説明

電源装置及び画像形成装置

【課題】感電、負荷の破損、負荷の誤動作の防止を図り、電源装置の安全性の向上を図ること。
【解決手段】外部電源から入力される電圧を整流する整流回路部22と、整流回路部の出力電圧を平滑化する平滑コンデンサ23と、平滑コンデンサにより平滑化された電圧を所定電圧に変換して負荷に供給するDC/DC変換部24と、整流回路部への電圧の入力の有無を検出してAC検出信号を出力するAC検出部21と、DC/DC変換部と負荷との間に介在された出力制御スイッチ25と、外部から負荷が省電力モードであるか否かを示す省電力信号及びAC検出部からAC検出信号が入力され、省電力信号が省電力モードであることを示し、且つ、AC検出信号が整流回路部への電圧の入力が無いことを示した場合には、出力制御スイッチを閉じてDC/DC変換部から負荷へ電圧を供給させる出力制御部26と、を備える電源装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商用電源等の外部電源から入力される交流電圧を、整流器、平滑コンデンサ、DC/DCコンバータからなる電源装置が知られている。
このような電源装置において、外部電源から入力される交流電圧の入力が停止した場合には、平滑コンデンサの蓄積電荷の放出が終わるまで、電源装置から負荷への電圧供給が継続される。そのため、平滑コンデンサの放電が終了するまでは、感電する恐れあり危険である。
【0003】
そこで、整流器と、コンデンサと、整流器及びコンデンサによって平滑化された電圧を直流に変換して出力する定電圧制御部と、を備えた直流安定化電源装置において、外部からの入力電圧の供給が停止した後でも、コンデンサが蓄えた電荷を定電圧制御部に供給する供給装置20を備え、外部からの入力電圧の供給が停止しても、所定時間は定電圧制御部の動作が継続させることにより、コンデンサに残留した電荷を低下させる技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−10626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、電源装置内に、コンデンサに蓄えられた電荷を定電圧制御部に消費させるための回路(供給装置)を備える必要がある。また、先行文献1では、外部からの入力電圧の供給が停止した後も定電圧制御部が動作し続けるため、直流安定化電源からの電力供給を受ける負荷は、外部からの入力電圧の供給が停止する前と同様の状態で動作し、感電や誤動作が発生するおそれがあり危険である。
【0006】
更に、電源装置から各負荷への供給している電圧値が定格値である場合(通常モード)において、外部からの入力電圧の供給が停止したタイミングから瞬断規定や出力保持時間規定により定められた時間が経過するまでは、各負荷へ供給される電圧値を定格値で維持しなくてはならない。そのため、負荷の増加に伴って、容量の大きいコンデンサが必要となっている。
【0007】
しかし、電源装置から電圧が供給されない省電力モードの負荷がある場合には、電源装置から出力される電圧値が非常に小さいのに対しコンデンサ容量が大きいため、外部電源からの電圧の入力が停止したときからコンデンサに残留した電荷が消費されるまでの期間が、通常モードよりも非常に長くなるという問題が生じる。
従って、外部電源からの電圧の入力を停止する電源スイッチをOFFしたユーザが、負荷を触れてしまうと、短絡放電によってユーザが感電したり、負荷が破損したり、負荷が誤動作する等の危険な問題が発生するおそれがある。
【0008】
本発明の課題は、上記問題に鑑みて、電源装置から電圧が入力される負荷が省電力モードの場合において、電源装置への入力電圧の供給が停止された場合での、電源装置の安全性の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、外部電源から入力される電圧を整流する整流部と、前記整流部の出力電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサにより平滑化された電圧を所定電圧に変換して負荷に供給する電圧変換部と、前記整流部への電圧の入力の有無を検出して検出信号を出力する検出部と、前記電圧変換部と前記負荷との間に介在された開閉スイッチと、外部から前記負荷が省電力モードであるか否かを示す省電力信号及び前記検出部から前記検出信号が入力され、前記省電力信号が省電力モードであることを示し、且つ、前記検出信号が前記整流部への電圧の入力が無いことを示した場合には、前記開閉スイッチを閉じて前記電圧変換部から前記負荷へ電圧を供給させる出力制御部と、を備えること、を特徴とする電源装置である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、外部電源から供給される電圧を電源とする電源装置と、前記電源装置から電圧が供給される特定の負荷を含む複数の負荷と、当該特定の負荷の動作を制御する状態制御部と、を備えた画像形成装置において、前記状態制御部は、前記特定の負荷が省電力モードであるか否かを示す省電力信号を前記電源装置に出力し、前記電源装置は、前記外部電源から入力される電圧を整流する整流部と、前記整流部の出力電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサにより平滑化された電圧を所定電圧に変換して前記特定の負荷に供給する電圧変換部と、前記整流部への電圧の入力の有無を検出して検出信号を出力する検出部と、前記電圧変換部と前記特定の負荷との間に介在された開閉スイッチと、前記状態制御部から入力される前記省電力信号及び前記検出部から入力される前記検出信号に基づいて、前記省電力信号が省電力モードであることを示し、且つ、前記検出信号が前記整流部への電圧の入力が無いことを示した場合には前記開閉スイッチを閉じて前記電圧変換部から前記特定の負荷へ電圧を供給させる出力制御部と、を有すること、を特徴とする画像形成装置である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記状態制御部は、前記検出部から前記検出信号が入力され、前記特定の負荷が省電力モードであり、且つ、前記検出信号が前記整流部への電圧の入力が無いことを示している場合には、前記特定の負荷の動作をリセットするリセット信号を前記特定の負荷へ出力すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、負荷が省電力モード、且つ、検出信号が整流部への電圧入力が無い場合、開閉スイッチを閉じて電圧変換部から負荷へ電圧を供給にすることができるため、負荷に電圧を供給して平滑コンデンサに残留した電荷を消費することができ、平滑コンデンサに残留した電荷が消費されるまでの期間が長くなることを防ぐことができる。従って、大幅のコストアップをせずに、感電、負荷の破損、負荷の誤動作を防止でき、電源装置の安全性の向上を図ることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、特定の負荷が省電力モード、且つ、検出信号が整流部への電圧入力が無い場合、開閉スイッチを閉じて電圧変換部から特定の負荷へ電圧を供給にすることができるため、特定の負荷に電圧を供給して平滑コンデンサに残留した電荷を消費することができ、平滑コンデンサに残留した電荷が消費されるまでの期間が長くなることを防ぐことができる。従って、大幅のコストアップをせずに、感電、負荷の破損、負荷の誤動作を防止でき、電源装置の安全性の向上を図ることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2と同様の効果を得られるのは勿論のこと、リセット状態の特定の負荷に電圧を供給してコンデンサに残留した電荷を消費することができるため、コンデンサに残留した電荷が消費されるまでの期間、他の負荷や周辺部材への動作影響を防止して安全性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態1における画像形成装置内に設けられた電源装置の概略構成図である。
【図2】出力制御部で実行される動作のフローチャートである。
【図3】(a)は第1負荷が通常モードの場合のタイムチャートの例を示す図、(b)は第1負荷が省電力モードの場合のタイムチャートの例を示す図である。
【図4】実施の形態2における画像形成装置内に設けられた電源装置の概略構成図である。
【図5】状態制御部で実行される動作のフローチャートである。
【図6】第2負荷が省電力モードの場合のタイムチャートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔実施の形態1〕
以下、図を参照して本発明の実施の形態1を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態1における画像形成装置1内に設けられた電源装置2の概略構成を示す。
【0017】
本実施の形態1における画像形成装置1は、原稿に書かれた文字や記号等のテキストデータ、図形や描画等のイメージデータ、写真等データ等の画像を画像データとして取得し、取得した画像データを用紙に画像形成するコピー機能や、パーソナルコンピュータの外部装置等から画像データを取得し、画像データが表す画像を用紙上に形成して出力するプリンタ機能等を備えたデジタル複合機である。
【0018】
画像形成装置1は、画像形成装置の各部を統括的に制御する本体制御部、各種画面を表示したりユーザからの入力指示を受け付けたりする操作表示部、画像データを読み取る画像読取部、画像データに対して各種処理を施す画像処理部、画像データを保存する画像メモリ、画像データに基づいて用紙上に画像を形成するプリント部、プリント部内の各種ローラやファンを動作させるモータを駆動する駆動部、外部装置との通信を行う通信部等により構成され、各部は電気的に各種データを送受信可能な構成となっており、各種電源装置から各部に適した電圧値の電力供給を受けている。
【0019】
図1に示す電源装置2は、状態制御部10と第1負荷11とに対して電力を供給するものである。
【0020】
第1負荷11は、画像形成装置1を構成する各部が備える複数の負荷のうち、省電力モードを含む複数のモードのうちいずれか一つのモードで動作し、省電力モードの場合には電源装置2からの電圧の供給が停止される特定の負荷である。更に、第1負荷11は、通電時における動作により直接的に他の負荷へ動作影響を与えないものである。
【0021】
第1負荷11としては、例えば、操作表示部が備えるLCD(Liquid Crystal Display)の液晶回路部、プリント部が備える感光体ドラム上に書き込まれた静電潜像を消去するイレーサランプ、駆動部が備える各種冷却ファンを駆動するモータや用紙搬送経路上の用紙の送りローラのモータ等である。
【0022】
省電力モードとは、第1負荷11が予め設定された電圧値(定格電圧値)で動作するモード(通常モード)よりも低い電圧値で動作するモードである。省電力モードしては、例えば、スリープモード、ローパワーモード等が含まれる。また、副電源スイッチ10aからの指示信号により、第1負荷11への電圧の供給が停止された場合も省電力モードとする。
【0023】
副電源スイッチ10aは、操作表示部等に設けられ、状態制御部10と電気的に接続されており、後述する出力制御スイッチ25の開閉状態を切り替える指示信号を出力する。
【0024】
状態制御部10は、複数のモードに応じて第1負荷11の動作を制御するものであり、第1負荷11が省電力モードであるか否かを示す省電力信号を電源装置2に出力する。なお、状態制御部10は、例えば、本体制御部又は各部が備えるコントローラ等である。
【0025】
電源装置2は、商用電源等の外部電源から交流電圧が入力され、当該交流電圧を直流電圧に変換して画像形成装置1内の各種負荷に出力するものである。電源装置2は、図1に示すように、AC(alternating current)検出部21と、整流回路部22と、平滑コンデンサ23と、DC/DC変換部24と、出力制御スイッチ25と、出力制御部26と、第1供給路L1と、第2供給路L2とを備えている。
【0026】
AC検出部21は、外部電源から整流回路部22へ電圧が入力される配線上に設けられており、外部電源から整流回路部22へ入力される交流電圧(又は、交流電流)を検出する。そして、AC検出部21は、外部電源から整流回路部22への電圧の入力の有無を示す検出信号(AC検出信号)を出力制御部26へ出力し、検出部として機能する。
【0027】
整流回路部22は、外部電源から入力される交流電圧を整流して出力する回路であり、整流部として機能する。例えば、例えばダイオードブリッジ等を用いて構成される。
【0028】
平滑コンデンサ23は、整流回路部22とDC/DC変換部24との間の配線L0上の接続点Pの位置で一端部が接続され他端部が接地するように設けられており、整流回路部22により出力される電圧を平滑化するコンデンサである。平滑コンデンサ23は、平滑化を行う際に充電される。
【0029】
DC/DC変換部24は、配線L0における平滑コンデンサ23の接続点Pと状態制御部10及び第1負荷11との間の配線に挿入接続されており、配線L0を介して入力される平滑化された電圧を状態制御部10及び第1負荷11において必要とされる所定電圧(例えば、+5V)に変換して出力する回路であり、電圧変換部として機能する。
【0030】
第1供給路L1は、DC/DC変換部24から出力される電圧を出力制御スイッチ25を介して第1負荷11へ出力する第1の経路である。第2供給路L2は、DC/DC変換部24から出力される電圧を状態制御部10へ出力する第2の経路である。
【0031】
出力制御スイッチ25は、DC/DC変換部24と第1負荷11との間の第1供給路L1に介在されており、出力制御部26からの指示に従って開閉し、DC/DC変換部24から第1負荷11への電圧を供給状態又は遮断状態に切り替える開閉スイッチとして機能する。
本実施の形態1では、出力制御スイッチ25がONの場合にはDC/DC変換部24から第1負荷11への電圧が供給状態であり、OFFの場合にはDC/DC変換部24から第1負荷11への電圧が遮断状態となるものとする。
【0032】
出力制御部26は、AC検出部21から入力されるAC検出信号、及び、状態制御部10から入力される省電力信号に基づいて、出力制御スイッチ25を切り替える。本実施の形態1の出力制御部26は、省電力信号が第1負荷11が省電力モードであることを示し、かつ、AC検出信号が整流回路部22への電圧の入力がないことを示した場合には、出力制御スイッチ25を閉じて(ONに切り替え)、DC/DC変換部24から第1負荷11への電圧を供給させる。
出力制御部26は、スイッチング回路等を用いたハードウエア、又はソフトウェアで構成される。
【0033】
図2に、出力制御部26で実行される動作のフローチャートを示す。
まず、外部電源から電源装置2に交流電圧が入力され(AC入力ON)、AC検出部21が交流電圧を検出すると、AC検出部21から出力されるAC検出信号が外部電源から整流回路部22への電圧の入力があることを示すONとなり、当該AC検出信号が出力制御部26に入力される。
【0034】
出力制御部26は、AC検出部21から入力されるAC検出信号がONになると(ステップS1)、状態制御部10から入力される省電力信号が省電力モードであることを示しているか否かを判別する(ステップS2)。
【0035】
出力制御部26は、省電力信号が省電力モードであることを示している場合(ステップS2;YES)、出力制御スイッチ25を開いてOFFにし(ステップS3)、省電力信号が省電力モードであることを示していない場合(ステップS2;NO)、出力制御スイッチ25を閉じてONにする(ステップS4)。
【0036】
ステップS3又はステップS4後、出力制御部26は、AC検出信号がOFFか否か、即ち、外部電源から整流回路部22への電圧の入力がないことを示しているか否かを判別する(ステップS5)。AC検出信号がOFFでない場合(即ち、AC検出信号がONの場合)(ステップS5;NO)、出力制御部26は、ステップS2の処理に戻る。
【0037】
AC検出信号がOFFの場合(ステップS5;YES)、出力制御部26は、状態制御部10から入力される省電力信号が省電力モードであることを示しているか否かを判別する(ステップS6)。
【0038】
省電力信号が省電力モードであることを示していない場合(ステップS6;NO)、出力制御部26は、本処理を終了する。省電力信号が省電力モードであることを示している場合(ステップS6;YES)、出力制御部26は、出力制御スイッチ25を閉じてONに切り替え(ステップS7)、本処理を終了する。
【0039】
図3に、本実施の形態1におけるタイムチャートの例を示す。
図3(a)に、第1負荷が通常モードの場合のタイムチャートの例を示し、図3(b)に、第1負荷が省電力モードの場合のタイムチャートの例を示す。
図3には、AC検出信号、状態制御部10へ出力される第2供給路の出力電圧、出力制御スイッチ、第1負荷11へ出力される第1供給路の出力電圧の動作状態の例を示す。
【0040】
図3(a)に示すように、通常モードの場合、外部電源から整流回路部22へ電圧が入力されAC検出信号がON状態である場合には、出力制御スイッチがON状態となり、状態制御部10及び第1負荷11にそれぞれ電圧が供給されている(状態制御部への出力電圧=ON、第1負荷への出力電圧=ON)。このとき、外部電源からの電圧の入力が停止されAC検出信号がOFFになっても、出力制御スイッチがON状態を保つので、状態制御部10及び第1負荷11へは、平滑コンデンサ23に残留した電荷によって規定時間電圧が供給され、規定時間経過後に、状態制御部10及び第1負荷11への電圧の供給が停止される(状態制御部への出力電圧=OFF、第1負荷への出力電圧=OFF)。
【0041】
図3(b)に示すように、省電力モードの場合、外部電源から整流回路部22へ電圧が入力されAC検出信号がON状態である場合には、出力制御スイッチがOFF状態となるため、状態制御部10のみへ電圧が供給され、第1負荷11へは電圧が供給されない(状態制御部への出力電圧=ON、第1負荷への出力電圧=OFF)。
このとき、外部電源からの電圧の入力が停止されAC検出信号がOFFになると、出力制御スイッチが閉じてOFFからON状態に切り替わるため、状態制御部10及び第1負荷11へは、平滑コンデンサに残留した電荷によって規定時間電圧が供給され(状態制御部への出力電圧=ON、第1負荷への出力電圧=ON)、規定時間経過後に、状態制御部10及び第1負荷11への電圧の供給が停止される(状態制御部への出力電圧=OFF、第1負荷への出力電圧=OFF)。
【0042】
以上のように、本実施の形態1によれば、外部電源からの電圧の入力が停止された場合、第1負荷11がDC/DC変換部24からの電圧の供給が停止される省電力モードの場合であっても、出力制御スイッチ25が閉じられて第1負荷11へ電圧を供給することができる。
そのため、外部電源からの電圧の入力が停止された場合、第1負荷11が省電力モードの場合であっても、状態制御部10及び第1負荷11によって平滑コンデンサ23に残留した電荷を消費させることができ、平滑コンデンサに残留した電荷が消費されるまでの期間が、通常モードよりも非常に長くなることを防ぐことができる。
従って、電源装置内に平滑コンデンサの残留電荷を放出するための装置を設けずとも、感電、負荷の破損、負荷の誤動作を防止でき、電源装置の安全性の向上を図ることができる。
【0043】
また、第1負荷11が、通電時において当該第1負荷11の動作により直接的に画像形成装置内の他の負荷へ動作影響を与えないものであることにより、平滑コンデンサ23に残留した電荷が消費されるまでの期間、他の負荷の動作影響を与えずに当該第1負荷11に電圧が供給でき、安全性を確保できる。
【0044】
〔実施の形態2〕
以下、図を参照して本発明の実施の形態2を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図4に、本実施の形態2における画像形成装置3内に設けられた電源装置4の概略構成を示す。なお、図4に示す画像形成装置3、電源装置4において、図1に示す画像形成装置1、電源装置2と同様の部分には同様の符号を付し、説明は省略する。
【0045】
図4に示す電源装置4は、状態制御部30と第2負荷31とに対して電力を供給するものである。
【0046】
第2負荷31は、画像形成装置3を構成する各部が備える複数の負荷のうち、省電力モードを含む複数のモードのうちいずれか一つのモードで動作し、省電力モードの場合には電源装置4からの電圧の供給が停止される特定の負荷である。更に、第2負荷31は、通電時には、他の負荷や周辺部材に作用して動作させたり、誤動作してエラーを発生したりするおそれがあるものであり、他の負荷や周辺部材への動作影響を防止するために、省電力モード中はリセット状態を保つ必要があるものである。
なお、省電力モードについては、実施の形態1と同様であるため、説明は省略する。
【0047】
第2負荷31としては、例えば、画像形成装置3内の各部を起動させるためのプログラムを格納するメモリや、当該メモリ内のプログラムを実行する演算処理部等であり、例えば、本体制御部内の不揮発メモリやCPU等である。また、画像形成装置3がファクシミリ通信機能を備えている場合には、ファクシミリ通信用のデータを蓄積するメモリや、当該メモリを制御するメモリ制御部等である。
【0048】
リセット状態とは、第2負荷31が演算処理部の場合には、メモリ内のプログラムの実行を強制終了する状態である。また、第2負荷31がメモリ制御部の場合には、メモリへのデータの書き込み動作、読み出し動作を強制終了する状態である。第2負荷31がプログラムやデータを格納するメモリである場合には、当該メモリにプログラムの展開、データの書き込み、データの読み出しが不可となる状態である。
【0049】
状態制御部30は、複数のモードに応じて第2負荷31の動作を制御するものであり、第2負荷31が省電力モードであるか否かを示す省電力信号を電源装置4に出力する。また、状態制御部30は、AC検出部41からAC検出信号が入力される。状態制御部30は、第2負荷31が省電力モードで動作しており、且つ、AC検出信号が外部電源から整流回路部22への電圧の入力がないことを示した場合、第2負荷31に対して当該第2負荷の動作をリセットするリセット信号を出力する。
なお、状態制御部30は、例えば、本体制御部又は各部が備えるコントローラ等である。
【0050】
電源装置4は、商用電源等の外部電源から交流電圧が入力され、当該交流電圧を直流電圧に変換して画像形成装置3内の各種負荷に出力するものである。電源装置4は、図4に示すように、AC検出部41と、整流回路部22と、平滑コンデンサ23と、DC/DC変換部24と、出力制御スイッチ25と、出力制御部26と、第1供給路L1と、第2供給路L2とを備えている。
【0051】
AC検出部41は、外部電源から整流回路部22への電圧が入力される配線上に設けられており、外部電源から整流回路部22へ入力される交流電圧(又は、交流電流)を検出する。そして、AC検出部41は、外部電源から整流回路部22への電圧の入力の有無を示す検出信号(AC検出信号)を出力制御部26と状態制御部30とへ出力し、検出部として機能する。
【0052】
整流回路部22、平滑コンデンサ23、DC/DC変換部24、出力制御スイッチ25、出力制御部26、第1供給路L1、第2供給路L2は、実施の形態1と同様であるから、説明は省略する。
また、本実施の形態2における出力制御部26で実行される動作フローも、実施の形態1の図2に示す動作フローと同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0053】
図5に、状態制御部30で実行される動作のフローチャートを示す。
状態制御部30は、AC検出部41から入力されるAC検出信号がOFFか否か、即ち、外部電源から整流回路部22への電圧の入力がないことを示しているか否かを判別する(ステップS11)。AC検出信号がOFFでない場合(即ち、AC検出信号がONの場合)(ステップS11;NO)、状態制御部30は、本処理を終了する。
【0054】
AC検出信号がOFFの場合(ステップS11;YES)、状態制御部30は、第2負荷が省電力モードか否かを判別する(ステップS12)。第2負荷が省電力モードではない場合(ステップS12;NO)、状態制御部30は、本処理を終了する。
【0055】
第2負荷が省電力モードの場合(ステップS12;YES)、状態制御部30は、リセット信号を第2負荷に出力し(ステップS13)、本処理を終了する。
【0056】
図6に、本実施の形態2における第2負荷が省電力モードの場合のタイムチャートの例を示す。なお、第2負荷が通常モードの場合のタイムチャートは、実施の形態1での第1負荷が通常モードの場合のタイムチャート(図3(a)参照)と同様であるため、図示及び説明は省略する。
図6には、AC検出信号、状態制御部30へ出力される第2供給路の出力電圧、出力制御スイッチ、第2負荷31へ出力される第1供給路の出力電圧、リセット信号の動作例を示す。
【0057】
図6に示すように、省電力モードの場合、外部電源から整流回路部22へ電圧が入力されAC検出信号がON状態である場合には、出力制御スイッチがOFF状態となるため、状態制御部30のみへ電圧が供給され、第2負荷31には電圧が供給されない(状態制御部への出力電圧=ON、第2負荷への出力電圧=OFF)。
このとき、外部電源からの電圧の入力が停止されAC検出信号がOFFになると、出力制御スイッチが閉じてOFFからON状態に切り替わるため、状態制御部30及び第2負荷31へは、平滑コンデンサに残留した電荷によって規定時間電圧が供給され(状態制御部への出力電圧=ON、第2負荷への出力電圧=ON)、規定時間経過後に、状態制御部30及び第2負荷31への電圧の供給が停止される(状態制御部への出力電圧=OFF、第2負荷への出力電圧=OFF)。
【0058】
また、外部電源からの電圧の入力が停止されAC検出信号がOFFになると、リセット信号が出力され(リセット信号=ON)、第2負荷31がリセット状態となり、第2負荷31は、平滑コンデンサからの電圧の供給を受けて通電してもリセット状態を保つこととなる。
【0059】
以上のように、本実施の形態2によれば、外部電源からの電圧の入力が停止された場合、第2負荷31がDC/DC変換部24からの電圧の供給が停止される省電力モードの場合であっても、出力制御スイッチ25が閉じられてリセット状態の第2負荷31へ電圧を供給することができる。
そのため、外部電源からの電圧の入力が停止された場合、第2負荷31が省電力モードの場合であっても、状態制御部30及びリセット状態となった第2負荷31によって平滑コンデンサ23に残留した電荷を消費させることができ、平滑コンデンサに残留した電荷が消費されるまでの期間が、通常モードよりも非常に長くなることを防ぐことができる。
また、このコンデンサに残留した電荷が消費されるまでの期間は、第2負荷31による他の負荷や周辺部材への動作影響を防止して安全性を確保できる。
従って、電源装置内に平滑コンデンサの残留電荷を放出するための装置を設けずとも、感電、負荷の破損、負荷の誤動作を防止でき、電源装置の安全性の向上を図ることができる。
【0060】
また、本発明は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1、3 画像形成装置
2、4 電源装置
10、30 状態制御部
10a 副電源スイッチ
11 第1負荷
21、41 AC検出部
22 整流回路部
23 平滑コンデンサ
24 DC/DC変換部
25 出力制御スイッチ
26 出力制御部
31 第2負荷
L1 第1供給路
L2 第2供給路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から入力される電圧を整流する整流部と、
前記整流部の出力電圧を平滑化する平滑コンデンサと、
前記平滑コンデンサにより平滑化された電圧を所定電圧に変換して負荷に供給する電圧変換部と、
前記整流部への電圧の入力の有無を検出して検出信号を出力する検出部と、
前記電圧変換部と前記負荷との間に介在された開閉スイッチと、
外部から前記負荷が省電力モードであるか否かを示す省電力信号及び前記検出部から前記検出信号が入力され、前記省電力信号が省電力モードであることを示し、且つ、前記検出信号が前記整流部への電圧の入力が無いことを示した場合には、前記開閉スイッチを閉じて前記電圧変換部から前記負荷へ電圧を供給させる出力制御部と、
を備えること、
を特徴とする電源装置。
【請求項2】
外部電源から供給される電圧を電源とする電源装置と、前記電源装置から電圧が供給される特定の負荷を含む複数の負荷と、当該特定の負荷の動作を制御する状態制御部と、を備えた画像形成装置において、
前記状態制御部は、
前記特定の負荷が省電力モードであるか否かを示す省電力信号を前記電源装置に出力し、
前記電源装置は、
前記外部電源から入力される電圧を整流する整流部と、
前記整流部の出力電圧を平滑化する平滑コンデンサと、
前記平滑コンデンサにより平滑化された電圧を所定電圧に変換して前記特定の負荷に供給する電圧変換部と、
前記整流部への電圧の入力の有無を検出して検出信号を出力する検出部と、
前記電圧変換部と前記特定の負荷との間に介在された開閉スイッチと、
前記状態制御部から入力される前記省電力信号及び前記検出部から入力される前記検出信号に基づいて、前記省電力信号が省電力モードであることを示し、且つ、前記検出信号が前記整流部への電圧の入力が無いことを示した場合には前記開閉スイッチを閉じて前記電圧変換部から前記特定の負荷へ電圧を供給させる出力制御部と、
を有すること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記状態制御部は、
前記検出部から前記検出信号が入力され、
前記特定の負荷が省電力モードであり、且つ、前記検出信号が前記整流部への電圧の入力が無いことを示している場合には、前記特定の負荷の動作をリセットするリセット信号を前記特定の負荷へ出力すること、
を特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−193667(P2011−193667A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58689(P2010−58689)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】