説明

電気音響変換装置

【課題】スピーカ機能とレシーバ機能とを有し、且つ低音を増強することができる小型軽量の電気音響変換装置を提供する。
【解決手段】電気信号を音響に変換する電気音響変換器10と、電気音響変換器10を収納するとともに、電気音響変換器10の発音側に音響的につながる第1容積空間部31、および発音側と反対側に音響的につながる第2容積空間部32を形成する筐体20とを有し、筐体20には、第1容積空間部31をスピーカ機能側外部空間Aへ連通させて、電気音響変換器10をスピーカとして機能させる第1放音孔22aと、第1容積空間部31をスピーカ機能側外部空間Aと反対側のレシーバ機能側外部空間Bへ連通させて、電気音響変換器10をレシーバとして機能させる第2放音孔24aとが形成されているとともに、第2容積空間部32を外部空間へ連通させる所定長さのポート30が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換器とこれを収納する筐体とから構成される電気音響変換装置に関するものであり、特に筐体に形成された音響通路構造によりレシーバとスピーカとを兼ねるものとした電気音響変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話機は、着信音を発生させるスピーカと音声信号を再生させるレシーバとを必要とし、スピーカを電話機本体の外側に向けて、レシーバを電話機本体の内側(表示面および操作部を有する面)に向けてそれぞれ独立して設けている。
【0003】
このような構造の携帯電話機は、着信音用スピーカと受話用レシーバが個々に設置されているため、小型・軽量化が望まれるなかで障害となっており改善が求められている。これに対して、従来、移動通信端末機の体積と重量とを軽減し、小型軽量化を図るために、一側から所定の大きさの呼出音を出力するスピーカ部と、他側から所定の大きさの音響を出力するレシーバ部と、これらスピーカ部とレシーバ部を対称的に収容するフレームと、フレームに連結され、電気的な信号が印加されるターミナルとを一体にしたレシーバが結合されたスピーカシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−58094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のスピーカシステムは、フレームの中央部に配置されるダブルヨークの両面に上部ヨークと下部ヨークとを対称的に形成し、各ヨーク内にそれぞれ永久磁石からなるマグネット、ポールピースからなる磁気回路と、ボイスコイルおよび振動板とを配置したものである。つまり、したがって、従来個々に必要としたフレームを一つにした点においては、多少の小型化、軽量化を図ることができるものの、実質的には2つの磁気回路と2つのダイヤフラムを必要とするもので、小型化乃至軽量化の観点からは必ずしも十分なものではない。
【0006】
一方、従来、携帯電話機等に搭載するスピーカシステムにおいては、小型化を図るためにスピーカの発音側と反対側に音響的につながる容積空間部(スピーカ背面側容積空間)を犠牲にして、この空間を小さなものとしている。そのため、低域レスポンスが伸びないといった問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、一つの電気音響変換器とこれを収納する筐体とからなる構成にてスピーカ機能とレシーバ機能とを実現し、これによりコストダウンを図るとともに、電気音響変換器の発音側と反対側に音響的につながる容積空間部(スピーカ背面側容積空間)にポートを設けることにより、低音を増強することができるようにした電気音響変換装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明の請求項1の電気音響変換装置は、電気信号を音響に変換する電気音響変換器と、電気音響変換器を収納するとともに、電気音響変換器の発音側に音響的につながる第1容積空間部、および電気音響変換器の発音側と反対側に音響的につながる第2容積空間部を形成する筐体とを有し、この筐体には、第1容積空間部をスピーカ機能側外部空間へ連通させて、電気音響変換器をスピーカとして機能させる第1放音孔と、第1容積空間部をスピーカ機能側外部空間と反対側のレシーバ機能側外部空間へ連通させて、電気音響変換器をレシーバとして機能させる第2放音孔とが形成されているとともに、第2容積空間部を外部空間へ連通させる所定長さのポートが設けられていることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明にかかる電気音響変換装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。以下では、本発明の電気音響変換装置の概略と特徴を実施の形態として説明し、その後に電気音響変換装置に関する実施例を説明する。
【0010】
[実施の形態1]
図1は本発明にかかる実施の形態1の電気音響変換装置の横断面図である。図1において、電気音響変換装置40は、電気信号を音響に変換する電気音響変換器10とこれを収納する筐体20とを有している。筐体20は、電気音響変換器10の周囲に第1容積空間部31と第2容積空間部32の2つの容積空間部を形成している。第1容積空間部31は、電気音響変換器10の発音側に音響的につながって形成されている。一方、第2容積空間部32は、電気音響変換器10の発音側と反対側に音響的につながって形成されている。そして、第1容積空間部31は、筐体20に形成された第1放音孔22aによって、装置の一側の空間であるスピーカ機能側外部空間Aと連通しているとともに、筐体20の反対側に形成された第2放音孔24aによって、装置の反対側の空間であるレシーバ機能側外部空間Bと連通している。この構成により、電気音響変換器10の発音側から発せられた音響が第1放音孔22aから放出され、電気音響変換器10がスピーカとして機能するとともに、同じく電気音響変換器10の発音側から発せられた音響が第2放音孔24aから放出され、電気音響変換器10がレシーバとして機能する。これにより、一つの電気音響変換器10とこれを収納する筐体20という簡素な構成にて、一つの電気音響変換器10にて、互いに反対側を向くスピーカ機能とレシーバ機能とを実現することができ、コストダウンを図ることができる。
【0011】
一方、電気音響変換器10の発音側と反対側に音響的につながる第2容積空間部32は、筐体20に設けられた所定長さの円筒状のポート30を介して外部空間に連通している。円筒状のポート30は、このポート30から放射される音響の位相が電気音響変換器10の発音側から放射される音響の位相に対して反転して同位相となるように設計されている。この構成により、第2容積空間部32の容積を増やすことなく低域レスポンスを伸ばすことができるので、装置の小型化を図ると共に低音の増強をすることができる。
【0012】
また、電気音響変換器10の発音方向は、スピーカ機能側外部空間A側に向けられている。この構成により、電気音響変換器10から発せられた音響は、そのまま直進することによってスピーカ機能側外部空間Aに発せられる。これにより、装置がスピーカとして働く際に容易な構成で発生音量を大きくすることができる。
【0013】
さらに、ポート30は、電気音響変換器10の中心軸線方向と直交する方向に延設されている。この構成により、所定の長さを必要とするポート30が、電気音響変換器10の中心軸線方向と直交する方向を向いているので、装置40の中心軸線方向の大きさ、つまり装置40の厚さを小さなものとすることができる。
【0014】
さらにまた、第1容積空間部31のうち、第1放音孔22aへ向かう通路31aの放音方向に直交する横断面積は、第2放音孔24aへ向かう通路31bの放音方向に直交する横断面積より広くされている。この構成により、装置がスピーカとして働く際に発生音量を大きくし、装置がレシーバとして働く際に発生音量を小さくすることを容易に実現することができる。
【0015】
また、第1放音孔22aおよび第2放音孔24aは、筐体20に形成された複数の貫通孔で形成されている。この構成により、穿孔するという容易な方法により放音孔を形成することができるとともに、放音孔より大きな異物の侵入を防ぐことができる。
【0016】
さらに、第1放音孔22aの貫通孔の数は、第2放音孔24aの貫通孔の数よりも多くされている。この構成により、装置がスピーカとして働く際に発生音量を大きくし、装置がレシーバとして働く際に発生音量を小さくする構造を容易に実現することができる。
【実施例】
【0017】
図2は本発明の実施例の電気音響変換装置の一部を断面とする側面図である。図2においては、筐体20の全部と電気音響変換器10の一部分が断面とされている。電気音響変換装置50は、図示しない携帯電話機に実装させる電気音響変換装置50である。
【0018】
電気音響変換装置50は、前面側のスピーカ機能側外部空間Aに矢印aで示すように音を放出してスピーカとして機能するとともに、背面側のレシーバ機能側外部空間Bに矢印bで示すように音を放出してレシーバとして機能する。そして、電気音響変換装置50の内部には、電気音響変換器10が発音側である前面をスピーカ機能側外部空間A方向に向けるようにして内蔵されている(なお、本実施例は電気音響変換器10の発音方向を前面として説明するが、電気音響変換装置50の方向は、これに限定されるものではない)。
【0019】
電気音響変換装置50は、電気音響変換器10と、この電気音響変換器10を収納する筐体20と、電気音響変換器10の背面に形成される背面容積空間部32(第2容積空間部)に連通するポート30とを含んでいる。
【0020】
筐体20は、前面支持板21、前面側筐体22、背面側筐体23および背面支持板24とから構成されている。すなわち、携帯電話機の前面ケーシングの一部が延びて形成され、電気音響変換器10の前面を支持する前面支持板21と、前面支持板21のさらに前方に配置され、概略断面凹形をなし電気音響変換器10の前面を覆うように設けられ、前面支持板21と協同して第1容積空間部である前面容積空間部31を形成する前面側筐体22と、概略断面凹形をなし電気音響変換器10の背後を覆うように設けられ、電気音響変換器10の背面に第2容積空間部である背面容積空間部32を形成する背面側筐体23と、携帯電話機の後面ケーシングの一部が延びて形成され背面側筐体23を介して電気音響変換器10を支持する背面支持板24とから構成されている。
【0021】
電気音響変換器10は、カバー15側から発音する。電気音響変換器10の構造に関しては、後述する。電気音響変換器10は、カバー15の外周部を前面支持板21に固定されて前面支持板21から支持されている。前面支持板21には電気音響変換器10の出す音を通過させるように複数の貫通孔21aが設けられている。前面容積空間部31は、貫通孔21aを介して電気音響変換器10の前面に音響的につながっている。前面側筐体22の貫通孔21aと対向する部分に、複数の貫通孔でなる第1放音孔22aが形成されている。前面容積空間部31は、前面支持板21と前面側筐体22との間に形成された平板状の空間とこの空間の一端から背面側筐体23の外側面に沿って細く延びる棒状の空間から構成されている。そして、この棒状の空間が達した部分の背面支持板24の部分に、複数の貫通孔でなる第2放音孔24aが形成されている。前面容積空間部31のうち、第1放音孔22aへ向かう通路31aの放音方向に直交する横断面積は、第2放音孔24aへ向かう通路31bの放音方向に直交する横断面積より広くされている。
【0022】
背面側筐体23は、概略断面凹形をなし電気音響変換器10の背後に背面容積空間部32を形成している。背面側筐体23の側部に円筒状のポート30が接続されている。ポート30は、前面支持板21を介して前面側筐体22と背面側筐体23とに挟まれて設けられている。ポート30は前面支持板21に沿って外方に延び、全長にわたって長手方向外側面を前面支持板21に固着されている。
【0023】
背面側筐体23には、電気音響変換器10から延びる電極10aを、導電対部品25を介して、背面支持板24に形成された図示しない回路パターンに接続するための貫通穴27が設けられている。貫通穴27は、導電対部品25の周囲に充填された樹脂によって密閉されている。
【0024】
図3は本実施例の電気音響変換器10の断面図である。図3において、電気音響変換器10は、ドーム型の振動板9を有する内磁型の電気音響変換器である。電気音響変換器10は、まず、概略厚肉リング板状のフレーム主体1を有している。このリング板状のフレーム主体1には、電気音響変換器10の中心軸線C方向に貫通する複数の貫通孔1aが周方向に等間隔に穿孔されている。また、フレーム主体1の中央に形成された大円形穴は、ヨーク装着部1bとされている。
【0025】
このヨーク装着部1bには、磁性材料で作製された概略椀状のヨーク3が固定されている。このヨーク3の内底部中央に永久磁石でなる短尺円柱状のマグネット5が固定されている。マグネット5のヨーク3と反対側の主面には、マグネット5の外径より若干大きな外径を有する円板状のトッププレート7が固定されている。ヨーク3、マグネット5およびトッププレート7は、磁気回路Dを形成し、この磁気回路Dは、ヨーク3の上部内周面とのトッププレート7の外周面との間に磁気ギャップGを形成している。
【0026】
トッププレート7のマグネット5と反対側に所定の空隙を空けて、ドーム型の振動板9が配置されている。振動板9は、エッジ11を介してフレーム主体1の外周縁部1cから支持されている。振動板9の裏面に概略円筒状のボイスコイル13が設けられている。ボイスコイル13は、片側端部を振動板9の裏面に連結され、巻線部が磁気ギャップG内に位置するように配設されている。振動板9の前面が前面容積空間部31に音響的に接している。また、振動板9の背面、特にエッジ11の背面が貫通孔1aを介して背面容積空間部32に音響的に接している。
【0027】
電気音響変換器10は、椀状のヨーク3の内底面上にマグネット5を固着したのち、このマグネット5の主面上にトッププレート7を固着して磁気回路Dを形成し、この磁気回路を構成するヨーク3の外周部をフレーム主体1に形成されたヨーク装着部1bに固着し、あらかじめ裏面部にボイスコイル13の先端部を固着した振動板9を、所定の冶具を使用してボイスコイル13が磁気ギャップG内に正確に保持されるように維持しながら、外周縁に貼着されたエッジ11の外周部をフレーム主体1の外周縁部1cに接着固定する。
【0028】
しかるのち、フレーム主体1の前面開口部に、放音孔15aが形成されたカバー15を装着して電気音響変換器10が完成する。このようにして作製された電気音響変換器10が、筐体20に収納された後、図示しない携帯電話機に取り付けられる。
【0029】
図4は本実施例の電気音響変換装置50の周波数特性を従来のポート30が設けられていないものと比較して示すグラフである。縦軸は音圧レベルを示し、横軸は周波数を示している。グラフ中、実線はポート30が設けられた本実施例の電気音響変換装置50の周波数特性を示し、点線はポートが設けられておらず、その他はすべて同じ形状の電気音響変換装置の周波数特性を示している。グラフ中、矢印にて指し示す部分から判るように、本実施例の電気音響変換装置50は、650kHz以下の領域でレスポンスが向上していることが判る。
【0030】
このように構成された電気音響変換装置50は、一つの電気音響変換器10とこれを収納する筐体20という簡素な構成にて、一つの電気音響変換器10にて、互いに反対側を向くスピーカ機能とレシーバ機能とを実現することができ、コストダウンを図ることができる。
【0031】
また、電気音響変換器10の発音側と反対側に音響的につながる背面容積空間部32は、筐体20に設けられた所定長さの円筒状のポート30を介して外部空間に連通している。そのため、背面容積空間部32の容積を増やすことなく低域レスポンスを伸ばすことができるので、装置50の小型化を図ると共に低音の増強をすることができる。
【0032】
さらに、筐体20は、電気音響変換器10の発音側を覆う前面側筐体22と電気音響変換器10の発音と反対側を覆う背面側筐体23とに分割されている。そのため、電気音響変換器10を筐体20の内部に容易に収納することができるとともに、前面容積空間部31と背面容積空間部32とを容易に形成することができる。さらにまた、ポート30は、前面側筐体22と背面側筐体23とに挟まれて設けられているので、ポート30を背面容積空間部32に容易に接続することができる。
【0033】
また、電気音響変換器10の発音方向は、スピーカ機能側外部空間A側に向けられている。この構成により、電気音響変換器10から発せられた音響は、そのまま直進してスピーカ機能側外部空間Aに発せられる。これにより、装置がスピーカとして働く際に容易な構成で発生音量を大きくすることができる。
【0034】
さらに、ポート30は、電気音響変換器10の中心軸線C方向と直交する方向に延設されているので、装置50の中心軸線C方向の大きさ、つまり装置50の厚さを小さなものとすることができる。
【0035】
さらにまた、電気音響変換器10においては、ドーム型の振動板9が1枚のみ搭載された電気音響変換器である。この構成により、さらにコストダウンを図ることができる。また、振動板9がドーム型であるので、装置50の中心軸線C方向の大きさをさらに小さなものとすることができる。さらに、電気音響変換器10が、内磁型であるので、コストダウンを図ることができる。
【0036】
さらにまた、前面容積空間部31のうち、第1放音孔22aへ向かう通路31aの放音方向に直交する横断面積は、第2放音孔24aへ向かう通路31bの放音方向に直交する横断面積より広くされている。この構成により、装置がスピーカとして働く際に発生音量を大きくし、装置がレシーバとして働く際に発生音量を小さくする構造を容易に実現することができる。
【0037】
また、第1放音孔22aおよび第2放音孔24aは、筐体20に形成された複数の貫通孔で形成されている。この構成により、例えばドリル等で穿孔するという容易な方法により放音孔を形成することができるとともに、所定形状以上の大きさの異物の侵入を防ぐことができる。
【0038】
さらに、第1放音孔22aの貫通孔の数は、第2放音孔24aの貫通孔の数よりも多くされている。この構成により、装置がスピーカとして働く際に発生音量を大きくし、装置がレシーバとして働く際に発生音量を小さくする構造を容易に実現することができる。
【0039】
さらにまた、筐体20は、自装置が搭載される携帯電話機のケーシングの一部(前面支持板21、背面支持板24)を含み、電気音響変換器10は、このケーシング(前面支持板21)に支持されている。この構成により、電気音響変換器10を携帯電話機にしっかりと固定することができるとともに、筐体20の固定を容易にすることができる。また、ポート30は、長手方向外側面をケーシング(前面支持板21)に支持されている。この構成により、ポートをしっかりと固定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上のように、本発明にかかるスピーカ振動板およびスピーカ振動板の製造は、小型軽量のスピーカシステムに有用であり、特に、携帯電話機等に搭載されるレシーバとスピーカ機能を兼ね備えた電気音響変換装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明にかかる実施の形態1の電気音響変換装置の横断面図である。
【図2】本発明の実施例の電気音響変換装置の一部を断面とする側面図である。
【図3】本実施例の電気音響変換器の断面図である。
【図4】本実施例の電気音響変換装置の周波数特性を従来のポートが設けられていないものと比較して示すグラフである。
【符号の説明】
【0042】
1 フレーム主体
3 ヨーク
5 マグネット
7 トッププレート
9 振動板
10 電気音響変換器
11 エッジ
13 ボイスコイル
15 カバー
20 筐体
21 前面支持板(携帯電話機の前面ケーシング)
22 前面側筐体
22a 第1放音孔
23 背面側筐体
24 後面支持板(携帯電話機の後面ケーシング)
24a 第2放音孔
30 ポート
31 前面容積空間部(第1容積空間部)
32 背面容積空間部(第2容積空間部)
40,50 電気音響変換装置
A スピーカ機能側外部空間
B レシーバ機能側外部空間
C 中心軸線
D 磁気回路
G 磁気ギャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号を音響に変換する電気音響変換器と、
前記電気音響変換器を収納するとともに、前記電気音響変換器の発音側に音響的につながる第1容積空間部、および電気音響変換器の発音側と反対側に音響的につながる第2容積空間部を形成する筐体とを有し、
前記筐体には、第1容積空間部をスピーカ機能側外部空間へ連通させて、前記電気音響変換器をスピーカとして機能させる第1放音孔と、前記第1容積空間部を前記スピーカ機能側外部空間と反対側のレシーバ機能側外部空間へ連通させて、前記電気音響変換器をレシーバとして機能させる第2放音孔とが形成されているとともに、第2容積空間部を外部空間へ連通させる所定長さのポートが設けられていることを特徴とする電気音響変換装置。
【請求項2】
前記電気音響変換器の発音方向は、前記スピーカ機能側外部空間側に向いている
ことを特徴とする請求項1に記載の電気音響変換装置。
【請求項3】
前記ポートは、前記電気音響変換器の中心軸線方向と直交する方向に延設されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電気音響変換装置。
【請求項4】
前記筐体は、前記電気音響変換器の発音側を覆う前面側筐体と前記電気音響変換器の発音と反対側を覆う背面側筐体とに分割されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の電気音響変換装置。
【請求項5】
前記ポートは、前記前面側筐体と前記背面側筐体とに挟まれて設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載の電気音響変換装置。
【請求項6】
前記電気音響変換器は、振動板が1枚である
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1に記載の電気音響変換装置。
【請求項7】
前記第1容積空間部のうち、前記第1放音孔へ向かう通路の放音方向に直交する横断面積は、前記第2放音孔へ向かう通路の放音方向に直交する横断面積より広くされている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1に記載の電気音響変換装置。
【請求項8】
前記第1放音孔および前記第2放音孔は、前記筐体に形成された複数の貫通孔でなる
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1に記載の電気音響変換装置。
【請求項9】
前記第1放音孔の前記貫通孔の数は、前記第2放音孔の前記貫通孔の数よりも多い
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1に記載の電気音響変換装置。
【請求項10】
前記筐体は、自装置が搭載される装置のケーシングの一部を含み、
前記電気音響変換器は、前記ケーシングに支持されている
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1に記載の電気音響変換装置。
【請求項11】
前記ポートは、長手方向外側面を前記ケーシングに支持されている
ことを特徴とする請求項10に記載の電気音響変換装置。
【請求項12】
前記ポートは、長手方向外側面を全長にわたって前記ケーシングに支持されている
ことを特徴とする請求項11に記載の電気音響変換装置。
【請求項13】
前記自装置が搭載される装置が携帯電話機である
ことを特徴とする請求項10に記載の電気音響変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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