説明

電磁波シールド部材及び電磁波シールド装置

【課題】人体に影響のある帯域の電磁波など、所定帯域の電磁波を十分にカット可能で、かつ可視光等のように前記所定帯域とは別帯域の電磁波を100%近く透過させることができる電磁波シールド部材を提供する。
【解決手段】この電磁波シールド部材2は、所定帯域の電磁波である第1電磁波を遮蔽する遮蔽部31及び厚み方向に貫通する開口部32を交互に配設してなる電磁波遮蔽板3と、前記各開口部32に嵌装され又は各開口部32に臨む位置に設けられ、前記電磁波遮蔽板3の一方の面から突出する突出体4とを備えてなり、前記突出体4が、前記所定帯域とは別帯域の電磁波である第2電磁波を少なくとも透過させる誘電体で形成され、かつその第2電磁波を集める作用を奏するようにその形態及び配設ピッチが設定されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、所定帯域の電磁波をシールドし、それ以外の一部又は全部の帯域の電磁波を透過させる電磁波シールド部材及びそれを用いた電磁波シールド装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、透光性を有しつつ、電磁波のみを遮断するようにした電磁波シールド部材が知られている。この電磁波シールド部材は、例えばCRTに取り付けられて、視認性を確保しつつも人体に有害な電磁波を遮断するため等に用いられている。例えばこの特許文献1では、透光性を有する板状の透明基体に、互いに隙間を空けて多数の微細な金属片を貼り付け、その金属片によって電磁波を遮断するとともに、それら金属片の隙間から光を透過させることにより透光性を維持するようにしている。
しかしながら、前述の電磁波シールド部材では、確かに光を透過させることはできるものの、金属片が邪魔をして100%に近い透過率は得られず、50%程度の透過率が精々である。
【特許文献1】特開平10−56289
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで本発明は、人体に影響のある帯域の電磁波など、所定帯域の電磁波を十分にカット可能で、かつ可視光等のように前記所定帯域とは別帯域の電磁波を100%近く透過させることができる電磁波シールド部材及びそれを用いた電磁波シールド装置を提供すべく図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわち、本発明に係る電磁波シールド部材は、所定帯域の電磁波である第1電磁波を遮蔽する遮蔽部及び厚み方向に貫通する開口部を交互に配設してなる電磁波遮蔽板と、前記各開口部に嵌装され又は各開口部に臨む位置に設けられ、前記電磁波遮蔽板の一方の面から突出する突出体とを備えてなり、前記突出体が、前記所定帯域とは別帯域の電磁波である第2電磁波を少なくとも透過させる誘電体で形成され、かつその第2電磁波を集める作用を奏するようにその形態及び配設ピッチが設定されていることを特徴とする。
【0005】
このようなものであれば、電磁波遮蔽板に向かって進み、本来そこで遮蔽あるいは減衰されてしまう第2電磁波が突出体に集まって透過するため、突出体の形態やピッチを適宜設定することにより、第2電磁波を非常に高効率で透過させつつ、第1電磁波のみを電磁波遮蔽板で遮蔽することが可能になる。
【0006】
本発明の好適な具体的態様としては、前記第2電磁波が可視光のほぼ全領域に亘るものであり、前記第1電磁波が、可視光を含み、あるいは可視光を除いて、それよりも長波長の電磁波であるものを挙げることができる。このようなものであれば、非常に高い透光性、視認性を確保しつつ、赤外線や電波などの長波長の電磁波をカットできる。
【0007】
第2電磁波を非常に高効率で透過させることが可能であるということは、突出体の形態やピッチの制御で、第2電磁波の透過効率を広いレンジで調整できるということである。具体的には、前記一方の面側からの第2電磁波の透過率を、約0〜98%で調整可能である。
【0008】
遮蔽部を電磁波遮蔽のみならず、電極や良好な熱伝導素材として用いることができるようにし、幅広い応用を可能にするには、前記遮蔽部を、電導性を有する金属製のもので形成しておけばよい。また絶縁したければ非電導性の合成樹脂を使用すればよい。
【0009】
遮蔽部は可視光を遮断するものに限らない。例えば、ITO膜や電磁波を遮蔽する合成樹脂などの透光性を有するものであってもよい。
【0010】
他方の面からも第2電磁波を効率よく透過させるには、電磁波遮蔽板の他方の面から突出する第2突出体を配設し、その第2突出体の配設対応位置に、電磁波遮蔽板を貫通する第2開口部を形成するとともに、前記第2突出体を、前記所定帯域とは別帯域の電磁波である第2電磁波を少なくとも透過させる部材で形成し、かつ前記第2電磁波を集める作用を奏するように、その形態及び配設ピッチを設定しているものが望ましい。
【0011】
ここで第2開口部は、前記開口部と別の場所に設けてもよいし、重なってもかまわない。またそれら開口部が重なった場合は、突出体と第2突出体とを連続させて1本の棒状のものとし、それが電磁波遮蔽板を貫通して両方の面から突出するような態様にしておけばよい。
【0012】
突出体が、前記第2電磁波とは別帯域又はそれと一部ないし全部が重なる帯域の第3電磁波を少なくとも透過させる部材で形成されたものであって、複数の突出体を所定エリア内に集合させて配置した突出体群を複数設け、突出体群を一つの部材として見た場合の形態及び突出体群間の配設ピッチを、前記第3電磁波を集める作用を奏するように設定しているものであれば、突出体単体での第2電磁波に対する集光透過作用と、突出体群としての第3電磁波に対する集光透過作用との双方が営まれるため、互いに異なる複数領域の電磁波を透過させたり、あるいはそれら領域を一部重ならせて、大きな波長領域で電磁波を透過させることが可能になる。
【0013】
また、本発明は、このような電磁波シールド部材を厚み方向に複数積層させるとともに、電磁波シールド部材それぞれが透過可能な電磁波の帯域を一部異ならせるようにしている電磁波シールド装置である。このようなものであれば、逆に透過させたい電磁波の帯域を絞り込むことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように構成した本発明によれば、電磁波遮蔽板に向かって進み、本来そこで遮蔽あるいは減衰されてしまう第2電磁波が突出体に集まって透過するため、突出体の形態やピッチを適宜設定することにより、第2電磁波を非常に高効率で透過させつつ、第1電磁波のみを電磁波遮蔽板で遮蔽することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の一実施形態につき、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る電磁波シールド部材2は、図1、図2に示すように、遮蔽部31及び厚み方向に貫通する開口部たる貫通孔32を交互に配設してなる電磁波遮蔽板3と、各貫通孔32に嵌装されて前記電磁波遮蔽板3における一方の面から突出する複数の突出体4とを備えたものである。
【0016】
電磁波遮蔽板3は、金属製(ここではアルミニウム、厚み約0.2μm)の板状体であり、その所定領域に亘って、貫通孔32を、例えば正方格子点上に(縦横に)所定ピッチで設けてなるものである。貫通孔32以外の部分である遮蔽部31は、可視領域の光(以下単に光という場合もある)を含むそれ以上の波長の電磁波(赤外線、マイクロ波、電波等)である幅広い帯域の第1電磁波を遮断する。この電磁波遮蔽板3(遮蔽部31)の他方の面3aは、光を反射する反射面にしてある。反射態様は、面荒さや色彩などで多様にでき、例えば光を正反射する鏡面にしてもよいし、色彩、凹凸などを付与して光を散乱反射するようにしてもよい。また、この遮蔽部31は、人体に影響があるなどの所望の電磁波をカットできるものであればよく、例えばITO膜や他の合成樹脂などのように可視領域の光を透過させるもので形成してもよい。
【0017】
突出体4は、第2電磁波である光を少なくとも透過させる素材で形成されており、ここでは円柱状をなすガラス(SiO)であるが、その他ITOなど、光を透過させる誘電体で形成すればよい。その径、長さ(高さ)、ピッチは、例えばそれぞれ0.001〜1.0×10μm程度であるが、この突出体4が、電磁波である光を集光し透過させるアンテナとしての機能を発揮でき、かつ所望の光透過率を得られるように適宜設定すればよい。
【0018】
つまり、この突出体4の径が透過させたい第2電磁波の周波数(波長)を規定し、高さが、突出体4の内部の反射率を前記周波数との関係で定める。また、この突出体4はアンテナ効果による集光作用(電磁波を集める作用)を奏し、そのアンテナ効果が及ぶ範囲を超えてピッチが設定されると、集光作用が及ばない領域が出てくるため、そのピッチによって透過率を定めることができる。具体的には、その径が、透過させたい帯域の光の波長の1.0×10ー7〜5.5×10倍、その長さが、透過させたい帯域の光の波長の0.75×10ー7〜4.2×10倍、その配設ピッチが透過させたい帯域の光の波長の0.55×10ー7〜3.2×10倍に設定しておくことが好ましい。
【0019】
この実施形態において、突出体4は、同じ素材で形成した光透過板5の一方の面から一体に突出させてあり、光透過板5を、電磁波遮蔽板3の他方の面3aに密着させて層構造とすることにより、突出体4が貫通孔32を挿通して電磁波遮蔽板3の一方の面よりも突出するとともに、光透過板5が、電磁波遮蔽板3の他方の面3aを保護するように構成している。
【0020】
このように構成した電磁波シールド部材2の各面からの光透過特性、反射特性を図3に示す。一方の面側からの光を非常に効率よく透過する一方、外部からの光は反射する。なお、比較のため、貫通孔も突出体も有さない電磁波遮蔽板のみの場合を図4に、突出体を有さない態様の場合を図5に示す。突出体4を有するこの電磁波シールド部材2において、一方の面側からの光透過特性に大きな違いがあることがわかる。
【0021】
したがって、このような電磁波シールド部材2によれば、電磁波遮蔽板3に向かって進み、本来そこで遮蔽あるいは減衰されてしまう光が、集光効果によって突出体4に集光され透過するため、突出体4の形態やピッチを適宜設定することにより、光を非常に高効率で透過させつつ、第1電磁波のみを電磁波遮蔽板3で遮蔽することが可能になる。つまり、非常に高い透光性、視認性を確保しつつ、赤外線や電波などの長波長の電磁波をカットできる。
【0022】
また、突出体4の形態やピッチの制御で、光の透過効率を広いレンジ(約0〜98%)で調整できる。
【0023】
さらにこの例では、電磁波遮蔽板3を、アルミニウム等の金属で形成しているため、これを電極や良好な熱伝導素材として用いることができ、幅広い応用が可能になる。
【0024】
次に、電磁波シールド部材2の種々の変形態様について説明する。なお、以下の説明中、前記実施形態に対応する部材には同一の符号を付している。
【0025】
まず、突出体4の他の形状例を、図6、図7に示す。突出体4は、円柱のみならず多角柱でもよいし、先端が丸みを帯びていてもよい。また多角錐や円錐、台形柱などの角錐形状でもよく、一方向に延びる突条でもよい。要は突出形状であればよく、一部またはそれぞれの形態が互いに異なっても構わない。ピッチがランダムに設定してあってもよい。
【0026】
また、図8に示すように、突出体4を、異なる屈折率の素材4a〜4dを用いて高さ方向に積み重ねた多層構造のものにしてもよい。例えば先端の層4aから順に屈折率の高い層4dへとなだらかに多層化した場合、一度入射した光が突出体から放出されにくくなる。また屈折率の層を適切な順に多層化すると、プリズム作用で透過した光が角度によって異なるスペクトルを放ち、光の色に係る質感を変化させることが可能になる。また層数と層の厚みを適宜設定して、目的のスペクトルをさらに効率よく透過させることも可能になる。
【0027】
図9、図10は、突出体4を多層構造にしつつ、各層4a〜4dを中央が上方に膨出する膨出形状にしたものである。図9は、層4a〜4dの断面形状が三角型、図10は円弧型である。これら図9、10のものによれば、図8の平層型のものに比して、スペクトルの制御を行いやすい。また、図10のものによれば、レンズ形状のために光を突出体4の中央に集められるという効果も奏する。
【0028】
電磁波遮蔽板3は、前述したように金属でもよいし、その他の素材でも構わない。この電磁波遮蔽板3に他の特性、すなわち電導性やその逆に絶縁性、熱伝導性などを有する部材を用いれば、例えば金属であると、電導性に富むことから電極として利用でき、熱伝導性に富むことから、曇り止めの鏡やガラスに適用できる。また、電磁波遮蔽板3の他方の面3aを粗い面にするなどして外観を調整し光遮蔽性以外に、デザイン的や光質の観点から素材を選択してもよい。また可視光以外の特定帯域の電磁波を遮断する効果も得られる。
【0029】
図11に示すように、電磁波遮蔽板3を多層構造31a〜31dにしてもよい。このことによって、電磁波の遮蔽効果を増大させることができ、また酸化や劣化の防止にも寄与する。
【0030】
さらに電磁波遮蔽板3は、前記実施形態のように、一枚の板(膜もふくむ)に開口部として貫通孔32を設けた構成でもよいし、多数の分割された遮蔽部31が、それぞれ隙間を有して光透過板5に貼り付けられているような構成でもよい。その場合、遮蔽部31間の隙間が開口部になる。
【0031】
また、前記実施形態では、一方の面からの光の透過率は100%に近く、逆に言えばその光の反射率はほぼ0%であったわけだが、例えば光の透過率を下げる方向(光の反射率を上げる方向)に制御するには、その突出体4による光の集光効果が生じる領域よりもピッチを十分に大きくとればよい。その他に、遮蔽部31の一方の面の形状に工夫を施しても、透過率制御が可能である。具体的には、図12に示すように、膨出湾曲面にしたり、断面凹形状(断面U字型やV字型)にしたりしたものが考えられる。
【0032】
光透過板5は必ずしも必要なく、また、図13に示すように、この光透過板5を突出体4とは異なる部材にしても構わない。図14は、突出体4が、光透過板5を貫通するように構成した例である。図15は突出体4の下の光透過板5に孔が貫通している例である。また、光透過板5の他方の面側に電磁波遮蔽板3を配してもよい。
【0033】
また、突出体4と貫通孔32とは同径である必要はない。外部からの光の反射率は遮蔽部31と貫通孔32との面積比でおおよそ定まるため、その反射率を下げたければ、図16に示すように、貫通孔32の径を突出体4の径を大きくすればよく、その逆であれば、図17に示すように貫通孔32の径を突出体4の径よりも小さくすればよい。この場合、一方の面からの光の透過率が悪くなるが、それも図9〜図11のように突出体4を多層構造にするなどして透過率を増減させることが可能である。
【0034】
図18は、保護のために突出体4の突出体分の側周囲を、保護部9で覆った形態である。突出体4での集光作用を保つには突出体4の誘電率を周囲よりも大きく、すなわち保護部9の誘電率よりも大きくすることが必要である。また保護部9は突出体4の高さと同じである必要はない。
【0035】
さらに、前記突出体4の配設されていない隙間に、電磁波遮蔽板3よりも反光源1側に突出する第2突出体4を配設しても構わない。
【0036】
図19では、遮蔽部31に第2突出体4’を設け、その第2突出体4’の配設対応位置に、第2開口部32’を形成している。このことにより、前記(第1)突出体4と第2突出体4’との配設比率により、この電磁波シールド部材2の内から外及び外から内への光の透過率の設定を任意に行うことができる。
【0037】
また図20に示すように、一部又は全部の突出体4と第2突出体4’とを連続させて1本の棒状のものとし、それが電磁波遮蔽板3を貫通して両方の面から突出するような態様にしてもよい。このとき第2開口部32’は、開口部32と重なっていると考えればよい。
【0038】
次に、このような構成の電磁波シールド部材2の利用態様について例示する。
【0039】
図21は、室内の窓や壁、天井に電磁波シールド部材2を用いて部屋を覆ったセキュリティ室を示している。部屋の内外での電磁波は遮断されるため、電磁的なセキュリティが保持される。一方、光は、電磁波シールド部材2の一方の面から他方の面3aに効率よく透過するので、突出体4を部屋の外側に向けて配置すれば、外からは部屋が見にくく、中から外は部屋が見やすいような、構成を実現できる。逆ももちろん可能である。その他、この電磁波シールド部材を用いて、ケーシングを作れば、電磁波遮蔽ボックスとして活用できるし、ブラインドにこの電磁波シールド部材を使用したり、ブラウン管等の画面に取り付けることもできる。赤外領域の光電子倍増管(PMT)のノイズカットや、発光素子、受光素子の保護としてこの電磁波シールド部材を用いてもよい。
【0040】
また、この電磁波シールド部材は、高性能バンドパスフィルタとしても用いることができる。前記実施形態では透過可能な第2電磁波として可視光を挙げていたが、これ以外の波長帯域の電磁波を透過させるように構成することができるからである。
【0041】
例えば、この電磁波シールド部材を介在させてセンサを設ければ、所定波長の電磁波を検出する電磁波測定器を構成することが可能になる。
【0042】
また、突出体4を、前記第2電磁波とは別帯域又はそれと一部ないし全部が重なる帯域の第3電磁波を少なくとも透過させる部材で形成するとともに、図22に示すように、複数の突出体4を所定エリア内に集合させて配置した突出体群4Aを複数設け、突出体群4Aを一つの部材として見た場合の形態及び突出体群4A間の配設ピッチを、前記第3電磁波を集める作用を奏するように設定しているものでもよい。
【0043】
このようなものであれば、突出体4単体での第2電磁波に対する集光透過作用と、突出体群4Aとしての第3電磁波に対する集光透過作用との双方が営まれるため、第2電磁波と第3電磁波との帯域を異ならせて、図23に示すように、互いに異なる複数領域の電磁波を透過させることができる電磁波シールド部材2を提供できる。またそれら領域を一部重ならせて、大きな波長領域で電磁波を透過させることも可能になる。
【0044】
また、図24に示すように、電磁波シールド部材2を厚み方向に複数積層させるとともに、電磁波シールド部材2それぞれが透過可能な電磁波の帯域を一部異ならせるようにして電磁波シールド装置1を構成してもよい。
【0045】
このようなものであれば、逆に透過させたい電磁波の帯域を絞り込むことができる。
【0046】
また、本発明に係る電磁シールド部材は、一方の面から他方の面に透過する光(第2電磁波)と、他方の面から一方の面に透過する光(第2電磁波)との透過率を100%近くまで自在に設定できるため、照明器のカバーや指示器、あるいは壁や窓等の建築材料としても利用して電磁波シールド効果に加え、デザインや外観上特徴のあるものを創出することも可能になる。
【0047】
その他、本発明は前述した実施形態や変形例の一部又は全部を適宜組み合わせてよいし、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態における光射出器を示す全体斜視図。
【図2】同実施形態における電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図3】同実施形態における電磁波シールド部材の光透過率及び光反射率を示す説明図。
【図4】他の電磁波シールド部材での光透過率及び光反射率を示す説明図。
【図5】他の電磁波シールド部材での光透過率及び光反射率を示す説明図。
【図6】本発明の変形例に係る電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図7】本発明の他の変形例に係る電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図8】本発明のさらに他の変形例に係る電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図9】本発明のさらに他の変形例に係る電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図10】本発明のさらに他の変形例に係る電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図11】本発明のさらに他の変形例に係る電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図12】本発明のさらに他の変形例に係る電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図13】本発明のさらに他の変形例に係る電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図14】本発明のさらに他の変形例に係る電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図15】本発明のさらに他の変形例に係る電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図16】本発明のさらに他の変形例に係る電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図17】本発明のさらに他の変形例に係る電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図18】本発明のさらに他の変形例に係る電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図19】本発明のさらに他の変形例に係る電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図20】本発明のさらに他の変形例に係る電磁波シールド部材の内部構造を示す部分断面図。
【図21】本発明に係る電磁波シールド部材を適用したセキュリティ室を示す概略図。
【図22】本発明の他の実施形態に係る電磁波シールド部材を示す概略斜視図。
【図23】同実施形態でのフィルタ効果を定性的に示すグラフ。
【図24】本発明のさらに他の実施形態に係る電磁波シールド装置を示す模式的側面図。
【符号の説明】
【0049】
1・・・電磁波シールド装置
2・・・電磁波シールド部材
3・・・電磁波遮蔽板
31・・・遮蔽部
32・・・開口部(貫通孔)
32’・・・第2開口部
3a・・・他方の面
4・・・突出体
4’・・・第2突出体
4A・・・突出体群


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定帯域の電磁波である第1電磁波を遮蔽する遮蔽部及び厚み方向に貫通する開口部を交互に配設してなる電磁波遮蔽板と、前記各開口部に嵌装され又は各開口部に臨む位置に設けられ、前記電磁波遮蔽板の一方の面から突出する突出体とを備えてなり、前記突出体が、前記所定帯域とは別帯域又はそれと一部ないし全部が重なる帯域の第2電磁波を少なくとも透過させる部材で形成され、かつその第2電磁波を集める作用を奏するようにその形態及び配設ピッチが設定されていることを特徴とする電磁波シールド部材。
【請求項2】
前記第2電磁波が可視光のほぼ全領域に亘るものであり、前記第1電磁波が、可視光よりも長波長の電磁波である透光性を有した請求項1記載の電磁波シールド部材。
【請求項3】
前記一方の面側からの第2電磁波の透過率が、約0〜98%である請求項1又は2記載の電磁波シールド部材。
【請求項4】
前記遮蔽部が金属又は合成樹脂製のものである請求項1〜3いずれか記載の電磁波シールド部材。
【請求項5】
前記遮蔽部がITO膜などの透光性を有するものである請求項1〜4いずれか記載の電磁波シールド部材。
【請求項6】
電磁波遮蔽板の他方の面から突出する第2突出体を配設し、その第2突出体の配設対応位置に、電磁波遮蔽板を貫通する第2開口部を形成するとともに、前記第2突出体が、前記所定帯域とは別帯域又はそれと一部ないし全部が重なる帯域の第2電磁波を少なくとも透過させる部材で形成され、かつ前記第2電磁波を集める作用を奏するように、その形態及び配設ピッチを設定していることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の電磁波シールド部材。
【請求項7】
突出体が、前記第2電磁波とは別帯域又はそれと一部ないし全部が重なる帯域の第3電磁波を少なくとも透過させる部材で形成されたものであって、
複数の突出体を所定エリア内に集合させて配置した突出体群を複数設け、突出体群を一つの部材として見た場合の形態及び突出体群間の配設ピッチを、前記第3電磁波を集める作用を奏するように設定している請求項1〜6いずれか記載の電磁波シールド部材。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか記載の電磁波シールド部材を厚み方向に複数積層させるとともに、電磁波シールド部材それぞれが透過可能な電磁波の帯域を一部異ならせるようにしている電磁波シールド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2006−286938(P2006−286938A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−104917(P2005−104917)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【出願人】(500404258)アーベル・システムズ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】