説明

電磁波測定装置、測定方法、プログラム、記録媒体

【課題】吸収率以外の他のパラメータに基づきCT法を行う。
【解決手段】電磁波測定装置が、被測定物1に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の電磁波を出力する電磁波出力器2と、被測定物1を透過した電磁波を検出する電磁波検出器4と、被測定物1を透過する電磁波の光路と被測定物1とが交差する交差部分100の被測定物1に対する相対位置を変化させる相対位置変化部6と、電磁波検出器4の検出結果に基づき、被測定物1を透過した電磁波の周波数領域における位相を導出する位相導出部12と、位相導出部12の導出結果に基づき、サイノグラムを導出するサイノグラム導出部16と、サイノグラムに基づき、交差部分100の軌跡を含む被測定物1の断面の画像を導出する断層像導出部18とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波(周波数が0.01[THz]以上100[THz]以下)(例えば、テラヘルツ波(例えば、周波数が0.03[THz]以上10[THz]以下))を使用した断層撮影に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被測定物の断層情報を得る方法としてコンピュータ断層撮影(Computed Tomography: CT)法がある。X線の発生器と検出器を用いて、この方法を実行することをX線CTという。X線CTによれば、人体の断層情報を非破壊かつ非接触で得ることができる。
【0003】
しかし、半導体、プラスチック、セラミック、木材および紙など(以下、「原材料」という)から構成される工業製品の内部状態(例えば、欠陥や歪み)を検出することは、X線CTによれば困難である。X線が、あらゆる物質に対して透過性が高いためである。
【0004】
一方、テラヘルツ波(例えば、周波数が0.03[THz]以上10[THz]以下)は、先に述べた工業製品の原材料をほどよく透過する。このため、テラヘルツ波の発生器と検出器を用いて、CT法を実行すれば(以下、「テラヘルツ波CT法」という)工業製品の内部状態を検出できる。テラヘルツ波CT法については、特許文献1、特許文献2、非特許文献1に記載がある。
【0005】
なお、CT法は、被測定物に与えたX線などがどの程度吸収されたか(吸収率)に基づき断層撮影を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7119339号明細書
【特許文献2】特許第3828111号明細書
【非特許文献1】S. Wang et al., “Pulsed terahertz tomography,”J. Phys. D, Vol 37 (2004) R1-R36
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、被測定物の種類によっては、吸収率による断層撮影では測定が困難な場合も考えられる。
【0008】
そこで、本発明は、吸収率以外の他のパラメータに基づきCT法を行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる電磁波測定装置は、被測定物に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の電磁波を出力する電磁波出力器と、前記被測定物を透過した前記電磁波を検出する電磁波検出器と、前記被測定物を透過する前記電磁波の光路と前記被測定物とが交差する交差部分の前記被測定物に対する相対位置を変化させる相対位置変化部と、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、前記被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における位相を導出する位相導出部と、前記位相導出部の導出結果に基づき、サイノグラムを導出するサイノグラム導出部と、前記サイノグラムに基づき、前記交差部分を含む前記被測定物の断面の画像を導出する画像導出部とを備えるように構成される。
【0010】
上記のように構成された電磁波測定装置によれば、電磁波出力器が、被測定物に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の電磁波を出力する。電磁波検出器が、前記被測定物を透過した前記電磁波を検出する。相対位置変化部が、前記被測定物を透過する前記電磁波の光路と前記被測定物とが交差する交差部分の前記被測定物に対する相対位置を変化させる。位相導出部が、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、前記被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における位相を導出する。サイノグラム導出部が、前記位相導出部の導出結果に基づき、サイノグラムを導出する。画像導出部が、前記サイノグラムに基づき、前記交差部分を含む前記被測定物の断面の画像を導出する。
【0011】
なお、本発明にかかる電磁波測定装置は、前記位相導出部の導出結果に基づき、前記被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における群遅延を導出する群遅延導出部を備え、前記サイノグラム導出部が、前記群遅延についてのサイノグラムを導出するようにしてもよい。
【0012】
なお、本発明にかかる電磁波測定装置は、前記位相導出部の導出結果に基づき、前記被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における分散を導出する分散導出部を備え、前記サイノグラム導出部が、前記分散についてのサイノグラムを導出するようにしてもよい。
【0013】
なお、本発明にかかる電磁波測定装置は、前記被測定物が、第一被測定物と、第二被測定物とを有し、前記電磁波測定装置が、前記位相導出部の導出結果に基づき、前記第一被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における第一群遅延と、前記第二被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における群遅延である第二群遅延とを導出する群遅延導出部を備え、前記サイノグラム導出部が、前記第一群遅延と前記第二群遅延との差分に基づき、前記第一被測定物と前記第二被測定物との屈折率差についてのサイノグラムを導出するようにしてもよい。
【0014】
なお、本発明にかかる電磁波測定装置は、前記第二被測定物の屈折率が既知であり、前記サイノグラム導出部が、前記第一群遅延と前記第二群遅延との差分に基づき、前記第一被測定物の屈折率についてのサイノグラムを導出するようにしてもよい。
【0015】
なお、本発明にかかる電磁波測定装置は、前記被測定物は、第一被測定物と、第二被測定物とを有し、前記電磁波測定装置が、前記位相導出部の導出結果に基づき、前記第一被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における第一群遅延と、前記第二被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における群遅延である第二群遅延とを導出する群遅延導出部を備え、前記サイノグラム導出部が、前記第一群遅延に基づく第一サイノグラムおよび前記第二群遅延に基づく第二サイノグラムを導出し、前記画像導出部が、前記第一サイノグラムに基づく前記第一被測定物の断面の画像および前記第二サイノグラムに基づく前記第二被測定物の断面の画像を導出し、前記第一被測定物の断面の画像および前記第二被測定物の断面の画像の差分として、前記第一被測定物と前記第二被測定物との群遅延差を示す画像を導出するようにしてもよい。
【0016】
本発明は、被測定物に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の電磁波を出力する電磁波出力器と、前記被測定物を透過した前記電磁波を検出する電磁波検出器と、前記被測定物を透過する前記電磁波の光路と前記被測定物とが交差する交差部分の前記被測定物に対する相対位置を変化させる相対位置変化部とを備えた電磁波測定装置を用いた測定方法であって、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、前記被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における位相を導出する位相導出工程と、前記位相導出工程の導出結果に基づき、サイノグラムを導出するサイノグラム導出工程と、前記サイノグラムに基づき、前記交差部分を含む前記被測定物の断面の画像を導出する画像導出工程とを備えた測定方法である。
【0017】
本発明は、被測定物に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の電磁波を出力する電磁波出力器と、前記被測定物を透過した前記電磁波を検出する電磁波検出器と、前記被測定物を透過する前記電磁波の光路と前記被測定物とが交差する交差部分の前記被測定物に対する相対位置を変化させる相対位置変化部とを備えた電磁波測定装置を用いた測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、前記被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における位相を導出する位相導出処理と、前記位相導出処理の導出結果に基づき、サイノグラムを導出するサイノグラム導出処理と、前記サイノグラムに基づき、前記交差部分を含む前記被測定物の断面の画像を導出する画像導出処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0018】
本発明は、被測定物に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の電磁波を出力する電磁波出力器と、前記被測定物を透過した前記電磁波を検出する電磁波検出器と、前記被測定物を透過する前記電磁波の光路と前記被測定物とが交差する交差部分の前記被測定物に対する相対位置を変化させる相対位置変化部とを備えた電磁波測定装置を用いた測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、前記被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における位相を導出する位相導出処理と、前記位相導出処理の導出結果に基づき、サイノグラムを導出するサイノグラム導出処理と、前記サイノグラムに基づき、前記交差部分を含む前記被測定物の断面の画像を導出する画像導出処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる電磁波測定装置の構成を示す図である。
【図2】走査用ステージ6をX方向に移動させたときの、被測定物1、電磁波出力器2、電磁波検出器4および走査用ステージ6の平面図である。
【図3】走査用ステージ6をθ方向に移動させたときの、被測定物1、電磁波出力器2、電磁波検出器4および走査用ステージ6の平面図である。
【図4】第一の実施形態にかかる画像導出装置10の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】第二の実施形態にかかる電磁波測定装置の構成を示す図である。
【図6】第二の実施形態にかかる画像導出装置10の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】第三の実施形態にかかる画像導出装置10の構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0021】
第一の実施形態
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる電磁波測定装置の構成を示す図である。第一の実施形態にかかる電磁波測定装置は、電磁波出力器2、電磁波検出器4、走査用ステージ(相対位置変化部)6、ディスプレイ8、画像導出装置10を備える。電磁波測定装置は、被測定物1を測定するためのものである。
【0022】
電磁波出力器2は、被測定物1に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の電磁波を出力する。なお、被測定物1に向けて出力される電磁波の周波数は、テラヘルツ波帯(例えば、0.03[THz]以上10[THz]以下)を含むものである。そこで、本発明の実施形態においては、電磁波の一例として、テラヘルツ波を想定している。
【0023】
被測定物1に向けて出力されたテラヘルツ波は被測定物1を透過する。電磁波検出器4は、被測定物1を透過した電磁波(例えば、テラヘルツ波)を検出する。
【0024】
テラヘルツ波が被測定物1に入射する点をm、テラヘルツ波が被測定物1から出射する点をnとする。すると、被測定物1を透過する電磁波の光路と、被測定物1とが交差する交差部分100は、線分mnとなる。また、被測定物1を上から見た形状が円形であり、その円の中心を点Aとする。
【0025】
なお、点m1、m2、m3、m4は、全てテラヘルツ波が被測定物1に入射する点である。点n1、n2、n3、n4は、全てテラヘルツ波が被測定物1から出射する点である。
【0026】
走査用ステージ(相対位置変化部)6は、交差部分100の被測定物1に対する相対位置を変化させる。例えば、走査用ステージ6には被測定物1が固定されており、走査用ステージ6がX方向、Z方向(図1の紙面に垂直な方向)に移動し、点Aを通り、図1の紙面に垂直な線分を回転中心として回転する(「θ方向への移動」という)。
【0027】
図2は、走査用ステージ6をX方向に移動させたときの、被測定物1、電磁波出力器2、電磁波検出器4および走査用ステージ6の平面図である。なお、被測定物1が内容物1a、1bを有している。
【0028】
図2(a)を参照して、図1の状態から、走査用ステージ6を+X方向に移動させると(または電磁波出力器2と電磁波検出器4とを−X方向に移動させてもよい)、交差部分100は線分m1n1となる。交差部分100の被測定物1に対する相対位置は、点Aよりも下方となる。交差部分100は、内容物1bを通る。
【0029】
図2(b)を参照して、図1の状態から、走査用ステージ6を−X方向に移動させると(または電磁波出力器2と電磁波検出器4とを+X方向に移動させてもよい)、交差部分100は線分m2n2となる。交差部分100の被測定物1に対する相対位置は、点Aよりも上方となる。交差部分100は、内容物1aを通る。
【0030】
走査用ステージ6をX方向に移動させ、図2(a)に示す状態から図2(b)に示す状態へ変化させると、交差部分100の被測定物に対する相対位置が、点Aよりも下方から上方へと変化していく。
【0031】
図3は、走査用ステージ6をθ方向に移動させたときの、被測定物1、電磁波出力器2、電磁波検出器4および走査用ステージ6の平面図である。なお、被測定物1が内容物1a、1bを有している。
【0032】
図3(a)を参照して、図1の状態から、走査用ステージ6を+θ方向に移動させると(または電磁波出力器2と電磁波検出器4とを−θ方向に移動させてもよい)、交差部分100は線分m3n3となる。交差部分100は、内容物1aと内容物1bとの間を通る。
【0033】
図3(b)を参照して、図1の状態から、走査用ステージ6を−θ方向に移動させると(または電磁波出力器2と電磁波検出器4とを+θ方向に移動させてもよい)、交差部分100は線分m4n4となる。交差部分100は、内容物1aを通る。
【0034】
走査用ステージ6をθ方向に移動させ、図3(a)に示す状態から図3(b)に示す状態へ変化させると、交差部分100の被測定物1に対する相対位置が変化していく。
【0035】
上記のようにして、走査用ステージ6により、被測定物1を走査できる。
【0036】
画像導出装置10は、交差部分100を含む平面(図1、図2および図3の紙面)で被測定物1の断面をとったものの画像を導出する。
【0037】
ディスプレイ8は、画像導出装置10により導出された画像F(x,y)(式(5)参照)を表示する。導出された画像は、被測定物の2次元断面についての数値データであり、この数値データに所定の色を対応させて、被測定物1の2次元断層画像を表示する。なお、数値データから2次元断層画像を表示する方法については周知の方法を適宜採用すればよい。
【0038】
図4は、第一の実施形態にかかる画像導出装置10の構成を示す機能ブロック図である。画像導出装置10は、AD変換器11、位相導出部12、群遅延導出部14、分散導出部15、サイノグラム導出部16、断層像導出部(画像導出部)18を備える。
【0039】
AD変換器11は、アナログ信号である電磁波検出器4の検出結果を、デジタル信号に変換する。
【0040】
位相導出部12は、電磁波検出器4の検出結果に基づき、被測定物1を透過した電磁波(例えば、テラヘルツ波)の周波数領域における位相を導出する。
【0041】
位相導出部12は、AD変換器11の出力を受ける。AD変換器11の出力は、被測定物1を透過した電磁波のパルス波形データである。このパルス波形データは、x(走査用ステージ6のX方向への移動量)、θ(走査用ステージ6のθ方向への移動量)、t(時間)の関数である。
【0042】
位相導出部12は、このパルス波形データをフーリエ変換して、周波数領域におけるパルス波形のスペクトルデータを取得する。パルス波形のスペクトルデータは、X、θ、f(周波数)の関数である。位相導出部12は、パルス波形のスペクトルデータから位相Ph1(x, θ, f)を導出する。なお、図4においては、関数Ph1(x, θ, f)の引数(x, θ, f)を省略している。他の関数についても同様に引数を図示省略している。
【0043】
群遅延導出部14は、位相導出部12から位相Ph1(x, θ, f)を受け、位相Ph1(x, θ, f)に基づき、被測定物1を透過した電磁波の周波数領域における群遅延GD1(x, θ, f)を導出する。
【0044】
ただし、群遅延GD1(x, θ, f)は以下のようにして、群遅延導出部14により以下の式(1)にようにして導出される。
【0045】
【数1】


分散導出部15は、位相導出部12の導出結果に基づき、被測定物1を透過した電磁波の周波数領域における分散を導出する。
【0046】
具体的には、分散導出部15は、群遅延導出部14から群遅延GD1(x, θ, f)を受け、被測定物1を透過した電磁波の周波数領域における分散CD1(x, θ, f)を導出する。
【0047】
なお、分散CD1(x, θ, f)は、以下の式(2)のように表されるので、群遅延GD1(x, θ, f)を周波数fで偏微分すればよいことがわかる。
【0048】
なお、分散導出部15は、位相導出部12から位相Ph1(x, θ, f)を受け、位相Ph1(x, θ, f)を式(2)に代入して、分散CD1(x, θ, f)を導出するようにしてもよい。
【0049】
【数2】


サイノグラム導出部16は、位相導出部12の導出結果(位相Ph1(x, θ, f))に基づき、サイノグラムを導出する。
【0050】
具体的には、サイノグラム導出部16は、群遅延導出部14から群遅延GD1(x, θ, f)を受け、以下の式(3)のようにして、群遅延についてのサイノグラムSGD1(x, θ)を導出する。群遅延GD1(x, θ, f)は位相Ph1(x, θ, f)に基づき導出されるので(式(1)参照)、サイノグラムSGD1(x, θ)もまた位相Ph1(x, θ, f)に基づき導出されることになる。
【0051】
【数3】


または、サイノグラム導出部16は、分散導出部15から分散CD1(x, θ, f)を受け、以下の式(4)のようにして、分散についてのサイノグラムSCD1(x, θ)を導出する。分散CD1(x, θ, f)は位相Ph1(x, θ, f)に基づき導出されるので(式(2)参照)、サイノグラムSCD1(x, θ)もまた位相Ph1(x, θ, f)に基づき導出されることになる。
【0052】
【数4】


断層像導出部(画像導出部)18は、サイノグラム導出部16からサイノグラムを受け、サイノグラムに基づき、交差部分100を含む被測定物1の断面の画像を導出する。
【0053】
サイノグラム導出部16の導出したサイノグラムをS(x,θ)とすると、断層像導出部18は、以下の式(5)のようにして、画像F(x,y)を導出する。式(5)は、フィルタ補正逆投影法による画像の導出を意味する。
【0054】
【数5】


次に、第一の実施形態の動作を説明する。
【0055】
まず、走査用ステージ6に被測定物1を固定する。そして、走査用ステージ6をX方向、Z方向(図1の紙面に垂直な方向)に移動させ、しかも、θ方向へ移動させながら、電磁波出力器2から0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の電磁波(例えば、テラヘルツ波)を被測定物1に向けて出力する。被測定物1に向けて出力されたテラヘルツ波は被測定物1を透過する。被測定物1を透過した電磁波は、電磁波検出器4により検出される。このようにして、被測定物1の走査が行われる。
【0056】
電磁波検出器4の検出結果は、画像導出装置10のAD変換器11に与えられる。電磁波検出器4の検出結果は、AD変換器11により、デジタル信号に変換され、位相導出部12に与えられる。
【0057】
位相導出部12は、被測定物1を透過した電磁波の周波数領域における位相Ph1(x, θ, f)を導出する。位相Ph1(x, θ, f)に基づき、群遅延GD1(x, θ, f)および分散CD1(x, θ, f)が導出され、サイノグラム導出部16に与えられる。
【0058】
サイノグラム導出部16は、群遅延についてのサイノグラムSGD1(x, θ)または分散についてのサイノグラムSCD1(x, θ)を導出する。導出されたサイノグラムから、断層像導出部18が被測定物1の断面の画像を導出する。
【0059】
ディスプレイ8は、画像導出装置10により導出された画像を表示する。
【0060】
第一の実施形態によれば、被測定物1の電磁波の吸収率ではなく、位相Ph1(x, θ, f)に基づき(具体的には、群遅延または分散に基づき)CT法を行うことができる。
【0061】
群遅延または分散に基づきCT法を行うことができる利点を以下に説明する。
【0062】
まず、テラヘルツ波の吸収が少ない被測定物1について、透過率(吸収率の逆数)に基づきCT法を行って断面像を得たと仮定する。この場合、被測定物1の内部構造等に応じたコントラスト(明度や色相の差)が、断面像において充分に生じないこととなる。しかし、群遅延または分散に基づきCT法を行えば、被測定物1の内部構造等に応じた充分なコントラストが、断面像において充分に生じることが期待できる。これにより、被測定物1の内部構造等の情報を得られることが期待できる。
【0063】
被測定物1の内部の屈折率が一様でない場合、被測定物1の内部でテラヘルツ波は直進せず、屈折界面で屈折する。屈折によるテラヘルツ波の光路の曲がりが大きい場合は、屈折界面において大きなパワーロスが生じて、透過率が低下し、透過率に基づくCT像には誤差が生じる。ここで、屈折によるテラヘルツ波の光路の曲がりは、被測定物1の屈折率分布の形状により決定される。すなわち、被測定物1の屈折率分布の形状の影響により、透過率に基づくCT像に誤差が生じる。一方、群遅延または分散は、パワーとは別の量なので、群遅延または分散は、被測定物1を透過するテラヘルツ波のパワーが低下しても、基本的には変化しない。したがって、群遅延または分散についてのCT像は、被測定物1の屈折率分布の形状の影響による誤差が少ない。
【0064】
第二の実施形態
第二の実施形態は、(第一)被測定物1および第二被測定物20を用いる点が、第一の実施形態と異なる。なお、第一の実施形態における被測定物1を、第二の実施形態においては第一被測定物1という。
【0065】
図5は、第二の実施形態にかかる電磁波測定装置の構成を示す図である。図6は、第二の実施形態にかかる画像導出装置10の構成を示す機能ブロック図である。
【0066】
第二の実施形態にかかる電磁波測定装置の構成は、第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。ただし、第二の実施形態にかかる画像導出装置10は、分散導出部15を備えていない。以下、第一の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0067】
次に、第二の実施形態の動作を説明する。
【0068】
まず、走査用ステージ6に第二被測定物20を固定する(図5(a)参照)。そして、第一の実施形態と同様に、第二被測定物20の走査が行われる。
【0069】
電磁波検出器4の検出結果は、画像導出装置10のAD変換器11に与えられる。電磁波検出器4の検出結果は、AD変換器11により、デジタル信号に変換され、位相導出部12に与えられる。
【0070】
位相導出部12は、第二被測定物20を透過した電磁波の周波数領域における位相Ph2(x, θ, f)を導出する。第一の実施形態と同様に、群遅延導出部14が、位相Ph2(x, θ, f)を周波数fで偏微分して、第二被測定物20を透過した電磁波の周波数領域における群遅延である第二群遅延GD2(x, θ, f)を導出する。
【0071】
次に、走査用ステージ6に第一被測定物1を固定する(図5(b)参照)。そして、第一の実施形態と同様に、第一被測定物1の走査が行われる。
【0072】
電磁波検出器4の検出結果は、画像導出装置10のAD変換器11に与えられる。電磁波検出器4の検出結果は、AD変換器11により、デジタル信号に変換され、位相導出部12に与えられる。
【0073】
位相導出部12は、第一被測定物1を透過した電磁波の周波数領域における位相Ph1(x, θ, f)を導出する。第一の実施形態と同様に、群遅延導出部14が、位相Ph1(x, θ, f)を周波数fで偏微分して、第一被測定物1を透過した電磁波の周波数領域における第一群遅延GD1(x, θ, f)を導出する。
【0074】
ここで、サイノグラム導出部16は、群遅延導出部14から第一群遅延GD1(x, θ, f)および第二群遅延GD2(x, θ, f)を受け、第一群遅延GD1(x, θ, f)および第二群遅延GD2(x, θ, f)の差分に基づき、第一被測定物1と第二被測定物20との屈折率差についてのサイノグラムを導出する。
【0075】
ただし、屈折率差についてのサイノグラムSrn(x, θ)は以下のようにして、サイノグラム導出部16により以下の式(6)にようにして導出される。
【0076】
【数6】


断層像導出部18は、第一の実施形態と同様に、被測定物1の断面の画像を導出する。
【0077】
ディスプレイ8は、画像導出装置10により導出された画像を表示する。
【0078】
第二の実施形態によれば、被測定物1の電磁波の吸収率ではなく、位相Ph1(x, θ, f)および位相Ph2(x, θ, f)に基づき(具体的には、第一群遅延および第二群遅延の差分に基づき)CT法を行うことができる。
【0079】
なお、第二被測定物20の屈折率が既知である場合は(例えば、第二被測定物20が空気(窒素雰囲気中や真空も含む)である場合)、第一被測定物1の屈折率についての画像を表示させることができる。
【0080】
この場合、サイノグラム導出部16が、屈折率差についてのサイノグラムSrn(x, θ)から、さらに以下の式(7)に基づき、第一被測定物1の屈折率についてのサイノグラムSn(x, θ)を導出する。ただし、cは光速、Δxはサイノグラムの空間分解能である。また、第二被測定物20の屈折率が1であるものとする。さらに、屈折率差についてのサイノグラムSrn(x, θ)は、先に説明したように、第一群遅延GD1(x, θ, f)および第二群遅延GD2(x, θ, f)の差分に基づき導出されている。
【0081】
【数7】


第一被測定物の屈折率についてのサイノグラムSn(x, θ)から、断層像導出部18が、第一の実施形態と同様に、被測定物1の断面の画像を導出する。ディスプレイ8は、画像導出装置10により導出された画像を表示する。
【0082】
第三の実施形態
第三の実施形態は、第二の実施形態と同様に第一被測定物1および第二被測定物20を用いるものの、サイノグラム導出部16によるサイノグラムの導出および断層像導出部18による画像の導出が第二の実施形態と異なる。
【0083】
図7は、第三の実施形態にかかる画像導出装置10の構成を示す機能ブロック図である。
【0084】
第三の実施形態にかかる電磁波測定装置の構成は、第二の実施形態と同様であるため、説明を省略する(図5参照)。ただし、第三の実施形態にかかる画像導出装置10は、分散導出部15を備えていない。以下、第二の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0085】
次に、第三の実施形態の動作を説明する。
【0086】
第二群遅延GD2(x, θ, f)および第一群遅延GD1(x, θ, f)を導出するまでの動作は、第二の実施形態と同様である。
【0087】
まず、走査用ステージ6に第二被測定物20を固定する(図5(a)参照)。そして、第一の実施形態と同様に、第二被測定物20の走査が行われる。
【0088】
電磁波検出器4の検出結果は、画像導出装置10のAD変換器11に与えられる。電磁波検出器4の検出結果は、AD変換器11により、デジタル信号に変換され、位相導出部12に与えられる。
【0089】
位相導出部12は、第二被測定物20を透過した電磁波の周波数領域における位相Ph2(x, θ, f)を導出する。第一の実施形態と同様に、群遅延導出部14が、位相Ph2(x, θ, f)を周波数fで偏微分して、第二被測定物20を透過した電磁波の周波数領域における群遅延である第二群遅延GD2(x, θ, f)を導出する。
【0090】
次に、走査用ステージ6に第一被測定物1を固定する(図5(b)参照)。そして、第一の実施形態と同様に、第一被測定物1の走査が行われる。
【0091】
電磁波検出器4の検出結果は、画像導出装置10のAD変換器11に与えられる。電磁波検出器4の検出結果は、AD変換器11により、デジタル信号に変換され、位相導出部12に与えられる。
【0092】
位相導出部12は、第一被測定物1を透過した電磁波の周波数領域における位相Ph1(x, θ, f)を導出する。第一の実施形態と同様に、群遅延導出部14が、位相Ph1(x, θ, f)を周波数fで偏微分して、第一被測定物1を透過した電磁波の周波数領域における第一群遅延GD1(x, θ, f)を導出する。
【0093】
ここまでの動作は第二の実施形態と同様である。
【0094】
ここで、サイノグラム導出部16は、群遅延導出部14から第一群遅延GD1(x, θ, f)および第二群遅延GD2(x, θ, f)を受け、第一群遅延GD1(x, θ, f)に基づく第一サイノグラムSGD1(x,θ)および第二群遅延GD2(x, θ, f)に基づく第二サイノグラムSGD2(x,θ)を導出する。
【0095】
ただし、第一サイノグラムSGD1(x,θ)は、第一群遅延GD1(x, θ, f)を周波数で積分したものである。第二サイノグラムSGD2(x,θ)は、第二群遅延GD2(x, θ, f)を周波数で積分したものである。
【0096】
断層像導出部18は、第一サイノグラムSGD1(x,θ)に基づく第一被測定物1の断面の画像FGD1(x,y)および第二サイノグラムSGD2(x,θ)に基づく第二被測定物20の断面の画像FGD2(x,y)を導出する。なお、画像FGD1(x,y)および画像FGD2(x,y)の導出法は、第一の実施形態と同様である。すなわち、式(5)のサイノグラムS(x,θ)に、第一サイノグラムSGD1(x,θ)および第二サイノグラムSGD2(x,θ)を代入すれば、画像FGD1(x,y)および画像FGD2(x,y)を導出できる。
【0097】
断層像導出部18は、さらに、第一被測定物1の断面の画像FGD1(x,y)および第二被測定物20の断面の画像FGD2(x,y)の差分として、第一被測定物1と第二被測定物20との群遅延差を示す画像F(x,y)を導出する。ただし、F(x,y) = FGD1(x,y)−FGD2(x,y)である。なお、画像F(x,y)は、第一被測定物1と第二被測定物20との群遅延差を示すとともに、第一被測定物1と第二被測定物20との屈折率の差をも示す。
【0098】
ディスプレイ8は、画像導出装置10により導出された画像を表示する。
【0099】
第三の実施形態によれば、被測定物1の電磁波の吸収率ではなく、位相Ph1(x, θ, f)および位相Ph2(x, θ, f)に基づき(具体的には、第一群遅延および第二群遅延に基づき)CT法を行うことができる。
【0100】
また、上記の実施形態は、以下のようにして実現できる。CPU、ハードディスク、メディア(フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROMなど)読み取り装置を備えたコンピュータに、上記の各部分、例えば画像導出装置10を実現するプログラムを記録したメディアを読み取らせて、ハードディスクにインストールする。このような方法でも、上記の機能を実現できる。
【符号の説明】
【0101】
1 (第一)被測定物
1a、1b 内容物
20 第二被測定物
100 交差部分
2 電磁波出力器
4 電磁波検出器
6 走査用ステージ(相対位置変化部)
8 ディスプレイ
10 画像導出装置
11 AD変換器
12 位相導出部
14 群遅延導出部
15 分散導出部
16 サイノグラム導出部
18 断層像導出部(画像導出部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の電磁波を出力する電磁波出力器と、
前記被測定物を透過した前記電磁波を検出する電磁波検出器と、
前記被測定物を透過する前記電磁波の光路と前記被測定物とが交差する交差部分の前記被測定物に対する相対位置を変化させる相対位置変化部と、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、前記被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における位相を導出する位相導出部と、
前記位相導出部の導出結果に基づき、サイノグラムを導出するサイノグラム導出部と、
前記サイノグラムに基づき、前記交差部分を含む前記被測定物の断面の画像を導出する画像導出部と、
を備えた電磁波測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電磁波測定装置であって、
前記位相導出部の導出結果に基づき、前記被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における群遅延を導出する群遅延導出部を備え、
前記サイノグラム導出部が、前記群遅延についてのサイノグラムを導出する、
電磁波測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電磁波測定装置であって、
前記位相導出部の導出結果に基づき、前記被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における分散を導出する分散導出部を備え、
前記サイノグラム導出部が、前記分散についてのサイノグラムを導出する、
電磁波測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電磁波測定装置であって、
前記被測定物は、第一被測定物と、第二被測定物とを有し、
前記電磁波測定装置が、
前記位相導出部の導出結果に基づき、前記第一被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における第一群遅延と、前記第二被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における群遅延である第二群遅延とを導出する群遅延導出部を備え、
前記サイノグラム導出部が、前記第一群遅延と前記第二群遅延との差分に基づき、前記第一被測定物と前記第二被測定物との屈折率差についてのサイノグラムを導出する、
電磁波測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電磁波測定装置であって、
前記第二被測定物の屈折率が既知であり、
前記サイノグラム導出部が、前記第一群遅延と前記第二群遅延との差分に基づき、前記第一被測定物の屈折率についてのサイノグラムを導出する、
電磁波測定装置。
【請求項6】
請求項1に記載の電磁波測定装置であって、
前記被測定物は、第一被測定物と、第二被測定物とを有し、
前記電磁波測定装置が、
前記位相導出部の導出結果に基づき、前記第一被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における第一群遅延と、前記第二被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における群遅延である第二群遅延とを導出する群遅延導出部を備え、
前記サイノグラム導出部が、前記第一群遅延に基づく第一サイノグラムおよび前記第二群遅延に基づく第二サイノグラムを導出し、
前記画像導出部が、前記第一サイノグラムに基づく前記第一被測定物の断面の画像および前記第二サイノグラムに基づく前記第二被測定物の断面の画像を導出し、前記第一被測定物の断面の画像および前記第二被測定物の断面の画像の差分として、前記第一被測定物と前記第二被測定物との群遅延差を示す画像を導出する、
電磁波測定装置。
【請求項7】
被測定物に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の電磁波を出力する電磁波出力器と、前記被測定物を透過した前記電磁波を検出する電磁波検出器と、前記被測定物を透過する前記電磁波の光路と前記被測定物とが交差する交差部分の前記被測定物に対する相対位置を変化させる相対位置変化部とを備えた電磁波測定装置を用いた測定方法であって、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、前記被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における位相を導出する位相導出工程と、
前記位相導出工程の導出結果に基づき、サイノグラムを導出するサイノグラム導出工程と、
前記サイノグラムに基づき、前記交差部分を含む前記被測定物の断面の画像を導出する画像導出工程と、
を備えた測定方法。
【請求項8】
被測定物に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の電磁波を出力する電磁波出力器と、前記被測定物を透過した前記電磁波を検出する電磁波検出器と、前記被測定物を透過する前記電磁波の光路と前記被測定物とが交差する交差部分の前記被測定物に対する相対位置を変化させる相対位置変化部とを備えた電磁波測定装置を用いた測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、前記被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における位相を導出する位相導出処理と、
前記位相導出処理の導出結果に基づき、サイノグラムを導出するサイノグラム導出処理と、
前記サイノグラムに基づき、前記交差部分を含む前記被測定物の断面の画像を導出する画像導出処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
被測定物に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の電磁波を出力する電磁波出力器と、前記被測定物を透過した前記電磁波を検出する電磁波検出器と、前記被測定物を透過する前記電磁波の光路と前記被測定物とが交差する交差部分の前記被測定物に対する相対位置を変化させる相対位置変化部とを備えた電磁波測定装置を用いた測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、前記被測定物を透過した前記電磁波の周波数領域における位相を導出する位相導出処理と、
前記位相導出処理の導出結果に基づき、サイノグラムを導出するサイノグラム導出処理と、
前記サイノグラムに基づき、前記交差部分を含む前記被測定物の断面の画像を導出する画像導出処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−256060(P2010−256060A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103784(P2009−103784)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【特許番号】特許第4574718号(P4574718)
【特許公報発行日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】