可能となる。これにより、従来のセキュリティシステム(ICカードのカードデータの読み取りや、ID番号入力や、人体的特徴の認識処理などによる認証を行うセキュリティシステム)と同様に、セキュリティ領域SAのセキュリティを保持することができる。即ち、電気錠10の無駄な解錠を行うのを未然に防止できるとともに、正規の利用者が開閉扉51、52の方向を向いていない場合に第三者(セキュリティ領域SAへの出入りを許可されていない者)が不正に侵入してしまうなどの不都合を未然に防ぐことができる。
【0115】
(撮影記録制御処理)
図10は、第1サーバ装置30の撮影記録処理部400で実行される撮影記録制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、この撮影記録制御処理は、前記した電気錠制御処理と並列的に行われるものであり、前記した電気錠制御処理において、利用者の携帯端末60の位置データを受信する毎に実行されるものであり、利用者情報テーブルT1に設定されている携帯端末60全てに対して行われるものである。
【0116】
図示のように、ステップS311において、位置データ取得部320で携帯端末60の位置データが受信されたと判定されると(ステップS311:YES)、続いて、ステップS312において、撮影記録処理部400の記録領域内/外判定部410が動作して、携帯端末60の位置が所定の記録領域Bの領域内にあるか否かの判定が行われる。
【0117】
そして、この判定の結果、当該携帯端末60の位置が記録領域Bの領域内にあると判定された場合(ステップS312:YES)、記録領域内/外判定部410が記録開始/停止指示部420に記録開始の許可通知を行う。すると、ステップS313において、記録開始/停止指示部420が動作して、撮影記録制御部37に撮影記録装置80の撮影記録開始の指示を行う。これにより、撮影記録装置80が記録領域Bの撮影画像の記録を行う。なお、撮影記録装置80で記録された撮影画像のデータは、撮影記録装置80の記憶部、または、第1サーバ装置30の記憶部32に記憶される。
【0118】
一方、ステップS312の判定の結果、当該携帯端末60の位置が記録領域Bの領域外にあると判定された場合(ステップS312:NO)、記録領域内/外判定部410が記録開始/停止指示部420に記録停止の通知を行う。すると、ステップS314において、記録開始/停止指示部420が動作して、撮影記録制御部37に撮影記録装置80の撮影記録停止の指示を行う。これにより、撮影記録装置80が撮影記録を停止する。
【0119】
なお、ステップS313及びステップS314の処理が終了した後、処理をステップS311に復帰させる。
【0120】
即ち、第1実施形態によれば、電気錠の解錠を許可された利用者の携帯端末60が所定の記録領域Bに入った場合に所定の記録領域Bを撮影して記録するように構成したため、例えば、正規の利用者の携帯端末60を取得して正規の利用者に成り済ましてセキュリティ領域SAに出入りした不正利用者の撮影画像などを記録することができ、不正利用者を捕まえるのに役に立つなどの利点がある。また、携帯端末60が記録領域Bの領域内に入った場合にのみ撮影する形態としているため、常時撮影し続けるような形態に比べて記憶する撮影画像データの容量を少なく抑えることができるので、撮影記録装置80の記憶部や第1サーバ装置30の記憶部32の記憶領域を有効に利用することが可能である。
【0121】
また、第1実施形態では、携帯端末60の位置が記録領域Bの領域外にあると判定された場合に、撮影記録装置80の撮影記録を停止する形態について説明したが、これ以外にも、撮影記録を開始してから所定時間経過した場合に撮影記録を停止するような形態や、撮影記録が開始されて自動ドア開閉装置50の開閉扉51、52が開いて閉じた場合に撮影記録を停止するような形態など種々の停止形態を適用することが可能である。
【0122】
(メール送信制御処理)
図11は、メール送信処理部500で実行されるメール送信制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、このメール送信制御処理は、前記した電気錠制御処理と並列的に行われるものであり、前記した電気錠制御処理において、利用者の携帯端末60の位置データを受信する毎に実行されるものであり、利用者情報テーブルT1に設定されている携帯端末60全てに対して行われるものである。
【0123】
図示のように、ステップS315において、位置データ取得部320で携帯端末60の位置データが受信されたと判定されると(ステップS315:YES)、続いて、ステップS316において、メール送信処理部500のメール送信判定部510が動作して、携帯端末60の位置が所定のメール送信領域Cの外周を通過したか否かの判定が行われる。
【0124】
そして、この判定の結果、当該携帯端末60の位置がメール送信領域Cの外周を通過したと判定された場合(ステップS316:YES)、メール送信判定部510がメール送信部520に送信実行通知を行う。続いて、ステップS317において、メール送信部520が利用者情報テーブルT1に記憶されている当該携帯端末60に関連付けられた通知先のメールアドレス(T13)宛てにメールを送信する処理を実行する。
【0125】
なお、メールの内容としては、例えば、子供の親に対するメールの内容として、「お子さんが帰宅されました。」や「お子さんが外出されました。」などである。
【0126】
一方、ステップS316の判定の結果、当該携帯端末60の位置がメール送信領域Cの外周を通過していないと判定された場合(ステップS316:NO)、メール送信判定部510からメール送信部520に送信実行通知が行われずに処理をステップS315に復帰させる。
【0127】
即ち、第1実施形態によれば、電気錠の解錠を許可された利用者の携帯端末(携帯電話機)60がメール送信領域Cの外周を通過した場合に所定のメールアドレス宛てにメールを送信するようにしたため、子供や老人が帰宅した場合や外出した場合を家族(子供の親など)に通知するサービスや、従業員が帰社した場合や外出した場合を監視者に通知するサービスなどを提供することが可能となる。
【0128】
なお、前記した第1実施形態では、第1サーバ装置30が、既存の各携帯通信事業者が提供する携帯電話機の位置情報提供サービスを利用するための第2サーバ装置41を介して携帯端末(携帯電話機など)60の位置データを取得する形態について説明したが、これ以外であっても良く、例えば、第1サーバ装置30が利用者情報に基づいて直接対象の携帯端末60毎に位置データの送信要求を行うことで各対象のGPS端末60から位置データを取得するような形態としても良い。
【0129】
《第2実施形態》
前記した第1実施形態では、第1サーバ装置30が定期的に位置データ送信要求を送信することで、第1サーバ装置30が携帯端末(携帯電話機)60の位置データを受信する形態について説明したが、以下の第2実施形態では、携帯端末(携帯電話機)60が定期的に測定した位置データをネットワーク40を介して第1サーバ装置30に送信することにより第1サーバ装置30が携帯端末60の位置データを受信するようにした形態について説明する。
【0130】
なお、第2実施形態を実現するための構成要素としては、第1実施形態で示したものと同様の構成要素を備えることで対応することが可能であるが、制御処理手順が少し異なる。
【0131】
図12は、第2実施形態の電気錠制御システムにおける電気錠制御処理の手順を示すフローチャートであり、特に、第1サーバ装置30と携帯端末60の処理手順を示している。なお、この電気錠制御処理における電気錠10の解錠制御は、携帯端末60において所定時間(例えば、10秒など)の経過毎(定期的)に位置データの測定が行われることで開始されるものであり、利用者情報テーブルT1に設定されている携帯端末60全て(マンションの住人全てなど)において実行されるものである。
【0132】
図示のように、第2実施形態の第1サーバ装置30では、電気錠制御処理部300が、図7のステップS301及びステップS302を省略した図12のステップS321〜ステップS325の処理手順を実行する。なお、図12のステップS321〜ステップS325の処理は、図7のステップS303〜ステップS307の処理とそれぞれ同様の処理を実行するため、ここでの説明は省略する。
【0133】
また、第2実施形態の各携帯端末(A)〜(N)60では、ステップS611において、当該携帯端末60にインストールされた所定のソフトウエア(位置データを測定して送信するための処理プログラム)などで実現される位置データ処理部61が動作して、所定時間(例えば、10秒)が経過したか否かの判定を行い、この判定の結果、所定時間が経過したと判定した場合(ステップS611:YES)に、続いて、ステップ612において、複数の人工衛星70から電波を受信して自己の現在位置を示す位置データを測定し、続いて、ステップS613において、測定した位置データをネットワーク40(第2サーバ装置41)に送信し、その後、処理をステップS611に復帰させる。
【0134】
なお、第2実施形態では、第2サーバ装置41が第1サーバ装置30の識別情報と当該第1サーバ装置30で管理されている利用者情報に含まれる番号情報とを関連付けて所定の記憶手段に記憶しており、その記憶手段の情報に基づいて携帯端末60から受信した位置データを該当する第1サーバ装置30に送信する。
【0135】
即ち、第2実施形態によれば、携帯端末60の電源がOFF状態になっている場合などの無駄な解錠制御処理を省け、第1サーバ装置30の処理負荷を軽減することが可能である。
【0136】
なお、前記した第2実施形態では、第1サーバ装置30が、既存の各携帯通信事業者が提供する携帯電話機の位置情報提供サービスを利用するための第2サーバ装置41を介して携帯端末(携帯電話機など)60の位置データを取得する形態について説明したが、これ以外であっても良く、例えば、第2サーバ装置41を介さずに携帯端末60が直接第1サーバ装置30に位置データを送信することで第1サーバ装置30が位置データを取得するような形態としても良い。
【0137】
前記した第1実施形態及び第2実施形態によれば、既存の各携帯通信事業者が提供する携帯電話機の位置情報提供サービスを利用するような形態としているため、システム開発費用を低減することが可能となる。
【0138】
《第3実施形態及び第4実施形態》
前記した第1実施形態及び第2実施形態では、既存の各携帯通信事業者が提供する携帯電話機の位置情報提供サービスを利用するためのネットワーク40(第2サーバ装置41)を介して携帯端末(携帯電話機)60の位置データを取得する形態について説明したが、以下の第3実施形態及び第4実施形態では、ネットワーク40に替えて、携帯端末(携帯電話機など)60と電気錠制御用のサーバ装置30との間に設けられた無線通信部による無線通信網(これも所定のネットワークに含まれる)を介して携帯端末(携帯電話機など)60の位置データを取得するようにした形態について説明する。
【0139】
図13は、第3実施形態及び第4実施形態に係る電気錠制御システム1Aの概略構成を示す外観構成図であり、図14は、第3実施形態及び第4実施形態の電気錠制御用のサーバ装置30Aの一構成例を示すブロック図である。第3実施形態及び第4実施形態の基本構成は、第1実施形態及び第2実施形態とほぼ同じなので、第1実施形態及び第2実施形態との相違点を中心に説明する。尚、第3実施形態は、第1実施形態の変形例に相当し、第4実施形態は、第2実施形態の変形例に相当する。第3実施形態と第4実施形態との間の差は、第1実施形態と第2実施形態との間の差と同じである。
【0140】
図13及び図14に示すように、この実施形態の電気錠制御用のサーバ装置30Aでは、携帯端末60から無線通信により位置データを受信するためのアンテナなどを有する無線通信装置90が伝送線L6を介して無線通信処理部100に通信接続されている。
【0141】
無線通信装置90は、例えば、解錠許可領域Aの領域内で自動ドア開閉装置(開閉機構部)50の近傍などに設置される。また、本実施形態の無線通信処理部100は、Bluetooth(登録商標)技術により無線通信を行う通信回路(送受信モジュールとも呼ばれる)で構成されるが、これ以外にも、例えば、無線LAN技術により無線通信を行う通信回路で構成するようにしても良い。
【0142】
なお、図14に示すように、この実施形態の電気錠制御用のサーバ装置30Aが内部に実装する構成としては、図3の構成に、無線通信処理部100を追加した構成となっており、その他の構成については図3のものと同一のものであるため、ここでの説明は省略する。
【0143】
また、第3実施形態及び第4実施形態における携帯端末60では、Bluetooth技術により無線通信を行う通信回路(送受信モジュール)を備える。前記無線通信処理部100が、無線LAN技術により無線通信を行う場合は、携帯端末60に無線LAN技術により無線通信を行うための通信回路を設ける。
【0144】
第3実施形態及び第4実施形態では、電気錠制御用のサーバ装置30Aが携帯端末60から無線通信装置90及び伝送線L6及び無線通信処理部100を介して当該携帯端末60の現在位置の位置データを受信することができる。
【0145】
即ち、第3実施形態及び第4実施形態では、電気錠制御用のサーバ装置30から携帯端末60に対して位置データの送信要求を送信したり、その要求に応答した携帯端末60が送信した位置データを受信するためのネットワーク40が無線通信装置90及び伝送線L6及び無線通信処理部100による無線通信網を用いたネットワーク40に変更されただけであり、この実施形態においても、図7(図8を含む)及び図12の処理手順とほぼ同様の処理を実行することができる。
【0146】
ただし、図7の処理手順においては、ステップS302の処理において、第2サーバ装置41経由ではなく、第1サーバ装置30が直接携帯端末60に位置データの送信要求を送信する処理を実行し、ステップS304の処理において、第2サーバ装置41経由ではなく、第1サーバ装置30が直接携帯端末60から位置データを受信する処理を実行する。また、それらに対応するように、ステップS602の処理において、携帯端末60が第2サーバ装置41経由ではなく、第1サーバ装置30から直接位置データの送信要求を受信する処理を実行し、ステップS604の処理において、携帯端末60が第1サーバ装置30に直接位置データを送信する処理を実行する。
【0147】
また、図12の処理手順においては、ステップS613の処理において、第2サーバ装置41経由ではなく、携帯端末60が第1サーバ装置30に直接位置データを送信する処理を実行する。
【0148】
ところで、最近では、110番通報の約6割が携帯電話機からの通報である現状において、警察署や消防署が通報者の位置を迅速に特定できるようにする必要があったなどの背景から、2007年4月に総務省により「改正事業用電気通信設備規則」が施行され、施行後発売の第3世代(3G)携帯電話機には、原則としてGPS機能の搭載が義務づけられている。そこで、本実施形態では、一般的に普及されつつあるGPS機能付き携帯電話機などを利用するようにしたため、安価な電気錠制御システムを構築でき、これにより、この電気錠制御システムを導入する側にとっては初期投資を低く抑えることが可能である。
【0149】
以上、例示的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は前記した実施形態により限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の変更、改変を行うことが可能となる。
【0150】
例えば、前記した実施形態では、携帯端末(GPS携帯電話機など)60の現在位置を示す位置データとして、GPS利用型における端末独自型で使用される位置データ、即ち、GPS携帯電話機が人工衛星から独自に受信したデータに基づいて測定した位置データを利用する形態について説明したが、これ以外にも、FM局利用型(1)や携帯端末−ネットワーク連携型(2)などのGPS利用型におけるDGPS{Differential GPS(相対測位方式)}型で使用される位置データ、即ち、携帯通信事業者側のネットワークに設置された正確な位置が分かっている基準局(電波の受信感度が高い場所に設置される基準局)(のサーバ)で算出した所定の補正情報を用いて測定(算出)したGPS携帯電話機の位置データを利用する形態としても良い。
【0151】
具体的には、FM局利用型(1)では、基準局(のサーバ)で、各人工衛星までの距離を測定し、その測定された距離と、基準局の正確な位置情報から測定した距離との差を擬似距離補正情報として、FM多重放送(または船舶用の中波ビーコン)などを利用して放送し、その疑似距離補正情報を受信したGPS携帯電話機がその疑似距離補正情報を用いて、独自に算出した各人工衛星からの距離(疑似距離)を補正して算出した位置データを、GPS携帯電話機の現在位置を示す位置データとして使用する形態となっている。
【0152】
また、携帯端末−ネットワーク連携型(2)では、GPS携帯電話機が基準局(のサーバ)に対して基準局制御装置のIDなどで分かる当該GPS携帯電話機の大まかな位置(地域や都道府県など)を示すデータを含むリクエストデータ(位置データ要求信号)を送信し、続いて、基準局(のサーバ)が前記大まかな位置を示すデータを基にその地域に飛来している1または複数の人工衛星の番号と、それら人工衛星のドプラー情報、方位・高度などからなるGPS補正情報を算出してGPS携帯電話機に送信し、続いて、GPS携帯端末が前記GPS補正情報を基に通知された1または複数の人工衛星からデータを受信してそれらデータを基準局(のサーバ)に送信し、続いて、基準局(のサーバ)が受信したデータに基づいて算出された位置データを、GPS携帯電話機の現在位置を示す位置データとして使用する形態となっている。
【0153】
FM局利用型(1)及び携帯端末−ネットワーク連携型(2)の形態を利用すれば、大気の状態やGPS携帯電話機の場所(ビルの谷間や室内)などの種々の影響によってGPS携帯電話機の人工衛星からの電波の受信感度が低い状況においても、GPS携帯端末の現在位置を示す位置データを正確に取得することが可能である。また、携帯端末−ネットワーク連携型(2)の形態を利用すれば、GPS携帯電話機の処理負荷を少なくすることができ、これにより、GPS携帯電話機の消費電力を低減するとともに、GPS機能の処理負荷によって他の機能が使えなくなる(使い難い)などの問題が生じるのを未然に防ぐことができるので、GPS携帯電話機を利用する利用者の利便性を高めることが可能である。
【0154】
更に、携帯通信端末の位置データの精度に拘らなければ、前記したGPS利用型で利用する位置データ以外にも、複数の基地局を基準に三角測量の方法で算出した位置データを、携帯端末の現在位置を示す位置データとして利用する三角測量型(3)、或いは、携帯端末の最寄りの基地局の位置データを、携帯端末の現在位置を示す位置データとして利用するPHS型(4)などの無線基地局利用型で使用される位置データを利用する形態としても良い。
【0155】
なお、三角測量型(3)及びPHS型(4)の形態を利用する場合には、極めて短い時間(例えば、1秒以下など)で携帯端末の位置を特定することができるものの、大気の状態や携帯端末の場所(ビルの谷間や室内)などの種々の影響によってGPS利用型の形態で使用される位置データより精度の低い位置データを利用する可能性がある。
【0156】
また、前記した実施形態では、携帯端末60が、衛星測位システムの1つであるGPS機能を有する携帯端末(GPS携帯電話機など)60である場合を例にして説明したが、これ以外にも、その他の衛星測位システムの機能を有する携帯端末60としても良い。
【0157】
また、前記した実施形態では、(ア)マンションの居住者(即ち、セキュリティ領域SAの出入りが許可された利用者)が携帯端末(GPS携帯電話機など)を保有していない場合、(イ)人工衛星や携帯端末の位置などによって携帯端末の位置データの精度にバラつきがある場合、(ウ)携帯端末の電源が切れた場合などにおいて電気錠の解錠が行われない可能性が想定できるが、前記した電気錠制御システムにおいて、電気錠制御装置(コントローラ)と通信接続されるカードリーダ(IDカードの認証データを読み取るもの)や、キー入力装置(ID番号を手入力するもの)や、特徴認識装置(利用者の人体的特徴を認識するためのもの)などの周知の技術を追加的に備えることで、(ア)〜(ウ)の不都合を解消することが可能である。
【0158】
また、前記した実施形態では、解錠可否判定処理(ステップS306)として、携帯端末60の位置が解錠許可領域Aの領域内であるか否かの判定(ステップS306a)と携帯端末60の進行方向が開閉扉51、52を指向する方向であるか否かの判定(ステップS306b)の2つの判定処理を実行する形態について説明したが、これ以外にも、ステップS306bの判定処理を実行せずに、ステップS306aの判定だけを行い、携帯端末60が解錠許可領域Aの領域内にある場合に電気錠10の解錠を許可し、他方、携帯端末60が解錠許可領域Aの領域外にある場合には電気錠10の解錠を禁止するような形態としても良い。
【0159】
また、前記した実施形態では、電気錠制御システム1の利用者に関連付けられた携帯端末60が所定のメール送信領域Cの外周を通過したと判定された場合に、所定のメールアドレス宛てにメール送信を行うような形態について説明したが、これ以外にも、例えば、電気錠10の解錠動作が行われた場合に、所定のメールアドレス宛てにメール送信を行うような形態としても良い。
【0160】
また、前記した実施形態では、第1サーバ装置30が位置データの送信要求を送信する周期、及び、携帯端末60が位置データを測定及び送信する周期を、10秒周期に設定した場合について説明したが、これ以外にも、任意に設定することが可能であり、電気錠10の解錠を許可する解錠許可領域Aの範囲に応じて設定することが好ましい。
【0161】
例えば、解錠許可領域Aが比較的狭く設定されている場合には、携帯端末60の位置データを逐一且つリアルタイムに取得する必要性が高いため、前記した実施形態の周期(10秒)より短い周期(例えば、3秒、5秒など)を設定する。これにより、電気錠10の解錠動作を精度良く制御することができる。他方、解錠許可領域Aが比較的広く設定されている場合には、携帯端末60の位置データを逐一且つリアルタイムに取得する必要性が低いため、前記した実施形態の周期(10秒)より長い周期(例えば、15秒、20秒など)を設定する。これにより、第1サーバ装置30及び携帯端末60の処理負荷を軽減することができる。また、定期的な周期以外にも、ランダムな周期であっても良いものとする。
【0162】
また、前記した実施形態では、デッドボルト式の電気錠10の場合について説明したが、これ以外にも、他の形式の電気錠であっても良く、例えば、強力な電磁石の力により開閉扉(開閉物)の上部に取り付けられた吸着板などを吸着することで開閉扉を施錠することが可能な電磁錠式の電気錠であっても良いものとする。
【0163】
また、前記した実施形態では、電気錠10を解錠して所定時間(例えば、10秒など)が経過した場合に電気錠10を施錠するような形態について説明したが、これ以外にも、自動ドア開閉装置50の開閉扉51、52(即ち、開閉機構部の開閉部)を開いて閉じた場合に電気錠10の施錠を行うように設定することも可能である。
【0164】
また、前記した実施形態では、電気錠10が実装される開閉機構部として、マンションのエントランスに設置される自動ドア開閉装置を例にした場合について説明したが、これ以外にも、電気錠10が実装される開閉機構部として、手動式の開閉扉や、車庫の開閉扉(自動または手動)や、駅などに設置される自動改札機のようなゲート装置などを適用することも可能である。
【0165】
また、前記した実施形態では、セキュリティ領域SAとしてマンション内を例にした場合であり、開閉機構部としてマンションのエントランスに設置された自動ドア開閉装置を例にした場合について説明したが、これ以外にも、セキュリティ領域SAとして、貨幣、貴重品、重要書類などを収容保管するオフィスの部屋や、倉庫や、金庫などの保管箱や、車両を収容する車庫や、個人宅や、駅などに設置される自動改札機の内側などを適用し、それに合わせて開閉機構部として、オフィス部屋や倉庫や個人宅などの内側領域への人や物の出入りや、車庫の内側領域への車両の出入りを許容する開閉扉(自動または手動)や、保管箱の内側領域への人の手や物の出入りを許容する開閉蓋(自動または手動)などを適用することが可能である。
【0166】
また、前記した実施形態では、人工衛星からの電波を携帯端末(GPS携帯電話機など)60が良好に受信できるようにするために、好ましい形態として建物の外と中を隔てる開閉扉(マンションのエントランスに設置される自動ドア開閉装置)に実装される電気錠10の解錠動作を制御する電気錠制御システムの場合について説明したが、これ以外にも、建物内部の開閉扉に実装される電気錠の解錠動作を制御する電気錠制御システムとしても良い。
【0167】
また、前記した実施形態では、アパートやマンションなどの集合住宅の入り口に設置された開閉扉に実装される電気錠の解錠制御を行う電気錠制御システムの場合について説明したが、これ以外にも、集合住宅の個々の住戸毎の玄関の扉に実装される電気錠や、個人宅の玄関の扉に実装される電気錠の解錠制御を行う電気錠制御システムとすることも可能である。
【0168】
また、前記した実施形態では、ある1つの建物(マンション)に設置される開閉機構部(自動ドア開閉装置50)に実装される電気錠10の解錠制御を行う電気錠制御システムについて説明したが、これ以外にも、複数の建物(マンション)にそれぞれ設置される開閉機構部毎に実装される複数の電気錠10の解錠制御を行う電気錠制御システム1B(図15参照)とすることも可能である。
【0169】
具体的には、例えば、図1に示す電気錠制御用のサーバ装置30に替えて、複数の建物(マンション)の個々のエントランスにそれぞれ設置される自動ドア開閉装置50毎に実装される電気錠10A〜10Nの解錠及び施錠の動作を制御する各電気錠制御装置20A〜20Nと、ルータなどの中継装置110A〜110Nや伝送線L7を介して通信接続されるサーバ装置30Bを備える。
【0170】
そして、サーバ装置30Bが、第1実施形態で説明した制御処理とほぼ同様の制御処理を実行する。
【0171】
即ち、この場合には、図4(a)の利用者情報テーブルT1に替えて、電気錠10(即ち、建物:マンション)毎の識別情報に関連付けて番号情報、利用者氏名、通知先のメールアドレスなどを記憶した利用者情報テーブルT10を用意するとともに、図4(b)の領域データテーブルT2に替えて、電気錠(即ち、建物:マンション)10毎の識別情報に関連付けて解錠許可領域データ、記録領域データ、メール送信領域データなどを記憶した領域データテーブルT20を用意するとともに、電気錠(即ち、建物:マンション)10毎の携帯端末60の位置データを記憶する端末位置データテーブルT30と、各開閉機構部(自動ドア開閉装置50)の位置データを記憶する開閉位置データテーブルT40などを用意する。
【0172】
そして、電気錠制御処理部300が、前記した各テーブル10〜40を参照して各マンション単位、即ち、各電気錠10A〜10N単位の解錠制御を実行する。
【0173】
このような形態によれば、1つのサーバ装置30Bで複数のマンションのエントランスにそれぞれ設置された自動ドア開閉装置50に実装される電気錠10毎の解錠制御を行う電気錠制御システムを提供することが可能となる。
【0174】
また、図15に示した実施形態において、各中継装置110A〜110Nと第1サーバ装置30Bとの間に他のサーバ装置を介するようにしても良い。
【0175】
また、前記以外にも、ある1つの建物(マンション)内に設置される複数の開閉機構部にそれぞれ実装される電気錠10毎の解錠制御を行う電気錠制御システムとすることも可能である。
【0176】
また、前記した実施形態では、1つの携帯端末(GPS携帯電話機など)60で1つの電気錠10の解錠が行える形態について説明したが、これ以外にも、1つのGPS携帯端末60で複数の電気錠10、10・・・の解錠が行える形態としても良い。
【0177】
また、前記した実施形態では、電気錠制御用のサーバ装置30をマンション内の管理室などに設置する形態について説明したが、これ以外にも、電気錠制御装置20とサーバ装置30との間にルータなどの中継装置を設置してサーバ装置30をマンション外部、例えば、この電気錠制御システムを提供する会社(本出願人)の建物に設置するようにしても良い。
【0178】
また、前記した実施形態では、電気錠10の解錠及び施錠の動作を制御する電気錠制御装置20と第1サーバ装置30とを別体として設けた形態について説明したが、これ以外にも、電気錠制御装置20と第1サーバ装置30の両機能を具備した1つまたは複数の制御装置を設けるような態様としても良いし、電気錠制御装置20とは別に、前記した第1サーバ装置30の機能を分散した複数の機能分散サーバ装置(例えば、位置情報提供者側のサーバ装置41に対して位置データの送信要求を送信するサーバ装置や、そのサーバ装置から受信した位置データに基づいて電気錠の解錠の可否を判定して電気錠の解錠動作を制御するサーバ装置など)を設けるような形態としても良い。
【0179】
また、1つの第1サーバ装置30に対して、複数の電気錠制御装置20を割り当ててもよい。
【0180】
即ち、本発明における制御装置は、1または複数の電気錠制御装置20、1または複数の第1サーバ装置30、前記したサーバ機能一体型の1または複数の制御装置、前記した複数の機能分散サーバ装置のいずれかを含む。
【0181】
また、前記した実施形態では、携帯端末60の進行方向を算出する場合に、当該携帯端末60の最新の位置データとその1つ前の位置データとを用いて算出する場合について説明したが、これ以外にも、携帯端末60毎に位置データを2つ以上記憶するように構成し、最新の位置データを含む時系列的に連続した3つ以上の位置データから進行方向を算出するようにしても良いし、または、第1サーバ装置30で位置データを受信する周期が極短時間(1〜5秒程度の周期)である場合などにおいては、最新の位置データを含まない時系列的に連続した2以上の位置データから進行方向を算出するようにしても良い。
【0182】
また、前記した実施形態では、マンションのセキュリティシステムに適用した場合について説明したが、これ以外にも、オフィス向けの入退出管理システムに適用することも可能である。
【0183】
これにより、既存の携帯通信事業者が提供する位置情報提供サービスを既に導入済みの会社などに対し、前記サービスで使用中の携帯電話機を利用して会社の建物(オフィスビル)への入退出管理を行うことができる電気錠制御システムを安価に提供することが可能である。
【0184】
また、前記した実施形態では、所定の解錠許可領域Aの領域内にある携帯端末60が良好に人工衛星70の電波を受信できるようにするため、建物の外と中を隔てるマンションのエントランスとなる自動ドア開閉装置50に実装される電気錠10に係る電気錠制御処理(例えば、図7、図8参照)について説明したが、これ以外にも、例えば、建物の奥まった箇所(建物内の通路を数メートル以上進んだ先など)に設置されるマンションのエントランスとなる自動ドア開閉装置50に実装される電気錠10に係る電気錠制御処理を第1サーバ装置30で実行するように設定することも可能である。
【0185】
具体的には、第1サーバ装置30が、携帯端末60の位置データを監視し、携帯端末60が建物に近づいてきたことを判断するための所定領域の領域内に入った後に、当該携帯端末60からの位置データを受信しなくなった場合、即ち、携帯端末60を所持する利用者が建物内に入って当該携帯端末60で人工衛星70の電波が受信できなくなったことにより、当該携帯端末60からの位置データを受信できなくなった場合、予め設定されている到達予測時間を計数し、計数が完了した場合に利用者が自動ドア開閉装置50の付近(解錠許可領域A)に到達したと判定して電気錠10を解錠する。
【0186】
なお、前記到達予測時間は、例えば、利用者が建物内に入って自動ドア開閉装置50付近に設定された解錠許可領域Aの外周、または、自動ドア開閉装置50の少し手前に到達するまでの距離(おおよそ通路の距離)と、人の歩く速度(公正取引委員会が定めた値:80m/分など)から算出した時間であって、利用者が前記速度で歩いた場合に、建物内に入ってから解錠許可領域Aの外周、または、自動ドア開閉装置50の少し手前に到達するであろうと思われる予測時間である。
【0187】
このような予測処理を追加することにより、携帯端末60において人工衛星70からの電波を受信できないような箇所に制御対象の電気錠10が設置されるような環境においても、本実施形態の電気錠制御システム1を適用することが可能となり、これにより、第1サーバ装置30において位置データ送信要求の送信処理を無駄に繰り返すなどの動作を未然に防ぐことができ、第1サーバ装置30の処理負荷を軽減させることが可能であるとともに、電気錠10が解錠されないなどの不都合を未然に防ぐことが可能となる。
【0188】
なお、前記予測処理の方法は一例を示したものであり、その他の方法であっても良い。
【0189】
その他、前記した実施形態における装置構成、機能構成及びテーブルの構成や、表示画面の態様などは単なる例として記載したものであり、本発明はこれらにより限定されない。
【符号の説明】
【0190】
1 電気錠制御システム
10 電気錠
20 電気錠制御装置(制御装置)
30 電気錠制御用のサーバ装置(制御装置)
40 ネットワーク
41 位置データ提供側のサーバ装置
42 無線基地局
50 自動ドア開閉装置(開閉機構部)
60 携帯端末(GPS携帯電話機)
70 人工衛星(GPS衛星)
80 撮影記録装置
90 無線通信装置
100 無線通信処理部
A 解錠許可領域
B 記録領域
C メール送信領域
SA セキュリティ領域
L1〜L7 伝送線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉機構部の施錠及び解錠を行う電気錠と、伝送手段を介して前記電気錠の施錠及び解錠の動作を制御する制御装置とを備えた電気錠制御システムであって、
前記制御装置は、
前記電気錠の解錠を許可された1または複数の利用者個々に関連付けられた携帯端末の少なくとも番号情報を含む利用者情報を記憶する利用者情報記憶手段と、
所定の解錠許可領域の位置データを記憶する解錠許可領域データ記憶手段と、
所定のネットワークを介して少なくとも緯度と経度との情報を含む前記携帯端末の現在位置を示す位置データを定期的に受信する位置データ取得手段と、
前記位置データ取得手段で受信した位置データと前記解錠許可領域の位置データとを比較し、当該携帯端末の現在位置が前記解錠許可領域の領域内であるか否かを判定する解錠領域内/外判定手段とを具備し、
前記解錠領域内/外判定手段で携帯端末の現在位置が前記解錠許可領域の領域内であると判定された場合に、前記電気錠に解錠動作を行わせる制御を実行することを特徴とする電気錠制御システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記位置データ取得手段で受信した位置データを記憶する端末位置データ記憶手段と、
前記端末位置データ記憶手段に記憶された時系列的に連続した複数の位置データに基づいて、当該携帯端末の進行方向が前記開閉機構部を指向する方向であるか否かの判定を行う進行方向判定手段とを更に具備し、
前記解錠領域内/外判定手段で携帯端末の現在位置が前記解錠許可領域の領域内であると判定され、且つ、前記進行方向判定手段で当該携帯端末の進行方向が前記開閉機構部を指向する方向であると判定された場合に前記電気錠に解錠動作を行わせる制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の電気錠制御システム。
【請求項3】
前記制御装置の前記位置データ取得手段は、所定のタイミングで前記携帯端末の位置データの送信要求を行い、前記送信要求に応じて前記所定のネットワークを介して当該携帯端末の位置データを受信することを特徴とする請求項1または2に記載の電気錠制御システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、
所定のタイミングで自己の現在位置を示す位置データをGPSを使って測定し、該測定した位置データを前記ネットワークを介して前記制御装置に送信する位置データ処理手段を具備し、
前記制御装置の前記位置データ取得手段は、前記位置データ処理手段で送信された位置データを前記ネットワークを介して受信することを特徴とする請求項1または2に記載の電気錠制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記電気錠の解錠動作が行われた場合に、当該携帯端末に関連付けられた所定の通知先に通知を行う通知処理手段を更に具備することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気錠制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は、
所定の通知領域の位置データを記憶する通知領域データ記憶手段と、
前記位置データ取得手段で受信した位置データと、前記通知領域の位置データとを比較し、当該携帯端末が前記通知領域の外周を通過したと判定された場合に、所定の通知先に通知を行う通知処理手段を更に具備することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気錠制御システム。
【請求項7】
所定の記録領域を撮影して撮影画像を記録する撮影記録装置を更に備え、
前記制御装置は、
前記所定の記録領域の位置データを記憶する記録領域データ記憶手段と、
前記位置データ取得手段で受信した位置データと前記記録領域の位置データとを比較し、当該携帯端末の位置が前記記録領域の領域内であるか否かを判定し、当該携帯端末の位置が前記記録領域の領域内であると判定された場合に、伝送手段を介して前記撮影記録装置に撮影記録開始を指示する撮影記録処理手段を更に具備することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気錠制御システム。
【請求項8】
前記所定のネットワークは、インターネット回線、電話網、無線通信網のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電気錠制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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