電磁シールドチューブ及びその製造方法
【課題】安価で軽量であるとともに、可撓性があって車両のエンジンルーム内に効率よく配置することができ、しかも、電線の外周を確実に被覆保護することができる電磁シールドチューブ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】金属箔よりなるリボン25を絶縁被覆して構成したテープ本体23と、そのテープ本体23にその長さ方向に延びるように一体化された補強リブ24とよりなるシールドテープ22を使用する。このシールドテープ22を、その側縁部間に隙間が形成されることなく、側縁部が相互に重合されるように、螺旋状に巻回して電磁シールドチューブ21を形成する。
【解決手段】金属箔よりなるリボン25を絶縁被覆して構成したテープ本体23と、そのテープ本体23にその長さ方向に延びるように一体化された補強リブ24とよりなるシールドテープ22を使用する。このシールドテープ22を、その側縁部間に隙間が形成されることなく、側縁部が相互に重合されるように、螺旋状に巻回して電磁シールドチューブ21を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばハイブリッド自動車等において、インバータとバッテリとの間を接続する高電圧電線を被覆して、その電線から発生する電磁波が漏洩しないようにした電磁シールドチューブ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電磁シールドチューブとしては、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されるような構成のものが提案されている。
すなわち、特許文献1に記載の従来構成では、内部に金属製のシールド部材を埋設してなる絶縁樹脂帯状板を、その側縁部間に隙間を形成した状態でスパイラル状に巻回して構成されている。また、特許文献2に記載の構成では、導電性合成樹脂よりなるコルゲートチューブ本体の周壁内に、複数の金属製アース線をチューブの軸線方向に沿って延びるように埋設して構成されている。
【特許文献1】実開昭56−172560号公報
【特許文献2】実開平2−137095号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、これらの従来の電磁シールドチューブにおいては、次のような問題があった。
すなわち、特許文献1に記載の構成では、チューブ全体の可撓性を確保するために、絶縁樹脂帯状板がその側縁部を互いに重合させることなく、前記のように、その側縁部間に隙間を形成した状態でスパイラル状に電線の外周に対して巻き付けられている。よって、この電磁シールドチューブにより電線を被覆した場合、電線が外部に露出するため、この特許文献1のチューブにおいては、水等に対して同電線を被覆状態で保護することができない。そもそも、この特許文献1のチューブは、発明の名称が「スパイラルチューブ」とはなっているものの、電線に巻き付けられた状態で、絶縁樹脂帯状板の側縁部間に螺旋状の隙間が形成されるものであるため、チューブとは言い難い。
【0004】
また、特許文献2に記載の構成では、コルゲートチューブ本体は導電性を有するとしているが、このコルゲートチューブ本体は、樹脂材料に炭素繊維等を混入したものであるため、電気抵抗値が高い。加えて、コルゲートチューブ本体の周壁内に埋設された金属製アース線は細いため、同金属製アース線も電気抵抗値が高く、しかも容易に切断しやすい。よって、この電磁シールドチューブにより電線を被覆した場合、電線から発生する電磁波を有効に吸収することができないという問題があった。しかも、ひだを有するコルゲートチューブ本体にその軸線方向に延びるように金属製アース線を埋設することは、製造上手間がかかり、このため、製造が面倒でコスト高になるものであった。
【0005】
さらに、近年普及しつつあるハイブリッド自動車においては、インバータとバッテリとの間を接続する電線に数百ボルトの高電圧が印加されるので、その電線から発生する電磁波をシールドするために、例えば特許文献2の図5(ロ)に示すような構成に類似したシールドチューブが採用されている。すなわち、このシールドチューブでは、ステンレス等よりなる筒状のシールド金網がチューブ本体に埋設して構成されている。このようなシールドチューブを採用した場合には、高価なステンレス製の金網を用いるため、コストアップを招くという問題があった。さらには、電磁波の漏洩を防止するためには、金網としてステンレス線材を密に編んで網目を細かくする必要があるが、このようにすると、金網の剛性が高くなってチューブ全体が硬くなり、チューブを小さな弧で湾曲させることができなくなり、狭いエンジンルーム内における取り回し使用に不適である。しかも、ステンレス線材を密に編むということは、ステンレスの量が多くなって、軽量化の達成を困難にする。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、安価で軽量であるとともに、可撓性に富んで車両のエンジンルーム内において湾曲状態で適切に取り回し使用することができ、しかも、電線の外周を確実に保護することができるとともに、その電線から発生する電磁波を有効に吸収することができる電磁シールドチューブ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明は、導電性のリボンの少なくとも一側面の一部を絶縁被覆して構成したテープ本体と、このテープ本体にその長さ方向に延びるように一体化された補強リブとよりなるシールドテープを使用し、このシールドテープをその側縁部間に隙間が形成されないように螺旋状に巻回して構成したことを特徴としている。
【0008】
以上のように構成すれば、シールドテープ内に金属箔よりなるリボンを螺旋状に延長配置させることができるため、低い電気抵抗値を達成できて、電線から発生する電磁波を有効に吸収することができる。そして、リボンとして薄い金属箔を用いることができるため、安価で軽量であるとともに、可撓性に富んだ電磁シールドチューブとすることができる。よって、この電磁シールドチューブを電線に被覆した状態で任意にかつ小さな弧で撓曲させて、車両のエンジンルーム内に有効に取り回し配置することができる。また、シールドテープ上の補強リブが螺旋状に配置されているため、電磁シールドチューブ全体が圧潰に対する剛性を充分に備えることになり、電線を外力等から有効に保護できる。
【0009】
また、シールドテープの側縁部を相互に重合させるとよい。このように構成した場合には、電線の外周を完全に被覆保護することができ、電線を水や塵埃等から保護できる。
さらに、前記構成においてリボンの側縁部を相互に重合させるとよい。このように構成した場合には、電線から発生する電磁波の吸収効率を向上させることができ、電磁波の漏洩を有効に防止できる。
【0010】
加えて、前記構成において、リボンの側縁部同士を電気的に接続するとよい。このようにすれば、切れ目のない円筒断面積の導電路が形成され、このため、電気抵抗値が低くすることができて、電磁波を効果的に吸収できる。
【0011】
さらに、前記の構成において、リボンの幅をテープ本体の幅と等しくなるようにするとよい。このように構成した場合には、電磁シールドチューブの周壁内に金属箔のリボンを隙間なく埋設配置することができて、電線から発生する電磁波の吸収効率を向上させることができる。
【0012】
加えて、前記の構成において、テープ本体はその厚さが均一となるように形成するとよい。このように構成した場合には、電磁シールドチューブの周壁をほぼ均一な厚さに形成することができて、電磁シールドチューブの軽量化及び可撓性向上を図ることができる。
【0013】
さらに、テープ本体は補強リブと対応する部分が他の部分よりも厚くなるように形成してもよい。このように構成した場合には、薄い部分において可撓性を確保できるとともに、補強リブと厚い部分によって電磁シールドチューブ全体の強度を向上させることができる。
【0014】
さらに、前記の構成において、金属箔をアルミニウムまたはその合金より構成するとよい。このように構成した場合には、電磁シールドチューブ全体の軽量化に寄与できるとともに、電気抵抗値が低いために電磁波の吸収効率の向上を図ることができる。
【0015】
さらに、前記の構成において、テープ本体の補強リブ間の部分を収縮させるとよい。このように構成した場合には、電磁シールドチューブが撓曲しやすくなって、電磁シールドチューブ全体の可撓性を一層向上させることができる。
【0016】
しかも、この発明は、電磁シールドチューブの製造方法において、金属箔よりなるリボンの少なくとも一側面の一部を絶縁被覆して構成したテープ本体と、このテープ本体にその長さ方向に延びるように一体化された補強リブとよりなるシールドテープを、その側縁部間に隙間が形成されることなく螺旋状に巻回してチューブ状に形成することを特徴としている。
【0017】
従って、この製造方法によれば、前記のような種々の効果を奏する電磁シールドチューブを容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、この発明によれば、電線を外力から適切に保護できるとともに、その電線から発生する電磁波を有効に吸収することができ、しかも安価で軽量であるとともに、可撓性があって車両のエンジンルーム内に効率よく取り回し配置することができる等の効果を有する電磁シールドチューブを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図6に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、この実施形態の電磁シールドチューブ21は、シールドテープ22をその側縁部間に隙間が形成されることなく、同側縁部が相互に重合されるように螺旋状に巻回することにより、全体としてチューブ状となるように形成されている。
【0020】
図3に示すように、シールドテープ22は、テープ本体23と、そのテープ本体23の一側縁の表面に同テープ本体23の長さ方向へ延びるように一体的に形成された突条形状の補強リブ24とから構成されている。
【0021】
前記テープ本体23は、金属箔よりなる導電性のリボン25を絶縁性を有する合成樹脂に埋設することにより、そのリボン25の表裏両面に絶縁層26を被覆形成して構成されるとともに、前記テープ本体23はその幅方向及び長さ方向において、厚さが均一となるように形成されている。前記補強リブ24は、絶縁層26と一体である。また、テープ本体23のリボン25は、その幅がテープ本体23の幅と等しくなるように形成されている。さらに、リボン25を構成する金属箔の材料としては、厚さ40μ以上のアルミニウムまたはアルミニウム合金が用いられている。これに対して、テープ本体23の絶縁層26及び補強リブ24の材料としては、ポリプロピレン、ナイロン(6ナイロン,66ナイロン等)等の耐熱性に優れた合成樹脂が用いられている。
【0022】
図1及び図2に示すように、前記電磁シールドチューブ21の補強リブ24間におけるテープ本体23の部分には、同電磁シールドチューブ21をその長さ方向に収縮させて金属箔からなるリボン25を塑性変形させることにより、収縮皺27が形成されている。そして、この収縮皺27の形成により、電磁シールドチューブ21の周壁に充分な可撓性が付与されて、電磁シールドチューブ21を任意の位置で所望の方向へ、かつ小さな弧となるように自由に撓曲させることができるように構成されている。
【0023】
次に、前記のような構成の電磁シールドチューブ21を製造するための製造装置について説明する。
図4及び図5に示すように、この製造装置においては、押出成形機31が装備され、この押出成形機31の押出口31aから、前記のような構成のテープ本体23及び補強リブ24を有するシールドテープ22が押出成形される。押出成形機31の前方にはローラ状の回転体32が所定角度傾斜した状態で対向配設され、この回転体32が回転された状態で、押出成形機31の押出口31aから押出成形されるシールドテープ22が高温未硬化状態のままで、回転体32の外周面に螺旋状に巻回される。回転体32の上方には押圧ローラ33が配設され、シールドテープ22が回転体32の外周面に巻回される際に、この押圧ローラ33により、シールドテープ22の側縁部の重合部分が押圧により接合一体化されて、図6に示すように、収縮皺27のない電磁シールドチューブ21が成形される。
【0024】
そして、電線Lに対する組み付けに際して、電磁シールドチューブ21を必要長さに切断する。これと前後して、図6に矢印で示すように、成形後の電磁シールドチューブ21を長さ方向に圧縮することにより、補強リブ24間におけるテープ本体23の部分が収縮されて、金属箔からなるリボン25が塑性変形され、螺旋状の収縮皺27が形成される。
【0025】
このような電磁シールドチューブ21を用いて電線Lのシールドを行う場合は、図2に2点鎖線で示すように、この電磁シールドチューブ21の内部に電線Lを挿通させるとともに、図1に示すように、電磁シールドチューブ21の両端開口に閉鎖部材21aを嵌入させて、この閉鎖部材21aにより電線Lの外周面と電磁シールドチューブ21の両端の内周面との間を密封する。また、電磁シールドチューブ21のリボン25にアース線(図示しない)を接続する。
【0026】
従って、この状態では、補強リブ24により、電磁シールドチューブ21全体の剛性が確保されて、電線Lを外力から保護することができるとともに、電磁シールドチューブ21の内部が水密状態に維持される。これに対し、前述した特許文献1の構成では、螺旋状の隙間があるために、電線を外力から保護したり、水や塵埃等から保護することが困難であるし、特許文献2の構成においても、単なるコルゲート形状で、厚さはほぼ均一であるため、電線を外力から保護する機能に乏しい。
【0027】
そして、この実施形態においては、リボン25の巻回部に隙間が形成されていないため、電線Lから生じる電磁波がリボン25で確実に捕捉され、前記アース線を介して逃がされる。しかも、リボン25はアルミニウムまたはその合金から形成されるとともに、隙間なく筒状に配置されているため、電気抵抗値が極めて低い。このため、前記特許文献2の技術とは異なり、電線Lから生じる電磁波を周囲に漏洩しないように有効に遮断することができる。
【0028】
しかも、この実施形態では、金属箔よりなるリボン25によって電磁波を捕捉するようになっているため、前述したステンレス製の網を用いた従来構成とは異なり、曲がりにくくなるのを防止できるとともに、軽量かつ安価に製造できる。従って、この実施形態においては、自動車への使用に好適であり、しかも、狭いエンジンルーム内に取り回しよく配置することができる。
【0029】
加えて、この実施形態では、補強リブ24間において電磁シールドチューブ21に対して容易に皺を形成できるため、その皺を伸ばしたり、縮めたりすることにより、電磁シールドチューブ21を容易に、かつ極めて小さい弧で湾曲させることができる。このため、前記と同様に狭いスペース内における取り回しに優れ、エンジンルーム内での使用に適するものとなる。この実施形態は、この点においても、ステンレス金網を用いた従来構成に対して優位性を保つものとなる。
【0030】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第2実施形態においては、図7〜図9に示すように、電磁シールドチューブ21が前記第1実施形態と同様に、シールドテープ22をその側縁部が相互に重合するように螺旋状に巻回して形成されている。シールドテープ22は、金属箔のリボン25を絶縁層26にて埋設被覆してなるテープ本体23と、そのテープ本体23上に一体的に形成された補強リブ24とから構成されている。
【0031】
この第2実施形態の場合、図9に示すように、テープ本体23は、補強リブ24と対応する部分が他の部分よりも厚くなるように形成されている。また、金属箔のリボン25は、このテープ本体23の肉厚部分のみにほぼ対応して所定幅で埋設されている。従って、この第2実施形態では、図8に示すように、シールドテープ22の螺旋状の巻回により、電磁シールドチューブ21が形成された状態で、電磁シールドチューブ21の周壁にリボン25の存在しない撓曲可能部分36が形成される。この撓曲可能部分36は金属箔よりなるリボン25が存在しないため、塑性変形されることはなく、弾力性を有する。ただし、この撓曲可能部分36は薄く形成されているため、剛性は強くない。従って、この第2実施形態では、撓曲可能部分36において電磁シールドチューブ21を剛性に抗して容易に撓曲させることができる。
【0032】
以上の点が相違するのみで、この第2実施形態においても、前記第1実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0033】
さて、この第3実施形態においては、図10及び図11に示すように、前記第2実施形態とほぼ同様な形状をなすシールドテープ22のテープ本体23内に、2枚の金属箔のリボン25が幅方向に並べて埋設されている。そして、このシールドテープ22の螺旋状の巻回により、電磁シールドチューブ21が形成された状態で、電磁シールドチューブ21の周壁に2枚のリボン25がほぼ隙間なく配置されて、電磁波の吸収効果が向上されるようになっている。また、この構成においては、図10に示すように、電磁シールドチューブ21の形成状態で、2枚のリボン25の端縁間に撓曲可能部分36が形成されて、その撓曲可能部分36において電磁シールドチューブ21を撓曲させることができるようになっている。
【0034】
従って、この第3実施形態においても、前記第1実施形態及び第2実施形態とほぼと同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0035】
この第4実施形態においては、図12に示すように、リボン25の補強リブ24の反対側の側面が絶縁層26によって被覆されることなく外側に露出されている。従って、この第4実施形態においては、シールドテープ22を巻回して、電磁シールドチューブ21とした場合、リボン25が同電磁シールドチューブ21の内面において、絶縁層26を介することなく電線Lに直接対面する。このため、リボン25は、電線Lから発生される電磁波を有効に吸収する。
【0036】
(第5実施形態)
次に、この発明の第5実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
この第5実施形態においては、図13及び図14に示すように、シールドテープ22において、リボン25の一側縁25aが補強リブ24の反対側に、他側縁25bが補強リブ24側に露出している。従って、このシールドテープ22を巻回して電磁シールドチューブ21とした場合、リボン25の隣接する側縁25a,25b同士が隙間なく接触して電気的に接続される。このため、リボン25により、切れ目のない円筒断面積の導電路が形成される。従って、電磁波の漏洩を防止できるばかりでなく、リボン25全体の電気抵抗値を低くすることができて、電磁波を効果的に吸収できる。
【0037】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記第1実施形態において、金属箔よりなるリボン25の片面のみに絶縁層26を設けてテープ本体23を構成し、そのテープ本体23の絶縁層26上に補強リブ24を一体的に形成すること。
【0038】
・ 前記各実施形態の電磁シールドチューブ21の製造に際して、金属箔よりなるリボン25に絶縁層26を被覆してテープ本体23を形成する場合、押出成形方法を用いることなくラミネート被覆方法を用いること。
【0039】
・ 前記第2,第3実施形態において、テープ本体23の補強リブ24と対応する部分を他の部分と同じ厚さとすること。逆に、前記第1実施形態において、補強リブ24と対応する部分を他の部分よりも厚くすること。
【0040】
・ リボン25の絶縁層26による被覆を同リボン25の少なくとも一側面の一部のみに対して行うこと。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1実施形態の電磁シールドチューブを示す部分正面図。
【図2】図1の電磁シールドチューブの部分断面図。
【図3】図1の電磁シールドチューブに用いられるシールドテープの断面図。
【図4】図1の電磁シールドチューブの製造装置を示す平面図。
【図5】図4の電磁シールドチューブの製造装置の正面図。
【図6】電磁シールドチューブの製造過程の部分断面図。
【図7】第2実施形態の電磁シールドチューブを示す部分正面図。
【図8】図7の電磁シールドチューブの部分断面図。
【図9】図7の電磁シールドチューブに用いられるシールドテープの断面図。
【図10】第3実施形態の電磁シールドチューブを示す部分断面図。
【図11】図10の電磁シールドチューブに用いられるシールドテープの断面図。
【図12】第4実施形態のシールドテープを示す断面図。
【図13】第5実施形態のシールドテープを示す断面図。
【図14】第5実施形態の電磁シールドチューブを示す断面図。
【符号の説明】
【0042】
21…電磁シールドチューブ、22…シールドテープ、23…テープ本体、24…補強リブ、25…金属箔のリボン、26…絶縁層、27…収縮部、31…押出成形機、32…回転体、33…押圧ローラ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばハイブリッド自動車等において、インバータとバッテリとの間を接続する高電圧電線を被覆して、その電線から発生する電磁波が漏洩しないようにした電磁シールドチューブ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電磁シールドチューブとしては、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されるような構成のものが提案されている。
すなわち、特許文献1に記載の従来構成では、内部に金属製のシールド部材を埋設してなる絶縁樹脂帯状板を、その側縁部間に隙間を形成した状態でスパイラル状に巻回して構成されている。また、特許文献2に記載の構成では、導電性合成樹脂よりなるコルゲートチューブ本体の周壁内に、複数の金属製アース線をチューブの軸線方向に沿って延びるように埋設して構成されている。
【特許文献1】実開昭56−172560号公報
【特許文献2】実開平2−137095号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、これらの従来の電磁シールドチューブにおいては、次のような問題があった。
すなわち、特許文献1に記載の構成では、チューブ全体の可撓性を確保するために、絶縁樹脂帯状板がその側縁部を互いに重合させることなく、前記のように、その側縁部間に隙間を形成した状態でスパイラル状に電線の外周に対して巻き付けられている。よって、この電磁シールドチューブにより電線を被覆した場合、電線が外部に露出するため、この特許文献1のチューブにおいては、水等に対して同電線を被覆状態で保護することができない。そもそも、この特許文献1のチューブは、発明の名称が「スパイラルチューブ」とはなっているものの、電線に巻き付けられた状態で、絶縁樹脂帯状板の側縁部間に螺旋状の隙間が形成されるものであるため、チューブとは言い難い。
【0004】
また、特許文献2に記載の構成では、コルゲートチューブ本体は導電性を有するとしているが、このコルゲートチューブ本体は、樹脂材料に炭素繊維等を混入したものであるため、電気抵抗値が高い。加えて、コルゲートチューブ本体の周壁内に埋設された金属製アース線は細いため、同金属製アース線も電気抵抗値が高く、しかも容易に切断しやすい。よって、この電磁シールドチューブにより電線を被覆した場合、電線から発生する電磁波を有効に吸収することができないという問題があった。しかも、ひだを有するコルゲートチューブ本体にその軸線方向に延びるように金属製アース線を埋設することは、製造上手間がかかり、このため、製造が面倒でコスト高になるものであった。
【0005】
さらに、近年普及しつつあるハイブリッド自動車においては、インバータとバッテリとの間を接続する電線に数百ボルトの高電圧が印加されるので、その電線から発生する電磁波をシールドするために、例えば特許文献2の図5(ロ)に示すような構成に類似したシールドチューブが採用されている。すなわち、このシールドチューブでは、ステンレス等よりなる筒状のシールド金網がチューブ本体に埋設して構成されている。このようなシールドチューブを採用した場合には、高価なステンレス製の金網を用いるため、コストアップを招くという問題があった。さらには、電磁波の漏洩を防止するためには、金網としてステンレス線材を密に編んで網目を細かくする必要があるが、このようにすると、金網の剛性が高くなってチューブ全体が硬くなり、チューブを小さな弧で湾曲させることができなくなり、狭いエンジンルーム内における取り回し使用に不適である。しかも、ステンレス線材を密に編むということは、ステンレスの量が多くなって、軽量化の達成を困難にする。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、安価で軽量であるとともに、可撓性に富んで車両のエンジンルーム内において湾曲状態で適切に取り回し使用することができ、しかも、電線の外周を確実に保護することができるとともに、その電線から発生する電磁波を有効に吸収することができる電磁シールドチューブ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明は、導電性のリボンの少なくとも一側面の一部を絶縁被覆して構成したテープ本体と、このテープ本体にその長さ方向に延びるように一体化された補強リブとよりなるシールドテープを使用し、このシールドテープをその側縁部間に隙間が形成されないように螺旋状に巻回して構成したことを特徴としている。
【0008】
以上のように構成すれば、シールドテープ内に金属箔よりなるリボンを螺旋状に延長配置させることができるため、低い電気抵抗値を達成できて、電線から発生する電磁波を有効に吸収することができる。そして、リボンとして薄い金属箔を用いることができるため、安価で軽量であるとともに、可撓性に富んだ電磁シールドチューブとすることができる。よって、この電磁シールドチューブを電線に被覆した状態で任意にかつ小さな弧で撓曲させて、車両のエンジンルーム内に有効に取り回し配置することができる。また、シールドテープ上の補強リブが螺旋状に配置されているため、電磁シールドチューブ全体が圧潰に対する剛性を充分に備えることになり、電線を外力等から有効に保護できる。
【0009】
また、シールドテープの側縁部を相互に重合させるとよい。このように構成した場合には、電線の外周を完全に被覆保護することができ、電線を水や塵埃等から保護できる。
さらに、前記構成においてリボンの側縁部を相互に重合させるとよい。このように構成した場合には、電線から発生する電磁波の吸収効率を向上させることができ、電磁波の漏洩を有効に防止できる。
【0010】
加えて、前記構成において、リボンの側縁部同士を電気的に接続するとよい。このようにすれば、切れ目のない円筒断面積の導電路が形成され、このため、電気抵抗値が低くすることができて、電磁波を効果的に吸収できる。
【0011】
さらに、前記の構成において、リボンの幅をテープ本体の幅と等しくなるようにするとよい。このように構成した場合には、電磁シールドチューブの周壁内に金属箔のリボンを隙間なく埋設配置することができて、電線から発生する電磁波の吸収効率を向上させることができる。
【0012】
加えて、前記の構成において、テープ本体はその厚さが均一となるように形成するとよい。このように構成した場合には、電磁シールドチューブの周壁をほぼ均一な厚さに形成することができて、電磁シールドチューブの軽量化及び可撓性向上を図ることができる。
【0013】
さらに、テープ本体は補強リブと対応する部分が他の部分よりも厚くなるように形成してもよい。このように構成した場合には、薄い部分において可撓性を確保できるとともに、補強リブと厚い部分によって電磁シールドチューブ全体の強度を向上させることができる。
【0014】
さらに、前記の構成において、金属箔をアルミニウムまたはその合金より構成するとよい。このように構成した場合には、電磁シールドチューブ全体の軽量化に寄与できるとともに、電気抵抗値が低いために電磁波の吸収効率の向上を図ることができる。
【0015】
さらに、前記の構成において、テープ本体の補強リブ間の部分を収縮させるとよい。このように構成した場合には、電磁シールドチューブが撓曲しやすくなって、電磁シールドチューブ全体の可撓性を一層向上させることができる。
【0016】
しかも、この発明は、電磁シールドチューブの製造方法において、金属箔よりなるリボンの少なくとも一側面の一部を絶縁被覆して構成したテープ本体と、このテープ本体にその長さ方向に延びるように一体化された補強リブとよりなるシールドテープを、その側縁部間に隙間が形成されることなく螺旋状に巻回してチューブ状に形成することを特徴としている。
【0017】
従って、この製造方法によれば、前記のような種々の効果を奏する電磁シールドチューブを容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、この発明によれば、電線を外力から適切に保護できるとともに、その電線から発生する電磁波を有効に吸収することができ、しかも安価で軽量であるとともに、可撓性があって車両のエンジンルーム内に効率よく取り回し配置することができる等の効果を有する電磁シールドチューブを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図6に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、この実施形態の電磁シールドチューブ21は、シールドテープ22をその側縁部間に隙間が形成されることなく、同側縁部が相互に重合されるように螺旋状に巻回することにより、全体としてチューブ状となるように形成されている。
【0020】
図3に示すように、シールドテープ22は、テープ本体23と、そのテープ本体23の一側縁の表面に同テープ本体23の長さ方向へ延びるように一体的に形成された突条形状の補強リブ24とから構成されている。
【0021】
前記テープ本体23は、金属箔よりなる導電性のリボン25を絶縁性を有する合成樹脂に埋設することにより、そのリボン25の表裏両面に絶縁層26を被覆形成して構成されるとともに、前記テープ本体23はその幅方向及び長さ方向において、厚さが均一となるように形成されている。前記補強リブ24は、絶縁層26と一体である。また、テープ本体23のリボン25は、その幅がテープ本体23の幅と等しくなるように形成されている。さらに、リボン25を構成する金属箔の材料としては、厚さ40μ以上のアルミニウムまたはアルミニウム合金が用いられている。これに対して、テープ本体23の絶縁層26及び補強リブ24の材料としては、ポリプロピレン、ナイロン(6ナイロン,66ナイロン等)等の耐熱性に優れた合成樹脂が用いられている。
【0022】
図1及び図2に示すように、前記電磁シールドチューブ21の補強リブ24間におけるテープ本体23の部分には、同電磁シールドチューブ21をその長さ方向に収縮させて金属箔からなるリボン25を塑性変形させることにより、収縮皺27が形成されている。そして、この収縮皺27の形成により、電磁シールドチューブ21の周壁に充分な可撓性が付与されて、電磁シールドチューブ21を任意の位置で所望の方向へ、かつ小さな弧となるように自由に撓曲させることができるように構成されている。
【0023】
次に、前記のような構成の電磁シールドチューブ21を製造するための製造装置について説明する。
図4及び図5に示すように、この製造装置においては、押出成形機31が装備され、この押出成形機31の押出口31aから、前記のような構成のテープ本体23及び補強リブ24を有するシールドテープ22が押出成形される。押出成形機31の前方にはローラ状の回転体32が所定角度傾斜した状態で対向配設され、この回転体32が回転された状態で、押出成形機31の押出口31aから押出成形されるシールドテープ22が高温未硬化状態のままで、回転体32の外周面に螺旋状に巻回される。回転体32の上方には押圧ローラ33が配設され、シールドテープ22が回転体32の外周面に巻回される際に、この押圧ローラ33により、シールドテープ22の側縁部の重合部分が押圧により接合一体化されて、図6に示すように、収縮皺27のない電磁シールドチューブ21が成形される。
【0024】
そして、電線Lに対する組み付けに際して、電磁シールドチューブ21を必要長さに切断する。これと前後して、図6に矢印で示すように、成形後の電磁シールドチューブ21を長さ方向に圧縮することにより、補強リブ24間におけるテープ本体23の部分が収縮されて、金属箔からなるリボン25が塑性変形され、螺旋状の収縮皺27が形成される。
【0025】
このような電磁シールドチューブ21を用いて電線Lのシールドを行う場合は、図2に2点鎖線で示すように、この電磁シールドチューブ21の内部に電線Lを挿通させるとともに、図1に示すように、電磁シールドチューブ21の両端開口に閉鎖部材21aを嵌入させて、この閉鎖部材21aにより電線Lの外周面と電磁シールドチューブ21の両端の内周面との間を密封する。また、電磁シールドチューブ21のリボン25にアース線(図示しない)を接続する。
【0026】
従って、この状態では、補強リブ24により、電磁シールドチューブ21全体の剛性が確保されて、電線Lを外力から保護することができるとともに、電磁シールドチューブ21の内部が水密状態に維持される。これに対し、前述した特許文献1の構成では、螺旋状の隙間があるために、電線を外力から保護したり、水や塵埃等から保護することが困難であるし、特許文献2の構成においても、単なるコルゲート形状で、厚さはほぼ均一であるため、電線を外力から保護する機能に乏しい。
【0027】
そして、この実施形態においては、リボン25の巻回部に隙間が形成されていないため、電線Lから生じる電磁波がリボン25で確実に捕捉され、前記アース線を介して逃がされる。しかも、リボン25はアルミニウムまたはその合金から形成されるとともに、隙間なく筒状に配置されているため、電気抵抗値が極めて低い。このため、前記特許文献2の技術とは異なり、電線Lから生じる電磁波を周囲に漏洩しないように有効に遮断することができる。
【0028】
しかも、この実施形態では、金属箔よりなるリボン25によって電磁波を捕捉するようになっているため、前述したステンレス製の網を用いた従来構成とは異なり、曲がりにくくなるのを防止できるとともに、軽量かつ安価に製造できる。従って、この実施形態においては、自動車への使用に好適であり、しかも、狭いエンジンルーム内に取り回しよく配置することができる。
【0029】
加えて、この実施形態では、補強リブ24間において電磁シールドチューブ21に対して容易に皺を形成できるため、その皺を伸ばしたり、縮めたりすることにより、電磁シールドチューブ21を容易に、かつ極めて小さい弧で湾曲させることができる。このため、前記と同様に狭いスペース内における取り回しに優れ、エンジンルーム内での使用に適するものとなる。この実施形態は、この点においても、ステンレス金網を用いた従来構成に対して優位性を保つものとなる。
【0030】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第2実施形態においては、図7〜図9に示すように、電磁シールドチューブ21が前記第1実施形態と同様に、シールドテープ22をその側縁部が相互に重合するように螺旋状に巻回して形成されている。シールドテープ22は、金属箔のリボン25を絶縁層26にて埋設被覆してなるテープ本体23と、そのテープ本体23上に一体的に形成された補強リブ24とから構成されている。
【0031】
この第2実施形態の場合、図9に示すように、テープ本体23は、補強リブ24と対応する部分が他の部分よりも厚くなるように形成されている。また、金属箔のリボン25は、このテープ本体23の肉厚部分のみにほぼ対応して所定幅で埋設されている。従って、この第2実施形態では、図8に示すように、シールドテープ22の螺旋状の巻回により、電磁シールドチューブ21が形成された状態で、電磁シールドチューブ21の周壁にリボン25の存在しない撓曲可能部分36が形成される。この撓曲可能部分36は金属箔よりなるリボン25が存在しないため、塑性変形されることはなく、弾力性を有する。ただし、この撓曲可能部分36は薄く形成されているため、剛性は強くない。従って、この第2実施形態では、撓曲可能部分36において電磁シールドチューブ21を剛性に抗して容易に撓曲させることができる。
【0032】
以上の点が相違するのみで、この第2実施形態においても、前記第1実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0033】
さて、この第3実施形態においては、図10及び図11に示すように、前記第2実施形態とほぼ同様な形状をなすシールドテープ22のテープ本体23内に、2枚の金属箔のリボン25が幅方向に並べて埋設されている。そして、このシールドテープ22の螺旋状の巻回により、電磁シールドチューブ21が形成された状態で、電磁シールドチューブ21の周壁に2枚のリボン25がほぼ隙間なく配置されて、電磁波の吸収効果が向上されるようになっている。また、この構成においては、図10に示すように、電磁シールドチューブ21の形成状態で、2枚のリボン25の端縁間に撓曲可能部分36が形成されて、その撓曲可能部分36において電磁シールドチューブ21を撓曲させることができるようになっている。
【0034】
従って、この第3実施形態においても、前記第1実施形態及び第2実施形態とほぼと同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0035】
この第4実施形態においては、図12に示すように、リボン25の補強リブ24の反対側の側面が絶縁層26によって被覆されることなく外側に露出されている。従って、この第4実施形態においては、シールドテープ22を巻回して、電磁シールドチューブ21とした場合、リボン25が同電磁シールドチューブ21の内面において、絶縁層26を介することなく電線Lに直接対面する。このため、リボン25は、電線Lから発生される電磁波を有効に吸収する。
【0036】
(第5実施形態)
次に、この発明の第5実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
この第5実施形態においては、図13及び図14に示すように、シールドテープ22において、リボン25の一側縁25aが補強リブ24の反対側に、他側縁25bが補強リブ24側に露出している。従って、このシールドテープ22を巻回して電磁シールドチューブ21とした場合、リボン25の隣接する側縁25a,25b同士が隙間なく接触して電気的に接続される。このため、リボン25により、切れ目のない円筒断面積の導電路が形成される。従って、電磁波の漏洩を防止できるばかりでなく、リボン25全体の電気抵抗値を低くすることができて、電磁波を効果的に吸収できる。
【0037】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記第1実施形態において、金属箔よりなるリボン25の片面のみに絶縁層26を設けてテープ本体23を構成し、そのテープ本体23の絶縁層26上に補強リブ24を一体的に形成すること。
【0038】
・ 前記各実施形態の電磁シールドチューブ21の製造に際して、金属箔よりなるリボン25に絶縁層26を被覆してテープ本体23を形成する場合、押出成形方法を用いることなくラミネート被覆方法を用いること。
【0039】
・ 前記第2,第3実施形態において、テープ本体23の補強リブ24と対応する部分を他の部分と同じ厚さとすること。逆に、前記第1実施形態において、補強リブ24と対応する部分を他の部分よりも厚くすること。
【0040】
・ リボン25の絶縁層26による被覆を同リボン25の少なくとも一側面の一部のみに対して行うこと。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1実施形態の電磁シールドチューブを示す部分正面図。
【図2】図1の電磁シールドチューブの部分断面図。
【図3】図1の電磁シールドチューブに用いられるシールドテープの断面図。
【図4】図1の電磁シールドチューブの製造装置を示す平面図。
【図5】図4の電磁シールドチューブの製造装置の正面図。
【図6】電磁シールドチューブの製造過程の部分断面図。
【図7】第2実施形態の電磁シールドチューブを示す部分正面図。
【図8】図7の電磁シールドチューブの部分断面図。
【図9】図7の電磁シールドチューブに用いられるシールドテープの断面図。
【図10】第3実施形態の電磁シールドチューブを示す部分断面図。
【図11】図10の電磁シールドチューブに用いられるシールドテープの断面図。
【図12】第4実施形態のシールドテープを示す断面図。
【図13】第5実施形態のシールドテープを示す断面図。
【図14】第5実施形態の電磁シールドチューブを示す断面図。
【符号の説明】
【0042】
21…電磁シールドチューブ、22…シールドテープ、23…テープ本体、24…補強リブ、25…金属箔のリボン、26…絶縁層、27…収縮部、31…押出成形機、32…回転体、33…押圧ローラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性のリボンの少なくとも一側面の一部を絶縁被覆して構成したテープ本体と、このテープ本体にその長さ方向に延びるように一体化された補強リブとよりなるシールドテープを使用し、このシールドテープをその側縁部間に隙間が形成されないように螺旋状に巻回して構成したことを特徴とする電磁シールドチューブ。
【請求項2】
前記シールドテープの側縁部を相互に重合したことを特徴とする請求項1に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項3】
前記リボンの側縁部を相互に重合したことを特徴とする請求項2に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項4】
前記リボンの側縁部同士を電気的に接続したことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項5】
前記リボンがテープ本体の幅と等しいことを特徴とする請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項6】
前記テープ本体はその厚さが均一である請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項7】
前記テープ本体は補強リブと対応する部分が他の部分よりも厚く形成されている請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項8】
前記リボンがアルミニウムまたはその合金よりなることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項9】
前記テープ本体の補強リブ間の部分を収縮させたことを特徴とする請求項1〜請求項8のうちのいずれか一項に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項10】
導電性のリボンの少なくとも一側面の一部を絶縁被覆して構成したテープ本体と、このテープ本体にその長さ方向に延びるように一体化された補強リブとよりなるシールドテープを、その側縁部間に隙間が形成されることなく螺旋状に巻回してチューブ状に形成することを特徴とした電磁シールドチューブの製造方法。
【請求項1】
導電性のリボンの少なくとも一側面の一部を絶縁被覆して構成したテープ本体と、このテープ本体にその長さ方向に延びるように一体化された補強リブとよりなるシールドテープを使用し、このシールドテープをその側縁部間に隙間が形成されないように螺旋状に巻回して構成したことを特徴とする電磁シールドチューブ。
【請求項2】
前記シールドテープの側縁部を相互に重合したことを特徴とする請求項1に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項3】
前記リボンの側縁部を相互に重合したことを特徴とする請求項2に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項4】
前記リボンの側縁部同士を電気的に接続したことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項5】
前記リボンがテープ本体の幅と等しいことを特徴とする請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項6】
前記テープ本体はその厚さが均一である請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項7】
前記テープ本体は補強リブと対応する部分が他の部分よりも厚く形成されている請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項8】
前記リボンがアルミニウムまたはその合金よりなることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項9】
前記テープ本体の補強リブ間の部分を収縮させたことを特徴とする請求項1〜請求項8のうちのいずれか一項に記載の電磁シールドチューブ。
【請求項10】
導電性のリボンの少なくとも一側面の一部を絶縁被覆して構成したテープ本体と、このテープ本体にその長さ方向に延びるように一体化された補強リブとよりなるシールドテープを、その側縁部間に隙間が形成されることなく螺旋状に巻回してチューブ状に形成することを特徴とした電磁シールドチューブの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−157825(P2007−157825A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−347831(P2005−347831)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】
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