電源装置及び画像形成装置
【課題】 サージ電流による導電性ゴムの劣化を防ぐ。
【解決手段】 圧電素子と圧電端子を保持する保持部を導電性ゴムで接続した圧電トランスを駆動する際に生じるサージ電流を規制する電流規制部を圧電トランスの一次側に設けた電源。
【解決手段】 圧電素子と圧電端子を保持する保持部を導電性ゴムで接続した圧電トランスを駆動する際に生じるサージ電流を規制する電流規制部を圧電トランスの一次側に設けた電源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電トランスを用いて高電圧を出力する電源に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、像担持体としての感光体に形成された画像を記録材に転写することによって記録材に画像を形成する。記録材に画像を転写するために、転写部材としての転写ローラに直流の高電圧を印加して、感光体に形成された画像を記録材に転写する。感光体に形成された画像を記録材に良好に転写するためには、数kV以上の高電圧を印加する必要がある。
【0003】
このような高電圧出力用の電源装置として、従来から巻線式の電磁トランスを使用している。しかし、電磁トランスは、銅線,ボビン,磁芯で構成されており、電子写真方式の画像形成装置に用いる場合は、高電圧を出力する際の電磁トランスからの漏れ電流をできるだけ少なくする必要がある。そのため、電磁トランスをモールド等により絶縁する構成が必須であり、電源装置の小型化及び軽量化が容易に実現できなかった。
【0004】
このような電源装置の小型化及び軽量化を実現するために、圧電トランスを用いて高電圧を発生させる電源装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
セラミックを素材である薄型かつ軽量の圧電トランスを用いることにより、電磁トランス以上の効率で高電圧を生成することが可能となる。また圧電トランスを用いることにより、電源装置の一次側と二次側の電極間の距離を離すことが可能となる。その結果、電磁トランスのように絶縁のためにモールド加工を施す必要がなくなる。従って圧電トランスを用いれば、電源装置を小型化及び軽量化が実現できる。
【0006】
なお、圧電トランスを用いて高電圧を出力する電源装置は、上記のような画像形成装置に限らず、高電圧を必要とする様々な装置に適用することが検討されている。
【0007】
このような圧電トランスを用いた電源装置を製造する場合に、圧電トランスの基板への取り付けの作業性を向上させ、製造コストが安価な構成が特許文献1に提案されている。特許文献2では、矩形箱状のケース内に縦姿勢で圧電トランスを収納し、圧電トランスの電極とプリント基板上のパターンを接続するために、ケースの端子と圧電トランスをリード線で接続され半田付けされている。
【0008】
また、特許文献2と類似の構成で、より組立て工数の低減、部材のコストダウンを実現した構成が特許文献3に提案されている。特許文献3には、矩形箱状のケース内に縦姿勢で圧電トランスを収納し、圧電トランスの電極とプリント基板上のパターンを接続するために、ケースの端子を導電性ゴムを介して圧電トランスと接続して導通させる。この構成によれば、組み立て工数を削減でき、かつコストダウンが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−206113号公報
【特許文献2】特開2006−108332号公報
【特許文献3】特開平10−74992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献3のような導電性の弾性部材としてゴムを用いた構成の場合、導電性ゴムの許容電流は、数百ミリアンペア(mA)であり、リード線のように数アンペア(A)程度の許容電流よりも大幅に許容電流が低い。そのため、上記のような直流の高電圧を出力する際に、電源の端子から圧電トランスの一次側の静電容量に電荷が充電された状態になり、その電荷が瞬時に引き抜かれてサージ電流が発生する。このサージ電流は上記の導電性ゴムを劣化させる要因となる。従って、高電圧を出力する毎にサージ電流によって導電性ゴムが劣化してしまう。
【0011】
これでは、例えば上記の画像形成装置のように、画像形成のために頻繁にかつ長期に高電圧を出力する装置に適用すると、導電性ゴムが劣化してしまい、長期間の使用に耐えることが困難である。また、このサージ電流は、導電性ゴムを劣化させるだけでなく、圧電トランスを駆動する駆動電圧のピーク値を低下させてしまう要因にもなる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための、本発明の電源は、圧電トランスと、前記圧電トランスを保持する保持部と、前記圧電トランスと保持部を接続する導電性ゴムと、前記圧電トランスの一次側に駆動電圧を供給する駆動部と、前記駆動部を駆動する信号を入力する駆動信号入力部と、前記駆動部からの駆動電圧に応じて前記圧電トランスの二次側から高電圧を出力する出力部と、前記駆動部と前記圧電トランスの一次側との間に設けられ、前記駆動部が駆動する際に生じるサージ電流を規制する電流規制部とを有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、記録材に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部に高電圧を出力する電源部とを有し、前記電源部は、圧電素子と、前記圧電トランスを保持する保持部と、前記圧電トランスと前記保持部を接続する導電性ゴムと、前記圧電トランスの一次側に駆動電圧を供給する駆動部と、前記駆動部を駆動する信号を入力する駆動信号入力部と、前記駆動部からの駆動電圧に応じて前記圧電トランスの二次側から高電圧を出力する出力部と、前記駆動部と前記圧電トランスの一次側との間に設けられ、前記駆動部が駆動する際に生じるサージ電流を規制する電流規制部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、ケースと圧電トランスを接続する導電性ゴムをサージ電流から保護し、かつ、サージ電流による圧電トランスの駆動電圧への影響を低減することが可能になる
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1の高圧電源の回路図
【図2】本発明の圧電トランスを用いた高圧電源の回路を駆動した際の電圧及び電流波形図
【図3】実施例2の高圧電源の回路図
【図4】実施例3に係る、圧電トランスを用いた高圧電源回路図
【図5】実施例4に係る、圧電トランスを用いた高圧電源回路図
【図6】本発明の前提となる圧電トランスを用いた高圧電源回路図
【図7】本発明の前提となる圧電トランスを用いた高圧電源回路を駆動した際の電圧及び電流波形図
【図8】本発明の前提となる圧電トランスを用いた高圧電源回路図
【図9】本発明の前提となる圧電トランスを用いた高圧電源回路を駆動した際の電圧及び電流波形図
【図10】本発明の電源が適用されるカラーレーザプリンタの構成図
【図11】圧電トランスを駆動する周波数と出力電圧の特性を表す図
【図12】圧電トランスの電極を導電性ゴムを使用してケースの電極と接続した場合の構成図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の前提となる圧電トランス用いて高電圧を出力する電源装置の構成及び動作について説明する。前提構成及び動作を説明した後に具体的な実施例について説明する。なお、以下に示す実施例は一例であって、この発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0017】
図6は、圧電トランスを用いて高電圧を出力する電源装置の前提構成を示している。なお、この前提構成は、前述したサージ電流に対する対策がなされる前の構成である。
【0018】
図6において、オペアンプ109の反転入力端子(−端子)に抵抗114を介して不図示のコントローラから出力されたアナログ信号である高圧出力制御信号(以降Vcontとする)が端子118から入力される。この抵抗114、オペアンプ109、コンデンサ113は出力電圧制御回路(積分回路)として機能する。
【0019】
オペアンプ109の非反転入力端子(+端子)には出力電圧(以降Voutとする)を抵抗105、106、107によって分圧した電圧が、コンデンサ115及び保護用抵抗108を介して入力される。オペアンプ109は反転入力端子(−端子)に入力されるVcontの電圧値と、Voutを抵抗105、106、107によって分圧した電圧が同じになるように出力端子から電圧を出力する。
【0020】
オペアンプ109の出力端子は電圧制御発振器VCO110(以降VCO110とする)に接続される。VCO110は、入力される電圧に応じてスイッチング素子111を駆動するための周波数信号を出力する駆動信号入力部として機能する発振器である。
【0021】
VCO110はオペアンプ109の出力電圧に応じた周波数でスイッチング素子111をスイッチングさせ圧電トランス101の一次側に電圧を供給する。なお、圧電トランス101の一次側には駆動信号を入力するための2つの電極(310)と、高電圧を出力するための1つの電極(311)が設けられている。
【0022】
ここで、圧電トランス101を駆動した場合の電圧信号及び電流信号の波形を図7に示す。なお本実施例では、図6のスイッチング素子111としてFETを使用している。以降スイッチング素子111をFET111として説明する。
【0023】
図7における各信号は、VCO110からFET111に入力された信号波形を(A)として示す。信号波形(A)はFET111への入力信号の一周期内においてオン状態(ゲート電圧が高い状態)をTonとして示している。なお入力信号の電圧値はVccよりも低いVgsである。
【0024】
FET111に入力された信号のt0、t1、t2、t3のタイミングに同期した電圧信号及び電流信号は次のとおりである。(D)は、FET111のドレイン電流Id、(C)は、インダクタ112に流れる電流IL、(B)は、ドレイン−ソース間電圧をVdsを示している。さらに、(E)は、共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量を合わせた容量に流れる電流Icを示す。
【0025】
FET111がオン状態のTon期間(t0〜t1の期間)において、電流ILとIdは一致している。これは、インダクタ112の電流が全てFET111に流れ込むことを示している。FET111がオフされると、電流Idは瞬時に零となる。それまでFET111に流れていたインダクタ電流ILは、共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量に流入し充電される。
【0026】
すると、FET111のドレイン−ソース間電圧Vdsは上昇を始める。FET111がオフした直後、Vdsの電圧値は急激に大きくなる。このようなVdsの電圧上昇は、インダクタ112と共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量のLC共振現象である。そして、このときの周波数fl0は次式(1)で表される。
【0027】
【数1】
【0028】
また、FET111がオン状態の期間(t0〜t1の期間)において、ドレイン電流Idpは次式で表される。
【0029】
【数2】
【0030】
ドレイン電流Idpによって、インダクタ112に蓄えられるエネルギーEは、インダクタ112の抵抗成分や配線抵抗などによる損失がゼロと考えれば、Vdsの電圧振幅値Vdspによって共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量に蓄えられるエネルギーEと等価である。したがって、次式(3)が成立する。
【0031】
【数3】
【0032】
これを電圧振幅値Vdspについて解くと、次式が成立する。
【0033】
【数4】
【0034】
ドレイン−ソース間電圧Vdspによって、t1〜t2まで共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量に電荷を充電し、t2〜t3間で共振コンデンサ116と前記圧電トランス101の一次側の静電容量に蓄えられた電荷を放電する。このとき、充電された電荷と放電される電荷は等価である。
【0035】
このLC電圧共振により、入力電圧としてフライバック電圧を生成し、圧電トランスの一次側に供給している。圧電トランス101は一次側に供給された入力電圧信号の駆動周波数に応じて振動し、二次側に圧電トランス101のサイズに応じた昇圧比で入力電圧を増幅した交流電圧を発生させる。発生した交流電圧はダイオード102、103及びコンデンサ104によって正の電圧に整流及び平滑された後、端子117から負荷に供給される。
【0036】
なお、電圧が供給される負荷としては、前述した画像形成装置の転写部材としての転写ローラである。なお、電圧が供給される対象としては画像形成装置における現像部、帯電部などの部材にも適用可能である。
【0037】
ここで、圧電トランス101の周波数と出力電圧の特性は、図11に示すような共振周波数f0において、出力電圧が最大電圧となるような裾広がりの特性となる。この特性は周波数を可変制御して出力電圧の制御が可能であることを示している。
【0038】
最大電圧が出力される共振周波数f0よりも高い駆動周波数で出力電圧の制御を行う場合は、圧電トランスの出力電圧を増加させるには駆動周波数を高い方から低い方へ変化させればよい。逆に、共振周波数f0よりも低い、駆動周波数で出力電圧の制御を行う場合は、駆動周波数を低い方から高い方へ変化させることになる。
【0039】
次に、このような圧電トランスを用いた電源装置において、前述したような導電性の弾性部材(導電性ゴム)を使用して保持部材であるケースの端子と圧電トランスとを接続する構成における、サージ電流の発生とサージ電流による導電性ゴムの劣化について説明する。
【0040】
なお、導電性ゴムを使用した圧電トランスの構成概略図を図12に示す。図12において、圧電トランス101(圧電素子101)には、駆動信号を入力する一次側に電極310、電圧を出力する二次側に電極311が設けられている。圧電トランス101(圧電素子101)は保持部材としてのケース316内に保持される。そして電極310とケース316の電極314とが導電性ゴム312で接続され、電極311とケース316の電極315とが導電性ゴム313で接続される構成となっている。
【0041】
このような構成において、圧電トランスを駆動する際に発生するサージ電流が導電性ゴムを劣化する要因となる。本例の構成では、導電性のゴム(弾性部材)として、シリコンゴムを母体として構成しシリコンゴム内に導電材として銀を混入したものを用いた。なお、シリコンゴムや導電材としての銀以外でも例えばカーボン等を混入したもの等、弾性及び導電性を有する部材を適宜選択可能である。
【0042】
以下にサージ電流の発生と導電性ゴムの劣化について説明する。
【0043】
電源装置がオンして、電源の端子から圧電トランスの一次側の静電容量に電荷が充電された状態になり、圧電トランスを駆動するFETに駆動信号が入力される。FETがオンした際に、圧電トランスの一次側の静電容量に充電された電荷が瞬時に引き抜かれるためサージ電流が発生する。このサージ電流は、数アンペア(A)程度であって導電性ゴムの許容電流(数百ミリアンペア)よりも大きいため、FETがオンする毎に導電性ゴムが劣化することになる。
【0044】
次に、サージ電流による圧電トランスの駆動電圧への影響について説明する。上述した図6を前提として、インダクタ112とFET111の接続点から抵抗120を介して共振コンデンサ116に接続する構成を図8示す。図8の電源装置における圧電トランスの駆動信号波形をそれぞれ図9に表す。
【0045】
圧電トランス101を駆動する駆動信号の1クロック(1clkとも表記する)目がFET111に入力され、FET111がオンした際に、圧電トランス101の一次側の静電容量に充電された電荷が瞬時に引き抜かれてサージ電流が発生する。このサージ電流は、抵抗120が制限抵抗となり低減する。
【0046】
図7(E)、図9(E)に示すように、圧電トランス101の一次側の静電容量に充電された電荷が瞬時に引き抜かれ発生するサージ電流は、Icp1>Icp2となり、低減することが分る。
【0047】
従って、FET111のドレインに流れるサージ電流はIdr1>Idr2となる。ただし、FET111がオフする際、インダクタ112に蓄えられたエネルギーは、抵抗120により損失されるため、インダクタ112に流れる電流ILl2は、図7(C)のILl1に比べて、ILl1>ILl2となり、ILの平均電流が低下することになる。したがって圧電トランス101の駆動電圧Vdsのピーク電圧がVdsp2(<Vdsp1)と低下してしまう。
【0048】
このようなサージ電流の発生によって生じる導電性ゴムの劣化、及び、駆動電圧の電圧振幅値の低下を抑制するための構成について、以下に実施例に基づき説明する。
【実施例1】
【0049】
以下、実施例1について説明する。但し、本実施例で説明する構成は一例であって、以下に説明する構成のみに限定される主旨のものではない。
【0050】
次に、実施例1における圧電トランスを用いて高電圧を出力する電源(以下高圧電源または高圧電源装置として説明する)の回路構成および駆動した際の電圧及び電流波形について図1、図2を参照して説明する。
【0051】
図1は実施例1の回路であり、直流電源の正極端子(Vcc)に接続されたインダクタ112と、前記インダクタ112と直流電源の負極端子(GND)間に直列接続されたスイッチング素子(以下FETと言う)111を有している。そして、インダクタ112とFET111の接続点から抵抗120を介して圧電トランス101に接続し、圧電トランス101のもう一方の端子を直流電源の負極端子(GND)に接続する。
【0052】
さらに、圧電トランス101に並列接続された共振コンデンサ116を接続すし、インダクタ112とFET111の直列に接続した接続点からダイオード119のアノードを接続し、カソードを圧電トランス101に接続する。
【0053】
本実施例の回路は、従来の回路構成(図6)と比べると、ダイオード119と抵抗120と共振コンデンサ116を新たに加えて構成した点が特徴である。このダイオード119と抵抗120、共振コンデンサ116の回路がサージ電流を抑制する電流抑制回路として機能する。また、インダクタ112、FET111、ダイオード119、抵抗120、共振コンデンサ116で構成された回路は圧電トランス101の駆動回路として機能する。
【0054】
このような電源装置の回路構成において、圧電トランス101は、前述したように導電性ゴムを使用してケースの端子と圧電トランスとを接続した構成である。さらに、直流電源がオンした後に圧電トランスを駆動する入力信号がFET111に入力される構成である。
【0055】
図2は本実施例1の回路を動作させた場合の電流及び電圧波形である。図2における各信号は図7、図9で説明した波形と対応する波形である。
【0056】
図7、図9と同様に、電圧制御発振器(VCO)110からFET111に入力された信号波形を(A)として示す。信号波形(A)はFET111への入力信号の一周期内においてオン状態(ゲート電圧が高い状態)をTonとして示している。なお入力信号の電圧値はVccよりも低いVgsである。
【0057】
FET111に入力された信号におけるt0、t1、t2、t3のタイミングに同期した電圧信号及び電流信号として(D)は、FET111のドレイン電流Id、(C)は、インダクタ112に流れる電流IL、(B)は、ドレイン−ソース間電圧をVdsを示している。さらに、(E)は、共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量を合わせた容量に流れる電流Icを示している。そして、(F)は、本実施例の回路で新たに加えた、ダイオード119に流れる電流ID、抵抗120に流れる電流IRを示している。
【0058】
FET111がオン状態のTon(t0〜t1の期間)において、ILとIdは略一致している。これは、インダクタ112の電流が全てFET111に流れ込むことを示している。FET111がオフされると、Idは瞬時に零となる(t1のタイミング)。
【0059】
それまでFET111に流れていたインダクタ電流ILは、共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量に流入して充電される。すると、FET111のドレイン−ソース間電圧Vdsは上昇を始める。FET111がオフした直後、ドレイン−ソース間電圧Vdsは大きく跳ね上がる(t1〜t2の期間)。このドレインーソース間電圧波形Vdsの周波数fl0は、前述した式(1)で示される。
【0060】
また、FET111が(追記)オン状態のTon(t0〜t1の期間)における、ドレイン電流Idpは前述した式(2)で示される。また、ドレイン−ソース間電圧Vdsは大きく跳ね上がった際(t1〜t2の期間)の電圧値は前述した式(3)で示される。
【0061】
ドレイン電流Idpによって、インダクタ112に蓄えられるエネルギーEは、インダクタ112の抵抗成分、配線抵抗などで損失される。しかし、それらの損失は微小であり無視することができる。
【0062】
さらに、ドレイン−ソース間電圧Vdsが上昇しダイオード119を動作させ共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量に電荷を充電する際、ダイオード119の損失電圧(Vfとする)がある。しかし、この損失電圧は、ドレイン−ソース間電圧の電圧振幅値Vdsp3≫Vfであり、圧電トランスを駆動するドレイン−ソース間電圧Vdsの実効電圧値としては影響を受けない。
【0063】
よって、ドレイン−ソース間電圧Vdsの電圧振幅値Vdsp3によって共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量に蓄えられるエネルギーEは等価である。したがって、前述した式(3)が成立する。そして、t2〜t3の期間で、共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量に蓄えられた電荷を抵抗120を介して放電させる。
【0064】
実施例1の回路構成により、電荷の充電をダイオード119を介して行い、従来構成と比較し前記圧電トランス101の駆動電圧Vdsに影響を与えることなく駆動が可能になる。さらに、FET111に駆動信号の1clk目が入力されてFET111がオンする際に発生するサージ電流に対し、抵抗120が制限抵抗として機能する。そのため、サージ電流は、Icp1(図7)>Icp3かつIdr1(図7)>Idr3となり、低減することができる。
【0065】
つまり、実施例1のダイオード119と抵抗120、共振コンデンサ116の回路がサージ電流を規制または抑制する電流規制回路(または電流抑制回路)として機能する。これにより、FET111及び圧電トランス101の導電性ゴムをサージ電流から保護して、その劣化を低減することができる。
【0066】
また、図8で示した抵抗120を設けた構成と比べると、FET111による電圧振幅値Vdsp3>Vdsp2(図8)となる。従って、FETの電圧振幅値の低減が発生しにくくなる。
【0067】
また、共振コンデンサ116は圧電トランスの一次側の静電容量と並列接続し、圧電トランス個体バラツキを相対的に低減する為と、圧電トランスの共振周波数近傍のフライバック電圧を所望の値にするために機能している。圧電トランスの個体バラツキが大きくなければ、この共振コンデンサ116を設けない回路構成であっても同様の効果を得ることが可能である。
【0068】
また、本実施例ではスイッチング素子111としてFETを使用したが、FETではなくバイポーラトランジスタを用いても同様に動作可能である。
【0069】
以上、本実施例によれば、導電性ゴムを使用してケースの端子と圧電トランスとを接続する構成の電源装置において、スイッチング素子をオンする際に発生するサージ電流から導電性ゴムを保護して、導電性ゴムの劣化を低減することが可能となる。また、本実施例によれば、スイッチング素子からの駆動電圧の振幅値の低下を軽減できる。
【0070】
次に、本実施例の高圧電源装置を電子写真方式の画像形成装置に適用する例を説明する。なお適用される画像形成装置としてはカラーレーザプリンタを一例として説明する。
【0071】
図10にカラーレーザプリンタの概略断面図を示す。図10において、カラーレーザプリンタ本体401は、402は記録材Pを収納する給紙部としての給紙カセット、403は給紙カセット402内の記録材Pの有無を検知する紙有無センサを有する。
【0072】
404は給紙カセット402から記録材32を供給する給紙ローラである。405は給紙ローラ404によって供給された記録材32を搬送する搬送ローラ、406は搬送ローラ405と対をなし記録材32の重送を防止するための分離ローラである。そして、搬送ローラ405の下流には記録材32を画像と同期して搬送するレジストローラ対407、レジストローラ対407への記録材32の搬送状態を検知するセンサ408が配設されている。
【0073】
また、レジストローラ対407の下流には、静電吸着搬送転写ベルト(以下ETBという)409が配設されている。このETB409は記録材32を静電的に吸着して搬送するものである。ETB409に対向して、後述する画像を形成するための4色(イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBk)のプロセスカートリッジ410Y、410M、410C、410Bkが設置される。
【0074】
さらに、レーザビームを各カートリッジの像担持体としての感光ドラムに照射するスキャナユニット420Y、420M、420C、420Bkが設けられている。このスキャナユニット及びプロセスカートリッジを含む画像形成部によって形成された各色の画像が、転写ローラ430Y、430M、430C、430Bkによって順次記録材に重ね合わされて転写されてカラー画像が形成される。
【0075】
その後、記録材32に転写されたカラー画像を熱と加圧力によって記録材に定着する定着部に搬送される、定着部は内部に加熱用のヒータ432を備えた定着ローラ433と加圧ローラ434から構成される。定着部の下流には、定着部からの記録材32を搬送するための、排紙ローラ対435、定着部からの搬送状態を検知する排紙センサ436が配設されている。
【0076】
また、各スキャナユニット420(420Y、420M、420C、420Bk)は、ビデオコントローラ440から送出される画像信号に基づいて変調されたレーザ光を発光するユニットである。各スキャナユニットは、レーザユニット421と、レーザユニット421からのレーザ光を感光ドラム305に走査するためのポリゴンミラー422、ポリゴンミラー422を回転するモータ423、結像レンズ群424より構成されている。なお各スキャナユニットの夫々は同様の構成になっている。
【0077】
図10では、レーザユニット421、ポリゴンミラー422、モータ423の夫々の末尾にY、M、C、Bkの符号をつけて示している。そして、前記各プロセスカートリッジ410には感光ドラム305(305Y、305M、305C、305Bk)、感光ドラム305を帯電する帯電ローラ303(303Y、303M、303C、303Bk)を有する。
【0078】
また、感光ドラム305に形成された静電潜像を現像する現像ローラ302(302Y、302M、302C、302Bk)と、トナー格納容器411(411Y、411M、411C、411Bk)を備えている。そして、各プロセスカートリッジはレーザプリンタ401本体に対して着脱可能に構成されている。
【0079】
なお、ビデオコントローラ440は、パーソナルコンピュータ等の外部装置441から送出される印字指示及び画像データを受け取り、受け取った画像データをビットマップデータに展開し、画像形成用の画像信号を生成する。
【0080】
また、201はレーザプリンタ401による画像形成動作を制御する制御部であるDCコントローラである。DCコントローラ201はRAM207a、ROM207b等を備えたMPU(マイクロコンピュータ)207、及び各種制御回路(不図示)等で構成されている。このDCコントローラによって前述した記録材の供給や画像形成動作を制御する。
【0081】
202は、前述した圧電トランスを用いた高電圧出力用の高圧電源である。高圧電源としては、各プロセスカートリッジ410に対応した帯電用の高圧電源(不図示)と、現像用の高圧電源(不図示)と、各転写ローラ430に対応した転写用の高圧電源を夫々有している。
【0082】
なお、画像形成装置の構成について、複数の感光ドラム(4つの感光ドラム)を用いて現像剤を多重転写する方式(タンデム方式とも言う)のカラー画像形成装置を例に説明した。しかしながら、高電圧(高圧バイアスとも言う)を用いた画像形成装置として、感光ドラムが1つで複数の現像装置を有する装置、また、中間転写体を用いた装置、モノクロ画像形成装置にも適用可能である。
【実施例2】
【0083】
次に、実施例2について図3に基づいて説明する。なお、上記の実施例1と重複する部分の説明は省略する。
【0084】
実施例2の回路構成は、図3に示すような接続関係になっている。具体的には、直流電源の正極端子(Vcc)に接続されたインダクタ112と、インダクタ112と直流電源の負極端子(GND)間に直列接続されたスイッチング素子111と、インダクタ112とスイッチング素子111の接続点から抵抗120を介して圧電トランス101に接続し、圧電トランスのもう一方の端子を直流電源の正極端子に接続する。
【0085】
さらに抵抗120と圧電トランス101の接続点から共振コンデンサ116を接続し、共振コンデンサ116のもう一方の端子を直流電源の負極端子に接続する。さらに、インダクタ112とスイッチング素子を直列に接続した接続点からダイオード119のアノードを接続し、カソードを圧電トランス101に接続する。
【0086】
なお、実施例2ではスイッチング素子111としてFETを使用している。以降はスイッチング素子111をFET111として説明する。
【0087】
このような高圧電源装置の回路構成であれば、実施例1と同様にサージ電流を低減することが可能である。つまり、圧電トランス駆動用のFET111がオンする際に、発生するサージ電流に対して、抵抗120が制限抵抗として機能してサージ電流が低減される。
【0088】
また、圧電トランス101の駆動電圧であるFETのドレイン−ソース間電圧Vdsに影響を与えないように、ダイオード119が動作するため、昇圧能力を低下させることなく圧電トランス101を駆動することができる。
【0089】
なお、実施例2で説明した回路構成は、実施例1の回路構成の変形例であり、回路動作は実施例1で示したものと同様(図2で示される動作)であるため説明を省略する。
【0090】
また、本実施例ではスイッチング素子111にFETを使用したが、FETではなくバイポーラトランジスタを使用しても同様に動作可能である。
【0091】
また、実施例1と同様に、共振コンデンサ116は圧電トランス101の一次側の静電容量と並列接続し、圧電トランスの個体バラツキを相対的に低減するためと、圧電トランスの共振周波数近傍のフライバック電圧を所望の値にするために機能している。なお、例えば圧電トランスの個体バラツキが大きくなければ、共振コンデンサ116を設けない回路構成であっても良い。
【0092】
以上、実施例2によれば、導電性ゴムを使用してケースの端子と圧電トランスとを接続する構成の電源装置において、スイッチング素子をオンする際に発生するサージ電流から導電性ゴムを保護して、導電性ゴムの劣化を低減することが可能となる。また、本実施例によれば、スイッチング素子からの駆動電圧の振幅値の低下を軽減できる。
【実施例3】
【0093】
次に、実施例3いついて図4に基づいて説明する。なお、上記の実施例1と重複する部分の説明は省略する。
【0094】
実施例3の回路構成は、図4に示すような接続関係になっている。具体的には、直流電源の正極端子(Vcc)に接続されたインダクタ112と、インダクタ112と直流電源の負極端子(GND)間に直列接続されたスイッチング素子111と、インダクタ112とスイッチング素子111の接続点から抵抗120を介して圧電トランス101を接続する。そして、圧電トランス101のもう一方の端子を直流電源の正極端子に接続する。
【0095】
さらに圧電トランス101に並列接続された共振コンデンサ116を直流電源の正極端子に接続し、インダクタ112とスイッチング素子111を直列に接続した接続点からダイオード119のアノードを接続し、カソードを圧電トランス101に接続する。なお、実施例3ではスイッチング素子111としてFETを使用している。以降はスイッチング素子111をFET111として説明する。
【0096】
このような高圧電源装置の回路構成であれば、実施例1と同様にサージ電流を低減することが可能である。つまり、FET111がオンする際に発生するサージ電流に対して、抵抗120が制限抵抗として機能してサージ電流を低減される。
【0097】
また、圧電トランス101の駆動電圧であるFET111のドレイン−ソース間電圧Vdsに影響を与えないように、ダイオード119を動作するため、昇圧能力を低下させることなく圧電トランス101を駆動することができる。
【0098】
また、実施例1と同様に、共振コンデンサ116は圧電トランス101の一次側の静電容量と並列接続し、圧電トランスの個体バラツキを相対的に低減するためと、圧電トランスの共振周波数近傍のフライバック電圧を所望の値にするために機能している。なお、例えば圧電トランスの個体バラツキが大きくなければ、共振コンデンサ116を設けない回路構成であっても良い。
【0099】
また、実施例3ではスイッチング素子111にFETを使用したが、FETではなくバイポーラトランジスタを使用しても同様(図2で示される動作)に動作可能である。
【0100】
以上、本実施例によれば、導電性ゴムを使用してケースの端子と圧電トランスとを接続する構成の電源装置において、スイッチング素子をオンする際に発生するサージ電流から導電性ゴムを保護して、導電性ゴムの劣化を低減することが可能となる。本実施例によれば、スイッチング素子からの駆動電圧の振幅値の低下を軽減できる。
【実施例4】
【0101】
次に、実施例4について図5に基づいて説明する。なお、上記の実施例1と重複する部分の説明は省略する。
【0102】
実施例4の回路構成は、図5に示すような接続関係である。具体的には、直流電源の正極端子に接続されたインダクタ112と、インダクタ112と直流電源の負極端子間に直列接続されたスイッチング素子111と、前記スイッチング素子111と前記直流電源の負極端子との接続点から抵抗120を介して圧電トランス101を接続する。
【0103】
さらに、圧電トランス101のもう一方の端子をインダクタ112とスイッチング素子111の接続点に接続し、圧電トランス101に並列接続された共振コンデンサ116を接続する。さらにスイッチング素子111と直流電源との接続点から整流素子のカソードを接続し、アノードを圧電トランス101に接続する。
【0104】
このような高圧電源装置の回路構成であれば、実施例1と同様に、FET111をオンした際に発生するサージ電流に対して、抵抗120が制限抵抗として機能してサージ電流が低減される。また、圧電トランス101の駆動電圧あるFET111のドレイン−ソース間電圧Vdsに影響を与えないように、ダイオード119が動作するため、昇圧能力を低下させることなく圧電トランス101を駆動することができる。
【0105】
また、実施例1と同様に、共振コンデンサ116は圧電トランス101の一次側の静電容量と並列接続し、圧電トランスの個体バラツキを相対的に低減するためと、圧電トランスの共振周波数近傍のフライバック電圧を所望の値にするために機能している。なお、例えば圧電トランスの個体バラツキが大きくなければ、共振コンデンサ116を設けない回路構成であっても良い。
【0106】
また、実施例4ではスイッチング素子111にFETを使用したが、FETではなくバイポーラトランジスタを使用しても同様に動作可能である。
【0107】
以上、本実施例によれば、導電性ゴムを使用してケースの端子と圧電トランスとを接続する構成の電源装置において、スイッチング素子をオンする際に発生するサージ電流から導電性ゴムを保護して、導電性ゴムの劣化を低減することが可能となる。本実施例によれば、スイッチング素子からの駆動電圧の振幅値の低下を軽減できる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電トランスを用いて高電圧を出力する電源に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、像担持体としての感光体に形成された画像を記録材に転写することによって記録材に画像を形成する。記録材に画像を転写するために、転写部材としての転写ローラに直流の高電圧を印加して、感光体に形成された画像を記録材に転写する。感光体に形成された画像を記録材に良好に転写するためには、数kV以上の高電圧を印加する必要がある。
【0003】
このような高電圧出力用の電源装置として、従来から巻線式の電磁トランスを使用している。しかし、電磁トランスは、銅線,ボビン,磁芯で構成されており、電子写真方式の画像形成装置に用いる場合は、高電圧を出力する際の電磁トランスからの漏れ電流をできるだけ少なくする必要がある。そのため、電磁トランスをモールド等により絶縁する構成が必須であり、電源装置の小型化及び軽量化が容易に実現できなかった。
【0004】
このような電源装置の小型化及び軽量化を実現するために、圧電トランスを用いて高電圧を発生させる電源装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
セラミックを素材である薄型かつ軽量の圧電トランスを用いることにより、電磁トランス以上の効率で高電圧を生成することが可能となる。また圧電トランスを用いることにより、電源装置の一次側と二次側の電極間の距離を離すことが可能となる。その結果、電磁トランスのように絶縁のためにモールド加工を施す必要がなくなる。従って圧電トランスを用いれば、電源装置を小型化及び軽量化が実現できる。
【0006】
なお、圧電トランスを用いて高電圧を出力する電源装置は、上記のような画像形成装置に限らず、高電圧を必要とする様々な装置に適用することが検討されている。
【0007】
このような圧電トランスを用いた電源装置を製造する場合に、圧電トランスの基板への取り付けの作業性を向上させ、製造コストが安価な構成が特許文献1に提案されている。特許文献2では、矩形箱状のケース内に縦姿勢で圧電トランスを収納し、圧電トランスの電極とプリント基板上のパターンを接続するために、ケースの端子と圧電トランスをリード線で接続され半田付けされている。
【0008】
また、特許文献2と類似の構成で、より組立て工数の低減、部材のコストダウンを実現した構成が特許文献3に提案されている。特許文献3には、矩形箱状のケース内に縦姿勢で圧電トランスを収納し、圧電トランスの電極とプリント基板上のパターンを接続するために、ケースの端子を導電性ゴムを介して圧電トランスと接続して導通させる。この構成によれば、組み立て工数を削減でき、かつコストダウンが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−206113号公報
【特許文献2】特開2006−108332号公報
【特許文献3】特開平10−74992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献3のような導電性の弾性部材としてゴムを用いた構成の場合、導電性ゴムの許容電流は、数百ミリアンペア(mA)であり、リード線のように数アンペア(A)程度の許容電流よりも大幅に許容電流が低い。そのため、上記のような直流の高電圧を出力する際に、電源の端子から圧電トランスの一次側の静電容量に電荷が充電された状態になり、その電荷が瞬時に引き抜かれてサージ電流が発生する。このサージ電流は上記の導電性ゴムを劣化させる要因となる。従って、高電圧を出力する毎にサージ電流によって導電性ゴムが劣化してしまう。
【0011】
これでは、例えば上記の画像形成装置のように、画像形成のために頻繁にかつ長期に高電圧を出力する装置に適用すると、導電性ゴムが劣化してしまい、長期間の使用に耐えることが困難である。また、このサージ電流は、導電性ゴムを劣化させるだけでなく、圧電トランスを駆動する駆動電圧のピーク値を低下させてしまう要因にもなる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための、本発明の電源は、圧電トランスと、前記圧電トランスを保持する保持部と、前記圧電トランスと保持部を接続する導電性ゴムと、前記圧電トランスの一次側に駆動電圧を供給する駆動部と、前記駆動部を駆動する信号を入力する駆動信号入力部と、前記駆動部からの駆動電圧に応じて前記圧電トランスの二次側から高電圧を出力する出力部と、前記駆動部と前記圧電トランスの一次側との間に設けられ、前記駆動部が駆動する際に生じるサージ電流を規制する電流規制部とを有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、記録材に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部に高電圧を出力する電源部とを有し、前記電源部は、圧電素子と、前記圧電トランスを保持する保持部と、前記圧電トランスと前記保持部を接続する導電性ゴムと、前記圧電トランスの一次側に駆動電圧を供給する駆動部と、前記駆動部を駆動する信号を入力する駆動信号入力部と、前記駆動部からの駆動電圧に応じて前記圧電トランスの二次側から高電圧を出力する出力部と、前記駆動部と前記圧電トランスの一次側との間に設けられ、前記駆動部が駆動する際に生じるサージ電流を規制する電流規制部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、ケースと圧電トランスを接続する導電性ゴムをサージ電流から保護し、かつ、サージ電流による圧電トランスの駆動電圧への影響を低減することが可能になる
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1の高圧電源の回路図
【図2】本発明の圧電トランスを用いた高圧電源の回路を駆動した際の電圧及び電流波形図
【図3】実施例2の高圧電源の回路図
【図4】実施例3に係る、圧電トランスを用いた高圧電源回路図
【図5】実施例4に係る、圧電トランスを用いた高圧電源回路図
【図6】本発明の前提となる圧電トランスを用いた高圧電源回路図
【図7】本発明の前提となる圧電トランスを用いた高圧電源回路を駆動した際の電圧及び電流波形図
【図8】本発明の前提となる圧電トランスを用いた高圧電源回路図
【図9】本発明の前提となる圧電トランスを用いた高圧電源回路を駆動した際の電圧及び電流波形図
【図10】本発明の電源が適用されるカラーレーザプリンタの構成図
【図11】圧電トランスを駆動する周波数と出力電圧の特性を表す図
【図12】圧電トランスの電極を導電性ゴムを使用してケースの電極と接続した場合の構成図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の前提となる圧電トランス用いて高電圧を出力する電源装置の構成及び動作について説明する。前提構成及び動作を説明した後に具体的な実施例について説明する。なお、以下に示す実施例は一例であって、この発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0017】
図6は、圧電トランスを用いて高電圧を出力する電源装置の前提構成を示している。なお、この前提構成は、前述したサージ電流に対する対策がなされる前の構成である。
【0018】
図6において、オペアンプ109の反転入力端子(−端子)に抵抗114を介して不図示のコントローラから出力されたアナログ信号である高圧出力制御信号(以降Vcontとする)が端子118から入力される。この抵抗114、オペアンプ109、コンデンサ113は出力電圧制御回路(積分回路)として機能する。
【0019】
オペアンプ109の非反転入力端子(+端子)には出力電圧(以降Voutとする)を抵抗105、106、107によって分圧した電圧が、コンデンサ115及び保護用抵抗108を介して入力される。オペアンプ109は反転入力端子(−端子)に入力されるVcontの電圧値と、Voutを抵抗105、106、107によって分圧した電圧が同じになるように出力端子から電圧を出力する。
【0020】
オペアンプ109の出力端子は電圧制御発振器VCO110(以降VCO110とする)に接続される。VCO110は、入力される電圧に応じてスイッチング素子111を駆動するための周波数信号を出力する駆動信号入力部として機能する発振器である。
【0021】
VCO110はオペアンプ109の出力電圧に応じた周波数でスイッチング素子111をスイッチングさせ圧電トランス101の一次側に電圧を供給する。なお、圧電トランス101の一次側には駆動信号を入力するための2つの電極(310)と、高電圧を出力するための1つの電極(311)が設けられている。
【0022】
ここで、圧電トランス101を駆動した場合の電圧信号及び電流信号の波形を図7に示す。なお本実施例では、図6のスイッチング素子111としてFETを使用している。以降スイッチング素子111をFET111として説明する。
【0023】
図7における各信号は、VCO110からFET111に入力された信号波形を(A)として示す。信号波形(A)はFET111への入力信号の一周期内においてオン状態(ゲート電圧が高い状態)をTonとして示している。なお入力信号の電圧値はVccよりも低いVgsである。
【0024】
FET111に入力された信号のt0、t1、t2、t3のタイミングに同期した電圧信号及び電流信号は次のとおりである。(D)は、FET111のドレイン電流Id、(C)は、インダクタ112に流れる電流IL、(B)は、ドレイン−ソース間電圧をVdsを示している。さらに、(E)は、共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量を合わせた容量に流れる電流Icを示す。
【0025】
FET111がオン状態のTon期間(t0〜t1の期間)において、電流ILとIdは一致している。これは、インダクタ112の電流が全てFET111に流れ込むことを示している。FET111がオフされると、電流Idは瞬時に零となる。それまでFET111に流れていたインダクタ電流ILは、共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量に流入し充電される。
【0026】
すると、FET111のドレイン−ソース間電圧Vdsは上昇を始める。FET111がオフした直後、Vdsの電圧値は急激に大きくなる。このようなVdsの電圧上昇は、インダクタ112と共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量のLC共振現象である。そして、このときの周波数fl0は次式(1)で表される。
【0027】
【数1】
【0028】
また、FET111がオン状態の期間(t0〜t1の期間)において、ドレイン電流Idpは次式で表される。
【0029】
【数2】
【0030】
ドレイン電流Idpによって、インダクタ112に蓄えられるエネルギーEは、インダクタ112の抵抗成分や配線抵抗などによる損失がゼロと考えれば、Vdsの電圧振幅値Vdspによって共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量に蓄えられるエネルギーEと等価である。したがって、次式(3)が成立する。
【0031】
【数3】
【0032】
これを電圧振幅値Vdspについて解くと、次式が成立する。
【0033】
【数4】
【0034】
ドレイン−ソース間電圧Vdspによって、t1〜t2まで共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量に電荷を充電し、t2〜t3間で共振コンデンサ116と前記圧電トランス101の一次側の静電容量に蓄えられた電荷を放電する。このとき、充電された電荷と放電される電荷は等価である。
【0035】
このLC電圧共振により、入力電圧としてフライバック電圧を生成し、圧電トランスの一次側に供給している。圧電トランス101は一次側に供給された入力電圧信号の駆動周波数に応じて振動し、二次側に圧電トランス101のサイズに応じた昇圧比で入力電圧を増幅した交流電圧を発生させる。発生した交流電圧はダイオード102、103及びコンデンサ104によって正の電圧に整流及び平滑された後、端子117から負荷に供給される。
【0036】
なお、電圧が供給される負荷としては、前述した画像形成装置の転写部材としての転写ローラである。なお、電圧が供給される対象としては画像形成装置における現像部、帯電部などの部材にも適用可能である。
【0037】
ここで、圧電トランス101の周波数と出力電圧の特性は、図11に示すような共振周波数f0において、出力電圧が最大電圧となるような裾広がりの特性となる。この特性は周波数を可変制御して出力電圧の制御が可能であることを示している。
【0038】
最大電圧が出力される共振周波数f0よりも高い駆動周波数で出力電圧の制御を行う場合は、圧電トランスの出力電圧を増加させるには駆動周波数を高い方から低い方へ変化させればよい。逆に、共振周波数f0よりも低い、駆動周波数で出力電圧の制御を行う場合は、駆動周波数を低い方から高い方へ変化させることになる。
【0039】
次に、このような圧電トランスを用いた電源装置において、前述したような導電性の弾性部材(導電性ゴム)を使用して保持部材であるケースの端子と圧電トランスとを接続する構成における、サージ電流の発生とサージ電流による導電性ゴムの劣化について説明する。
【0040】
なお、導電性ゴムを使用した圧電トランスの構成概略図を図12に示す。図12において、圧電トランス101(圧電素子101)には、駆動信号を入力する一次側に電極310、電圧を出力する二次側に電極311が設けられている。圧電トランス101(圧電素子101)は保持部材としてのケース316内に保持される。そして電極310とケース316の電極314とが導電性ゴム312で接続され、電極311とケース316の電極315とが導電性ゴム313で接続される構成となっている。
【0041】
このような構成において、圧電トランスを駆動する際に発生するサージ電流が導電性ゴムを劣化する要因となる。本例の構成では、導電性のゴム(弾性部材)として、シリコンゴムを母体として構成しシリコンゴム内に導電材として銀を混入したものを用いた。なお、シリコンゴムや導電材としての銀以外でも例えばカーボン等を混入したもの等、弾性及び導電性を有する部材を適宜選択可能である。
【0042】
以下にサージ電流の発生と導電性ゴムの劣化について説明する。
【0043】
電源装置がオンして、電源の端子から圧電トランスの一次側の静電容量に電荷が充電された状態になり、圧電トランスを駆動するFETに駆動信号が入力される。FETがオンした際に、圧電トランスの一次側の静電容量に充電された電荷が瞬時に引き抜かれるためサージ電流が発生する。このサージ電流は、数アンペア(A)程度であって導電性ゴムの許容電流(数百ミリアンペア)よりも大きいため、FETがオンする毎に導電性ゴムが劣化することになる。
【0044】
次に、サージ電流による圧電トランスの駆動電圧への影響について説明する。上述した図6を前提として、インダクタ112とFET111の接続点から抵抗120を介して共振コンデンサ116に接続する構成を図8示す。図8の電源装置における圧電トランスの駆動信号波形をそれぞれ図9に表す。
【0045】
圧電トランス101を駆動する駆動信号の1クロック(1clkとも表記する)目がFET111に入力され、FET111がオンした際に、圧電トランス101の一次側の静電容量に充電された電荷が瞬時に引き抜かれてサージ電流が発生する。このサージ電流は、抵抗120が制限抵抗となり低減する。
【0046】
図7(E)、図9(E)に示すように、圧電トランス101の一次側の静電容量に充電された電荷が瞬時に引き抜かれ発生するサージ電流は、Icp1>Icp2となり、低減することが分る。
【0047】
従って、FET111のドレインに流れるサージ電流はIdr1>Idr2となる。ただし、FET111がオフする際、インダクタ112に蓄えられたエネルギーは、抵抗120により損失されるため、インダクタ112に流れる電流ILl2は、図7(C)のILl1に比べて、ILl1>ILl2となり、ILの平均電流が低下することになる。したがって圧電トランス101の駆動電圧Vdsのピーク電圧がVdsp2(<Vdsp1)と低下してしまう。
【0048】
このようなサージ電流の発生によって生じる導電性ゴムの劣化、及び、駆動電圧の電圧振幅値の低下を抑制するための構成について、以下に実施例に基づき説明する。
【実施例1】
【0049】
以下、実施例1について説明する。但し、本実施例で説明する構成は一例であって、以下に説明する構成のみに限定される主旨のものではない。
【0050】
次に、実施例1における圧電トランスを用いて高電圧を出力する電源(以下高圧電源または高圧電源装置として説明する)の回路構成および駆動した際の電圧及び電流波形について図1、図2を参照して説明する。
【0051】
図1は実施例1の回路であり、直流電源の正極端子(Vcc)に接続されたインダクタ112と、前記インダクタ112と直流電源の負極端子(GND)間に直列接続されたスイッチング素子(以下FETと言う)111を有している。そして、インダクタ112とFET111の接続点から抵抗120を介して圧電トランス101に接続し、圧電トランス101のもう一方の端子を直流電源の負極端子(GND)に接続する。
【0052】
さらに、圧電トランス101に並列接続された共振コンデンサ116を接続すし、インダクタ112とFET111の直列に接続した接続点からダイオード119のアノードを接続し、カソードを圧電トランス101に接続する。
【0053】
本実施例の回路は、従来の回路構成(図6)と比べると、ダイオード119と抵抗120と共振コンデンサ116を新たに加えて構成した点が特徴である。このダイオード119と抵抗120、共振コンデンサ116の回路がサージ電流を抑制する電流抑制回路として機能する。また、インダクタ112、FET111、ダイオード119、抵抗120、共振コンデンサ116で構成された回路は圧電トランス101の駆動回路として機能する。
【0054】
このような電源装置の回路構成において、圧電トランス101は、前述したように導電性ゴムを使用してケースの端子と圧電トランスとを接続した構成である。さらに、直流電源がオンした後に圧電トランスを駆動する入力信号がFET111に入力される構成である。
【0055】
図2は本実施例1の回路を動作させた場合の電流及び電圧波形である。図2における各信号は図7、図9で説明した波形と対応する波形である。
【0056】
図7、図9と同様に、電圧制御発振器(VCO)110からFET111に入力された信号波形を(A)として示す。信号波形(A)はFET111への入力信号の一周期内においてオン状態(ゲート電圧が高い状態)をTonとして示している。なお入力信号の電圧値はVccよりも低いVgsである。
【0057】
FET111に入力された信号におけるt0、t1、t2、t3のタイミングに同期した電圧信号及び電流信号として(D)は、FET111のドレイン電流Id、(C)は、インダクタ112に流れる電流IL、(B)は、ドレイン−ソース間電圧をVdsを示している。さらに、(E)は、共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量を合わせた容量に流れる電流Icを示している。そして、(F)は、本実施例の回路で新たに加えた、ダイオード119に流れる電流ID、抵抗120に流れる電流IRを示している。
【0058】
FET111がオン状態のTon(t0〜t1の期間)において、ILとIdは略一致している。これは、インダクタ112の電流が全てFET111に流れ込むことを示している。FET111がオフされると、Idは瞬時に零となる(t1のタイミング)。
【0059】
それまでFET111に流れていたインダクタ電流ILは、共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量に流入して充電される。すると、FET111のドレイン−ソース間電圧Vdsは上昇を始める。FET111がオフした直後、ドレイン−ソース間電圧Vdsは大きく跳ね上がる(t1〜t2の期間)。このドレインーソース間電圧波形Vdsの周波数fl0は、前述した式(1)で示される。
【0060】
また、FET111が(追記)オン状態のTon(t0〜t1の期間)における、ドレイン電流Idpは前述した式(2)で示される。また、ドレイン−ソース間電圧Vdsは大きく跳ね上がった際(t1〜t2の期間)の電圧値は前述した式(3)で示される。
【0061】
ドレイン電流Idpによって、インダクタ112に蓄えられるエネルギーEは、インダクタ112の抵抗成分、配線抵抗などで損失される。しかし、それらの損失は微小であり無視することができる。
【0062】
さらに、ドレイン−ソース間電圧Vdsが上昇しダイオード119を動作させ共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量に電荷を充電する際、ダイオード119の損失電圧(Vfとする)がある。しかし、この損失電圧は、ドレイン−ソース間電圧の電圧振幅値Vdsp3≫Vfであり、圧電トランスを駆動するドレイン−ソース間電圧Vdsの実効電圧値としては影響を受けない。
【0063】
よって、ドレイン−ソース間電圧Vdsの電圧振幅値Vdsp3によって共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量に蓄えられるエネルギーEは等価である。したがって、前述した式(3)が成立する。そして、t2〜t3の期間で、共振コンデンサ116と圧電トランス101の一次側の静電容量に蓄えられた電荷を抵抗120を介して放電させる。
【0064】
実施例1の回路構成により、電荷の充電をダイオード119を介して行い、従来構成と比較し前記圧電トランス101の駆動電圧Vdsに影響を与えることなく駆動が可能になる。さらに、FET111に駆動信号の1clk目が入力されてFET111がオンする際に発生するサージ電流に対し、抵抗120が制限抵抗として機能する。そのため、サージ電流は、Icp1(図7)>Icp3かつIdr1(図7)>Idr3となり、低減することができる。
【0065】
つまり、実施例1のダイオード119と抵抗120、共振コンデンサ116の回路がサージ電流を規制または抑制する電流規制回路(または電流抑制回路)として機能する。これにより、FET111及び圧電トランス101の導電性ゴムをサージ電流から保護して、その劣化を低減することができる。
【0066】
また、図8で示した抵抗120を設けた構成と比べると、FET111による電圧振幅値Vdsp3>Vdsp2(図8)となる。従って、FETの電圧振幅値の低減が発生しにくくなる。
【0067】
また、共振コンデンサ116は圧電トランスの一次側の静電容量と並列接続し、圧電トランス個体バラツキを相対的に低減する為と、圧電トランスの共振周波数近傍のフライバック電圧を所望の値にするために機能している。圧電トランスの個体バラツキが大きくなければ、この共振コンデンサ116を設けない回路構成であっても同様の効果を得ることが可能である。
【0068】
また、本実施例ではスイッチング素子111としてFETを使用したが、FETではなくバイポーラトランジスタを用いても同様に動作可能である。
【0069】
以上、本実施例によれば、導電性ゴムを使用してケースの端子と圧電トランスとを接続する構成の電源装置において、スイッチング素子をオンする際に発生するサージ電流から導電性ゴムを保護して、導電性ゴムの劣化を低減することが可能となる。また、本実施例によれば、スイッチング素子からの駆動電圧の振幅値の低下を軽減できる。
【0070】
次に、本実施例の高圧電源装置を電子写真方式の画像形成装置に適用する例を説明する。なお適用される画像形成装置としてはカラーレーザプリンタを一例として説明する。
【0071】
図10にカラーレーザプリンタの概略断面図を示す。図10において、カラーレーザプリンタ本体401は、402は記録材Pを収納する給紙部としての給紙カセット、403は給紙カセット402内の記録材Pの有無を検知する紙有無センサを有する。
【0072】
404は給紙カセット402から記録材32を供給する給紙ローラである。405は給紙ローラ404によって供給された記録材32を搬送する搬送ローラ、406は搬送ローラ405と対をなし記録材32の重送を防止するための分離ローラである。そして、搬送ローラ405の下流には記録材32を画像と同期して搬送するレジストローラ対407、レジストローラ対407への記録材32の搬送状態を検知するセンサ408が配設されている。
【0073】
また、レジストローラ対407の下流には、静電吸着搬送転写ベルト(以下ETBという)409が配設されている。このETB409は記録材32を静電的に吸着して搬送するものである。ETB409に対向して、後述する画像を形成するための4色(イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBk)のプロセスカートリッジ410Y、410M、410C、410Bkが設置される。
【0074】
さらに、レーザビームを各カートリッジの像担持体としての感光ドラムに照射するスキャナユニット420Y、420M、420C、420Bkが設けられている。このスキャナユニット及びプロセスカートリッジを含む画像形成部によって形成された各色の画像が、転写ローラ430Y、430M、430C、430Bkによって順次記録材に重ね合わされて転写されてカラー画像が形成される。
【0075】
その後、記録材32に転写されたカラー画像を熱と加圧力によって記録材に定着する定着部に搬送される、定着部は内部に加熱用のヒータ432を備えた定着ローラ433と加圧ローラ434から構成される。定着部の下流には、定着部からの記録材32を搬送するための、排紙ローラ対435、定着部からの搬送状態を検知する排紙センサ436が配設されている。
【0076】
また、各スキャナユニット420(420Y、420M、420C、420Bk)は、ビデオコントローラ440から送出される画像信号に基づいて変調されたレーザ光を発光するユニットである。各スキャナユニットは、レーザユニット421と、レーザユニット421からのレーザ光を感光ドラム305に走査するためのポリゴンミラー422、ポリゴンミラー422を回転するモータ423、結像レンズ群424より構成されている。なお各スキャナユニットの夫々は同様の構成になっている。
【0077】
図10では、レーザユニット421、ポリゴンミラー422、モータ423の夫々の末尾にY、M、C、Bkの符号をつけて示している。そして、前記各プロセスカートリッジ410には感光ドラム305(305Y、305M、305C、305Bk)、感光ドラム305を帯電する帯電ローラ303(303Y、303M、303C、303Bk)を有する。
【0078】
また、感光ドラム305に形成された静電潜像を現像する現像ローラ302(302Y、302M、302C、302Bk)と、トナー格納容器411(411Y、411M、411C、411Bk)を備えている。そして、各プロセスカートリッジはレーザプリンタ401本体に対して着脱可能に構成されている。
【0079】
なお、ビデオコントローラ440は、パーソナルコンピュータ等の外部装置441から送出される印字指示及び画像データを受け取り、受け取った画像データをビットマップデータに展開し、画像形成用の画像信号を生成する。
【0080】
また、201はレーザプリンタ401による画像形成動作を制御する制御部であるDCコントローラである。DCコントローラ201はRAM207a、ROM207b等を備えたMPU(マイクロコンピュータ)207、及び各種制御回路(不図示)等で構成されている。このDCコントローラによって前述した記録材の供給や画像形成動作を制御する。
【0081】
202は、前述した圧電トランスを用いた高電圧出力用の高圧電源である。高圧電源としては、各プロセスカートリッジ410に対応した帯電用の高圧電源(不図示)と、現像用の高圧電源(不図示)と、各転写ローラ430に対応した転写用の高圧電源を夫々有している。
【0082】
なお、画像形成装置の構成について、複数の感光ドラム(4つの感光ドラム)を用いて現像剤を多重転写する方式(タンデム方式とも言う)のカラー画像形成装置を例に説明した。しかしながら、高電圧(高圧バイアスとも言う)を用いた画像形成装置として、感光ドラムが1つで複数の現像装置を有する装置、また、中間転写体を用いた装置、モノクロ画像形成装置にも適用可能である。
【実施例2】
【0083】
次に、実施例2について図3に基づいて説明する。なお、上記の実施例1と重複する部分の説明は省略する。
【0084】
実施例2の回路構成は、図3に示すような接続関係になっている。具体的には、直流電源の正極端子(Vcc)に接続されたインダクタ112と、インダクタ112と直流電源の負極端子(GND)間に直列接続されたスイッチング素子111と、インダクタ112とスイッチング素子111の接続点から抵抗120を介して圧電トランス101に接続し、圧電トランスのもう一方の端子を直流電源の正極端子に接続する。
【0085】
さらに抵抗120と圧電トランス101の接続点から共振コンデンサ116を接続し、共振コンデンサ116のもう一方の端子を直流電源の負極端子に接続する。さらに、インダクタ112とスイッチング素子を直列に接続した接続点からダイオード119のアノードを接続し、カソードを圧電トランス101に接続する。
【0086】
なお、実施例2ではスイッチング素子111としてFETを使用している。以降はスイッチング素子111をFET111として説明する。
【0087】
このような高圧電源装置の回路構成であれば、実施例1と同様にサージ電流を低減することが可能である。つまり、圧電トランス駆動用のFET111がオンする際に、発生するサージ電流に対して、抵抗120が制限抵抗として機能してサージ電流が低減される。
【0088】
また、圧電トランス101の駆動電圧であるFETのドレイン−ソース間電圧Vdsに影響を与えないように、ダイオード119が動作するため、昇圧能力を低下させることなく圧電トランス101を駆動することができる。
【0089】
なお、実施例2で説明した回路構成は、実施例1の回路構成の変形例であり、回路動作は実施例1で示したものと同様(図2で示される動作)であるため説明を省略する。
【0090】
また、本実施例ではスイッチング素子111にFETを使用したが、FETではなくバイポーラトランジスタを使用しても同様に動作可能である。
【0091】
また、実施例1と同様に、共振コンデンサ116は圧電トランス101の一次側の静電容量と並列接続し、圧電トランスの個体バラツキを相対的に低減するためと、圧電トランスの共振周波数近傍のフライバック電圧を所望の値にするために機能している。なお、例えば圧電トランスの個体バラツキが大きくなければ、共振コンデンサ116を設けない回路構成であっても良い。
【0092】
以上、実施例2によれば、導電性ゴムを使用してケースの端子と圧電トランスとを接続する構成の電源装置において、スイッチング素子をオンする際に発生するサージ電流から導電性ゴムを保護して、導電性ゴムの劣化を低減することが可能となる。また、本実施例によれば、スイッチング素子からの駆動電圧の振幅値の低下を軽減できる。
【実施例3】
【0093】
次に、実施例3いついて図4に基づいて説明する。なお、上記の実施例1と重複する部分の説明は省略する。
【0094】
実施例3の回路構成は、図4に示すような接続関係になっている。具体的には、直流電源の正極端子(Vcc)に接続されたインダクタ112と、インダクタ112と直流電源の負極端子(GND)間に直列接続されたスイッチング素子111と、インダクタ112とスイッチング素子111の接続点から抵抗120を介して圧電トランス101を接続する。そして、圧電トランス101のもう一方の端子を直流電源の正極端子に接続する。
【0095】
さらに圧電トランス101に並列接続された共振コンデンサ116を直流電源の正極端子に接続し、インダクタ112とスイッチング素子111を直列に接続した接続点からダイオード119のアノードを接続し、カソードを圧電トランス101に接続する。なお、実施例3ではスイッチング素子111としてFETを使用している。以降はスイッチング素子111をFET111として説明する。
【0096】
このような高圧電源装置の回路構成であれば、実施例1と同様にサージ電流を低減することが可能である。つまり、FET111がオンする際に発生するサージ電流に対して、抵抗120が制限抵抗として機能してサージ電流を低減される。
【0097】
また、圧電トランス101の駆動電圧であるFET111のドレイン−ソース間電圧Vdsに影響を与えないように、ダイオード119を動作するため、昇圧能力を低下させることなく圧電トランス101を駆動することができる。
【0098】
また、実施例1と同様に、共振コンデンサ116は圧電トランス101の一次側の静電容量と並列接続し、圧電トランスの個体バラツキを相対的に低減するためと、圧電トランスの共振周波数近傍のフライバック電圧を所望の値にするために機能している。なお、例えば圧電トランスの個体バラツキが大きくなければ、共振コンデンサ116を設けない回路構成であっても良い。
【0099】
また、実施例3ではスイッチング素子111にFETを使用したが、FETではなくバイポーラトランジスタを使用しても同様(図2で示される動作)に動作可能である。
【0100】
以上、本実施例によれば、導電性ゴムを使用してケースの端子と圧電トランスとを接続する構成の電源装置において、スイッチング素子をオンする際に発生するサージ電流から導電性ゴムを保護して、導電性ゴムの劣化を低減することが可能となる。本実施例によれば、スイッチング素子からの駆動電圧の振幅値の低下を軽減できる。
【実施例4】
【0101】
次に、実施例4について図5に基づいて説明する。なお、上記の実施例1と重複する部分の説明は省略する。
【0102】
実施例4の回路構成は、図5に示すような接続関係である。具体的には、直流電源の正極端子に接続されたインダクタ112と、インダクタ112と直流電源の負極端子間に直列接続されたスイッチング素子111と、前記スイッチング素子111と前記直流電源の負極端子との接続点から抵抗120を介して圧電トランス101を接続する。
【0103】
さらに、圧電トランス101のもう一方の端子をインダクタ112とスイッチング素子111の接続点に接続し、圧電トランス101に並列接続された共振コンデンサ116を接続する。さらにスイッチング素子111と直流電源との接続点から整流素子のカソードを接続し、アノードを圧電トランス101に接続する。
【0104】
このような高圧電源装置の回路構成であれば、実施例1と同様に、FET111をオンした際に発生するサージ電流に対して、抵抗120が制限抵抗として機能してサージ電流が低減される。また、圧電トランス101の駆動電圧あるFET111のドレイン−ソース間電圧Vdsに影響を与えないように、ダイオード119が動作するため、昇圧能力を低下させることなく圧電トランス101を駆動することができる。
【0105】
また、実施例1と同様に、共振コンデンサ116は圧電トランス101の一次側の静電容量と並列接続し、圧電トランスの個体バラツキを相対的に低減するためと、圧電トランスの共振周波数近傍のフライバック電圧を所望の値にするために機能している。なお、例えば圧電トランスの個体バラツキが大きくなければ、共振コンデンサ116を設けない回路構成であっても良い。
【0106】
また、実施例4ではスイッチング素子111にFETを使用したが、FETではなくバイポーラトランジスタを使用しても同様に動作可能である。
【0107】
以上、本実施例によれば、導電性ゴムを使用してケースの端子と圧電トランスとを接続する構成の電源装置において、スイッチング素子をオンする際に発生するサージ電流から導電性ゴムを保護して、導電性ゴムの劣化を低減することが可能となる。本実施例によれば、スイッチング素子からの駆動電圧の振幅値の低下を軽減できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電トランスと、
前記圧電トランスを保持する保持部と、
前記圧電トランスと保持部を接続する導電性ゴムと、
前記圧電トランスの一次側に駆動電圧を供給する駆動部と、
前記駆動部を駆動する信号を入力する駆動信号入力部と、
前記駆動部からの駆動電圧に応じて前記圧電トランスの二次側から高電圧を出力する出力部と、
前記駆動部と前記圧電トランスの一次側との間に設けられ、前記駆動部が駆動する際に生じるサージ電流を規制する電流規制部と
を有することを特徴とする電源。
【請求項2】
前記電流規制部は、抵抗とダイオードから構成され、
前記抵抗と前記ダイオードが、前記駆動部と前記圧電トランスの一次側との間に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電源。
【請求項3】
前記駆動部は、インダクタと、前記インダクタと直列に接続されたスイッチング素子とを有し、
前記ダイオードのアノードが前記インダクタと前記スイッチング素子の接続点に接続され、前記ダイオードのカソードが前記圧電トランスの一次側に接続され、前記抵抗が前記ダイオードに並列に接続されることを特徴とする請求項2に記載の電源。
【請求項4】
更に、前記ダイオードのカソードと前記圧電トランスの一次側との間にコンデンサを接続することを特徴とする請求項3に記載の電源。
【請求項5】
前記駆動部は、電圧が供給される端子に接続されたインダクタと、前記インダクタと直列に接続されたスイッチング素子とを有し、
前記端子と前記圧電トランスの一次側の第1の電極とが接続され、前記ダイオードのアノードが前記インダクタと前記スイッチング素子の接続点に接続され、前記ダイオードのカソードが前記圧電トランスの一次側の第2の電極に接続され、前記抵抗が前記ダイオードに並列に接続されることを特徴とする請求項2に記載の電源。
【請求項6】
更に、前記第1の電極と前記スイッチング素子のグランド側の接続点との間にコンデンサを接続することを特徴とする請求項5に記載の電源。
【請求項7】
更に、前記第1の電極と前記第2の電極との間にコンデンサを接続することを特徴とする請求項5に記載の電源。
【請求項8】
前記駆動手段は、電圧が供給される端子に接続されたインダクタと、前記インダクタと直列に接続されたスイッチング素子とを有し、
前記インダクタと前記スイッチング素子の接続点と前記圧電トランスの一次側の第1の電極とが接続され、
前記スイッチング素子のグランド側と前記ダイオードのカソードとが接続され、
前記ダイオードのアノードが前記圧電トランスの一次側の第2の電極に接続され、前記抵抗が前記ダイオードに並列に接続されることを特徴とする請求項2に記載の電源。
【請求項9】
更に、前記圧電トランスの第1の電極と第2の電極との間に並列にコンデンサを接続することを特徴とする請求項5記載の電源。
【請求項10】
記録材に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に高電圧を出力する電源部と、を有し、
前記電源部は、
圧電素子と、
前記圧電トランスを保持する保持部と、
前記圧電トランスと前記保持部を接続する導電性ゴムと、
前記圧電トランスの一次側に駆動電圧を供給する駆動部と、
前記駆動部を駆動する信号を入力する駆動信号入力部と、
前記駆動部からの駆動電圧に応じて前記圧電トランスの二次側から高電圧を出力する出力部と、
前記駆動部と前記圧電トランスの一次側との間に設けられ、前記駆動部が駆動する際に生じるサージ電流を規制する電流規制部と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成部は、像担持体と、前記像担持体に形成された潜像を現像する現像部と、前記像担持体に現像された画像を記録材に転写する転写部とを備え、
前記電源部から出力される高電圧が前記現像部、または、前記転写部に供給されることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項1】
圧電トランスと、
前記圧電トランスを保持する保持部と、
前記圧電トランスと保持部を接続する導電性ゴムと、
前記圧電トランスの一次側に駆動電圧を供給する駆動部と、
前記駆動部を駆動する信号を入力する駆動信号入力部と、
前記駆動部からの駆動電圧に応じて前記圧電トランスの二次側から高電圧を出力する出力部と、
前記駆動部と前記圧電トランスの一次側との間に設けられ、前記駆動部が駆動する際に生じるサージ電流を規制する電流規制部と
を有することを特徴とする電源。
【請求項2】
前記電流規制部は、抵抗とダイオードから構成され、
前記抵抗と前記ダイオードが、前記駆動部と前記圧電トランスの一次側との間に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電源。
【請求項3】
前記駆動部は、インダクタと、前記インダクタと直列に接続されたスイッチング素子とを有し、
前記ダイオードのアノードが前記インダクタと前記スイッチング素子の接続点に接続され、前記ダイオードのカソードが前記圧電トランスの一次側に接続され、前記抵抗が前記ダイオードに並列に接続されることを特徴とする請求項2に記載の電源。
【請求項4】
更に、前記ダイオードのカソードと前記圧電トランスの一次側との間にコンデンサを接続することを特徴とする請求項3に記載の電源。
【請求項5】
前記駆動部は、電圧が供給される端子に接続されたインダクタと、前記インダクタと直列に接続されたスイッチング素子とを有し、
前記端子と前記圧電トランスの一次側の第1の電極とが接続され、前記ダイオードのアノードが前記インダクタと前記スイッチング素子の接続点に接続され、前記ダイオードのカソードが前記圧電トランスの一次側の第2の電極に接続され、前記抵抗が前記ダイオードに並列に接続されることを特徴とする請求項2に記載の電源。
【請求項6】
更に、前記第1の電極と前記スイッチング素子のグランド側の接続点との間にコンデンサを接続することを特徴とする請求項5に記載の電源。
【請求項7】
更に、前記第1の電極と前記第2の電極との間にコンデンサを接続することを特徴とする請求項5に記載の電源。
【請求項8】
前記駆動手段は、電圧が供給される端子に接続されたインダクタと、前記インダクタと直列に接続されたスイッチング素子とを有し、
前記インダクタと前記スイッチング素子の接続点と前記圧電トランスの一次側の第1の電極とが接続され、
前記スイッチング素子のグランド側と前記ダイオードのカソードとが接続され、
前記ダイオードのアノードが前記圧電トランスの一次側の第2の電極に接続され、前記抵抗が前記ダイオードに並列に接続されることを特徴とする請求項2に記載の電源。
【請求項9】
更に、前記圧電トランスの第1の電極と第2の電極との間に並列にコンデンサを接続することを特徴とする請求項5記載の電源。
【請求項10】
記録材に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に高電圧を出力する電源部と、を有し、
前記電源部は、
圧電素子と、
前記圧電トランスを保持する保持部と、
前記圧電トランスと前記保持部を接続する導電性ゴムと、
前記圧電トランスの一次側に駆動電圧を供給する駆動部と、
前記駆動部を駆動する信号を入力する駆動信号入力部と、
前記駆動部からの駆動電圧に応じて前記圧電トランスの二次側から高電圧を出力する出力部と、
前記駆動部と前記圧電トランスの一次側との間に設けられ、前記駆動部が駆動する際に生じるサージ電流を規制する電流規制部と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成部は、像担持体と、前記像担持体に形成された潜像を現像する現像部と、前記像担持体に現像された画像を記録材に転写する転写部とを備え、
前記電源部から出力される高電圧が前記現像部、または、前記転写部に供給されることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−158149(P2010−158149A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255226(P2009−255226)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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