電気集塵機
【課題】高圧電極を半導電性物質で構成し、この高圧電極を絶縁性物質もしくは半導電性物質で構成された支持部材で支持している構成の電気集塵機およびこの集塵部において、前記高圧電極からのリーク電流を極力小さくする。
【解決手段】半導電性の材料で構成された非集塵電極13と、導電性の材料で構成され集塵電極15と、絶縁性の材料で構成され非集塵電極13に接触して支持する支持部材23と、導電性の材料で構成され支持部材23に接触して支持部材23を支持し非集塵電極13に印加される電圧と等しい電圧が印加される電圧維持部材17と、導電性の材料で構成され非集塵電極13に給電する給電部材25とを有する電気集塵機1の集塵部5である。
【解決手段】半導電性の材料で構成された非集塵電極13と、導電性の材料で構成され集塵電極15と、絶縁性の材料で構成され非集塵電極13に接触して支持する支持部材23と、導電性の材料で構成され支持部材23に接触して支持部材23を支持し非集塵電極13に印加される電圧と等しい電圧が印加される電圧維持部材17と、導電性の材料で構成され非集塵電極13に給電する給電部材25とを有する電気集塵機1の集塵部5である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気集塵機およびこの集塵部に係り、特に、非集塵電極が半導電性の材料で構成されているものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷電部と集塵部とを備えて構成された電気集塵機において、集塵部の高圧電極(非集塵電極)を半絶縁性物質(半導電性の材料)で構成し、集塵部の高圧電極とアース電極(金属で構成されたアース電極;集塵電極)との間で火花放電が発生することを防止しているものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
従来の電気集塵機は、電極を半絶縁性のものにすることで、高圧電極に高電圧を印加したときに高圧電極上で電界が局在するのを防ぎかつ高圧電極に過剰な電流が流れるのを防止し、高圧電極上での瞬時の電荷の移動を制限し、火花放電の発生を抑制している。
【0004】
そして、集塵されたゴミがアース電極に付着した場合であっても、高圧電極とアース電極との両方の電極を金属で構成した場合に比べて、火花放電が発生しにくくなっており、たとえば、アース電極の清掃間隔を長く(両方の電極を金属で構成した場合に比べて長く)することができるようになっている。
【特許文献1】特許第3516725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の電気集塵機では、高圧電極に+の高電圧を印加してアース電極で集塵を行うときに、アース電極で集塵されるべき塵埃が高圧電極の支持部材の表面にも僅かではあるが付着してしまうことがある。
【0006】
そして、たとえば半絶縁性の材料で構成された支持部材を介して高圧電極を電気集塵機の筐体で支持しているので、前記支持部材の表面に付着した塵埃を介して高圧電極から筐体に漏れるリーク電流が増えて、高圧電極の電圧が低下し、集塵の効率が低下する場合があるという問題がある。この問題は、支持部材を絶縁性物質で構成しても同様に発生する場合がある。また、上記問題は、集塵部の大型化に伴って、支持部材の個数が増えると一層顕著になる。
【0007】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、高圧電極を半導電性物質で構成し、この高圧電極を絶縁性物質もしくは半導電性物質で構成された支持部材で支持している構成の電気集塵機およびこの集塵部において、前記高圧電極からのリーク電流を極力小さくすることができる電気集塵機およびこの集塵部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、半導電性の材料で構成された非集塵電極と、導電性の材料で構成され集塵電極と、絶縁性の材料もしくは半導電性の材料で構成され、前記非集塵電極に接触して前記非集塵電極を支持する支持部材と、導電性の材料で構成され、前記支持部材に接触して前記支持部材を支持し、前記非集塵電極に印加される電圧と等しいか、もしくは、前記電圧よりも僅かに高いか、もしくは、前記電圧よりも低い電圧が印加される電圧維持部材と、導電性の材料で構成され、前記非集塵電極に給電する給電部材とを有する電気集塵機の集塵部である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電気集塵機の集塵部において、前記給電部材が、金属で構成されている電気集塵機の集塵部である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電気集塵機の集塵部において、前記給電部材は、前記電圧維持部材に接触しており前記電圧維持部材から電力の供給を受ける構成である電気集塵機の集塵部である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、絶縁性の材料で矩形な筒状に形成されていることにより、高さ方向で開口している筐体と、半導電性の材料で矩形な薄い板状に形成されている複数の非集塵電極と、導電性の材料で矩形な薄い板状に形成されている複数の集塵電極と、絶縁性の材料もしくは半導電性の材料で棒状に形成され、前記各非集塵電極を支持するためのスリットが長さ方向で所定の間隔をあけて複数設けられており、前記各スリットに前記各非集塵電極の部位を接触させて係合させることで、前記各非集塵電極がこの厚さ方向で所定の間隔をあけて並ぶように一体的に支持している支持部材と、導電性の素材によって棒状に形成され、前記各集塵電極を支持するためのスリットが長さ方向で所定の間隔をあけて複数設けられており、前記各スリットに前記各非集塵電極の部位を接触させて係合させることで、前記各非集塵電極に給電する給電部材と、導電性の材料で帯状に形成され、前記筐体の長手方向に延び前記筐体の幅方向の端部側であって前記筐体の内部で前記筐体に一体的に設けられ、前記各非集塵電極と前記支持部材と前記給電部材とが前記筐体の内側に入り、前記支持部材の長手方向の各端部と前記給電部材の各端部とに接触して前記支持部材と前記給電部材とが前記筐体と一体になるように、前記支持部材を支持している電圧維持部材と、導電性の素材によって棒状に形成され、前記各集塵電極を支持するためのスリットが長さ方向で所定の間隔をあけて複数設けられており、前記各スリットに前記各集塵電極の部位を接触させて係合させることで、前記各集塵電極がこの厚さ方向で所定の間隔をあけて並ぶように一体的に支持し前記各集塵電極に給電すると共に、前記各集塵電極が前記筐体の内側で前記各集塵電極が前記各非集塵電極から離れて前記各非集塵電極の間に交互に入り、前記各集塵電極が前記筐体と一体になるように、長手方向の各端部が前記筐体に一体的に支持されて前記筐体の内側に設けられている接地部材とを有する電気集塵機の集塵部である。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の集塵部と、前記集塵部で集塵するために空気中の塵埃に荷電する荷電部と、前記荷電部から前記集塵部に空気を流すためのファンとを有する電気集塵機である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高圧電極を半導電性物質で構成し、この高圧電極を絶縁性物質もしくは半導電性物質で構成された支持部材で支持している構成の電気集塵機およびこの集塵部において、前記高圧電極からのリーク電流を極力小さくすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る電気集塵機1を概念的に示す図である。
【0015】
電気集塵機(静電式集塵装置)1は、たとえば、エアコン用の集塵機として使用されるものであり、荷電部3と集塵部5とファン7とを備えて構成されている。
【0016】
荷電部3は、集塵部5で集塵するために空気中の塵埃(ほこり)Dに荷電するものであり、高電圧(たとえば+5kV)が印加されるイオン化線9と、このイオン化線9を挟むように配置された対向電極(アース電極)11とからなる。集塵部5は、高電圧(たとえば+3.5kV)が印加される非集塵電極(高圧電極;非集塵部材)13と、アース接続された集塵電極(アース電極;集塵部材)15とからなる。
【0017】
ファン7は、荷電部3から集塵部5に空気を流すためのものであり、ファン7により荷電部3や集塵部5の筐体(図1では図示せず)の内部に吸込された塵埃を含んだ空気が、矢印AR1で示すように、荷電部3を通り続いて集塵部5を通り、前記筐体の外部に排出されるようになっている。
【0018】
荷電部3では矢印AR3で示すようにコロナ放電がおこり、空気中の塵埃Dが+に帯電されるようになっている。また、集塵部5では、矢印AR5で示すような電気力線(もしくは単なる電位差)が生じ、帯電された塵埃Dが集塵電極15で捕獲されるようになっている。
【0019】
荷電部3と集塵部5とについて特に集塵部5についてより詳しく説明する。
【0020】
図2は、荷電部3と集塵部5との概略構成を示す斜視図であって、集塵部5側から荷電部3と集塵部5とを見た図である。図3は、荷電部3と集塵部5との概略構成を示す斜視図であって、荷電部3側から荷電部3と集塵部5とを見た図である。図4は、図3において、荷電部3と集塵部5とを分離した状態を示す図である。
【0021】
図5は、集塵部5の分解斜視図であり、図6は、非集塵電極13と集塵電極15とを組み付けた状態を示す図であって、板状の各非集塵電極13や板状の各集塵電極15の厚さ方向から非集塵電極13と集塵電極15とを見た図である。図7は、図5に対応した図であって、非集塵電極13のみを組み付けた状態示す図である。図8は、図5に対応した図であって、集塵電極15のみを組み付けた状態示す図である。
【0022】
図9は、図6におけるIX−IX断面を示す図であり、図10は、図6におけるX−X断面を示す図であり、図11は、図6におけるXI−XI断面を示す図である。図12は、電圧維持部材17の概略構成を示す図であり、図13は、電圧維持部材17の平面図(図13(a))および正面図(図13(b))である。
【0023】
なお、以下説明の便宜上、お互いに直交する各方向をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向という場合がある。
【0024】
荷電部3は、矩形な筒状の筐体(抵抗率が1013Ωcmよりも大きい絶縁性の材料で構成されている筐体)19内にイオン化線9と対向電極11とを一体的に備えて構成されており、集塵部5も、矩形な筒状の筐体(筐体19と同様にして絶縁性の材料で構成されている筐体)21内に非集塵電極13と集塵電極15とを一体的に備えて構成されている。図2や図3から理解されるように、荷電部3と集塵部5とは1つのカセットを構成しており、メンテナンス等のためにエアコンの本体等に対して容易に着脱自在になっている。また、図4から理解されるように、荷電部3と集塵部5とは容易に接合・分離することができるようになっている。
【0025】
非集塵電極13は、半導電性の材料(たとえば、半導電性樹脂であり、抵抗率(体積抵抗率)が1010Ωcm〜1013Ωcmである材料)で構成されており、筐体21に支持されている。集塵電極15は、導電性の材料(たとえば、アルミニウム等の金属)で構成されており、各非集塵電極13から所定の距離だけ離れて筐体21に支持されている。なお、非集塵電極13や集塵電極15は、互いに平行となるように複数設けられている。
【0026】
支持部材23は、絶縁性の材料もしくは半導電性の材料で構成されている。そして、各非集塵電極13が所定の間隔をあけて整列するように、支持部材23が非集塵電極13に接触し非集塵電極13を一体的に支持している。このとき、支持部材23は、絶縁性もしくは半導電性の材料で構成されていることから、集塵電極15との間で火花放電等の不具合が生じることはない。
【0027】
電圧維持部材17は、導電性の材料(たとえば、アルミニウム等の金属)で構成されている。そして、支持部材23と筐体21とに接触して、支持部材23と筐体21とを一体的に支持するようになっている。また、電圧維持部材17には、図示しない端子を介して、非集塵電極13に印加される電圧と略等しい電圧(例えば、非集塵電極13の電圧5kVに対し、電圧維持部材17の電圧が4kV以上、6kV以下)が印加されるようになっている。なお、電圧維持部材17に印加される電圧が、非集塵電極13に給電される電圧よりも高い(たとえば僅かに高い)か、もしくは、非集塵電極13に印加される電圧より低い電圧であってもよい。
【0028】
給電部材25は、導電性の材料で構成されているが、給電部材25の一部を非集塵電極13に食い込ませて接触面積を多くとるために、給電部材25を、たとえば、アルミニウム等の金属で構成することが望ましい。給電部材25は、支持部材23から離れて筐体21に一体的に設けられており、非集塵電極13の略両端に接触して非集塵電極13に給電する(高電圧を印加する)ようになっている。この構成により、各非集塵電極13には全体的に均一な電圧を印加することができる。また、給電部材25の両端は、電圧維持部材17に接触しており電圧維持部材17から電力の供給を受けるように構成されている。
【0029】
なお、図9や図11から理解されるように、電圧維持部材17は、支持部材23と筐体21との間に挟まれている。そして、支持部材23や給電部材25が、電圧維持部材17を介して筐体21に一体的に設けられている。また、給電部材25は、非集塵電極13の長さ方向(X軸方向)端部であって、集塵電極15から充分に離れた箇所に設けられている。
【0030】
ここで、集塵部5について例を掲げてさらに詳しく説明する。
【0031】
筐体21は、矩形な筒状に形成されていることにより、高さ方向(Z軸方向)で開口している。非集塵電極13は、矩形な薄い板状に形成されており複数枚設けられている。集塵電極15も、矩形な薄い板状に形成されており複数枚設けられている。
【0032】
支持部材23は、細長い棒状に形成されており、各非集塵電極13を支持するためのスリット27(図5参照)が長さ方向(Y軸方向)で所定の間隔をあけて複数設けられている。そして、各スリット27に各非集塵電極13の部位(各非集塵電極13の幅方向(Z軸方向)の端部の一部)を接触させて係合させることで、各非集塵電極13がこの厚さ方向(Y軸方向)で所定の間隔をあけて並ぶように一体的に支持している。
【0033】
なお、支持部材23は複数設けられており、たとえば、非集塵電極13の幅方向の一端部(図5の上側の端部)側に2つ、非集塵電極13の幅方向の他端部(図5の下側の端部)側に3つ設けられている。5つの支持部材23で支持されている非集塵電極13をこの厚さ方向(Y軸方向)から見ると、図7で示すようにお互いが厚さ方向に重なっており、略細長い矩形状を呈している。
【0034】
また、支持部材23は、非集塵電極13の厚さ方向(各非集塵電極13が並んでいる方向)に長く延びている。さらに、各支持部材23は、図7に示すように、非集塵電極13の長手方向では所定の間隔をあけて非集塵電極13の幅方向では一端部側と他端部側とに一定の間隔で交互に設けられている。
【0035】
給電部材25は、導電性の材料(たとえば、アルミニウム等の金属)の薄い板状の素材を曲げる(折り曲げだけでなく、溶接等も含む)ことによって細長い棒状に形成されている。また、給電部材25には、各非集塵電極13を支持するためのスリット29(図5参照)が長さ方向で所定の間隔をあけて複数設けられている。そして、各スリット29に各非集塵電極13の部位(各非集塵電極13の長手方向(X軸方向)の端部)を接触させて係合させることで、各非集塵電極13をこの厚さ方向(Y軸方向)で所定の間隔をあけて一体的に支持していると共に、各非集塵電極13に給電するようになっている。なお、スリット29は、給電部材25を構成する素材の厚さ方向に貫通している。そして、スリット29の縁には、先端が鋭角となるようなエッジ部が形成されており、非集塵電極13を僅かに削って非集塵電極13に食い込むようになっている。
【0036】
電圧維持部材17は、導電性の材料(たとえば、アルミニウム等の金属)で細長い帯状(図12や図13では枝分かれしている。)に形成されている。そして、筐体21の長手方向(X軸方向)に延び筐体21の幅方向(Y軸方向)の端部側であって筐体21の内部で、筐体21に一体的に設けられている。また、支持部材23の長手方向(Y軸方向)の各端部(両端部)と給電部材25の各端部(両端部)とに接触して、支持部材23と給電部材25と各非集塵電極13とが筐体21と一体になるように、支持部材23と給電部材25とを支持している。
【0037】
このように支持している状態では、各非集塵電極13の長手方向(X軸方向)と筐体21の長手方向とがお互いに一致し、各非集塵電極13の厚さ方向(Y軸方向;各非集塵電極13が並んでいる方向)と筐体21の幅方向とがお互いに一致し、各非集塵電極13の幅方向(Z軸方向)と筐体21の高さ方向とがお互いに一致し、支持部材23の長手方向(Y軸方向)と筐体21の幅方向とがお互いに一致し、給電部材25の長手方向(Y軸方向)と筐体21の幅方向とがお互いに一致している。また、各非集塵電極13と支持部材23と給電部材25とが筐体21の内側に入っている。
【0038】
なお、支持部材23、給電部材25は、電圧維持部材17(たとえば電圧維持部材17の長手方向の端部)の一部を間に挟んだ形態で、たとえばボルト等の締結具により、筐体21に一体的に設けられている。
【0039】
接地部材31は、導電性の材料(たとえば、アルミニウム等の金属)の薄い板状の素材を曲げる(折り曲げだけでなく、溶接等も含む)ことによって細長い棒状に形成されている。また、接地部材31には、各集塵電極15を支持するためのスリット33(図5参照)が長さ方向(Y軸方向)で所定の間隔をあけて複数設けられており、各スリット33に各集塵電極15の部位(各集塵電極15の長手方向(X軸方向)の端部、各集塵電極15の長手方向の中間部であって幅方向(Z軸方向)の端部)を接触させて係合させることで、各集塵電極15がこの厚さ方向(Y軸方向)で所定の間隔をあけて並ぶように一体的に支持し各集塵電極15が接地電位となるようになっている。
【0040】
このように支持している状態では、各集塵電極15の長手方向(X軸方向)と筐体21の長手方向とがお互いに一致し、各集塵電極15の厚さ方向(Y軸方向;各集塵電極15が並んでいる方向)と筐体21の幅方向とがお互いに一致し、各集塵電極15の幅方向(Z軸方向)と筐体21の高さ方向とがお互いに一致している。また、接地部材31と各集塵電極15とが筐体21の内側で、各集塵電極15が各非集塵電極13から一定の間隔をおいて各非集塵電極13の間に交互に入り込んでいる。さらに、各集塵電極15が筐体21と一体になるように、接地部材31の長手方向(Y軸方向)の各端部が筐体21に、たとえばボルト等の締結具により、一体的に支持されている。接地部材31には、図示しない端子等を介して、給電されるようになっている。
【0041】
なお、接地部材31は、すでに理解されるように、各集塵電極15を接地電位とする役割と各集塵電極15を支持する役割とを兼ねている。そして、図5等から理解できるように、支持部材23や給電部材25と同様に複数設けられている。また、接地部材31で支持された状態で非集塵電極13をこの厚さ方向(Y軸方向)から見ると、図6や図8で示すように、お互いが厚さ方向に重なっており略細長い矩形状を呈している。さらに、非集塵電極13や集塵電極15には、支持部材23や接地部材31との干渉を避けるために切り欠き35が設けられている。
【0042】
また、給電部材25は、絶縁性の材料で構成されたカバー部材37で覆われており、筐体21の外部には露出しないようになっている。
【0043】
ここで、非集塵電極13や支持部材23を構成する半導電性樹脂について例を掲げて説明する。
【0044】
半導電性樹脂として、たとえば、特許第3516725号公報に示されているものを使用することができる。
【0045】
すなわち、熱可塑性樹脂のような樹脂基材に吸水性樹脂を添加し、ブレンドすることにより吸湿性を付与した樹脂を用いることができる。このような樹脂は、樹脂中に配合された吸水性樹脂により吸収された水分によって半絶縁性を示すものであり、吸水性樹脂の配合量を調製することによって、樹脂の体積固有抵抗値を1010〜1013Ωcmのオーダーの範囲となるように自由に調製できるため好ましい樹脂である。一般に、配合量は樹脂の種類により異なるが、5〜50重量%である。
【0046】
樹脂基材としては、例えば、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂のような熱可塑性樹脂があり、特に、ABS樹脂を基材として用いると成形性、難燃性、耐熱性、耐衝撃性の優れたものが得られ、また、製造コストの面でも安価となる。また、樹脂自体が吸湿性を有している樹脂基材としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂などがあげられる。また、このような熱硬化性樹脂の例として、なかでもフェノール樹脂を基材として用いた場合には、所望の抵抗値が得られ易く好ましい結果が得られる。
【0047】
一方、混合する吸水性樹脂としては、アクリル酸塩系、ポバール系、ポリアミド系などがあり、吸水能、抵抗値の持続性および基材樹脂との相溶性などを考慮して選択される。なお、このような吸湿性樹脂としては、例えば、マクスロイ(商品名;JSR社製;登録商標)、スミライト(商品名;住友ベークライト社製;登録商標)などの市販品を使用することができる。
【0048】
このようにして調製された吸湿性樹脂は、例えば、ABSを樹脂基材として、吸水性樹脂を添加した樹脂の場合には、十分乾燥した樹脂プレート(厚さ2mm)を、温度70℃、湿度65%の恒温恒湿槽内に48時間静置した後の吸湿量は乾燥樹脂に対して0.7〜1.5重量%であり、このとき通常雰囲気に戻し一定時間(48時間以上)放置した後の樹脂の体積固有抵抗値は1010〜1013Ωcmのオーダーを示した。また、同様に、フェノール樹脂の場合は、体積固有抵抗値は1010〜1013Ωcmのオーダーであった。
【0049】
さらに、非集塵電極13や支持部材23を構成する半導電性樹脂として、基材となる樹脂(絶縁性の樹脂)にカーボンブラック、カーボンファイバー、導電性または半導電性ウィスカー、ステンレス繊維などの導電材を適量配合したものを使用してもよい。
【0050】
次に、電圧維持部材17を設けたものと、設けていないもの(支持部材23を筐体21で直接支持しているもの)との試験結果について、図14を用いて説明する。
【0051】
図14の上側に示されている表中の「高圧連結板」は、電圧維持部材17を示しており、グラフG1は、電圧維持部材17を設けてこれに高電圧を印加したときの捕集率の変化を示し、グラフG3は、電圧維持部材17を設けていないときの捕集率の変化を示している。また、図14中の「1サイクル」は、タバコ300本相当の煙に対して電気集塵機1を稼動したものである。
【0052】
図14から理解されるように、電圧維持部材17を設けたもののほうが、電気集塵機1の稼動時間が増えても捕集効率の低下の度合いが小さくなっている。
【0053】
電気集塵機1によれば、非集塵電極13に給電される電圧と等しい電圧が印加されている電圧維持部材17を筐体21と支持部材23との間に設けてあるので、支持部材23の電位が非集塵電極13の電位とほぼ等しくなっている。すなわち、支持部材23の電位が維持され非集塵電極13に対する支持部材23の電位の低下がほとんど無くなっている。したがって、電気集塵機1の長時間の使用により支持部材23の表面に塵埃が付着しても、この付着した塵埃の表面を通って電流のリークが発生することを防止することができ、非集塵電極(高圧電極)13からのリーク電流を極力小さくすることができる。また、非集塵電極13が半導電性の材料で構成されているので、上記従来の電気集塵機と同様に、火花放電の発生を抑制することができる。
【0054】
さらに、集塵量を増やすべく非集塵電極13や集塵電極15を大型化して、特に非集塵電極13を支持するための支持部材23の数量を多くしても、非集塵電極13からのリーク電流を極力小さくすることができる。
【0055】
また、電気集塵機1によれば、給電部材25が金属で構成されており樹脂で構成された非集塵電極13に食い込んでいるので、給電部材25と非集塵電極13とをお互いの電気的に確実に接続することができ、給電部材25と非集塵電極13との間の電気抵抗を小さくすることができ、非集塵電極13への給電(高電圧の印加)を的確に行うことができる。また、半導電性材料で構成された非集塵電極13においては、たとえば、成型のときにスキン層(絶縁層)が部分的に(たとえば表面に薄く)形成される場合があるが、給電部材25が非集塵電極13に食い込むことにより、たとえスキン層が存在していてもこのスキン層を通過して給電部材25が非集塵電極13に食い込むことになり、非集塵電極13への給電を的確に行うことができる。
【0056】
また、電気集塵機1によれば、給電部材25が電圧維持部材17に接触しており電圧維持部材17から電力の供給を受けている。すなわち、電圧維持部材17が、支持部材23を支持する役割と給電部材25へ電力を供給する役割とを兼ねており、集塵部5の構成の簡素化がはかられている。
【0057】
また、支持部材23を半導電性の材料で構成すれば、給電部材25の他に電圧維持部材17と支持部材23とを介して非集塵電極13に電圧を印加することができ、より均一に電圧を非集塵電極13に印加することができる。
【0058】
さらに、電気集塵機1によれば、電圧維持部材17が筐体21の幅方向の両側に設けられており、この箇所は、電気集塵機1の風(集塵のためのファン7による風)が流れる箇所(非集塵電極13と集塵電極15とが交互に設けられている部位)から外れたところなので、電圧維持部材17やその周辺の筐体21の表面には、空気中の塵埃がつきにくくなっている。したがって、塵埃の付着による電流のリークを防止することができる。
【0059】
また、上述したように非集塵電極13と集塵電極15とが配置されている(いわゆる櫛歯状に配置されている)ので、ファン7により発生する空気の通路(非集塵電極13と集塵電極15とが配置されている部位の通路)を大きくし、しかも抵抗(ファン7による風の流れに対する抵抗)が小さくなるようにすることが容易になっている。
【0060】
また、電気集塵機1によれば、支持部材23や各給電部材25、31が、各非集塵電極13や各集塵電極15の縁で各非集塵電極13や各集塵電極15に係合し各非集塵電極13や各集塵電極15を支持しているので、各非集塵電極13や各集塵電極15の組み立てが容易になっている。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施形態に係る電気集塵機1を概念的に示す図である。
【図2】荷電部3と集塵部5との概略構成を示す斜視図であって、集塵部5側から荷電部3と集塵部5とを見た図である。
【図3】荷電部3と集塵部5との概略構成を示す斜視図であって、荷電部3側から荷電部3と集塵部5とを見た図である。
【図4】図3において、荷電部3と集塵部5とを分離した状態を示す図である。
【図5】集塵部5の分解斜視図である。
【図6】非集塵電極13と集塵電極15とを組み付けた状態を示す図であって、板状の各非集塵電極13や板状の各集塵電極15の厚さ方向から非集塵電極13と集塵電極15とを見た図である。
【図7】図5に対応した図であって、非集塵電極13のみを組み付けた状態示す図である。
【図8】図5に対応した図であって、集塵電極15のみを組み付けた状態示す図である。
【図9】図6におけるIX−IX断面を示す図である。
【図10】図6におけるX−X断面を示す図である。
【図11】図6におけるXI−XI断面を示す図である。
【図12】電圧維持部材17の概略構成を示す図である。
【図13】電圧維持部材17の平面図(図13(a))および正面図(図13(b))である。
【図14】電気集塵機1の試験結果を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 電気集塵機
3 荷電部
5 集塵部
13 非集塵電極
15 集塵電極
17 電圧維持部材
19、21 筐体
23 支持部材
25 給電部材
31 接地部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気集塵機およびこの集塵部に係り、特に、非集塵電極が半導電性の材料で構成されているものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷電部と集塵部とを備えて構成された電気集塵機において、集塵部の高圧電極(非集塵電極)を半絶縁性物質(半導電性の材料)で構成し、集塵部の高圧電極とアース電極(金属で構成されたアース電極;集塵電極)との間で火花放電が発生することを防止しているものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
従来の電気集塵機は、電極を半絶縁性のものにすることで、高圧電極に高電圧を印加したときに高圧電極上で電界が局在するのを防ぎかつ高圧電極に過剰な電流が流れるのを防止し、高圧電極上での瞬時の電荷の移動を制限し、火花放電の発生を抑制している。
【0004】
そして、集塵されたゴミがアース電極に付着した場合であっても、高圧電極とアース電極との両方の電極を金属で構成した場合に比べて、火花放電が発生しにくくなっており、たとえば、アース電極の清掃間隔を長く(両方の電極を金属で構成した場合に比べて長く)することができるようになっている。
【特許文献1】特許第3516725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の電気集塵機では、高圧電極に+の高電圧を印加してアース電極で集塵を行うときに、アース電極で集塵されるべき塵埃が高圧電極の支持部材の表面にも僅かではあるが付着してしまうことがある。
【0006】
そして、たとえば半絶縁性の材料で構成された支持部材を介して高圧電極を電気集塵機の筐体で支持しているので、前記支持部材の表面に付着した塵埃を介して高圧電極から筐体に漏れるリーク電流が増えて、高圧電極の電圧が低下し、集塵の効率が低下する場合があるという問題がある。この問題は、支持部材を絶縁性物質で構成しても同様に発生する場合がある。また、上記問題は、集塵部の大型化に伴って、支持部材の個数が増えると一層顕著になる。
【0007】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、高圧電極を半導電性物質で構成し、この高圧電極を絶縁性物質もしくは半導電性物質で構成された支持部材で支持している構成の電気集塵機およびこの集塵部において、前記高圧電極からのリーク電流を極力小さくすることができる電気集塵機およびこの集塵部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、半導電性の材料で構成された非集塵電極と、導電性の材料で構成され集塵電極と、絶縁性の材料もしくは半導電性の材料で構成され、前記非集塵電極に接触して前記非集塵電極を支持する支持部材と、導電性の材料で構成され、前記支持部材に接触して前記支持部材を支持し、前記非集塵電極に印加される電圧と等しいか、もしくは、前記電圧よりも僅かに高いか、もしくは、前記電圧よりも低い電圧が印加される電圧維持部材と、導電性の材料で構成され、前記非集塵電極に給電する給電部材とを有する電気集塵機の集塵部である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電気集塵機の集塵部において、前記給電部材が、金属で構成されている電気集塵機の集塵部である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電気集塵機の集塵部において、前記給電部材は、前記電圧維持部材に接触しており前記電圧維持部材から電力の供給を受ける構成である電気集塵機の集塵部である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、絶縁性の材料で矩形な筒状に形成されていることにより、高さ方向で開口している筐体と、半導電性の材料で矩形な薄い板状に形成されている複数の非集塵電極と、導電性の材料で矩形な薄い板状に形成されている複数の集塵電極と、絶縁性の材料もしくは半導電性の材料で棒状に形成され、前記各非集塵電極を支持するためのスリットが長さ方向で所定の間隔をあけて複数設けられており、前記各スリットに前記各非集塵電極の部位を接触させて係合させることで、前記各非集塵電極がこの厚さ方向で所定の間隔をあけて並ぶように一体的に支持している支持部材と、導電性の素材によって棒状に形成され、前記各集塵電極を支持するためのスリットが長さ方向で所定の間隔をあけて複数設けられており、前記各スリットに前記各非集塵電極の部位を接触させて係合させることで、前記各非集塵電極に給電する給電部材と、導電性の材料で帯状に形成され、前記筐体の長手方向に延び前記筐体の幅方向の端部側であって前記筐体の内部で前記筐体に一体的に設けられ、前記各非集塵電極と前記支持部材と前記給電部材とが前記筐体の内側に入り、前記支持部材の長手方向の各端部と前記給電部材の各端部とに接触して前記支持部材と前記給電部材とが前記筐体と一体になるように、前記支持部材を支持している電圧維持部材と、導電性の素材によって棒状に形成され、前記各集塵電極を支持するためのスリットが長さ方向で所定の間隔をあけて複数設けられており、前記各スリットに前記各集塵電極の部位を接触させて係合させることで、前記各集塵電極がこの厚さ方向で所定の間隔をあけて並ぶように一体的に支持し前記各集塵電極に給電すると共に、前記各集塵電極が前記筐体の内側で前記各集塵電極が前記各非集塵電極から離れて前記各非集塵電極の間に交互に入り、前記各集塵電極が前記筐体と一体になるように、長手方向の各端部が前記筐体に一体的に支持されて前記筐体の内側に設けられている接地部材とを有する電気集塵機の集塵部である。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の集塵部と、前記集塵部で集塵するために空気中の塵埃に荷電する荷電部と、前記荷電部から前記集塵部に空気を流すためのファンとを有する電気集塵機である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高圧電極を半導電性物質で構成し、この高圧電極を絶縁性物質もしくは半導電性物質で構成された支持部材で支持している構成の電気集塵機およびこの集塵部において、前記高圧電極からのリーク電流を極力小さくすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る電気集塵機1を概念的に示す図である。
【0015】
電気集塵機(静電式集塵装置)1は、たとえば、エアコン用の集塵機として使用されるものであり、荷電部3と集塵部5とファン7とを備えて構成されている。
【0016】
荷電部3は、集塵部5で集塵するために空気中の塵埃(ほこり)Dに荷電するものであり、高電圧(たとえば+5kV)が印加されるイオン化線9と、このイオン化線9を挟むように配置された対向電極(アース電極)11とからなる。集塵部5は、高電圧(たとえば+3.5kV)が印加される非集塵電極(高圧電極;非集塵部材)13と、アース接続された集塵電極(アース電極;集塵部材)15とからなる。
【0017】
ファン7は、荷電部3から集塵部5に空気を流すためのものであり、ファン7により荷電部3や集塵部5の筐体(図1では図示せず)の内部に吸込された塵埃を含んだ空気が、矢印AR1で示すように、荷電部3を通り続いて集塵部5を通り、前記筐体の外部に排出されるようになっている。
【0018】
荷電部3では矢印AR3で示すようにコロナ放電がおこり、空気中の塵埃Dが+に帯電されるようになっている。また、集塵部5では、矢印AR5で示すような電気力線(もしくは単なる電位差)が生じ、帯電された塵埃Dが集塵電極15で捕獲されるようになっている。
【0019】
荷電部3と集塵部5とについて特に集塵部5についてより詳しく説明する。
【0020】
図2は、荷電部3と集塵部5との概略構成を示す斜視図であって、集塵部5側から荷電部3と集塵部5とを見た図である。図3は、荷電部3と集塵部5との概略構成を示す斜視図であって、荷電部3側から荷電部3と集塵部5とを見た図である。図4は、図3において、荷電部3と集塵部5とを分離した状態を示す図である。
【0021】
図5は、集塵部5の分解斜視図であり、図6は、非集塵電極13と集塵電極15とを組み付けた状態を示す図であって、板状の各非集塵電極13や板状の各集塵電極15の厚さ方向から非集塵電極13と集塵電極15とを見た図である。図7は、図5に対応した図であって、非集塵電極13のみを組み付けた状態示す図である。図8は、図5に対応した図であって、集塵電極15のみを組み付けた状態示す図である。
【0022】
図9は、図6におけるIX−IX断面を示す図であり、図10は、図6におけるX−X断面を示す図であり、図11は、図6におけるXI−XI断面を示す図である。図12は、電圧維持部材17の概略構成を示す図であり、図13は、電圧維持部材17の平面図(図13(a))および正面図(図13(b))である。
【0023】
なお、以下説明の便宜上、お互いに直交する各方向をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向という場合がある。
【0024】
荷電部3は、矩形な筒状の筐体(抵抗率が1013Ωcmよりも大きい絶縁性の材料で構成されている筐体)19内にイオン化線9と対向電極11とを一体的に備えて構成されており、集塵部5も、矩形な筒状の筐体(筐体19と同様にして絶縁性の材料で構成されている筐体)21内に非集塵電極13と集塵電極15とを一体的に備えて構成されている。図2や図3から理解されるように、荷電部3と集塵部5とは1つのカセットを構成しており、メンテナンス等のためにエアコンの本体等に対して容易に着脱自在になっている。また、図4から理解されるように、荷電部3と集塵部5とは容易に接合・分離することができるようになっている。
【0025】
非集塵電極13は、半導電性の材料(たとえば、半導電性樹脂であり、抵抗率(体積抵抗率)が1010Ωcm〜1013Ωcmである材料)で構成されており、筐体21に支持されている。集塵電極15は、導電性の材料(たとえば、アルミニウム等の金属)で構成されており、各非集塵電極13から所定の距離だけ離れて筐体21に支持されている。なお、非集塵電極13や集塵電極15は、互いに平行となるように複数設けられている。
【0026】
支持部材23は、絶縁性の材料もしくは半導電性の材料で構成されている。そして、各非集塵電極13が所定の間隔をあけて整列するように、支持部材23が非集塵電極13に接触し非集塵電極13を一体的に支持している。このとき、支持部材23は、絶縁性もしくは半導電性の材料で構成されていることから、集塵電極15との間で火花放電等の不具合が生じることはない。
【0027】
電圧維持部材17は、導電性の材料(たとえば、アルミニウム等の金属)で構成されている。そして、支持部材23と筐体21とに接触して、支持部材23と筐体21とを一体的に支持するようになっている。また、電圧維持部材17には、図示しない端子を介して、非集塵電極13に印加される電圧と略等しい電圧(例えば、非集塵電極13の電圧5kVに対し、電圧維持部材17の電圧が4kV以上、6kV以下)が印加されるようになっている。なお、電圧維持部材17に印加される電圧が、非集塵電極13に給電される電圧よりも高い(たとえば僅かに高い)か、もしくは、非集塵電極13に印加される電圧より低い電圧であってもよい。
【0028】
給電部材25は、導電性の材料で構成されているが、給電部材25の一部を非集塵電極13に食い込ませて接触面積を多くとるために、給電部材25を、たとえば、アルミニウム等の金属で構成することが望ましい。給電部材25は、支持部材23から離れて筐体21に一体的に設けられており、非集塵電極13の略両端に接触して非集塵電極13に給電する(高電圧を印加する)ようになっている。この構成により、各非集塵電極13には全体的に均一な電圧を印加することができる。また、給電部材25の両端は、電圧維持部材17に接触しており電圧維持部材17から電力の供給を受けるように構成されている。
【0029】
なお、図9や図11から理解されるように、電圧維持部材17は、支持部材23と筐体21との間に挟まれている。そして、支持部材23や給電部材25が、電圧維持部材17を介して筐体21に一体的に設けられている。また、給電部材25は、非集塵電極13の長さ方向(X軸方向)端部であって、集塵電極15から充分に離れた箇所に設けられている。
【0030】
ここで、集塵部5について例を掲げてさらに詳しく説明する。
【0031】
筐体21は、矩形な筒状に形成されていることにより、高さ方向(Z軸方向)で開口している。非集塵電極13は、矩形な薄い板状に形成されており複数枚設けられている。集塵電極15も、矩形な薄い板状に形成されており複数枚設けられている。
【0032】
支持部材23は、細長い棒状に形成されており、各非集塵電極13を支持するためのスリット27(図5参照)が長さ方向(Y軸方向)で所定の間隔をあけて複数設けられている。そして、各スリット27に各非集塵電極13の部位(各非集塵電極13の幅方向(Z軸方向)の端部の一部)を接触させて係合させることで、各非集塵電極13がこの厚さ方向(Y軸方向)で所定の間隔をあけて並ぶように一体的に支持している。
【0033】
なお、支持部材23は複数設けられており、たとえば、非集塵電極13の幅方向の一端部(図5の上側の端部)側に2つ、非集塵電極13の幅方向の他端部(図5の下側の端部)側に3つ設けられている。5つの支持部材23で支持されている非集塵電極13をこの厚さ方向(Y軸方向)から見ると、図7で示すようにお互いが厚さ方向に重なっており、略細長い矩形状を呈している。
【0034】
また、支持部材23は、非集塵電極13の厚さ方向(各非集塵電極13が並んでいる方向)に長く延びている。さらに、各支持部材23は、図7に示すように、非集塵電極13の長手方向では所定の間隔をあけて非集塵電極13の幅方向では一端部側と他端部側とに一定の間隔で交互に設けられている。
【0035】
給電部材25は、導電性の材料(たとえば、アルミニウム等の金属)の薄い板状の素材を曲げる(折り曲げだけでなく、溶接等も含む)ことによって細長い棒状に形成されている。また、給電部材25には、各非集塵電極13を支持するためのスリット29(図5参照)が長さ方向で所定の間隔をあけて複数設けられている。そして、各スリット29に各非集塵電極13の部位(各非集塵電極13の長手方向(X軸方向)の端部)を接触させて係合させることで、各非集塵電極13をこの厚さ方向(Y軸方向)で所定の間隔をあけて一体的に支持していると共に、各非集塵電極13に給電するようになっている。なお、スリット29は、給電部材25を構成する素材の厚さ方向に貫通している。そして、スリット29の縁には、先端が鋭角となるようなエッジ部が形成されており、非集塵電極13を僅かに削って非集塵電極13に食い込むようになっている。
【0036】
電圧維持部材17は、導電性の材料(たとえば、アルミニウム等の金属)で細長い帯状(図12や図13では枝分かれしている。)に形成されている。そして、筐体21の長手方向(X軸方向)に延び筐体21の幅方向(Y軸方向)の端部側であって筐体21の内部で、筐体21に一体的に設けられている。また、支持部材23の長手方向(Y軸方向)の各端部(両端部)と給電部材25の各端部(両端部)とに接触して、支持部材23と給電部材25と各非集塵電極13とが筐体21と一体になるように、支持部材23と給電部材25とを支持している。
【0037】
このように支持している状態では、各非集塵電極13の長手方向(X軸方向)と筐体21の長手方向とがお互いに一致し、各非集塵電極13の厚さ方向(Y軸方向;各非集塵電極13が並んでいる方向)と筐体21の幅方向とがお互いに一致し、各非集塵電極13の幅方向(Z軸方向)と筐体21の高さ方向とがお互いに一致し、支持部材23の長手方向(Y軸方向)と筐体21の幅方向とがお互いに一致し、給電部材25の長手方向(Y軸方向)と筐体21の幅方向とがお互いに一致している。また、各非集塵電極13と支持部材23と給電部材25とが筐体21の内側に入っている。
【0038】
なお、支持部材23、給電部材25は、電圧維持部材17(たとえば電圧維持部材17の長手方向の端部)の一部を間に挟んだ形態で、たとえばボルト等の締結具により、筐体21に一体的に設けられている。
【0039】
接地部材31は、導電性の材料(たとえば、アルミニウム等の金属)の薄い板状の素材を曲げる(折り曲げだけでなく、溶接等も含む)ことによって細長い棒状に形成されている。また、接地部材31には、各集塵電極15を支持するためのスリット33(図5参照)が長さ方向(Y軸方向)で所定の間隔をあけて複数設けられており、各スリット33に各集塵電極15の部位(各集塵電極15の長手方向(X軸方向)の端部、各集塵電極15の長手方向の中間部であって幅方向(Z軸方向)の端部)を接触させて係合させることで、各集塵電極15がこの厚さ方向(Y軸方向)で所定の間隔をあけて並ぶように一体的に支持し各集塵電極15が接地電位となるようになっている。
【0040】
このように支持している状態では、各集塵電極15の長手方向(X軸方向)と筐体21の長手方向とがお互いに一致し、各集塵電極15の厚さ方向(Y軸方向;各集塵電極15が並んでいる方向)と筐体21の幅方向とがお互いに一致し、各集塵電極15の幅方向(Z軸方向)と筐体21の高さ方向とがお互いに一致している。また、接地部材31と各集塵電極15とが筐体21の内側で、各集塵電極15が各非集塵電極13から一定の間隔をおいて各非集塵電極13の間に交互に入り込んでいる。さらに、各集塵電極15が筐体21と一体になるように、接地部材31の長手方向(Y軸方向)の各端部が筐体21に、たとえばボルト等の締結具により、一体的に支持されている。接地部材31には、図示しない端子等を介して、給電されるようになっている。
【0041】
なお、接地部材31は、すでに理解されるように、各集塵電極15を接地電位とする役割と各集塵電極15を支持する役割とを兼ねている。そして、図5等から理解できるように、支持部材23や給電部材25と同様に複数設けられている。また、接地部材31で支持された状態で非集塵電極13をこの厚さ方向(Y軸方向)から見ると、図6や図8で示すように、お互いが厚さ方向に重なっており略細長い矩形状を呈している。さらに、非集塵電極13や集塵電極15には、支持部材23や接地部材31との干渉を避けるために切り欠き35が設けられている。
【0042】
また、給電部材25は、絶縁性の材料で構成されたカバー部材37で覆われており、筐体21の外部には露出しないようになっている。
【0043】
ここで、非集塵電極13や支持部材23を構成する半導電性樹脂について例を掲げて説明する。
【0044】
半導電性樹脂として、たとえば、特許第3516725号公報に示されているものを使用することができる。
【0045】
すなわち、熱可塑性樹脂のような樹脂基材に吸水性樹脂を添加し、ブレンドすることにより吸湿性を付与した樹脂を用いることができる。このような樹脂は、樹脂中に配合された吸水性樹脂により吸収された水分によって半絶縁性を示すものであり、吸水性樹脂の配合量を調製することによって、樹脂の体積固有抵抗値を1010〜1013Ωcmのオーダーの範囲となるように自由に調製できるため好ましい樹脂である。一般に、配合量は樹脂の種類により異なるが、5〜50重量%である。
【0046】
樹脂基材としては、例えば、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂のような熱可塑性樹脂があり、特に、ABS樹脂を基材として用いると成形性、難燃性、耐熱性、耐衝撃性の優れたものが得られ、また、製造コストの面でも安価となる。また、樹脂自体が吸湿性を有している樹脂基材としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂などがあげられる。また、このような熱硬化性樹脂の例として、なかでもフェノール樹脂を基材として用いた場合には、所望の抵抗値が得られ易く好ましい結果が得られる。
【0047】
一方、混合する吸水性樹脂としては、アクリル酸塩系、ポバール系、ポリアミド系などがあり、吸水能、抵抗値の持続性および基材樹脂との相溶性などを考慮して選択される。なお、このような吸湿性樹脂としては、例えば、マクスロイ(商品名;JSR社製;登録商標)、スミライト(商品名;住友ベークライト社製;登録商標)などの市販品を使用することができる。
【0048】
このようにして調製された吸湿性樹脂は、例えば、ABSを樹脂基材として、吸水性樹脂を添加した樹脂の場合には、十分乾燥した樹脂プレート(厚さ2mm)を、温度70℃、湿度65%の恒温恒湿槽内に48時間静置した後の吸湿量は乾燥樹脂に対して0.7〜1.5重量%であり、このとき通常雰囲気に戻し一定時間(48時間以上)放置した後の樹脂の体積固有抵抗値は1010〜1013Ωcmのオーダーを示した。また、同様に、フェノール樹脂の場合は、体積固有抵抗値は1010〜1013Ωcmのオーダーであった。
【0049】
さらに、非集塵電極13や支持部材23を構成する半導電性樹脂として、基材となる樹脂(絶縁性の樹脂)にカーボンブラック、カーボンファイバー、導電性または半導電性ウィスカー、ステンレス繊維などの導電材を適量配合したものを使用してもよい。
【0050】
次に、電圧維持部材17を設けたものと、設けていないもの(支持部材23を筐体21で直接支持しているもの)との試験結果について、図14を用いて説明する。
【0051】
図14の上側に示されている表中の「高圧連結板」は、電圧維持部材17を示しており、グラフG1は、電圧維持部材17を設けてこれに高電圧を印加したときの捕集率の変化を示し、グラフG3は、電圧維持部材17を設けていないときの捕集率の変化を示している。また、図14中の「1サイクル」は、タバコ300本相当の煙に対して電気集塵機1を稼動したものである。
【0052】
図14から理解されるように、電圧維持部材17を設けたもののほうが、電気集塵機1の稼動時間が増えても捕集効率の低下の度合いが小さくなっている。
【0053】
電気集塵機1によれば、非集塵電極13に給電される電圧と等しい電圧が印加されている電圧維持部材17を筐体21と支持部材23との間に設けてあるので、支持部材23の電位が非集塵電極13の電位とほぼ等しくなっている。すなわち、支持部材23の電位が維持され非集塵電極13に対する支持部材23の電位の低下がほとんど無くなっている。したがって、電気集塵機1の長時間の使用により支持部材23の表面に塵埃が付着しても、この付着した塵埃の表面を通って電流のリークが発生することを防止することができ、非集塵電極(高圧電極)13からのリーク電流を極力小さくすることができる。また、非集塵電極13が半導電性の材料で構成されているので、上記従来の電気集塵機と同様に、火花放電の発生を抑制することができる。
【0054】
さらに、集塵量を増やすべく非集塵電極13や集塵電極15を大型化して、特に非集塵電極13を支持するための支持部材23の数量を多くしても、非集塵電極13からのリーク電流を極力小さくすることができる。
【0055】
また、電気集塵機1によれば、給電部材25が金属で構成されており樹脂で構成された非集塵電極13に食い込んでいるので、給電部材25と非集塵電極13とをお互いの電気的に確実に接続することができ、給電部材25と非集塵電極13との間の電気抵抗を小さくすることができ、非集塵電極13への給電(高電圧の印加)を的確に行うことができる。また、半導電性材料で構成された非集塵電極13においては、たとえば、成型のときにスキン層(絶縁層)が部分的に(たとえば表面に薄く)形成される場合があるが、給電部材25が非集塵電極13に食い込むことにより、たとえスキン層が存在していてもこのスキン層を通過して給電部材25が非集塵電極13に食い込むことになり、非集塵電極13への給電を的確に行うことができる。
【0056】
また、電気集塵機1によれば、給電部材25が電圧維持部材17に接触しており電圧維持部材17から電力の供給を受けている。すなわち、電圧維持部材17が、支持部材23を支持する役割と給電部材25へ電力を供給する役割とを兼ねており、集塵部5の構成の簡素化がはかられている。
【0057】
また、支持部材23を半導電性の材料で構成すれば、給電部材25の他に電圧維持部材17と支持部材23とを介して非集塵電極13に電圧を印加することができ、より均一に電圧を非集塵電極13に印加することができる。
【0058】
さらに、電気集塵機1によれば、電圧維持部材17が筐体21の幅方向の両側に設けられており、この箇所は、電気集塵機1の風(集塵のためのファン7による風)が流れる箇所(非集塵電極13と集塵電極15とが交互に設けられている部位)から外れたところなので、電圧維持部材17やその周辺の筐体21の表面には、空気中の塵埃がつきにくくなっている。したがって、塵埃の付着による電流のリークを防止することができる。
【0059】
また、上述したように非集塵電極13と集塵電極15とが配置されている(いわゆる櫛歯状に配置されている)ので、ファン7により発生する空気の通路(非集塵電極13と集塵電極15とが配置されている部位の通路)を大きくし、しかも抵抗(ファン7による風の流れに対する抵抗)が小さくなるようにすることが容易になっている。
【0060】
また、電気集塵機1によれば、支持部材23や各給電部材25、31が、各非集塵電極13や各集塵電極15の縁で各非集塵電極13や各集塵電極15に係合し各非集塵電極13や各集塵電極15を支持しているので、各非集塵電極13や各集塵電極15の組み立てが容易になっている。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施形態に係る電気集塵機1を概念的に示す図である。
【図2】荷電部3と集塵部5との概略構成を示す斜視図であって、集塵部5側から荷電部3と集塵部5とを見た図である。
【図3】荷電部3と集塵部5との概略構成を示す斜視図であって、荷電部3側から荷電部3と集塵部5とを見た図である。
【図4】図3において、荷電部3と集塵部5とを分離した状態を示す図である。
【図5】集塵部5の分解斜視図である。
【図6】非集塵電極13と集塵電極15とを組み付けた状態を示す図であって、板状の各非集塵電極13や板状の各集塵電極15の厚さ方向から非集塵電極13と集塵電極15とを見た図である。
【図7】図5に対応した図であって、非集塵電極13のみを組み付けた状態示す図である。
【図8】図5に対応した図であって、集塵電極15のみを組み付けた状態示す図である。
【図9】図6におけるIX−IX断面を示す図である。
【図10】図6におけるX−X断面を示す図である。
【図11】図6におけるXI−XI断面を示す図である。
【図12】電圧維持部材17の概略構成を示す図である。
【図13】電圧維持部材17の平面図(図13(a))および正面図(図13(b))である。
【図14】電気集塵機1の試験結果を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 電気集塵機
3 荷電部
5 集塵部
13 非集塵電極
15 集塵電極
17 電圧維持部材
19、21 筐体
23 支持部材
25 給電部材
31 接地部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導電性の材料で構成された非集塵電極と;
導電性の材料で構成された集塵電極と;
絶縁性の材料もしくは半導電性の材料で構成され、前記非集塵電極に接触して前記非集塵電極を支持する支持部材と;
導電性の材料で構成され、前記支持部材に接触して前記支持部材を支持し、前記非集塵電極に印加される電圧と等しいか、もしくは略等しい電圧が印加される電圧維持部材と;
導電性の材料で構成され、前記非集塵電極に給電する給電部材と;
を有することを特徴とする電気集塵機の集塵部。
【請求項2】
請求項1に記載の電気集塵機の集塵部において、
前記給電部材が、金属で構成されていることを特徴とする電気集塵機の集塵部。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電気集塵機の集塵部において、
前記給電部材は、前記電圧維持部材に接触しており前記電圧維持部材から電力の供給を受ける構成であることを特徴とする電気集塵機の集塵部。
【請求項4】
絶縁性の材料で矩形な筒状に形成されていることにより、高さ方向で開口している筐体と;
半導電性の材料で矩形な薄い板状に形成されている複数の非集塵電極と;
導電性の材料で矩形な薄い板状に形成されている複数の集塵電極と;
絶縁性の材料もしくは半導電性の材料で棒状に形成され、前記各非集塵電極を支持するためのスリットが長さ方向で所定の間隔をあけて複数設けられており、前記各スリットに前記各非集塵電極の部位を接触させて係合させることで、前記各非集塵電極がこの厚さ方向で所定の間隔をあけて並ぶように一体的に支持している支持部材と;
導電性の素材によって棒状に形成され、前記各集塵電極を支持するためのスリットが長さ方向で所定の間隔をあけて複数設けられており、前記各スリットに前記各非集塵電極の部位を接触させて係合させることで、前記各非集塵電極に給電する給電部材と;
導電性の材料で帯状に形成され、前記筐体の長手方向に延び前記筐体の幅方向の端部側であって前記筐体の内部で前記筐体に一体的に設けられ、前記各非集塵電極と前記支持部材と前記給電部材とが前記筐体の内側に入り、前記支持部材の長手方向の各端部と前記給電部材の各端部とに接触して前記支持部材と前記給電部材とが前記筐体と一体になるように、前記支持部材を支持している電圧維持部材と;
導電性の素材によって棒状に形成され、前記各集塵電極を支持するためのスリットが長さ方向で所定の間隔をあけて複数設けられており、前記各スリットに前記各集塵電極の部位を接触させて係合させることで、前記各集塵電極がこの厚さ方向で所定の間隔をあけて並ぶように一体的に支持し前記各集塵電極に給電すると共に、前記各集塵電極が前記筐体の内側で前記各集塵電極が前記各非集塵電極から離れて前記各非集塵電極の間に交互に入り、前記各集塵電極が前記筐体と一体になるように、長手方向の各端部が前記筐体に一体的に支持されて前記筐体の内側に設けられている接地部材と;
を有することを特徴とする電気集塵機の集塵部。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の集塵部と;
前記集塵部で集塵するために空気中の塵埃に荷電する荷電部と;
前記荷電部から前記集塵部に空気を流すためのファンと;
を有することを特徴とする電気集塵機。
【請求項1】
半導電性の材料で構成された非集塵電極と;
導電性の材料で構成された集塵電極と;
絶縁性の材料もしくは半導電性の材料で構成され、前記非集塵電極に接触して前記非集塵電極を支持する支持部材と;
導電性の材料で構成され、前記支持部材に接触して前記支持部材を支持し、前記非集塵電極に印加される電圧と等しいか、もしくは略等しい電圧が印加される電圧維持部材と;
導電性の材料で構成され、前記非集塵電極に給電する給電部材と;
を有することを特徴とする電気集塵機の集塵部。
【請求項2】
請求項1に記載の電気集塵機の集塵部において、
前記給電部材が、金属で構成されていることを特徴とする電気集塵機の集塵部。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電気集塵機の集塵部において、
前記給電部材は、前記電圧維持部材に接触しており前記電圧維持部材から電力の供給を受ける構成であることを特徴とする電気集塵機の集塵部。
【請求項4】
絶縁性の材料で矩形な筒状に形成されていることにより、高さ方向で開口している筐体と;
半導電性の材料で矩形な薄い板状に形成されている複数の非集塵電極と;
導電性の材料で矩形な薄い板状に形成されている複数の集塵電極と;
絶縁性の材料もしくは半導電性の材料で棒状に形成され、前記各非集塵電極を支持するためのスリットが長さ方向で所定の間隔をあけて複数設けられており、前記各スリットに前記各非集塵電極の部位を接触させて係合させることで、前記各非集塵電極がこの厚さ方向で所定の間隔をあけて並ぶように一体的に支持している支持部材と;
導電性の素材によって棒状に形成され、前記各集塵電極を支持するためのスリットが長さ方向で所定の間隔をあけて複数設けられており、前記各スリットに前記各非集塵電極の部位を接触させて係合させることで、前記各非集塵電極に給電する給電部材と;
導電性の材料で帯状に形成され、前記筐体の長手方向に延び前記筐体の幅方向の端部側であって前記筐体の内部で前記筐体に一体的に設けられ、前記各非集塵電極と前記支持部材と前記給電部材とが前記筐体の内側に入り、前記支持部材の長手方向の各端部と前記給電部材の各端部とに接触して前記支持部材と前記給電部材とが前記筐体と一体になるように、前記支持部材を支持している電圧維持部材と;
導電性の素材によって棒状に形成され、前記各集塵電極を支持するためのスリットが長さ方向で所定の間隔をあけて複数設けられており、前記各スリットに前記各集塵電極の部位を接触させて係合させることで、前記各集塵電極がこの厚さ方向で所定の間隔をあけて並ぶように一体的に支持し前記各集塵電極に給電すると共に、前記各集塵電極が前記筐体の内側で前記各集塵電極が前記各非集塵電極から離れて前記各非集塵電極の間に交互に入り、前記各集塵電極が前記筐体と一体になるように、長手方向の各端部が前記筐体に一体的に支持されて前記筐体の内側に設けられている接地部材と;
を有することを特徴とする電気集塵機の集塵部。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の集塵部と;
前記集塵部で集塵するために空気中の塵埃に荷電する荷電部と;
前記荷電部から前記集塵部に空気を流すためのファンと;
を有することを特徴とする電気集塵機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−95799(P2009−95799A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271443(P2007−271443)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(391009372)ミドリ安全株式会社 (201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(391009372)ミドリ安全株式会社 (201)
【Fターム(参考)】
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