説明

電池デバイスおよびその操作方法

【課題】使用後の薄型電池に電力が残存している場合に、電池を強制放電させることにより、電池デバイスの安全性を向上させる。
【解決手段】第1電極、第2電極および第1電極と第2電極との間に介在する電解質層を具備するシート状の電極群と、電極群を密閉収納する外装体と、を含む薄型電池を具備し、第1電極と第2電極とが外部短絡した状態と、第1電極と第2電極とが外部短絡していない状態とを切り替えるための強制放電作動スイッチを有する、電池デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の電極群と、これを密閉収納する外装体と、を含む薄型電池、を具備する電池デバイスおよびその操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機、音声録音再生装置、腕時計、動画および静止画撮影機、液晶ディスプレイ、電卓、ICカード、温度センサ、補聴器、および感圧ブザーのような小型の電子機器の電源として、薄型電池が用いられている。
【0003】
生体に接触した状態で作動するデバイス(生体貼付型装置)にも、薄型電池が用いられている。このようなデバイスとして、所定の電位を与えると、生体外皮を通して体内へ薬剤を供給するイオントフォレシス経皮投薬装置等が開発されている。また、体温、血圧、および脈拍のような生体情報を測定する測定回路と、測定された生体情報をチェックする監視部と、生体情報に関する電波信号を病院および消防のような施設へ送信する無線送信回路と、を備えたシート状の生体情報測定発信装置が開発されている。利用者の健康上の異変を示す生体情報が得られた場合、生体情報は自動的に病院等に伝達される。
【0004】
上記の小型の電子機器およびデバイスの更なる小型化に伴い、薄型電池の更なる薄型化が求められている。このような要求に対して、外装体に、薄くかつ柔軟なラミネートフィルムを用いた薄型電池が検討されている(特許文献1)。ラミネートフィルムは、金属箔、およびその両面に形成された樹脂層からなる。このような薄型電池では、袋状のラミネートフィルムからなる外装体に、正極、負極、および正極と負極との間に配された電解質層を含むシート状の電極群が収納されている。一般に、電極群には一対のリードが接続され、それらの一部は、外部端子として、外装体の封止部より外部へ露出している。
【0005】
ラミネートフィルムからなる外装体の代わりに、樹脂のベースフィルムと可撓性無機材料層とからなる薄型電池用のパッケージを用いることも提案されている(特許文献2)。無機材料層に、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等を用いることで、比較的シール性に優れたパッケージを安価で提供することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−285881号公報
【特許文献2】特開平6−231739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
薄型電池は、柔軟性に富む反面、円筒型や角型の電池に比べると、外部からの衝撃に対する耐性が小さいため、外装体が破損する可能性に配慮する必要がある。例えば、使用後の電池に対する使用者の取り扱い方は乱雑となりやすい。また、薄型電池により駆動される電子機器が、イオントフォレシス経皮投薬装置のような生体貼付型装置である場合、当該電子機器は使用後に廃棄されることが一般的である。このような場合、薄型電池も電子機器と一緒に廃棄されることになる。
【0008】
使用後に乱雑に取り扱われ、あるいは廃棄された薄型電池には、通常の使用状態では想定されていない大きな外力が加えられる可能性がある。その際、電池に電力が残存していると、予想外の短絡電流が流れたり、電池が発熱したりする場合があり、安全性の面で不都合である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記を鑑み、本発明の一局面は、第1電極、第2電極および前記第1電極と前記第2電極との間に介在する電解質層を具備するシート状の電極群と、前記電極群を密閉収納する外装体と、を含む薄型電池を具備し、前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡した状態と、前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡していない状態と、を切り替えるための強制放電作動スイッチを有する、電池デバイスに関する。
【0010】
本発明の他の一局面は、第1電極、第2電極および前記第1電極と前記第2電極との間に介在する電解質層を具備するシート状の電極群と、前記電極群を密閉収納する外装体と、を含む薄型電池を具備し、前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡した状態と、前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡していない状態と、を切り替えるための強制放電作動スイッチ、を有する電池デバイスの操作方法であって、前記電池の通常放電中は、前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡していない状態を維持し、前記電池の通常放電後は、前記強制放電作動スイッチにより、前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡していない状態から、前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡した状態に切り替えて、前記電池を強制放電させる、操作方法に関する。
【発明の効果】
【0011】
強制放電作動スイッチの操作により、電池内の第1電極と第2電極とが外部短絡していない状態から外部短絡した状態に切り替えことにより、使用後の電池に電力が残存している場合には、電池を強制放電させることができる。これにより、電池デバイスの安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】生体情報測定装置を具備する電池デバイスの一例を示す斜視図である。
【図2】変形させた同デバイスの外観の一例を示す斜視図である。
【図3】イオントフォレシス経皮投薬装置の一例を概念的に示す上面図である。
【図4A】同イオントフォレシス経皮投薬装置のIV−IV線概略断面図である。
【図4B】同イオントフォレシス経皮投薬装置に薄型電池を一体化させた電池デバイスの一例の図4Aに対応する断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る電池デバイスの回路図である。
【図6】負荷がイオントフォレシス経皮投薬装置である場合の第1回路の回路図の一例である。
【図7】強制放電作動スイッチを具備する電池デバイスの一例およびそれを強制放電させる際の手順を示す図である。
【図8】強制放電作動スイッチを具備する電池の一例を示す上面図である。
【図9】押しボタン式の強制放電作動スイッチの一例の第1SW端子と第2SW端子が離間した状態(a)から接触した状態(b)への動作を示す概略断面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る薄型電池の概略断面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る薄型電池の上面図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る薄型電池の概略断面図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る外装体を形成するラミネートフィルムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の電池デバイスは、第1電極、第2電極および第1電極と第2電極との間に介在する電解質層を具備するシート状の電極群と、電極群を密閉収納する外装体と、を含む薄型電池を具備する。また、本発明の電池デバイスは、第1電極と第2電極とが外部短絡した状態と、第1電極と第2電極とが外部短絡していない状態と、を切り替えるための強制放電作動スイッチを有する。
【0014】
電池の通常放電中は、第1電極と第2電極とが外部短絡していない状態が維持される。一方、電池の通常放電後は、強制放電作動スイッチにより、第1電極と第2電極とが外部短絡していない状態から、第1電極と第2電極とが外部短絡した状態に切り替えることが可能である。第1電極と第2電極とが外部短絡した状態では、電池の強制放電が行われる。
【0015】
すなわち、電池の通常放電後は、強制放電作動スイッチにより、第1電極と第2電極との接続が開状態から閉状態に切り替えられる。ここで、開状態とは、第1電極と第2電極との間に外部短絡回路が形成されていない状態である。閉状態とは、第1電極と第2電極との間に外部短絡回路が形成されている状態である。また、通常放電とは、電子機器にその駆動に必要な電力を供給している状態である。
【0016】
本発明の好ましい態様では、強制放電作動スイッチは、第1電極と電気的に接続された短絡形成用の第1SW端子と、第2電極と電気的に接続された短絡形成用の第2SW端子と、を具備する。この場合、第1SW端子と第2SW端子とが電気的に非接続の状態から接続された状態に切り替えられることにより、第1電極と第2電極とが外部短絡して、電池の強制放電が開始される。
【0017】
本発明の電池デバイスは、薄型電池からの電力供給により駆動される電子機器を具備してもよい。この場合、薄型電池と電子機器とが、一体となってシート化されている形態が好ましい。このような電子機器として、例えば、生体情報測定装置およびイオントフォレシス経皮投薬装置のような生体貼付型装置が挙げられる。薄型電池と電子機器とが一体化されたシート状の物品を、以下、電池−電子機器接合体とも称する。シート状の電池−電子機器接合体は、それ自体も柔軟性を有するように構成される。
【0018】
生体貼付型装置は、ウェアラブル携帯端末とも称され、生体に密着した状態で使用されるために、長時間肌に密着させていても不快を感じない程度の可撓性が要求される。従って、生体貼付型装置の駆動用電源にも優れた可撓性が要求される。薄型電池は、このような装置の電源として有用である。また、生体貼付型装置は、使用後に廃棄する使い捨てタイプのものが便利である。したがって、強制放電作動スイッチを有する電池デバイスの用途としても生体貼付型装置は適している。
【0019】
生体情報測定装置は、医療分野において、医師等が患者等の生体情報を監視することを目的として開発されている。生体情報測定装置は、生体の肌に接触した状態で、血圧、体温、脈拍等の生体情報を常時測定する。測定された情報は監視者の元に無線送信される。
【0020】
イオントフォレシス経皮投薬装置は、所定の電位を与えると、生体外皮を通して体内へ薬剤を供給する装置である。イオントフォレシス経皮投薬装置は、生体に対向させる一対の電極を有する。そこで、電子機器がイオントフォレシス経皮投薬装置である場合、一対の電極の一方を、第1SW端子と一体に形成し、一対の電極の他方を、第2SW端子と一体に形成してもよい。電子機器の使用後も電子機器の電源をON状態で維持することにより、生体に対向させる一対の電極は、それぞれ電源である薄型電池の第1電極および第2電極と接続されたままの状態となっているからである。この場合、電子機器の一対の電極を短絡させると、電池の第1電極と第2電極も短絡する。
【0021】
図1は、生体情報測定装置を具備する電池−電子機器接合体(電池デバイス)の一例を斜視図で示す。図2は、同デバイスを変形させた場合の外観の一例を示している。
生体情報測定装置40は、その構成素子を保持するシート状の保持部材41を具備する。保持部材41は、柔軟性を有する材料で構成され、その内部から表面までの領域に、温度センサ43、感圧素子45、記憶部46、情報送信部47、ボタンスイッチSW1および制御部48が埋め込まれている。薄型電池21は、保持部材41の内部に設けられた平坦な空間に収容されている。つまり、電池21と生体情報測定装置40は、一体となってシート化されており、電池−電子機器接合体42を構成している。
【0022】
保持部材41には、例えば絶縁性の樹脂材料を用いることができる。電池−電子機器接合体の一方の主面に、例えば粘着力を有する粘着剤49を塗布することで、生体情報測定装置40をユーザの手首、足首、首等に巻き付けることが可能となる。
【0023】
温度センサ43は、例えばサーミスタや熱電対等の感熱素子を用いて構成されており、ユーザの体温を示す信号を制御部48へ出力する。感圧素子45は、ユーザの血圧や脈拍を示す信号を制御部48へ出力する。出力された信号に応じた情報を記憶する記憶部46には、例えば不揮発性メモリを用いることができる。情報送信部47は、制御部48からの信号に応じて必要な情報を電波に変換して放射する。スイッチSW1は、生体情報測定装置40のオンとオフとを切り替える際に使用される。温度センサ43、感圧素子45、記憶部46、情報送信部47、スイッチSW1および制御部48は、例えばフレキシブル基板などに取り付けられ、基板表面に形成された配線パターンにより電気的に接続されている。
【0024】
制御部48は、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、装置の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、これらの周辺回路等とを備えており、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、生体情報測定装置40の各部の動作を制御する。
【0025】
図3は、イオントフォレシス経皮投薬装置の一例を概念的に示す上面図であり、図4Aは、同装置の概略断面図である。図4Aは、図3のIV−IV線断面図に相当する。図4Bは、同装置に薄型電池101を一体化させた電池デバイスの一例の図4Aに対応する断面図である。
イオントフォレシス経皮投薬装置40Aは、その構成素子を保持するシート状の保持部材111を具備する。保持部材111は、柔軟性を有する材料で構成される。保持部材111の内部には、薄型電池からの電力を制御する半導体素子112と、一対の平坦な電極113、114と、これら一対の電極113、114とそれぞれ対面する一対のリザーバ113a、114aとが埋設されている。リザーバ113a、114aは、いずれも通電可能なゲル状の材料で構成されている。リザーバ113a、114aのいずれか一方には、イオン性薬剤が封入されている。半導体素子112は、例えば定電流ダイオードのような整流作用を有する素子であり、そのアノードは電池101の負極端子と接続され、カソードは電極113、114の一方と接続されている。リザーバ113a、114aは、人体等の生体の皮膚に直接貼付される。電極113、114の他方は電池101の正極端子と接続される。
【0026】
一対の電極間に電圧を印加すると、リザーバ113a、114aのいずれかに封入されたイオン性薬剤は、電極間の電界により加速されて、皮下組織に浸透する。皮膚からの薬剤の浸透性は、半導体素子112によりコントロールされる。
【0027】
本発明の好ましい態様では、電池デバイスを折り曲げることにより、第1SW端子と第2SW端子とが接続可能となるように、電池デバイスに第1SW端子と第2SW端子とが設けられている。このような構造であれば、使用後の電池デバイスを折り曲げ位置で折り曲げる簡単な動作だけで、電池の強制放電を開始させることができる。電池デバイスの折り曲げ位置には、あらかじめ折り目やミシン目を設けておくことができる。
【0028】
電池デバイスを折り曲げることにより第1SW端子と第2SW端子とが接続可能となる場合、折り曲げられた状態(第1SW端子と第2SW端子とが接続された状態)で、電池デバイスの折り曲げを固定することが好ましい。これにより、少なくとも一定期間は強制放電が維持されるので、強制放電が短期間でストップすることを防止できる。電池デバイスを折り曲げられた状態で固定する手段は、特に限定されないが、粘着剤、マジックテープ(登録商標)、様々な係合部材などを用いることができる。
【0029】
第1電極と第2電極が外部短絡すると、第1電極と第2電極との間に比較的大きな電流が流れ続ける。その際、あまりに大きな電流が流れないように、必要に応じて、形成される外部短絡回路に抵抗を設けることが望ましい。第1電極と第2電極とが外部短絡したときに形成される外部短絡回路は、例えば、第1電極および第2電極に対して直列に接続された1kΩ以上、好ましくは1kΩ〜1000kΩの抵抗を備えることが好ましい。
【0030】
薄型電池の厚さは、特に限定されないが、柔軟性を考慮すると、1mm以下、さらには0.7mm以下であることが好ましい。シート状の電池−電子機器接合体(電池デバイス)の厚さは、薄型電池よりも多少厚くなる場合もあるが、同様の観点から、1mm以下であることが好ましい。ただし、薄型電池および電池−電子機器接合体の厚さは、いずれも5mm程度以下であれば、比較的良好な柔軟性が得られる場合もある。なお、これらの厚さを50μm未満にすることは技術的に困難であるから、厚さの下限は50μmである。
【0031】
薄型電池は、柔軟性に富むことが望ましい。電池の柔軟性には、電極群や外装体の弾性率が影響している。なかでも厚さ1mm以下の電池の場合、電池の柔軟性には外装体の弾性率が大きく影響する。柔軟性の観点からは、外装体の弾性率は小さいほど好ましい。しかし、外装体としての機能を維持するためには、ある程度の強度が必要である。柔軟性と強度とを両立させる観点から、外装体の引張弾性率は、例えば10〜700MPaであることが好ましい。
【0032】
電池の電極群は、外気(特に水蒸気)に触れると劣化する場合がある。そこで、電極群を密閉収納する外装体は、水蒸気に対するバリア性を具備することが望ましい。そのようなシート状材料として、例えば、水蒸気バリア層およびその両面に形成された樹脂層を含むラミネートフィルムが知られている。バリア層を有する外装体を用いることにより、電池に対する外気の影響(水蒸気が電池の発電要素に与える影響)を、効果的に低減することができる。バリア層の厚さは、外装体の柔軟性を確保する観点から、35μm以下であることが好ましい。
【0033】
電極群の構造は、特に限定されないが、シート化するのに適した電極が用いられる。例えば、電極群において、第1電極は、第1集電体シートおよびその表面に付着した第1活物質層を含み、第2電極は、第2集電体シートおよびその表面に付着した第2活物質層を含み、電解質層は、非水電解質を含み、かつ第1活物質層と第2活物質層との間に介在している。
【0034】
好ましい一形態において、電極群は、第1集電体シートおよびその一方の表面に付着した第1活物質層を含む第1電極、第2集電体シートおよびその一方の表面に付着した第2活物質層を含む第2電極、ならびに第1活物質層と第2活物質層との間に介在する電解質層を含む。そして、第1集電体シートの他方の表面および第2集電体シートの他方の表面は、それぞれ外装体の内面と接している。
【0035】
このような電極群は、基本的に、1枚の第1電極と、1枚の第2電極とを、貼り合わせた構造、すなわち、第1電極と電解質層と第2電極からなる三層構造(あるいは、第1集電体シートと第1活物質層と電解質層と第2活物質層と第2集電体シートからなる五層構造)を有する。ただし、本発明は、両端の第1電極と第2電極の間に、さらに、少なくとも1つの第1電極および少なくとも1つの第2電極を含む電極群を具備する薄型電池を排除するものではない。
【0036】
好ましい他の一形態において、電極群は、第1集電体シートおよびその一方の表面に付着した第1活物質層を含む、一対の第1電極、第2集電体シートおよびその両面に付着した第2活物質層を含む第2電極、ならびに第1活物質層と第2活物質層との間に介在する電解質層を含む。そして、一対の第1集電体シートの他方の表面は、それぞれ外装体の内面と接している。
【0037】
このような電極群は、基本的に、1枚の第2電極を、一対の第1電極で挟んだ構造、すなわち、最外層の一対の第1電極と、内層の第2電極と、第1電極と第2電極との間に介在する2層の電解質層からなる五層構造を有する。ただし、本発明は、さらに、少なくとも1つの追加の第1電極および少なくとも1つの追加の第2電極を含む五層を超える構造の電極群を具備する薄型電池を排除するものではない。また、場合によっては、1つの第1電極および1つの第2電極を重ねて偏平形状に捲回してなる電極群を具備する薄型電池を排除するものでもない。
【0038】
次に、本発明の一実施形態に係る電池デバイスについて説明する。
電池デバイスを使用後に廃棄する際、電池に電力が残存している場合には、廃棄前または廃棄後の短い期間内に、電池を強制放電させておくことが望ましい。そこで、電池デバイスには、その使用後に、第1電極と第2電極とが外部短絡していない状態から外部短絡した状態に切り替えるための強制放電作動スイッチが設けられている。
【0039】
図5に示すように、電池デバイス(電池−電子機器接合体)100は、通常、電池101と、電子機器(負荷)102と、これらを直列に接続する各経路とを具備する回路(第1回路)110を具備する。第1回路110は、第1スイッチ103により開状態から閉状態に変換される。負荷102が、図1、2で示される生体情報測定装置である場合、スイッチSW1が第1スイッチ103に該当する。
【0040】
図6は、負荷102がイオントフォレシス経皮投薬装置である場合の第1回路の回路図の一例である。第1スイッチ103を開状態から閉状態にすることで、電池101と投薬装置の定電流回路112と、投薬装置の一対の電極113、114とが直列接続される。一対の電極113、114の間の抵抗Rは、生体の皮膚に貼付されたゲル状の材料からなるリザーバ間の抵抗を示している。
【0041】
図5の場合、第1回路110の他に、電池の第1電極と、第2電極と、抵抗105と、これらを直列に接続する各経路とを具備する第2回路120を具備する。第2回路120は、強制放電作動スイッチ(第2スイッチ)104により開状態から閉状態に変換される。強制放電作動スイッチ104が第1電極と第1経路を介して接続された第1SW端子と、第2電極と第2経路を介して接続された第2SW端子とを具備する場合、第1SW端子と第2SW端子とを接続することで、外部短絡回路が形成される。
【0042】
電池デバイスの使用を終えた者が、強制放電作動スイッチを開状態から閉状態に変換(第1SW端子と第2SW端子とを接続)することにより、電池101の正極と負極とが抵抗105だけを介して外部短絡する。これにより、比較的大きな電流が、第2回路120を流れ続け、短期間のうちに電池は完全放電状態に至ることとなる。抵抗105は、第2回路にあまり大きな電流が流れないように、必要に応じて、電池101と直列に接続される。ただし、第2回路に大きな電流が流れる心配がない場合、例えば、第2スイッチの接触状態や正極と負極とを接続させる経路に起因して十分な抵抗が既に存在する場合には、さらに抵抗105を接続する必要はない。
【0043】
電池デバイスは、柔軟性に優れているため、容易に、物理的に変形させることができる。従って、強制放電作動スイッチ104は、電池デバイスに物理的な変形を加えることで、開状態から閉状態に変換するものであってもよい。この場合、物理的な変形を加える前には互いに離間されていた第1SW端子と第2SW端子とが、変形後の状態では互いに接触した状態となる。
【0044】
次に、強制放電作動スイッチ(第2スイッチ)の具体的な構成について図7を参照して説明する。
図7(a)の電池デバイス42Bは、矩形の形状を有し、長手方向に沿う一方の辺の両端付近に、電池21の第1電極と第1経路を介して接続された第1SW端子104xと、電池21の第2電極と第2経路を介して接続された第2SW端子104yとを具備する。電池デバイス42Bは、例えば、薄型電池21と一体化されたイオントフォレシス経皮投薬装置40Aである。
【0045】
第1SW端子104xと第2SW端子104yは、所定の折り曲げ位置(破線X)で電池デバイス42Bを折り曲げた場合に、互いに対向するように配置されている。折り曲げ位置には、破線Xに沿って、あらかじめ折り目やミシン目を設けておくことができる。電池デバイス42Bは、薄いシート状であるため、その使用を終えた者が容易に折り曲げ可能である。つまり、図7(b)、(c)に示すように、電池デバイス42Bを折り曲げる動作により、第1SW端子104xと第2SW端子104yとが接触し、電池21を含む外部短絡回路が形成される。
【0046】
折り曲げられた電池デバイス42Bは、図7(c)のように、第1SW端子104xと第2SW端子104yとが接触した状態を、少なくとも暫くの間は維持することが望ましい。したがって、電池デバイス42Bは、第1SW端子104xと第2SW端子104yとを接触させた状態で固定し得る固定手段を具備することが好ましい。このような要請に対しては、例えば、第1SW端子104xおよび第2SW端子104yが露出する側の電池デバイス42Bの面に、粘着剤、マジックテープ(登録商標)、様々な係合部材などを付与することが望ましい。粘着剤は、生体に電池デバイス42Bを貼付するためにも利用することができる。あるいは、第1SW端子104xおよび第2SW端子104yの一方を凹状に、他方を凸状に形成し、両者が互いに係合するように構成してもよい。
【0047】
第1SW端子および第2SW端子の形態は、特に限定されない。例えば、第1SW端子と第2SW端子との確実な接触を確保するために、第1SW端子と第2SW端子の面積をより大きくしてもよい。また、イオントフォレシス経皮投薬装置の場合は、リザーバ113a、113bがそれぞれ第1SW端子、第2SW端子となっても構わない。また、電池デバイスに限らず、電池自体に強制放電作動スイッチを構成する第1SW端子および第2SW端子を形成してもよい。
【0048】
図8に示す薄型電池21Bでは、強制放電作動スイッチを電池自体に設けてある。負極リード3Aと正極リード6Aが、矩形の電池の互いに対向する二辺から外部に導出されている。リード3A、6Aは、外部に露出する部分以外に、シール材料10A、10Bで覆われた内部リード部3a、6aを有する。内部リード部3a、6aは、強制放電作動スイッチを構成する外部に露出した第1SW端子23および第2SW端子24とそれぞれ接続されている。第1SW端子23および第2SW端子24の面積は、いずれも電池の輪郭で囲まれた面積の1〜20%である。電池21Bを破線Yで折り曲げて二つ折りにすると、第1SW端子23と第2SW端子24とが、ほぼ確実に接触する。また、電池21Bの第1SW端子23と第2SW端子24とが露出する面には、その端子面を除いて、ほぼ全面にわたって粘着剤25が付与されており、粘着剤25により第1SW端子23と第2SW端子24とが接触した状態が維持される。
【0049】
リード3A、6Aは、電池の外部端子として利用されるが、これらは内部リード部3a、6a(第1SW端子23、第2SW端子24)と互いに互換性がある。つまり、リード3A、6Aを適宜整形して強制放電作動スイッチのSW端子として利用するとともに、第1SW端子23、第2SW端子24を電池の外部端子(電子機器に接続する電力供給用の端子)として利用してもよい。
【0050】
電池デバイスの折り曲げ位置には、折り目やミシン目を設けることもできるが、折り曲げ位置を電池デバイスの他の部分よりも柔軟性が高くなるように設計してもよい。例えば、折り曲げ位置の引張弾性率を、他の部分よりも小さくなるように設計してもよい。あるいは、折り曲げ位置の幅を、他の部分より狭くしてもよい。
【0051】
強制放電作動スイッチは、電池デバイスの折り曲げに伴って開状態から閉状態に変換されるものである必要はない。例えば、押しボタン式のスイッチでもよい。また、強制放電作動スイッチは、電池デバイスの物理的変形に伴って作動するものでなくてもよい。例えば、電池デバイスが生体に貼付された状態から剥がされたときに、自動的に使用終了を検知し、強制放電作動スイッチが作動するように、制御回路で制御してもよい。このような制御回路は、電子機器に組み込めばよい。
【0052】
図9に押しボタン式スイッチの一例を示す。図9において、第1SW端子23Aは環状の絞り部(小径部)27を有する円筒形状であり、第1SW端子23Aと対向配置された第2SW端子24Aは平坦形状である。図9(a)に示すように、第2SW端子24Aの周縁部には、第1SW端子23Aと第2SW端子24Aとを離間させるとともに、第1SW端子23Aの絞り部27と係合させる鍔部28を有する絶縁性スペーサ26が取り付けられている。電池デバイスの使用前および使用中は、第1SW端子23Aと第2SW端子24Aとが離間した状態((a)の状態)であり、その使用後に第1SW端子23Aを第2SW端子24Aに向かって押し込むと、図9(b)に示すように、鍔部28が絞り部27に係合するとともに、第1SW端子23Aと第2SW端子24Aとが接触した状態で固定される。なお、第1SW端子23Aは、例えば、電池の第1電極と接続されて外部に導出されるリード片3bの一部と接続する。同様に、第2SW端子24Aは、電池の第2電極と接続されて外部に導出されるリード片6bの一部と接続する。
【0053】
なお、電池を強制放電させる手段は、図5に示すような、第2回路に限られない。シート化された電子機器が、その主要平坦面の対称な位置に、電池の正極および負極と接続された一対の電極を有する場合には、その一対の電極を折り曲げなどの物理的変形により接触させる構成としてもよい。例えば、電子機器がイオントフォレシス経皮投薬装置である場合、一対の電極の一方を、第1SW端子と一体に形成し、一対の電極の他方を、第2SW端子と一体に形成してもよい。
【0054】
次に、本発明の一実施形態に係る薄型電池について、図10、11を参照しながら説明する。
図10は、薄型電池21の概略断面図である。図11は、電池21の上面図である。図10は、図11のX−X線断面図に相当する。電池21は、電極群13と、電極群13を収納する外装体8とを備える。電極群13は、負極11、正極12、および負極11と正極12との間に介在する電解質層7を具備する。負極11は、負極集電体シート1および負極集電体シート1の一方の表面に付着した負極活物質層2を有する。正極12は、正極集電体シート4および正極集電体シート4の一方の表面に付着した正極活物質層5を有する。負極11および正極12は、電解質層7を介して、正極活物質層5と負極活物質層2とが向かい合うように配置されている。負極集電体シート1には負極リード3が接続され、正極集電体シート4には正極リード6が接続されている。負極リード3および正極リード6の一部は、外装体8から外部へ露出しており、その露出部は負極外部端子および正極外部端子として機能する。
【0055】
外装体8は、例えば、バリア層およびその両面にそれぞれ形成された樹脂層を具備するラミネートフィルムで形成されている。ラミネートフィルムを外装体に形成する方法は特に限定されない。例えば、ラミネートフィルムが、電極群13を平面に沿って2つ並べたときの矩形の面積よりも大きな面積を有する場合、このラミネートフィルムをセンターラインで折り返し、センターラインで繋がれた対向する2辺の周縁部を接着することにより、袋状の外装体が得られる。一方、ラミネートフィルムをセンターラインで折り返し、ラミネートフィルムの両端同士を重ね合わせた後、端部同士を溶着すれば、筒状の外装体が得られる。
【0056】
負極集電体シート1には、金属フィルム、金属箔などが用いられる。負極集電体シート1は、負極活物質と合金を形成せず、電子伝導性に優れていることが好ましい。よって、負極集電体シート1は、銅、ニッケル、チタンおよびこれらの合金ならびにステンレス鋼からなる群より選ばれる少なくとも1種の箔であることが好ましい。負極集電体シート1の厚みは、例えば5〜30μmであることが好ましい。負極集電体シート1の厚みを5μm以上とすることで、負極集電体シート1は優れた強度を維持することができる。負極集電体シート1の厚みを30μm以下とすることで、負極集電体シート1に、より高い柔軟性を付与することができ、屈曲時に負極集電体シート1に大きなストレスが発生しにくくなる。
【0057】
負極活物質層2は、負極活物質、結着剤および必要に応じて導電剤を含む合剤層でもよく、蒸着のような気相法で形成される堆積膜でもよく、金属シートでもよい。合剤層に含ませる負極活物質としては、炭素材料(例えば黒鉛)、ケイ素合金、ケイ素酸化物などが挙げられる。堆積膜としては、ケイ素合金膜、ケイ素酸化物膜などが挙げられる。金属シートとしては、シート状のリチウム金属またはリチウム合金を用いることができる。負極活物質層の厚みは、例えば1〜300μmであることが好ましい。
【0058】
なお、上記の強制放電スイッチは、負極活物質層2が、金属リチウムまたはリチウム合金を含む場合には、安全性の向上の観点から、電池または電池デバイスに組み込むことが特に望ましい。負極集電体シート1との密着力を高める観点から、シート状のリチウム金属またはリチウム合金の厚みは、10〜100μmであることが好ましい。厚みを100μm以下とすることで、負極活物質層2が優れた柔軟性を維持することができ、電池の屈曲時に負極集電体シート1からの負極活物質層2の剥離が高度に抑制される。負極活物質層2の厚みを10μm以上とすることで、エネルギー密度の高い電池を得やすくなる。ここで、負極活物質層2の厚みは、未放電状態時または充電状態の厚みである。
【0059】
リチウム合金としては、例えば、Li−Si合金、Li−Sn合金、Li−Al合金、Li−Ga合金、Li−Mg合金、またはLi−In合金が用いられる。負極容量を確保する観点から、リチウム合金中において、Li以外の元素が存在する割合は、0.1〜10重量%が好ましい。負極集電体シート1にリチウム金属またはリチウム合金を圧着させて、負極集電体シート1とリチウム金属またはリチウム合金とを密着させることにより、負極11が得られる。
【0060】
正極集電体シート4には、金属フィルム、金属箔、金属繊維の不織布のような金属材料が用いられる。正極集電体シートは、例えば、銀、ニッケル、パラジウム、金、白金、アルミニウムおよびこれらの合金ならびにステンレス鋼からなる群より選ばれる少なくとも1種の箔であることが好ましい。正極集電体シートの厚さは、例えば1〜30μmであることが好ましい。
【0061】
正極活物質層5は、正極活物質と、結着剤と、必要に応じて導電剤とを含む合剤層でもよく、蒸着のような気相法で形成される堆積膜でもよい。正極活物質は、特に限定されないが、例えば、二酸化マンガン、フッ化カーボン(フッ化黒鉛)、リチウム含有複合酸化物、金属硫化物および有機硫黄化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。正極活物質層の厚みは、例えば1〜300μmであることが好ましい。合剤層は良好な柔軟性を有するため、電池の屈曲時に正極集電体シートの変形に十分に追従することができる。
【0062】
一次電池の正極活物質としては、(CFwm(式中、mは1以上の整数であり、0<w≦1)で表されるフッ化黒鉛や、二酸化マンガンが適している。二次電池の正極活物質としては、リチウム含有複合酸化物、例えば、LixaCoO2、LixaNiO2、LixaMnO2、LixaCoyNi1-y2、LixaCoy1-yz、LixaNi1-yyz、LixbMn24、LixbMn2-yy4などが適している。ここで、Mは、Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、SbおよびBよりなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であり、xa=0〜1.2、xb=0〜2、y=0〜0.9、z=2〜2.3である。xaおよびxbは、充放電開始前の値であり、充放電により増減する。
【0063】
正極または負極の合剤層に含ませる導電剤には、天然黒鉛、人造黒鉛などのグラファイト類;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類などが用いられる。
【0064】
正極または負極の合剤層に含ませる結着剤には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸などのアクリル樹脂、スチレンブタジエンゴムなどのゴム類などが用いられる。
【0065】
電解質層7としては、例えば、高分子電解質、固体電解質、セパレータに含浸させた非水電解液等を用いることができる。これらの中では漏液を抑制することができる点から高分子電解質または固体電解質が好ましい。
【0066】
高分子電解質は、例えば、リチウム塩と非水溶媒との混合物である電解液をマトリクスポリマーに保持させることにより調製される。リチウム塩の具体例としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、イミド塩類等が挙げられる。また、非水溶媒の具体例としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル;ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート等の鎖状炭酸エステル;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状カルボン酸エステル;等が挙げられる。マトリクスポリマーの具体例としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とを繰り返し単位に含む共重合体、フッ化ビニリデン(VdF)とトリフルオロエチレン(TFE)とを繰り返し単位に含む共重合体等のフッ素系ポリマー,シリコンゲル,アクリルゲル,アクリロニトリルゲル,ポリフォスファゼン変性ポリマー,ポリエチレンオキサイド,ポリプロピレンオキサイド及びこれらの複合ポリマーや架橋ポリマー、変性ポリマー等が挙げられる。
【0067】
固体電解質は、例えば、正極または負極の表面に、PVD法やCVD法を用いて、リチウムイオン伝導体を堆積させることにより調製できる。リチウムイオン伝導体の具体例としては、リチウム硫化物等が挙げられる。
【0068】
セパレータに含浸させる非水電解液は、上述したようなリチウム塩と非水溶媒とを混合することで調製される。セパレータとしては、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリアミドイミド等のポリアミド等の樹脂から成形された微多孔膜が好ましく用いられる。セパレータの厚さは、例えば8〜30μmである。
【0069】
負極リード3および正極リード6は、例えば、負極集電体シートまたは正極集電体シートにそれぞれ溶接により接続される。負極リードとしては、例えば、銅リード、銅合金リード、ニッケルリード等が好ましく用いられる。正極リードとしては、例えば、ニッケルリード、アルミニウムリード等が好ましく用いられる。
【0070】
薄型電池は、例えば、以下のように作製される。
負極と正極とを、負極活物質層と正極活物質層とが向かい合うように配置し、電解質層を介して、重ね合わせ、電極群を構成する。このとき、負極には、負極リードを取り付け、正極に正極リードを取り付ける。一方、筒状に形成された第1外装体の一方の開口から電極群を挿入した後、その開口を熱溶着により閉じる。この時、筒状の第1外装体の一方の開口から正極リードおよび負極リードの一部が外部へ露出するように電極群を配置する。この露出部が正極外部端子および負極外部端子となる。次に、筒状の第1外装体の他方の開口から非水電解液を注入した後、その開口を熱溶着により閉じる。このようにして、電極群を第1外装体内に密閉する。
【0071】
次に、本発明の他の実施形態に係る薄型電池について、図12を参照しながら説明する。
図12の電池21Aは、電極群13Aと、電極群13Aを収納する外装体8Aとを備える。電極群13Aは、1枚の負極11Aと、これを挟むように配置された一対の正極12Aと、負極11Aと正極12Aとの間に介在する電解質層7Aとを具備する。このような構造は、対称性がよく、いずれの方向に屈曲させても、電池21Aに付与される応力の程度に大きな差が生じない。よって、例えば、電池21Aを電子機器に組み込む際に、電池の方向を意識する必要がなくなる点で便利である。
【0072】
負極11Aは、負極集電体シート1Aおよび負極集電体シート1Aの両方の表面にそれぞれ付着した負極活物質層2Aを有する。一方、一対の正極12Aは、正極集電体シート4Aおよび正極集電体シート4Aの一方の表面のみに付着した正極活物質層5を有する。一対の正極12Aは、電解質層7を介して、正極活物質層5Aと負極11Aとが向かい合うように、負極11Aを挟んで配置される。負極集電体シート1Aには負極リード3Aが接続され、正極集電体シート4Aには正極リード6Aが接続されている。負極リード3Aおよび正極リード6Aの一部は、外装体8Aから外部へ露出しており、その露出部は負極端子および正極端子として機能する。なお、外装体8Aと各リードとの間には、密閉性を高めるためにシール材料10を介在させてもよい。シール材料10には、熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0073】
次に、図13を参照して、外装体に適用し得る、バリア層およびその両面に形成された樹脂層を具備するシート状材料(ラミネートフィルム)について詳しく説明する。
ラミネートフィルム8は、無機材料層(バリア層)8aと、バリア層8aの一方の面に接着された第1の樹脂フィルム8bと、バリア層8aの他方の面に接着された第2の樹脂フィルム8cとを含む積層体である。
【0074】
バリア層8aの形成に用いられる無機材料は、特に限定されないが、バリア性能、強度、耐屈曲性などの点で、金属層、セラミックス層などを用いることが好適である。また、リチウム基準(vs.Li+/Li)で、3ボルト以上の耐電圧を有するバリア層を形成しうる無機材料が好ましい。具体的には、例えば、アルミニウム,チタン,ニッケル,鉄,白金,金,銀等の金属材料や、酸化ケイ素,酸化マグネシウム,酸化アルミニウム等の無機酸化物材料が好ましい。耐電圧に優れたバリア層を形成することにより、バリア層の酸化等による破損を抑制することができる。これらの中では、得られるラミネートフィルムの可撓性とバリア性とのバランスに優れる点から、酸化アルミニウム、酸化ケイ素が特に好ましく、製造コストが低い点からはアルミニウムが特に好ましい。
【0075】
外装体のバリア層の厚さは、外装体の柔軟性を確保する観点からは、薄いほど望ましく、例えば35μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、0.5μm以下がさらに好ましい。ただし、薄型電池または電池デバイスの使用期間中のバリア性を確保する観点からは、例えば0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.1μm以上がさらに好ましい。なお、これらの上限および下限は、任意に組み合わせて厚さの範囲を設定できる。例えば、厚さ0.01〜0.5μmのバリア層が好ましい。
【0076】
好ましい厚さ0.01〜0.5μmのバリア層を有するラミネートフィルムは、第1の樹脂フィルム8bの一面に、厚みが0.01〜0.5μmの無機材料の蒸着層8aを形成し、さらに、第2の樹脂フィルム8cをラミネートすることにより製造される。蒸着層8aは、平均厚さが0.01〜0.5μmになるように無機材料を堆積させることにより形成される。蒸着法の具体例としては、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、化学気相成長法、プラズマ化学気相成長法、溶射法等が挙げられる。これらの中では、真空蒸着法が特に好ましく用いられる。
【0077】
蒸着層の平均的な厚さは、好ましくは0.01〜1μm、さらに好ましくは0.01〜0.5μmである。蒸着層の平均的な厚さを0.5μm以下とすることで、ラミネートフィルムは可撓性に特に優れたものとなり、その結果、電池の可撓性も高くなる。また、蒸着層の平均的な厚さを0.01μm以上とすることで、外装体に要求される程度のバリア性を十分に確保することができる。
【0078】
より厚いバリア層を有するラミネートフィルムは、例えば、厚みが10〜35μmの金属箔8aを、第1の樹脂フィルム8bと、第2の樹脂フィルム8cとで、挟んで、ラミネートすることにより製造される。
【0079】
熱溶着の容易さ、耐電解質性および耐薬品性の観点から、外装体の内面側に配置される樹脂フィルムの材料は、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などであることが好ましい。また、同様の観点から、内面側の樹脂フィルムの厚さは、10〜100μm、さらには10〜50μmであることが好ましい。
【0080】
強度、耐衝撃性および耐薬品性の観点から、外装体の外面側に配置される樹脂フィルムは、6,6−ナイロンのようなポリアミド(PA)、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステルなどが好ましい。また、同様の観点から、外面側の樹脂フィルムの厚さは、5〜100μm、さらには10〜50μmであることが好ましい。
【0081】
具体的には、外装体としては、PP/Al箔/PAのラミネートフィルム、PP/Al箔/PPのラミネートフィルム、PE/Al箔/PEのラミネートフィルム、酸変性PP/PET/Al箔/PETのラミネートフィルム、酸変性PE/PA/Al箔/PETのラミネートフィルム、アイオノマー樹脂/Ni箔/PE/PETのラミネートフィルム、EVA/PE/Al箔/PETのラミネートフィルム、アイオノマー樹脂/PET/Al箔/PETのラミネートフィルムが挙げられる。
【0082】
ラミネートフィルムの全厚は、例えば15〜300μmであり、30〜150μmであることが好ましい。ラミネートフィルムの全厚が上記範囲であれば、外装体に要求される様々な性能を十分に確保することができ、薄型電池や電池包装体の厚さを小さく維持することも容易である。
【0083】
外装体の引張弾性率は、10〜700MPaであることが好ましい。電極群の厚さを低減した薄型電池においては、外装体の柔軟性が電池全体の柔軟性の向上に与える影響を無視できない。電極群と非水電解質(すなわち発電要素)を密閉収納する外装体の引張弾性率を10〜700MPaに設定することにより、電池の柔軟性が向上し、人体に対する装着感が大きく改善される。また、外装体として必要な強度を維持できる。柔軟性の点では、外装体の引張弾性率は小さいほど望ましく、例えば90MPa以下が望ましく、80MPa以下がより好ましく、50MPa以上がさらに好ましい。ただし、耐屈曲性のような機械的強度を考慮すると、5MPa以上が望ましく、10MPa以上がより好ましく、15MPa以上がさらに好ましい。なお、これらの上限および下限は、任意に組み合わせて引張弾性率の範囲を設定できる。
【0084】
なお、外装体の引張弾性率は以下の方法で測定できる。
まず、外装体を構成するラミネートフィルムを平行部幅5mm、標線間距離20mmの引張試験3号ダンベルに切出す。この引張試験3号ダンベルを試料に用いて、JIS K7161に準拠して5mm/分の引張速度にて万能試験機を用いて引張試験を行い、引張弾性率を求める。
【0085】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0086】
《実施例1》
以下の手順で、基本的な構造が図10、11に示す電池と同様である薄型電池を作製した。
【0087】
(1)負極の作製
負極集電体シート1として、厚さ12μmの電解銅箔を準備した。その電解銅箔の一方の面に、負極活物質層2であるリチウム金属箔(厚み20μm)を100N/cmの線圧で圧着し、負極11を得た。これを5mm×5mmのタブ部を一方の短辺の中央に有する50×50mmのサイズに切り抜いた後、タブ部に銅製の負極リード3を超音波溶接した。
【0088】
(2)正極の作製
正極活物質である350℃で加熱した電解二酸化マンガンと、導電剤であるアセチレンブラックと、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含むN−メチル−2−ピロリドン(NMP)の溶液とを、二酸化マンガン:アセチレンブラック:PVDFの重量比が100:5:5となるように混合した後、NMPを適量加え、正極合剤ペーストを得た。
【0089】
正極集電体シート4として、アルミニウム箔(厚さ15μm)を準備した。そのアルミニウム箔の一方の面に、正極合剤を塗布し、85℃で10分乾燥し、正極活物質層5を形成した後、それをロールプレス機にて12000N/cmの線圧で圧縮し、正極12を得た。これを5mm×5mmのタブ部を一方の短辺の中央に有する50×50mmのサイズに切り抜いた後、120℃で2時間減圧乾燥した。タブ部にアルミニウムの正極リード6を超音波溶接した。
【0090】
(3)電極群の作製
負極活物質層2と正極活物質層5とが互いに向かい合うように負極11および正極12を配置した。ただし、正極リードと負極リードは、互いに逆方向に突出させた。その後、負極11と正極12との間に、微多孔性ポリエチレンフィルム(厚さ9μm、幅32mm)からなるセパレータを配置し、電極群13を得た。
【0091】
(4)電池の組立て
アルミニウム製のバリア層を有する筒状のラミネートフィルムからなる外装体8に電極群13を収納した。ラミネートフィルムには、PP層(厚さ35μm)/アルミニウム蒸着膜(厚さ0.05μm)/ナイロン(PA)層(厚さ15μm)の3層構造で、総厚約50μm、引張弾性率50MPaのものを用いた。PP層を内側に、PA層を外側に配置した。
【0092】
外装体8の一方の開口に正極リード6、他方の開口に負極リード3を通し、正極リード6の一部および負極リード3の一部を外装体8から露出させた。負極リード3を挟んで、外装体8の一方の開口を熱溶着により閉じた。次に、外装体8の他方の開口から非水電解質0.8gを注入した後、660mmHgの減圧環境下で10秒間脱気した。非水電解質には、LiClO4を1mol/Lの濃度で溶解させた非水溶媒を用いた。非水溶媒には、プロピレンカーボネートおよびジメトキシエタンの混合溶媒(体積比1:1)を用いた。
【0093】
その後、正極リード6を挟んで、外装体8の他方の開口を熱溶着により閉じ、外装体8内に電極群13を密閉した。このようにして、サイズ60mm×65mm、厚さ約0.2mmの薄型電池21(電池X)を作製した。 得られた電池は45℃で1日間エージングした。
【0094】
負極リード3および正極リード6における外装体8内から外部へ露出した部分を、電池の同じ面に向かって折り曲げ、先端部を除いて絶縁テープ10Aで覆うとともに電池に固定した。次に、負極リード3および正極リード6の先端に、それぞれサイズ14mm×14mmの銅箔およびアルミニウム箔を負極外部端子23および正極外部端子24として溶接し、各々を接着剤で外装体8の外面に貼り付けた。銅箔およびアルミニウム箔を貼り付けた外装体の面の余白には、粘着剤を塗布した。
【0095】
(5)電池デバイス(電池−電子機器接合体)の作製
図3、4に示すようなサイズ80mm×70mmのイオントフォレシス経皮投薬装置を準備した。投薬装置の一方の面の中央には、定電流ダイオードを有する半導体素子112を配置し、他方の面には、一対の電極113、114およびこれに積層された一対のリザーバ113a、114aを並列に配置した。半導体素子112の両側には、電極113、114と導通する一対の接続用端子を配置した。その一対の接続用端子を、それぞれ電池の負極外部端子23および正極外部端子24と接触させるとともに、図4Bに示すように、電池と投薬装置を積層した。電池に塗布された粘着剤により、電池と投薬装置は互いに固定された。
【0096】
上記構成においては、一対のリザーバ113a、114aを負極外部端子23および正極外部端子24を、それぞれ強制放電作動スイッチの負極SW端子および正極SW端子として機能させることができる。
【0097】
[評価]
電池デバイスの投薬装置を作動させ、電池容量の10%を消費させた。そして、投薬装置の一対のリザーバが互いに接触するように、電池−電子機器接合体を二つ折にして固定した。24時間後に電池電圧を測定したところ、0.05Vであり、電池が完全放電状態であることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明の電池デバイスは、例えば、生体に貼り付けて使用するイオントフォレシス経皮投薬装置や生体情報測定装置のような小型の電子機器への使用に適している。
【符号の説明】
【0099】
1:負極集電体シート、2:負極活物質層、3:負極リード、4:正極集電体シート、5:正極活物質層、6:正極リード、7:電解質層、8:第1外装体、9:第2外装体、11:負極、12:正極、13:電極群、21,101:薄型電池、31:電池包装体、40,102:電子機器、41:保持部材、42,100:電池デバイス、103:第1スイッチ、104:強制放電作動スイッチ(第2スイッチ)、105:抵抗、110:第1回路、120:第2回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極、第2電極および前記第1電極と前記第2電極との間に介在する電解質層を具備するシート状の電極群と、前記電極群を密閉収納する外装体と、を含む薄型電池を具備し、
前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡した状態と、前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡していない状態と、を切り替えるための強制放電作動スイッチを有する、電池デバイス。
【請求項2】
前記強制放電作動スイッチが、
前記第1電極と電気的に接続された短絡形成用の第1SW端子と、
前記第2電極と電気的に接続された短絡形成用の第2SW端子と、を具備し、
前記第1SW端子と前記第2SW端子とが電気的に非接続の状態から接続された状態に切り替えられることにより、前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡して前記電池の強制放電が行われる、請求項1記載の電池デバイス。
【請求項3】
さらに、前記電池からの電力供給により駆動される電子機器を具備する、請求項2記載の電池デバイス。
【請求項4】
前記電池と前記電子機器とが、一体となってシート化されている、請求項3記載の電池デバイス。
【請求項5】
前記電池デバイスを折り曲げることにより、前記第1SW端子と前記第2SW端子とが接続可能となる、請求項2〜4のいずれか1項に記載の電池デバイス。
【請求項6】
前記電池デバイスが折り曲げられて、前記第1SW端子と前記第2SW端子とが接続された状態で、前記電池デバイスの折り曲げが固定される、請求項5記載の電池デバイス。
【請求項7】
前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡したときに形成される外部短絡回路が、前記第1電極と前記第2電極に対して直列に接続された1kΩ以上の抵抗を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電池デバイス。
【請求項8】
前記電子機器が、生体情報測定装置または生体に対向させる一対の電極を有するイオントフォレシス経皮投薬装置である、請求項3〜7のいずれか1項に記載の電池デバイス。
【請求項9】
前記電子機器が、前記イオントフォレシス経皮投薬装置であり、
前記一対の電極の一方が、前記第1SW端子と一体に形成されており、
前記一対の電極の他方が、前記第2SW端子と一体に形成されている、請求項8記載の電池デバイス。
【請求項10】
前記電池の厚さが、1mm以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電池デバイス。
【請求項11】
前記外装体の引張弾性率が、10〜700MPaである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電池デバイス。
【請求項12】
前記外装体は、水蒸気に対するバリア層および前記バリア層の両面に形成された樹脂層を含み、前記バリア層の厚さが、35μm以下である、請求項11記載の電池デバイス。
【請求項13】
前記第1電極は、第1集電体シートおよびその表面に付着した第1活物質層を含み、
前記第2電極は、第2集電体シートおよびその表面に付着した第2活物質層を含み、
前記電解質層は、非水電解質を含み、かつ前記第1活物質層と前記第2活物質層との間に介在している、請求項1〜12のいずれか1項に記載の電池デバイス。
【請求項14】
前記第1活物質層が、前記第1集電体シートの一方の表面のみに付着しており、
前記第2活物質層が、前記第2集電体シートの一方の表面のみに付着しており、
前記第1集電体シートの他方の表面および前記第2集電体シートの他方の表面は、前記外装体の内面と接している、請求項13記載の電池デバイス。
【請求項15】
一対の前記第1電極を具備し、
前記第1活物質層は、前記第1集電体シートの一方の表面のみに付着しており、
前記第2活物質層は、前記第2集電体シートの両方の表面に付着しており、
前記第2電極は、前記一対の第1電極の第1活物質層間に挟持されており、
前記一対の第1電極の第1集電体シートの他方の表面は、それぞれ前記外装体の内面と接している、請求項13記載の電池デバイス。
【請求項16】
前記第1活物質層または前記第2活物質層が、金属リチウムまたはリチウム合金を含む、請求項13〜15のいずれか1項に記載の電池デバイス。
【請求項17】
第1電極、第2電極および前記第1電極と前記第2電極との間に介在する電解質層を具備するシート状の電極群と、前記電極群を密閉収納する外装体と、を含む薄型電池を具備し、前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡した状態と、前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡していない状態と、を切り替えるための強制放電作動スイッチ、を有する電池デバイスの操作方法であって、
前記電池の通常放電中は、前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡していない状態を維持し、
前記電池の通常放電後は、前記強制放電作動スイッチにより、前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡していない状態から、前記第1電極と前記第2電極とが外部短絡した状態に切り替えて、前記電池を強制放電させる、操作方法。
【請求項18】
前記強制放電作動スイッチが、
前記第1電極と電気的に接続された短絡形成用の第1SW端子と、
前記第2電極と電気的に接続された短絡形成用の第2SW端子と、を具備し、
前記電池の通常放電後に、前記第1SW端子と前記第2SW端子とが電気的に非接続の状態から接続された状態に切り替えることにより、前記第1電極と前記第2電極とを外部短絡させる、請求項17記載の電池デバイスの操作方法。
【請求項19】
さらに、前記電池からの電力供給により駆動される電子機器を具備する、請求項17または18記載の電池デバイスの操作方法。
【請求項20】
前記電池デバイスを折り曲げることにより、前記第1SW端子と前記第2SW端子とが接続可能となる、請求項19記載の電池デバイスの操作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−48510(P2013−48510A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185771(P2011−185771)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】