説明

電池パックユニット

【課題】電池切れになっても簡単な構成に電池パックを交換することが可能な電池パックユニットを提供する。
【解決手段】一次側電池パック1と二次側電池パック2の2つの電池パックを電池パックユニット5に内蔵する。そして、一次側電池パック1の接続端子3a、3b、3cと二次側電池パック2の接続端子4a、4b、4cを電池パックユニットの互いに対向する端面に点対称の位置に配置する。あるいは、一次側電池パック1の接続端子3a、3b、3cと二次側電池パック2の接続端子4a、4b、4cを電池パックユニットの同じ端面に点対称の位置に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末等の電池使用機器に用いられる電池パックユニットの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電池パックとしては、例えば、特許文献1には、電池パックの端子の位置を工夫することで、電池パックの装着方向に関係なく、電池使用機器や充電器への装着の際に導電接続を行うことが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、2次電池に内蔵された制御回路により、2次電池の使用可能な携帯端末情報、使用履歴情報等を管理することで、複数種類の携帯端末間で2次電池の効率的な再利用を行い、外出先で電池切れとなった場合には、簡単に2次電池を入手可能とすることが記載されている。
【0004】
更に、特許文献3には、電池ケースを複数の電池パックで構成し、電池切れの場合には切替手段で給電する電池パックを切り替えることが記載されている。
【特許文献1】特開2003−331806号公報
【特許文献2】特開2007−234434号公報
【特許文献3】特開平09−36933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のものは、1つの電池パックで構成されているため、電池切れになると充電したり、或いは予備の電池パックに交換する必要がある。そのため、外出先で電池切れになった場合には、予備の電池パックがないと、例えば、携帯電話機等の電池使用機器は使用できない。
【0006】
特許文献2のものは、複数種類の携帯端末間で2次電池の再利用を行うことは可能であるが、2次電池内に複雑な制御回路が必要であるばかりか、電池切れの際にすぐに電池を交換することはできない。
【0007】
更に、特許文献3のものは、電池ケース内に切り替えスイッチ等の切替手段が組み込まれており、電池切れの場合には電池パックを切替手段を用いて切り替える構成であるため、構成が複雑になる問題点があった。
【0008】
本発明の目的は、電池切れになっても簡単に電池パックを交換することが可能な電池パックユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、電池使用機器に電源を供給する第1の電池パックと第2の電池パックとの2つの電池パックを内蔵する電池パックユニットであって、前記第1の電池パックと第2の電池パックには、それぞれ、前記電池使用機器の接続端子に接続する複数の接続端子が配置され、前記第1、第2の電池パックの複数の接続端子は、電池パックユニットの装着方向を変えて交換できるように点対称の位置に配置されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、電池使用機器に電源を供給する第1の電池パックと第2の電池パックとの2つの電池パックを内蔵する電池パックユニットであって、前記第1の電池パックと第2の電池パックには、それぞれ、前記電池使用機器の接続端子に接続する複数の接続端子が配置され、前記第1の電池パックと第2の電池パックの複数の接続端子は、電池パックユニットの互いに対向する端面に点対称の位置に配置されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、電池使用機器に電源を供給する第1の電池パックと第2の電池パックとの2つの電池パックを内蔵する電池パックユニットであって、前記第1の電池パックと第2の電池パックには、それぞれ、前記電池使用機器の接続端子に接続する複数の接続端子が配置され、前記第1の電池パックと第2の電池パックの複数の接続端子は、電池パックユニットの同じ端面に点対称の位置に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電池パックユニット内に2つの電池パックを組み込み、電池切れになった場合には、電池パックユニットを180度回転させた状態で電池使用機器に装着するだけで、簡単に電池パック交換することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る電池パックユニットの一実施形態を示す斜視図である。図中5は電池パックユニットであり、内部に2つの電池パック1、2が組み込まれている。一方の電池パックを一次側電池パック1、他方の電池パックを二次側電池パック2という。電池パックユニット5は長方形状であり、その長手方向に対して直交する方向に分断する形で一次側電池パック1と二次側電池パック2が内蔵されている。
【0014】
一次側電池パック1と二次側電池パック2には、例えば、リチウムイオン二次電池等が用いられる。図1では一次側電池パック1の方が二次側電池パック2よりも大きい形状としているが、これは、一次側電池パック1の電池容量を二次側電池パック2の電池容量より大きくしているためである。即ち、二次側電池パック2を予備用の電池パックとしており、二次側電池パック2の電池容量を小さくしているためであるが、両方の電池容量を同じにする等電池容量の設定は任意である。
【0015】
一次側電池パック1の端面5aには一次側電池接続端子3(3a、3b、3c)が配置され、端面5aと対向する二次側電池パック2の端面5bには二次側電池接続端子4(4a、4b、4c)が配置されている。一次側電池接続端子3aは二次側電池接続端子4aに対応し、一次側電池接続端子3bは二次側電池接続端子4bに対応する。一次側電池接続端子3cは二次側電池接続端子4cに対応する。接続端子3aと4aは、例えば+端子、接続端子3bと4bは温度検出用端子、接続端子3cと4cは−端子である。
【0016】
ここで、一次側電池パック1の一次側電池接続端子3(3a、3b、3c)と二次側電池パック2の二次側電池接続端子4(4a、4b、4c)は、電池パックユニット5を横方向に180度回転させた時に同じ位置になるように点対称に配置されている。
【0017】
図2は一次側電池パック1を使用する場合の携帯端末への装着方法を示す図である。図中6は携帯電話機等の携帯端末本体である。携帯端末本体6には、電池パックユニット5を収納するための収納部9が凹状に設けられている。収納部9の一方の壁面には、一次側電池接続端子3(3a、3b、3c)や二次側電池接続端子4(4a、4b、4c)と接続するための接続端子7(7a、7b、7c)が配置されている。
【0018】
通常、携帯端末本体6に電池パックユニット5を装着する場合には、電池容量の大きい一次側電池パック1から給電する。そのため、図2に示すように一次側電池パック1の一次側電池接続端子3(3a、3b、3c)を携帯端末本体6の接続端子7(7a、7b、7c)側に向けて電池パックユニット5を収納部9内に装着する。携帯端末としては、例えば、携帯電話機を想定している。
【0019】
この状態では、図4(a)に示すように一次側電池パック1の一次側電池接続端子3(3a、3b、3c)が、それぞれ携帯端末本体6の接続端子7(7a、7b、7c)に導電接続され、携帯端末本体6に一次側電池パック1から給電される。この場合には、二次側電池パック2の二次側電池接続端子4(4a、4b、4c)はどこにも接続されず、二次側電池パック2は未使用状態となる。
【0020】
一方、一次側電池パック1の電池残量が無くなった場合には、電池パックを交換する必要があるが、その場合には予備の二次側電池パック2に交換する。その場合には、図2の状態から電池パックユニット5を横方向に180度回転させて、図3に示すように二次側電池接続端子4(4a、4b、4c)を携帯端末本体6の接続端子7(7a、7b、7c)側に向けて電池パックユニット5を収納部9内に装着する。
【0021】
この状態では、図4(b)に示すように二次側電池パック2の二次側電池接続端子4(4a、4b、4c)が、それぞれ携帯端末本体6の接続端子7(7a、7b、7c)に導電接続され、携帯端末本体6に一次側電池パック2から給電される。一次側電池接続端子3(3a、3b、3c)はどこにも接続されない。
【0022】
このように本実施形態では、電池パックユニット5を横方向に180度回転させた状態で携帯端末本体6に装着するだけで電池パックを容易に交換することが可能となる。特に、外出先で電池切れになった場合には、予備の電池パックを持っていなくても、すぐに予備の電池パックに交換することが可能となる。
【0023】
図5は本発明の他の実施形態を示す斜視図である。図5では図1と同一部分には同一符号を付している。本実施形態では電池パックユニット5は長方形状であり、電池パックユニット5の短手方向に対して直交する方向に分断する形で一次側電池パック1と二次側電池パック2が配置されている。本実施形態でも、二次側電池パック2を予備用の電池パックとしており、二次側電池パック2の電池容量を小さくしているが、両方の電池容量を同じにする等電池容量の設定は任意である。
【0024】
電池パックユニット5の一方の端面5cには、一次側電池パック1の一次側電池接続端子3(3a、3b、3c)と二次側電池パック2の二次側電池接続端子4(4a、4b、4c)が配置されている。その場合、一次側電池接続端子3(3a、3b、3c)と二次側電池接続端子4(4a、4b、4c)は、端面5cの中心を軸に180度回転させた時に同じ位置となるように点対称の位置に配置されている。一次側電池接続端子3(3a、3b、3c)と二次側電池接続端子4(4a、4b、4c)の対応関係は図1の説明と同様である。また、これら接続端子の極性等も図1の説明と同様である。
【0025】
この構造により、一次側電池パック1を使用する場合には、図2の場合と同様に一次側電池パック1の一次側電池接続端子3(3a、3b、3c)を携帯端末本体6の接続端子7(7a、7b、7c)側に向けて電池パックユニット5を収納部9内に装着する。一方、一次側電池パック1の電池残量が無くなった場合には、上述のように電池パックユニット5を180度回転させて、二次側電池接続端子4(4a、4b、4c)を携帯端末本体6の接続端子7(7a、7b、7c)側に向けて電池パックユニット5を収納部9内に装着する。
【0026】
このように本実施形態においても、電池パックユニット5を180度回転させた状態で携帯端末本体6に装着するだけで電池パックを容易に交換することが可能となる。特に、外出先で電池切れになった場合に便利である。
【0027】
なお、電池パックユニットの一次側電池パック1を充電する場合には、図2に示すように電池パックユニットを装着した状態で充電器に接続して充電する。二次側電池パック2を充電する場合には、図3に示すように電池パックユニットを装着した状態で充電器に接続して充電する。図5の場合も同様である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明に係る電池パックユニットは、携帯電話機等の携帯端末の他にテジタルカメラ等の全ての電池を使用する電池使用機器に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る電池パックユニットの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の電池パックユニットの一次側電池パックを携帯端末に装着する場合の様子を示す斜視図である。
【図3】本発明の電池パックユニットの二次側電池パックを携帯端末に装着する場合の様子を示す斜視図である。
【図4】本発明の電池パックユニットの一次側電池パックから携帯端末に給電する場合と二次側電池パックから給電する場合のブロック図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
1 一次側電池パック
2 二次側電池パック
3(3a、3b、3c) 一次側電池接続端子
4(4a、4b、4c) 二次側電池接続端子
5 電池パックユニット
5a、5b、5c 電池パックユニットの端面
6 携帯端末本体
7(7a、7b、7c) 携帯端末本体の接続端子
9 収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池使用機器に電源を供給する第1の電池パックと第2の電池パックとの2つの電池パックを内蔵する電池パックユニットであって、
前記第1の電池パックと第2の電池パックには、それぞれ、前記電池使用機器の接続端子に接続する複数の接続端子が配置され、前記第1、第2の電池パックの複数の接続端子は、電池パックユニットの装着方向を変えて交換できるように点対称の位置に配置されていることを特徴とする電池パックユニット。
【請求項2】
電池使用機器に電源を供給する第1の電池パックと第2の電池パックとの2つの電池パックを内蔵する電池パックユニットであって、
前記第1の電池パックと第2の電池パックには、それぞれ、前記電池使用機器の接続端子に接続する複数の接続端子が配置され、前記第1の電池パックと第2の電池パックの複数の接続端子は、電池パックユニットの互いに対向する端面に点対称の位置に配置されていることを特徴とする電池パックユニット。
【請求項3】
電池使用機器に電源を供給する第1の電池パックと第2の電池パックとの2つの電池パックを内蔵する電池パックユニットであって、
前記第1の電池パックと第2の電池パックには、それぞれ、前記電池使用機器の接続端子に接続する複数の接続端子が配置され、前記第1の電池パックと第2の電池パックの複数の接続端子は、電池パックユニットの同じ端面に点対称の位置に配置されていることを特徴とする電池パックユニット。
【請求項4】
前記第1、第2の電池パックのうち一方の電池パックは予備電池パックであり、前記予備電池パックは他方の電池パックより電池容量が小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電池パックユニット。
【請求項5】
前記電池パックユニットは長方形状を有し、前記第1、第2の電池パックは前記電池パックユニットの長手方向に対して直交する方向に分断する形で配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電池パックユニット。
【請求項6】
前記電池パックユニットは長方形状を有し、前記第1、第2の電池パックは前記電池パックユニットの短手方向に対して直交する方向に分断する形で配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電池パックユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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