説明

電源供給機器、電源供給方法およびプログラム

【課題】USB規格による電源供給機能を有する機器本体の動作に関係無くUSBインターフェースを介して電源供給を行う事が可能となる電源供給機器等を提供する。
【解決手段】電源供給機器は、USBポートへ供給する電源のOn/Offを、自機器のメイン電源のOn/Offとは分離してOn/Offする。電源供給機器は、USBポートへ供給する電源を、自機器のメイン回路へ供給するメイン電源とは分離して供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USBポートを備える機器(A)が、そのUSBポートに接続された機器(B)に対して電源を供給する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機や携帯型音楽プレイヤー、携帯型ゲーム機等が普及し利用機会も増加しており、携帯電話機や携帯型音楽プレイヤー、携帯型ゲーム機等の携帯型機器は、再充電可能な二次電池を内蔵しているのが一般的であるが、携帯型であるが故に上記の内蔵している二次電池の電池切れによって使用不可能な状態となる事は日常茶飯事である。
【0003】
電池切れの状態を回避する手段として、上記の携帯型機器に内蔵する二次電池を再充電する為の機器や手段も数多く開発されている。
【0004】
上記の内蔵している二次電池に対して充電を行う手段の一つとして、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に普及しているUSB(Universal Serial Bus)規格の電源供給機能を利用して、USBインターフェースからの充電を行う方式も一般化している。
【0005】
しかしながら、例えばパーソナルコンピュータ等でUSB規格による電源供給機能を有する機器においては、機器本体が起動している状態でUSB規格にのっとった制御によって電源の供給を行っており、機器本体が動作していない状態ではUSBインターフェースに電源が供給される事は無い。
【0006】
従って、上記の内蔵している二次電池にUSBインターフェースから充電を行う際には、USB規格による電源供給機能を有する機器が起動されていてUSB規格にのっとった制御により電源の供給を行っている必要がある。
【0007】
関連技術として、USBインターフェースのUSB電源は常時通電電源によりメインパワーコントロールスイッチのオン・オフのいずれの状態にも影響を受けずに常に電源の供給をできる。PC本体へ接続すると、ワイヤレスキーボードとワイヤレスマウスそれぞれが内蔵するバッテリの充電をUSBインターフェースによりできる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、関連技術として、電子機器がUSB等のインターフェースに接続されると、それを介してバス電力が供給される。インターフェースを構成するUSBコントローラの電力供給は維持しつつ、それ以外の電力供給をオフするように電力分配スイッチを設定する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−117676号公報
【特許文献2】特開2006−053748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記の関連技術では、電源供給能力を持つ機器の本来の機能が起動していない状態では、USBインターフェースを介して電源が供給される事は無かった。
【0011】
特許文献1では、USBポートに供給する電源部分が常時ON電源とする構成となっている。常時電源ONはせず、電源供給側機器からUSBポートにだけ電源供給する場合でも物理スイッチ等による電源のOn/Off情報によって電源をOnして供給することはできなかった。
【0012】
また、特許文献2では、電源供給側が一度稼働して接続されるデバイスを認識したのち、その後の電源供給を制御する構成であるが、これは同時に、接続されるデバイスが各々の規格(USB,IEEE1394等)にのっとった通信手段を有する事が前提となる。電源供給側はいっさい稼働する事なく、接続されるデバイスの有無を認識する必要性をなくすことはできない。
【0013】
本発明の目的は、USB規格による電源供給機能を有する機器におけるUSBインターフェースへの電源供給手段として、機器本体の動作に関係なく電源供給を行える機能を設ける事で、機器本体の動作に関係無くUSBインターフェースを介して電源供給を行う事が可能となる電源供給機器、電源供給方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の電源供給機器は、USBポートへ供給する電源のOn/Offを、自機器のメイン電源のOn/Offとは分離してOn/Offすることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の電源供給方法は、USBポートへ供給する電源のOn/Offを、自機器のメイン電源のOn/Offとは分離してOn/Offすることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のプログラムは、電源供給機器に、
USBポートへ供給する電源のOn/Offを、自機器のメイン電源のOn/Offとは分離してOn/Offする処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、USB規格による電源供給機能を有する機器本体の動作に関係無くUSBインターフェースを介して接続された携帯型機器等への電源供給を行う事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る電源供給機器の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係る処理動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第二の実施の形態に係る電源供給機器の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態に係る処理動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第一の実施の形態における電源供給機器の構成を示すブロック図である。
【0020】
図1を参照すると、本実施の形態における電源供給装置は、メイン電源On/Off情報(A)、USB電源On/Off情報(B)、機器メイン電源(C)、USB用電源(D)、機器メイン回路(E)、USBポート電源供給制御回路(F)、USBポート(G)を含んで構成される。
【0021】
メイン電源On/Off情報(A)は、メイン電源のOn/Offの状態を通知する物理的なスイッチ等からの情報を示す。
【0022】
USB電源のOn/Off情報(B)はUSB電源のOn/Off状態を通知する物理的なスイッチ等からの情報を示す。
【0023】
機器メイン電源(C)は機器メイン回路(E)への供給する電源の供給器を示す。
【0024】
USB用電電(D)はUSBポートへ供給する電源の供給器を示す。
【0025】
機器メイン回路(E)は、機器本来の機能を実現する為の回路を示す。
【0026】
USBポート電源供給制御回路(F)は、USBポートへ供給する電源の制御回路を示す。
【0027】
USBポート(G)は物理的なUSBポートを示す。
【0028】
次に、本実施の形態の動作を図面を参照して詳細に説明する。
図2のフローチャートを参照すると、まず、電源供給装置は、初期状態では、メイン電源On/Off情報(A)、USB電源のOn/Off情報(B)は共にOff状態を示すものとする(S201)。
【0029】
初期状態からメイン電源On/Off情報(A)がOn状態となった時、機器メイン電源(C)は起動し、機器メイン回路(E)に電源を供給する(S202)。
【0030】
また、メイン電源On/Off情報(A)がOn状態となった時は同時に、USB用電源(D)も同時に起動し、USBポート電源供給制御回路(F)への電源を供給する(S203)。この際、USB電源のOn/Off情報(B)の状態は無視される。
【0031】
電源供給されたUSBポート電源供給制御回路(F)では、メイン電源On/Off情報(A)がOnである事を検出して、USBポート(G)への電源供給を機器メイン回路(E)からの制御(E)−1によって行う様に動作する(S204)。
電源供給された機器メイン回路(E)では、USBポートの電源供給制御回路(F)を制御してUSBポート(G)への電源供給を行う。
【0032】
初期状態からUSB電源のOn/Off情報(B)のみがOn状態となった時、USB用電源(D)は起動し、USBポート電源供給制御回路(F)への電源を供給する(S205)。この時、機器メイン電源(C)は起動せず機器メイン回路(E)への電源供給は行われない。
電源供給されたUSBポート電源供給制御回路(F)では、メイン電源On/Off情報(A)がOff状態である事を検出して、USBポート(G)への電源供給を機器メイン回路(E)からの制御(E)−1によらずに供給する様に動作する(S206)。
【0033】
上記の本実施の形態によれば、USBポートを介して電源供給する能力を有する機器において、機器のメイン回路に通電を行わずにUSBポートからの電源供給が行える。
【0034】
また、USBポートを介して充電を行う事が出来る端末へ、USBポートを介して容易に充電を行う事が出来る。
【0035】
図3は、より簡易に実現した本発明の第二の実施の形態における電源供給機器の構成を示すブロック図である。
【0036】
メイン電源On/Off情報(A)は、メイン電源のOn/Offの状態を通知する物理的なスイッチ等からの情報を示す。
【0037】
USB電源のOn/Off情報(B)はUSB電源のOn/Off状態を通知する物理的なスイッチ等からの情報を示す。
【0038】
電源(C)は機器内に供給する全ての電源の供給器を示す。
【0039】
スイッチ(D)はメイン電源On/Off情報(A)がOffの状態を示す時に、機器メイン回路(E)に供給する電源をカットするスイッチを示す。
【0040】
機器メイン回路(E)は、機器本来の機能を実現する為の回路を示す。
【0041】
USBポート電源制御回路(F)は、USBポートへ供給する電源の制御回路を示す。
【0042】
USBポート(G)は物理的なUSBポートを示す。
【0043】
次に、本実施の形態の動作を図面を参照して詳細に説明する。
図4のフローチャートを参照すると、まず、電源(C)はメイン電源On/Off情報(A)と、USB電源のOn/Off情報(B)のどちらかがOn状態を示す場合には起動して後段に電源を供給する(S401)。
【0044】
スイッチ(D)は、メイン電源On/Off情報(A)がOn状態を示す時には接続し、Off状態を示す時には切り離す事により、メイン電源Onの状態の時だけ機器メイン回路(E)に電源を供給する(S402)。
【0045】
USBポート電源供給制御回路(F)では、メイン電源On/Off情報(A)がOn状態の場合にはその状態を検出して、USBポート(G)への電源供給を機器メイン回路(E)からの制御(E)−1によって行う様に動作する(S403)。
【0046】
また、USBポート電源供給制御回路(F)では、メイン電源On/Off情報(A)がOff状態の場合にはその状態を検出して、USBポート(G)への電源供給を機器メイン回路(E)からの制御(E)−1によらずに行う様に動作する(S404)。この場合のUSB電源On/Off情報(B)はOn状態を示す。
【0047】
本実施の形態では、USBポートへの電源供給に専用の電源部分を持たないので、回路を簡易化できる。
【0048】
次に、本発明の具体的な実施例について図5を用いて説明する。
図5を参照すると、(H)は屋外使用を前提としたノート型パソコンを示す。(I)−1はUSB電源のOn/Off情報を通知する為に設ける物理スイッチを示す。(I)−2はUSBポートに接続されるUSBケーブルを示す。(J)はUSBポートに接続されて対象デバイスに電源を供給する為のケーブルを示す。(K)はUSBポートから給電されるデバイスとして携帯電話機を示す。
【0049】
図5では、ノート型パソコン(H)と携帯電話機(K)をケーブル(J)で接続し、(I)−1のスイッチをUSB電源On状態にする事で、ノート型パソコン(H)のメイン電源のOn/Off状態に関わらず、携帯電話機(K)の充電が行われる。
【0050】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、電源供給機器の機能を実現するためのプログラムをシステムに読込ませて実行することによりシステムの機能を実現する処理を行ってもよい。さらに、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であるCD−ROMまたは光磁気ディスクなどを介して、または伝送媒体であるインターネット、電話回線などを介して伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。また、各装置の機能が他の装置によりまとめて実現されたり、追加の装置により機能が分散されて実現される形態も本発明の範囲内である。
【0051】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0052】
(付記1)USBポートへ供給する電源のOn/Offを、自機器のメイン電源のOn/Offとは分離してOn/Offすることを特徴とする電源供給機器。
【0053】
(付記2)前記USBポートへ供給する電源を、自機器のメイン回路へ供給するメイン電源とは分離して供給することを特徴とする付記1記載の電源供給機器。
【0054】
(付記3)自機器のメイン電源がOn時に、前記USBポートへ供給する電源のOn/Offを自機器のメイン回路からの制御で行うように切り替えることを特徴とする付記1または2記載の電源供給機器。
【0055】
(付記4)前記メイン電源がOff、かつ、前記USBポートへ供給する電源がOn時に、自機器のメイン回路には電源が供給されない様に切り離すことを特徴とする付記2記載の電源供給機器。
【0056】
(付記5)共通する電源を有し、自機器のメイン回路への電源がOff、かつ、前記USBポートへ供給する電源がOn時に、前記機器のメイン回路には電源が供給されないように切り離すスイッチを備えることを特徴とする付記1記載の電源供給機器。
【0057】
(付記6)USBポートへ供給する電源のOn/Offを、自機器のメイン電源のOn/Offとは分離してOn/Offすることを特徴とする電源供給方法。
【0058】
(付記7)前記USBポートへ供給する電源を、自機器のメイン回路へ供給するメイン電源とは分離して供給することを特徴とする付記6記載の電源供給方法。
【0059】
(付記8)自機器のメイン電源がOn時に、前記USBポートへ供給する電源のOn/Offを自機器のメイン回路からの制御で行うように切り替えることを特徴とする付記6または7記載の電源供給方法。
【0060】
(付記9)前記メイン電源がOff、かつ、前記USBポートへ供給する電源がOn時に、自機器のメイン回路には電源が供給されない様に切り離すことを特徴とする付記7記載の電源供給方法。
【0061】
(付記10)共通する電源を有し、自機器のメイン回路への電源がOff、かつ、前記USBポートへ供給する電源がOn時に、スイッチにより前記機器のメイン回路には電源が供給されないように切り離すことを特徴とする付記6記載の電源供給方法。
【0062】
(付記11)電源供給機器に、
USBポートへ供給する電源のOn/Offを、自機器のメイン電源のOn/Offとは分離してOn/Offする処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【0063】
(付記12)前記USBポートへ供給する電源を、自機器のメイン回路へ供給するメイン電源とは分離して供給することを特徴とする付記11記載のプログラム。
【0064】
(付記13)自機器のメイン電源がOn時に、前記USBポートへ供給する電源のOn/Offを自機器のメイン回路からの制御で行うように切り替えることを特徴とする付記11または12記載のプログラム。
【0065】
(付記14)前記メイン電源がOff、かつ、前記USBポートへ供給する電源がOn時に、自機器のメイン回路には電源が供給されない様に切り離すことを特徴とする付記12記載のプログラム。
【0066】
(付記15)共通する電源を有し、自機器のメイン回路への電源がOff、かつ、前記USBポートへ供給する電源がOn時に、スイッチにより前記機器のメイン回路には電源が供給されないように切り離すことを特徴とする付記12記載のプログラム。
【符号の説明】
【0067】
A メイン電源On/Off情報
B USB電源On/Off情報
C 機器メイン電源
D USB用電源
E 機器メイン回路
F USBポート電源供給制御回路
G USBポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
USBポートへ供給する電源のOn/Offを、自機器のメイン電源のOn/Offとは分離してOn/Offすることを特徴とする電源供給機器。
【請求項2】
前記USBポートへ供給する電源を、自機器のメイン回路へ供給するメイン電源とは分離して供給することを特徴とする請求項1記載の電源供給機器。
【請求項3】
自機器のメイン電源がOn時に、前記USBポートへ供給する電源のOn/Offを自機器のメイン回路からの制御で行うように切り替えることを特徴とする請求項1または2記載の電源供給機器。
【請求項4】
前記メイン電源がOff、かつ、前記USBポートへ供給する電源がOn時に、自機器のメイン回路には電源が供給されない様に切り離すことを特徴とする請求項2記載の電源供給機器。
【請求項5】
共通する電源を有し、自機器のメイン回路への電源がOff、かつ、前記USBポートへ供給する電源がOn時に、前記機器のメイン回路には電源が供給されないように切り離すスイッチを備えることを特徴とする請求項1記載の電源供給機器。
【請求項6】
USBポートへ供給する電源のOn/Offを、自機器のメイン電源のOn/Offとは分離してOn/Offすることを特徴とする電源供給方法。
【請求項7】
電源供給機器に、
USBポートへ供給する電源のOn/Offを、自機器のメイン電源のOn/Offとは分離してOn/Offする処理を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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