電源回路の製造方法およびペーパー電池の接合方法
【課題】 ペーパー電池が回路基板上に接続されてなる電源回路の製造方法において、製造コストを増大させることなく、かつ、生産性を向上させる。
【解決手段】 ペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11と基板32のランド部31aとが対向し、かつ、ペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21と基板32のランド部31bとが対向するように、互いに直列に接続されたペーパー電池1a〜1cを基板32上に搭載し、この状態で、互いに対向している部分に超音波振動を加えて超音波接合する。
【解決手段】 ペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11と基板32のランド部31aとが対向し、かつ、ペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21と基板32のランド部31bとが対向するように、互いに直列に接続されたペーパー電池1a〜1cを基板32上に搭載し、この状態で、互いに対向している部分に超音波振動を加えて超音波接合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の回路基板上にペーパー電池が搭載されてなる電源回路の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電池を電源として駆動する製品においては、小型化や多機能化を図るために電源部分の省スペース化を要求されるものが少なくなく、その要求に応えるための1つの手段として、ボタン型電池が用いられている。
【0003】
さらに、近年においては、電解質層を介して正極及び負極が積層されてなるペーパー電池が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。このペーパー電池においては、電解質層によって正極と負極とが仕切られており、それにより、正極及び負極のそれぞれの電極はペーパー電池の互いに異なる面に表出している。そのため、このようなペーパー電池を回路基板上に搭載して電源回路を製造する場合、正極及び負極の電極のうちいずれか一方の電極が回路基板と対向しない状態となり、回路基板と対向しない電極については、回路基板と接続するための接続端子をはんだ付け等によって接続し、この接続端子を介して回路基板と接続されることになる。ところが、このように、ペーパー電池の電極と回路基板とを接続端子を介して接続する場合、電極と回路基板との間における抵抗値が大きくなってしまう。また、そのための作業を行う必要があるため、生産性が低下し、コストアップが生じてしまう。
【0004】
そこで、ペーパー電池の一部を折り返し、それにより、正極及び負極の電極を同一面に形成する技術が考えられている(例えば、特許文献2参照。)。この技術においては、正極及び負極が互いに異なる面に形成されたペーパー電池の一部を折り返し、このペーパー電池を、正極及び負極の一部が表出するための穴が設けられた絶縁フィルムを介して回路基板に積層し、この穴を介してペーパー電池の正極及び負極と回路基板とが接続されている。
【0005】
このように、ペーパー電池が回路基板上に積層されてなる電源回路においては、例えば、ペーパー電池の接続端子に異方性導電性フィルムや異方性導電性接着剤を塗布しておき、その後、ペーパー電池を回路基板上に搭載し、これら異方性導電性フィルムや異方性導電性接着剤を用いてペーパー電池と回路基板とを電気的に接続するとともに接着することが考えられる。
【特許文献1】特表2000−502206号公報
【特許文献2】特許第2866383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したように、ペーパー電池と回路基板とを異方性導電性フィルムや異方性導電性接着剤を用いて接続し、回路基板上にペーパー電池が搭載されてなる電源回路を製造する場合は、まず、ペーパー電池の電極部分に異方性導電性フィルムや異方性導電性接着剤を塗布しておき、次に、ペーパー電池と回路基板との仮圧着を行い、その後、ペーパー電池と回路基板との本圧着を行うというように製造工程が複雑になり、それにより、生産性が低下してしまうという問題点がある。
【0007】
また、異方性導電性フィルムや異方性導電性接着剤は、その管理が容易ではなく、かつ、高価なものであるため、管理が煩雑になってしまうとともに、電源回路の製造コストが増大してしまうという問題点がある。
【0008】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、ペーパー電池が回路基板上に接続されてなる電源回路の製造方法において、製造コストを増大させることなく、かつ、生産性を向上させることができる電源回路の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、
正極及び負極の電極がそれぞれ表出してなるペーパー電池が、それぞれが前記正極及び負極のいずれか一方と接続されるための2つの接続端子を有してなる回路基板上に、前記正極及び負極が前記2つの接続端子に接続されるように搭載されてなる電源回路の製造方法であって、
前記正極及び負極と前記2つの接続端子とがそれぞれ互いに対向するように前記ペーパー電池を前記回路基板上に搭載する工程と、
互いに対向した前記正極及び負極と前記2つの接続端子とをそれぞれ超音波接合により電気的に接続する工程とを有する。
【0010】
また、前記回路基板のうち前記2つの接続端子が形成された領域に穴部を形成する工程を有し、
前記穴部が形成された回路基板上に前記ペーパー電池を搭載することを特徴とする。
【0011】
また、前記回路基板上に前記ペーパー電池が搭載された場合に前記回路基板の前記正極及び負極と対向する領域の一部には、前記接続端子を形成しないことを特徴とする。
【0012】
また、正極及び負極の電極がそれぞれ表出してなる複数のペーパー電池を、互いに異なるペーパー電池の前記正極の電極と前記負極の電極とを接合することにより電気的に接続するペーパー電池の接合方法であって、
互いに異なるペーパー電池の前記正極の電極と前記負極の電極とが互いに対向するように前記複数のペーパー電池を重ね合わせる工程と、
互いに対向した前記正極の電極と前記負極の電極とを超音波接合により電気的に接続する工程とを有する。
【0013】
上記のように構成された本発明においては、ペーパー電池の正極及び負極と回路基板に設けられた2つの接続端子とがそれぞれ互いに対向するようにペーパー電池を回路基板上に搭載した後、互いに対向した領域に超音波振動を加えると、ペーパー電池の正極及び負極が溶融し、それにより、ペーパー電池の正極及び負極と回路基板の2つの接続端子とがそれぞれ超音波接合して電気的に接続される。
【0014】
これにより、異方性導電性フィルムや異方性導電性接着剤のような高価なものを用いることなく、ペーパー電池と回路基板とを電気的に接続することができるようになり、製造コストが増大することがなくなるとともに、製造工程が簡略化して生産性が向上する。
【0015】
また、回路基板の接続端子が形成された領域に穴部を形成しておけば、超音波振動によって溶融したペーパー電池の正極及び負極部分がこの穴部に流れ込むことになり、それにより、ペーパー電池と回路基板との接着力が増大する。
【0016】
また、回路基板上にペーパー電池が搭載された場合に回路基板の正極及び負極と対向する領域の一部に、接続端子を形成しておかなければ、回路基板の正極及び負極と対向する領域の一部が超音波振動によって溶融し、それにより、ペーパー電池と回路基板との接着力が増大する。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明においては、ペーパー電池の正極及び負極と回路基板に設けられた2つの接続端子とを超音波接合によって電気的に接続する構成としたため、ペーパー電池が回路基板上に接続されてなる電源回路を製造する場合に、製造コストを増大させることなく、かつ、生産性を向上させることができる。
【0018】
また、回路基板の接続端子が形成された領域に穴部を形成する工程を有するものにおいては、超音波振動によって溶融したペーパー電池の正極及び負極部分がこの穴部に流れ込むことになり、それにより、ペーパー電池と回路基板との接着力が増大し、信頼性を向上させることができる。
【0019】
また、回路基板上にペーパー電池が搭載された場合に回路基板の正極及び負極と対向する領域の一部には、接続端子を形成しないものにおいては、回路基板の正極及び負極と対向する領域の一部が超音波振動によって溶融し、それにより、ペーパー電池と回路基板との接着力が増大し、折り曲げ等の外力に対する耐久性及び信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の電源回路の製造方法によって製造される電源回路に用いられるペーパー電池の実施の一形態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したB−B’断面図である。
【0022】
本形態におけるペーパー電池は図1に示すように、二酸化マンガン等からなる正極層10と、亜鉛等からなる負極層20とが、ゲル状の電解質層30を介して積層されており、また、正極層10側には、PET(ポリエチレンテレフタレート)等からなり、導電性インク11が塗布された保護フィルム12が積層され、負極層20側には、PET等からなり、導電性インク21が塗布された保護フィルム22が積層されて構成されている。また、導電性インク11が塗布された保護フィルム12は、正極層10、負極層20及び電解質層30の外形から突出した突出領域13を有し、また、導電性インク21が塗布された保護フィルム22は、正極層10、負極層20及び電解質層30の外形から突出した突出領域23を有し、これら突出領域13,23は、互いに異なる領域にて正極層10、負極層20及び電解質層30の外形から突出している。なお、導電性インク11,21は、保護フィルム12,22に対して正極層10及び負極層20側にそれぞれ塗布されているため、突出領域13,23にて導電性インク11,21が表出する面は互いに異なる面となっている。また、保護フィルム12,22においては、突出領域13,3において導電性インク11,21が塗布された面にて導電性インク11,21が塗布されずに保護フィルム12,22が露出した領域が存在している。
【0023】
上記のように構成されたペーパー電池1においては、保護フィルム12に塗布された導電性インク11が正極層10と導通しているため、突出領域13における導電性インク11が正極の電極となり、また、保護フィルム22に塗布された導電性インク21が負極層20と導通しているため、突出領域23における導電性インク21が負極の電極となる。
【0024】
図2は、図1に示したペーパー電池1が3つ直列に接続されるように接合された状態を示す図である。
【0025】
図2に示すように、3つのペーパー電池1a〜1cは、ペーパー電池1aの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1bの突出領域13における導電性インク11とが対向するようにペーパー電池1aとペーパー電池1bとが重ね合わされて接合され、かつ、ペーパー電池1bの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1cの突出領域13における導電性インク11とが対向するようにペーパー電池1bとペーパー電池1cとが重ね合わされて接合されている。これにより、3つのペーパー電池1a〜1cは、ペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11が正極の電極となり、ペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21が負極の電極となる、直列接続されたものとなっている。
【0026】
以下に、上述したペーパー電池1を用いた電源回路について説明する。
【0027】
(第1の実施の形態)
図3は、本発明の電源回路の製造方法の第1の実施の形態によって製造される電源回路に用いられるシート状の回路基板の実施の一形態を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。また、図4は、図2に示したペーパー電池1a〜1cが図3に示した回路基板に搭載された電源回路の構成を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。
【0028】
本形態における回路基板は図3に示すように、PET等の樹脂からなるシート状の基板32の一方の面に、演算素子34が搭載されるとともに、図2に示したペーパー電池1aの正極となる突出領域13における導電性インク11が接続されるための接続端子であるランド部31aが形成され、基板32の他方の面に、図2に示したペーパー電池1cの負極となる突出領域23における導電性インク21が接続されるための接続端子であるランド部31bが形成され、演算素子34とランド部31aとが配線パターン37aを介して接続され、演算素子34とランド部31bとがスルーホール36及び配線パターン37bを介して接続されて構成されている。さらに、ランド部31a,31bが形成された領域のそれぞれには、複数の微細な穴部33a,33bが形成されている。
【0029】
このように構成された回路基板上に図2に示したペーパー電池1a〜1cが搭載される場合、図4に示すように、ペーパー電池1aの正極となる突出領域13における導電性インク11がランド部31aと接触し、かつ、ペーパー電池1cの負極となる突出領域23における導電性インク21がランド部31bと接触するように、ペーパー電池1a〜1cが回路基板上に搭載され、ペーパー電池1aの突出領域13とランド部31aとが超音波接合によって接着され、また、ペーパー電池1cの突出領域23とランド部31bとが超音波接合によって接着される。ここで、ランド部31aと接触するペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11はペーパー電池1aの正極層10と接続されているため、ペーパー電池1aの突出領域13とランド部31aとが接着されると、ペーパー電池1aの正極層10とランド部31aとが電気的に接続されることになる。また、ランド部31bと接触するペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21はペーパー電池1cの負極層20と接続されているため、ペーパー電池1cの突出領域23とランド部31bとが接着されると、ペーパー電池1cの負極層20とランド部31bとが電気的に接続されることになる。これにより、直列に接続されたペーパー電池1a〜1cとランド部31a,31bとによって、演算素子34に電源を供給するための電源回路が形成される。
【0030】
以下に、上述した電源回路の製造方法について説明する。
【0031】
図5は、図4に示した電源回路の製造方法を説明するための図である。なお、図5においては、図4に示した電源回路の一方の面しか図示していないが他方の面についても下記説明に従うものとする。
【0032】
まず、PET等の樹脂からなるシート状の基板32の一方の面にランド部31a及びこのランド部31aと接続されるように配線パターン37aを形成するとともに、基板32の他方の面にランド部31b及びこのランド部31bと接続されるように配線パターン37bを形成する(図5(a))。また、スルーホール36についても基板32上に形成しておく。なお、これらランド部31a,31b、配線パターン37a,37b及びスルーホール36においては、例えば、銅からなり、エッチングによって形成することが考えられる。
【0033】
次に、基板32のランド部31a,31bが形成された領域のそれぞれに、0.5〜2mm程度の径を有し、基板32の表面から裏面まで貫通する複数の穴部33a,33bを形成する(図5(b))。なお、この穴部33a,33bの形成は、基板32上にスルーホール36を形成する工程にて同時に行ってもよい。
【0034】
次に、配線パターン37a及びスルーホール36と接続されるように基板32上に演算素子34を搭載する(図5(c))。
【0035】
また、図2に示すように、3つのペーパー電池1a〜1cについて、ペーパー電池1aの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1bの突出領域13における導電性インク11とが対向するようにペーパー電池1aとペーパー電池1bとを重ね合わせ、また、ペーパー電池1bの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1cの突出領域13における導電性インク11とが対向するようにペーパー電池1bとペーパー電池1cとを重ね合わせ、この状態で、重ね合わされた領域にそれぞれ超音波振動を加える。すると、ペーパー電池1aの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1bの突出領域13における導電性インク11がこの振動によって溶融し、それにより、ペーパー電池1aの突出領域23とペーパー電池1bの突出領域13とが超音波接合し、また、ペーパー電池1bの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1cの突出領域13における導電性インク11がこの振動によって溶融し、それにより、ペーパー電池1bの突出領域23とペーパー電池1cの突出領域13とが超音波接合する。これにより、3つのペーパー電池1a〜1cを直列に接続する(図5(d))。また、この際、ペーパー電池1aの突出領域23にて露出した保護フィルム22とペーパー電池1bの突出領域13にて露出した保護フィルム12が溶融し、これらも超音波接合し、また、ペーパー電池1bの突出領域23にて露出した保護フィルム22とペーパー電池1cの突出領域13にて露出した保護フィルム12が溶融し、これらも超音波接合することになる。
【0036】
なお、本形態においては、突出領域13,23において導電性インク11,21が塗布された面にて導電性インク11,21が塗布されずに保護フィルム12,22が露出した領域が存在し、これらの領域において保護フィルム12,22が超音波接合する構成としたが、保護フィルム12の一方の面の全面に導電性インク11が塗布され、また、保護フィルム22の一方の面の全面に導電性インク21が塗布されている構成としてもよい。その場合、上述したように超音波振動を加えると、ペーパー電池1aの突出領域23の導電性インク21と、ペーパー電池1bの突出領域13の導電性インク11が溶融することのみによって、ペーパー電池1aの突出領域23とペーパー電池1bの突出領域13とが超音波接合することになる。また、同様に、ペーパー電池1bの突出領域23の導電性インク21と、ペーパー電池1cの突出領域13の導電性インク11が溶融することのみによって、ペーパー電池1bの突出領域23とペーパー電池1cの突出領域13とが超音波接合することになる。
【0037】
その後、ペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11と基板32のランド部31aとが対向し、かつ、ペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21と基板32のランド部31bとが対向するように、互いに直列に接続されたペーパー電池1a〜1cを基板32上に搭載し、この状態で、互いに対向している部分に超音波振動を加える。すると、ペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11がこの振動によって溶融し、ペーパー電池1aの突出領域13とランド部31aとが超音波接合する。また、ペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21もこの振動によって溶融し、ペーパー電池1cの突出領域23とランド部31bとが超音波接合する(図5(e))。これにより、直列に接続されたペーパー電池1a〜1cとランド部31a,31bとが電気的に接続され、ペーパー電池1a〜1cとランド部31a,31bとによって、演算素子34に電源を供給するための電源回路が形成される。なお、この際、超音波振動によって溶融した導電性インク11は、ランド部31aに形成された穴部33aに流れ込み、また、超音波振動によって溶融した導電性インク21は、ランド部31bに形成された穴部33bに流れ込む。
【0038】
図6は、図5に示した製造方法によって製造された電源回路の基板32とペーパー電池1a〜1cとの接続状態を説明するための図であり、図5(e)に示したA−A’断面を示す。
【0039】
図6に示すように、超音波振動によって溶融した導電性インク11,21は、ランド部31a,31bに形成された穴部33a,33bにそれぞれ流れ込む。そのため、このように超音波接合されたペーパー電池1aの突出領域13とランド部31a、並びに、ペーパー電池1cの突出領域23とランド部31bとは、穴部33a,33b内でも互いに接着されることになり、それにより、接着面積が広くなり、接着力が増大することになる。
【0040】
なお、本形態においては、ランド部31a,31bに、基板32の表面から裏面まで貫通する穴部33a,33bがそれぞれ形成されているが、超音波振動によって溶融した導電性インク11,21が流れ込むことができるものであれば、必ずしも貫通している必要はなく、また、穴部ではなく溝であってもよい。また、ランド部31a,31bの表面が粗くなるような加工を施すことも考えられる。
【0041】
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の電源回路の製造方法の第2の実施の形態によって製造される電源回路に用いられるシート状の回路基板の実施の一形態を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。また、図8は、図2に示したペーパー電池1a〜1cが図7に示した回路基板に搭載された電源回路の構成を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。
【0042】
本形態における回路基板は図7に示すように、PET等の樹脂からなるシート状の基板132の一方の面に、演算素子134が搭載されるとともに、図2に示したペーパー電池1aの正極となる突出領域13における導電性インク11が接続されるための接続端子であるランド部131aが形成され、基板132の他方の面に、図2に示したペーパー電池1cの負極となる突出領域23における導電性インク21が接続されるための接続端子であるランド部131bが形成され、演算素子134とランド部131aとが配線パターン137aを介して接続され、演算素子134とランド部131bとがスルーホール136及び配線パターン137bを介して接続されて構成されている。ここで、本形態においては、ランド部131a,131bの形状が、図2に示したペーパー電池1aの突出領域13がランド部131aと対向するように、かつ、ペーパー電池1cの突出領域23がランド部131bと対向するようにペーパー電池1a〜1cを基板132上に搭載した場合に、ペーパー電池1aの突出領域13,23が対向する領域の一部にランド部131a,131bが形成されていないような形状となっている。
【0043】
このように構成された回路基板上に図2に示したペーパー電池1a〜1cが搭載される場合、図8に示すように、ペーパー電池1aの正極となる突出領域13における導電性インク11がランド部131aと接触し、かつ、ペーパー電池1cの負極となる突出領域23における導電性インク21がランド部131bと接触するように、ペーパー電池1a〜1cが回路基板上に搭載され、ペーパー電池1aの突出領域13とランド部131aとが超音波接合によって接着され、また、ペーパー電池1cの突出領域23とランド部131bとが超音波接合によって接着される。ここで、ランド部131aと接触するペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11はペーパー電池1aの正極層10と接続されているため、ペーパー電池1aの突出領域13とランド部131aとが接着されると、ペーパー電池1aの正極層10とランド部131aとが電気的に接続されることになる。また、ランド部131bと接触するペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21はペーパー電池1cの負極層20と接続されているため、ペーパー電池1cの突出領域23とランド部131bとが接着されると、ペーパー電池1cの負極層20とランド部131bとが電気的に接続されることになる。これにより、直列に接続されたペーパー電池1a〜1cとランド部131a,131bとによって、演算素子134に電源を供給するための電源回路が形成される。
【0044】
以下に、上述した電源回路の製造方法について説明する。
【0045】
図9は、図8に示した電源回路の製造方法を説明するための図である。なお、図9においては、図8に示した電源回路の一方の面しか図示していないが他方の面についても下記説明に従うものとする。
【0046】
まず、PET等の樹脂からなるシート状の基板132の一方の面にランド部131a及びこのランド部131aと接続されるように配線パターン137aを形成するとともに、基板132の他方の面にランド部131b及びこのランド部131bと接続されるように配線パターン137bを形成する(図9(a))。なお、本形態においては、ペーパー電池1aの突出領域13がランド部131aと対向するように、かつ、ペーパー電池1cの突出領域23がランド部131bと対向するようにペーパー電池1a〜1cを基板132上に搭載した場合に、ペーパー電池1aの突出領域13,23が対向する領域の一部にはランド部131a,131bを形成しない。また、スルーホール136についても基板132上に形成しておく。なお、これらランド部131a,131b、配線パターン137a,137b及びスルーホール136においては、例えば、銅からなり、エッチングによって形成することが考えられる。
【0047】
次に、配線パターン137a及びスルーホール136と接続されるように基板132上に演算素子134を搭載する(図9(b))。
【0048】
また、図2に示すように、3つのペーパー電池1a〜1cについて、ペーパー電池1aの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1bの突出領域13における導電性インク11とが対向するようにペーパー電池1aとペーパー電池1bとを重ね合わせ、また、ペーパー電池1bの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1cの突出領域13における導電性インク11とが対向するようにペーパー電池1bとペーパー電池1cとを重ね合わせ、この状態で、重ね合わされた領域にそれぞれ超音波振動を加える。すると、ペーパー電池1aの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1bの突出領域13における導電性インク11がこの振動によって溶融し、それにより、ペーパー電池1aの突出領域23とペーパー電池1bの突出領域13とが超音波接合し、また、ペーパー電池1bの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1cの突出領域13における導電性インク11がこの振動によって溶融し、それにより、ペーパー電池1bの突出領域23とペーパー電池1cの突出領域13とが超音波接合する。これにより、3つのペーパー電池1a〜1cを直列に接続する(図9(c))。また、この際、ペーパー電池1aの突出領域23にて露出した保護フィルム22とペーパー電池1bの突出領域13にて露出した保護フィルム12が溶融し、これらも超音波接合し、また、ペーパー電池1bの突出領域23にて露出した保護フィルム22とペーパー電池1cの突出領域13にて露出した保護フィルム12が溶融し、これらも超音波接合することになる。なお、本形態においても、第1の実施の形態にて示したものと同様に、保護フィルム12,22の全面に導電性インク11,21を塗布しておいた場合、ペーパー電池1aの突出領域23の導電性インク21とペーパー電池1bの突出領域13の導電性インク11が溶融することのみによってペーパー電池1aの突出領域23とペーパー電池1bの突出領域13とが超音波接合し、また、ペーパー電池1bの突出領域23の導電性インク21とペーパー電池1cの突出領域13の導電性インク11が溶融することのみによってペーパー電池1bの突出領域23とペーパー電池1cの突出領域13とが超音波接合することになる。
【0049】
その後、ペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11と基板132のランド部131aとが対向し、かつ、ペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21と基板132のランド部131bとが対向するように、互いに直列に接続されたペーパー電池1a〜1cを基板132上に搭載し、この状態で、互いに対向している部分に超音波振動を加える。すると、ペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11がこの振動によって溶融し、ペーパー電池1aの突出領域13とランド部131aとが超音波接合する。また、ペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21もこの振動によって溶融し、ペーパー電池1cの突出領域23とランド部131bとが超音波接合する(図9(d))。これにより、直列に接続されたペーパー電池1a〜1cとランド部131a,131bとが電気的に接続され、ペーパー電池1a〜1cとランド部131a,131bとによって、演算素子134に電源を供給するための電源回路が形成される。なお、この際、超音波振動によって、ペーパー電池1aの突出領域13と対向する領域のうちランド部131aが形成されていない部分も溶融し、また、超音波振動によって、ペーパー電池1cの突出領域23と対向する領域のうちランド部131bが形成されていない部分も溶融する。
【0050】
図10は、図9に示した製造方法によって製造された電源回路の基板132とペーパー電池1a〜1cとの接続状態を説明するための図であり、図9(d)に示したA−A’断面を示す。
【0051】
図10に示すように、ペーパー電池1aの突出領域13と基板132のランド部131a、並びに、ペーパー電池1cの突出領域23と基板132のランド部131bとがそれぞれ対向している部分の超音波振動を加えると、ペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11が溶融するとともに、この突出領域13に対向する領域のうちランド部131aが形成されていない領域の基板132が溶融し、これらが互いに接着されることになる。また、同様に、ペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21が溶融するとともに、この突出領域23に対向する領域のうちランド部131bが形成されていない領域の基板132が溶融し、これらが互いに接着されることになる。これにより、ペーパー電池1a〜1cと基板132との接着力が増大することになる。
【0052】
なお、上述した2つの実施の形態にて示したものを組み合わせることにより、ペーパー電池1a〜1cと基板との接着力をさらに増大させることも考えられる。
【0053】
また、上述した実施の形態においては、保護フィルム12,22に導電性インク11,21を塗布することにより、ペーパー電池1a〜1cの突出領域13,23に正極及び負極を構成しているが、黒鉛もしくは鉄、ニッケル、チタン、銅、ステンレス鋼、およびこれらの混合物のような金属のような好適な物質のいずれかでペーパー電池1a〜1cの正極及び負極を構成することも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の電源回路の製造方法によって製造される電源回路に用いられるペーパー電池の実施の一形態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したB−B’断面図である。
【図2】図1に示したペーパー電池が3つ直列に接続されるように接合された状態を示す図である。
【図3】本発明の電源回路の製造方法の第1の実施の形態によって製造される電源回路に用いられるシート状の回路基板の実施の一形態を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。
【図4】図2に示したペーパー電池が図3に示した回路基板に搭載された電源回路の構成を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。
【図5】図4に示した電源回路の製造方法を説明するための図である。
【図6】図5に示した製造方法によって製造された電源回路の基板とペーパー電池との接続状態を説明するための図である。
【図7】本発明の電源回路の製造方法の第2の実施の形態によって製造される電源回路に用いられるシート状の回路基板の実施の一形態を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。
【図8】図2に示したペーパー電池が図7に示した回路基板に搭載された電源回路の構成を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。
【図9】図8に示した電源回路の製造方法を説明するための図である。
【図10】図9に示した製造方法によって製造された電源回路の基板とペーパー電池との接続状態を説明するための図である。
【符号の説明】
【0055】
1,1a〜1c ペーパー電池
10 正極層
11,21 導電性インク
12,22 保護フィルム
13,23 突出領域
20 負極層
30 電解質層
31a,31b,131a,131b ランド部
32,132 基板
33a,33b 穴部
34,134 演算素子
36,136 スルーホール
37a,37b,137a,137b 配線パターン
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の回路基板上にペーパー電池が搭載されてなる電源回路の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電池を電源として駆動する製品においては、小型化や多機能化を図るために電源部分の省スペース化を要求されるものが少なくなく、その要求に応えるための1つの手段として、ボタン型電池が用いられている。
【0003】
さらに、近年においては、電解質層を介して正極及び負極が積層されてなるペーパー電池が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。このペーパー電池においては、電解質層によって正極と負極とが仕切られており、それにより、正極及び負極のそれぞれの電極はペーパー電池の互いに異なる面に表出している。そのため、このようなペーパー電池を回路基板上に搭載して電源回路を製造する場合、正極及び負極の電極のうちいずれか一方の電極が回路基板と対向しない状態となり、回路基板と対向しない電極については、回路基板と接続するための接続端子をはんだ付け等によって接続し、この接続端子を介して回路基板と接続されることになる。ところが、このように、ペーパー電池の電極と回路基板とを接続端子を介して接続する場合、電極と回路基板との間における抵抗値が大きくなってしまう。また、そのための作業を行う必要があるため、生産性が低下し、コストアップが生じてしまう。
【0004】
そこで、ペーパー電池の一部を折り返し、それにより、正極及び負極の電極を同一面に形成する技術が考えられている(例えば、特許文献2参照。)。この技術においては、正極及び負極が互いに異なる面に形成されたペーパー電池の一部を折り返し、このペーパー電池を、正極及び負極の一部が表出するための穴が設けられた絶縁フィルムを介して回路基板に積層し、この穴を介してペーパー電池の正極及び負極と回路基板とが接続されている。
【0005】
このように、ペーパー電池が回路基板上に積層されてなる電源回路においては、例えば、ペーパー電池の接続端子に異方性導電性フィルムや異方性導電性接着剤を塗布しておき、その後、ペーパー電池を回路基板上に搭載し、これら異方性導電性フィルムや異方性導電性接着剤を用いてペーパー電池と回路基板とを電気的に接続するとともに接着することが考えられる。
【特許文献1】特表2000−502206号公報
【特許文献2】特許第2866383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したように、ペーパー電池と回路基板とを異方性導電性フィルムや異方性導電性接着剤を用いて接続し、回路基板上にペーパー電池が搭載されてなる電源回路を製造する場合は、まず、ペーパー電池の電極部分に異方性導電性フィルムや異方性導電性接着剤を塗布しておき、次に、ペーパー電池と回路基板との仮圧着を行い、その後、ペーパー電池と回路基板との本圧着を行うというように製造工程が複雑になり、それにより、生産性が低下してしまうという問題点がある。
【0007】
また、異方性導電性フィルムや異方性導電性接着剤は、その管理が容易ではなく、かつ、高価なものであるため、管理が煩雑になってしまうとともに、電源回路の製造コストが増大してしまうという問題点がある。
【0008】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、ペーパー電池が回路基板上に接続されてなる電源回路の製造方法において、製造コストを増大させることなく、かつ、生産性を向上させることができる電源回路の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、
正極及び負極の電極がそれぞれ表出してなるペーパー電池が、それぞれが前記正極及び負極のいずれか一方と接続されるための2つの接続端子を有してなる回路基板上に、前記正極及び負極が前記2つの接続端子に接続されるように搭載されてなる電源回路の製造方法であって、
前記正極及び負極と前記2つの接続端子とがそれぞれ互いに対向するように前記ペーパー電池を前記回路基板上に搭載する工程と、
互いに対向した前記正極及び負極と前記2つの接続端子とをそれぞれ超音波接合により電気的に接続する工程とを有する。
【0010】
また、前記回路基板のうち前記2つの接続端子が形成された領域に穴部を形成する工程を有し、
前記穴部が形成された回路基板上に前記ペーパー電池を搭載することを特徴とする。
【0011】
また、前記回路基板上に前記ペーパー電池が搭載された場合に前記回路基板の前記正極及び負極と対向する領域の一部には、前記接続端子を形成しないことを特徴とする。
【0012】
また、正極及び負極の電極がそれぞれ表出してなる複数のペーパー電池を、互いに異なるペーパー電池の前記正極の電極と前記負極の電極とを接合することにより電気的に接続するペーパー電池の接合方法であって、
互いに異なるペーパー電池の前記正極の電極と前記負極の電極とが互いに対向するように前記複数のペーパー電池を重ね合わせる工程と、
互いに対向した前記正極の電極と前記負極の電極とを超音波接合により電気的に接続する工程とを有する。
【0013】
上記のように構成された本発明においては、ペーパー電池の正極及び負極と回路基板に設けられた2つの接続端子とがそれぞれ互いに対向するようにペーパー電池を回路基板上に搭載した後、互いに対向した領域に超音波振動を加えると、ペーパー電池の正極及び負極が溶融し、それにより、ペーパー電池の正極及び負極と回路基板の2つの接続端子とがそれぞれ超音波接合して電気的に接続される。
【0014】
これにより、異方性導電性フィルムや異方性導電性接着剤のような高価なものを用いることなく、ペーパー電池と回路基板とを電気的に接続することができるようになり、製造コストが増大することがなくなるとともに、製造工程が簡略化して生産性が向上する。
【0015】
また、回路基板の接続端子が形成された領域に穴部を形成しておけば、超音波振動によって溶融したペーパー電池の正極及び負極部分がこの穴部に流れ込むことになり、それにより、ペーパー電池と回路基板との接着力が増大する。
【0016】
また、回路基板上にペーパー電池が搭載された場合に回路基板の正極及び負極と対向する領域の一部に、接続端子を形成しておかなければ、回路基板の正極及び負極と対向する領域の一部が超音波振動によって溶融し、それにより、ペーパー電池と回路基板との接着力が増大する。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明においては、ペーパー電池の正極及び負極と回路基板に設けられた2つの接続端子とを超音波接合によって電気的に接続する構成としたため、ペーパー電池が回路基板上に接続されてなる電源回路を製造する場合に、製造コストを増大させることなく、かつ、生産性を向上させることができる。
【0018】
また、回路基板の接続端子が形成された領域に穴部を形成する工程を有するものにおいては、超音波振動によって溶融したペーパー電池の正極及び負極部分がこの穴部に流れ込むことになり、それにより、ペーパー電池と回路基板との接着力が増大し、信頼性を向上させることができる。
【0019】
また、回路基板上にペーパー電池が搭載された場合に回路基板の正極及び負極と対向する領域の一部には、接続端子を形成しないものにおいては、回路基板の正極及び負極と対向する領域の一部が超音波振動によって溶融し、それにより、ペーパー電池と回路基板との接着力が増大し、折り曲げ等の外力に対する耐久性及び信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の電源回路の製造方法によって製造される電源回路に用いられるペーパー電池の実施の一形態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したB−B’断面図である。
【0022】
本形態におけるペーパー電池は図1に示すように、二酸化マンガン等からなる正極層10と、亜鉛等からなる負極層20とが、ゲル状の電解質層30を介して積層されており、また、正極層10側には、PET(ポリエチレンテレフタレート)等からなり、導電性インク11が塗布された保護フィルム12が積層され、負極層20側には、PET等からなり、導電性インク21が塗布された保護フィルム22が積層されて構成されている。また、導電性インク11が塗布された保護フィルム12は、正極層10、負極層20及び電解質層30の外形から突出した突出領域13を有し、また、導電性インク21が塗布された保護フィルム22は、正極層10、負極層20及び電解質層30の外形から突出した突出領域23を有し、これら突出領域13,23は、互いに異なる領域にて正極層10、負極層20及び電解質層30の外形から突出している。なお、導電性インク11,21は、保護フィルム12,22に対して正極層10及び負極層20側にそれぞれ塗布されているため、突出領域13,23にて導電性インク11,21が表出する面は互いに異なる面となっている。また、保護フィルム12,22においては、突出領域13,3において導電性インク11,21が塗布された面にて導電性インク11,21が塗布されずに保護フィルム12,22が露出した領域が存在している。
【0023】
上記のように構成されたペーパー電池1においては、保護フィルム12に塗布された導電性インク11が正極層10と導通しているため、突出領域13における導電性インク11が正極の電極となり、また、保護フィルム22に塗布された導電性インク21が負極層20と導通しているため、突出領域23における導電性インク21が負極の電極となる。
【0024】
図2は、図1に示したペーパー電池1が3つ直列に接続されるように接合された状態を示す図である。
【0025】
図2に示すように、3つのペーパー電池1a〜1cは、ペーパー電池1aの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1bの突出領域13における導電性インク11とが対向するようにペーパー電池1aとペーパー電池1bとが重ね合わされて接合され、かつ、ペーパー電池1bの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1cの突出領域13における導電性インク11とが対向するようにペーパー電池1bとペーパー電池1cとが重ね合わされて接合されている。これにより、3つのペーパー電池1a〜1cは、ペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11が正極の電極となり、ペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21が負極の電極となる、直列接続されたものとなっている。
【0026】
以下に、上述したペーパー電池1を用いた電源回路について説明する。
【0027】
(第1の実施の形態)
図3は、本発明の電源回路の製造方法の第1の実施の形態によって製造される電源回路に用いられるシート状の回路基板の実施の一形態を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。また、図4は、図2に示したペーパー電池1a〜1cが図3に示した回路基板に搭載された電源回路の構成を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。
【0028】
本形態における回路基板は図3に示すように、PET等の樹脂からなるシート状の基板32の一方の面に、演算素子34が搭載されるとともに、図2に示したペーパー電池1aの正極となる突出領域13における導電性インク11が接続されるための接続端子であるランド部31aが形成され、基板32の他方の面に、図2に示したペーパー電池1cの負極となる突出領域23における導電性インク21が接続されるための接続端子であるランド部31bが形成され、演算素子34とランド部31aとが配線パターン37aを介して接続され、演算素子34とランド部31bとがスルーホール36及び配線パターン37bを介して接続されて構成されている。さらに、ランド部31a,31bが形成された領域のそれぞれには、複数の微細な穴部33a,33bが形成されている。
【0029】
このように構成された回路基板上に図2に示したペーパー電池1a〜1cが搭載される場合、図4に示すように、ペーパー電池1aの正極となる突出領域13における導電性インク11がランド部31aと接触し、かつ、ペーパー電池1cの負極となる突出領域23における導電性インク21がランド部31bと接触するように、ペーパー電池1a〜1cが回路基板上に搭載され、ペーパー電池1aの突出領域13とランド部31aとが超音波接合によって接着され、また、ペーパー電池1cの突出領域23とランド部31bとが超音波接合によって接着される。ここで、ランド部31aと接触するペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11はペーパー電池1aの正極層10と接続されているため、ペーパー電池1aの突出領域13とランド部31aとが接着されると、ペーパー電池1aの正極層10とランド部31aとが電気的に接続されることになる。また、ランド部31bと接触するペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21はペーパー電池1cの負極層20と接続されているため、ペーパー電池1cの突出領域23とランド部31bとが接着されると、ペーパー電池1cの負極層20とランド部31bとが電気的に接続されることになる。これにより、直列に接続されたペーパー電池1a〜1cとランド部31a,31bとによって、演算素子34に電源を供給するための電源回路が形成される。
【0030】
以下に、上述した電源回路の製造方法について説明する。
【0031】
図5は、図4に示した電源回路の製造方法を説明するための図である。なお、図5においては、図4に示した電源回路の一方の面しか図示していないが他方の面についても下記説明に従うものとする。
【0032】
まず、PET等の樹脂からなるシート状の基板32の一方の面にランド部31a及びこのランド部31aと接続されるように配線パターン37aを形成するとともに、基板32の他方の面にランド部31b及びこのランド部31bと接続されるように配線パターン37bを形成する(図5(a))。また、スルーホール36についても基板32上に形成しておく。なお、これらランド部31a,31b、配線パターン37a,37b及びスルーホール36においては、例えば、銅からなり、エッチングによって形成することが考えられる。
【0033】
次に、基板32のランド部31a,31bが形成された領域のそれぞれに、0.5〜2mm程度の径を有し、基板32の表面から裏面まで貫通する複数の穴部33a,33bを形成する(図5(b))。なお、この穴部33a,33bの形成は、基板32上にスルーホール36を形成する工程にて同時に行ってもよい。
【0034】
次に、配線パターン37a及びスルーホール36と接続されるように基板32上に演算素子34を搭載する(図5(c))。
【0035】
また、図2に示すように、3つのペーパー電池1a〜1cについて、ペーパー電池1aの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1bの突出領域13における導電性インク11とが対向するようにペーパー電池1aとペーパー電池1bとを重ね合わせ、また、ペーパー電池1bの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1cの突出領域13における導電性インク11とが対向するようにペーパー電池1bとペーパー電池1cとを重ね合わせ、この状態で、重ね合わされた領域にそれぞれ超音波振動を加える。すると、ペーパー電池1aの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1bの突出領域13における導電性インク11がこの振動によって溶融し、それにより、ペーパー電池1aの突出領域23とペーパー電池1bの突出領域13とが超音波接合し、また、ペーパー電池1bの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1cの突出領域13における導電性インク11がこの振動によって溶融し、それにより、ペーパー電池1bの突出領域23とペーパー電池1cの突出領域13とが超音波接合する。これにより、3つのペーパー電池1a〜1cを直列に接続する(図5(d))。また、この際、ペーパー電池1aの突出領域23にて露出した保護フィルム22とペーパー電池1bの突出領域13にて露出した保護フィルム12が溶融し、これらも超音波接合し、また、ペーパー電池1bの突出領域23にて露出した保護フィルム22とペーパー電池1cの突出領域13にて露出した保護フィルム12が溶融し、これらも超音波接合することになる。
【0036】
なお、本形態においては、突出領域13,23において導電性インク11,21が塗布された面にて導電性インク11,21が塗布されずに保護フィルム12,22が露出した領域が存在し、これらの領域において保護フィルム12,22が超音波接合する構成としたが、保護フィルム12の一方の面の全面に導電性インク11が塗布され、また、保護フィルム22の一方の面の全面に導電性インク21が塗布されている構成としてもよい。その場合、上述したように超音波振動を加えると、ペーパー電池1aの突出領域23の導電性インク21と、ペーパー電池1bの突出領域13の導電性インク11が溶融することのみによって、ペーパー電池1aの突出領域23とペーパー電池1bの突出領域13とが超音波接合することになる。また、同様に、ペーパー電池1bの突出領域23の導電性インク21と、ペーパー電池1cの突出領域13の導電性インク11が溶融することのみによって、ペーパー電池1bの突出領域23とペーパー電池1cの突出領域13とが超音波接合することになる。
【0037】
その後、ペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11と基板32のランド部31aとが対向し、かつ、ペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21と基板32のランド部31bとが対向するように、互いに直列に接続されたペーパー電池1a〜1cを基板32上に搭載し、この状態で、互いに対向している部分に超音波振動を加える。すると、ペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11がこの振動によって溶融し、ペーパー電池1aの突出領域13とランド部31aとが超音波接合する。また、ペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21もこの振動によって溶融し、ペーパー電池1cの突出領域23とランド部31bとが超音波接合する(図5(e))。これにより、直列に接続されたペーパー電池1a〜1cとランド部31a,31bとが電気的に接続され、ペーパー電池1a〜1cとランド部31a,31bとによって、演算素子34に電源を供給するための電源回路が形成される。なお、この際、超音波振動によって溶融した導電性インク11は、ランド部31aに形成された穴部33aに流れ込み、また、超音波振動によって溶融した導電性インク21は、ランド部31bに形成された穴部33bに流れ込む。
【0038】
図6は、図5に示した製造方法によって製造された電源回路の基板32とペーパー電池1a〜1cとの接続状態を説明するための図であり、図5(e)に示したA−A’断面を示す。
【0039】
図6に示すように、超音波振動によって溶融した導電性インク11,21は、ランド部31a,31bに形成された穴部33a,33bにそれぞれ流れ込む。そのため、このように超音波接合されたペーパー電池1aの突出領域13とランド部31a、並びに、ペーパー電池1cの突出領域23とランド部31bとは、穴部33a,33b内でも互いに接着されることになり、それにより、接着面積が広くなり、接着力が増大することになる。
【0040】
なお、本形態においては、ランド部31a,31bに、基板32の表面から裏面まで貫通する穴部33a,33bがそれぞれ形成されているが、超音波振動によって溶融した導電性インク11,21が流れ込むことができるものであれば、必ずしも貫通している必要はなく、また、穴部ではなく溝であってもよい。また、ランド部31a,31bの表面が粗くなるような加工を施すことも考えられる。
【0041】
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の電源回路の製造方法の第2の実施の形態によって製造される電源回路に用いられるシート状の回路基板の実施の一形態を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。また、図8は、図2に示したペーパー電池1a〜1cが図7に示した回路基板に搭載された電源回路の構成を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。
【0042】
本形態における回路基板は図7に示すように、PET等の樹脂からなるシート状の基板132の一方の面に、演算素子134が搭載されるとともに、図2に示したペーパー電池1aの正極となる突出領域13における導電性インク11が接続されるための接続端子であるランド部131aが形成され、基板132の他方の面に、図2に示したペーパー電池1cの負極となる突出領域23における導電性インク21が接続されるための接続端子であるランド部131bが形成され、演算素子134とランド部131aとが配線パターン137aを介して接続され、演算素子134とランド部131bとがスルーホール136及び配線パターン137bを介して接続されて構成されている。ここで、本形態においては、ランド部131a,131bの形状が、図2に示したペーパー電池1aの突出領域13がランド部131aと対向するように、かつ、ペーパー電池1cの突出領域23がランド部131bと対向するようにペーパー電池1a〜1cを基板132上に搭載した場合に、ペーパー電池1aの突出領域13,23が対向する領域の一部にランド部131a,131bが形成されていないような形状となっている。
【0043】
このように構成された回路基板上に図2に示したペーパー電池1a〜1cが搭載される場合、図8に示すように、ペーパー電池1aの正極となる突出領域13における導電性インク11がランド部131aと接触し、かつ、ペーパー電池1cの負極となる突出領域23における導電性インク21がランド部131bと接触するように、ペーパー電池1a〜1cが回路基板上に搭載され、ペーパー電池1aの突出領域13とランド部131aとが超音波接合によって接着され、また、ペーパー電池1cの突出領域23とランド部131bとが超音波接合によって接着される。ここで、ランド部131aと接触するペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11はペーパー電池1aの正極層10と接続されているため、ペーパー電池1aの突出領域13とランド部131aとが接着されると、ペーパー電池1aの正極層10とランド部131aとが電気的に接続されることになる。また、ランド部131bと接触するペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21はペーパー電池1cの負極層20と接続されているため、ペーパー電池1cの突出領域23とランド部131bとが接着されると、ペーパー電池1cの負極層20とランド部131bとが電気的に接続されることになる。これにより、直列に接続されたペーパー電池1a〜1cとランド部131a,131bとによって、演算素子134に電源を供給するための電源回路が形成される。
【0044】
以下に、上述した電源回路の製造方法について説明する。
【0045】
図9は、図8に示した電源回路の製造方法を説明するための図である。なお、図9においては、図8に示した電源回路の一方の面しか図示していないが他方の面についても下記説明に従うものとする。
【0046】
まず、PET等の樹脂からなるシート状の基板132の一方の面にランド部131a及びこのランド部131aと接続されるように配線パターン137aを形成するとともに、基板132の他方の面にランド部131b及びこのランド部131bと接続されるように配線パターン137bを形成する(図9(a))。なお、本形態においては、ペーパー電池1aの突出領域13がランド部131aと対向するように、かつ、ペーパー電池1cの突出領域23がランド部131bと対向するようにペーパー電池1a〜1cを基板132上に搭載した場合に、ペーパー電池1aの突出領域13,23が対向する領域の一部にはランド部131a,131bを形成しない。また、スルーホール136についても基板132上に形成しておく。なお、これらランド部131a,131b、配線パターン137a,137b及びスルーホール136においては、例えば、銅からなり、エッチングによって形成することが考えられる。
【0047】
次に、配線パターン137a及びスルーホール136と接続されるように基板132上に演算素子134を搭載する(図9(b))。
【0048】
また、図2に示すように、3つのペーパー電池1a〜1cについて、ペーパー電池1aの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1bの突出領域13における導電性インク11とが対向するようにペーパー電池1aとペーパー電池1bとを重ね合わせ、また、ペーパー電池1bの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1cの突出領域13における導電性インク11とが対向するようにペーパー電池1bとペーパー電池1cとを重ね合わせ、この状態で、重ね合わされた領域にそれぞれ超音波振動を加える。すると、ペーパー電池1aの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1bの突出領域13における導電性インク11がこの振動によって溶融し、それにより、ペーパー電池1aの突出領域23とペーパー電池1bの突出領域13とが超音波接合し、また、ペーパー電池1bの突出領域23における導電性インク21とペーパー電池1cの突出領域13における導電性インク11がこの振動によって溶融し、それにより、ペーパー電池1bの突出領域23とペーパー電池1cの突出領域13とが超音波接合する。これにより、3つのペーパー電池1a〜1cを直列に接続する(図9(c))。また、この際、ペーパー電池1aの突出領域23にて露出した保護フィルム22とペーパー電池1bの突出領域13にて露出した保護フィルム12が溶融し、これらも超音波接合し、また、ペーパー電池1bの突出領域23にて露出した保護フィルム22とペーパー電池1cの突出領域13にて露出した保護フィルム12が溶融し、これらも超音波接合することになる。なお、本形態においても、第1の実施の形態にて示したものと同様に、保護フィルム12,22の全面に導電性インク11,21を塗布しておいた場合、ペーパー電池1aの突出領域23の導電性インク21とペーパー電池1bの突出領域13の導電性インク11が溶融することのみによってペーパー電池1aの突出領域23とペーパー電池1bの突出領域13とが超音波接合し、また、ペーパー電池1bの突出領域23の導電性インク21とペーパー電池1cの突出領域13の導電性インク11が溶融することのみによってペーパー電池1bの突出領域23とペーパー電池1cの突出領域13とが超音波接合することになる。
【0049】
その後、ペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11と基板132のランド部131aとが対向し、かつ、ペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21と基板132のランド部131bとが対向するように、互いに直列に接続されたペーパー電池1a〜1cを基板132上に搭載し、この状態で、互いに対向している部分に超音波振動を加える。すると、ペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11がこの振動によって溶融し、ペーパー電池1aの突出領域13とランド部131aとが超音波接合する。また、ペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21もこの振動によって溶融し、ペーパー電池1cの突出領域23とランド部131bとが超音波接合する(図9(d))。これにより、直列に接続されたペーパー電池1a〜1cとランド部131a,131bとが電気的に接続され、ペーパー電池1a〜1cとランド部131a,131bとによって、演算素子134に電源を供給するための電源回路が形成される。なお、この際、超音波振動によって、ペーパー電池1aの突出領域13と対向する領域のうちランド部131aが形成されていない部分も溶融し、また、超音波振動によって、ペーパー電池1cの突出領域23と対向する領域のうちランド部131bが形成されていない部分も溶融する。
【0050】
図10は、図9に示した製造方法によって製造された電源回路の基板132とペーパー電池1a〜1cとの接続状態を説明するための図であり、図9(d)に示したA−A’断面を示す。
【0051】
図10に示すように、ペーパー電池1aの突出領域13と基板132のランド部131a、並びに、ペーパー電池1cの突出領域23と基板132のランド部131bとがそれぞれ対向している部分の超音波振動を加えると、ペーパー電池1aの突出領域13における導電性インク11が溶融するとともに、この突出領域13に対向する領域のうちランド部131aが形成されていない領域の基板132が溶融し、これらが互いに接着されることになる。また、同様に、ペーパー電池1cの突出領域23における導電性インク21が溶融するとともに、この突出領域23に対向する領域のうちランド部131bが形成されていない領域の基板132が溶融し、これらが互いに接着されることになる。これにより、ペーパー電池1a〜1cと基板132との接着力が増大することになる。
【0052】
なお、上述した2つの実施の形態にて示したものを組み合わせることにより、ペーパー電池1a〜1cと基板との接着力をさらに増大させることも考えられる。
【0053】
また、上述した実施の形態においては、保護フィルム12,22に導電性インク11,21を塗布することにより、ペーパー電池1a〜1cの突出領域13,23に正極及び負極を構成しているが、黒鉛もしくは鉄、ニッケル、チタン、銅、ステンレス鋼、およびこれらの混合物のような金属のような好適な物質のいずれかでペーパー電池1a〜1cの正極及び負極を構成することも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の電源回路の製造方法によって製造される電源回路に用いられるペーパー電池の実施の一形態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したB−B’断面図である。
【図2】図1に示したペーパー電池が3つ直列に接続されるように接合された状態を示す図である。
【図3】本発明の電源回路の製造方法の第1の実施の形態によって製造される電源回路に用いられるシート状の回路基板の実施の一形態を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。
【図4】図2に示したペーパー電池が図3に示した回路基板に搭載された電源回路の構成を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。
【図5】図4に示した電源回路の製造方法を説明するための図である。
【図6】図5に示した製造方法によって製造された電源回路の基板とペーパー電池との接続状態を説明するための図である。
【図7】本発明の電源回路の製造方法の第2の実施の形態によって製造される電源回路に用いられるシート状の回路基板の実施の一形態を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。
【図8】図2に示したペーパー電池が図7に示した回路基板に搭載された電源回路の構成を示す図であり、(a)は一方の面の構成を示す図、(b)は他方の面の構成を示す図である。
【図9】図8に示した電源回路の製造方法を説明するための図である。
【図10】図9に示した製造方法によって製造された電源回路の基板とペーパー電池との接続状態を説明するための図である。
【符号の説明】
【0055】
1,1a〜1c ペーパー電池
10 正極層
11,21 導電性インク
12,22 保護フィルム
13,23 突出領域
20 負極層
30 電解質層
31a,31b,131a,131b ランド部
32,132 基板
33a,33b 穴部
34,134 演算素子
36,136 スルーホール
37a,37b,137a,137b 配線パターン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極及び負極の電極がそれぞれ表出してなるペーパー電池が、それぞれが前記正極及び負極のいずれか一方と接続されるための2つの接続端子を有してなる回路基板上に、前記正極及び負極が前記2つの接続端子に接続されるように搭載されてなる電源回路の製造方法であって、
前記正極及び負極と前記2つの接続端子とがそれぞれ互いに対向するように前記ペーパー電池を前記回路基板上に搭載する工程と、
互いに対向した前記正極及び負極と前記2つの接続端子とをそれぞれ超音波接合により電気的に接続する工程とを有する電源回路の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電源回路の製造方法において、
前記回路基板のうち前記2つの接続端子が形成された領域に穴部を形成する工程を有し、
前記穴部が形成された回路基板上に前記ペーパー電池を搭載することを特徴とする電源回路の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電源回路の製造方法において、
前記回路基板上に前記ペーパー電池が搭載された場合に前記回路基板の前記正極及び負極と対向する領域の一部には、前記接続端子を形成しないことを特徴とする電源回路の製造方法。
【請求項4】
正極及び負極の電極がそれぞれ表出してなる複数のペーパー電池を、互いに異なるペーパー電池の前記正極の電極と前記負極の電極とを接合することにより電気的に接続するペーパー電池の接合方法であって、
互いに異なるペーパー電池の前記正極の電極と前記負極の電極とが互いに対向するように前記複数のペーパー電池を重ね合わせる工程と、
互いに対向した前記正極の電極と前記負極の電極とを超音波接合により電気的に接続する工程とを有するペーパー電池の接合方法。
【請求項1】
正極及び負極の電極がそれぞれ表出してなるペーパー電池が、それぞれが前記正極及び負極のいずれか一方と接続されるための2つの接続端子を有してなる回路基板上に、前記正極及び負極が前記2つの接続端子に接続されるように搭載されてなる電源回路の製造方法であって、
前記正極及び負極と前記2つの接続端子とがそれぞれ互いに対向するように前記ペーパー電池を前記回路基板上に搭載する工程と、
互いに対向した前記正極及び負極と前記2つの接続端子とをそれぞれ超音波接合により電気的に接続する工程とを有する電源回路の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電源回路の製造方法において、
前記回路基板のうち前記2つの接続端子が形成された領域に穴部を形成する工程を有し、
前記穴部が形成された回路基板上に前記ペーパー電池を搭載することを特徴とする電源回路の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電源回路の製造方法において、
前記回路基板上に前記ペーパー電池が搭載された場合に前記回路基板の前記正極及び負極と対向する領域の一部には、前記接続端子を形成しないことを特徴とする電源回路の製造方法。
【請求項4】
正極及び負極の電極がそれぞれ表出してなる複数のペーパー電池を、互いに異なるペーパー電池の前記正極の電極と前記負極の電極とを接合することにより電気的に接続するペーパー電池の接合方法であって、
互いに異なるペーパー電池の前記正極の電極と前記負極の電極とが互いに対向するように前記複数のペーパー電池を重ね合わせる工程と、
互いに対向した前記正極の電極と前記負極の電極とを超音波接合により電気的に接続する工程とを有するペーパー電池の接合方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2006−4656(P2006−4656A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177021(P2004−177021)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】
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