説明

電磁波防止シートの製造方法及び電磁波防止シート。

【課題】ICカードにおける放電波を、リーダ(読み込み機)で入手するスキミングと称される違法行為に対応できる電磁波防止シートの製造方法および電磁波防止シートを提供する。
【解決手段】電磁波防止シートの製造方法において、基材101にカーボンフライト層102を設け、さらにアルミ層103を設けており、次に電子線照射加工で硬化層を形成している。電子線照射は熱の発生を伴わないので基材がプラスチックであっても適用できる。

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術の分野】
【0001】
本発明は、電磁波防止シートの製造方法及び電磁波シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電磁波防止シートの構造体及び製造方法(実開平5−1293)が発明されていた。
【特許文献1】】実用新案公開番号 実開平5−1293
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これには次のような欠点があった。
ICカードにおける放電波を、リーダ(読み込み機)よりICカードの情報を搾取するスキミングと称される違法行為がおこなわれていた。
【0004】
ICカードにおける放電波を、リーダ(読み込み機)よりICカードの情報を搾取するスキミングと称される違法行為の対策として、アルミ箔シートをICカードに包みスキミングを防止する手段がとられていた。
【0005】
ICカードにおけるスキミングを防止する手段として、アルミペースト及びフライトカーボンペーストにてシートを形成及び製造する手段が実施されていたがアルミペースト及びフライトカーボンペーストの基材における定着性に問題があった。
【0006】
アルミペースト及びフライトカーボンペーストの硬化の目的において電子線照射(ELECTRON BEAM)通称EV照射及び紫外線照射(ULTORA VIOLET)通称UV照射の併用にて硬化皮膜を形成する方法は既存していなかった。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
基材表面に第一工程として任意形状でカーボンフライトペーストを塗布し、第二工程として紫外線照射加工を施し、第四工程に電子線照射加工にて硬化皮膜を形成し、また他の手段として基材表面に第一工程として任意形状でアルミペーストを塗布し、第二工程として紫外線照射加工を施し、第四工程に電子線照射加工にて硬化皮膜を形成し、また他の手段として基材表面に第一工程として任意形状でアルミペーストを塗布し、第二工程として任意形状でカーボンフライトペーストを塗布後、第三工程にて紫外線照射加工を施し、第四工程に電子線照射加工にて硬化皮膜を形成したことを特徴する電磁波防止シートの製造方法及び電磁波防止シートを提供する。
【発明の効果】
【0008】
電子線照射は熱の発生をともなわないので熱による基材等の劣化が生じず、基材がプラスチック等の熱に弱いものであっても適用できる効果を発揮し、また、アルミペースト及びカーボンペーストの組成効果も紫外線の照射により、保存(エージング)を必要としないのアルミペースト及びカーボンペーストの組成層の安定が得られる。
【0009】
ICカードにおける放電波を、リーダ(読み込み機)よりICカードの情報を搾取するスキミングと称される違法行為の防止対策として活用される電磁波防止シートの提供ができる。
【0010】
電子線照射は熱の発生をともなわないので熱による基材等の劣化が生じず、基材がプラスチック等の熱に弱いものであっても適用できる効果を発揮し、また、アルミペースト及びカーボンペーストの組成効果も紫外線の照射により、保存(エージング)を必要としないのアルミペースト及びカーボンペーストの組成層の安定が得られることで、アルミペースト及びカーボンペーストの加工による製造の簡易及び製造コストの削減効果が望めるものである。
本発明は、以上の効果を実現するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図1乃至図7をもちいて説明する。
図1に記載されているのは、基材(101)表面にカーボンフライトを塗布し、電子線照射、紫外線照射にて硬化皮膜を形成したカーボンフライト層(102)の実施構造の形態図である。
【0012】
図2に記載されているのは、基材(101)表面にカーボンフライト層(102)を設け、さらにアルミ層(103)を設けた実施構造を示した図である。
本発明の図1及び図2の記載においては、カーボンフライト層(102)を設け、さらにアルミ層(103)を基材(101)全面に設けた実施構造を示にて記載しているが、製品の仕様用途に応じては基材(101)の必要部分にカーボンフライト層(102)及びアルミ層(103)を設けることもある。
【0013】
図3に記載されているのは、前記図1及び図2に記載した実施における、加工における構成形態を示した図で用紙基材(101)からカーボンフライト加工ユニットにてカーボンフライト層(102)さらにアルミ加工ユニットにてアルミ層(103)を設け、カーボンフライト層(102)、アルミ層(103)の皮膜の硬化形成を促すために、紫外線照射、UV照射(104)電子線照射、EB照射(105)を施す。
【0014】
図4に記載されているのは、前記図3に記載した加工における、工程における構成を示したチャート図である。
【0015】
図5に記載されているのは、前記図1及び図2に記載した実施における用紙基材(101)からカーボンフライト加工ユニットにてカーボンフライト層(102)さらにアルミ加工ユニットにてアルミ層(103)を設け、カーボンフライト層(102)、アルミ層(103)の皮膜の硬化形成された構成の断面図である。
【0016】
図6に記載されているのは、本発明電磁波防止シートの製造方法及び電磁波防止シート剥離シートの実施の形態で、基材(101)の中心に折り線(106)を設け半面にカーボンフライト組成物を塗布、さらにアルミ組成物を塗布し電子線照射、紫外線照射にて硬化皮膜を形成したカーボンフライト層(102)、アルミ層(103)を設け、その上方にICタグ(20)を積載し折り線(106)にて丁合される形態の実施を示した図である。
【0017】
図7は図6に示した実施形態におけるカーボンフライト層(102)、アルミ層(103)を設け、その上方にICタグ(20)を積載し折り線(106)にて丁合される形態の断面を示した図である。
【0018】
以上、本発明の構成で、実施において下記に示す。
本発明の実施
本発明はICカードにおけるスキミングを防止する手段として、アルミペースト及びフライトカーボンペーストにてシートを形成及び製造方法で、基材として使用される、紙やプラスチックフィルム、PET(ペットボトルフィルム)等に電子線照射及び紫外線照射に対応したカーボンフライト及びアルミペーストを塗布する。
前記塗布方法として、ロール塗布、グラビア塗布、ワイヤードクター塗布、エアーナイフ塗布、ディッピング塗布等の公知の方法を採用することができる。
基材表面及び両面にカーボンフライト及びアルミペースト組成物を塗布し、電子照射、紫外線照射にて硬化皮膜を形成したことを特徴とし、ICカードにおけるスキミングを防止する電磁波防止シートの製造方法及び電磁波防止シートを実施するものである。
本発明、電磁波防止シートの製造方法及び電磁波防止シート剥離シートにおいて明細に記載されていない事項においても実施されるものである。
以上、本発明は実施される。
【産業上の利用可能性】
【0019】
電子線照射は熱の発生をともなわないので熱による基材等の劣化が生じず、基材がプラスチック等の熱に弱いものであっても適用できる効果を発揮し、また、アルミペースト及びカーボンペーストの組成効果も紫外線の照射により、保存(エージング)を必要としないのアルミペースト及びカーボンペーストの組成層の安定が得られることで、アルミペースト及びカーボンペーストの加工による製造の簡易及び製造コストの削減効果が望める。
【0020】
またICカードにおける放電波を、リーダ(読み込み機)よりICカードの情報を搾取するスキミングと称される違法行為の防止対策として活用される電磁波防止シートが提供できる。
以上の効果により本発明は産業上利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 本発明の基材及びカーボンフライト層の構造図である
【図2】 本発明の基材及びカーボンフライト層アルミ層の構造図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る加工工程の図である。
【図4】 本発明の実施形態に係る加工工程のチャート図である。
【図5】 本発明の基材及びカーボンフライト層アルミ層の断面図である。
【図6】 本発明の基材及びカーボンフライト層アルミ層ICが搭載された実施形態に係る構成図である。
【図7】 本発明の基材及びカーボンフライト層アルミ層ICが搭載された実施形態に係る断面図である。
【符号の説明】
【0022】
101.基材
102.カーボンフライト層
103.アルミ層
104.UV照射
105.EB照射
106.折り線
20. ICタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材表面に第一工程として任意形状でカーボンフライトペーストを塗布し、第二工程として紫外線照射加工を施し、第四工程に電子線照射加工にて硬化皮膜を形成したことを特徴する電磁波防止シートの製造方法及び電磁波防止シート。
【請求項2】
基材表面に第一工程として任意形状でアルミペーストを塗布し、第二工程として紫外線照射加工を施し、第四工程に電子線照射加工にて硬化皮膜を形成したことを特徴する電磁波防止シートの製造方法及び電磁波防止シート。
【請求項3】
基材表面に第一工程として任意形状でアルミペーストを塗布し、第二工程として任意形状でカーボンフライトペーストを塗布後、第三工程にて紫外線照射加工を施し、第四工程に電子線照射加工にて硬化皮膜を形成したことを特徴する電磁波防止シートの製造方法及び電磁波防止シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−13068(P2007−13068A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−219561(P2005−219561)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(591171345)
【Fターム(参考)】