説明

電線の被覆部の圧壊性評価装置および圧壊性評価方法

【課題】電線の被覆部に圧力を加えて被覆部が破壊され導体が露出するに至るまでの荷重を測定することによって、電線の強い保護性能を高い信頼性で評価することができる圧壊性評価装置および評価方法を提供する。
【解決手段】導体と該導体の周囲を被覆する被覆部とを有する電線が載置される板材と、板材との間で被覆部を圧壊し、導体と電気的に接続する押圧手段と、押圧手段に被覆部を圧壊するための荷重を付与する荷重付与手段と、押圧手段が被覆部を圧壊した際に閉じる、導体と押圧手段との間に形成された電気回路と、電気回路が閉じたことを検知する検知手段とを備えた電線の被覆部の圧壊性評価装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等の車両に搭載される電線(以下、単に電線と称する)の被覆部に圧力を加え、絶縁破壊に至るまでの圧壊性評価を行う装置および圧壊性評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電線の被覆部の強さを測定する試験方法として、所謂公的規格ISO−6722、JAO−D611またはJASO−D618に規定されている、ブレード往復法、テープ摩擦試験法がある。これらの方法によると、電線絶縁部(上記被覆部に相当する)に所定の荷重をかけた治具ブレードを密着させ、その治具を往復運動させることにより電線絶縁部の摩耗を誘発させ、治具が電線導体まで達するまでの往復回数を測定する。即ち、電線の被覆部に金属製のブレードやテープ状のサンドペーパを一定の荷重で押し当てて、内部の導体が露出したときのブレードの往復回数、サンドペーパの長さを測定する方法である。
【0003】
更に、特開2002−62235号公報に、被覆線状体の摩耗試験方法およびその摩耗試験方法が開示されている。即ち、開示された被覆線状体の摩耗試験方法は、電線および光ファイバコードといった被覆線状体を固定部に曲率Rで湾曲させて固定し、その湾曲部を自動車部品等の相手材の平面部分に荷重をかけて押し当てて、この状態で相手材を回転駆動機で回転させる。
即ち、相手材の平面部分が被覆線状体の湾曲部に摺接しながら相手材が回転する。このような動作を所定の時間継続した後、被覆線状体の被覆の摩擦量を外径および表面粗さ計等で想定する。
【特許文献1】特開2002−62235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公的規格に規定された従来の試験方法は、弱い荷重下での往復運動であるため、自動車ドアパネル等による凸部等の引掛りによる押圧による圧壊性に対する保護性能は評価できないという問題点がある。特開2002−62235号公報に開示された試験方法も自動車搭載時の環境をできるだけ再現して摩擦試験を行うものであるが、公的規格に規定された従来の試験方法と同様に、耐摩耗性のみを評価するにすぎず、凸部等の引掛りによる押圧による圧壊性に対する保護性能は評価できないという問題点がある。
【0005】
従って、この発明の目的は、電線の被覆部に圧力を加えて被覆部が破壊され導体が露出するに至るまでの荷重を測定することによって、電線の強い保護性能を高い信頼性で評価することができる圧壊性評価装置および評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の電線の被覆部の圧壊性評価装置の第1の態様は、導体と該導体の周囲を被覆する被覆部とを有する電線が載置される板材と、
前記板材との間で前記被覆部を圧壊し、前記導体と電気的に接続する押圧手段と、
前記押圧手段に前記被覆部を圧壊するための荷重を付与する荷重付与手段と、
前記押圧手段が前記被覆部を圧壊した際に閉じる、前記導体と前記押圧手段との間に形成された電気回路と、
前記電気回路が閉じたことを検知する検知手段とを備えた電線の被覆部の圧壊性評価装置である。
【0007】
この発明の電線の被覆部の圧壊性評価装置の第2の態様は、前記荷重付与手段が、垂直面内で回動可能に前記押圧手段に取り付けられる水平アームと、前記水平アームの一方の端部に取り付けられて前記水平アームのバランスを調整する水平調整ウエイトと、前記水平アームの他方の端部に取り付けられた荷重手段を備え、
前記水平アームを水平にした状態で、前記荷重手段に荷重を変化させながら付与する、電線の被覆部の圧壊性評価装置である。
【0008】
この発明の電線の被覆部の圧壊性評価装置の第3の態様は、前記荷重手段は、荷重手段を備え、前記荷重手段は、液体供給手段と、該液体供給手段によって供給される液体を受け入れる容器を備え、
前記液体供給手段により液体を供給することにより荷重を変化させながら付与する、電線の被覆部の圧壊性評価装置である。
【0009】
この発明の電線の被覆部の圧壊性評価装置の第4の態様は、前記電気回路が閉じたときに、前記液体供給手段が前記容器への液体の供給を停止する、電線の被覆部の圧壊性評価装置である。
【0010】
この発明の電線の被覆部の圧壊性評価装置の第5の態様は、前記押圧手段は、前記被覆部を圧壊する刃部を備え、前記刃部は、前記電線の長手方向に略垂直に延びて配置され、前記刃部の平らな底部における前記電線の長さ方向の大きさが0.5〜2mmであり、前記底部の前記電線の長手方向に直交する方向の大きさが前記導体の外径以上である、電線の被覆部の圧壊性評価装置である。
【0011】
この発明の電線の被覆部の圧壊性評価方法の第1の態様は、導体と該導体の周囲を被覆する被覆部とを有する電線の前記導体と、前記電線の側方に位置する押圧手段が接触した場合に、前記導体と前記押圧手段の間に閉じた電気回路が形成されるよう構成しておき、そのうえで、前記被覆部に前記押圧手段を接触させるとともに、前記押圧手段に荷重手段により荷重を変化させながら付与することで前記被覆部を圧壊させ、前記電気回路が閉じたことを検知し、そのときの荷重から前記被覆部の圧壊性を評価する、電線の被覆部の圧壊性評価方法である。
【0012】
この発明の電線の被覆部の圧壊性評価方法の第2の態様は、前記荷重手段は、前記液体供給手段によって液体を供給することで荷重を変化させながら付与する、電線の被覆部の圧壊性評価方法である。
【0013】
この発明の電線の被覆部の圧壊性評価方法の第3の態様は、前記電気回路が閉じたときに、前記液体供給手段が液体の供給を停止する、電線の被覆部の圧壊性評価方法である。
【発明の効果】
【0014】
この発明の電線の被覆部の圧壊性評価装置および電線の被覆部の圧壊性評価方法の第1の態様によると、電線の導体と、被覆部を圧壊する押圧手段が電気的に接触したときに、導体と押圧手段の間に閉じた電気回路が形成されるようにすると、電気回路が閉じたときに被覆部にかかった荷重に基づいて、被覆部の圧壊性を評価することができるので、絶縁破壊に至るまでの力を数値として認識することができ、電線としての信頼性の高い評価結果を得ることができる。
【0015】
この発明の電線の被覆部の圧壊性評価装置の第2の態様によると、水平アームを用いて、その一端に水平調整ウェイト、他端に荷重手段を設けてバランスをとった後に、荷重手段に荷重を変化させながら付与することで、より簡易な装置で被覆部の圧壊性を評価することができる。
【0016】
この発明の電線の被覆部の圧壊性評価装置の第3の態様および電線の被覆部の圧壊性評価方法の第2の態様によると、液体供給手段によって荷重を変化させながら付与することで、荷重を連続的に変化させることができ、より正確な評価結果を得ることができる。
この発明の電線の被覆部の圧壊性評価装置の第4の態様および電線の被覆部の圧壊性評価方法の第3の態様によると、電気回路が閉じたときに、液体供給手段が液体の供給を停止することで、作業者が手動で液体の供給を停止するよりも、より正確な評価結果を得ることができる。
【0017】
この発明の電線の被覆部の圧壊性評価装置の第5の態様によると、自動車ドアパネル等の厚みを想定した形状に構成された刃部を用いているので、電線の使用態様に応じた、より信頼性の高い評価結果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
この発明の電線の被覆部の圧壊性評価装置および電線の被覆部の圧壊性評価方法を、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、この発明の電線の被覆部の圧壊性評価装置を説明する摸式断面図である。
図1に示すように、圧壊性評価装置1は、導体14と該導体14の周囲を被覆する被覆部15とを有する電線2が載置される板材3と、板材3との間で被覆部15を圧壊し、導体14と電気的に接続する押圧手段4と、押圧手段4に被覆部を圧壊するための荷重を付与する荷重付与手段9と、押圧手段4が被覆部15を圧壊した際に閉じる、導体14と押圧手段4との間に形成された電気回路16と、電気回路16が閉じたことを検知する検知手段11とを備えている。
【0020】
板材3は、検査台12上に配置される。板材3上には、電線2が載置される。
押圧手段4は、板材3上に固定された脚部5と、垂直面内で回転可能に脚部5に取り付けられて水平アーム13を支持する回転部6と、被覆部15を圧壊する刃部7とを備えている。
【0021】
板材3の概ね中央には押圧手段4の脚部5が概ね垂直に伸びて固定される。電線2は脚部5によって板材3上に固定された状態で載置される。押圧手段4の脚部5の上部中央には回転軸18が取り付けられ、回転部6が垂直面内で回転軸18の回りに回転可能に取り付けられる。回転部6に支持された水平アーム13は回転部6と共に回転軸18の回りを垂直面内で回転する。
【0022】
回転部6の一方(液体供給手段19が配置されている側)の下部には被覆部15を圧壊する刃部7が下方に突出して取り付けられている。水平アーム13の回転によって、刃部7が電線2の被覆部15に押圧される。水平アーム13の一方の端部(液体供給手段19が配置されている反対側)には水平調整ウエイト8が取り付けられ、水平アーム13上を水平アームの長軸方向に沿って移動して、水平アームのバランスを調整する。水平アームの他方の端部(即ち、回転部に刃部が設けられた側)には、荷重手段17が取り付けられる。
【0023】
図2は押圧手段4の刃部7を説明する部分拡大図である。
図2に示すように、押圧手段4の回転部6の底面に該回転部6と一体的に形成された下方に突出した刃部7は、電線2の長手方向に略垂直に延びて、平らな底部20を備えている。荷重手段17が荷重を変化させながら付与することで、平らな底部20が電線2の被覆部15を押圧し圧壊し、底部20と電線2の導体が電気的に接続する。刃部7の平らな底部20における電線2の長さ方向の大きさaが0.5〜2mmであり、底部20の電線2の長手方向に直交する方向の大きさbが導体の外径以上である。
【0024】
荷重付与手段9は、垂直面内で回動可能に押圧手段4に取り付けられる水平アーム13と、水平アーム13の一方の端部に取り付けられて水平アームのバランスを調整する水平調整ウエイト8と、水平アーム13の他方の端部に取り付けられた荷重手段17を備えている。
【0025】
荷重手段17は、液体供給手段19と、液体供給手段19によって供給される液体を受け入れる容器17aと、液体量調整バルブ19を備えている。
電気回路16は、電線2の導体が露出した先端部14と、検知手段11と、押圧手段4と、被覆部15が圧壊された電線2の導体との間で閉じた回路として形成される。押圧手段4により被覆部15が圧壊されると、上述した電気回路16が閉じたことを検知手段11が検知する。更に、電気回路16を液体供給手段19につないであり、上述した電気回路16が閉じると、液体量調整バルブ10が閉じられて液体供給手段19による液体の供給が停止するよう構成されている。
【0026】
上述した圧壊性評価装置1を使用して、電線の被覆部の圧壊性を評価する。即ち、導体14と導体14の周囲を被覆する被覆部15とを有する電線2の導体と、電線2の側方に位置する押圧手段4が接触した場合に、導体と押圧手段4の間に閉じた電気回路16が形成されるよう構成しておき、そのうえで、被覆部15に押圧手段4を接触させるとともに、押圧手段4に荷重手段17により荷重を変化させながら付与することで被覆部15を圧壊させ、電気回路16が閉じたことを検知し、そのときの荷重から被覆部の圧壊性を評価する。
【0027】
以下、具体例を説明する。
まず、検査台12の上に配置された板材3の上に電線2を載置し、一方の端部の被覆を除去した先端部14と、検知手段11と、刃部7を有する押圧手段4とを電気的に接続する。検知手段11の一例として検知ブザーを用いて説明する。検知ブザー11が刃部7と被覆部15が圧壊された電線2の導体とが電気的に接続されたのを検知すると、液体供給手段19による液体の供給を止める液体量調整バルブ10が閉じられるように電気回路16を形成する。なお、ここでは液体の一例として水を用いて説明する。
【0028】
脚部5の回転軸に回転可能に取り付けられた回転部6に支持された水平アーム13が水平になるように、水平調整ウエイト8を水平アーム13の長軸方向に沿って移動させる。水平アーム13が水平になったとき、回転部6の底面に一体的に取り付けられた刃部7の底部20が、電線2の被覆部15の表面に接する位置で、板材3上に電線2を載置する。水平調整ウェイト8は、容器17aとのバランスをとり、水平アーム13の初期状態を形成するために用いられ、水平アーム13が水平になった以後は水平調整ウェイト8は移動させない。
【0029】
この状態で、水平アーム13の先端に取り付けられた、液体供給手段19によって供給される水を受け入れる容器17aに、水の供給が開始される。即ち、液体供給手段19により水を供給することにより荷重を変化させながら荷重が付与される。容器17aが下方に移動すると、それに対応して刃部7が電線2の被覆部15を押圧し圧壊する。
【0030】
刃部7が電線2の被覆部15を圧壊して、刃部7の底部20と電線2の導体とが電気的に接続すると、電気回路16が閉じたことを検知ブザー11が検知し、同時に液体量調整バルブ10が閉じられ、液体供給手段19による水の供給が停止する。そのときの荷重から被覆部15の圧壊性を評価する。
【0031】
なお、検知手段11は、検知ブザーに限らず、ランプでもよい。また、液体供給手段19を検知手段11とすることも可能で、例えば、液体供給が止まることで、作業者が電気回路16が閉じたことを検知してもよい。荷重手段17は液体に限らず、錘を使用してもよい。液体は水に限らない。
【0032】
図3は電線2の導体の偏りを検知する方法を説明する図である。
即ち、上述したようにして刃部7によって電線2の被覆部15の圧壊を行う箇所を1箇所ではなく複数箇所(例えば、相対する4つの箇所A、B、C、D)において行うことによって、電線2の被覆部の偏り、所謂偏肉を発見することができる。図3に示すように偏った状態では、絶縁性が低下してしまう。
【0033】
次に、この発明の電線の被覆部の圧壊性評価方法(特に被覆部の偏り)を実施例によって更に説明する。
図4は圧壊性評価装置の概念図である。
以下の条件で試験を行った。
室温 23±5℃
水の流量 2.31/min
【0034】
図4において、M1は荷重手段17による荷重(容器17aに供給された水の重量)であり、M2は刃部7にかかる荷重である。なおM1を計算する際には、容器17aの荷重は水平調整ウエイトにより調整されているので考慮する必要がない。L1は脚部の回転軸(水平アームの支点)18から容器17aまでの距離であり、L2は脚部の回転軸18から刃部7までの距離である。
L1=25mm
L2-=248mm
であるとき、図3に示すA、B、C、Dの4点で圧力を加えたところ、M1の値が下記のときに電気的接続が図られた。
A点 14.3N
B点 9.8N
C点 11.6N
D点 12.0N
【0035】
この場合に、M2の値は式(L1×M1)/L2で求められるので、
A点 141.9N
B点 97.2N
C点 115.1N
D点 119.0N
平均 118.3N
の圧力が加わると、各点において絶縁被覆が破壊されることが試験結果として得られた。合わせて、被覆部15はA方向に偏った状態であることが分かる。
【0036】
上述したように、この実施形態の電線2の被覆部15の圧壊性評価装置1および電線2の被覆部15の圧壊性評価方法によると、電線2の導体14と、被覆部15を圧壊する押圧手段4が電気的に接触したときに、導体14と押圧手段4の間に閉じた電気回路16が形成されるようにすると、電気回路16が閉じたときに被覆部15にかかった荷重に基づいて、被覆部15の圧壊性を評価することができるので、絶縁破壊に至るまでの力を数値として認識することができ、電線2としての信頼性の高い評価結果を得ることができる。
【0037】
また水平アーム13を用いて、その一端に水平調整ウェイト8、他端に荷重手段17を設けてバランスをとった後に、荷重手段17に荷重を変化させながら付与することで、より簡易な装置で被覆部15の圧壊性を評価することができる。
また、液体供給手段19によって荷重を変化させながら付与することで、荷重を連続的に変化させることができ、より正確な評価結果を得ることができる。
【0038】
また電気回路16が閉じたときに、液体供給手段19が液体の供給を停止することで、作業者が手動で液体の供給を停止するよりも、より正確な評価結果を得ることができる。
また自動車ドアパネル等の厚みを想定した形状に構成された刃部7を用いることで、電線の使用態様に応じた、より信頼性の高い評価結果を得ることができる。
【0039】
上述したように、この発明によると、電線の被覆部に圧力を加えて被覆部が破壊され導体が露出するに至るまでの荷重を測定することによって、電線の強い保護性能を高い信頼性で評価することができる圧壊性評価装置および評価方法を提供することができる。
また、被覆部の圧壊を電線の円周方向の一箇所からだけでなく、複数箇所から行うことによって、被覆部の偏り、所謂偏肉を発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、この発明の実施態様の一例を示す電線の被覆部の圧壊性評価装置を説明する摸式断面図である。
【図2】図2は押圧手段の刃部を説明する部分拡大図である。
【図3】図3は電線の導体の偏りを検知する方法を説明する図である。
【図4】図4は圧壊性評価装置の概念図である。
【符号の説明】
【0041】
1 圧壊性評価装置
2 電線
3 板材
4 押圧手段
5 脚部
6 回転部
7 刃部
8 水平調整ウエイト
9 荷重付与手段
10 液体量調整バルブ
11 検知手段
12 検査台
13 水平アーム
14 導体
15 被覆部
16 電気回路
17 荷重手段
17a 容器
18 回転軸
19 液体供給手段
20 底部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体と該導体の周囲を被覆する被覆部とを有する電線が載置される板材と、
前記板材との間で前記被覆部を圧壊し、前記導体と電気的に接続する押圧手段と、
前記押圧手段に前記被覆部を圧壊するための荷重を付与する荷重付与手段と、
前記押圧手段が前記被覆部を圧壊した際に閉じる、前記導体と前記押圧手段との間に形成された電気回路と、
前記電気回路が閉じたことを検知する検知手段とを備えた電線の被覆部の圧壊性評価装置。
【請求項2】
前記荷重付与手段が、垂直面内で回動可能に前記押圧手段に取り付けられる水平アームと、前記水平アームの一方の端部に取り付けられて前記水平アームのバランスを調整する水平調整ウエイトと、前記水平アームの他方の端部に取り付けられた荷重手段を備え、
前記水平アームを水平にした状態から、前記荷重手段に荷重を変化させながら付与する、請求項1に記載の電線の被覆部の圧壊性評価装置。
【請求項3】
前記荷重付与手段は、荷重手段を備え、
前記荷重手段は、液体供給手段と、該液体供給手段によって供給される液体を受け入れる容器を備え、
前記液体供給手段により液体を供給することにより荷重を変化させながら付与する、請求項1または2に記載の電線の被覆部の圧壊性評価装置。
【請求項4】
前記電気回路が閉じたときに、前記液体供給手段が前記容器への液体の供給を停止する、請求項3に記載の電線の被覆部の圧壊性評価装置。
【請求項5】
前記押圧手段は、前記被覆部を圧壊する刃部を備え、前記刃部は、前記電線の長手方向に略垂直に延びて配置され、前記刃部の平らな底部における前記電線の長さ方向の大きさが0.5〜2mmであり、前記底部の前記電線の長手方向に直交する方向の大きさが前記導体の外径以上である、請求項1から4のいずれか1項に記載の電線の被覆部の圧壊性評価装置。
【請求項6】
導体と該導体の周囲を被覆する被覆部とを有する電線の前記導体と、前記電線の側方に位置する押圧手段が接触した場合に、前記導体と前記押圧手段の間に閉じた電気回路が形成されるよう構成しておき、そのうえで、前記被覆部に前記押圧手段を接触させるとともに、前記押圧手段に荷重手段により荷重を変化させながら付与することで前記被覆部を圧壊させ、前記電気回路が閉じたことを検知し、そのときの荷重から前記被覆部の圧壊性を評価する、電線の被覆部の圧壊性評価方法。
【請求項7】
前記荷重手段は、前記液体供給手段によって液体を供給することで荷重を変化させながら付与する、請求項6に記載の電線の被覆部の圧壊性評価方法。
【請求項8】
前記電気回路が閉じたときに、前記液体供給手段が液体の供給を停止する、
請求項7に記載の電線の被覆部の圧壊性評価方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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