説明

電池モジュール及び電池モジュール用冷却装置

【課題】各単位電池の間に均一な流量の空気を流通させることができる電池モジュール及び電池モジュール用冷却装置を提供する。
【解決手段】本発明は各単位電池の間に均一な流量の空気を流通させることができる電池モジュール及び電池モジュール用冷却装置を提供する。
本発明の一実施形態による電池モジュールは,互いに間に間隔をおいて配列される複数の単位電池と,前記単位電池を収容するハウジングを含み,前記ハウジングは前記複数の単位電池の対向面に垂直な方向に対して傾いて形成される流入ガイド面を含み,温度制御用空気を流入する流入部と,前記単位電池の間を通過した空気を排出させる流出部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二次電池に関し,より詳しくは複数の単位電池を連結して構成される電池モジュールと,この電池モジュールを冷却させるための冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に,二次電池は充電が不可能な一次電池とは異なって充電及び放電が可能な電池であって,低容量電池の場合,携帯電話やノートブックコンピュータ及びカムコーダのような携帯が可能な小型電子機器に使用され,大容量電池の場合,ハイブリッド自動車などのモータ駆動用電源として広く使用されている。
【0003】
二次電池は多様な形状に製造されているが,代表的な形状としては円筒形,角形があり,大電力を必要とする機器,例えば,電気自動車などのモータ駆動に使用できるように高出力二次電池を複数個直列に連結して大容量の二次電池を構成する。
【0004】
このように一つの大容量二次電池(以下,説明の便宜上‘電池モジュール’と言う)は通常直列に連結される複数の二次電池(以下,説明の便宜上‘単位電池’と言う)で構成され,前記各々の単位電池は正極板と負極板が隔離板を間に置いて位置する電極組立体と,前記電極組立体が内蔵される空間部を備えるケースと,前記ケースに結合されてこれを密閉するキャップ組立体,前記キャップ組立体から突き出され,前記電極組立体に備えられた正,負極板の集電体と電気的に連結される正,負極端子を含む。
【0005】
そして各々の単位電池は通常角形電池の場合,キャップ組立体上部へ突き出された正極端子及び負極端子が隣接する単位電池の正極端子及び負極端子と交互に各単位電池を交差配列し,ネジ加工された負極端子と正極端子間にナットを媒介として導電体を連結設置し電池モジュールを構成する。
【0006】
ここで,前記電池モジュールは数個から多くは数十個の単位電池を連結して一つの電池モジュールを構成することによって,各単位電池で発生する熱を容易に放出できなければならず,さらにHEV(ハイブリッド電気自動車)に適用される二次電池の場合,熱放出は何よりも重要であると言える。
【0007】
熱放出がよく行われない場合,例えば,各単位電池で発生する熱は電池モジュールの温度上昇をもたらし,結果的に前記電池モジュールが適用された機器の誤作動を発生させる。
【0008】
特に,車両用として使用されるHEV用電池モジュールの場合,大電流で充放電されるために使用状態に応じて二次電池の内部反応によって熱が発生し相当な温度まで上がり,これは電池の固有特性に影響を与えて電池固有の性能を低下させる。
【0009】
また,電池内部の化学的な反応によって電池の内部圧力が上昇し,そのために電池の形状が変わって電池固有特性に悪い影響を与える。特に角形の二次電池のように幅と長さの比率が大きい場合には前記問題がさらに大きくなる。
【0010】
したがって,通常複数個の二次電池が内蔵される電池モジュール,特に角形の二次電池で電池モジュールを構成する場合,単位電池と単位電池との間に電池隔壁を設置することによって単位電池間の冷却用空気流通のための間隔を確保し,これら単位電池をハウジングに内装させて単位電池の温度を制御するための冷却空気をハウジングの内部に提供し前記冷却空気を電池隔壁を通じて流通させることによって各々の単位電池で発生する熱を冷却させる。
【0011】
ところが,前記従来の冷却方式の場合,各単位電池の間の電池隔壁に流通される冷却空気の流量が均一でないため各々の単位電池間に温度偏差が発生する。その結果,従来の電池モジュールは各単位電池で発生する熱が均一に放熱されず,結果的に充,放電効率が低下する問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで,上記課題を解決するために,本発明は,各単位電池の間に均一な流量の空気を流通させることができる電池モジュール及び電池モジュール用冷却装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の電池モジュールは,互いに間隔をおいて配列される複数の単位電池と,前記単位電池を収容するハウジングを含み,前記ハウジングは前記複数の単位電池の対向面に垂直な方向に対して傾いて形成される流入ガイド面を含み,温度制御用空気を流入する流入部と,前記単位電池の間を通過した空気を排出させる流出部を含む。
【0014】
また,前記ハウジングの流入部は一側に開口された流入口を含み,前記流入部の流入ガイド面は前記流入口から遠くなるほど前記単位電池にさらに近くなるように傾いて形成してもよい。
【0015】
前記ハウジングの流入部は前記温度制御用空気を前記複数の単位電池の対向面に垂直な方向と平行な方向に流入させる流入口を含むことも可能である。
【0016】
前記流入部の流入ガイド面が前記複数の単位電池の対向面に垂直な方向となす角度は15゜〜75゜の範囲で形成することができ,好ましくは15゜〜45゜の範囲で形成しても良い。
【0017】
前記各単位電池の間にはこれら単位電池を離隔させる電池隔壁が設置され,前記電池隔壁に前記温度制御用空気を流通させる流通路が形成されるようにしてもよい。この時,前記各電池隔壁の流通路の断面積は均一に形成され,前記流通路を通じて均一な流速の空気が通過できる。
【0018】
前記ハウジングの流入部は一側に開口された流入口を含み,前記ハウジングの流出部は前記流入口と同一な開口方向を有するように開口された流出口を含み,前記流入口を通じた空気の流入方向と前記流出口を通じた空気の流出方向が互いに反対に形成してもよい。
【0019】
前記流出部は前記温度制御用空気を前記単位電池の対向面に垂直な方向と平行な方向に排出させる流出口を含むことができ,この時,前記複数の単位電池の対向面に垂直な方向と平行に形成される流出ガイド面を含むことができる。
【0020】
また,前記流出部は前記複数の単位電池の対向面に垂直な方向に対して傾いて形成される流出ガイド面を含むことができ,この時,前記流出部の流出ガイド面は前記流出口から遠くなるほど前記単位電池にさらに近くなるように傾いて形成してもよい。
【0021】
本発明の他の電池モジュールにおいて,前記ハウジングの流入部は一側に開口された流入口を含み,前記ハウジングの流出部は前記流入口の反対側に開口方向を有するように開口された流出口を含むことも可能である。
【0022】
本発明の他の電池モジュールにおいて,前記ハウジングの流入部は一側に開口された流入口を含み,前記ハウジングの流出部は前記複数の単位電池の対向面に平行な方向に開口された流出口を含むことも可能である。
【0023】
前記ハウジングの流出部は周縁から中央部へ傾く流出ガイド面を含み,前記単位電池から遠くなるほど断面積が減少するように形成することができ,各単位電池の間を通過した空気が中央部に集まって排出できる。
【0024】
この時,前記ハウジングの流出部は前記単位電池の配列方向前後の周縁から中央部へ傾く流出ガイド面を含み,前記単位電池から遠くなるほど流動断面積が減少する形状に形成してもよい。
【0025】
また,前記ハウジングの流出部は前記単位電池の配列方向左右の周縁から中央部へ傾く流出ガイド面を含み,前記単位電池から遠くなるほど流動断面積が減少する形状に形成してもよい。
【0026】
一方,本発明の電池モジュール用冷却装置は,互いに間隔をおいて配列される複数の単位電池を収容するハウジングと,前記ハウジング内部に温度制御用空気を提供して前記各単位電池で発生する熱を冷却させる冷媒供給部を含み,前記ハウジングは前記各単位電池の間へ均一な流量の空気を流通させる流出入手段を備える。
【0027】
前記流出入手段は前記複数単位電池の配列方向に対して傾いて形成される流入ガイド面を含み,温度制御用空気が流入される流入部及び前記単位電池の間を通過した空気が排出される流出部を含むことも可能である。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば,ハウジングの空気流通構造を改善して各単位電池の間の流通路へ一定の流量の空気を流通させることによって,単位電池集合体の全領域にわたって均一な温度分布を維持することができる。その結果,単位電池集合体の冷却効率を極大化させ,それによる電池モジュールの充,放電効率をさらに向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下,添付した図面を参照して本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし,本発明は多様で相異なる形態に実現することができ,ここで説明する実施形態に限定されない。
【0030】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態による電池モジュールの外観を概略的に示した斜視図であり,図2は本発明の第1実施形態による電池モジュールの構成を概略的に示した側断面図である。
【0031】
図示したように,本実施形態による電池モジュール100は大容量の電池モジュールであって,一定間隔離隔して連続配置される複数の単位電池11を含む。
【0032】
本実施形態における前記各々の単位電池11は隔離板を間に置いて,その両側に正極板と負極板が配置される電極組立体を備え,既に設定された量の電力を充,放電する通常の構造の二次電池で構成される。
【0033】
そして前記各々の単位電池11の間,及び最外側単位電池11とハウジング131壁面との間には,これら単位電池11の間隔を一定に維持し,各単位電池11の側面を支持するための電池隔壁15を設置している。前記各々の電池隔壁15にはこれら単位電池11の間に温度制御用空気,つまり,単位電池11の温度を制御するための比較的に低い温度の冷却空気を流通させる流通路17を形成している。
【0034】
この時,図3に示したように,前記各々の流通路17は均一な断面積を有しながら,電池隔壁15に対して単位電池11の高さ方向に貫通形成される少なくとも一つの貫通孔形態に形成されても良い。従って,本実施形態による電池モジュール100は前記電池隔壁15によって複数の単位電池11が一定間隔離隔するように連続配置され,これら単位電池11の間に温度制御用空気を流通させることができる構造の単位電池集合体13を形成することができる。
【0035】
一方,図4に示したように,本実施形態に適用できる単位電池集合体33の他の一例では,電池隔壁35と隣接する単位電池11と,所定のスキ間(冷却空気が流通されるための通路)が維持できるように複数の突起36を形成することも可能である。前記突起36は別途の部材で形成して前記電池隔壁35に付着設置しても良く,前記電池隔壁35に一体に形成しても良い。前記突起36はエンボシング加工や引抜加工などによって前記電池隔壁35に一体に形成することができる。また,前記突起36は電池隔壁35の一側面にのみ形成しても良く,両側面全てに形成しても良い。
【0036】
前記のように電池隔壁35に突起36を形成すれば,電池隔壁35の強度が向上するだけだけなく,電池隔壁35と単位電池11との間にスキ間(空気流通路)が存在して冷却するための空気がこのスキ間に流通し放熱が効果的に行われる。
【0037】
その他に電池隔壁の表面に所定の深さで空気の流通方向に沿って長く溝を形成することによって,凹凸面を形成して空気流通路を形成することもできる。
【0038】
本実施形態による電池モジュール100には冷却装置130が提供されるが,この冷却装置130は前記単位電池集合体13を収容することはもちろん,前記単位電池11の間の流通路17に温度制御用空気を提供し各々の単位電池11で発生する熱を冷却させる機能を果たす。
【0039】
このために,前記冷却装置130は単位電池集合体13を収容して各単位電池11の流通路17に一定の流量の温度制御用空気を流通させるためのハウジング131と,前記温度制御用空気をハウジング131の内部に提供する冷媒供給部138を含む。
【0040】
前記ハウジング131は単位電池集合体13を収容するための装着部132と,各単位電池11の間の流通路17を通じて一定の流量の温度制御用空気を流通させるための流出入手段133を備えている。
【0041】
この装着部132は単位電池集合体13を収容しながら,その内部に固定する構造を有する。
【0042】
前記流出入手段133は単位電池11の間の流通路17を通じて温度制御用空気を流通させる構造を改善して単位電池集合体13の全領域に均一な温度分布を維持させるためのものである。
【0043】
このような流出入手段133は装着部132の一側に設置されて前記温度制御用空気をこの装着部132内部に流入させるための流入部134と,前記装着部132の他側に設置されて装着部132内部の各単位電池11を通った空気を排出させるための流出部135を含む。
【0044】
ここで,前記流入部134及び流出部135は冷媒供給部138によって装着部132の収容空間内部に提供される空気の流入方向と,単位電池11を経て装着部132の収容空間外部に排出される空気の流出方向が互いに反対になるように装着部132に共に設置しても良い。
【0045】
つまり,前記流入部134は冷媒供給部138から供給される温度制御用空気を単位電池11の各対向面に垂直な方向(図面のx軸方向,以下,‘単位電池の配列方向’と言う)に流入させるために一側に開口された流入口134aを形成している。そして前記流出部135は各々の単位電池11を経た空気を単位電池11の配列方向と平行しながら前記空気の流入方向と反対になる方向に排出させるための流出口135aを形成している。したがって,前記流入口134aと流出口135aは互いに同一な開口方向を有する。
【0046】
本実施形態で前記流入部134は空気の流入方向,つまり,単位電池11の配列方向に対して傾いた方向に配置される流入ガイド面134bを形成している。このような流入ガイド面134bは単位電池11の配列方向に沿って流入口134aから遠くなるほど前記単位電池11にさらに近くなるように傾いて配置される。この時,前記流入ガイド面134bの傾斜角度(θ)は前記単位電池11の配列方向に対して15度〜75度の範囲で形成することができ,15度〜45度の範囲で形成することが好ましい。
【0047】
ここで,前記流入ガイド面134bの傾斜角度(θ)が15度未満であれば,流入口134aから遠くなるほど空気の圧力降下程度が最少化して流通路17へ均一な流量の空気を流通させることができず,前記傾斜角度(θ)が45度を超えれば,空気の圧力降下程度が最少化して流通路17へ均一な流量の空気を流通させることが難しく,75度を超えれば,前記流入口134aから遠くなるほど空気の速力を加速させる効果が微々になり,各単位電池11の温度偏差が発生して単位電池集合体13全領域に対して均一な温度分布を維持することができない。
【0048】
一方,内側ガイド面134cは前記流入ガイド面134bと共に流入口134aから流入される空気をガイドする機能を果たす。このような内側ガイド面134cは前記流入ガイド面134bと平行に形成しても良く,傾いた角度を調整して流入口134aをさらに広くまたはさらに狭く形成しても良い。
【0049】
本実施形態によれば,流入口134aを通じて流入される空気は設定された角度で傾いた流入ガイド面134bに接しながら空気の流動が行われ,この流入ガイド面134bに沿って空気が単位電池11の上端付近を通る。この時,前記流入ガイド面134bが流入口134aから遠くなるほど前記単位電池11にさらに近くなるように傾いて形成されているために,空気の流動断面積が流入口134a側から遠くなるほど徐々に減少し,この過程で前記空気の進行速度は流体力学の連続方程式(単位時間に通る流量はいずれの断面積でも一定であり,したがって,断面積とその断面を通過する流体の速力を乗算した値は一定である)によって流入口134aから遠くなるほど次第に速くなる。このような流速の増加はベルヌイの定理(流体の速力が増加すれば圧力が低くなり,反対に流体の速力が減少すれば圧力は高くなる)によって分かるように,流入口134a側から遠くなるほど空気の流速が増加することによって空気の漸進的な圧力降下を発生させ,再び各単位電池11の間の流通路17を通じて移動する空気の速力は減少することができる。
【0050】
その結果,前記流入口134aを通じて流入される空気は各単位電池11の間の流通路17を一定の流速で通過する。この時,前記流通路17の断面積を均一に形成すれば,前述した連続方程式によって前記各流通路17を通じて均一な流量の空気を流通させることができる。
【0051】
したがって,本実施形態の電池モジュール100によれば,各単位電池11の間の流通路17に均一な流量の空気が流通されることによって,各単位電池11で発生する熱を均一な温度分布を有するように下げることができ,それによって単位電池集合体13の全領域に対して均一な温度を維持させる。
【0052】
そして前記流通路17を経た空気は流出部135を通じて排出されるが,前記流出部135は単位電池11の配列方向及び空気の流出方向に対して平行に配置される流出ガイド面135bを形成している。
【0053】
したがって,前記流通路17を通過した空気は流出ガイド面135bに接しながらこの流出ガイド面135bに沿って流動が行われて流出口135aを通じて排出される。
【0054】
一方,前記のように構成されるハウジング131の内部に温度制御用空気を供給するための冷媒供給部138は図面に仮想線で示したように,ハウジング131の流入口134aに設置されて所定の回転力で空気を吸入し,この空気を流入口134aを通じてハウジング131内部に噴出させるファン139を含むことができる。前記ファン139としてはプロペラファン,シロッコファンなどの多様なファン装置を使用することができる。代案として,前記冷媒供給部138は前記のようなファン139を備えることに限定されず,通常空気の送風が可能なポンプまたはブロワーなどを含むこともできる。また,自動車に適用される場合,走行時に発生する強制対流を利用することもでき,他のシステムに設置される送風装置(例えば,自動車におけるエアコンシステムの凝縮機ファンやラジエータファンなど)を共に使用することもできる。
【0055】
(第2実施形態)
図5は本発明の第2実施形態による電池モジュールの構成を概略的に示した側断面図である。
【0056】
図示したように,本実施形態による電池モジュール200は流入部234を通じてハウジング231内部に流入され,各単位電池11の間の流通路17に流通される空気をハウジング231の外部に円滑に排出させるための流出部235を備える。
【0057】
本実施形態で前記流出部235は単位電池11の配列方向及び空気の流出方向に対して傾いた方向に配置される流出ガイド面235bを形成している。この場合,前記流出ガイド面235bは流出口235aから遠くなるほど前記単位電池11にさらに近くなるように傾いて配置される。
【0058】
したがって,前記流通路17を通過した空気は流出ガイド面235bに接しながらこの流出ガイド面235bに沿って流動が行われて流出口235aを通じて円滑に排出できる。
【0059】
本実施形態による電池モジュール200の他の構成及び作用は前記第1実施形態と同一であるので詳細な説明を省略する。
【0060】
(第3実施形態)
図6は本発明の第3実施形態による電池モジュールの外観を概略的に示した斜視図であり,図7は本発明の第3実施形態による電池モジュールの構成を概略的に示した側断面図である。
【0061】
図示したように,本実施形態による電池モジュール300は単位電池集合体13と冷却装置330を含んでなる。前記冷却装置330は単位電池集合体13を収容し,各単位電池11の流通路17へ一定の流量の温度制御用空気を流通させるためのハウジング331と,前記温度制御用空気をハウジング331内部に提供する冷媒供給部338を含む。
【0062】
前記ハウジング331は単位電池集合体13を収容するための装着部332と,各単位電池11の間の流通路17を通じて一定の流量の温度制御用空気を流通させるための流出入手段333を備えている。
【0063】
前記流出入手段333は装着部332一側に設置されて前記温度制御用空気をこの装着部332の内部へ流入させるための流入部334と,前記装着部332の他側に設置されて装着部332内部の各単位電池11を通った空気を排出させるための流出部335を含む。
【0064】
本実施形態において,前記流入部334及び流出部335は冷媒供給部338によって装着部332の収容空間内部に提供される空気の流入方向と,単位電池11を経て装着部332の収容空間外部に排出される空気の流出方向が互いに同一であるように装着部332に共に設置しても良い。
【0065】
つまり,前記流入部334は冷媒供給部338から供給される温度制御用空気を単位電池11の配列方向(図面のx軸方向)へ流入させるために一側に開口された流入口334aを形成している。そして前記流出部335は各々の単位電池11を通った空気を単位電池11の配列方向と平行しながら前記空気流入方向と同じ方向に排出させるための流出口335aを形成している。したがって,前記流入口334aと流出口335aは互いに反対の開口方向を有する。
【0066】
そして前記流通路17を通った空気は流出部335を通じて排出されるが,前記流出部335は単位電池11の配列方向及び空気の流出方向に対して平行に配置される流出ガイド面335bを形成している。
【0067】
したがって,前記流通路17を通過した空気は流出ガイド面335bに接しながら,この流出ガイド面135bに沿って流動が行われて流出口335aを通じてハウジング331の外部へ排出される。
【0068】
本実施形態で前記流入部334の形状と特徴は前記第1実施形態と同一であるために詳細な説明を省略する。
【0069】
(第4実施形態)
図8は本発明の第4実施形態による電池モジュールの構成を概略的に示した側断面図である。
【0070】
図示したように,本実施形態による電池モジュール400は流入部434を通じてハウジング431の内部に流入され,各単位電池11の間の流通路17へ流通される空気をハウジング431の外部に円滑に排出させるための流出部435を備える。
【0071】
本実施形態で前記流出部435は単位電池11の配列方向に対して傾いた方向に配置される流出ガイド面435bを形成している。この場合,前記流出ガイド面435は流出口435aから遠くなるほど前記単位電池11にさらに近くなるように傾いて配置される。
【0072】
したがって,前記流通路17を通過した空気は流出ガイド面435bに接しながらこの流出ガイド面435bに沿って流動が行われて流出口435aを通じて円滑に排出できる。
【0073】
本実施形態による電池モジュール400の他の構成及び作用は前記第3実施形態と同一であるので詳細な説明を省略する。
【0074】
(第5実施形態)
図9は本発明の第5実施形態による電池モジュールの外観を概略的に示した斜視図であり,図10は本発明の第5実施形態による電池モジュールの構成を概略的に示した側断面図である。
【0075】
図示したように,本実施形態による電池モジュール500は一側には空気が流入される流入部534が形成され,他側には空気が排出される流出部535が形成されるハウジング531と,前記ハウジング531の内部に積層されて設置される複数の単位電池11を含んでなる。前記単位電池11の間には空気が通過する流通路を形成する複数の電池隔壁15が設置される。
【0076】
前記で単位電池11と電池隔壁15は交互に積層して単位電池集合体13を構成し,積層されて組立てられた状態で前記ハウジング531の内部に固定設置される。
【0077】
前記ハウジング531は前記単位電池11と電池隔壁15が交互に積層されて構成される単位電池集合体13が収容される装着部532と,前記装着部532の一側面に連結設置されて内蔵される各単位電池11の温度を制御するための空気が流入される流入部534と,前記流入部534の反対側に前記装着部532の他側面に連結設置されて各単位電池11の間を通過した空気が排出される流出部535を含んで構成される。
【0078】
前記ハウジング531の流入部534は前記単位電池11の配列方向に対して傾いた方向に空気が流入されるように形成される。
【0079】
前記流入口534aは前記単位電池11の配列方向(図面のx軸方向)と平行に形成されたり,前記単位電池11の配列方向と設定された傾斜角度(θ)を有するように形成することが流入口534aへ流入された空気が一部単位電池11側に直進移動することを防止することができるので好ましい。ここで,流入口534aへ流入された空気が一部単位電池11側に直進すれば,部分的に空気の流量が不均一になる問題が発生する。
【0080】
前記ハウジング531の流入部534は空気が流入される流入口534aから最も遠い地点に位置する装着部532から傾いて伸びる流入ガイド面534bを含んでなる。
【0081】
前記流入ガイド面534bは単位電池11の配列方向に沿って流入口534aから遠くなるほど単位電池11側に近接する傾斜面で形成する。
【0082】
前記流入ガイド面534が装着部532に連結される地点は前記単位電池11の端部から所定の間隔をおいて設定することが,前記流入口534aから遠い地点に位置した単位電池11の間の流路へ通過するための空気の流量を十分に確保できるので好ましい。
【0083】
本実施形態にかかる流入部534の他の構成及び作用は前記第1実施形態と同一であるので,具体的な説明を省略する。
【0084】
前記ハウジング531の流出部535は周縁から中央部へ傾く傾斜面からなる流出ガイド面535bを含み,前記単位電池11から遠くなるほど断面積が減少するように形成されて,各単位電池11の間を通過した空気が中央部に集まって排出されるように形成される。前記流出ガイド面535bの端部には空気が排出される通路である流出口535aが形成される。したがって,前記流出口535aは複数の単位電池11の各対向面と平行な方向に開口して形成される。
【0085】
つまり,図9及び図10に示したように,前記流出部535は単位電池11の配列方向前後に位置する流出ガイド面535bを所定の角度で傾く傾斜面で形成して,単位電池11から遠くなるほど流動断面積が減少する形状に形成される。
【0086】
したがって,各単位電池11を通過した空気は次第に速くなる流速で排出されるので,空気の排出が円滑に行われ,全体的な空気の流れを円滑に誘導する。
【0087】
前記流出部535の流出ガイド面535bが始まる位置は単位電池11の端部から所定の間隔をおいて設定することが,前記各単位電池11の間を通過した空気が一定距離平行な流れを形成して単位電池11内部を通過する空気の流れに不必要な影響を与えないので好ましい。
【0088】
(第6実施形態)
図11は本発明の第6実施形態による電池モジュールの構成を概略的に示した斜視図である。
【0089】
図11に示したように,本実施形態による電池モジュール600で,流出部635は単位電池11の配列方向左右の周縁から中央部へ傾く傾斜面からなる流出ガイド面635bを含み,単位電池11から遠くなるほど流動断面積が減少する形状に形成される。
【0090】
本実施形態においても前記構成及び作用の他には前記第5実施形態と同様な構成及び作用を有するので詳細な説明を省略する。
【0091】
前記第5実施形態及び第6実施形態では流出部の両側流出ガイド面のみを傾斜面で形成することを例として説明したが,4つの側面の流出ガイド面全てを傾斜面として形成することも可能である。
【0092】
前記のように構成される本発明による電池モジュールはHEV(ハイブリッド電気自動車),EV(電気自動車),無線掃除機,電動自転車,電動スクーターなどのようにモータを使用して作動する機器において,モータを駆動するためのエネルギー源(モータ駆動用)として使用することができ,その他,高出力/大容量が要求される多様な用途として使用することもできる。
【0093】
図12は電池モジュール70がドライビングモータ80として使用される例を示したブロック図である。
【0094】
前記では本発明による電池モジュールの好ましい実施形態について説明したが,本発明はこれに限定されず,特許請求の範囲と発明の詳細な説明及び添付した図面の範囲内で多様に変形して実施ことができ,これもまた本発明の範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の第1実施形態による電池モジュールの外観を概略的に示した斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による電池モジュールの構成を概略的に示した側断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による電池モジュールに適用される単位電池集合体の一例を示した斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態による電池モジュールに適用される単位電池集合体の他の一例を示した斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態による電池モジュールの構成を概略的に示した側断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態による電池モジュールの外観を概略的に示した斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態による電池モジュールの構成を概略的に示した側断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態による電池モジュールの構成を概略的に示した側断面図である。
【図9】本発明の第5実施形態による電池モジュールの外観を概略的に示した斜視図である。
【図10】本発明の第5実施形態による電池モジュールの構成を概略的に示した側断面図である。
【図11】本発明の第6実施形態による電池モジュールの構成を概略的に示した斜視図である。
【図12】電池モジュールがドライビングモータとして使用される例を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0096】
11 単位電池
13,33 単位電池集合体
15,35 電池隔壁
17 流通路
36 突起
70,100,200,400,600 電池モジュール
80 ドライビングモータ
130,330 冷却装置
131,231,331,531 ハウジング
132,332,532 装着部
133,333 流出入手段
134,134a,234,334,534 流入部
134b,435b 流入ガイド面
135,135a,235,335,535,635 流出部
135b 流出ガイド面
138,338 冷媒供給部
139 ファン
435a 流出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間に間隔をおいて配列される複数単位電池と,
前記単位電池を収容するハウジングと,
を含み,
前記ハウジングは,前記複数の単位電池の対向面に垂直な方向に対して傾いて形成される流入ガイド面と,温度制御用空気を流入する流入部と,前記単位電池の間を通過した空気を排出する流出部と,を含むことを特徴とする,電池モジュール。
【請求項2】
前記ハウジングの流入部は一側に開口された流入口を含み,
前記流入部の流入ガイド面は,前記流入口から遠くなるほど前記単位電池に近くなるように傾いて形成されることを特徴とする,請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記ハウジングの流入部は,前記温度制御用空気を前記複数の単位電池の対向面に垂直な方向と平行な方向に流入させる流入口を含むことを特徴とする,請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記流入部の流入ガイド面が前記複数の単位電池の対向面に垂直な方向となす角度は15゜〜75゜の範囲で形成されることを特徴とする,請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記流入部の流入ガイド面が前記複数の単位電池の対向面に垂直な方向となす角度は15゜〜45゜の範囲で形成されることを特徴とする,請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記各単位電池の間にこれら単位電池を離隔させる電池隔壁が設置され,前記電池隔壁に前記温度制御用空気を流通させる流通路が形成されることを特徴とする,請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記各電池隔壁流通路の断面積が均一に形成され,前記流通路を通じて均一な流速の空気が通過することを特徴とする,請求項6に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記ハウジングの流入部は一側に開口された流入口を含み,
前記ハウジングの流出部は前記流入口と同一な開口方向を有するように開口された流出口を含み,
前記流入口を通じた空気の流入方向と前記流出口を通じた空気の流出方向が互いに反対であることを特徴とする,請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記流出部は,前記温度制御用空気を前記単位電池の対向面に垂直な方向と平行な方向に排出させる流出口を含むことを特徴とする,請求項8に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記流出部は,前記複数の単位電池の対向面に垂直な方向と平行に形成される流出ガイド面を含むことを特徴とする,請求項8に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記流出部は前記複数の単位電池の対向面と垂直方向に対して傾いて形成される流出ガイド面を含むことを特徴とする,請求項8に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記流出部の流出ガイド面は,前記流出口から遠くなるほど前記単位電池に近くなるように傾いて形成されることを特徴とする,請求項11に記載の電池モジュール。
【請求項13】
前記ハウジングの流入部は一側に開口された流入口を含み,
前記ハウジングの流出部は,前記流入口の反対側に開口方向を有するように開口された流出口を含むことを特徴とする,請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項14】
前記流出部は,前記温度制御用空気を前記単位電池の対向面に垂直な方向と平行な方向に排出させる流出口を含むことを特徴とする,請求項13に記載の電池モジュール。
【請求項15】
前記流出部は,前記複数の単位電池の対向面に垂直な方向と平行に形成される流出ガイド面を含むことを特徴とする,請求項13に記載の電池モジュール。
【請求項16】
前記流出部は,前記複数の単位電池の対向面に垂直な方向に対して傾いて形成される流出ガイド面を含むことを特徴とする,請求項13に記載の電池モジュール。
【請求項17】
前記流出部の流出ガイド面は,前記流出口から遠くなるほど前記単位電池に近くなるように傾いて形成されることを特徴とする,請求項16に記載の電池モジュール。
【請求項18】
前記ハウジングの流入部は一側に開口された流入口を含み,
前記ハウジングの流出部は,前記複数の単位電池の対向面に平行な方向に開口された流出口を含むことを特徴とする,請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項19】
前記ハウジングの流出部は周縁から中央部へ傾く流出ガイド面を含み,前記単位電池から遠くなるほど断面積が減少するように形成されて,各単位電池の間を通過した空気が中央部に集まって排出されることを特徴とする,請求項18に記載の電池モジュール。
【請求項20】
前記ハウジングの流出部は前記単位電池の配列方向前後の周縁から中央部へ傾く流出ガイド面を含み,前記単位電池から遠くなるほど流動断面積が減少する形状に形成されることを特徴とする,請求項18に記載の電池モジュール。
【請求項21】
前記ハウジングの流出部は前記単位電池の配列方向左右の周縁から中央部へ傾く流出ガイド面を含み,前記単位電池から遠くなるほど流動断面積が減少する形状に形成されることを特徴とする,請求項18に記載の電池モジュール。
【請求項22】
互いに間に間隔をおいて配列される複数の単位電池と,
前記各単位電池の間に均一な流量の温度制御用空気を提供して前記単位電池で発生する熱を冷却させる冷却装置と,
を含むことを特徴とする,電池モジュール。
【請求項23】
前記各単位電池の間にこれら単位電池を離隔させる電池隔壁が設置され,前記電池隔壁に前記温度制御用空気を流通させる流通路が形成され,
前記各流通路を通じて均一な流速の空気が通過するように備えられることを特徴とする,請求項22に記載の電池モジュール。
【請求項24】
互いに間に間隔をおいて配列される複数の単位電池を収容するハウジングと,
前記ハウジングの内部に温度制御用空気を提供して前記各単位電池で発生する熱を冷却させる冷媒供給部と,を含み,
前記ハウジングは前記各単位電池の間に均一な流量の空気を流通させる流出入手段を備えることを特徴とする,電池モジュール用冷却装置。
【請求項25】
前記流出入手段は,前記複数の単位電池の配列方向に対して傾いて形成される流入ガイド面と,温度制御用空気が流入される流入部及び前記単位電池の間を通過した空気が排出される流出部と,を含むことを特徴とする,請求項24に記載の電池モジュール用冷却装置。
【請求項26】
前記ハウジングの流入部は一側に開口された流入口を含み,
前記流入部の流入ガイド面は前記流入口から遠くなるほど前記単位電池に近くなるように傾いて形成されることを特徴とする,請求項25に記載の電池モジュール用冷却装置。
【請求項27】
前記ハウジングの流入部は,前記温度制御用空気を前記単位電池の配列方向と平行な方向に流入させる流入口を含むことを特徴とする,請求項25に記載の電池モジュール用冷却装置。
【請求項28】
前記流入部の流入ガイド面が前記複数の単位電池の配列方向となす角度は15゜〜75゜の範囲で形成されることを特徴とする,請求項25に記載の電池モジュール用冷却装置。
【請求項29】
前記流入部の流入ガイド面が前記複数の単位電池の配列方向となす角度は15゜〜45゜の範囲で形成されることを特徴とする,請求項25に記載の電池モジュール用冷却装置。
【請求項30】
前記ハウジングの流入部は一側に開口された流入口を含み,
前記ハウジングの流出部は前記流入口と同一な開口方向を有するように開口された流出口を含み,
前記流入口を通じた空気の流入方向と前記流出口を通じた空気の流出方向が互いに反対であることを特徴とする,請求項25に記載の電池モジュール用冷却装置。
【請求項31】
前記ハウジングの流入部は一側に開口された流入口を含み,
前記ハウジングの流出部は前記流入口の反対側に開口方向を有するように開口された流出口を含むことを特徴とする,請求項25に記載の電池モジュール用冷却装置。
【請求項32】
前記ハウジングの流入部は一側に開口された流入口を含み,
前記ハウジングの流出部は前記複数の単位電池の配列方向に対して垂直な方向に開口された流出口を含むことを特徴とする,請求項25に記載の電池モジュール用冷却装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2006−128123(P2006−128123A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314535(P2005−314535)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】