説明

電源装置および電源装置の制御方法、ならびに、画像形成装置

【課題】省エネルギ制御時における蓄電池による電源供給の途絶を防ぐ。
【解決手段】電源供給先の動作モードが、通常モードに対して消費電力を低減したスリープモードである場合に、電源供給先に電源を供給する。太陽電池モジュールなどにより発電する創エネ部の発電出力により充電される複数の蓄電部それぞれの状態と、創エネ部の発電出力とを監視する。電源供給先の動作モードがスリープモードである場合に、創エネ部および複数の蓄電部の監視結果に基づき、複数の蓄電部から電源供給先に電源を供給する蓄電部を選択すると共に、複数の蓄電部それぞれに対する発電出力による充電を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネルギ制御時に2次電池を用いて電源の供給を行う電源装置および電源装置の制御方法、ならびに、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナ機能、プロッタ機能、ファクシミリ機能などを1の筐体に内蔵する画像形成装置などにおいて、環境問題に配慮し、省エネルギに対応した装置が提案され、実用化されている。このような省エネルギに対応した装置のうち、太陽電池などの発電装置による発電と、当該発電装置で発電された電力の2次電池への蓄積とにより省エネルギ制御時における画像形成装置の電力を賄うことで省エネルギ制御時の消費電力を抑制する技術が既に知られている。
【0003】
特許文献1には、省エネルギ制御時には主電源の動作を停止し、2次電池(蓄電池)あるいは太陽電池から電力を供給する構成が開示されている。特許文献1によれば、省エネルギ制御時の消費電力を低減することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、発電装置の発電量不足による2次電池の充電不足や、2次電池の故障あるいは自然放電などにより、省エネルギ制御時の2次電池からの電源供給ができなくなる場合があるという問題点があった。
【0005】
特許文献1においては、太陽電池の発電量不足や、2次電池の放電などにより太陽電池および2次電池から電源の供給を行うことができない場合に、主電源をオンとするようにしている。しかしながらこの場合、省エネルギの目的を達成できないおそれがあるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、省エネルギ制御時における蓄電池による電源供給の途絶を防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の発明は、電源供給先の動作モードが、通常の動作モードである第1の動作モードに対して消費電力を低減した第2の動作モードである場合に、電源供給先に電源を供給する電源装置であって、発電部の発電出力により充電される複数の蓄電池それぞれの状態と、発電部の発電出力とを監視する監視手段と、電源供給先の動作モードが第2の動作モードである場合に、監視手段の監視結果に基づき、複数の蓄電池から電源供給先に電源を供給する蓄電池を選択すると共に、複数の蓄電池それぞれに対する発電出力による充電を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
また、第2の発明は、電源供給先の動作モードが、通常の動作モードである第1の動作モードに対して消費電力を低減した第2の動作モードである場合に、電源供給先に電源を供給する電源装置の制御方法であって、監視手段が、発電部の発電出力により充電される複数の蓄電池それぞれの状態と、発電部の発電出力とを監視する監視ステップと、制御手段が、電源供給先の動作モードが第2の動作モードである場合に、監視ステップの監視結果に基づき、複数の蓄電池から電源供給先に電源を供給する蓄電池を選択すると共に、複数の蓄電池それぞれに対する発電出力による充電を制御する制御ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、省エネルギ制御時における2次電池による電源供給の途絶を防ぐことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、第1の実施形態に適用可能な画像形成装置および創エネモジュールの一例の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、第1の実施形態における、制御部による電源制御の例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、第1の実施形態による各部の状態遷移を示すシーケンス図である。
【図4】図4は、第1の実施形態による各部の状態遷移を示すシーケンス図である。
【図5】図5は、第1の実施形態による各部の状態遷移を示すシーケンス図である。
【図6】図6は、第1の実施形態の第1の変形例による画像形成装置および創エネモジュールの一例の構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、第1の実施形態の第2の変形例による画像形成装置および創エネモジュールの一例の構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、第1の実施形態の第3の変形例による画像形成装置および創エネモジュールの一例の構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、第2の実施形態による画像形成装置および創エネモジュールの一例の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、第2の実施形態による充電レベル判定テーブルの一例の構成を示す略線図である。
【図11】図11は、第2の実施形態による操作部に表示される充電レベルを示す画面の一例を示す略線図である。
【図12】図12は、第2の実施形態の第1の変形例による画像形成装置および創エネモジュールの一例の構成を示すブロック図である。
【図13】図13は、第2の実施形態の第1の変形例による寿命予測テーブルの一例の構成を示す略線図である。
【図14】図14は、第2の実施形態の第1の変形例による操作部に表示される各蓄電部の予測寿命を示す画面の一例を示す略線図である。
【図15】図15は、第2の実施形態の第2の変形例による画像形成装置および創エネモジュールの一例の構成を示すブロック図である。
【図16】図16は、第2の実施形態の第2の変形例による発電電力値を示す画面の一例を示す略線図である。
【図17】図17は、第3の実施形態による故障判定テーブルの一例の構成を示す略線図である。
【図18】図18は、第3の実施形態による動作を説明するための各部の状態遷移を示すシーケンス図である。
【図19】図19は、第3の実施形態による画像形成装置および創エネモジュールの別の例の構成を示すブロック図である。
【図20】図20は、第3の実施形態の変形例による一例の制御を示すフローチャートである。
【図21】図21は、第3の実施形態の変形例による各部の状態遷移を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下に添付図面を参照して、本発明に係る電源装置および画像形成装置の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に適用可能な画像形成装置1および電源ユニット(創エネモジュール2)の一例の構成を示す。画像形成装置1は、スキャナ機能とプリンタ機能とを有し、スキャナ機能で読み取った原稿画像に基づき、プリンタ機能により用紙などに対して印刷を行うことができる。また、創エネモジュール2は、画像形成装置1に対して接続または組み込まれて用いられ、画像形成装置1の動作モードが通常モードに対して消費電力が抑制されたスリープモードになっている場合に、当該画像形成装置1に対して電源を供給する。
【0012】
図1を用いて画像形成装置1および創エネモジュール2の構成をより詳細に説明する。先ず、画像形成装置1について説明する。画像形成装置1は、コントローラ10と、ハードディスクドライブ(HDD)11と、操作部12と、FCU(Facsimile Control Unit)13と、エンジン部14と、電源切替部15と、主電源部16と、メインスイッチ(SW)17とを有する。
【0013】
主電源部16は、例えば商用電源から画像形成装置1の各部で使用する電源を生成する。主電源部16から出力された電源103は、電源切替部15に供給される。電源切替部15は、創エネモジュール2から供給される電源102と、主電源部16から供給される電源103とを切り替えて出力する。電源切替部15から出力される電源104および105は、それぞれエンジン部14およびコントローラ10に供給される。
【0014】
このとき、電源切替部15は、例えば通常モード時にはエンジン部14およびコントローラ10にそれぞれ電源104および105を供給し、スリープモード時にはコントローラ10にのみ電源105を供給するようにできる。これにより、スリープモード時の消費電力を低減することが可能となる。
【0015】
エンジン部14は、画像処理部30、画像読取部31および画像出力部32を有する。画像読取部31は、原稿を読み取り原稿画像データを出力する。画像処理部30は、画像読取部31から出力された原稿画像データに対して、加工、補正、編集、検知、変換などの所定の画像処理を施す。画像出力部32は、画像処理部30から出力された画像データに基づく画像形成を行う。具体的には、画像出力部32は、用紙などに対して当該画像データに基づく印刷を行う。
【0016】
コントローラ10は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)20と、ASIC21と、LAN I/F(Local Area Network Interface)22と、CPU(Central Processing Unit)27とを有すると共に、NOR型フラッシュメモリ23、NAND型フラッシュメモリ24、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)25およびDRAM(Dynamic RAM)26の各メモリを有する。
【0017】
ASIC20は、HDD11、CPU27および画像処理部30が接続され、これらHDD11、CPU27および画像処理部30の間でのデータ転送を制御する。例えば、画像読取部31から出力され画像処理部30で画像処理された原稿画像データは、ASIC20により圧縮符号化され、一旦、HDD11に格納される。印刷時には、HDD11から読み出された圧縮画像データがASIC20で伸張され、画像処理部30に供給される。画像処理部30は、ASIC20から供給された画像データに対して所定の画像処理を施して画像出力部32に供給する。
【0018】
ASIC21は、操作部12、FCU13、LAN I/F22およびCPU27が接続されると共に、NOR型フラッシュメモリ23と、NAND型フラッシュメモリ24およびNVRAM25の各メモリが接続される。ASIC21は、これら接続された各部間でのデータ転送を制御する。
【0019】
NOR型フラッシュメモリ23は、ファームウェアなどのプログラムが格納される。NAND型フラッシュメモリ24は、所定のテーブルなどが予め記憶される。また、NVRAM25は、この画像形成装置1に関する設定値などが予め記憶される。CPU27は、例えばNOR型フラッシュメモリ23に格納されるプログラムに従い、DRAM26をワークメモリとして用いてこの画像形成装置1の全体の動作を制御する。
【0020】
操作部12は、ユーザ操作のための操作子と、表示部と、操作子および表示部を駆動するための駆動回路とを含む。操作部12は、操作子を表示部とを一体的に構成した、所謂タッチパネルとしてもよい。操作部12は、操作に応じた制御信号を出力する。この制御信号は、ASIC21を介してCPU27に供給される。表示部は、ASIC21を介して供給される、CPU27によりプログラムに従い生成された表示制御信号に基づき所定の表示がなされる。この表示部に対する表示と、操作子とを組み合わせてこの画像形成装置1をユーザが操作するためのGUI(Graphical User Interface)が構成される。
【0021】
FCU13は、この画像形成装置1におけるFAX機能を実現する。例えばFCU13は、公衆電話回線に接続され、FAXの送受信を行う。LAN I/F22は、この画像形成装置1と、パーソナルコンピュータなど外部の情報機器とのデータ通信を制御する。
【0022】
メインSW17は、ユーザ操作によりこの画像形成装置1の動作のオン/オフを切り替えるためのスイッチである。メインSW17は、操作出力として、ハイ(H)レベルでオン、ロー(L)レベルでオフを示す信号PON_SW_Pを出力し、主電源部16および制御部41に供給する。メインSW17は、オフ状態からオン状態に操作された場合、信号PON_SW_Pをローレベルからハイレベルに遷移させ、主電源部16および制御部41に対して、メインSW17がオン状態にされたことを通知する。
【0023】
次に、創エネモジュール2について説明する。創エネモジュール2は、創エネ部40と、制御部41と、蓄電部50Aおよび50Bとを有する。創エネ部40は、例えば太陽電池モジュールを発電素子として用い、発電により電力を生成する。蓄電部50Aおよび50Bは、それぞれ蓄電池を含み、例えば蓄電部50Aは、経路100Aを介して入力された電気により充電され、放電により電気を経路100Bを介して出力する。同様に、蓄電部50Bは、経路101Aを介して入力された電気により充電され、放電により電気を経路101Bを介して出力する。
【0024】
制御部41は、創エネ部40の発電電力の経路120の接続と、蓄電部50Aの入出力の経路100Aおよび100Bの接続と、蓄電部50Bの入出力の経路101Aおよび101Bの接続とを制御する。また、制御部41は、蓄電部50Aおよび50Bの充放電の制御を行う。さらに、制御部41は、創エネ部40の発電出力と、蓄電部50Aおよび50Bの状態とを監視する。
【0025】
制御部41は、これら各接続および充放電の制御、ならびに、各部の監視を、創エネ部40から制御部41に供給される信号POK_PG_Pと、蓄電部50Aとの間でやりとりする信号PON_BT#1_Nおよび信号POK_BT#1_Pと、蓄電部50Bとの間でやりとりする信号PON_BT#2_Nおよび信号POK_BT#2_Pとに基づき制御する。また、制御部41は、主電源部16を信号PON_AC_Nおよび信号POK_AC_Pとに基づき制御する。
【0026】
信号POK_PG_Pは、創エネ部40による電源供給が可能であるか否かを示す。信号POK_PG_Pがハイ(H)レベルで、創エネ部40による発電電力が十分であって、電源供給が可能であることを示す。信号POK_PG_Pがロー(L)レベルで、創エネ部40による発電電力が不足しており、電源供給が不可であることを示す。
【0027】
信号PON_BT#1_Nおよび信号PON_BT#2_Nは、それぞれ制御部41から蓄電部50Aおよび50Bに供給される信号であって、蓄電部50Aおよび50Bを、充電状態、放電状態および待機状態の何れかの状態に制御する。信号POK_BT#1_Pおよび信号POK_BT#2_Pは、それぞれ蓄電部50Aおよび蓄電部50Bから制御部41に供給される信号であって、蓄電部50Aおよび50Bによる電源供給が可能であるか否かを示す。例えば、信号POK_BT#1_PがHレベルで、蓄電部50Aの充電量が十分であり、電源供給が可能である事を示す。信号POK_BT#1_PがLレベルで、蓄電部50Aの充電量が不足しており、電源供給が不可であることを示す。
【0028】
信号PON_AC_Nは、制御部41から主電源部16に供給される信号であって、主電源部16のオン/オフを制御する。信号PON_AC_NがLレベルで主電源部16がオンとされて主電源部16から商用電源から生成された電源が出力され、Hレベルで主電源部16がオフとされて主電源部16からの電源出力が停止される。信号POK_AC_Pは、主電源部16から制御部41に供給される信号であって、主電源部16による電源供給が可能であるか否かを示す。信号POK_AC_PがLレベルで、主電源部16による電源供給が可能であることを示し、Hレベルで、主電源部16による電源供給が不可であることを示す。例えば、画像形成装置1のメインSW17から出力される信号PON_SW_PがLレベルであって、メインSW17がオフ状態であることを示す場合に、主電源部16による電源供給が不可とされる。
【0029】
さらに、制御部41は、電源切替部15に対して信号PON_PSU_Nを送信し、画像形成装置1における電源の供給元を主電源部16と創エネモジュール2とで切り替える。信号PON_PSU_NがHレベルで、創エネモジュール2から供給される電源を選択し、信号PON_PSU_NがLレベルで、主電源部16による電源供給を選択する。さらにまた、制御部41とコントローラ10内のASIC21とは、通信線130を介して、現在の状態が通常モードおよびスリープモードの何れの状態であるかを示す状態通知のやりとりを行う。
【0030】
図2は、本第1の実施形態における、制御部41による電源制御の例を示すフローチャートである。なお、図2および以降の各図において、蓄電部50Aを蓄電部#1、蓄電部50Bを蓄電部#2としてそれぞれ示している。
【0031】
また、蓄電部50Aおよび50Bの放電状態は、互いに排他的に制御されるものとする。例えば、蓄電部50Aおよび50Bが共に電源供給が可能な状態の場合、制御部41は、蓄電部50Aおよび50Bのうち一方を放電状態とし、他方を待機状態とする。なお、蓄電部50Aおよび50Bは、共に待機状態に制御することが可能であるものとする。
【0032】
制御部41は、ステップS100で、蓄電部50A(蓄電部#1)による電源の供給が可能であるか否かを判定する。具体的には、制御部41は、蓄電部50Aから供給される信号POK_BT#1_PがHレベルであるか否かを判定する。制御部41は、信号POK_BT#1_PがLレベルであって、蓄電部50Aによる電源の供給が不可であると判定した場合、処理をステップS101に移行させる。
【0033】
制御部41は、ステップS101で、蓄電部50B(蓄電部#2)による電源の供給が可能であるか否かを判定する。具体的には、制御部41は、蓄電部50Bから供給される信号POK_BT#2_PがHレベルであるか否かを判定する。
【0034】
制御部41は、信号POK_BT#2_PがHレベルであって、蓄電部50Bによる電源の供給が可能であると判定した場合、処理をステップS107に移行させる。ステップS107の処理については後述する。一方、制御部41は、信号POK_BT#2_PがLレベルであって、蓄電部50Bによる電源の供給が不可であると判定した場合、処理をステップS102に移行させる。
【0035】
制御部41は、ステップS102で、主電源部16から電源の供給を行うように、電源切替部15および主電源部16を制御する。具体的には、制御部41は、信号PON_PSU_NをLレベルとして、電源切替部15に主電源部16からの電源供給を選択させる。その後、処理がステップS100に戻される。なお、制御部41は、信号PON_AC_NがHレベルであった場合、当該信号PON_AC_NをLレベルとして主電源部16をオン状態とする。
【0036】
制御部41は、上述のステップS100で、信号POK_BT#1_PがHレベルであって、蓄電部50Aによる電源の供給が可能であると判定した場合、処理をステップS103に移行させる。ステップS103では、制御部41は、蓄電部50Aが放電状態にあるか否かを判定する。具体的には、制御部41は、蓄電部50Aに供給される信号PON_BT#1_NがHレベルであるか否かを判定する。
【0037】
制御部41は、信号PON_BT#1_NがHレベルであって、蓄電部50Aが放電状態にあると判定した場合、処理をステップS104に移行させる。制御部41は、ステップS104で、蓄電部50Aから電源の供給を行うように、電源切替部15を制御する。具体的には、制御部41は、信号PON_PSU_NをHレベルとして、電源切替部15に創エネモジュール2からの電源供給を選択させる。その後、処理がステップS100に戻される。
【0038】
制御部41は、上述のステップS103で、信号PON_BT#1_NがLレベルであって、蓄電部50Aが放電状態ではないと判定した場合、処理をステップS105に移行させる。この場合、蓄電部50Aは、待機状態にある。ステップS105では、制御部41は、蓄電部50Bから供給される信号POK_BT#2_Pに基づき、蓄電部50Bによる電源の供給が可能であるか否かを判定する。
【0039】
制御部41は、ステップS105で、信号POK_BT#2_PがLレベルであって、蓄電部50Bによる電源供給が不可であると判定した場合、処理をステップS106に移行させる。制御部41は、ステップS106で、蓄電部50Aの状態を待機状態から放電状態に遷移させる。その後、処理がステップS104に移行される。
【0040】
制御部41は、ステップS105で、信号POK_BT#2_PがHレベルであって、蓄電部50Bによる電源の供給が可能であると判定した場合、処理をステップS107に移行させる。ステップS107では、制御部41は、蓄電部50Bが放電状態にあるか否かを判定する。具体的には、制御部41は、蓄電部50Bに供給される信号PON_BT#2_NがHレベルであるか否かを判定する。
【0041】
制御部41は、ステップS107で、信号PON_BT#2_NがHレベルであって、蓄電部50Bが放電状態にあると判定した場合、処理をステップS108に移行させる。制御部41は、ステップS108で、蓄電部50Bから電源の供給を行うように、電源切替部15を制御する。制御部41は、信号PON_PSU_NをHレベルとして、電源切替部15に創エネモジュール2からの電源供給を選択させる。その後、処理がステップS100に戻される。
【0042】
制御部41は、ステップS107で、信号PON_BT#2_NがLレベルであって、蓄電部50Bが待機状態であると判定した場合、処理をステップS109に移行させる。制御部41は、ステップS109で、蓄電部50Bの状態を待機状態から放電状態に遷移させる。具体的には、制御部41は、蓄電部50Bに供給する信号PON_BT#2_Nを、放電状態を示す状態に遷移させる。その後、処理がステップS108に移行される。
【0043】
図3〜図5を用いて、本第1の実施形態による電源制御方法について説明する。図3は、本第1の実施形態による各部の状態遷移を示すシーケンス図である。
【0044】
創エネモジュール2は、蓄電部50Aおよび50Bを有すると共に、創エネ部40で発電を行っているので、外部からの電源供給無しで稼働可能である。時点Aまでの、信号POK_AC_PがLレベル、メインSW17がオフの状態において、信号POK_PG_PがHレベルとされ、創エネ部40による電源供給が可能であることが示される。
【0045】
なお、上述したように、メインSW17は、画像形成装置1に設けられ、メインSW17に対する操作出力は、主電源部16および制御部41に供給されるものとする。
【0046】
また、この例では、当初、信号POK_BT#1_PがLレベル、信号POK_BT#2_PがHレベルとされ、蓄電部50Aが電源供給不可、蓄電部50Bが電源供給可能な状態となっている。蓄電部50Aは、創エネ部40からの発電電力により充電されるように、制御部41に制御される。また、制御部41に対して、蓄電部50Bから電源が供給される。
【0047】
時点Aで、メインSW17がオンとされた場合、信号PON_SW_PがLレベルからHレベルに遷移され、主電源部16に対して商用電源が供給される。信号PON_AC_Nは、初期状態でLレベルとなっており、制御部41は、信号PON_SW_Pに応じて主電源部16をオンとし、主電源部16から電源切替部15への電源供給を開始する。このとき、信号PON_PSU_Nが初期状態でLレベルとされ主電源部16からの電源が選択されている。そのため、主電源部16から、電源切替部15を介してエンジン部14およびコントローラ10に対して電源が供給される。画像形成装置1は、ウォームアップ動作の完了後、待機状態となり、ユーザ操作などによりジョブが発生する。
【0048】
画像形成装置1は、例えば、ジョブ完了後、所定時間を経過する間に次のジョブなどが発生しない場合に、動作モードが通常モードからスリープモードに移行される。スリープモードに移行した時点Bでは、信号POK_BT#1_Pおよび信号POK_BT#2_PがそれぞれLレベルおよびHレベルとなっており、蓄電部50Bが電源供給可能な状態であることが分かる。そのため、制御部41は、信号PON_PSU_NをHレベルとして、電源切替部15を、制御部41からの電源102を選択するように制御すると共に、蓄電部50Bの出力を電源102として電源切替部15に対して供給する。また、制御部41は、信号PON_AC_NをHレベルとして主電源部16をオフさせ、スリープモードへ移行させる。
【0049】
スリープモードからの復帰時(時点C)には、制御部41は、信号PON_AC_NをLレベルとして主電源部16をオンとし、信号PON_PSU_NをLレベルとして、電源切替部15を主電源部16からの電源103を選択するように制御する。これにより、画像形成装置1は、通常モードに復帰し、ジョブを待機する。
【0050】
なお、創エネモジュール2では、通常モードおよびスリープモードの何れにおいても、信号POK_BT#1_Pおよび信号POK_BT#2_Pの例えば一方がLレベルとされ電源供給不可とされている場合には、電源供給不可とされた側の蓄電部に対して、創エネ部40の発電電力による充電が行われる。図3の例では、上述の時点A〜時点Cの期間において、信号POK_BT#1_PがLレベルとされているため、制御部41は、創エネ部40の発電電力により蓄電部50Aを充電する。
【0051】
スリープモードにおいて、創エネ部40の発電電力が不足する場合も考えられる。図3の例では、時点Dで創エネ部40において発電電力が不足し、創エネ部40から制御部41に対して送信される信号POK_PG_Pが、HレベルからLレベルに遷移される。一方、時点Dにおいて、蓄電部50Bが放電状態となっているため、スリープモードにおける電源供給については、問題は生じない。
【0052】
また、スリープモードにおいて、蓄電部50Aや蓄電部50Bを創エネ部40の発電電力で充電中に、創エネ部40において発電電力が不足する場合も考えられる。各部の遷移状態を示すシーケンス図である図4を用いて、充電中に発電電力が不足した場合について説明する。図4の例では、最初のメインSW17がオフの時点から、信号POK_BT#1_PがLレベルとされ、蓄電部50Aが電源供給不可状態であることが示され、信号PON_BT#1_Nが「充電」を示す状態となっている。したがって、制御部41は、蓄電部50Aを創エネ部40の発電電力により充電するように制御する。蓄電部50Aの充電量が所定以上になったら、信号POK_BT#1_PがLレベルからHレベルに遷移され、蓄電部50Aに対する充電が終了する。
【0053】
ここで、例えば時点Eで創エネ部40において発電電力が不足したものとする。創エネ部40は、発電電力が所定以下となると、制御部41に送信する信号POK_PG_PをHレベルからLレベルへと遷移させ、電源供給不可を通知する。その後、創エネ部40において発電電力が回復し、信号POK_PG_PがLレベルからHレベルへと遷移され、電源供給可能が通知される(時点F)。蓄電部50Aの充電中に、創エネ部40からの電源供給が停止しているため、蓄電部50Aの充電量が所定以上になるまでの時間が延長される。一方、時点E〜時点Fの間は、蓄電部50Bは、放電状態であり、蓄電部50Bから制御部41に対してHレベルの信号POK_BT#2_Pが継続して供給される。そのため、スリープモードにおける電源供給については、問題が生じない。
【0054】
蓄電部50Aまたは蓄電部50Bが故障することが起こり得る。図5を用いて、スリープモード時に、放電状態の蓄電部50Bが故障した場合について説明する。図5の例では、放電中の蓄電部50Bが、時点Gで故障し、電源供給を行えない状態となっている。なお、時点Gにおいて、蓄電部50Aは、十分に充電され、待機状態となっているものとする。
【0055】
蓄電部50Bは、時点Gで故障を検知すると、制御部41に送信する信号POK_BT#2_Pを、HレベルからLレベルへと遷移させ、電源供給不可を通知する。それと共に、蓄電部50Bは、故障による待機(使用禁止)状態に切り替える切替状態に遷移する。
【0056】
制御部41は、蓄電部50Bからの信号POK_BT#2_PがLレベルに遷移されると、信号PON_BT#1_Nを「待機」を示す状態から「放電」を示す状態に遷移させて蓄電部50Aを放電状態に切り替える。それと共に、信号PON_BT#2_Nを「待機」を示す状態に遷移させて、蓄電部50Bを待機状態に切り替える。この場合の待機状態は、故障による使用禁止状態である。
【0057】
制御部41は、使用禁止状態にある蓄電部50Bを待機状態とすることで、当該蓄電部50Bに対して充電および放電を行わせないようにできる。これにより、例えば当該蓄電部50Bが故障により使用禁止状態とされた場合に、当該蓄電部50Bに対する充電や、当該蓄電部50Bからの放電が行われた場合に起こり得る不具合を回避可能となる。
【0058】
ここで、蓄電部50Aおよび50Bを、待機状態と放電状態との間で切り替える際に遅延が生じ、画像形成装置1に対する創エネモジュール2による電源供給が中断されてしまうおそれがある。そこで、この遅延が発生する期間において電源の供給を主電源部16から行い、画像形成装置1に対する電源供給の中断を防ぐ。
【0059】
具体的には、故障した蓄電部50Bから蓄電部50Aへの切り替え時に、制御部41は、先ず信号PON_AC_NをHレベルからLレベルへと遷移させて主電源部16をオンとする。次に、制御部41は、信号PON_PSU_NをHレベルからLレベルに遷移させて、電源切替部15を、主電源部16からの電源103を選択するように制御する。
【0060】
ここで、信号POK_BT#2_PがLレベルとなっており、蓄電部50Bが電源供給不可であることが制御部41に通知されている。一方、信号POK_BT#1_PがHレベルとなっており、蓄電部50Aが電源供給可能であることが制御部41に通知されている。そのため、制御部41は、信号PON_PSU_NをLレベルからHレベルへと遷移させて、電源切替部15を、創エネモジュール2からの電源102を選択するように制御する。そして、制御部41は、信号PON_AC_NをLレベルからHレベルへと遷移させて主電源部16をオフとする。主電源部16がオフとされた時点Hで、切替処理が終了する。
【0061】
このように、本第1の実施形態によれば、複数の蓄電部50Aおよび50Bと、当該複数の蓄電部50Aおよび50Bの充電量の監視と、充放電の制御とを行う制御部41とを備える。そのため、創エネ部40による発電電力の不足による蓄電部50A、50Bの充電不足や、蓄電部50A、50Bのうち一方が故障した場合でも、スリープモード時における創エネモジュール2による画像形成装置1に対する電源供給が途絶することが防がれる。また、これにより、創エネモジュール2の信頼性が向上される。
【0062】
(第1の実施形態の第1の変形例)
次に、本第1の実施形態の第1の変形例について説明する。図6は、本第1の実施形態の第1の変形例による画像形成装置1Aおよび創エネモジュール2Aの一例の構成を示す。なお、図6において、上述した図1と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0063】
図6に示されるように、本第1の実施形態の第1の変形例では、創エネモジュール2Aにおいて、蓄電部50Aおよび50Bの出力は、それぞれ経路100B’および101B’により、画像形成装置1Aの電源切替部15に供給される。一方、制御部41から電源切替部15には、電源は供給されない。電源切替部15は、制御部41からの信号PON_PSU_NがHレベルで、経路100B’および101B’を選択する。蓄電部50Aおよび50Bのうち、信号PON_BT#1_Nおよび信号PON_BT#2_Nにより「放電」を示す状態とされている側から出力された電気が、画像形成装置1Aの各部に供給される。
【0064】
(第1の実施形態の第2の変形例)
次に、本第1の実施形態の第2の変形例について説明する。図7は、本第1の実施形態の第2の変形例による画像形成装置1および創エネモジュール2Bの一例の構成を示す。なお、図7において、上述した図1と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0065】
図7に示されるように、本第1の実施形態の第2の変形例では、創エネモジュール2Bは、蓄電部増設スロット51が設けられ、蓄電部50Aおよび50Bに対して、さらに蓄電部50Cを増設できるようになっている。蓄電部50Cが蓄電部増設スロット51に装填されると、蓄電部50Cと制御部41とが各種接続線で接続され、信号などのやりとりが行われる。
【0066】
より具体的には、蓄電部50Cの入出力の経路110Aおよび110Bが制御部41に接続される。また、制御部41から蓄電部50Cに対して、蓄電部50Cを放電状態、充電状態および待機状態の何れかの状態に制御するための信号PON_BT#3_Nが送信される。さらに、蓄電部50Cから制御部41に対して、蓄電部50Cが電源供給可能か否かを示す信号POK_BT#3_Pが送信される。
【0067】
さらにまた、蓄電部50Cから制御部41に対して、蓄電部50Cが接続されていることを示す蓄電部接続検知信号が送信される。制御部41は、この蓄電部接続検知信号を受信することで、蓄電部増設スロット51に対して蓄電部50Cが接続されたことを検知する。
【0068】
このように、3の蓄電部50A、50Bおよび50Cを備える場合、例えば、蓄電部50A、50Bおよび50Cの充放電を、各蓄電部50A、50Bおよび50Cで順次制御することが考えられる。また、蓄電部50Cを、蓄電部50Aおよび50Bが共に故障した場合の予備として用いることもできる。
【0069】
本第1の実施形態の第2の変形例では、増設された蓄電部50Cを、他の蓄電部50Aおよび50Bと同様に制御できると共に、各蓄電部50A、50Bおよび50Cの放電出力から1を選択して制御部41から出力するようにしている。そのため、創エネモジュール2Bと画像形成装置1との間の接続仕様を変更することなく、蓄電部50Cを増設することができる。
【0070】
(第1の実施形態の第3の変形例)
次に、本第1の実施形態の第3の変形例について説明する。図8は、本第1の実施形態の第3の変形例による画像形成装置1Cおよび創エネモジュール2Cの一例の構成を示す。なお、図8において、上述した図1と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0071】
本第1の実施形態の第3の変形例では、メインSW17に対する操作出力の信号PON_SW_Pが主電源部16および制御部41に供給されると共に、ASIC21にも供給される。また、制御部41から、画像形成装置1Cのコントローラ10内のASIC21に対して、接続検知信号が送信される。ASIC21は、この接続検知信号に基づき画像形成装置1Cに対して創エネモジュール2Cが接続されているか否かを判定する。また、ASIC21は、電源切替部15に対して信号PON_PSU_N’を送信すると共に、主電源部16に対して信号PON_AC_N’を送信する。信号PON_PSU_N’は、Lレベルで主電源部16から供給される電源103を選択するように、電源切替部15を制御する。信号PON_AC_N’は、上述の信号PON_AC_Nと同様に、Hレベルで主電源部16をオフとし、Lレベルで主電源部16をオンとする。さらに、ASIC21は、主電源部16から送信された信号POK_AC_Pを受信する。
【0072】
ASIC21は、接続検知信号に基づき創エネモジュール2Cが接続されていると判定した場合、信号PON_PSU_N’および信号PON_AC_N’を例えばHi−Z状態として無効とする。一方、ASIC21は、接続検知信号に基づき創エネモジュール2Cが接続されていないと判定した場合、各信号PON_PSU_N’および信号PON_AC_N’を、例えばLレベルとする。また、ASIC21は、メインSW17の状態を信号PON_SW_Pにより検知することができる。このように制御することで、画像形成装置1Cは、創エネモジュール2Cが接続されていない状態において、主電源部16からの電源103により動作できる。
【0073】
これにより、必要な場合だけ創エネモジュール2Cを接続することが可能となり、創エネモジュール2Cを画像形成装置1Cと分離されたユニットとして構成することができる。
【0074】
(第2の実施形態)
次に、本第2の実施形態について説明する。図9は、本第2の実施形態による画像形成装置1Dおよび創エネモジュール2Dの一例の構成を示す。なお、図9において、上述した図6と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、図9は、上述した図6の構成に倣って構成が示されているが、これはこの例に限定されず、本第2の実施形態は、上述した第1の実施形態、ならびに、第1の実施形態の各変形例による構成に対して適用することもできる。
【0075】
本第2の実施形態では、創エネモジュール2Dにおいて、蓄電部50Aおよび50Bは、それぞれ充電容量を通知する充電容量通知信号を制御部41に送信する。例えば、蓄電部50Aおよび50Bは、それぞれ、蓄電池の出力電圧を測定し、測定結果に基づき、現在蓄電部50Aおよび50Bに充電されている電気量を充電容量として求める。制御部41は、蓄電部50Aおよび50Bから送信された充電容量を示す信号に基づき、蓄電部50Aおよび50Bの充電容量を通知する充電容量通知信号を、画像形成装置1Dにおけるコントローラ10内のASIC21に対して送信する。
【0076】
一方、コントローラ10内のNAND型フラッシュメモリ24には、充電容量に基づき充電レベルを判定するための充電レベル判定テーブルが予め記憶されている。この充電レベル判定テーブルには、さらに、各充電レベルに対応する表示を行うための表示情報が予め記憶される。
【0077】
図10は、充電レベル判定テーブルの一例の構成を示す。蓄電部50Aおよび50Bに共通して、充電容量の範囲と充電レベルとが対応付けられて充電レベル判定テーブルに格納される。図10の例では、4段階の充電容量の範囲に対して、それぞれレベル(0)〜レベル(3)の充電レベルが対応付けられている。
【0078】
さらに、充電レベル判定テーブルにおいて、各充電レベルに対して、充電レベルを表示するための表示情報がそれぞれ対応付けられて格納される。この例では、充電レベルが最低のレベル(0)で「Empty」が表示され、充電レベルが1段階上がる毎に塗り潰されたブロックが増えるようにした表示情報が格納されている。
【0079】
CPU27は、ASIC21が受信した充電容量通知信号に基づき、NAND型フラッシュメモリ24に記憶される充電レベル判定テーブルを参照して蓄電部50Aおよび50Bの充電レベルをそれぞれ判定する。そして、判定結果の充電レベルに関連付けられた表示情報に基づき表示制御信号を生成し、生成した表示制御信号をASIC21を介して操作部12に供給する。操作部12は、供給された表示制御信号に従い、操作部12が有する表示部に対して、充電レベルを示す画面を表示させる。
【0080】
図11は、操作部12に表示される充電レベルを示す画面200の一例を示す。図11の例では、蓄電部50Aおよび50Bそれぞれの充電レベルが、充電レベル表示201Aおよび201Bとして表示されている。これら充電レベル表示201Aおよび201Bによれば、蓄電部50Aおよび50Bの充電レベルがそれぞれレベル(2)およびレベル(3)であることが示され、蓄電部50Bが略満充電状態であることが分かる。このように、本第2の実施形態によれば、ユーザが蓄電部50Aおよび50Bの充電状態を容易に把握することが可能となる。
【0081】
(第2の実施形態の第1の変形例)
次に、本第2の実施形態の第1の変形例について説明する。図12は、本第2の実施形態の第1の変形例による画像形成装置1Eおよび創エネモジュール2Eの一例の構成を示す。なお、図12において、上述した図6と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、図12は、上述した図6の構成に倣って構成が示されているが、これはこの例に限定されず、本第2の実施形態の第1の変形例は、上述した第1の実施形態および第1の実施形態の各変形例、ならびに、第2の実施形態による構成に対して適用することもできる。
【0082】
本第2の実施形態の第1の変形例では、蓄電部50Aおよび50Bは、それぞれ充電容量を示す充電容量通知信号を制御部41に送信すると共に、充電完了時に、充電完了を示す充電完了通知信号(図示しない)を制御部41に送信する。蓄電部50Aおよび50Bは、それぞれ、蓄電池の出力電圧を測定し、測定結果に基づき、現在蓄電部50Aおよび50Bに充電されている電気量を充電容量として求める。制御部41は、蓄電部50Aおよび50Bから送信された充電容量を示す信号に基づき、充電容量が所定以上になった場合に、蓄電部50Aや蓄電部50Bの充電が完了したと判定し、充電完了通知信号をコントローラ10内のASIC21に対して送信する。
【0083】
一方、コントローラ10内のNAND型フラッシュメモリ24には、充電完了時の蓄電部50Aおよび50Bの充電容量に基づき、これら蓄電部50Aおよび50Bの寿命を予測するための寿命予測テーブルが予め記憶されている。図13は、この寿命予測テーブルの一例の構成を示す。蓄電部50Aおよび50Bに共通して、充電完了時の充電容量の範囲と、予測寿命とが対応付けられて寿命予測テーブルに格納される。図13の例では、3段階の充電完了時の充電容量の範囲に対して、それぞれ「要交換」、「約1年以内」および「約3年」といった予測寿命が対応付けられている。
【0084】
CPU27は、ASIC21に充電完了通知信号が受信された時点の充電容量通知信号に基づき、充電完了時の蓄電部50Aおよび50Bの充電容量に基づき寿命予測テーブルを参照して、蓄電部50Aおよび50Bの寿命をそれぞれ判定する。そして、判定結果の予測寿命を示す表示を行うための表示制御信号を生成し、生成した表示制御信号をASIC21を介して操作部12に供給する。操作部12は、供給された表示制御信号に従い、操作部12が有する表示部に対して、予測寿命を示す画面を表示させる。
【0085】
図14は、操作部12に表示される蓄電部50Aおよび50Bの予測寿命を示す画面210の一例を示す。図14の例では、蓄電部50Aおよび50Bそれぞれの予測寿命が、予測寿命表示211Aおよび211Bとして表示されている。これら予測寿命表示211Aおよび211Bによれば、蓄電部50Aおよび50Bの予測寿命がそれぞれ約1年および約3年であることが分かる。このように、本第2の実施形態の第1の変形例によれば、ユーザが蓄電部50Aおよび50Bの予測寿命を容易に把握することが可能となる。
【0086】
また、操作部12に表示される蓄電部50Aおよび50Bそれぞれの予測寿命から、各蓄電部50Aおよび50Bの交換時期を確認できる。そのため、これら蓄電部50Aおよび50Bが使用不可となる前に交換可能となり、蓄電部50Aおよび50Bの寿命によるトラブルを回避できる。
【0087】
(第2の実施形態の第2の変形例)
次に、本第2の実施形態の第2の変形例について説明する。図15は、本第2の実施形態の第2の変形例による画像形成装置1Fおよび創エネモジュール2Fの一例の構成を示す。なお、図15において、上述した図6と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、図15は、上述した図6の構成に倣って構成が示されているが、これはこの例に限定されず、本第2の実施形態の第2の変形例は、上述した第1の実施形態および第1の実施形態の各変形例、ならびに、第2の実施形態および第2の実施形態の第1の変形例による構成に対して適用することもできる。
【0088】
本第2の実施形態の第2の変形例では、創エネモジュール2Fにおいて、制御部41は、創エネ部40から経路120を介して供給された発電電力を計測し、計測された発電電力値を、画像形成装置1Fにおけるコントローラ10内のASIC21に送信する。CPU27は、ASIC21に受信された発電電力値を表示するための表示制御信号を生成する。生成した表示制御信号は、ASIC21を介して操作部12に供給される。操作部12は、供給された表示制御信号に従い、操作部12が有する表示部に対して、図16に例示されるような、発電電力値221を示す画面220を表示させる。
【0089】
このように、本第2の実施形態の第2の変形例では、創エネ部40により発電され得られた発電電力値が操作部12に表示されるため、ユーザは、創エネ部40の発電状況を確認することが可能となる。
【0090】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、本第3の実施形態では、例えば図9に示した画像形成装置1Dおよび創エネモジュール2Dをそのまま用いることができる。これに限らず、上述した第1の実施形態および第1の実施形態の各変形例、ならびに、第2の実施形態および第2の実施形態の各変形例に対してこの第3の実施形態を適用させることもできる。
【0091】
本第3の実施形態は、蓄電部50Aおよび50Bの故障時の処理に関するもので、充電容量に基づき蓄電部50Aおよび50Bの故障の有無を判定し、故障していると判定された場合に、創エネ部40の発電電力を、画像形成装置1Dに対する電源として用いるようにしている。
【0092】
本第3の実施形態において、蓄電部50Aおよび50Bは、上述した第2の実施形態と同様に、それぞれ充電容量を通知する充電容量通知信号を制御部41に送信する。蓄電部50Aおよび50Bは、それぞれ、蓄電池の出力電圧を測定し、測定結果に基づき、現在蓄電部50Aおよび50Bに充電されている電気量を充電容量として求める。制御部41は、蓄電部50Aおよび50Bから送信された充電容量を示す信号に基づき、蓄電部50Aおよび50Bの充電容量を通知する充電容量通知信号を、コントローラ10内のASIC21に対して送信する。
【0093】
一方、コントローラ10内のNAND型フラッシュメモリ24には、充電容量に基づき蓄電部50Aおよび50Bの故障判定を行う故障判定テーブルが予め記憶されている。図17は、故障判定テーブルの一例の構成を示す。蓄電部50Aおよび50Bに共通して、充電容量の範囲と、故障か否かを示す情報とが対応付けられて故障判定テーブルに格納される。図17の例では、さらに、充電容量の範囲と充電レベルとが対応付けられて、故障判定テーブルに格納される。この例では、4段階の充電容量の範囲に対して、それぞれレベル(0)〜レベル(3)の充電レベルが対応付けられている。すなわち、充電容量が閾値未満であれば、その蓄電部が故障状態であると判定される。また、充電容量が閾値以上であれば、充電容量に応じて充電レベルが判定される。
【0094】
なお、図17に示した故障判定テーブルは、充電容量の範囲と、故障か否かを示す情報とを対応付け、さらに、閾値以上の充電容量の範囲に対して4段階の充電レベルが対応付けられて格納されている。これはこの例に限定されず、例えば図10を用いて説明したように、故障判定テーブルにおいて、例えば、充電容量の範囲に対して、故障か否かと、充電レベルとを表示するための表示情報を対応付けることもできる。
【0095】
図18を用いて、本第3の実施形態による動作について説明する。図18は、各部の状態遷移を示すシーケンス図である。なお、本第3の実施形態では、電源供給元を選択する信号PON_PSU_Nが、主電源部16を電源供給元として選択する第1の状態と、蓄電部50Aおよび50Bを電源供給元として選択する第2の状態と、創エネ部40を電源供給元として選択する第3の状態との3状態を含む。
【0096】
図18の例では、時点Jまでの、信号POK_AC_PがLレベル、メインSW17がオフの状態において、信号POK_PG_PがHレベルとされ、創エネ部40による電源供給が可能であることが示される。また、当初、信号POK_BT#1_PがLレベル、信号POK_BT#2_PがHレベルとされ、蓄電部50Aが電源供給不可、蓄電部50Bが電源供給可能な状態となっている事が示される。蓄電池50Aは、創エネ部40からの発電電力により充電されるように、制御部41に制御される。また、蓄電部50Bの放電出力が制御部41に供給される。
【0097】
時点Jで、メインSW17がオンとされた場合、制御部41は、信号PON_AC_NをLレベルに切り替えて主電源部16をオンとし、主電源部16から電源切替部15への電源供給を開始する。このとき、信号PON_PSU_Nが初期状態で主電源部16を電源供給元として選択する第1の状態とされ、主電源部16からの電源が選択されている。そのため、主電源部16から、電源切替部15を介してエンジン部14およびコントローラ10に対して電源が供給される。画像形成装置1Dは、ウォームアップ動作の完了後、待機状態となり、ユーザ操作などによりジョブが発生する。
【0098】
画像形成装置1Dは、例えば、ジョブ完了後、所定時間を経過する間に次のジョブなどが発生しない場合に、動作モードが通常モードからスリープモードに移行される。スリープモードに移行した時点Kでは、信号POK_BT#1_Pおよび信号POK_BT#2_PがそれぞれLレベルおよびHレベルとなっており、蓄電部50Bが電源供給可能な状態であることが分かる。そのため、制御部41は、信号PON_PSU_Nを、蓄電部50Aおよび50Bを電源供給元として選択する第2の状態として、電源切替部15を、蓄電部50Bからの経路101B’を選択するように制御し、蓄電部50Bの出力を経路101B’を介して電源切替部15に対して供給する。また、制御部41は、信号PON_AC_NをHレベルとして主電源部16をオフさせ、スリープモードへ移行させる。
【0099】
スリープモードからの復帰時(時点L)には、制御部41は、信号PON_AC_NをLレベルとして主電源部16をオンとし、信号PON_PSU_Nを第1の状態として、電源切替部15を主電源部16からの電源103を選択するように制御する。これにより、画像形成装置1Dは、通常モードに復帰し、ジョブを待機する。
【0100】
スリープモード時において、電源供給中の蓄電部50Bが故障したと判定された場合の処理について説明する。CPU27は、制御部41から送信されASIC21に受信される充電容量通知信号に基づき故障判定テーブルを参照して、蓄電部50Aおよび50Bの充電レベルと、故障の有無とを判定する。図18の例では、CPU27は、時点Mにおいて、充電容量通知信号に基づき蓄電部50Bの充電容量が閾値未満であることを検知し、当該蓄電部50Bが故障状態であると判定している。CPU27は、蓄電部50Bが故障状態である旨をASIC21を介して制御部41に通知する。
【0101】
制御部41は、蓄電部50Bの故障状態の通知に応じて、信号POK_BT#2_PをHレベルからLレベルへと遷移させ、蓄電部50Bが電源供給不可状態であるとする。一方、時点Mにおいて、信号POK_BT#1_PがLレベルとされ蓄電部50Aが電源供給不可状態となっていると共に、信号PON_BT#1_Nが「充電」を示す状態となっている。また、信号POK_PG_PがHレベルとされ、創エネ部40による電力供給が可能とされている。
【0102】
そこで、制御部41は、信号PON_PSU_Nを、創エネ部40を電源供給元として選択する第3の状態に遷移させ、電源切替部15を、制御部41からの電源(図示は省略する)を選択するように制御する。それと共に、制御部41は、創エネ部40の出力を電源として電源切替部15に対して供給する。次に、制御部41は、信号PON_BT#2_Nを「待機(使用禁止)」を示す状態に遷移させる。
【0103】
スリープモードからの復帰時(時点N)には、制御部41は、信号PON_AC_NをLレベルとして主電源部16をオンとし、信号PON_PSU_Nを第1の状態に遷移させて、電源切替部15を主電源部16からの電源103を選択するように制御する。これにより、画像形成装置1Dは、通常モードに復帰し、ジョブを待機する。
【0104】
さらに、スリープモードへの移行時(時点O)には、信号POK_BT#1_Pおよび信号POK_BT#2_PがそれぞれLレベルであり、蓄電部50Aおよび50Bが電源供給不可とされ、信号POK_PG_PがHレベルであり創エネ部40が電源供給可能となっている。そのため、制御部41は、信号PON_PSU_Nを第3の状態に切り替えて、電源切替部15を、制御部41からの電源(図示しない)を選択するように制御すると共に、制御部41は、信号PON_AC_NをHレベルに切り替えて主電源部16をオフとする。これにより、スリープモードに移行する。
【0105】
このように、本第3の実施形態によれば、スリープモード時に蓄電部50Aおよび50Bが共に電源供給不可の状態に陥っても、商用電源からの電源供給を行うことなく、画像形成装置1Dに対する電源供給を行うことができる。
【0106】
なお、上述では、本第3の実施形態に、図9に示した画像形成装置1Dおよび創エネモジュール2Dをそのまま用いるように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、図19に別の例として示されるように、創エネ部40の発電電力を電源切替部15に供給する経路100Dを設けることができる。さらに、制御部41は、例えば信号PON_E_Nにより、創エネ部40の発電電力を制御部41および電源切替部15の何れに供給するかを設定することができる。また、制御部41は、信号PON_PSU_N’により、画像形成装置1Dにおける電源の供給元を主電源部16、蓄電部50Aおよび50B、ならびに、創エネ部40とで切り替える。
【0107】
また、上述では、スリープモード時に蓄電部50Aおよび50Bが共に電源供給不可の状態に陥った場合に、創エネ部40の発電出力を画像形成装置1Dの電源として供給するようにしているが、これはこの例に限定されない。例えば、スリープモード時に蓄電部50Aおよび50Bのうち少なくとも一方が使用禁止状態となった場合に、創エネ部40の発電出力を画像形成装置1Dの電源として供給するようにしてもよい。これにより、蓄電部50Aおよび50Bのうち使用可能な方に充電された電力の消費を抑制することが可能である。
【0108】
(第3の実施形態の変形例)
次に、本発明の第3の実施形態の変形例について説明する。上述した第3の実施形態では、蓄電部50Aおよび50Bが故障していると判定された場合に、創エネ部40の発電電力を、画像形成装置1Dに対する電源として用いている。一方、創エネ部40の発電電力は、常に画像形成装置1Dの電源として用いることが可能であるとは限らない。例えば、創エネ部40の故障や、創エネ部40が太陽電池を用いて発電するものであれば、光量不足による発電電力の低下などにより、創エネ部40の発電電力が低下若しくは停止してしまうことが考えられる。
【0109】
そこで、本第3の実施形態の変形例では、スリープモード時に、蓄電部50Aおよび50B、ならびに、創エネ部40が電源供給不可の状態に陥った場合に、主電源部16から出力される電源を、画像形成装置1Dの電源として用いることができるようにしている。
【0110】
本第3の実施形態の変形例において、充電容量通知信号に関する処理は、上述した第3の実施形態の場合と同様とする。また、蓄電部50Aおよび50Bの故障判定についても、上述した第3の実施形態と同様に、図17を用いて説明した故障判定テーブルを用いて行うものとする。
【0111】
図20は、本第3の実施形態の変形例による一例の制御を示すフローチャートである。なお、この図20のフローチャートは、上述した第3の実施形態にもそのまま適用可能なものである。なお、本第3の実施形態の変形例では、上述の第3の実施形態と同様に、電源供給元を選択する信号PON_PSU_Nが、主電源部16を電源供給元として選択する第1の状態と、蓄電部50Aおよび50Bを電源供給元として選択する第2の状態と、創エネ部40を電源供給元として選択する第3の状態との3状態を含む。
【0112】
制御部41は、ステップS120で、蓄電部50Aから供給される信号POK_BT#1_Pに基づき、蓄電部50A(蓄電部#1)による電源の供給が可能であるか否かを判定する。制御部41は、信号POK_BT#1_PがLレベルであって、蓄電部50Aによる電源の供給が不可であると判定した場合、処理をステップS121に移行させる。
【0113】
制御部41は、ステップS121で、蓄電部50Bから供給される信号POK_BT#2_Pに基づき、蓄電部50B(蓄電部#2)による電源の供給が可能であるか否かを判定する。制御部41は、信号POK_BT#2_PがHレベルであって、蓄電部50Bによる電源の供給が可能であると判定した場合、処理を後述するステップS129に移行させる。
【0114】
一方、制御部41は、信号POK_BT#2_PがLレベルであって、蓄電部50Bによる電源の供給が不可であると判定した場合、処理をステップS122に移行させる。制御部41は、ステップS122で、創エネ部40による電源の供給が可能であるか否かを判定する。具体的には、制御部41は、創エネ部40から供給される信号POK_PG_PがHレベルであるか否かを判定する。制御部41は、ステップS122で、信号POK_PG_PがHレベルであり、創エネ部40による電源の供給が可能であると判定した場合、処理をステップS123に移行させる。
【0115】
制御部41は、ステップS123で、創エネ部40から電源の供給を行うように、電源切替部15および創エネ部40を制御する。具体的には、制御部41は、信号PON_PSU_Nを第3の状態として、電源切替部15に創エネモジュール2Dからの電源供給を選択させる。その後、処理がステップS120に戻される。
【0116】
制御部41は、ステップS122で、信号POK_PG_PがLレベルであり、創エネ部40による電源の供給が不可であると判定した場合、処理をステップS124に移行させる。制御部41は、ステップS124で、主電源部16から電源の供給を行うように、電源切替部15および主電源部16を制御する。具体的には、制御部41は、信号PON_PSU_Nを第1の状態として、電源切替部15に主電源部16からの電源供給を選択させる。その後、処理がステップS120に戻される。なお、制御部41は、信号PON_AC_NがHレベルであった場合、当該信号PON_AC_NをLレベルとして主電源部16をオン状態とする。
【0117】
制御部41は、上述のステップS120で、信号POK_BT#1_PがHレベルであって、蓄電部50Aによる電源の供給が可能であると判定した場合、処理をステップS125に移行させる。ステップS125では、制御部41は、信号PON_BT#1_Nに基づき、蓄電部50Aが放電状態にあるか否かを判定する。制御部41は、信号PON_BT#1_NがHレベルであって、蓄電部50Aが放電状態にあると判定した場合、処理をステップS126に移行させる。
【0118】
制御部41は、ステップS126で、蓄電部50Aから電源の供給を行うように、電源切替部15を制御する。具体的には、制御部41は、信号PON_PSU_Nを第2の状態として、電源切替部15に創エネモジュール2D(蓄電部50Aおよび50B)からの電源供給を選択させる。その後、処理がステップS120に戻される。
【0119】
制御部41は、上述のステップS125で、信号POK_BT#1_NがLレベルであって、蓄電部50Aが放電状態ではないと判定した場合、処理をステップS127に移行させる。この場合、蓄電部50Aは、待機状態にある。ステップS127では、制御部41は、蓄電部50Bから供給される信号POK_BT#2_Pに基づき、蓄電部50Bによる電源の供給が可能であるか否かを判定する。
【0120】
制御部41は、ステップS127で、信号POK_BT#2_PがLレベルであって、蓄電部50Bによる電源供給が不可であると判定した場合、処理をステップS128に移行させる。制御部41は、ステップS128で、信号PON_BT#1_Nを放電状態を示す状態に遷移させて蓄電部50Aの状態を待機状態から放電状態に遷移させ、処理をステップS126に移行させる。
【0121】
制御部41は、ステップS127で、信号POK_BT#2_PがHレベルであって、蓄電部50Bによる電源の供給が可能であると判定した場合、処理をステップS129に移行させる。ステップS129では、制御部41は、信号PON_BT#2_Nに基づき、蓄電部50Bが放電状態にあるか否かを判定する。制御部41は、ステップS129で、信号PON_BT#2_NがHレベルであって、蓄電部50Bが放電状態にあると判定した場合、処理をステップS130に移行させる。
【0122】
制御部41は、ステップS130で、蓄電部50Bから電源の供給を行うように、電源切替部15を制御する。制御部41は、信号PON_PSU_Nを第2の状態として、電源切替部15に創エネモジュール2D(蓄電部50Aおよび50B)からの電源供給を選択させる。その後、処理がステップS120に戻される。
【0123】
制御部41は、ステップS129で、信号PON_BT#2_NがLレベルであって、蓄電部50Bが待機状態であると判定した場合、処理をステップS131に移行させる。制御部41は、ステップS131で、信号PON_BT#2_Nを放電状態を示す状態に遷移させて蓄電部50Bの状態を待機状態から放電状態に遷移させ、処理をステップS130に移行させる。
【0124】
図21を用いて、本第3の実施形態の変形例による動作について説明する。図21は、各部の状態遷移を示すシーケンス図である。図21の例では、時点Pまでの、信号POK_AC_PがLレベル、メインSW17がオフの状態において、信号POK_PG_PがHレベルとされ、創エネ部40による電源供給が可能であることが示される。また、当初、信号POK_BT#1_PがLレベル、信号POK_BT#2_PがHレベルとされ、蓄電部50Aが電源供給不可、蓄電部50Bが電源供給可能な状態となっている事が示される。蓄電池50Aは、創エネ部40からの発電電力により充電されるように、制御部41に制御される。また、蓄電部50Bの放電出力が制御部41に供給される。
【0125】
時点Pで、メインSW17がオンとされた場合、制御部41は、信号PON_AC_NをLレベルに切り替えて主電源部16をオンとし、主電源部16から電源切替部15への電源供給を開始する。このとき、信号PON_PSU_Nが初期状態で主電源部16を電源供給元として選択する第1の状態とされ、主電源部16からの電源が選択されている。そのため、主電源部16から、電源切替部15を介してエンジン部14およびコントローラ10に対して電源が供給される。画像形成装置1Dは、ウォームアップ動作の完了後、待機状態となり、ユーザ操作などによりジョブが発生する。
【0126】
画像形成装置1Dは、例えば、ジョブ完了後、所定時間を経過する間に次のジョブなどが発生しない場合に、動作モードが通常モードからスリープモードに移行される。スリープモードに移行した時点Qでは、信号POK_BT#1_Pおよび信号POK_BT#2_PがそれぞれLレベルおよびHレベルとなっており、蓄電部50Bが電源供給可能な状態であることが分かる。そのため、制御部41は、信号PON_PSU_Nを、蓄電部50Aおよび50Bを電源供給元として選択する第2の状態として、電源切替部15を、蓄電部50Bからの電源を選択するように制御して蓄電部50Bの出力を電源切替部15に対して供給する。また、制御部41は、信号PON_AC_NをHレベルとして主電源部16をオフさせ、スリープモードへ移行させる。
【0127】
スリープモードからの復帰時(時点R)には、制御部41は、信号PON_AC_NをLレベルとして主電源部16をオンとし、信号PON_PSU_Nを第1の状態として、電源切替部15を主電源部16からの電源103を選択するように制御する。これにより、画像形成装置1Dは、通常モードに復帰し、ジョブを待機する。
【0128】
ここで、時点Sで、蓄電部50Bが故障し、蓄電部50Bによる電源供給が不可となったものとする。スリープモード時に電源供給中の蓄電部50Bが故障判定された場合の処理は、上述の第3の実施形態と同様なので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0129】
制御部41は、蓄電部50Bの故障状態の通知に応じて、信号POK_BT#2_PをHレベルからLレベルへと遷移させ、蓄電部50Bが電源供給不可状態であるとする。一方、時点Sにおいて、信号POK_BT#1_PがLレベルとされ蓄電部50Aが電源供給不可状態となっていると共に、信号PON_BT#1_Nが「充電」を示す状態となっている。
【0130】
さらに、この例では、信号POK_PG_PがLレベルとされ、創エネ部40による電力供給も不可状態となっている。例えば、創エネ部40は、何らかの理由で、スリープモード時に必要とされる電力を発電できず、発電力不足になっている場合が考えられる。一例として、第2の実施形態の第2の変形例で説明したように、制御部41は、創エネ部40から経路120を介して供給された発電電力を計測し、計測された発電電力値が閾値以下である場合に、創エネ部40による電力供給が不可状態であると判定する。
【0131】
制御部41は、信号PON_AC_NをLレベルとして主電源部16をオンとし、信号PON_PSU_Nを、主電源部16を電源供給元として選択する第1の状態に遷移させ、電源切替部15を、主電源部16からの電源103を選択するように制御する。それと共に、制御部41は、主電源部16の出力を電源103として電源切替部15に対して供給する。次に、制御部41は、信号PON_BT#2_Nを「待機(使用禁止)」を示す状態に遷移させる。
【0132】
スリープモードからの復帰時(時点T)には、制御部41は、信号PON_AC_NのLレベル状態(主電源部16をオン)と、信号PON_PSU_Nの第1の状態とを維持し、電源切替部15が主電源部16からの電源103を継続して選択するようにする。これにより、画像形成装置1Dは、通常モードに復帰し、ジョブを待機する。
【0133】
さらに、スリープモードへの移行時(時点U)には、信号PON_BT#2_Nおよび信号PON_BT#1_NがそれぞれLレベルであり、蓄積部50Aおよび50Bが電源供給不可とされ、信号POK_PG_PがHレベルであり創エネ部40が電源供給可能となっている。そのため、制御部41は、信号PON_PSU_Nを第3の状態に遷移させて、電源切替部15を、創エネ部40からの電源を選択するように制御すると共に、制御部41は、信号PON_AC_NをHレベルに切り替えて主電源部16をオフとする。これにより、スリープモードに移行する。
【0134】
このように、本第3の実施形態の変形例によれば、スリープモード時に蓄電部50Aおよび50B、ならびに、創エネ部40が共に電源供給不可の状態に陥った場合に、商用電源から画像形成装置1Dに対する電源供給を行うことができる。
【0135】
上述の実施形態は、本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0136】
1,1A,1C,1D,1E,1F 画像形成装置
2,2A,2B,2C,2D,2E,2F 創エネモジュール
10 コントローラ
12 操作部
14 エンジン部
15 電源切替部
16 主電源部
40 創エネ部
41 制御部
50A,50B,50C 蓄電部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0137】
【特許文献1】特許第3416215号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源供給先の動作モードが、通常の動作モードである第1の動作モードに対して消費電力を低減した第2の動作モードである場合に、該電源供給先に電源を供給する電源装置であって、
発電部の発電出力により充電される複数の蓄電池それぞれの状態と、該発電部の発電出力とを監視する監視手段と、
前記電源供給先の動作モードが前記第2の動作モードである場合に、前記監視手段の監視結果に基づき、前記複数の蓄電池から前記電源供給先に電源を供給する蓄電池を選択すると共に、前記複数の蓄電池それぞれに対する前記発電出力による充電を制御する制御手段と
を有する
ことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記監視手段は、
前記複数の蓄電池それぞれの状態が、放電可能な状態と、充電が必要な状態と、使用禁止状態とのうち何れの状態にあるかを監視し、
前記制御手段は、
前記監視手段の監視結果に従い、前記複数の蓄電池のうち前記使用禁止状態にある蓄電池に対して、充電および放電を行わないように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記監視手段の監視結果に従い、前記複数の蓄電池に前記使用禁止状態にある蓄電池が含まれる場合に、前記発電部の発電出力を前記電源供給先に供給するように制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記監視手段の監視結果に基づき、前記複数の蓄電池それぞれの充電量および寿命のうち少なくとも一方を示す蓄電池情報を前記電源供給先に対して出力する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電源装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記監視手段の監視結果に基づき、前記発電部による発電量を示す発電情報を前記電源供給先に対して出力する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の電源装置。
【請求項6】
前記監視手段は、
前記複数の蓄電池それぞれの状態が電源供給可能状態か否かを監視し、
前記制御手段は、
前記監視手段の監視結果に基づき、前記複数の蓄電池の全てが電源供給不可状態である場合に、前記発電部の発電出力および商用電源のうち何れか一方を前記電源供給先に供給するように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記監視手段の監視結果に基づき、前記複数の蓄電池の全てが電源供給不可状態であり、且つ、前記発電部の発電出力が前記第2の動作モードにおいて必要とされる電力に達しない場合に、前記商用電源を前記電源供給先に供給するように制御する
ことを特徴とする請求項6に記載の電源装置。
【請求項8】
電源供給先の動作モードが、通常の動作モードである第1の動作モードに対して消費電力を低減した第2の動作モードである場合に、該電源供給先に電源を供給する電源装置の制御方法であって、
監視手段が、発電部の発電出力により充電される複数の蓄電池それぞれの状態と、該発電部の発電出力とを監視する監視ステップと、
制御手段が、前記電源供給先の動作モードが前記第2の動作モードである場合に、前記監視ステップの監視結果に基づき、前記複数の蓄電池から前記電源供給先に電源を供給する蓄電池を選択すると共に、前記複数の蓄電池それぞれに対する前記発電出力による充電を制御する制御ステップと
を有する
ことを特徴とする電源装置の制御方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の電源装置と、
前記電源供給先としての画像形成手段と、
少なくとも前記第1の動作モードの場合に前記画像形成手段に対して電源を供給する主電源部と、
前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとで、前記画像形成手段に対する電源の供給元を、前記主電源部と、前記複数の蓄電池および前記発電部のうち少なくとも1とで切り替える電源切替手段と
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記電源装置が脱着可能に構成され、
前記電源装置が接続されているか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段により前記電源装置が接続されていないことが検出された場合に、前記電源の供給元を前記主電源部に切り替えるように前記電源切替手段を制御する画像形成装置制御手段と
をさらに有する
ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記監視手段の監視結果に基づき、前記複数の蓄電池それぞれの充電量および寿命のうち少なくとも一方を示す情報と、前記発電部による発電量を示す情報とのうち少なくとも1を出力し、
前記制御手段から出力された、前記情報に基づく表示を行う表示手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2013−48542(P2013−48542A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−163995(P2012−163995)
【出願日】平成24年7月24日(2012.7.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】