説明

電源制御回路、電子機器およびノイズキャンセリングヘッドフォン

【課題】スイッチがオン状態を保持したままであっても、負荷回路への通電の遮断後に一時的に入力電圧が上昇したときの通電の再開を防止する。
【解決手段】電源制御回路は、電源との接続を有し、電源からの入力電圧を監視する検出部と、イネーブル端子を有し、電源からの入力電圧を所望の電圧に変換して少なくとも検出部に電力を供給する電圧変換回路と、電源とイネーブル端子との間に接続される第1のスイッチング素子と、検出部からの入力により第1のスイッチング素子をオンからオフに切り替える制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源制御回路、電子機器およびノイズキャンセリングヘッドフォンに関する。本開示は、特に、スイッチがオン状態を保持したままであっても、通電の遮断後、一時的に入力電圧が上昇したときの通電の再開が防止される電源制御回路、電子機器およびノイズキャンセリングヘッドフォンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯が可能な電子機器が広く普及している。例えば、ユーザは、CD(Compact Disc)などに収録された、またはインターネットを介してダウンロードした楽曲などのいわゆる音楽コンテンツ、映画やコンサート映像などの映像コンテンツなどの様々なコンテンツを屋外でも楽しむことができる。
【0003】
携帯が可能な電子機器は、電池を電源とするものが多く、ユーザが電子機器を使用している時に電池残量の不足が起きる場合がある。そこで、電子機器中の負荷回路の保護のため、負荷回路に対する入力電圧が設定値を下回ったときに、負荷回路への通電が遮断されることが好ましい。例えば、下記の特許文献1には、遮断回路、起動回路および異常検出回路からなり、入力電圧または出力電圧として異常値を検出したときに遮断回路を非導通状態とする保護回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3171383号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、遮断回路を非導通状態とした後、入力電圧が回復すると、遮断回路が導通状態とされる。これにより、保護回路の再起動を容易とすることができる。しかしながら、携帯が可能な電子機器には、電源スイッチとして、例えば、スライドスイッチなど、オン状態またはオフ状態が保持されるスイッチが使用されることがある。特許文献1に記載の技術では、スライドスイッチがオン状態を保持したままであると、何らかの原因で電池の出力電圧が一時的に回復した場合に、電子機器中の負荷回路への通電が再開されてしまう。
【0006】
したがって、スイッチがオン状態を保持したままであっても、負荷回路への通電の遮断後、一時的に入力電圧が上昇したときの通電の再開が防止されることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の好ましい実施態様は、電源制御回路が、
検出部と、電圧変換回路と、第1のスイッチング素子と、制御部とを備える。
検出部が、電源との接続を有し、電源からの入力電圧を監視する。
電圧変換回路が、イネーブル端子を有し、電源からの入力電圧を所望の電圧に変換して少なくとも検出部に電力を供給する。
第1のスイッチング素子が、電源とイネーブル端子との間に接続される。
制御部が、検出部からの入力により第1のスイッチング素子をオンからオフに切り替える。
【0008】
本開示の第2の好ましい実施態様は、電子機器が、
負荷回路と、スイッチと、検出部と、電圧変換回路と、第1のスイッチング素子と、制御部と、第2のスイッチング素子とを備える。
スイッチが、第1の状態または第2の状態を機械的に保持する。
検出部が、電源との接続を有し、電源からの入力電圧を監視する。
電圧変換回路が、イネーブル端子を有し、電源からの入力電圧を所望の電圧に変換して検出部および負荷回路に電力を供給する。
第1のスイッチング素子が、電源とイネーブル端子との間に接続される。
制御部が、スイッチと接続されたリセット端子を有し、検出部からの入力により第1のスイッチング素子をオンからオフに切り替える。
第2のスイッチング素子が、電源と第1のスイッチング素子との間に接続されるとともに、スイッチが第1の状態であるかまたは第2の状態であるかに応じて、オンまたはオフが切り替えられる。
【0009】
本開示の第3の好ましい実施態様は、ノイズキャンセリングヘッドフォンが、
マイクロフォンと、信号処理部と、スイッチと、検出部と、電圧変換回路と、第1のスイッチング素子と、制御部と、第2のスイッチング素子とを備える。
マイクロフォンが、ノイズを集音する。
信号処理部が、マイクロフォンの入力から、ノイズキャンセリング信号を生成する。
スイッチが、第1の状態または第2の状態を機械的に保持する。
検出部が、電源との接続を有し、電源からの入力電圧を監視する。
電圧変換回路が、イネーブル端子を有し、電源からの入力電圧を所望の電圧に変換して少なくとも検出部および信号処理部に電力を供給する。
第1のスイッチング素子が、電源とイネーブル端子との間に接続される。
制御部が、スイッチと接続されたリセット端子を有し、検出部からの入力により第1のスイッチング素子をオンからオフに切り替える。
第2のスイッチング素子が、電源と第1のスイッチング素子との間に接続されるとともに、スイッチが第1の状態であるかまたは第2の状態であるかに応じて、オンまたはオフが切り替えられる。
【0010】
本開示では、検出部が電源からの入力電圧を監視し、検出部が入力電圧の低下を検出すると、検出部は、制御部に対して信号を送出し、入力電圧の低下を通知する。制御部は、検出部からの信号を入力として、電源と電圧変換回路のイネーブル(enable)端子との間に接続された第1のスイッチング素子をオフとする。第1のスイッチング素子がオフとされると、電圧変換回路がディセーブル(disable)になり、電圧変換回路からの電力の送出が遮断される。したがって、電源からの入力電圧が低下した後、入力電圧が一時的に回復した場合であっても、後段の回路に対する、電圧変換回路からの電力の供給の再開が防止される。
【0011】
本開示では、電子機器が、第1の状態または第2の状態を機械的に保持するスイッチを備える場合、第2のスイッチング素子が、電源と第1のスイッチング素子との間に接続される。第2のスイッチング素子のオンまたはオフは、スイッチが第1の状態であるかまたは第2の状態であるかに応じて切り替えられるとともに、制御部のリセット端子が、スイッチと接続される。したがって、電源からの入力電圧が低下して、電圧変換回路からの負荷回路への電力の供給が遮断された場合、入力電圧が一時的に回復した場合であっても、ユーザによる電子機器の操作なしに負荷回路への電力の供給が再開されることが防止される。また、ユーザがスイッチを操作することにより、制御部のリセットが確実に行われる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、スイッチがオン状態を保持したままであっても、負荷回路への通電の遮断後、一時的に入力電圧が上昇したときの通電の再開を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本開示の実施形態にかかる電子機器を示す概略構成図である。
【図2】図2は、制御部としてのフリップフロップと電子機器の動作状態との関係を表として示す図である。
【図3】図3Aは、第2の実施形態にかかるノイズキャンセリングヘッドフォンの外観を示す正面図である。図3Bは、図3AのA部を拡大して示す斜視図である。
【図4】図4は、本開示の実施形態にかかるノイズキャンセリングヘッドフォンを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、電源制御回路、電子機器およびノイズキャンセリングヘッドフォンの実施形態について説明する。説明は、以下の順序で行う。
<1.第1の実施形態>
[電源制御回路および電子機器の概略的構成]
(電源)
(スイッチング素子)
(電圧変換回路)
(検出部)
(制御部)
(スイッチ)
(負荷回路)
[電源制御回路および電子機器の動作の概略]
(初期状態)
(ユーザによる電源オン時)
(スイッチがオン状態における電池残量の低下時)
(ユーザによる再起動時)
<2.第2の実施形態>
[ノイズキャンセリングヘッドフォンの概略的構成]
(マイクロフォン)
(ノイズキャンセリング回路)
(スイッチ)
[ノイズキャンセリングヘッドフォンの動作の概略]
<3.変形例>
【0015】
なお、以下に説明する実施形態は、電源制御回路、電子機器およびノイズキャンセリングヘッドフォンの好適な具体例である。以下の説明においては、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、特に本開示を限定する旨の記載がない限り、電源制御回路、電子機器およびノイズキャンセリングヘッドフォンの例は、以下に示す実施形態に限定されないものとする。
【0016】
<1.第1の実施形態>
[電源制御回路および電子機器の概略的構成]
図1は、本開示の実施形態にかかる電子機器を示す概略構成図である。図1に示すように、電子機器11は、負荷回路17と、スイッチ9と、検出部3と、電圧変換回路5と、第1のスイッチング素子Sd1と、制御部7と、第2のスイッチング素子Sd2とを備える。これらのうち、検出部3と、電圧変換回路5と、第1のスイッチング素子Sd1と、制御部7とから、本開示の実施形態にかかる電源制御回路1を構成することができる。
【0017】
(電源)
電源10は、負荷回路17および電源制御回路1の各部を駆動するために必要な電力を供給するための電源である。電源10からの電力は、後述する電圧変換回路5を介して負荷回路へ送出される。
【0018】
電源10としては、具体的には、例えば、電池を使用することができる。図1では、電源10として電池が使用される構成例を示している。電池としては、一次電池、二次電池のいずれでもかまわない。電池として、太陽電池、燃料電池、酵素電池などが使用されてももちろんかまわない。
【0019】
(スイッチング素子)
電源10と後述する電圧変換回路5のイネーブル端子ENとの間には、スイッチング素子Sd1およびスイッチング素子Sd2が直列に接続される。スイッチング素子Sd1およびスイッチング素子Sd2は、具体的には、例えば、トランジスタであるが、これに限定されるものではない。トランジスタとしては、例えば、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、静電誘導トランジスタなどが挙げられる。以下では、スイッチング素子Sd1およびスイッチング素子Sd2としてバイポーラトランジスタが使用されているものとして説明を行うが、これに限定されるものではない。なお、スイッチング素子Sd1とスイッチング素子Sd2とが同種のスイッチング素子とされなくてももちろんかまわない。
【0020】
(電圧変換回路)
電圧変換回路5は、具体的には、例えば、電源10からの入力電圧を所望の電圧に変換して出力するDC(Direct Current)−DCコンバータである。DC−DCコンバータの制御方式としては、PWM(Pulse Width Modulation)方式またはPFM(Pulse Frequency Modulation)方式のいずれであってもよい。電圧変換回路5により電圧変換がなされた電力は、負荷回路17および後述する検出部3へ送出される。
【0021】
電圧変換回路5へのイネーブル信号の入力または遮断は、電源10と電圧変換回路5のイネーブル端子ENとの間に直列に接続されるスイッチング素子Sd1およびスイッチング素子Sd2により切り替えられる。イネーブル信号の入力が遮断(ディセーブル信号の入力であってもよい。)されると、電圧変換回路5の動作は停止となり、負荷回路17および検出部3への電力の供給が停止される。
【0022】
(検出部)
検出部3は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)やメモリなどを含むマイクロコンピュータから構成され、電源10からの入力電圧の低下を監視する。検出部3が電源10からの入力電圧の低下を検出すると、検出部3は、後述する制御部7に対して、入力電圧の低下の検出を通知する。
【0023】
(制御部)
制御部7は、具体的には、フリップフロップから構成される。フリップフロップとしては、例えば、クロック入力付きRSフリップフロップやJKフリップフロップなどを使用することができる。
【0024】
図1に示す構成例は、電源制御回路を同期式回路とした例であるが、電源制御回路を非同期式回路としてもよい。電源制御回路を同期式回路とすることにより、電源制御回路の設計が容易となる。
【0025】
制御部7の入力端子DATAおよびクロック端子CKは、検出部3の出力端子DATAおよびクロック端子CKとそれぞれ接続されている。制御部7の入力端子DATAおよびクロック端子CKには、検出部3からの出力信号およびクロック信号がそれぞれ入力される。
【0026】
図1に示すように、制御部7の入力端子RESETは、スイッチング素子Sd2のベースに接続されている。スイッチング素子Sd2のベースは、後述するように、電子機器11のスイッチ9と接続される。したがって、制御部7の入力端子RESETは、電子機器11のスイッチ9とも接続される。なお、制御部7の出力端子OUTは、スイッチング素子Sd1のベースに接続される。
【0027】
ここで、電源制御回路の設計においては、トランジスタや抵抗などのディスクリート(discrete)部品(個別部品)によるラッチ回路と、リセットIC(integrated circuit)と呼ばれる電圧監視ICとの組み合わせが用いられることが一般的である。
【0028】
しかしながら、ラッチ回路がディスクリート部品から組み立てられるため、複数個のトランジスタ間のバランスを調整する必要があった。また、リセットICからのリセット信号をラッチ回路により取り込む構成では、部品点数が増加してしまううえ、電源制御回路を構成するために必要な面積が増大してしまう。さらに、リセットICにもばらつきがあるため、電源制御回路の動作が安定しないおそれがあった。
【0029】
本開示では、フリップフロップを使用しているため、リセット信号の取り込みを1つのチップで実現でき、部品点数を削減することができる。また、本開示では、フリップフロップの制御がマイクロコンピュータにより行われるため、回路設計が容易となる。後述するように、本開示では、ユーザの電子機器11の操作により電源制御回路1のリセットが確実に行われるため、電源制御回路の信頼性を向上させることができる。
【0030】
(スイッチ)
スイッチ9は、電子機器11の動作状態を切り替えるためのスイッチである。図1では、スイッチ9がオン状態にある場合を示している。
【0031】
スイッチ9は、オン状態(第1の状態)またはオフ状態(第2の状態)が保持されるスイッチである。より具体的には、スイッチ9は、オン状態またはオフ状態が、機械的に保持されるスイッチである。スイッチ9としては、オン状態またはオフ状態を保持するものであればよく、スイッチ9として、例えば、スライドスイッチやロータリースイッチ、ボタンスイッチ、トグルスイッチ、キースイッチなどを使用することができる。
【0032】
スイッチ9の端子のうちの1つは、スイッチング素子Sd2のベースに接続され、スイッチ9の残りの端子は、接地される。
【0033】
(負荷回路)
負荷回路17は、電子機器11の機能の発揮のために必要とされる回路であり、特に限定されない。電子機器としては、例えば、ポータブルメディアプレーヤやIC(integrated circuit)レコーダ、携帯ラジオ、電子辞書、LED(light-emitting diode)照明器具などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
[電源制御回路および電子機器の動作の概略]
以下、図1および図2を参照して、電源制御回路1および電子機器11の動作の概略についての説明を行う。以下の説明においては、「H」は、入力または出力される信号がハイ(High)レベルであることを示し、「L」は、入力または出力される信号がロー(Low)レベルであることを示すものとする。また、「X」は、入力または出力される信号が不定(HまたはLのどちらでもよい)であることを示し、「↑」は、入力または出力される信号がLからHへ変化する立ち上がりを示すものとする。図2における記載についても、同様とする。
【0035】
(初期状態)
まず、スイッチ9がオフ状態とされ、電子機器11が動作していない状態を初期状態と呼ぶことにする。なお、初期状態において、電源制御回路1には、電源10が接続されているものとする。例えば、電子機器11の使用前(スイッチ9がオン状態とされる前)の状態が、初期状態に対応する。
【0036】
図2は、制御部としてのフリップフロップと電子機器の動作状態との関係を表として示す図である。図2に示すように、初期状態においてはスイッチ9がオフ状態のため、スイッチング素子Sd2はオフとなる。したがって、電圧変換回路5へのイネーブル信号の入力はなく、電圧変換回路5から負荷回路17へは通電がされていない。なお、図2に示すように、初期状態では、フリップフロップの入力RESET、出力OUTはともにHとされている。
【0037】
(ユーザによる電源オン時)
次に、電源10からの入力電圧が十分に高いとして、ユーザがスイッチ9をオン状態にしたとする(以下、ユーザがスイッチ9をオン状態にした状態を「状態2」と適宜記載する。)。スイッチ9がオフ状態からオン状態にされると、スイッチング素子Sd2のベースが接地され、スイッチング素子Sd2がオンとなる。
【0038】
フリップフロップの出力OUTがHであるため、スイッチング素子Sd1はオンであり、スイッチング素子Sd1およびスイッチング素子Sd2を介して、電圧変換回路5のイネーブル端子ENには、イネーブル信号としての電源電圧が印加される。すると、電圧変換回路5から検出部3へ電源電圧が供給されるとともに、電圧変換回路5からの負荷回路17への通電がなされ、電子機器11が動作状態となる。
【0039】
電源10からの入力電圧が十分に高い場合、フリップフロップに対するマイクロコンピュータからの入力DATAはLである。一方、スイッチ9がオフ状態からオン状態にされることにより、フリップフロップの入力端子RESETは接地され、フリップフロップの入力RESETはLとなる。フリップフロップの出力OUTはHであったため、状態2においても、フリップフロップの出力OUTはHである。
【0040】
ここで、図1に示すように、例えば、電子機器11が、電池を電源としていたとする。この場合、電子機器11の使用中に、電池残量が低下することが考えられる。そのため、スイッチ9がオン状態を保持したままであっても、電池残量が低下したときに電子機器11の内部で負荷回路17への通電が遮断されることが望ましい。
【0041】
(スイッチがオン状態における電池残量の低下時)
次に、スイッチ9がオン状態において、電源10からの入力電圧が、検出部3に設定された設定値を下回ったとする(以下、スイッチ9がオン状態において、電源10からの入力電圧が、検出部に設定された設定値を下回った状態を「状態3」と適宜記載する。)。すなわち、検出部3の入力端子BATで電源10からの入力電圧の低下が検出されたとする。
【0042】
このとき、検出部3としてのマイクロコンピュータからの出力DATAはHとされる。すなわち、フリップフロップに対するマイクロコンピュータからの入力DATAはHとなる。フリップフロップの入力DATAがHとなると、マイクロコンピュータから入力されるクロック信号の立ち上がりにより、フリップフロップの出力OUTはLとされる。
【0043】
すると、スイッチング素子Sd1がオフとされ、電圧変換回路5のイネーブル端子ENに対する、イネーブル信号としての電源電圧の印加が停止する。したがって、検出部3および負荷回路17に対する電圧変換回路5からの通電が遮断される。
【0044】
このように、状態3では、スイッチング素子Sd1がオフとなるので、負荷回路17に対する通電が遮断されることとなり、電子機器11が非動作状態となる。
【0045】
ここで、電子機器の電源スイッチが、押した指を離せばもとの位置に戻るようなボタンスイッチなどであれば、電子機器の内部でいったん負荷回路への通電を遮断しておけば、負荷回路への非導通状態を維持することができる。
【0046】
ところが、電子機器の電源スイッチとして、例えば、スライドスイッチなど、オン状態またはオフ状態が機械的に保持されるスイッチが使用されていると、電池の出力電圧が一時的に回復した場合に、電子機器中の負荷回路への通電が再開されてしまう。
【0047】
例えば、電池が化学電池である場合には、電圧の発生に化学反応を利用するため、使用環境などにより出力電圧が変化しうる。また、例えば、冬季において、屋外から屋内へ移動したときに、電池の周辺の温度が高くなることにより、屋外では低下していた出力電圧が屋内で回復することもある。
【0048】
電子機器が、ユーザに対して電池残量を視覚的に通知する表示手段をもたない電子機器である場合、ユーザは、電源電圧の変化に気付きにくい。このような電子機器において、電池の出力電圧が一時的に回復した場合に負荷回路への通電が可能な状態であると、電池が液漏れを起こすおそれもある。
【0049】
そこで、電池の出力電圧が一時的に回復した場合であっても、電源スイッチがオン状態にある場合には、いったん遮断された負荷回路への通電が再開されないことが望ましい。
【0050】
本開示では、電池の出力電圧が一時的に回復した場合であっても、スイッチング素子Sd1がオフを維持するので、電圧変換回路5のイネーブル端子ENに対する、イネーブル信号としての電源電圧の印加はなされない。
【0051】
したがって、本開示によれば、電源スイッチがオン状態で電源からの入力電圧が一時的に回復した場合であっても、いったん遮断された負荷回路への通電の再開が防止できる。すなわち、本開示によれば、ユーザが意図せずに電子機器が動作状態となることが防止される。
【0052】
(ユーザによる再起動時)
次に、例えば、ユーザが、スイッチ9をオフ状態とした後、スイッチ9を再びオン状態にしたとする。この場合は、ユーザが電子機器11を動作させたいということであるので、負荷回路17への通電が再開されるようにする必要がある。
【0053】
ユーザが、スイッチ9をいったんオフ状態とすると、スイッチング素子Sd2がオフとなる。なお、スイッチング素子Sd1がオフであるので、検出部3および負荷回路17に対する電圧変換回路5からの通電は遮断されたままである。
【0054】
このとき、スイッチ9がいったんオフ状態とされることにより、フリップフロップの入力RESETがHとなり、フリップフロップがリセットされる。
【0055】
また、例えば、ユーザが電池を交換すると、電子機器11から電池が取り外されることによってフリップフロップへの電力の供給がなくなり、この場合も、フリップフロップがリセットされる。
【0056】
このように、ユーザによりスイッチ9がオフ状態とされるか、電池の交換がなされると、電圧変換回路5へのイネーブル信号の遮断が解除され、電子機器11は、状態3から初期状態に戻る。
【0057】
なお、電子機器11が動作している状態(状態2)において、電子機器11の使用後、ユーザがスイッチ9をオフ状態とした場合は、スイッチング素子Sd2がオフとなることにより、検出部3および負荷回路17に対する電圧変換回路5からの通電が遮断される。この場合は、フリップフロップのリセットは必要とされない。
【0058】
本開示によれば、電子機器に対するユーザの操作により、電源制御回路が確実にリセットされるので、電源制御回路の信頼性を向上させることができる。
【0059】
<2.第2の実施形態>
[ノイズキャンセリングヘッドフォンの概略的構成]
図3Aは、第2の実施形態にかかるノイズキャンセリングヘッドフォンの外観を示す正面図である。図3Bは、図3AのA部を拡大して示す斜視図である。図3Aに示すように、ノイズキャンセリングヘッドフォン21の外観は、ヘッドバンド43、2つのスライダ45L,45R、2つのハンガ47L,47R、2つのハウジング53L,53R、2つのイヤパッド55L,55Rから構成される。
【0060】
図4は、本開示の実施形態にかかるノイズキャンセリングヘッドフォンを示す概略構成図である。図3Aおよび図3Bならびに図4に示すように、ノイズキャンセリングヘッドフォン21は、マイクロフォン26と、ノイズキャンセリング回路27と、スイッチ29と、検出部23と、電圧変換回路5と、第1のスイッチング素子Sd1と、制御部7と、第2のスイッチング素子Sd2とを備える。すなわち、ノイズキャンセリングヘッドフォン21は、本開示の電源制御回路2をその一部に含む。なお、図3Aおよび図3Bならびに図4においては、イコライザ回路やフィルタ回路、パワーアンプなどの図示は省略されている。
【0061】
ノイズキャンセリング回路27および電源制御回路2ならびに電源10としての電池は、図3Bに示すように、例えば、一方のハウジング53Lに格納されている。
【0062】
ヘッドバンド43はユーザの頭部に沿うように湾曲状に形成され、ノイズキャンセリングヘッドフォン21の装着状態において、ユーザの頭頂部に接することによりノイズキャンセリングヘッドフォン21全体を支持する。ヘッドバンド43の内面における、ユーザの頭頂部に当接する部分の少なくとも一部に、ゴム、スポンジなどの緩衝材が設けられていてもよい。
【0063】
ヘッドバンド43の両端には、スライダ45L,45Rが設けられている。図3Aに示すように、スライダ45L,45Rは、例えば、3つの部材から構成されることにより伸び縮みができるようにされる。例えば、図3Aに示すスライダ45Lは、上部カバー体45La、レール45Lbおよび下部カバー体45Lcの組み合わせから構成される。したがって、ノイズキャンセリングヘッドフォン21の装着時には、ユーザの耳と頭頂部との距離などに合わせて、スライダ45L,45Rの伸縮度合いを調整することができる。
【0064】
これにより、ユーザは自らの身体的特徴や嗜好に応じた装着感を得ることができる。また、ノイズキャンセリングヘッドフォン21を使用しない時には、ユーザは、スライダ45L,45Rが縮められた状態とすることにより、ノイズキャンセリングヘッドフォン21の保管スペースを節約することができる。
【0065】
スライダ45L,45Rの先端には、ハンガ47L,47Rがそれぞれ設けられている。図3Bに示すように、ハンガ47Lは、下部カバー体45Lcとの接合面において、該接合面に垂直な軸L1を回転軸として回転自在に支持される。ハンガ47L,47Rは、イヤパッド55Lを備えるハウジング53Lとイヤパッド55Rを備えるハウジング53Rとをそれぞれ支持する。
【0066】
ハンガ47L,47Rは、例えば、円弧状の形状を有する。図3Bに示すように、ハウジング53Lは、円弧の両端を結ぶ軸L2を回転軸として回転自在に支持される。
【0067】
ハウジング53L,53Rは、音声処理回路やドライバユニットなどを格納する。なお、図3Bでは、マイクロフォン26、ノイズキャンセリング回路27および電源制御回路2ならびに電源10としての電池が一方のハウジング53Lに格納される構成例を示しているが、これに限られない。音声処理回路やドライバユニット、ノイズキャンセリング回路27などが、ハウジング53Rに格納されていてもよいし、ハウジング53Lとハウジング53Rとに分配されて格納されていてもよい。ただし、マイクロフォンについては、ノイズキャンセリングの効果を高めるため、ハウジング53Lおよびハウジング53Rにそれぞれマイクロフォンが設けられることが好ましい。
【0068】
(マイクロフォン)
マイクロフォン26は、ハウジングの内部または外部のノイズを集音するためのトランスデューサである。マイクロフォン26により集音されたノイズ情報は、電気信号として、後述するノイズキャンセリング回路27に送出される。マイクロフォン26としては、コンデンサ型やリボン型、ムービングコイル型などのマイクロフォンを使用することできるが、これらに限定されるものではない。
【0069】
(ノイズキャンセリング回路)
ノイズキャンセリング回路27は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor(DSP))などのプロセッサを含み、マイクロフォンの入力から、ノイズキャンセリング信号を生成する回路である。具体的には、ノイズキャンセリング回路27は、マイクロフォンで集音されたノイズの逆相成分を生成し、ノイズキャンセリング信号として送出する。ノイズキャンセリング信号がドライバユニットに供給されることにより、ノイズ成分が打ち消されることとなり、ユーザに知覚されるノイズが低減する。
【0070】
なお、図3Bに示す構成例では、電源10としての電池が、ハウジング53Lに格納されている。すなわち、図3Bに示す構成例では、ノイズキャンセリング回路27を駆動させるための電源が、音楽再生用のプレーヤなどの再生装置を駆動させるための電源とは独立している。したがって、ノイズキャンセリングヘッドフォン21は、ハウジング53Lに格納された電池を電源として駆動する。
【0071】
(スイッチ)
例えば、ハウジング53Lには、ノイズキャンセリング回路27が駆動するための電力の供給または遮断を切り替えるためのスイッチ29が設けられる。スイッチ29は、具体的には、例えば、オン状態またはオフ状態が機械的に保持されるスライドスイッチである。したがって、ユーザがノイズキャンセリングの効果を得たい場合、ユーザは、スイッチ29をオン状態とする。ユーザがスイッチ29をオン状態とすると、次にユーザがスイッチ29をオフ状態とするまで、ノイズキャンセリング処理が継続される。
【0072】
必要に応じて、例えば、ハウジング53Lには、図3Bに示すように、ノイズキャンセリングの特性を切り替えるための機能ボタン28a,28bなどがさらに設けられる。例えば、ユーザが飛行機に搭乗しているとき、ユーザが電車に乗車しているとき、またはユーザがオフィス内にいるときでは、要求されるノイズキャンセリングの特性がそれぞれ異なる。
【0073】
機能ボタン28a,28bは、例えば、後述する検出部23との接続を有しており、機能ボタン28a,28bがユーザにより操作されることにより、ユーザからの指示が検出部23に伝えられる。
【0074】
(検出部)
第2の実施形態において、検出部23は、第1の実施形態の検出部3と同様に、電源10からの入力電圧の低下を監視する。検出部23が電源10からの入力電圧の低下を検出すると、検出部23は、制御部7に対して、入力電圧の低下の検出を通知する。
【0075】
また、検出部23は、ノイズキャンセリングヘッドフォン21のシステム全体の制御も行う。図4に示すように、検出部23とノイズキャンセリング回路27中のプロセッサとの間の通信は、COM端子間のラインを介して行われる。例えば、電圧変換回路5からの検出部23に対する通電が遮断された場合、COM端子間のライン経由で、ノイズキャンセリング回路27中のプロセッサの停止が実行される。また、例えば、ハウジング53Lに、ノイズキャンセリングの特性を切り替えるための機能ボタン28a,28bなどが設けられる場合には、検出部23は、ノイズキャンセリング回路27との通信により、ノイズキャンセリングの特性を切り替える。
【0076】
例えば、ユーザが機能ボタン28aを押したとき、検出部23は、ノイズキャンセリング回路27中のプロセッサに対して指令信号を送出して、周囲の音を解析して適切なモードを選択させる。また、例えば、ユーザが機能ボタン28bを押したとき、検出部23は、ノイズキャンセリングヘッドフォン21のノイズキャンセリングの特性を、周囲の音を聞きとりやすくするモニタモードに切り替える。
【0077】
なお、例えば、ハウジング53Lには、コード57を接続するためのジャック58jが設けられている。ジャック58jは、ハウジング53Lの内部において、音声処理回路に電気的に接続されている。一方、コード57の先端には、ジャック58jに挿入するためのプラグ57pが設けられている。コード57の他端には、例えば、音楽再生用のプレーヤが接続される。すなわち、音楽コンテンツなどのデータは、コード57を介してプレーヤからノイズキャンセリングヘッドフォン21に送られる。
【0078】
[ノイズキャンセリングヘッドフォンの動作の概略]
次に、図4を参照しながら、ノイズキャンセリングヘッドフォン21の動作の概略について説明する。なお、図4では、本開示の理解を容易とするため、ハウジング53Lに格納されたドライバユニット25およびマイクロフォン26のみを図示しており、ハウジング53Rに格納されたドライバユニットおよびマイクロフォンの図示を省略している。例えば、ノイズキャンセリング回路27が一方のハウジング53Lのみに格納される場合、ハウジング53Rに格納されたドライバユニットおよびマイクロフォンとの間の通信は、ヘッドバンド43の内部に配置された伝送線や磁界通信などによりなされる。
【0079】
図4に示すように、電源10としての電池とノイズキャンセリング回路27との間には、電源制御回路2が接続されている。したがって、電圧変換回路5からのノイズキャンセリング回路27への電力の供給は、ユーザによるスイッチ29の操作と、制御部7によるスイッチング素子Sd1のオンまたはオフとにより制御される。
【0080】
例えば、ユーザがスイッチ29をオフ状態(初期状態)からオン状態(状態2)とすると、電圧変換回路5がイネーブルとなり、ノイズキャンセリング回路27に対して、電圧変換回路5から電力が供給される。
【0081】
ノイズキャンセリング回路27の入力端子MICINには、マイクロフォン26から送出された、ノイズ情報に関する入力信号が入力する。また、ノイズキャンセリング回路27の入力端子AUDIOINには、プレーヤからの入力信号59が入力する。
【0082】
ノイズキャンセリング回路27は、ノイズ情報に関する入力信号からノイズキャンセリング信号を生成し、プレーヤからの入力信号59との加算を行う。ノイズキャンセリング信号との加算により得られた信号がドライバユニット25に送出される。したがって、ドライバユニット25により、ノイズ成分が打ち消された信号の音響変換がなされ、ユーザは、ノイズキャンセリングの効果を得ることができる。
【0083】
いま、ユーザのノイズキャンセリングヘッドフォン21の使用中に、電池残量が低下したとする(状態3)。すると、制御部7により、第1のスイッチング素子Sd1がオフとされ、ノイズキャンセリング回路27への通電が遮断された状態となるが、ユーザは電源電圧の変化を直接的に知ることができない。そのため、電源10からの入力電圧が一時的に回復した場合、ユーザの知らないうちにノイズキャンセリング回路27への通電が再開されてしまうおそれがある。
【0084】
したがって、例えば、電池残量の表示手段を備えないノイズキャンセリングヘッドフォンなどでは、ノイズキャンセリングヘッドフォンの使用中において電池残量が低下した場合に、ノイズキャンセリング回路への通電が遮断されることが望ましい。さらに、ノイズキャンセリング回路への通電が遮断された後、スイッチがオン状態で電池の出力電圧が一時的に回復した場合であっても、ノイズキャンセリング回路への通電が再開されないことが望ましい。
【0085】
ノイズキャンセリングヘッドフォン21では、使用中に電池残量が低下すると(状態3)、電源制御回路2により、電圧変換回路5からのノイズキャンセリング回路27への電力の供給が遮断される。さらに、電池の出力電圧が一時的に回復した場合であっても、スイッチング素子Sd1がオフのままであるため、第1の実施形態と同様に、電圧変換回路5からのノイズキャンセリング回路27への電力の供給は再開されない。その後、ユーザによりスイッチ29がオフ状態とされるか、電池の交換がなされれば、電圧変換回路5へのイネーブル信号の遮断は解除される。
【0086】
第2の実施形態によれば、ノイズキャンセリングヘッドフォンが電源制御回路を備えるため、ノイズキャンセリングヘッドフォンの使用中に電池残量が低下した場合に、ノイズキャンセリング回路への通電を遮断することができる。また、電源制御回路によりノイズキャンセリング回路への通電が遮断された後、スイッチがオン状態で電池の出力電圧が一時的に回復した場合であっても、ノイズキャンセリング回路への通電の再開を防止することができる。したがって、本開示によれば、電源スイッチがオン状態で電源からの入力電圧が一時的に回復した場合であっても、ユーザが意図せずにノイズキャンセリングヘッドフォンが動作状態となることが防止される。
【0087】
このように、本開示の電源制御回路は、オン状態またはオフ状態を保持するスイッチを備える電子機器に適用して好適である。特に、本開示は、電池を電源とするとともに、ユーザに対して電池残量を視覚的に通知する表示手段をもたない電子機器に好適である。
【0088】
<3.変形例>
以上、本開示の実施形態について具体的に説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0089】
例えば、制御部として、フリップフロップにかえてラッチ回路を使用することも可能である。
【0090】
実施形態にかかる電源制御回路は、ノイズキャンセリングヘッドフォンに限らず、切り替え状態を保持するスイッチを含む電子機器であれば適用が可能である。例えば、ラップトップ型パソコンや電子書籍リーダ、スマートフォン、携帯電話、補聴器、医療機器、おもちゃなどに対しても、本開示の技術を適用することができる。
【0091】
ノイズキャンセリングの方式としては、フィードバック方式またフィードフォワード方式のいずれの方式でも適用が可能である。また、ノイズキャンセリング処理は、デジタル処理であってもよいし、アナログ処理であってもよい。
【0092】
なお、上述の実施形態において挙げた構成や方法などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成や方法などを用いてもよい。上述の実施形態の構成や方法などは、本開示の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【0093】
例えば、本開示は以下のような構成もとることができる。
(1)
電源との接続を有し、前記電源からの入力電圧を監視する検出部と、
イネーブル端子を有し、前記電源からの前記入力電圧を所望の電圧に変換して少なくとも前記検出部に電力を供給する電圧変換回路と、
前記電源と前記イネーブル端子との間に接続される第1のスイッチング素子と、
前記検出部からの入力により前記第1のスイッチング素子をオンからオフに切り替える制御部と
を備える電源制御回路。
(2)
第1の状態または第2の状態を機械的に保持するスイッチと、
前記電源と前記第1のスイッチング素子との間に接続されるとともに、前記スイッチが第1の状態であるかまたは第2の状態であるかに応じて、オンまたはオフが切り替えられる第2のスイッチング素子と
をさらに備え、
前記制御部が、リセット端子をさらに有し、
前記リセット端子が、前記スイッチと接続される
(1)に記載の電源制御回路。
(3)
前記スイッチがスライドスイッチである
(2)に記載の電源制御回路。
(4)
前記検出部が、マイクロコンピュータである
(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の電源制御回路。
(5)
前記制御部が、フリップフロップである
(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の電源制御回路。
(6)
負荷回路と、
第1の状態または第2の状態を機械的に保持するスイッチと、
電源との接続を有し、前記電源からの入力電圧を監視する検出部と、
イネーブル端子を有し、前記電源からの前記入力電圧を所望の電圧に変換して前記検出部および前記負荷回路に電力を供給する電圧変換回路と、
前記電源と前記イネーブル端子との間に接続される第1のスイッチング素子と、
前記スイッチと接続されたリセット端子を有し、前記検出部からの入力により前記第1のスイッチング素子をオンからオフに切り替える制御部と、
前記電源と前記第1のスイッチング素子との間に接続されるとともに、前記スイッチが第1の状態であるかまたは第2の状態であるかに応じて、オンまたはオフが切り替えられる第2のスイッチング素子と
を備える電子機器。
(7)
電池を前記電源として駆動する(6)に記載の電子機器。
(8)
ノイズを集音するマイクロフォンと、
前記マイクロフォンの入力から、ノイズキャンセリング信号を生成する信号処理部と、
第1の状態または第2の状態を機械的に保持するスイッチと、
電源との接続を有し、前記電源からの入力電圧を監視する検出部と、
イネーブル端子を有し、前記電源からの前記入力電圧を所望の電圧に変換して少なくとも前記検出部および前記信号処理部に電力を供給する電圧変換回路と、
前記電源と前記イネーブル端子との間に接続される第1のスイッチング素子と、
前記スイッチと接続されたリセット端子を有し、前記検出部からの入力により前記第1のスイッチング素子をオンからオフに切り替える制御部と、
前記電源と前記第1のスイッチング素子との間に接続されるとともに、前記スイッチが第1の状態であるかまたは第2の状態であるかに応じて、オンまたはオフが切り替えられる第2のスイッチング素子と
を備えるノイズキャンセリングヘッドフォン。
【符号の説明】
【0094】
1,2・・・電源制御回路
3,23・・・検出部
5・・・電圧変換回路
7・・・制御部
9,29・・・スイッチ
10・・・電源
11・・・電子機器
17・・・負荷回路
21・・・ノイズキャンセリングヘッドフォン
26・・・マイクロフォン
27・・・ノイズキャンセリング回路
EN・・・イネーブル端子
RESET・・・リセット端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源との接続を有し、前記電源からの入力電圧を監視する検出部と、
イネーブル端子を有し、前記電源からの前記入力電圧を所望の電圧に変換して少なくとも前記検出部に電力を供給する電圧変換回路と、
前記電源と前記イネーブル端子との間に接続される第1のスイッチング素子と、
前記検出部からの入力により前記第1のスイッチング素子をオンからオフに切り替える制御部と
を備える電源制御回路。
【請求項2】
第1の状態または第2の状態を機械的に保持するスイッチと、
前記電源と前記第1のスイッチング素子との間に接続されるとともに、前記スイッチが第1の状態であるかまたは第2の状態であるかに応じて、オンまたはオフが切り替えられる第2のスイッチング素子と
をさらに備え、
前記制御部が、リセット端子をさらに有し、
前記リセット端子が、前記スイッチと接続される
請求項1に記載の電源制御回路。
【請求項3】
前記スイッチがスライドスイッチである
請求項2に記載の電源制御回路。
【請求項4】
前記検出部が、マイクロコンピュータである
請求項2に記載の電源制御回路。
【請求項5】
前記制御部が、フリップフロップである
請求項2に記載の電源制御回路。
【請求項6】
負荷回路と、
第1の状態または第2の状態を機械的に保持するスイッチと、
電源との接続を有し、前記電源からの入力電圧を監視する検出部と、
イネーブル端子を有し、前記電源からの前記入力電圧を所望の電圧に変換して前記検出部および前記負荷回路に電力を供給する電圧変換回路と、
前記電源と前記イネーブル端子との間に接続される第1のスイッチング素子と、
前記スイッチと接続されたリセット端子を有し、前記検出部からの入力により前記第1のスイッチング素子をオンからオフに切り替える制御部と、
前記電源と前記第1のスイッチング素子との間に接続されるとともに、前記スイッチが第1の状態であるかまたは第2の状態であるかに応じて、オンまたはオフが切り替えられる第2のスイッチング素子と
を備える電子機器。
【請求項7】
電池を前記電源として駆動する請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
ノイズを集音するマイクロフォンと、
前記マイクロフォンの入力から、ノイズキャンセリング信号を生成する信号処理部と、
第1の状態または第2の状態を機械的に保持するスイッチと、
電源との接続を有し、前記電源からの入力電圧を監視する検出部と、
イネーブル端子を有し、前記電源からの前記入力電圧を所望の電圧に変換して少なくとも前記検出部および前記信号処理部に電力を供給する電圧変換回路と、
前記電源と前記イネーブル端子との間に接続される第1のスイッチング素子と、
前記スイッチと接続されたリセット端子を有し、前記検出部からの入力により前記第1のスイッチング素子をオンからオフに切り替える制御部と、
前記電源と前記第1のスイッチング素子との間に接続されるとともに、前記スイッチが第1の状態であるかまたは第2の状態であるかに応じて、オンまたはオフが切り替えられる第2のスイッチング素子と
を備えるノイズキャンセリングヘッドフォン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−38989(P2013−38989A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174939(P2011−174939)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】