説明

電池の充電のためのシステムおよび方法

【課題】複数の電池セルを備える電池を充電するための電池充電システムを提供すること。
【解決手段】電池充電システムは、電池充電器と電池管理ユニットとを含む。電池管理ユニットは、各電池セルの充電を制御するための複数の平衡用回路を含む。電池充電システムは、各電池セルの電圧に応じて異なる段階で電池を充電することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、電池に関し、より具体的には、電池充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
直列に積層された多数の電池セルによって形成される電池は、普及しつつあり、電気自動車および電気自転車などの用途で広く使用される。電池はしばしば、6、8、または任意の他の数の鉛酸電池セルによって形成され、6、8、12、または16ボルトの出力電圧を供給する。積層電池セルを備える電池を充電する際には、電池管理システムはしばしば、充電されている電池の状況を監視する。監視はあるときは、個別セルのレベルに達する可能性がある。もっとも一般的に監視される電池の特性は、電圧、電流、および温度である。個別電池セルの物理的特性は、隣接する電池セルの物理的特性と異なることもあるので、監視される特性はまた、電池セルごとに異なることもある。
【0003】
各セルの物理的特性は、各セルおよび全体としての電池のための充電プロセスの効率に大きく影響を及ぼす。伝統的には、充電プロセスの間、電池は、電源に接続され、単一の充電電流が、電池に流れ込み、もしセルが積層され、直列に接続されるならば、すべてのセルを通って流れる。1つのセルの充電効率が低下するとき、それは、電池のすべてのセルの充電効率に影響を与えることになる。結果として、ある電池セルは、十分に充電されず、一方他の電池セルは、過充電されることもある。
【0004】
従って、電池の各セルがそれの最高効率レベルで充電されることを可能にし、それ故に電池の全体の充電効率を改善する装置の必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、本発明は、多重電池セル(multiple battery cell)を備える電池を充電するための電池充電システムを提供する。電池充電システムは、充電電流を出力するための電池充電器と、電池充電動作中の各電池セルの状態を監視し、その状態を電池充電器に伝達するための電池管理ユニットとを含む。電池管理ユニットは、複数の平衡用回路(balancing circuit)をさらに含み、各平衡用回路は、平衡用スイッチおよびバイパス回路を有し、各平衡用回路は、電池管理ユニットによって独立に制御される。
【0006】
別の実施形態では、本発明は、複数の電池セルを備える電池を充電するための方法を提供する。本方法は、充電電流を複数の電池セルに提供するステップであって、その充電電流は一定である、ステップと、各電池セルからの電圧を監視するステップと、もし電池セルについての電圧が所定の値に達したならば、電池セルのためのバイパス回路を確立するステップと、もしすべての電池セルのためのバイパス回路が確立されたならば、一定充電電圧を複数の電池セルに提供するステップと、もし充電電流が電池のための所定の値未満であるならば、電池管理ユニットから受け取る状態に従って電池充電器によって提供される充電電圧を調整するステップとを含む。
【0007】
なお別の実施形態では、本発明は、多重電池セルを備える電池を充電することを制御するための電池管理デバイスを提供する。電池管理デバイスは、複数の平衡用回路を含み、各平衡用回路は、電池セルに接続され、各平衡用回路は、平衡用スイッチと平衡用抵抗とをさらに含み、平衡用スイッチおよび平衡用抵抗は、バイパス回路を形成し、各平衡用スイッチは、他の平衡用スイッチから独立に制御できる。各バイパス回路は、各平衡用回路について独立に確立できる。
【0008】
従って、本システムおよび方法は、多重電池セルを備える電池の効率的な充電を可能にするので有利である。本発明の他の利点および特徴は、以下で説明される「図面の簡単な説明」、「発明を実施するための形態」、および「特許請求の範囲」の概観の後に明らかとなる。
【0009】
本発明の実施形態の特徴および利点は、次に来る詳細な説明が進むにつれて、かつ図面を参照することで明らかとなり、同様の数字は同様の要素を描写する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による電池充電器を描写する図である。
【図2】本発明の一実施形態による電池を充電するための電池管理ユニットとともに動作する電池充電器を例示する図である。
【図3】電池充電動作の第1の段階の下で働くバイパス回路を例示する図である。
【図4】電池充電動作の第2の段階の下で働くバイパス回路を例示する図である。
【図5】電池充電動作中の電池の充電電流および電圧を例示する図である。
【図6】各電池セルについての充電電流および電圧を例示する図である。
【図7】2つの電池セルについての充電電流および充電電圧との電池充電動作中の電池の充電電流および電圧の比較を例示する図である。
【図8】電池充電動作についての流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明による電池充電器102の説明図100である。電池充電器102は、力率補正(PFC)ユニット104と、ゼロ電圧スイッチ(ZVS)ユニット106と、マイクロコントローラ(MCU)108とを含む。PFCユニット104は、入力電圧源(図示されず)に接続し、ZVSユニット106は、出力(図示されず)に接続する。MCU108は、充電されている電池から通信バス120を通じて情報を受け取る。MCU108はまた、PFCユニット104およびZVSユニット106の状態を監視し、これらの2つのユニットの動作を制御する。MCU108は、温度センサー110およびバッファー118を通じて電池充電器102の温度を監視する。MCU108はまた、電流バッファー117を通じて充電電流および電圧バッファー116を通じて充電電圧も監視する。PFCユニット104からの状態もまた、監視される。PFCユニット104およびZVSユニット106の動作は、MCU108によって監視される情報に基づいてMCU108によって制御され、調整される。
【0012】
図2は、電池204を充電するための電池管理(BM)ユニット202とともに動作する電池充電器102の説明図200である。電池204は、直列に接続された複数の電池セル214、216、218、220を有する。電池管理ユニット202は、複数の平衡用回路206、208、210、212を含み、各電池セルについて1つの平衡用回路がある。平衡用回路は、各セルの電圧、充電電流、および温度を監視する。平衡用回路はまた、バイパス回路も含む。バイパス回路は、平衡用スイッチSiおよび平衡用抵抗Riを含む。バイパス回路が使用中であるときは、バイパス電流iEiが、バイパス回路を通過する。各平衡用回路によって監視される各セルからの状態は、電池管理ユニット202からリアルタイムで電池充電器102に通信バス120を通じて伝達される。電池充電器102のMCU108は、電池管理ユニット202から受け取る情報を使用して電池充電器102の出力を制御する。平衡用スイッチの動作を制御し、平衡用スイッチを開閉し、バイパス回路を確立することによって、平衡用回路は、各セルに入る充電電流を制御することができる。複数の平衡用回路の各々、206、208、210、または212は、電池管理ユニット202によって独立に制御できる、すなわち1つの平衡用スイッチ、Sn(1≦n≦N)は、閉じていてもよく、一方隣接平衡用スイッチSn+1は、開いていてもよい。各平衡用回路を独立に動作させることによって、各電池セルは、その電池セルにとってならびに電池充電器102およびBMユニット202にとって最良の条件下で充電できる。電池充電器102および電池管理ユニット202は、図2では別個のユニットとして示されるけれども、電池充電器102および電池管理ユニット202は、電池充電システム222を形成し、1つの集積回路または1つの単一チップに組み込まれてもよい。
【0013】
各平衡用回路の動作は、電池充電器102のMCU108によって制御される。MCU108は、対応する電池セルから受け取る情報、すなわち対応する電池セルの電圧、充電電流、および温度に基づいて平衡用回路の平衡用スイッチが開いているべきかまたは閉じているべきかを決定する。MCU108は、電池充電器102および電池管理ユニット202について最良の動作条件を決定し、次いでMCU108は、ZVSユニット106に理想的な出力電流を出力するように指示することができ、また各平衡用回路、206、208、210、または212に平衡用スイッチSiを開くかまたは閉じるように指示することもできる。MCU108は、指示を各平衡用回路に通信バス120を通じて送る。
【0014】
本発明の動作のその後の説明のために、以下の定義および仮定がなされる。
電池管理ユニット202の平衡用抵抗Riは、好ましくは同じである、すなわち、
R1=R2=R3=・・・=RN=R
である。
各セルの電圧は、
Vcell1≒Vcell2≒・・・≒Vcelln≒・・・≒VcellN≒Vcell-avg
として示され、ただしVcell-avgは、各電池セルについての平均電圧である。
1つの単一電池セルについての最良一定充電電圧は、Vcell-cvとして示され、
1つの単一電池セルについての最良浮動充電電圧は、Vcell-fcとして示される。
各平衡用回路によって提供される最大バイパス電流は、
【0015】
【数1】

【0016】
である。
各電池セルについての最大充電電流は、iCh-maxである。
電池充電器102によって提供される充電電流は、ichargeである。
【0017】
本発明の電池充電システムを使用する電池充電動作は、4つの段階に分割できる。第1の段階、一定充電電流段階では、電池セルは、最良一定充電電圧の下で最大充電電流で充電される。電池充電プロセスの初めには、電池のどのセルも、低い残留電荷を有し、各セルでの電圧は、最良一定充電電圧Vcell-cvよりも低い。それで、電池充電システム222は、各個別セルについて最大充電電流iCh-maxを使用して電池204を充電することができ、この時電池充電器102からの最大出力電流は、icharge=iCh-maxである。図3は、第1の段階の間の各平衡用回路のバイパス回路302、304、306、308の説明図300である。バイパス回路の動作は、電池管理ユニット202の制御下にある。すべての平衡用スイッチS1、S2、・・・、SNは、開いており、各電池セルについてのセル電圧Vcell1、Vcell2、・・・、Vcelln、・・・、VcellNは、最良一定充電電圧Vcell-cvよりも低い。各電池セルを通過する電流は、最大充電電流iCh-maxである。
【0018】
電池セルが、一定充電電流の下で充電されると、最初の電池セルは、最良一定充電電圧Vcell-cvに達することになり、電池充電動作は、第2の段階に入ることになる。第2の段階では、任意の電池セルの電圧がVcell-cvに達するとき、電池管理ユニット202は、平衡用スイッチSiを閉じることになり、バイパス回路が、その電池セルについて確立され、充電電流ichargeの一部は、そのバイパス回路に回される。電池管理ユニット202は、どの平衡用スイッチが閉じたかを追跡し、またすべての電池セルのうちでどれが最高充電電圧であるかも追跡する。電池管理ユニット202は、最高充電電圧を有する電池セルの平衡用スイッチを閉じることになる。平衡用スイッチを閉じ、それ故にいくらかの充電電流をバイパス回路に回すことによって、この電池セルについての充電電圧は、最良一定充電電圧Vcell-cvに下げられる。ZVSユニット106によって提供される充電電流ichargeは、最高充電電圧を有する電池セルについて最大充電電流iCh-maxに設定される。第2の段階の間、電池セルが最良一定充電電圧Vcell-cvに達し、平衡用スイッチSiが閉じるとき、充電電流の一部は、バイパス回路に回される。最大バイパス電流は、iE-maxであり、電池セルを通って流れる電池充電電流は、icharge-iE-maxである。電池充電電流は、iE-maxだけ減少するので、その電池セルについての電圧もまた、Vcell-cv未満に低下する。その特定の電池セルについての電池充電電流icharge-iは、
iE-max<icharge-i<iCh-max
である。
【0019】
第2の段階、部分的一定充電電流段階の間、最良一定充電電圧に達した電池セルについては、充電は、最良一定充電電圧を超えることのない一定充電電圧で継続することになる。最良一定充電電圧に達しなかった電池セルについては、充電は、第1の段階でのように一定充電電流で継続することになる。電池セルの電圧が、Vcell-cv未満に低下するとき、平衡用スイッチは、開き、電池セルにより多くの充電電流をもたらすことになり、それは次に、その電池セルの電圧を引き上げることになる。再び、平衡用スイッチは、閉じることになる。平衡用スイッチは、繰り返し開閉することになり、最初は平衡用スイッチは、より長い時間開いたままとなるが、しかし徐々にそのタイミングは、変化することになり、電池セルの電圧が最良一定充電電圧に近づくにつれて、平衡用スイッチは、より長い時間閉じたままとなる。
【0020】
平衡用スイッチSiを閉じた電池セルについては、電池充電電流は、icharge-iE-maxである。icharge-iE-maxは、最高電池セル電圧を持つ電池セルについての充電電流であり、従って電池充電電流icharge-iE-maxは、それらの平衡用スイッチが閉じられているすべての電池セルについての最大電池充電電流であるので、この電池充電電流は、電池セルの過充電を引き起こすことはない。
【0021】
平衡用スイッチSiを閉じなかった電池セルについては、充電電流ichargeは、iE-max<icharge<iCh-maxの条件を満たす。充電電流ichargeは、どの電池セルでも過充電状態を引き起こすことのない最大電流である。従って、電池セルの充電は、過充電のない最大速度となり得る。図4は、多重電池セルを備える電池の充電の説明図400であり、そこではいくつかの電池セルは、それらの平衡用スイッチが閉じられており、いくつかのセルはそうではない。
【0022】
電池充電動作中、平衡用スイッチが閉じられているすべての電池セルは、一定充電電圧条件下でまたは一定電圧条件の近くで充電され、一方それらの平衡用スイッチを閉じなかった電池セルは、電池セル状態に連続的に適応する充電電流で充電され、開いた平衡用スイッチを備えるこれらの電池セルについての電圧は、各電池セルについての電池セル電圧が最良一定充電電圧Vcell-cvに達するまで増加し続け、その時に最良一定充電電圧に達する電池セルのための平衡用スイッチは、閉じられることになり、電池セルは次いで、一定電圧充電モードに入ることになる。
【0023】
すべての電池セルのためのすべての平衡用スイッチSiが、少なくとも一度閉じた後に、電池充電動作は、第3の段階、一定充電電圧段階に入り、その間に電池セルは、一定電圧の下で充電されることになり、各電池セルのための平衡用スイッチSiは、電池セルの電圧に従って開いているまたは閉じていることになる。第3の段階の間、電池204についての充電電圧は、電池セルの数を乗じた最良一定充電電圧Vcell-cvに等しく、最大充電電流は、平衡用回路によって提供される最大充電電流によって制限される、すなわちicharge<iE-maxである。各平衡用スイッチSiは、対応する電池セルの電圧が最良一定充電電圧を超えたかどうかに応じてリアルタイムで開いているまたは閉じている。平衡用スイッチが開閉すると、平均充電電流は、連続的に低下する。第3の段階の間、1つの電池セルの電圧が、その電池セルについての最良一定充電電圧よりも上に上昇するとき、その電池セルのための平衡用回路は、動作し始める。平衡用回路は、充電電流ich-cellnを0とiE-maxとの間に維持することになる、すなわち0<ich-celln<iE-maxである。最大充電電流は、最大平衡用回路電流に制限される、すなわちicharge<iE-maxであるので、従って電池管理ユニットは、電池セルが過充電されることのないことを保証できる。第3の段階の間、電池が、一定電圧の下で充電されているとき、電池充電器102からの全充電電流は、すべての電池セルについてのすべての充電電流の最大に等しい。より低い充電電流で動作する他の電池セルについては、全充電電流の一部は、バイパス回路を通って流れる。従って、電池管理ユニット202は、各電池セルがその特定の電池セルにふさわしい最大充電電流によって充電されることを保証でき、結果として、各電池セルは、もっとも効率的な条件下で充電されることになる。
【0024】
電池204についての平均充電電流が、所定のレベル、例えば0.02C(所定のレベルは通常、電池製造業者によって提供される)よりも下に低下するとき、icharge<iE-maxであり、電池セルについての充電モードは、第4の段階、浮動充電モードに移行する。例の0.02Cでの「C」は、電池の容量のことである。もし電池の容量が、200Ahであるならば、そのとき0.02Cは、4Aに等しい(0.02×200=4)。
【0025】
全充電電流が、所定のレベル、例えば0.02C未満であるときは、電池充電動作は、第4の段階、浮動充電電圧段階に入り、電池は、浮動電圧の下で充電される。各電池セルのための平衡用スイッチは、その特定の電池セルの電圧に従って動作し、その動作は、リアルタイムで調整される、すなわち充電電圧は、固定されない。第4の段階の間、電池についての充電電圧は、1つの単一電池セルについての最良浮動充電電圧Vcell-fcの電池セル数倍に等しい。充電電流は、平衡用回路によって許容される最大平衡用電流によって制限される、すなわちicharge<iE-maxである。
【0026】
第4の段階の間、もし電池セルnの電圧が、電池セルnについての最良浮動充電電圧Vcell-fcよりも上に上昇するならば、電池セルnのための平衡用回路は、動作し始め、電池セルnについての充電電流ich-cellnは、0<ich-celln<iE-maxに保たれる。この第4の段階の間の充電電圧は、常に調整されるので浮動的である。最大充電電流は、最大平衡用回路電流に制限される、すなわちicharge<iE-maxであるので、従って電池管理ユニットは、電池セルが過充電されることのないことを保証できる。第4の段階の間、電池が、浮動充電電圧の下で充電されるとき、全充電電流ichargeは、すべての電池セルについてのすべての充電電流のうちの最大充電電流に等しい。全充電電流icharge未満を必要とする電池セルについては、全充電電流の一部は、バイパス回路を通って流れる。それ故に、電池管理ユニット202は、各セルが、そのセルが受容できる最大充電電流で浮動充電電圧の下で充電されることを保証することになる。
【0027】
図5は、電池充電動作中の電池充電電圧502および電池充電電流504を例示するチャート500である。電池が最大充電電流の下で充電される第1の段階506の間、電圧502は、急速に上昇し、一方電池充電電流504は、一定のままであることがわかる。いくつかの平衡用スイッチが閉じている第2の段階508の間、電圧502は、より遅い速度で上昇し、電池充電電流504は、ゆっくり低下する。第3の段階510の間、電池セルは、一定電圧の下で充電され、電圧502は、ほとんど一定のままであり、電池充電電流504は、低下し続ける。第4の段階512の間、電池充電電流504は、非常に小さく、電池充電電圧502は、電池充電電流504を維持するのに必要な電圧の近辺で浮動する。
【0028】
図6は、電池セルについての電池電圧602b、604b、606b、608b、610b、および612bならびに充電電流602a、604a、606a、608a、610a、および612aを例示するチャート600である。電池電圧ラインは、図5からの電池充電電圧502とほとんど同じ形を有し、充電電流は、図5の電池充電電流504とほとんど同じ形を有する。この類似性は、図7でのチャート700でさらに示される。
【0029】
図8は、電池充電システム222の動作についての流れ図800である。電池充電システム222は、802において一定充電電流モードで多重電池セルを備える電池204を充電し始め、電池管理ユニット202は、804において各電池セルについての充電状態を常に監視する。もし1つの電池セルの電圧が、最良一定充電電圧に達するならば、電池充電システム222は、806においていくつかの電池セルを一定電流でかついくつかの電池セルを一定電圧で充電し始める。より多くの電池セルが、最良一定充電電圧に達すると、これらの電池セルは、一定電圧の下で充電し始めるので、充電電流は、ゆっくり低下することになる。もしすべての電池セルが、808において最良一定充電電圧に達したならば、電池充電システム222は、810において最良一定充電電圧の下ですべての電池セルを充電し始める。充電電流は、812において充電電流が所定の値以下となるまで連続的に低下することになり、次いで電池充電システム222は、814において浮動電圧の下で電池セルを充電し始めることになる。
【0030】
図5、6、および7は、例示目的のためだけである。これらの図でのグラフは、72V電池を測定することから得られ、それらは、電池セル電圧および充電電流の一般的な挙動を例示する。
【0031】
本発明は、それの好ましい実施形態を参照して詳しく示され、述べられたが、形および詳細のさまざまな変更が、次に来る特許請求の範囲で説明されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされてもよいことは、当業者には理解されよう。さらに、本発明の要素は、単数形で述べられまたは特許請求されてもよいけれども、単数形への限定が明確に述べられない限りは、複数形も、考慮される。
【符号の説明】
【0032】
100 電池充電器の説明図
102 本発明による電池充電器
104 力率補正(PFC)ユニット
106 ゼロ電圧スイッチ(ZVS)ユニット
108 マイクロコントローラ(MCU)
110 温度センサー
116 電圧バッファー
117 電流バッファー
118 バッファー
120 通信バス
200 電池充電器の説明図
202 電池管理(BM)ユニット
204 電池
206 平衡用回路
208 平衡用回路
210 平衡用回路
212 平衡用回路
214 電池セル
216 電池セル
218 電池セル
220 電池セル
222 電池充電システム
300 バイパス回路の説明図
302 バイパス回路
304 バイパス回路
306 バイパス回路
308 バイパス回路
400 電池の充電の説明図
500 電池充電電圧および電池充電電流を例示するチャート
502 電池充電電圧
504 電池充電電流
506 第1の段階
508 第2の段階
510 第3の段階
512 第4の段階
600 電池電圧および充電電流を例示する説明図
602a 充電電流
604a 充電電流
606a 充電電流
608a 充電電流
610a 充電電流
612a 充電電流
602b 充電電圧
604b 充電電圧
606b 充電電圧
608b 充電電圧
610b 充電電圧
612b 充電電圧
700 図7でのチャート
800 電池充電システムの動作のための流れ図
802 電池を一定充電電流モードで充電するステップ
804 各電池セルについての充電状態を常に監視するステップ
806 いくつかの電池セルを一定電流でかついくつかの電池セルを一定電圧で充電するステップ
808 すべての電池セルが最良一定充電電圧に達したかどうかを判断するステップ
810 最良一定充電電圧の下ですべての電池セルを充電するステップ
812 充電電流が所定の値以下であるかどうかを判断するステップ
814 浮動電圧の下で電池セルを充電するステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電電流を出力するための電池充電器と、
電池充電動作中の各電池セルの状態を監視し、前記状態を前記電池充電器に伝達するための、前記電池充電器と通信する電池管理ユニットとを含む、多重電池セルを備える電池を充電するための電池充電システムであって、
前記電池管理ユニットは、複数の平衡用回路をさらに含み、各平衡用回路は、平衡用スイッチを備えるバイパス回路を有し、各平衡用回路は、前記電池管理ユニットによって独立に制御される、電池充電システム。
【請求項2】
前記電池充電器は、
電圧源に接続するための力率補正ユニットと、
充電電流を出力するためのゼロ電圧スイッチと、
前記状態を受け取り、前記ゼロ電圧スイッチおよび前記電池管理ユニットを制御するためのマイクロコントローラとをさらに含む、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
平衡用回路のための前記バイパス回路は、前記対応する平衡用回路のための前記平衡用スイッチが閉じているとき確立される、請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記電池充電器は、4つの段階で動作するように構成される、請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記4つの段階は、一定充電電流段階、一定充電電圧段階、浮動充電電圧段階、および部分的一定充電電流段階を含む、請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記一定充電電流段階の間、前記電池管理ユニットは、あらゆる平衡用スイッチを開くように構成される、請求項5に記載の制御システム。
【請求項7】
前記部分的一定充電電流段階には、最初の電池セルの電圧が所定の値に達するときに入る、請求項5に記載の制御システム。
【請求項8】
前記一定充電電圧段階には、各平衡用回路の前記平衡用スイッチが少なくとも一度閉じたときに入る、請求項5に記載の制御システム。
【請求項9】
前記浮動充電電圧段階には、前記充電電流が前記電池の製造業者によって事前定義された値未満であるときに入る、請求項5に記載の制御システム。
【請求項10】
前記浮動充電電圧段階には、前記電池管理ユニットがあらゆる平衡用スイッチを少なくとも一度閉じるように構成されるときに入る、請求項5に記載の制御システム。
【請求項11】
電池充電器によって、充電電流を複数の電池セルに提供するステップであって、前記充電電流は一定である、ステップと、
電池管理ユニットによって、各電池セルからの電圧を監視するステップと、
もし電池セルについての前記電圧が所定の値に達したならば、前記電池セルのためのバイパス回路を確立するステップと、
もしすべての前記電池セルのための前記バイパス回路が確立されたならば、前記電池充電器によって、一定充電電圧を前記複数の電池セルに提供するステップと、
もし前記充電電流が電池のための所定の値未満であるならば、マイクロコントローラによって、前記電池管理ユニットから受け取る状態に従って前記電池充電器によって提供される充電電圧を調整するステップとを含む、前記複数の電池セルを備える前記電池を充電するための方法。
【請求項12】
前記電池管理ユニットによって、その電圧が前記所定の値に達した前記電池セルのための平衡用スイッチを閉じるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記電池管理ユニットによって、その電圧が前記所定の値よりも下に低下した前記電池セルのための前記平衡用スイッチを開くステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
電池セルのための平衡用スイッチをその電池セルの前記電圧に従って開閉するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
複数の平衡用回路を含む、多重電池セルを備える電池を充電することを制御するための電池管理デバイスであって、各平衡用回路は、電池セルに接続され、各平衡用回路は、
平衡用スイッチと、
平衡用抵抗とをさらに含み、
前記平衡用スイッチおよび平衡用抵抗は、バイパス回路を形成し、各平衡用スイッチは、他の平衡用スイッチから独立に制御でき、各バイパス回路は、各平衡用回路について独立に確立できる、電池管理デバイス。
【請求項16】
前記電池管理デバイスは、電池充電器からの情報を送受信する、請求項11に記載の電池管理デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−94045(P2013−94045A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−164475(P2012−164475)
【出願日】平成24年7月25日(2012.7.25)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】