説明

電界水生成装置

【課題】電子供給装置から発生した交流電界を大地間絶縁により一定レベルの電位の場を造り溶液としての水に供給し、水に中の栄養素といわれるミネラルの吸収効率と、触媒としての能力を最大限に発揮させるシステムと方法を提供する。
【解決手段】電界水生成装置1は、1次コイルと陰極を有する2次コイルとを含むトランスを利用した電子発生装置10と、前記陰極に電気的に接続された陰極部14と、上部が開放された貯水タンクと、前記貯水タンク上部の開放部に密着固定され、前記陰極部の直径と同寸大の穴を有する密閉蓋12と、を備え、前記密閉蓋に設けられた穴を通して前記貯水タンクに前記陰極部が挿入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
医療用電界水の製造技術と溶質活性化技術とその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水に様々な方法で通電を行い、特性の一部変化を起こし、医療分野や食品加工、農業、畜産、水産業等に利用されてきた。
【0003】
しかし、水自体の物性変化については否定的な意見も多く、測定方法も曖昧なものだった。
【0004】
すなわち、従来、水の性能、性質を示す場合、溶液としての水の評価が殆どであった。また電気分解等で溶媒であるHOの処理によって化学的な活用を得ようとするものがほとんどであった。水の中で高電位の場に晒されて実質電荷の授受が行われるのは溶質である各種ミネラルである。
【0005】
ミネラルが生体内で働くためには溶媒としての水は不可欠ではあるが、表面的な生化学反応はミネラルを中心に行われていることは事実である。代表的なミネラルは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムであるが、それぞれ荷電状態に特徴がある。この荷電状態とは電子の整数倍で表現するのか、エネルギー上で表現するのかで、解釈が変わってくる
【0006】
金属元素への通電による物性変化を利用した性能向上作業は戦前から行われている。
【0007】
特許文献1には、水中に絶縁性電極を配置し、弱い電界を発生させることによって、その水中および連続している水系に発生する一般細菌、大腸菌、レジオネラ菌塗等を殺菌する方法が開示されている。しかし、トランスを用いて電界を生じさせ、周囲の環境に作用させている点で物性物理的な考証が成されているが、水における電荷の供給や喪失については言及されていない。
【0008】
【特許文献1】特許第3948531号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
あらゆる産業において水は必要不可欠な素材ではあるが、水の電気的な状態についての議論、研究は行われて来なかった。水はマクロ的には地球環境の中で循環しながら熱エネルギーの媒体としての役割と、ミクロ的には生物の体内において各種化学反応、物理反応の主役として役割がある。発酵、生命活動の最大限の能力発揮を達成する手法である。
【0010】
本発明は、電子供給装置から発生した交流電界を大地間絶縁により一定レベルの電位の場を造り溶液としての水に供給し、水に中の栄養素といわれるミネラルの吸収効率と、触媒としての能力を最大限に発揮させるシステムと方法を提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、溶液としての水を溶媒と溶質に分けて考え、溶質の物性変化による水の性能向上を図る発明である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る電界水生成装置は、1次コイルと陰極を有する2次コイルとを含むトランスを利用した電子発生装置と、前記陰極に電気的に接続された陰極部と、上部が開放された貯水タンクと、前記貯水タンク上部の開放部に密着固定され、前記陰極部の直径と同寸大の穴を有する密閉蓋と、を備え、前記密閉蓋に設けられた穴を通して前記貯水タンクに前記陰極部が挿入される。
【0013】
本発明に係る電界水生成装置は、前記トランスは、電源100V(ボルト)を、12,000V以上に昇圧することが望ましい。
【0014】
本発明に係る電界水生成装置は、前記電源の周波数は50Hz又は60Hzであってよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電界水生成装置により生成された電界水は、発酵の最適化、腐敗の防止、病原性微生物の活動抑止に効果を発揮することが出来る。以下、当該電界水を用いて実験することにより得られたデータと、通常の水を用いた場合のデータとの比較例を列挙する。
【0016】
本発明の電界水を用いて製造した医薬品の酵素反応向上率は30%であった。
【0017】
本発明の電界水を用いて発酵したイースト菌の発酵時間は50%短縮された。
【0018】
本発明の電界水を用いて乾麺をゆでた場合、ゆで時間が15%短縮された。
【0019】
本発明の電界水を用いて製造した梅漬けの仕上がり時間が1か月短縮された。
【0020】
本発明の電界水を用いて製造した味噌製造時のカビ発生率は0であった。
【0021】
本発明の電界水を用いて製造した蒸留酒の熟成時間が大幅に短縮された。
【0022】
本発明の電界水における有害微生物の繁殖率は100分の1に減少された。
【0023】
本発明の電界水を用いて製造した穀類の糖度が1.5倍にアップした。
【0024】
本発明の電界水を用いて目を洗浄した場合、コンタクトレンズでの傷が自然と消滅した。
【0025】
本発明の電界水を用いて洗浄すると、女性のカンジタ症が改善された。
【0026】
花粉症の症状が、本発明の電界水で鼻膣洗浄することにより消滅した。
【0027】
水虫が、本発明の電界水で足湯することにより消滅した。
【0028】
腸が弱く、下痢が多い子供が、本発明の電界水を飲用することにより下痢をしなくなった。
【0029】
本発明の電界水を用いることにより、尿酸値が改善され、安定した。
【0030】
本発明の電界水の飲用により、アトピー性皮膚炎が消滅した。
【0031】
本発明の電界水を用いて食肉を処理することにより、その保存、熟成が効果的に行えるようになった。
【0032】
本発明の電界水で洗浄することにより、物質表面に付着した化学物質等が除去される。
【0033】
本発明の電界水を用いることにより、ごぼうのアクが5分で取り除くことが出来た。
【0034】
本発明の電界水で洗浄することにより、ミニトマト、イチゴのアクがすぐに取れるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図を用いて、本発明の電界水生成装置について説明する。各図において、共通する要素については同一の符号を付するものとする。
【0036】
本発明の電界水生成装置1の電子発生装置10は、1次コイルと陰極を有する2次コイルとを含むトランスを利用した電子発生装置である(図1においてその詳細を省略する。)。上記トランスは、電源100V(ボルト)を、12,000V以上に昇圧するのが望ましい。なお、上記電源の周波数は50Hz又は60Hzであってよい。
【0037】
図2のように、電子発生装置10の陰極と接続された高圧コードは、接続端子11を介して陰極部14に電気的に接続される。陰極部14は、チタンで形成されるのが好ましいが、特に限定されない。
【0038】
また、本発明の電界水生成装置1は、上部が開放された貯水タンク16と、貯水タンク16上部の開放部に密着固定され、陰極部14の直径と同寸大の穴を有する密閉蓋12(図3)と、を備える。密閉蓋12のパッキンはシリコンで形成されるのが好ましい。なお、貯水タンク16は、図1のように、土台66上に設けた絶縁体64、例えば碍子等64上に形成された絶縁板62により固定されてもよい。
【0039】
さらに、図2、図1に示すように、密閉蓋12に設けられた上記穴を通して、貯水タンク16に陰極部14が挿入されている。
【0040】
図1において、導水管50から流入された水は、例えばマイクロフィルタ52を通して、雑菌や有機物、塩素等が排除される。ただし、下記ミネラル成分はマイクロフィルタ52をそのまま通過する。
【0041】
三方弁54は、上記導水管50から流入される前に残った残水を廃棄するために用いられる。
【0042】
導水管50から流入された水は、三方弁54を介して、三方弁54と貯水タンク16を接続する導水管55に流入する。導水管55は、水の流れをよくするために勾配をつけるのが好ましい。
【0043】
導水管55を介して流入した水は、貯水タンク16に貯水され、陰極部14を浸水させる。このとき、貯水タンク16内にあった空気は、滅菌エアフィルタ56を介して外気中に逃がされる。逆に外気中から貯水タンク16に入ってくる空気は、滅菌エアフィルタ56により滅菌される。
【0044】
陰極部14が発生させる極性のない電界は、貯水タンク16に貯水された水中に含まれるミネラルと相互作用し、電界水を生成する。ここでミネラルとしては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。
【0045】
生成された電界水は、導水管57を経て雑菌フィルタ58を介し導水管60に導入される。図1において図示しないが、導水管60は、例えば真空容器に接続されており、真空容器が貯水タンク16に貯水された電界水を吸引する。
【0046】
上記のように、本発明の電界水生成装置1は、電子の供給にあたっては専用のトランスを使用する。また電子発生装置10の2次側回路は、電気回路としての形式をとらず出力端子単線のみの使用とする。電源は家庭用電源100Vを利用し、出力値で12,000V以上の昇圧が必要である。2次側出力において商用周波数は変動を与えないものとする。電界水の生成時において電路の形成を妨げるため絶縁状態にする装置が必要となる。
【0047】
また、対象水に対して腐敗の原因や不純物となる物を除去の後、電界処理を行う。その後雑菌等を取り除くフィルター等にかけ利用する。
【0048】
以上、本発明に係る電界水生成装置について説明したが、本発明の電界水生成装置は上記実施形態に限定されない。
【0049】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
医療用、発酵用に使用する水として好適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る電界水生成装置の概略図の概略図。
【図2】本発明に係る電界水生成装置の陰極部分の概略図
【図3】本発明に係る電界水生成装置の密閉蓋の斜視図
【符号の説明】
【0052】
1:電界水生成装置
10:電子発生装置
11:接続端子
12:密閉蓋
14:陰極部
16:貯水タンク
50、55、57、60:導水管
52:マイクロフィルタ
54:三方弁
56:滅菌エアフィルタ
58:滅菌フィルタ
62:絶縁板
64:絶縁体
66:土台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次コイルと陰極を有する2次コイルとを含むトランスを利用した電子発生装置と、
前記陰極に電気的に接続された陰極部と、
上部が開放された貯水タンクと、
前記貯水タンク上部の開放部に密着固定され、前記陰極部の直径と同寸大の穴を有する密閉蓋と、を備え、
前記密閉蓋に設けられた穴を通して前記貯水タンクに前記陰極部が挿入された電界水生成装置。
【請求項2】
前記トランスは、電源100V(ボルト)を、12,000V以上に昇圧する請求項1に記載する、電界水生成装置。
【請求項3】
前記電源の周波数は50Hz又は60Hzである、請求項1または2に記載する電界水生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−125390(P2010−125390A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302958(P2008−302958)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(508315844)
【Fターム(参考)】