説明

電源装置

【課題】少なくとも一つに巻線が巻回される複数の足部を有する第1コア、及び足部の先端と相対するように配置される第2コアを備えるコア体の放熱体への取付構造を工夫して、第1コアの熱の放熱に関し、優れた放熱性能を得ることができる電源装置を得る。
【解決手段】受熱面4aを有するヒートシンク3と、一面が伝熱面12aとして構成され、伝熱面12aが受熱面4aに接するように設けられるコアベース12、及びコアベース12に一体に設けられてコアベース12の他面から突出され、少なくとも一つに巻線19a,19bが巻回される複数の足部13a〜13cを有するEコア11A、並びに足部13a〜13cを介してコアベース12と相対するように設けられるIコア15Aを有するコア体10とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、巻線が巻き付けられるコア体と、コア体が取り付けられる放熱体とを有する電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスイッチング電源装置は、巻線が巻回されるコアと、コアが取り付けられる放熱体とを備えている。
コアは、断面矩形の第1梁部、第1梁部の長手方向の中間部から突出される主足部、及び主足部を介して互いに相対するように第1梁部の長手方向の両端部から突出される一対の側足部を有するEコアと、主足部及び側足部を介して第1梁部と相対するように、主足部及び側足部の先端面に取り付けられるIコアとを有している。また、巻線は、主足部に巻回され、コアは、Iコアの一面を放熱体に接触させて放熱体に支持されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−88251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のスイッチング電源装置において、EコアとIコアは別部材であるので、側足部及び主足部の先端面の全域にIコアを完全に密接させるのは困難となる。即ち、側足部及び主足部の先端面とIコアとの間には、微量ながら空気が入りこむため、EコアからIコアへの熱伝導性が悪くなる。
【0005】
ここで、巻線が巻回される主足部は、放熱性が悪く、特に高温になりやすい部位である。また、Eコアから放熱体に熱を伝導するには、Iコアを経由しなければならない。ところが、EコアからIコアへの熱伝導性が悪いので、Eコアの熱を放熱するのに、十分な放熱性能を確保できない場合がある。
【0006】
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、少なくとも一つに巻線が巻回される複数の足部を有する第1コア、及び足部の先端と相対するように配置される第2コアを備えるコア体の放熱体への取り付け構造を工夫して、第1コアの熱を放熱するのに、優れた放熱性能を得ることができる電源装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る電源装置は、受熱面を有する放熱体と、一面が伝熱面として構成され、伝熱面が受熱面に接するように設けられるコアベース、及びコアベースに一体に形成されて、コアベースの他面から突出され、少なくとも一つに巻線が巻回される複数の足部を有する第1コア、並びに足部を介してコアベースと相対するように設けられる第2コアを有するコア体とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る電源装置によれば、一体もので形成されたコアベースと足部を有する第1コア、及び第2コアからなるコア体を放熱体に取り付けるのに、第1コアのコアベースを、放熱体に直接接触させている。従って、第1コアの熱は、第2コアを介することなく、放熱体に伝導されるので、高熱となりやすい第1コアの熱を放熱するのに、優れた放熱性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係る電源装置の要部斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態2に係る電源装置の要部斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態3に係る電源装置の要部斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態4に係る電源装置の要部斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態5に係る電源装置の要部斜視図である。
【図6】この発明の実施の形態6に係る電源装置の要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る電源装置の要部斜視図である。
なお、図1では、説明の便宜上、トランスを構成する一次巻線及び二次巻線の一部を破断して図示している。
【0012】
図1において、電源装置1Aは、金属を材料として作製される放熱体としてのヒートシンク3と、コア体10、及びコア体10に巻回される二種の巻線19a,19bを有し、ヒートシンク3に取り付けられるトランス6とを備えている。
【0013】
ヒートシンク3は、表面が受熱面4aとして構成されたベースプレート4と、ベースプレート4の裏面から突出される複数のフィン5とを有している。
【0014】
次いで、トランス6の構成について説明する。
コア体10は、一面が伝熱面12aとして構成されるコアベース12、及びコアベース12の他面から突出する複数の足部13a〜13cを有する第1コアとしてのEコア11Aと、複数の足部13a〜13cを介してコアベース12と相対するように設けられる第2コアとしてのIコア15Aとを備えている。
【0015】
コアベース12は矩形平板状に形成されている。
複数の足部13a〜13cとは、コアベース12の長手方向の両端から突出するように設けられる一対の第1足部13a,13b、及びコアベース12の長手方向の中間部から突出する第2足部13cである。コアベース12と第1及び第2足部13a〜13cとは、互いの間に隙間を形成することなく一体に形成されている。
【0016】
一対の第1足部13a,13bは、第2足部13cを介して互いに相対するように、コアベース12の短手方向の全域に亘って、かつ所定の厚みでコアベース12の他面に突出されている。
また、第2足部13cは、一面及び他面のそれぞれを、一対の第1足部13a,13bのそれぞれに相対させて、コアベース12の短手方向の全域に亘って、かつ所定の厚みでコアベース12の他面に突出されている。以下では、第1及び第2足部13a〜13cの幅方向は、コアベース12の短手方向に一致する方向とする。
【0017】
以上のようにコアベース12に設けられた一対の第1足部13a,13bにおいて、互いに相反する方向に向けられた一対の面(外面)のそれぞれは、コアベース12の長手方向の一方及び他方の側面のそれぞれと面一となっている。
【0018】
Iコア15Aは、コアベース12と同じ外形を有する矩形平板状に形成されている。
Iコア15Aは、第1及び第2足部13a〜13cの先端に、一面が支持されるようにEコア11Aに連結されている。このように配置されるIコア15Aは、第1及び第2足部13a〜13cを介してコアベース12と相対する。
【0019】
コアベース12とIコア15Aが相対する方向から見て、コアベース12の外形縁部とIコア15Aの外形縁部とが重なっている。
従って、第1及び第2足部13a〜13cの幅方向の両側の側面のそれぞれが、Iコア15Aの短手方向の両側の側面のそれぞれと面一になり、第1足部13a,13bの外面のそれぞれが、Iコア15Aの長手方向の両側の側面のそれぞれと面一になっている。
【0020】
二種の巻線は、一次巻線19a及び二次巻線19bであり、それぞれ第2足部13cに巻回されている。
【0021】
次いで、トランス6の受熱面4aへの取り付け構造について説明する。
トランス6は、コアベース12の伝熱面12aが、受熱面4aに接するようにコア体10を受熱面4a上に配置して設けられる。
コア体10は、伝熱面12aが受熱面4aに密接するように受熱面4a上に保持されている。
以上のようにトランス6がヒートシンク3に取り付けられている。
【0022】
この実施の形態1の電源装置1Aによれば、受熱面4aを有するヒートシンク3と、一面が伝熱面12aとして構成され、伝熱面12aが受熱面4aに接するように設けられるコアベース12、及びコアベース12に一体に形成されてコアベース12の他面から突出し、一次及び二次巻線19a,19bが巻回される第2足部13cを含む複数の足部13a〜13cを有するEコア11A、並びに第1及び第2足部13a〜13cを介してコアベース12と相対するように設けられるIコア15Aを有するコア体10とを備えている。
【0023】
上述したように、一次及び二次巻線19a,19bの巻回される第2足部13cでは、放熱性が悪く、発熱しやすい。
コア体10をヒートシンク3に取り付けるのに、一体もので形成されたコアベース12と第1及び第2足部13a〜13cを有するEコア11Aのコアベース12を、直接ヒートシンク3に接触させているので、Eコア11Aで発生した熱を、Iコア15Aを介することなく、ヒートシンク3に伝導させて放熱させることができる。
【0024】
即ち、熱伝導性の悪いEコア11AとIコア15Aの連結部が、Eコア11Aからヒートシンク3への熱伝導経路に含まれることが回避されるので、Eコア11Aの熱は、スムーズにヒートシンク3に伝導されて放熱される。
これにより、電源装置1Aによれば、巻線19a,19bが巻回されて、特に熱が滞留しやすい第2足部13cを有するEコア11Aの熱を放熱するのに、優れた放熱性能を確保できる。
【0025】
また、従来の仕様通りに製造されたEコア11A及びIコア15Aを用いて、言い換えれば、コア体10の設計変更を行う必要なく、Eコア11Aの放熱性を向上できる。
【0026】
また、Eコア11Aの第1足部及び第2足部13a〜cの先端にIコア15Aが支持されるものとして説明したが、Iコア15Aは、第1及び第2足部13a〜13cに支持されるものによらず、第1及び第2足部13a〜13cの先端との間に隙間が形成されるように、ヒートシンク3に取りつけた図示しない支持部材等を介して支持されるものでもよい。第1及び第2足部13a〜13cとIコア15Aの間に隙間を形成したものでは、Eコア11AからIコア15Aへの熱伝導性が一層低下する。第1及び第2足部13a〜13cとIコア15Aの間に隙間があいている場合には、本願の構成とすることにより、Eコア11Aの熱を放熱する際の、ヒートシンク3への熱伝導性の改善効果が顕著に現れる。
【0027】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2に係る電源装置の要部斜視図である。
なお、図2において、上記実施の形態1と同一または相当部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。また、図2では、説明の便宜上、トランスを構成する一次巻線及び二次巻線の図示を省略している。
【0028】
図2において、電源装置1Bは、ヒートシンク3に支持されて、コア体10の移動を規制する保持手段20Aを有する他は、電源装置1Aと同様である。
【0029】
保持手段20Aは、ヒートシンク3の受熱面4aに突設されるスライド移動規制手段としての突設体21a、及び突設体21aに支持されて、突設体21aとともにコア体10の移動を規制する移動規制本体部22Aを有している。
【0030】
突設体21aは、例えば、断面半円状の柱状に形成されている。即ち、突設体21aの長手方向に平行な外周面は、矩形形状の平面と、当該平面の平行な2辺を連結する湾曲面とにより構成される。
突設体21aの長さは、コアベース12の底面から第1及び第2足部13a〜13cの先端までの距離より若干長くなっている。突設体21aには、その長手方向に孔方向が一致する図示しないネジ孔が形成されている。
【0031】
移動規制本体部22Aは、正面から見て、一端を連結され、互いの間を90度ずらして延在する4つの板状腕部23aを有する離反移動規制手段23と、4つの板状腕部23aのうちの3つの板状腕部23aから、板状腕部23aに垂直に延出するスライド移動規制手段としての爪状規制部24aとを備えている。爪状規制部24aの板状腕部23aからの延出長は、言い換えれば、爪状規制部24aの離反移動規制手段23との連結部からの延出長は、Iコア15Aの厚みよりも十分に長くなっている。
【0032】
3つの爪状規制部24aのうちの2つが相対して配置され、当該2つの爪状規制部24aの間の距離は、Iコア15Aの短手方向の長さに対応している。
【0033】
なお、爪状規制部24aが延出されない板状腕部23aの先端側の部位は、突設体21aに取り付けられる取付部23bとして構成され、当該板状腕部23aの長手方向の中間部は、U字状に湾曲された湾曲部23cを構成している。また、湾曲部23cの底部から開口部に向かう方向は、爪状規制部24aの基端から先端に向かう方向に一致されている。
【0034】
また、3つの爪状規制部24aが、Iコア15Aの側面のうちの3つの側面に接するように、移動規制本体部22AをIコア15Aに載置したとき、取付部23bが、Iコア15Aの長手方向の端部から延出するようになっている。なお、取付部23bには、図示しない貫通穴が形成されている。
【0035】
次いで、保持手段20Aを用いたトランス6の受熱面4aへの取り付け構造について説明する。
トランス6は、電源装置1Aと同様に、受熱面4a上に配置されている。
【0036】
突設体21aは、その長手方向を受熱面4aに垂直な方向に向けて、一端を受熱面4aに固定されている。このとき、突設体21aは、その外周面を構成する矩形形状の平面を、コアベース12の長手方向の一側の側面、及び一方の第1足部13aの外面に接触させて設けられている。
【0037】
そして、移動規制本体部22Aを、湾曲部23cの開口をIコア15Aの他面に向け、それぞれ、先端から爪状規制部24aが延出される3つの板状腕部23aを、Iコア15Aの他面に載置する。このとき、相対する爪状規制部24aのそれぞれが、Iコア15Aの短手方向の一方の側面から第2足部13cの幅方向の一方の側面に至る部位、及びIコア15Aの短手方向の他方の側面から第2足部13cの幅方向の他方の側面に至る部位のそれぞれに接している。また、残りの爪状規制部24aが、Iコア15Aの長手方向の他方の側面から他方の第1足部13bの外面に至る部位に接するように移動規制本体部22Aの向きが調整されている。
【0038】
取付部23bに形成された貫通穴にネジ25が挿通されて、突設体21aのネジ孔に螺合されている。これにより、取付部23bが、突設体21aに締着固定され、突設体21aを介して移動規制本体部22Aが、ヒートシンク3に支持される。
このとき、Iコア15Aを大きな力で板状腕部23aに押し付けさせるように、離反移動規制手段23の弾性力が働いている。これにより、Iコア15Aが、コアベース12との間の間隔を広げる方向に移動することが規制される。
以上のように配置された爪状規制部24a、及び突設体21aにより、Eコア11A及びIコア15Aのスライド移動が規制される。
【0039】
この実施の形態2の電源装置1Bによれば、コア体10は、電源装置1Aの場合と同様、Eコア11Aがヒートシンク3に直接接するように取り付けられているので、特に熱が滞留しやすいEコア11Aの熱を放熱するのに、優れた放熱性能を確保できる。
【0040】
さらに、電源装置1Bは、Iコア15Aの各側面に対応するように設けられ、それぞれがIコア15Aの側面の少なくとも一部から足部13a〜13cのそれぞれに至るように延在し、受熱面4aに沿った方向へのEコア11Aのスライド移動、及びIコア15Aの一面及び他面に平行な方向へのIコア15Aのスライド移動を規制する突設体21a及び爪状規制部24aと、Iコア15Aの他面に接して、Iコア15Aとコアベース12の間隔が広がる方向にIコア15Aが移動することを規制する離反移動規制手段23とを備えている。
【0041】
従って、電源装置1Bによれば、Eコア11AとIコア15Aの移動が規制され、Eコア11AとIコア15Aを所定の位置に保持することができる。例えば、電源装置1Bでは、振動するような条件下で使用される場合でも、Eコア11AとIコア15Aの位置ずれを防止できるので、信頼性を確保できる。
【0042】
Eコア11A及びIコア15Aを受熱面4aに保持手段20Aを用いて固定するのに、従来の仕様通りに製造されたEコア11A及びIコア15Aを使用でき、Eコア11A及びIコア15Aの設計変更を行う必要がない。
【0043】
また、爪状規制部24aと離反移動規制手段23とが互いに連結されているので、爪状規制部24aと離反移動規制手段23を、同一作業工程により、コア体10に接触させることができる。
【0044】
なお、この実施の形態2では、爪状規制部24aと離反移動規制手段23とを互いに連結して一体に形成するものとして説明したが、爪状規制部と離反移動規制手段を、別々に作製し、コア体10の適切な位置に接触させるようにヒートシンク3に支持させるものでもよい。
【0045】
また、Iコア15Aの長手方向の一方の側面に対応させて設けられるスライド移動規制手段は、突設体21aであるものとして説明した。しかしながら、移動規制本体部22Aの取付部23bの部分を爪状規制部24aとしたものを移動規制本体部としてもよい。この場合、4つの爪状規制部24aにより、Eコア11A及びIコア15Aのスライド移動が規制され、突設体21aは省略可能となる。
【0046】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3に係る電源装置の要部斜視図である。
なお、図3において、上記実施の形態1,2と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。また、図3では、説明の便宜上、トランスを構成する一次巻線及び二次巻線の図示を省略している。
【0047】
図3において、電源装置1Cは、ヒートシンク3に支持されて、コア体10の移動を規制する保持手段20Bを有する他は、電源装置1Aと同様に構成されている。
【0048】
保持手段20Bは、コアベース12の側面に接するように受熱面4a上に設けられる第1スライド移動規制手段としての突設体21a,21bと、移動規制本体部22Bにより構成されている。
【0049】
突設体21aは、電源装置1Bのものと同様である。
突設体21bは、棒状体に形成されている。
【0050】
移動規制本体部22Bは、爪状規制部24aに代え、第2スライド移動規制手段としての爪状規制部24bを有している他は、移動規制本体部22Aと同様に構成されている。
爪状規制部24bの板状腕部23aからの延出長は、言い換えれば、Iコア15Aの各辺の縁部に配置される離反移動規制手段23の部位からの延出長は、Iコア15Aの厚さよりも短い長さとなっている。
【0051】
次いで、保持手段20Bを用いたトランス6の受熱面4aへの取り付け構造について説明する。
トランス6は、電源装置1Aと同様に、受熱面4a上に配置されている。
突設体21aは、電源装置1Bの場合と同様に設けられている。
【0052】
突設体21bは、受熱面4aから突出するように、受熱面4aに固定されている。突設体21bは、コアベース12の外縁部のうち、突設体21aが接する辺を除く3辺に対応するように設けられている。各突設体21bは、コアベース12の側面に接するように、長手方向を、各辺の長手方向に一致させて設けられている。なお、突設体21bの受熱面4aからの高さは、コアベース12の厚みより短く、Iコア15Aには至らない。
【0053】
ここで、Iコア15Aに接する突設体21aの部位は、離反移動規制手段23の取付部23bに連結されているので、機能的に爪状規制部24bとみなすことができ、また、第1足部13aの外面に接する突設体21aの部位は、機能的に突設体21bと同じとみなすことができる。
【0054】
また、突設体21a,21bは、トランス6のコア体10を所定の位置に位置決めするためのガイドの役割を果たす。
【0055】
以上のように設けられた保持手段20Bについてまとめれば、突設体21a,21bは、受熱面4aから突出し、かつ少なくともコアベース12の各側面に対応するように設けられ、コアベース12の側面に接するようにヒートシンク3の受熱面4aに固定されているので、受熱面4aに沿った方向へのEコア11Aのスライド移動が規制される。
【0056】
また、爪状規制部24bは、Iコア15Aの各側面に対応するように設けられ、それぞれがIコア15Aの側面の少なくとも一部に接している。即ち、爪状規制部24bにより、Iコア15Aの一面及び他面に平行な方向へのIコア15Aのスライド移動が規制される。
【0057】
また、離反移動規制手段23が、Iコア15Aの他面を押圧するように接しているので、Iコア15Aとコアベース12の間隔が広がる方向に、Iコア15Aが移動することが規制される。
【0058】
この実施の形態3の電源装置1Cによれば、電源装置1Aの場合と同様、Eコア11Aがヒートシンク3に直接接するように取り付けられているので、特に熱が滞留しやすい第2足部13cを有するEコア11Aの熱を放熱するのに、優れた放熱性能を確保できる。
【0059】
また、上述のように、電源装置1Cでは、上記のように、突設体21a,21bによりEコア11Aのスライド移動を規制し、爪状規制部24bによりIコア15Aのスライド移動を規制し、離反移動規制手段23により、Iコア15Aとコアベース12の間隔が広がる方向に、Iコア15Aが移動することが規制される。
【0060】
従って、電源装置1Cでは、Eコア11A及びIコア15Aを所定の位置に保持できる。つまり、電源装置1Cでは、電源装置1Bと同様、振動するような条件下で使用される場合でも、Eコア11AとIコア15Aの位置ずれを防止できるので、信頼性を確保できる。
【0061】
また、爪状規制部24bと離反移動規制手段23とが互いに連結されているので、爪状規制部24bと離反移動規制手段23を、同一作業工程により、コア体10に接触させることができ、別々に爪状規制部と離反移動規制手段を作製してコア体10に接触させるものに比べ、トランス6を受熱面4aに支持させる作業が容易となる。
【0062】
また、Eコア11A及びIコア15Aを受熱面4aに保持手段Bを用いて固定するのに、従来の仕様通りに製造されたEコア11A及びIコア15Aを使用でき、Eコア11A及びIコア15Aの設計変更を行う必要がない。
【0063】
なお、この実施の形態3では、Iコア15Aの長手方向の一方の側面に対応して設けられるスライド移動規制手段は、突設体21aの先端側の部位により構成されるものとして説明した。しかしながら、移動規制本体部22Bの取付部23bの部分を爪状規制部24bとしたものをスライド移動規制手段としてもよい。この場合、4つの爪状規制部24bにより、Iコア15Aのスライド移動が規制される。
【0064】
また、移動規制本体部22Bの代わりに、移動規制本体部22Aを用いてもよい。この場合、移動規制本体部22Aの爪状規制部24a及び突設体21bのそれぞれにより、Eコア11Aのスライド移動を規制するので、Eコア11Aを一層強固に受熱面4a上の所望の位置に保持できる。
【0065】
実施の形態4.
図4はこの発明の実施の形態4に係る電源装置の要部斜視図である。
なお、図4において、上記実施の形態1と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。また、図4では、説明の便宜上、トランスを構成する一次巻線及び二次巻線の図示を省略している。
【0066】
図4において、電源装置1Dは、ヒートシンク3に支持されて、コア体10の移動を規制する保持手段20Cを有する他は、電源装置1Aと同様に構成されている。
【0067】
保持手段20Cは、移動規制体30と、移動規制体30を支持する支持基板35とを備えている。
移動規制体30は、第1腕部32、第1腕部32の長手方向の一端近傍及び他端近傍の部位のそれぞれに交差するようにそれぞれ設けられて、互いに平行に配置される一対の第2腕部33を有する離反移動規制手段31と、第1腕部32及び第2腕部33の端部のそれぞれから延出される爪状規制部34a〜34fとを備えている。
【0068】
第1腕部32及び第2腕部33のそれぞれは、断面矩形の棒状体に形成されている。
第1腕部32の長手方向と第2腕部33の長手方向は、互いに直交している。
爪状規制部34a〜34fは、第1腕部32及び第2腕部33の長手方向に直交する方向に、第1腕部32及び第2腕部33から同じ方向に向けて延出されている。
【0069】
第1腕部32の両端から延出される爪状規制部34a,34bの互いの間の距離は、コアベース12及びIコア15Aの長手方向の長さに対応している。
また、一方の第2腕部33の両端から延出される爪状規制部34c,34dの互いの間の距離、及び他方の第2腕部33の両端から延出された爪状規制部34e,34fの互いの間の距離は、コアベース12及びIコア15Aの短手方向の長さに対応している。
【0070】
支持基板35には、Eコア11Aの第1及び第2足部13a〜13cを挿通させるための図示しない貫通穴が形成されている。
【0071】
次いで、トランス6の保持手段20Cを用いた受熱面4aへの取り付け構造について説明する。
トランス6は、電源装置1Aと同様に、受熱面4a上に配置されている。
支持基板35には、第1及び第2足部13a〜13cが挿通されて、支持基板35が第1及び第2足部13a〜13cの長手方向の所定の位置に配置されて、受熱面4aに固定された図示しない支持部材を介してヒートシンク3に支持されている。このように設けられた支持基板35は、コアベース12とIコア15Aとの間に配置されている。
【0072】
保持手段20Cは、Iコア15Aの他面に離反移動規制手段31が接するように配置される。このとき、爪状規制部34a,34bのそれぞれが、Iコア15Aの長手方向の一方の側面から一方の第1足部13aの外面に至る部位、及びIコア15Aの長手方向の他方の側面から他方の第1足部13bの外面に至る部位のそれぞれに接するように、移動規制体30を向ける。
【0073】
これにより、爪状規制部34c,34dのそれぞれが、Iコア15Aの短手方向の一方の側面から一方の第1足部13aの幅方向の一方の側面に至る部位、及びIコア15Aの短手方向の他方の側面から一方の第1足部13aの幅方向の他方の側面に至る部位に接する。また、爪状規制部34e,34fのそれぞれが、Iコア15Aの短手方向の一方の側面から他方の第1足部13bの幅方向の一方の側面に至る部位、及びIコア15Aの短手方向の他方の側面から他方の第1足部13bの幅方向の他方の側面に至る部位に接する。
【0074】
また、爪状規制部34a,34bの先端面が、支持基板35の表面に接する位置に配置されるように、爪状規制部34a,34bの長さ及び支持基板35の配置位置が設定されている。
そして、支持基板35の裏面から支持基板35を貫通する図示しないネジを爪状規制部34a,34bに螺合させることにより、移動規制体30が支持基板35に固定されている。
【0075】
なお、移動規制体30の支持基板35への固定方法は、このものによらず、例えば、爪状規制部34a,34bを支持基板35に圧入するなどして、移動規制体30を支持基板35に固定させてもよい。
【0076】
この実施の形態4の電源装置1Dによれば、コア体10は、電源装置1Aと同様、Eコア11Aがヒートシンク3に直接接するように取り付けられているので、特に熱が滞留しやすい第2足部13cを有するEコア11Aの熱を放熱するのに、優れた放熱性能を確保できる。
【0077】
さらに、電源装置1Dは、第1及び第2足部13a〜13cが挿通されて、Eコア11Aのコアベース12とIコア15Aとの間に配置されて固定される支持基板35と、Eコア11A及びIコア15Aの移動を規制する移動規制体30とを備えている。
【0078】
移動規制体30は、Iコア15Aの他面に接して、コアベース12とIコア15Aとの間の間隔が広がる方向にIコア15Aが移動することを規制する離反移動規制手段31と、Iコア15Aの各側面に対して設けられ、Iコア15Aの側面から足部13a〜13cに至るように延在し、受熱面4aに沿った方向へのEコア11Aのスライド移動、及びIコア15Aの一面及び他面に平行な方向へのIコア15Aのスライド移動を規制する爪状規制部34a〜34fとを備えている。
【0079】
従って、電源装置1Dによれば、Eコア11AとIコア15Aの移動が規制され、Eコア11A及びIコア15Aを所定の位置に保持できる。つまり、電源装置1Dでは、電源装置1B,1Cと同様に、Eコア11AとIコア15Aの移動が規制される。電源装置1B,1Cと同様、電源装置1Dが、振動するような条件下で使用される場合でも、Eコア11AとIコア15Aの位置ずれを防止できるので、電源装置1Dの信頼性を確保できる。
【0080】
また、Eコア11A及びIコア15Aを、受熱面4aに保持手段20Cを用いて固定するのに、従来の仕様通りに製造されたEコア11A及びIコア15Aを使用でき、Eコア11A及びIコア15Aの設計変更を行う必要がない。
【0081】
なお、この実施の形態4では、移動規制体30の爪状規制部34a〜34fは、Iコア15A及びEコア11Aの第1足部13a,13bに接するように設けられるものとして説明したが、Iコア15Aのみに接するように設けてもよい。この場合、上述の突設体21bをコアベース12の側面に接するように新たに設けてEコア11Aのスライド移動を規制すればよい。
【0082】
実施の形態5.
図5はこの発明の実施の形態5に係る電源装置の要部斜視図である。
なお、図5において、上記実施の形態1と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。また、図5では、説明の便宜上、トランスを構成する一次巻線及び二次巻線の図示を省略している。
【0083】
図5において、電源装置1Eは、ヒートシンク3に支持されて、コア体10の移動を規制する保持手段20Dを有する他は、電源装置1Aと同様に構成されている。
保持手段20Dは、押圧手段40と、スライド移動規制手段としての枠部材45とを備えている。
【0084】
押圧手段40は、支持柱41、及び支持柱41に取り付けられる弾性を有する離反移動規制手段としての板ばね42を備えている。
板ばね42は、所定幅で所定の長さを有し、長手方向の一端部に図示しない貫通穴が形成されている。
【0085】
枠部材45は、4つの移動規制柱46により構成され、各移動規制柱46は、断面L字状に形成されている。移動規制柱46の長さは、コアベース12から第1及び第2足部13a〜13cの先端面までの長さと、Iコア15Aの厚みを足した長さより若干長くなっている。
【0086】
次いで、保持手段20Dを用いたトランス6の受熱面4aへの取り付け構造について説明する。
【0087】
トランス6は、電源装置1Aと同様に、受熱面4a上に配置されている。
支持柱41は、コアベース12の一方の長辺縁部の近傍に位置する受熱面4aの部位に長手方向を受熱面4aに直交する方向に一致させて受熱面4aに突設されている。
【0088】
板ばね42の貫通穴に挿通されたネジ25が、支持柱41の突出端面に螺合されて、板ばね42が、支持柱41に締着固定されている。
このとき、板ばね42の主要部は、Iコア15Aの他面に延在されている。また、板ばね42の弾性力が、Iコア15Aを押さえつける方向に働くように、板ばね42の配置位置、及び形状が考慮されている。これにより、Iコア15Aが、コアベース12から離反する方向へ移動することが規制される。
以上のように押圧手段40が設けられている。
【0089】
移動規制柱46は、コアベース12の4つの角部に対応させて受熱面4aに突設されている。
【0090】
各移動規制柱46は、コアベース12の角部から当該角部と第1足部13a(または13b)を介して相対するIコア15Aの角部に至るように、受熱面4aから突設されている。
このとき、移動規制柱46は、長手方向を受熱面4aに垂直な方向に一致させて設けられ、L字状に形成された移動規制柱46の一片及び他片の面のうち、互いを臨む側に位置する面のそれぞれが、コアベース12、第1足部13a(または13b)、及びIコア15Aのそれぞれの角部近傍の面に接するように配置されている。
つまり、4つの移動規制柱46により構成される枠部材45が、コア体10を嵌めるための枠として機能している。枠部材45の内側に向けられる移動規制柱46の面が、枠部材45の内面となり、枠部材45の内面にコア体10の角部のそれぞれが接する。
これにより、Eコア11A及びIコア15Aのスライド移動が規制される。
【0091】
この実施の形態5の電源装置1Eによれば、コア体10は、電源装置1Aと同様、Eコア11Aがヒートシンク3に直接接するように取り付けられているので、特に熱が滞留しやすい第2足部13cを有するEコア11Aの熱を放熱するのに、優れた放熱性能を確保できる。
【0092】
さらに、電源装置1Eは、支持柱41を介してヒートシンク3に支持されて、Iコア15Aとコアベース12の間隔が離れる方向にIコア15Aが移動するのを規制する板ばね42と、Eコア11A及びIコア15Aが、内面に接するように嵌められて、Eコア11A及びIコア15Aのスライド移動を規制する枠部材45とを備えている。
【0093】
従って、電源装置1Eによれば、Eコア11AとIコア15Aの移動が規制され、Eコア11A及びIコア15Aを所定の位置に保持できる。つまり、電源装置1Eでは、電源装置1B〜1Dと同様、振動するような条件下で使用される場合でも、Eコア11AとIコア15Aの位置ずれを防止できるので、信頼性を確保できる。
【0094】
Eコア11A及びIコア15Aを受熱面4aに保持手段Dを用いて固定するのに、従来の仕様通りに製造されたEコア11A及びIコア15Aを使用でき、Eコア11A及びIコア15Aの設計変更を行う必要がない。
【0095】
なお、押圧手段40を構成する板ばね42は、支持柱41に取り付けられて支持柱41を介してヒートシンク3に支持されるものとして説明したが、板ばね42を直接ヒートシンク3に支持させてもよい。この場合、支持柱41は省略できる。
【0096】
実施の形態6.
図6はこの発明の実施の形態6に係る電源装置の要部斜視図である。
なお、図6において、上記実施の形態1と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。また、図6では、説明の便宜上、トランスを構成する一次巻線及び二次巻線の図示を省略している。
【0097】
図6において、電源装置1Fは、Eコア11Aに代え、Eコア11Bを有し、Iコア15Aに代えIコア15Bを有し、さらに、第1スライド移動規制手段としての突設体21b、及び押圧手段40を有している他は、電源装置1Aと同様に構成されている。
【0098】
突設体21bは、電源装置1Cの突設体21bと同様である。
【0099】
また、Eコア11Bは、第1足部13a,13bに代え、第1足部13d,13eを有し、第2足部13cに代え第2足部13dを有している。第1足部13a,13bのそれぞれは、コアベース12の短辺と同じ幅で、コアベース12から所定の高さを有するようにコアベース12に突設される矩形平板状の足部本体14と、足部本体14の突出端面の幅方向の両側から、足部本体14の高さ方向に突出される一対の突出部14aを有している。
【0100】
突出部14aは、断面矩形に形成され、足部本体14からの高さは、Iコア15Bの厚みに一致されている。
第1足部13d,13eのそれぞれには、突出部14aの間に凹部16aが形成され、また、第1足部13d,13eの一方の突出部14aの間、及び他方の突出部の間のそれぞれに凹部16bが形成されている。
【0101】
第2足部13cは、コアベース12からの高さが、足部本体14のコアベース12からの高さに設定される他は、第2足部13aと同様に構成されている。
【0102】
各突出部14aは、足部本体14の厚み方向に関し、足部本体14の外面から半分の距離までの部位に位置している。足部本体14の外面とは、一対の足部本体14の互いに相反する側の面をいう。
【0103】
また、Iコア15Bは、Iコア15Aの4つの角部を、突出部14aの断面形状に対応する形状に切り欠いた形状を有し、これにより、Iコア15Bの一対の長辺側及び一対の短辺側には、凹部16a,16bに嵌められる嵌合部としての凸部17a,17bが形成されている。
【0104】
Iコア15Bの凸部17a,17bが、Eコア11Bの凹部16a,16bに嵌め合わされて、Iコア15BとEコア11Bとが連結されている。
このとき、凸部17a,17bと凹部16a,16bを構成する壁面が互いに接するので、Eコア11Bに対するIコア15Bのスライド移動が規制される。
【0105】
次いで、トランス6の受熱面4aへの取り付け構造について説明する。
トランス6は、受熱面4aにコアベース12の伝熱面が接するようにコア体10を配置して設けられている。
押圧手段40が、電源装置1Eの場合と同様に設けられている。
これにより、Iコア15Bが、コアベース12との間隔を広げる方向に移動することが規制される。
【0106】
突設体21bは、電源装置1Cの突設体21bと同様に設けられている。
これにより、Eコア11Bの受熱面4aに沿った方向へのスライド移動が規制される。
【0107】
この実施の形態6の電源装置1Fによれば、電源装置1Aの効果と同様、Eコア11Bがヒートシンク3に直接接するように取り付けられているので、特に熱が滞留しやすい第2足部13fを有するEコア11Bの熱を放熱するのに、優れた放熱性能を確保できる。
【0108】
さらに、電源装置1Fは、Iコア15Bの他面に接して、コアベース12とIコア15Bの間隔が広がる方向にIコア15Bが移動することを規制する板ばね42を備えている。また、Eコア11Bが、第1足部13d,13e及び第2の足部13fの先端側に凹部16a,16bを有し、Iコア15Bが、凹部16a,16bに、Eコア11Bに対してスライド移動を規制されるように嵌め合わされる凸部17a,17bを有している。
【0109】
従って、電源装置1Fによれば、Eコア11BとIコア15Bの移動が規制され、Eコア11B及びIコア15Bを所定の位置に保持できる。つまり、電源装置1Fでは、電源装置1B〜1Dと同様、振動するような条件下で使用される場合でも、Eコア11BとIコア15Bの位置ずれを防止できるので、信頼性を確保できる。
【0110】
なお、上記各実施の形態では、電源装置1A〜1Fは、ヒートシンク3と、ヒートシンク3に取り付けられるトランス6とを備えるものとして説明したが、電源装置は、トランス6に代え、コア体10とコア体10の足部の何れかに巻回される巻線を有するチョークコイルを、ヒートシンク3に取り付けたものであってもよい。
【0111】
また、上記各実施の形態では、第1コアは3つの足部13a〜13cを有するEコア11A,11Bであるものとして説明したが、第1コアは、Eコア11Aであるものによらず、コアベースと、コアベースの他面に、3つ以外の複数の足が設けられているコアであってもよい。また、コアベースの外形は、矩形に限定されず、他の形状であってもよい。
【0112】
また、第2コアは、Iコア15A,15Bであるものとして説明したが、第2コアは、Iコア15A,15Bに限定されず、第1及び第2足部13a〜13c,13d〜13fを介して第1コアのコアベースと相対するものであれば、他の形状のコアであってもよい。
【0113】
なお、この実施の形態6では、嵌合部及び被嵌合部は、凹部16a,16b及び凸部17a,17bであるものとして説明したが、例えば、嵌合部及び被嵌合部は、Iコアの他面に突設する凸部及び第1足部の端面に開口する穴部により構成し、穴部に凸部とを嵌め合わせるなどして、IコアのEコアに対するスライド移動を規制するものでもよい。
また、凹部16a,16bをEコア11Bに設け、凸部17a,17bをIコア15Aに設けるものとして説明したが、凹部をIコアに、凸部をEコアに設けるものであってもよい。
【符号の説明】
【0114】
1A〜1F 電源装置、3 ヒートシンク(放熱体)、10 コア体、11A,11B Eコア(第1コア)、12 コアベース、12a 伝熱面、13a,13b,13d,13e 第1足部(足部)、13c,13f 第2足部(足部)、15A,15B Iコア(第2コア)、16a,16b 凹部(被嵌合部)、17a,17b 凸部(嵌合部)、20A〜20D、21a 突設体(スライド移動規制手段、第1スライド移動規制手段)、21b 突設体(第1スライド移動規制手段)、23,31 離反移動規制手段、24a 爪状規制部(スライド移動規制手段)、24b 爪状規制部(第2スライド移動規制手段)、35 支持基板、45 枠部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受熱面を有する放熱体と、
一面が伝熱面として構成され、上記伝熱面が上記受熱面に接するように設けられるコアベース、及び上記コアベースに一体に形成されて、上記コアベースの他面から突出され、少なくとも一つに巻線が巻回される複数の足部を有する第1コア、並びに上記足部を介して上記コアベースと相対するように設けられる第2コアを有するコア体と
を備えていることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
上記放熱体に支持され、上記コア体の移動を規制するように上記コア体に接する保持手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
上記第2コアは、矩形平板状をなし、一面が上記足部を介して上記コアベースの他面に相対するように配置され、
上記保持手段は、
上記第2コアの各側面に対応して設けられ、それぞれが上記第2コアの側面の少なくとも一部から上記足部に至るように延在し、上記第1コア及び上記第2コアのスライド移動を規制するスライド移動規制手段と、
上記第2コアの他面に接して、上記第2コアと上記コアベースの間隔が広がる方向への上記第2コアの移動を規制する離反移動規制手段と
を備えていることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
上記スライド移動規制手段の少なくとも一つが、上記離反移動規制手段から突出する爪状規制部であることを特徴とする請求項3に記載の電源装置。
【請求項5】
上記コアベースの他面と上記第2コアの一面との間に配置されて上記放熱体に支持される支持基板を備え、
上記スライド移動規制手段、及び上記離反移動規制手段は、上記支持基板に支持されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電源装置。
【請求項6】
上記第2コアは、矩形平板状をなし、一面が上記足部を介して上記第1コアの他面に相対するように配置され、
上記保持手段は、
上記受熱面に突設されて、上記コアベースの側面に接し、上記第1コアのスライド移動を規制する第1スライド移動規制手段と、
上記第2コアの各側面に対応して設けられ、それぞれが上記第2コアの側面の少なくとも一部に接して、上記第2コアのスライド移動を規制する第2スライド移動規制手段と、
上記第2コアの他面に接して、上記第2コアと上記コアベースの間隔が広がる方向に上記第2コアが移動することを規制する離反移動規制手段と
を備えていることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
【請求項7】
上記第2スライド移動規制手段の少なくとも一つが、上記離反移動規制手段から突出する爪状規制部であることを特徴とする請求項6に記載の電源装置。
【請求項8】
上記保持手段は、
上記コア体が嵌め込まれるように上記受熱面に突設され、上記第1コア及び上記第2コアに接して上記コア体のスライド移動を規制する枠部材と、
上記第2コアの他面に接して、上記第2コアと上記コアベースの間隔が広がる方向に上記第2コアが移動することを規制する離反移動規制手段と
を備えていることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
【請求項9】
上記第2コアの他面に接して、上記第2コアと上記コアベースの間隔が広がる方向に上記第2コアが移動することを規制する離反移動規制手段を備え、
上記第1コアが、上記足部の先端側に被嵌合部及び嵌合部の一方を有し、
上記第2コアが、上記第1コアに対してスライド移動を規制されるように上記被嵌合部及び嵌合部の一方に嵌め合わされる上記被嵌合部及び嵌合部の他方を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−238743(P2012−238743A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107180(P2011−107180)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】