電線保護管の組立治具
【課題】可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管の組立治具を提供する。
【解決手段】組立治具80は、一対の保持部材81,81を備えて構成されており、各保持部材81,81の底板部82からは、上方に突出する複数の係止凸部84が長手方向に複数設けられ、両保持部材81,81のぞれぞれの係止凸部84に分割単位チューブ31Aの係止孔37Aを挿入して分割単位チューブ31Aを係止させてから、一方の保持部材81を他方の保持部材81に向かい合わせて突き当てることで電線保護管10が組立てられる。
【解決手段】組立治具80は、一対の保持部材81,81を備えて構成されており、各保持部材81,81の底板部82からは、上方に突出する複数の係止凸部84が長手方向に複数設けられ、両保持部材81,81のぞれぞれの係止凸部84に分割単位チューブ31Aの係止孔37Aを挿入して分割単位チューブ31Aを係止させてから、一方の保持部材81を他方の保持部材81に向かい合わせて突き当てることで電線保護管10が組立てられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線保護管の組立治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の床下に配線される高圧ケーブルは、外部からの衝撃等から電線を保護する目的で、(特許文献1)に示されるような強固なプロテクタで覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−186131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記したプロテクタは、外部の衝撃等から電線を保護することができるものの可撓性を有していないため、配置する場所に応じて湾曲させることができず、使用する場所が限られてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本願の発明者は、可撓性を有する電線保護管として、複数の単位チューブを連結して構成され、その内部に電線が挿通されるものであって、各単位チューブは、電線が挿通される電線挿通孔を有した筒部と、筒部に連なり、曲面状の外周面を有する曲面部と、曲面部とは反対側にて前記筒部に連なり、隣接する単位チューブの前記曲面部と嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動する凹状面部と、を備える構成を発明するに至った。
【0006】
ここで、電線保護管を組み立てるに当たって、1個ずつ順番に単位チューブを組付けていくのでは作業効率の観点から望ましくない。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管の組立治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の単位チューブを連結して構成され、その内部に電線が挿通される電線保護管の組立治具であって、前記各単位チューブは、前記電線が挿通される電線挿通孔を有した筒部と、前記筒部の一端側に連なり、曲面状の外周面を有する曲面部と、前記筒部の他端側に連なり、隣接する単位チューブの前記曲面部と嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動する凹状面部と、を備えるとともに、前記各単位チューブは、前記筒部の軸方向に沿った面で分割された複数の分割単位チューブからなり、前記電線保護管の組立治具は、前記複数の分割単位チューブを前記電線挿通孔が連なる方向に並べて保持する一対の保持部材を有し前記各保持部材には、前記各分割単位チューブごとに、前記分割単位チューブを係止する単位チューブ係止部が設けられているところに特徴を有する(手段1)。
【0009】
かかる組立治具を用いた電線保護管の組み付けについて説明すると、一対の保持部材のそれぞれに、各分割単位チューブを単位チューブ係止部に係止することで分割単位チューブを電線挿通孔が連なる方向に連ねる。全ての分割単位チューブが係止されて分割単位チューブが電線挿通孔が連なる方向に連ねて収容されると、各分割単位チューブについては、それぞれが単位チューブ係止部に係止された状態であるから、各分割単位チューブが容易にばらばらにならない。
そして、例えば、一方の保持部材の分割単位チューブの電線挿通孔の部分に電線を配し、他方の保持部材を、対になる分割単位チューブ同士が嵌合するように一方の保持部材に突き合わせる。
【0010】
このようにすれば、複数の単位チューブが連結された電線保護管を組み立てることができる。なお、上記組立において分割単位チューブに電線を配さず、電線が挿通されない電線保護管を組立てる際(電線保護管の組立後に電線を挿通させる場合)の組立についても、上記組立治具を用いることで容易になる。
【0011】
そして、このような電線保護管に電線が挿通されると、電線を外部からの強い衝撃等から保護できる。また、複数の単位チューブは、単位チューブの曲面部とこれと隣接する単位チューブの凹状面部とが嵌り合ってその曲面部の外周面に対して摺動するから、これらの単位チューブが連結されて構成された電線保護管は、使用する場所に応じた形状に曲げることができる。即ち、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管とすることができる。
【0012】
手段1の構成に加えて、前記分割単位チューブの凹状面部の外周面には、係止凹部が設けられており、前記単位チューブ係止部は、前記係止凹部に嵌め込まれて係止される係止凸部であるようにしてもよい(手段2)。
手段2の構成によれば、簡易な構成で分割単位チューブを保持部材に係止させることができる。また、凹状面部の外周面に設けられる係止凹部は、保持部材の側を凹部とする場合よりも比較的弾性変形しやすいから容易に係止凸部を係止凹部に係止させることができる。
【0013】
手段1又は手段2の構成に加えて、前記一対の保持部材は、前記分割単位チューブの電線挿通孔が連なる方向に長い形状の底部とこの底部の両側縁から立ち上がる側壁部とを有し、一方の保持部材の側壁部の上端部が他方の保持部材の側壁部の上端部に突き当てられることにより、前記各保持部材に収容された前記分割単位チューブ同士が嵌り合って電線保護管が形成されるようにしてもよい(手段3)。
手段3の構成によれば、保持部材同士を突き当てれば電線保護管が組み立てられるから、電線保護管の組立が容易になる。
【0014】
手段1ないし手段3のいずれか一項に記載の構成に加えて、前記一方の保持部材における側壁部の上端部には、上方に突出する嵌合ピンが形成されており、前記他方の保持部材の側壁部の上端部には、前記嵌合ピンが挿入されるピン挿入凹部が形成されているようにしてもよい(手段4)。
手段4の構成によれば、保持部材同士を突き当てる際の位置合わせが容易になる。
【0015】
手段1ないし手段4のいずれか一項に記載の構成に加えて、前記単位チューブは、一対の前記分割単位チューブのうちの一方に形成されたロックピンが他方に形成されたロック孔に挿入されて係止されるものであって、前記嵌合ピンは、前記ロックピンが前記ロック孔に挿入されるのに先立って、前記ピン挿入凹部に挿入されるようにしてもよい(手段5)。
手段5の構成によれば、ロックピンよりも嵌合ピンが先に挿入されて位置合わせが行われるから、ロックピンの損傷を防止することができる。
【0016】
手段1ないし手段5のいずれか一項に記載の構成に加えて、前記分割単位チューブの凹状面部には、係止孔が設けられており、前記単位チューブ係止部は、前記係止孔の孔縁に係止するものであり、全ての前記単位チューブ係止部がそれぞれ対応する前記係止孔の孔縁に係止する係止位置から、全ての単位チューブ係止部の前記係止孔への係止が解除される解除位置に変更可能な解除機構を有するようにしてもよい(手段6)。
手段6の構成によれば、電線保護管の組立後の係止状態の解除が容易になる。
【0017】
手段1ないし手段6のいずれか一項に記載の構成に加えて、前記電線保護管は、複数の前記単位チューブを連結して構成される連結単位チューブと、筒状プロテクタ部と、連結単位チューブと筒状プロテクタ部とを連結する連結部材と、からなり、前記保持部材のうち、前記電線保護管の電線挿通孔が連なる方向の端部には、前記連結部材に係止して前記連結部材を位置決めする位置決め部が設けられているようにしてもよい(手段7)。
【0018】
可撓制を有しつつ電線を保護するという点では、電線保護管の全ての部分を連結単位チューブで構成することも可能であるが、連結単位チューブの部分については、可撓性を有するための構成により、筒状プロテクタ部よりも体積が大きくなりやすく、その分重量が重くなりやすい。そこで、可撓性を有する必要のある部分については、連結単位チューブとし、可撓性を有する必要のない部分については、筒状プロテクタ部により電線を保護することととすれば、全てを連結単位チューブとする場合よりも電線保護管を軽量化することができる。
このように連結単位チューブと筒状プロテクタ部とを有する場合に、これらの間を連結部材で連結すれば、連結単位チューブと筒状プロテクタ部との間の隙間による電線の露出を防止することができるため望ましい。
手段7の構成では、かかる場合に用いる連結部材を利用して、電線保護管の組立の際の位置決めをすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管を組立てるための組立治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る実施形態1の電線保護管に電線が挿入された状態を表す図
【図2】単位チューブを表す斜視図
【図3】分割単位チューブを分割端面の側から表した側面図
【図4】分割単位チューブを表す斜視図
【図5】凹状面部付連結部材を表す斜視図
【図6】凹状面部付連結部材を構成する分割連結部材に分割プロテクタが連結される前の状態を表す斜視図
【図7】図6の分割連結部材と分割プロテクタとが連結された状態を表す斜視図
【図8】凹状面部付連結部材と筒状プロテクタ部とが連結された状態を表す図
【図9】曲面部付連結部材を表す斜視図
【図10】曲面部付連結部材を構成する分割連結部材に分割プロテクタが連結される前の状態を表す斜視図
【図11】図10の分割連結部材と分割プロテクタとが連結された状態を表す斜視図
【図12】曲面部付連結部材と筒状プロテクタ部とが連結された状態を表す図
【図13】電線が挿通された状態の電線保護管を表す図
【図14】電線保護管を湾曲させた状態を表す図
【図15】保持部材を表す上面図
【図16】図15のA−A断面図
【図17】保持部材に凹状面部付連結部材を構成する分割連結部材を係止させた状態を表す図
【図18】分割単位チューブを順番に係止させていく状態を表す図
【図19】分割連結部材及び分割単位チューブを全て係止させた状態を表す図
【図20】図19の側断面図
【図21】図19に分割プロテクタ部を取り付けた状態を表す図
【図22】図21に電線を配した状態を表す図
【図23】一方の保持部材を持ち上げて裏返した状態を表す図
【図24】一対の保持部材を突き合わせた状態を表す図
【図25】実施形態2の保持部材の上面を拡大した図
【図26】連結軸部が係止位置にある状態を表す図
【図27】連結軸部が解除位置にある状態を表す図
【図28】分割チューブが係止片に係止された状態を表す断面図
【図29】一方の保持部材を持ち上げて裏返した状態を表す図
【図30】一対の保持部材を突き合わせた状態を表す図
【図31】係止片の係止が解除されて電線保護管が取り外される状態を表す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1を図1〜図24を参照して説明する。
本実施形態における電線保護管10は、図1に示すように、筒状プロテクタ部20と、複数の単位チューブ31が連結されてなる連結単位チューブ30と、筒状プロテクタ部20と連結単位チューブ30とを連結する連結部材40と、から構成されている。電線70が挿通された電線保護管10は、例えば、電気自動車において走行用の動力源を構成するバッテリ、インバータ、モータなどの装置(図示せず)の間に配索される。以下では、図1の左方に延びる方向を前方、上方に延びる方向を後方として説明する。
【0022】
筒状プロテクタ部20は、合成樹脂製で、内部に電線70を挿通可能な電線挿通孔21を有する筒形をなす(図14参照)。この電線挿通孔21の径は、挿通される電線70の径にほぼ等しく、電線70が挿通されると、電線70の外周が内面に密着する。
また、筒状プロテクタ部20は、図6に示すように、半筒形の一対の分割プロテクタ22,22(図6は片方の分割プロテクタ22のみ図示)を嵌め合わせて構成されている。
【0023】
分割プロテクタ22,22は、共に同形であって、電線70が挿通される半筒形の分割プロテクタ本体部23と、分割プロテクタ本体部23の分割端面23Aから幅方向に張り出す張出部24とからなる。
【0024】
分割プロテクタ本体部23には、電線通し溝部25が形成されている。分割プロテクタ22,22を嵌め合わせると、電線通し溝部25,25が電線挿通孔21となる。
【0025】
分割プロテクタ22の張出部24には、この張出部24を長方形状に切欠いた切欠部26が形成されている。
これにより、張出部24のうち、切欠部26の前方の部分が後述する連結部材40に係止される連結凸部27となり、切欠部26の後方の部分が分割プロテクタ22,22を嵌め合わせた後に、両分割プロテクタ22,22を溶着して一体化する被溶着部28となっている。
【0026】
次に、連結単位チューブ30について説明する。
連結単位チューブ30は、図1に示すように、筒状プロテクタ部20,20の間(筒状プロテクタ部20とは異なる位置)に配されて、複数の単位チューブ31を連結して構成されている。
【0027】
各単位チューブ31は、図2に示すように、軸方向(挿通される電線70の軸方向。後述する筒部33の軸方向と同じ)の中央部の電線保持部32と、電線保持部32に連なり電線保持部32よりも軸方向の前端側(一端側)の曲面部35と、電線保持部32に連なり電線保持部32よりも軸方向の後端側(曲面部35とは反対側)の凹状の内周面を有する凹状面部37と、からなる。
【0028】
電線保持部32は、円筒形状の筒部33と、筒部33の外周に設けれる放熱リブ34と、を有する。
筒部33は、図4に示すように、円形状の内周面を形成する電線挿通孔29を有する。電線挿通孔29は、挿通される電線70の外形とほぼ同一であって、電線70が挿通された際には、電線70の外周が電線挿通孔29(筒部33)の内周面にほぼ密着する。
【0029】
なお、本実施形態では、電線70には、内側から芯線71、内皮72(絶縁被覆)、編組線73(シールド層)の順に形成(積層)されたいわゆるシールド電線70が用いられている。よって、編組線73が筒部33の内周面にほぼ密着する。なお、電線70には、シールド電線70であって、編組線73(シールド層)の周囲に、更に外皮(絶縁被覆)が形成されているものを用いてもよい。また、シールド電線70以外も用いることができ、芯線71(単芯線やより線)のみの裸線や、芯線71を絶縁被覆で覆う被覆電線も可能である。
【0030】
放熱リブ34は、筒部33の軸方向に所定の間隔を挟んで三個(複数個)並んで設けられている。各放熱リブ34は、一定の高さで筒部33の全周に亘って環状に形成されており、各放熱リブ34の厚みは、筒部33の厚みとほぼ同じである。各放熱リブ34の高さは、放熱リブ34の外径(環状の放熱リブ34の中心からの径)が凹状面部37のうち(最大となる)端部側の部分の外径にほぼ等しくなっている。
【0031】
曲面部35は、筒部33の外周に連なる球形の外周面を有する。曲面部35の内部には、筒部33の電線挿通孔29に連なる撓み許容孔36が形成されている。
【0032】
撓み許容孔36は、電線70の撓み変形を可能にするための円形状の電線挿通孔である。
具体的には、この撓み許容孔36は、筒部33側の端部が電線挿通孔29と同じ大きさの円形状であって電線挿通孔29に連なっており、そこから他端側(単位チューブ31の前端部側)に向かうほど広がる(撓み許容孔36の径が全方位に大きくなる)形状となっている。
【0033】
凹状面部37は、フード状であって、曲面部35とは反対側にて筒部33に連なり、その凹状の内面が隣接する他の単位チューブ31の曲面部35と嵌り合ってその曲面部35の外周面に対して摺動する(曲面部35を軸受する)摺接面とされている。なお、凹状面部37の厚みは、筒部33の厚みとほぼ同じである。
凹状面部37の外周面には、図2に示すように、ロック部38(本発明の「ロックピン」の一例)と、ロック部38に係合するロック受け部39と、が形成されている。
【0034】
これらロック部38及びロック受け部39は、図4に示すように、凹状面部37の後端部のうち、分割端面の近傍に形成されており、このうち、ロック部38が凹状面部37の一方の側(図4では上部)に形成されており、ロック受け部39が凹状面部37の他方の側(図4では下部)に形成されている。
【0035】
ロック部38は、棒状の連結ピン部38Aと、連結ピン部38Aの先端部にて外方に凸となるように形成される係止爪部38Bと、を有する。
係止爪部38Bは、先細となっており、先細となる外方側の面がテーパ面とされる。
【0036】
ロック受け部39は、長方形の枠形をなし、内部に長方形状のロック孔39Aが貫通形成されている。ロック孔39Aの上下方向の寸法は、係止爪部38Bの上下方向の寸法(係止爪部38Bの厚み)よりもわずかに小さくなっている。
【0037】
各係止爪部38Bが各ロック孔39Aに挿入されると、ロック部38の係止爪部38Bが、枠形のロック受け部39をわずかに撓ませつつロック孔39Aに進入していく。そして、係止爪部38Bの全体がロック孔39Aを抜けると、図2に示すように、係止爪部38Bの後縁がロック受け部39に係止して単位チューブ31の分割単位チューブ31A,31Aへの分離が規制される。
【0038】
凹状面部37の中央部には、図3に示すように、係止孔37Aが設けられている。係止孔37Aは、後述する組立治具80の係止凸部84に係止させるためのものであり、円形の孔であって、凹状面部37をほぼ一定の径で貫通する。
上記したように単位チューブ31は、軸方向に沿った面で分割された二個の分割単位チューブ31A,31Aからなり、これら対になる分割単位チューブ31A,31Aは、同一形状となっている。
【0039】
ここで、単位チューブ31(分割単位チューブ31A,31A)の材質は、合成樹脂であって、例えば、PP(ポリプロピレン),PBT(ポリブチレンテレフタレート),PE(ポリエチレン),PET(ポリエチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂を用いることができる。なお、熱硬化性樹脂等の他の合成樹脂を用いることも可能である。
そして、これら分割単位チューブ31A,31Aは、それぞれ射出成形により各分割単位チューブ31A,31Aごとに一体に成形される。
【0040】
次に、連結部材40について説明する。
連結部材40は、図1に示すように、連結単位チューブ30の前端側(一端側)に接続される凹状面部付連結部材41と、連結単位チューブ30の後端側(他端側)に接続される曲面部付連結部材48と、からなる。
【0041】
凹状面部付連結部材41は、連結単位チューブ30のうち、その長さ方向の端部が曲面部35である前端側に連結されるものであり、図5に示すように、概ね円筒形状をなす。また、凹状面部付連結部材41は、図6に示すように、軸方向に沿った面で分割(半割)した一対の分割連結部材41A,41Aからなり(図6には片方の分割連結部材41Aのみ図示)、軸方向の前部にて、筒状プロテクタ部20に連結されるプロテクタ接続部43と、軸方向の後部にて、曲面部35に摺動可能に連結される連結用凹状面部42と、を有する。
【0042】
プロテクタ接続部43は、分割プロテクタ本体部23が収容される収容部44と、分割プロテクタ22の連結凸部27が係止される連結凹部45と、を有する。
収容部44は、分割プロテクタ本体部23の外形と同じ半円形状をなす。
連結凹部45は、分割連結部材41Aの分割端面41Bのうち、収容部44の奥端部の部分を連結凸部27の厚み分だけ切欠いて設けられている。
【0043】
プロテクタ接続部43の円形の外周には、環状の連結位置決め凸部46が形成されている。この連結位置決め凸部46は、後述する電線保護管10の組立治具80に分割連結部材41Aをセットする際の位置決めに用いるものである。
【0044】
連結用凹状面部42は、凹状面部37と同一形状である。連結用凹状面部42の外周面には、ロック部38と、ロック部38に係合するロック受け部39とが形成されている。
分割連結部材41Aのうち、連結用凹状面部42とプロテクタ接続部43との間には仕切り壁47が設けられており、この仕切り壁47の中心部(分割端面側の中央部)には半円形の電線挿通孔51が形成されている。電線挿通孔51の径(半円の半径)は、電線70の径にほぼ等しいため、電線70を挿通して分割連結部材41A,41Aを嵌め合わせると電線70の外周が電線挿通孔51に密着する。
【0045】
曲面部付連結部材48は、連結単位チューブ30のうち、その長さ方向の端部が凹状面部37である後端側に連結されるものであり、図9に示すように、概ね円筒形状をなす。また、曲面部付連結部材48は、図10に示すように、軸方向に沿った面で分割(半割)した一対の分割連結部材48A,48Aからなり(図10には、片方の分割連結部材48Aのみ図示)、軸方向の中間部にて電線70を保持する電線保持部52と、電線保持部52の前方側にて電線保持部52と連続し凹状面部37に摺動可能に連結される連結用曲面部49と、電線保持部52の後方側にて電線保持部52と連続し筒状プロテクタ部20に連結されるプロテクタ接続部53と、を有する。
【0046】
連結用曲面部49は、単位チューブ31の曲面部35と同一形状であり、電線保持部52は、単位チューブ31の電線保持部32と同一形状である。
プロテクタ接続部53は、分割プロテクタ本体部23が収容される収容部54と、筒状プロテクタ部20の連結凸部27が係止される連結凹部55と、を有する。
【0047】
収容部54は、分割プロテクタ本体部23の外形と同じ半円形状をなす。
連結凹部55は、分割連結部材48Aの分割端面48Bのうち、収容部44の奥端部の部分を連結凸部27の厚み分だけ切欠いて設けられている。
【0048】
プロテクタ接続部53の円形の外周には、環状の連結位置決め凸部56が形成されている。この連結位置決め凸部56は、電線保護管10の組立治具80に分割連結部材48Aをセットする際の位置決めに用いるものである。
【0049】
分割連結部材48Aのうち、電線保持部52とプロテクタ接続部43との間には仕切り壁57が設けられており、この仕切り壁57には半円形の電線挿通孔61が形成されている。電線挿通孔61の径(半円の半径)は、電線70の径にほぼ等しいため、電線70を挿通して分割連結部材48A,48Aを嵌め合わせると電線70の外周が電線挿通孔61に密着する。仕切り壁57の外周面には、ロック部38と、ロック部38に係合するロック受け部39とが形成されている。
【0050】
次に、電線保護管10の組立治具80について説明する。
電線保護管10の組立治具80は、図15に示すように、複数の分割単位チューブ31Aを電線挿通孔21(29,51)が連なる方向に並べて保持する一対の保持部材81,81からなる(図15には、一方の保持部材81のみを図示)。
【0051】
各保持部材81,81は、共に同形で、例えば金属製であり、長尺の板状をなす底板部82(本発明の「底部」の一例)と、底板部82の両側縁部から立ち上がる一対の側壁部83,83と、を有する。
【0052】
底板部82には、上方に突出する係止凸部84(本発明の「単位チューブ係止部」の一例)が、長手方向に等間隔で設けられている。この係止凸部84は、分割単位チューブ31A,31Aの凹状面部37に形成された係止孔37A(本発明の「係止凹部」の一例)の径よりわずかに大きい(太い)。言い換えると、係止凸部84の径は、係止凸部84が係止孔37Aに嵌め込まれる(陥入される)と、保持部材81,81を逆さにした程度では抜け落ちないように係止状態が維持される程度の大きさ(太さ)とされる。
【0053】
隣接する係止凸部84の間隔は、複数の分割単位チューブ31A,31Aを電線挿通孔29(及び撓み許容孔36)が連なるように並べた際の、隣接する係止孔37Aの間隔となる。
【0054】
側壁部83,83は、底板部82の全長に亘って設けられており、その高さは、係止凸部84を分割単位チューブ31Aの係止孔37Aに係止させた際(分割単位チューブ31Aを保持部材81,81に保持させた際)の分割端面の高さにほぼ等しくなっている(図20参照)。
【0055】
側壁部83,83には、図15,図16に示すように、その長手方向の一方の端部の上面(上端部)に、上方に突出する嵌合ピン85Aが設けられ、他方の端部に嵌合ピン85Aが挿入可能な径(大きさ)及び深さのピン挿入凹部85Bが設けられている。
【0056】
この嵌合ピン85A及びピン挿入凹部85Bの組み合わせは、一対の側壁部83,83のうち、一方の側壁部83と他方の側壁部83とで、位置が逆になっている(保持部材81,81を180度回転させると同じ位置になる配置である)。
【0057】
ここで、嵌合ピン85Aの長さ(高さ)は、電線保護管10の組立時に一対の保持部材81,81が向き合う方向に近づけていく際に、各単位チューブ31のロック部38がロック孔39Aに挿入されるのに先立って、嵌合ピン85Aがピン挿入凹部85Bに挿入される嵌合ピン85Aの長さが設定されている。具体的には、図23に示すように、嵌合ピン85Aの基端部は、ロック部38の基端部よりも上方に配されており、嵌合ピン85Aの先端部の高さは、ロック部38の先端部の高さよりも高い位置に形成されている。一方、ピン挿入凹部85Bの挿入位置の高さは、ロック受け部39の挿入位置の高さと同じである。なお、本実施形態では、嵌合ピン85Aとロック部38とは同じ方向に突出することとしたが、嵌合ピン85Aとロック部38とが逆方向に突出するものでもよく、この場合でも、ロック部38がロック孔39Aに挿入されるより先に嵌合ピン85Aがピン挿入凹部85Bに挿入されるようにすればよい。
【0058】
また、側壁部83,83の長手方向の端部における内面側には、図15に示すように、連結位置決め凹部86が形成されている。この連結位置決め凹部86は、連結部材41,48に設けられた連結位置決め凸部46,56と嵌合することにより、連結部材41,48の(電線挿通孔が連なる方向への)位置決めがされるようになっている。
【0059】
なお、側壁部83,83には、配置する分割単位チューブ31Aのロック部38及びロック受け部39の位置に対応して、ロック収容凹部87が凹設されている。ロック収容凹部87は、ロック部38及びロック受け部39が凹状面部37よりも幅方向に若干突き出ているため、これらを(保持部材81の幅を比較的狭くしても)側壁部83に当たらずに、収容することができる。また、このロック収容凹部87にロック部38及びロック受け部39を嵌め込めば分割単位チューブ31Aを係止凸部84に係止させることもできるため、分割単位チューブ31Aの係止を容易にすることができる。
【0060】
次に、組立治具80を用いた電線保護管10の組み立て方法について説明する。
まず一方の保持部材81について、図17に示すように、凹状面部付連結部材41を構成する分割連結部材41Aを連結位置決め凹部86に連結位置決め凸部46を嵌合させつつ、係止孔37Aに係止凸部84を挿入して係止させる。
【0061】
次に、図18に示すように、分割連結部材41Aの凹状面部42に、分割単位チューブ31Aの曲面部35が嵌るように、分割単位チューブ31Aの係止孔37Aに係止凸部84を挿入して係止させ、電線挿通孔が連なる方向に隣接する分割単位チューブ31Aを順番に、分割単位チューブ31Aの係止孔37Aに係止凸部84を挿入して係止させていく。
【0062】
次に、図19に示すように、曲面部付連結部材48を構成する分割連結部材48Aを連結位置決め凹部86に連結位置決め凸部56を嵌合させつつ、係止孔37Aに係止凸部84を挿入して係止させる。
次に、図21に示すように、分割プロテクタ22を分割連結部材41A及び分割連結部材48Aのそれぞれに取り付ける。
そして、図22に示すように、長手方向に連ねられた電線挿通孔に電線70を配し、分割連結部材41A及び分割連結部材48Aに取り付けた分割プロテクタ22に、対をなす分割プロテクタ22を嵌め合わせて、分割プロテクタ22の被溶着部28を溶着して一体となった筒状プロテクタ部20とする。
【0063】
そして、他方の保持部材81,81についても同様に、分割連結部材41A、複数の分割単位チューブ31A及び分割連結部材48Aについて順番に係止孔37Aに係止凸部84を挿入して係止させる(図19)。
次に、分割連結部材41A,48A及び複数の分割単位チューブ31Aを全て係止させたら、作業者は、当該他方の保持部材81(電線70が配されていない側)を持ち上げて裏返す。このときは、電線挿通孔が連なるように連結された分割単位チューブ31A及び連結部材41,48は、それぞれが対応する係止凸部84に係止されているから、抜け落ちない。
【0064】
そして、図23に示すように、他方の保持部材81を一方の保持部材81に向かい合わせ、嵌合ピン85Aがピン挿入凹部85Bに挿入されるように近づける。
【0065】
嵌合ピン85Aがピン挿入凹部85Bに挿入されると、その後に、分割単位チューブ31Aのロック部38が相手側の分割単位チューブ31Aのロック孔39Aに挿入される。
ロック部38がロック孔39Aに挿入されてロックされると、図24に示すように、他方の保持部材81の側壁部83,83の上端部の面が、一方の保持部材81の側壁部83,83の上端部の面に突き当たる(保持部材81,81同士が突き当たる)。
【0066】
これにより、電線保護管10が組立てられたことが分かるから、作業者は、他方の保持部材81を引き離す。すると、今度は、単位チューブ31や連結部材41,48は、係止凸部84への係止よりも強い力でロック部38及びロック受け部39でロックされているから単位チューブ31が分割単位チューブ31A,31Aや分割連結部材41A,41A(48A,48A)に分離することはなく、片方の保持部材81における係止凸部84の係止孔37Aへの係止状態が解除されて、当該片方の保持部材81が電線保護管10から引き離される。
そして、作業者が電線保護管10を掴んで持ち上げると、全ての係止凸部84の係止孔37Aへの係止が解除されて、電線70が挿通された状態の電線保護管10が組み立てられる。
【0067】
なお、単位チューブ31や連結部材41,48の取り付けに先立って、電線70の外周にグリースや樹脂(例えば、シリコン系の樹脂)を塗布し、隙間(空気層)をなくして放熱性を更に向上させるようにしてもよい。
【0068】
そして、このようにして組み付けられた電線保護管10は、図14に示すように、連結単位チューブ30の部分により、車内等の配索する場所の形状に応じて曲げることができる。
【0069】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)組立治具80を用いることにより、組立の際に複数の単位チューブ31が係止(保持)されてばらばらにならないから、電線保護管10の組み立てが容易になる。なお、上記組立において分割単位チューブ31に電線70を配さず、電線70が挿通されない電線保護管10を組立てる際(電線保護管10の組立後に電線保護管10の一方から電線70を挿通させる場合)も、上記と同様に組立治具80を用いることで組立が容易になる。
そして、このような電線保護管10に電線70が挿通されると、外部からの強い衝撃等から電線70を保護できる。また、複数の単位チューブ31は、単位チューブ31の曲面部35とこれと隣接する単位チューブ31の凹状面部37とが嵌り合ってその曲面部35の外周面に対して摺動するから、これらの単位チューブ31が連結されて構成された電線保護管10は、使用する場所に応じた形状に曲げることができる。即ち、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管10とすることができる。
【0070】
(2)分割単位チューブ31の凹状面部37には、係止孔37A(係止凹部)が設けられており、単位チューブ係止部は、係止孔37Aに嵌め込まれて係止される係止凸部84であるから、簡易な構成で分割単位チューブ31を保持部材81に係止させることができる。また、凹状面部37の外周に設けられる係止孔37Aは、保持部材81の側に凹部を設けるよりも比較的弾性変形しやすいから容易に係止凸部84を係止孔37Aに係止させることができる。
【0071】
(3)一対の保持部材81,81は、分割単位チューブ31の電線挿通孔が連なる方向に長い形状の底板部82(底部)とこの底板部82の両側縁から立ち上がる側壁部83,83とを有し、一方の保持部材81の側壁部83の上端部が他方の保持部材の側壁部の上端部に突き当てられることにより、各保持部材81に収容された分割単位チューブ31A,31A同士が嵌り合って電線保護管10が形成されるから、保持部材81同士を突き当てれば電線保護管10が組み立てられ、電線保護管10の組立が容易になる。
【0072】
(4)一方の保持部材81における側壁部83の上端部には、上方に突出する嵌合ピン85Aが形成されており、他方の保持部材81の側壁部83の上端部には、嵌合ピン85Aが挿入されるピン挿入凹部85Bが形成されているから、保持部材81,81同士を突き当てる際の位置合わせが容易になる。
【0073】
(5)単位チューブ31は、一対の分割単位チューブ31A,31Aのうちの一方に形成されたロック部38(ロックピン)が他方に形成されたロック孔39Aに挿入されて係止されるものであって、嵌合ピン85Aは、ロック部38がロック孔39Aに挿入されるのに先立って、ピン挿入凹部85Bに挿入されるから、ロック部38よりも嵌合ピン85Aが先に挿入されて位置合わせが行われることになり、ロック部38の損傷を防止することができる。
【0074】
(6)電線保護管10は、複数の単位チューブ31を連結して構成される連結単位チューブ30と、筒状プロテクタ部20と、連結単位チューブ30と筒状プロテクタ部20とを連結する連結部材41,48と、からなり、保持部材81,81のうち、電線保護管10の電線挿通孔が連なる方向の端部には、連結部材41,48に係止して連結部材41,48を位置決めする連結位置決め凹部86(位置決め部)が設けられている。
このように連結単位チューブ30と筒状プロテクタ部20とを有する場合に、これらの間を連結部材41,48で連結すれば、連結単位チューブ30と筒状プロテクタ部20との間の隙間による電線70の露出を防止することができるが、本構成によれば、この連結部材41,48を利用して、電線保護管10の組立の際の位置決めをすることができる。
【0075】
なお、可撓制を有しつつ電線70を保護するという点では、電線保護管10の全ての部分を連結単位チューブ30で構成することも可能であるが、連結単位チューブ30の部分については、可撓性を有するための構成により、筒状プロテクタ部20よりも体積が大きくなりやすく、その分重量が重くなりやすい。そこで、可撓性を有する必要のある部分については、連結単位チューブ30とし、可撓性を有する必要のない部分については、筒状プロテクタ部20により電線70を保護することとすれば、全てを連結単位チューブ30とする場合よりも電線保護管10を軽量化することができる。
【0076】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図25〜図31を参照して説明する。
実施形態1の組立治具80は、単位チューブ31や連結部材41,48を係止凸部84が係止した状態の解除を保持部材81,81を係止力に逆らって作業者が引き離すことにより行うこととしたが、実施形態2の組立治具80は、単位チューブ131や連結部材41,48の係止状態の解除を保持部材181,181がそれぞれ備える解除機構90により行うものである。以下、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
図31に示すように、単位チューブ131を構成する分割単位チューブ131Aの凹状面部137には、係止孔137Aが設けられている。
この係止孔137Aは、円形状の孔であって、単位チューブ131の内方側に向けて段差状に径が大きくなる段差部137Bを有する。
保持部材181,181は、金属製であって、その底板部182は、その幅方向の中心部に、解除機構90が収容された解除機構収容部103が設けられている。
【0078】
解除機構収容部103は、底板部182を構成する上面部182Aと下面部182Bとの間の空間として設けられており、上面部182Aは、係止孔137Aの位置に対応して円形状に窪んだ収容凹部102を有する。
この収容凹部102の底面には、後述する係止片91A,91Aが挿通される挿通孔101が形成されている。
【0079】
解除機構90は、係止片91A,91Aが底板部182の上面部182Aから突き出されて単位チューブ131の係止孔137Aに係止可能となる係止状態(係止位置)と、係止片91A,91Aが底板部182側に引き戻されて係止状態が解除される解除状態(解除位置)とを切り換えるためのものである。
この解除機構90は、単位チューブ31や連結部材41,48の係止孔137Aに係止される単位チューブ係止部91と、作業者の操作に応じて単位チューブ係止部91を付勢する付勢部97とを有する。
【0080】
単位チューブ係止部91は、合成樹脂製であって、基端部から上方に枝分かれした一対の係止片91A,91Aを有し、この係止片91A,91Aの間はわずかに離間している。係止片91A,91Aの先端部は、半球型の係止球部とされ、分割単位チューブ131Aの係止の際には、この係止球部が係止孔137Aの段差部137Bに係止される(図29参照)。
単位チューブ係止部91の基端部には、幅方向に張り出した張出部91Dが形成されており、この張出部91Dと上面部182Aとの間に配されるバネ98により自然状態では単位チューブ係止部91が下方側に付勢されている。
【0081】
付勢部97は、図26に示すように、底板部182の内部にて単位チューブ係止部91が載置される板状の載置板97Aと、載置板97Aと下面部182Bとの間に接続されるアーム部97Bと、を有する。
【0082】
載置板97Aとアーム部97Bとの間の接続部分及びアーム部97Bと下面部182Bとの間の接続部分には、それぞれ接続部分を回動させるヒンジ97Cが設けられ、これにより、載置板97Aは、下側のヒンジ97Cを軸として、長手方向(分割チューブを並べる方向)に移動するようになっている。
【0083】
載置板97Aは、底板部182の外部に露出した把持部93に連なって構成されている。
把持部93は、作業者が掴むことができる棒状の部材であり、把持部93と底板部182の前端面182Cとの間には、弾性部材であるバネ95が設けられており、常時は、このバネ95により把持部93が手前側に付勢されている。
このときは、載置板97Aは、バネ95の弾性力により把持部93側に引き寄せられた係止位置(アーム97Bが下面部182Bに対して垂直に起立する位置)である。この係止位置にある載置板97Aの上に載置された単位チューブ係止部91は、バネ98により下方に付勢されているが、このバネ98よりも把持部93のバネ95の弾性力の方が大きいため、単位チューブ係止部91は、載置板97Aに弾性係止された状態で、底板部182の上面部182Aから突き出されている(突き出された係止片91A,91Aが分割単位チューブ31Aを係止可能な位置となる)。
ここから作業者がバネ95の弾性力に逆らって奥側(図26の右方)に把持部93を押し付けると、図27に示すように、アーム97Bが傾斜して載置板97Aが奥側に移動した解除位置となる。このとき、単位チューブ係止部91は、バネ98により下方側に付勢されているから載置板97Aとともに下方側に移動し、係止片91A,91Aが底板部182の内方に引き戻される(係止片91A,91Aの分割単位チューブ31Aへの係止が解除される位置となる)。
【0084】
次に、組立治具80を用いた電線保護管110の組み立て方法について説明する。
最初に、両保持部材181,181の把持部93,93は、共に、バネ95により手前側に付勢されているから、両保持部材181,181の単位チューブ係止部91は係止位置となっている。
そして、一方の保持部材181について、分割連結部材41Aの係止孔137Aに一対の係止片91A,91Aを挿入して係止させる。そして、隣接する分割単位チューブ131Aについて順番に、係止孔137Aに一対の係止片91A,91Aを挿入して係止させていく。最後に分割連結部材48Aの係止孔137Aに一対の係止片91A,91Aを挿入して係止させたら、次に分割プロテクタ22を分割連結部材41A及び分割連結部材48Aにそれぞれ取り付ける。
【0085】
そして、電線挿通孔に電線70を配し、分割連結部材41A,48Aのそれぞれに取り付けられた分割プロテクタ22に、対をなす分割プロテクタ22を嵌め合わせて、分割プロテクタ22の被溶着部28を溶着して一体となった筒状プロテクタ部20とする。
【0086】
次に、他方の保持部材181についても同様に、分割連結部材41A、複数の分割単位チューブ131A及び連結部材48Aを順番に係止孔137Aに一対の係止片91A,91Aを挿入して係止させる。
分割連結部材41A,48A及び複数の分割単位チューブ131Aを全て係止させたら、作業者は、当該他方の保持部材181を持ち上げて裏返す。このとき、複数の分割単位チューブ131Aや分割連結部材41A,48Aは、一対の係止片91A,91Aに係止されているから、抜け落ちない。
【0087】
そして、一方の保持部材181と他方の保持部材181とを向き合わせ、嵌合ピン85Aがピン挿入凹部85Bに挿入されるように近づける。
嵌合ピン85Aがピン挿入凹部85Bに挿入されると、次に、ロック部38がロック孔39Aに近づき、ロック部38がロック孔39Aに挿入される。
【0088】
ロック部38がロック孔39Aに挿入されてロックされると、他方の保持部材181の側壁部83,83の上端部が、一方の保持部材181の側壁部83,83の上端部に突き当たる。
【0089】
保持部材181の側壁部83,83が突き当たったら、次に、作業者は、上側と下側の保持部材181,181の把持部93,93を奥側に押し付ける。すると、載置板97Aが係止位置から前方の解除位置に移動して、一対の係止片91A,91A(を含む単位チューブ係止部91)が底板部82の内側に引かれ、全ての単位チューブ131について係止が解除される。
このときは、電線保護管110は、保持部材181,181(の単位チューブ係止部91に)全く係止されていないから、上側の保持部材181を持ち上げ、下側の保持部材181に残された電線保護管110を取り出す。
【0090】
このように、分割単位チューブ131Aの凹状面部37には、係止孔137Aが設けられており、単位チューブ係止部91の一対の係止片91A,91Aは、係止孔137Aの孔縁に係止するものであり、全ての単位チューブ係止部91の係止片91A,91Aがそれぞれ対応する係止孔137Aの孔縁に係止する係止位置から、全ての単位チューブ係止部91の係止片91A,91Aの係止孔137Aへの係止が解除される解除位置に変更可能な解除機構90を有する。したがって、解除機構90により、単位チューブ係止部91を係止位置から解除位置に移動させるだけで、係止片91A,91Aの係止が解除されるから、電線保護管110の組立後に保持部材181,181から電線保護管110を取り外す作業が容易になる。
【0091】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、組立治具の保持部材81(181)は、金属製であるとしたが、これに限られず、例えば、合成樹脂製であってもよい。
【0092】
(2)保持部材の形状としては、上記実施形態の形状に限られず、少なくとも、各単位チューブ31,131(及び連結部材41,48)に対応して、各単位チューブを係止する複数の単位チューブ係止部を有し、それら複数の単位チューブ係止部が連結されていればよい。具体的には、上記実施形態の側壁部を有さない保持部材や、底板部が湾曲(幅方向等に湾曲)した形状であってもよい。
【0093】
(3)単位チューブ31,131の凹状面部37、137には、凹状面部37を貫通する係止孔37A,137Aが設けられることとしたが、凹状面部37を貫通せず、外面が凹んだ形状の係止凹部であってもよい。
【0094】
(4)実施形態2では、係止孔137Aは、円形状の孔としたが、幅方向に対をなす係止片91A,91Aに対応して、幅方向に長い長方形や幅方向に長い楕円形状の孔でもよい。
【0095】
(5)連結単位チューブ30と筒状プロテクタ部20とからなる電線保護管の組立を行う組立治具に限らず、例えば、連結単位チューブ30のみからなる電線保護管を組立てるものであってもよい。
【符号の説明】
【0096】
10,110…電線保護管
20…筒状プロテクタ部
30…連結単位チューブ
31,131…単位チューブ
31A,131A…分割単位チューブ
33…筒部
35…曲面部
36…撓み許容孔
37,137…凹状面部
40…連結部材
41…凹状面部付連結部材
41A,48A…分割連結部材
37A,137A…係止孔(係止凹部)
48…曲面部付連結部材
70…電線
80,180…組立治具
81,181…保持部材
84…係止凸部(単位チューブ係止部)
91…単位チューブ係止部
91A…係止片
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線保護管の組立治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の床下に配線される高圧ケーブルは、外部からの衝撃等から電線を保護する目的で、(特許文献1)に示されるような強固なプロテクタで覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−186131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記したプロテクタは、外部の衝撃等から電線を保護することができるものの可撓性を有していないため、配置する場所に応じて湾曲させることができず、使用する場所が限られてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本願の発明者は、可撓性を有する電線保護管として、複数の単位チューブを連結して構成され、その内部に電線が挿通されるものであって、各単位チューブは、電線が挿通される電線挿通孔を有した筒部と、筒部に連なり、曲面状の外周面を有する曲面部と、曲面部とは反対側にて前記筒部に連なり、隣接する単位チューブの前記曲面部と嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動する凹状面部と、を備える構成を発明するに至った。
【0006】
ここで、電線保護管を組み立てるに当たって、1個ずつ順番に単位チューブを組付けていくのでは作業効率の観点から望ましくない。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管の組立治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の単位チューブを連結して構成され、その内部に電線が挿通される電線保護管の組立治具であって、前記各単位チューブは、前記電線が挿通される電線挿通孔を有した筒部と、前記筒部の一端側に連なり、曲面状の外周面を有する曲面部と、前記筒部の他端側に連なり、隣接する単位チューブの前記曲面部と嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動する凹状面部と、を備えるとともに、前記各単位チューブは、前記筒部の軸方向に沿った面で分割された複数の分割単位チューブからなり、前記電線保護管の組立治具は、前記複数の分割単位チューブを前記電線挿通孔が連なる方向に並べて保持する一対の保持部材を有し前記各保持部材には、前記各分割単位チューブごとに、前記分割単位チューブを係止する単位チューブ係止部が設けられているところに特徴を有する(手段1)。
【0009】
かかる組立治具を用いた電線保護管の組み付けについて説明すると、一対の保持部材のそれぞれに、各分割単位チューブを単位チューブ係止部に係止することで分割単位チューブを電線挿通孔が連なる方向に連ねる。全ての分割単位チューブが係止されて分割単位チューブが電線挿通孔が連なる方向に連ねて収容されると、各分割単位チューブについては、それぞれが単位チューブ係止部に係止された状態であるから、各分割単位チューブが容易にばらばらにならない。
そして、例えば、一方の保持部材の分割単位チューブの電線挿通孔の部分に電線を配し、他方の保持部材を、対になる分割単位チューブ同士が嵌合するように一方の保持部材に突き合わせる。
【0010】
このようにすれば、複数の単位チューブが連結された電線保護管を組み立てることができる。なお、上記組立において分割単位チューブに電線を配さず、電線が挿通されない電線保護管を組立てる際(電線保護管の組立後に電線を挿通させる場合)の組立についても、上記組立治具を用いることで容易になる。
【0011】
そして、このような電線保護管に電線が挿通されると、電線を外部からの強い衝撃等から保護できる。また、複数の単位チューブは、単位チューブの曲面部とこれと隣接する単位チューブの凹状面部とが嵌り合ってその曲面部の外周面に対して摺動するから、これらの単位チューブが連結されて構成された電線保護管は、使用する場所に応じた形状に曲げることができる。即ち、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管とすることができる。
【0012】
手段1の構成に加えて、前記分割単位チューブの凹状面部の外周面には、係止凹部が設けられており、前記単位チューブ係止部は、前記係止凹部に嵌め込まれて係止される係止凸部であるようにしてもよい(手段2)。
手段2の構成によれば、簡易な構成で分割単位チューブを保持部材に係止させることができる。また、凹状面部の外周面に設けられる係止凹部は、保持部材の側を凹部とする場合よりも比較的弾性変形しやすいから容易に係止凸部を係止凹部に係止させることができる。
【0013】
手段1又は手段2の構成に加えて、前記一対の保持部材は、前記分割単位チューブの電線挿通孔が連なる方向に長い形状の底部とこの底部の両側縁から立ち上がる側壁部とを有し、一方の保持部材の側壁部の上端部が他方の保持部材の側壁部の上端部に突き当てられることにより、前記各保持部材に収容された前記分割単位チューブ同士が嵌り合って電線保護管が形成されるようにしてもよい(手段3)。
手段3の構成によれば、保持部材同士を突き当てれば電線保護管が組み立てられるから、電線保護管の組立が容易になる。
【0014】
手段1ないし手段3のいずれか一項に記載の構成に加えて、前記一方の保持部材における側壁部の上端部には、上方に突出する嵌合ピンが形成されており、前記他方の保持部材の側壁部の上端部には、前記嵌合ピンが挿入されるピン挿入凹部が形成されているようにしてもよい(手段4)。
手段4の構成によれば、保持部材同士を突き当てる際の位置合わせが容易になる。
【0015】
手段1ないし手段4のいずれか一項に記載の構成に加えて、前記単位チューブは、一対の前記分割単位チューブのうちの一方に形成されたロックピンが他方に形成されたロック孔に挿入されて係止されるものであって、前記嵌合ピンは、前記ロックピンが前記ロック孔に挿入されるのに先立って、前記ピン挿入凹部に挿入されるようにしてもよい(手段5)。
手段5の構成によれば、ロックピンよりも嵌合ピンが先に挿入されて位置合わせが行われるから、ロックピンの損傷を防止することができる。
【0016】
手段1ないし手段5のいずれか一項に記載の構成に加えて、前記分割単位チューブの凹状面部には、係止孔が設けられており、前記単位チューブ係止部は、前記係止孔の孔縁に係止するものであり、全ての前記単位チューブ係止部がそれぞれ対応する前記係止孔の孔縁に係止する係止位置から、全ての単位チューブ係止部の前記係止孔への係止が解除される解除位置に変更可能な解除機構を有するようにしてもよい(手段6)。
手段6の構成によれば、電線保護管の組立後の係止状態の解除が容易になる。
【0017】
手段1ないし手段6のいずれか一項に記載の構成に加えて、前記電線保護管は、複数の前記単位チューブを連結して構成される連結単位チューブと、筒状プロテクタ部と、連結単位チューブと筒状プロテクタ部とを連結する連結部材と、からなり、前記保持部材のうち、前記電線保護管の電線挿通孔が連なる方向の端部には、前記連結部材に係止して前記連結部材を位置決めする位置決め部が設けられているようにしてもよい(手段7)。
【0018】
可撓制を有しつつ電線を保護するという点では、電線保護管の全ての部分を連結単位チューブで構成することも可能であるが、連結単位チューブの部分については、可撓性を有するための構成により、筒状プロテクタ部よりも体積が大きくなりやすく、その分重量が重くなりやすい。そこで、可撓性を有する必要のある部分については、連結単位チューブとし、可撓性を有する必要のない部分については、筒状プロテクタ部により電線を保護することととすれば、全てを連結単位チューブとする場合よりも電線保護管を軽量化することができる。
このように連結単位チューブと筒状プロテクタ部とを有する場合に、これらの間を連結部材で連結すれば、連結単位チューブと筒状プロテクタ部との間の隙間による電線の露出を防止することができるため望ましい。
手段7の構成では、かかる場合に用いる連結部材を利用して、電線保護管の組立の際の位置決めをすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管を組立てるための組立治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る実施形態1の電線保護管に電線が挿入された状態を表す図
【図2】単位チューブを表す斜視図
【図3】分割単位チューブを分割端面の側から表した側面図
【図4】分割単位チューブを表す斜視図
【図5】凹状面部付連結部材を表す斜視図
【図6】凹状面部付連結部材を構成する分割連結部材に分割プロテクタが連結される前の状態を表す斜視図
【図7】図6の分割連結部材と分割プロテクタとが連結された状態を表す斜視図
【図8】凹状面部付連結部材と筒状プロテクタ部とが連結された状態を表す図
【図9】曲面部付連結部材を表す斜視図
【図10】曲面部付連結部材を構成する分割連結部材に分割プロテクタが連結される前の状態を表す斜視図
【図11】図10の分割連結部材と分割プロテクタとが連結された状態を表す斜視図
【図12】曲面部付連結部材と筒状プロテクタ部とが連結された状態を表す図
【図13】電線が挿通された状態の電線保護管を表す図
【図14】電線保護管を湾曲させた状態を表す図
【図15】保持部材を表す上面図
【図16】図15のA−A断面図
【図17】保持部材に凹状面部付連結部材を構成する分割連結部材を係止させた状態を表す図
【図18】分割単位チューブを順番に係止させていく状態を表す図
【図19】分割連結部材及び分割単位チューブを全て係止させた状態を表す図
【図20】図19の側断面図
【図21】図19に分割プロテクタ部を取り付けた状態を表す図
【図22】図21に電線を配した状態を表す図
【図23】一方の保持部材を持ち上げて裏返した状態を表す図
【図24】一対の保持部材を突き合わせた状態を表す図
【図25】実施形態2の保持部材の上面を拡大した図
【図26】連結軸部が係止位置にある状態を表す図
【図27】連結軸部が解除位置にある状態を表す図
【図28】分割チューブが係止片に係止された状態を表す断面図
【図29】一方の保持部材を持ち上げて裏返した状態を表す図
【図30】一対の保持部材を突き合わせた状態を表す図
【図31】係止片の係止が解除されて電線保護管が取り外される状態を表す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1を図1〜図24を参照して説明する。
本実施形態における電線保護管10は、図1に示すように、筒状プロテクタ部20と、複数の単位チューブ31が連結されてなる連結単位チューブ30と、筒状プロテクタ部20と連結単位チューブ30とを連結する連結部材40と、から構成されている。電線70が挿通された電線保護管10は、例えば、電気自動車において走行用の動力源を構成するバッテリ、インバータ、モータなどの装置(図示せず)の間に配索される。以下では、図1の左方に延びる方向を前方、上方に延びる方向を後方として説明する。
【0022】
筒状プロテクタ部20は、合成樹脂製で、内部に電線70を挿通可能な電線挿通孔21を有する筒形をなす(図14参照)。この電線挿通孔21の径は、挿通される電線70の径にほぼ等しく、電線70が挿通されると、電線70の外周が内面に密着する。
また、筒状プロテクタ部20は、図6に示すように、半筒形の一対の分割プロテクタ22,22(図6は片方の分割プロテクタ22のみ図示)を嵌め合わせて構成されている。
【0023】
分割プロテクタ22,22は、共に同形であって、電線70が挿通される半筒形の分割プロテクタ本体部23と、分割プロテクタ本体部23の分割端面23Aから幅方向に張り出す張出部24とからなる。
【0024】
分割プロテクタ本体部23には、電線通し溝部25が形成されている。分割プロテクタ22,22を嵌め合わせると、電線通し溝部25,25が電線挿通孔21となる。
【0025】
分割プロテクタ22の張出部24には、この張出部24を長方形状に切欠いた切欠部26が形成されている。
これにより、張出部24のうち、切欠部26の前方の部分が後述する連結部材40に係止される連結凸部27となり、切欠部26の後方の部分が分割プロテクタ22,22を嵌め合わせた後に、両分割プロテクタ22,22を溶着して一体化する被溶着部28となっている。
【0026】
次に、連結単位チューブ30について説明する。
連結単位チューブ30は、図1に示すように、筒状プロテクタ部20,20の間(筒状プロテクタ部20とは異なる位置)に配されて、複数の単位チューブ31を連結して構成されている。
【0027】
各単位チューブ31は、図2に示すように、軸方向(挿通される電線70の軸方向。後述する筒部33の軸方向と同じ)の中央部の電線保持部32と、電線保持部32に連なり電線保持部32よりも軸方向の前端側(一端側)の曲面部35と、電線保持部32に連なり電線保持部32よりも軸方向の後端側(曲面部35とは反対側)の凹状の内周面を有する凹状面部37と、からなる。
【0028】
電線保持部32は、円筒形状の筒部33と、筒部33の外周に設けれる放熱リブ34と、を有する。
筒部33は、図4に示すように、円形状の内周面を形成する電線挿通孔29を有する。電線挿通孔29は、挿通される電線70の外形とほぼ同一であって、電線70が挿通された際には、電線70の外周が電線挿通孔29(筒部33)の内周面にほぼ密着する。
【0029】
なお、本実施形態では、電線70には、内側から芯線71、内皮72(絶縁被覆)、編組線73(シールド層)の順に形成(積層)されたいわゆるシールド電線70が用いられている。よって、編組線73が筒部33の内周面にほぼ密着する。なお、電線70には、シールド電線70であって、編組線73(シールド層)の周囲に、更に外皮(絶縁被覆)が形成されているものを用いてもよい。また、シールド電線70以外も用いることができ、芯線71(単芯線やより線)のみの裸線や、芯線71を絶縁被覆で覆う被覆電線も可能である。
【0030】
放熱リブ34は、筒部33の軸方向に所定の間隔を挟んで三個(複数個)並んで設けられている。各放熱リブ34は、一定の高さで筒部33の全周に亘って環状に形成されており、各放熱リブ34の厚みは、筒部33の厚みとほぼ同じである。各放熱リブ34の高さは、放熱リブ34の外径(環状の放熱リブ34の中心からの径)が凹状面部37のうち(最大となる)端部側の部分の外径にほぼ等しくなっている。
【0031】
曲面部35は、筒部33の外周に連なる球形の外周面を有する。曲面部35の内部には、筒部33の電線挿通孔29に連なる撓み許容孔36が形成されている。
【0032】
撓み許容孔36は、電線70の撓み変形を可能にするための円形状の電線挿通孔である。
具体的には、この撓み許容孔36は、筒部33側の端部が電線挿通孔29と同じ大きさの円形状であって電線挿通孔29に連なっており、そこから他端側(単位チューブ31の前端部側)に向かうほど広がる(撓み許容孔36の径が全方位に大きくなる)形状となっている。
【0033】
凹状面部37は、フード状であって、曲面部35とは反対側にて筒部33に連なり、その凹状の内面が隣接する他の単位チューブ31の曲面部35と嵌り合ってその曲面部35の外周面に対して摺動する(曲面部35を軸受する)摺接面とされている。なお、凹状面部37の厚みは、筒部33の厚みとほぼ同じである。
凹状面部37の外周面には、図2に示すように、ロック部38(本発明の「ロックピン」の一例)と、ロック部38に係合するロック受け部39と、が形成されている。
【0034】
これらロック部38及びロック受け部39は、図4に示すように、凹状面部37の後端部のうち、分割端面の近傍に形成されており、このうち、ロック部38が凹状面部37の一方の側(図4では上部)に形成されており、ロック受け部39が凹状面部37の他方の側(図4では下部)に形成されている。
【0035】
ロック部38は、棒状の連結ピン部38Aと、連結ピン部38Aの先端部にて外方に凸となるように形成される係止爪部38Bと、を有する。
係止爪部38Bは、先細となっており、先細となる外方側の面がテーパ面とされる。
【0036】
ロック受け部39は、長方形の枠形をなし、内部に長方形状のロック孔39Aが貫通形成されている。ロック孔39Aの上下方向の寸法は、係止爪部38Bの上下方向の寸法(係止爪部38Bの厚み)よりもわずかに小さくなっている。
【0037】
各係止爪部38Bが各ロック孔39Aに挿入されると、ロック部38の係止爪部38Bが、枠形のロック受け部39をわずかに撓ませつつロック孔39Aに進入していく。そして、係止爪部38Bの全体がロック孔39Aを抜けると、図2に示すように、係止爪部38Bの後縁がロック受け部39に係止して単位チューブ31の分割単位チューブ31A,31Aへの分離が規制される。
【0038】
凹状面部37の中央部には、図3に示すように、係止孔37Aが設けられている。係止孔37Aは、後述する組立治具80の係止凸部84に係止させるためのものであり、円形の孔であって、凹状面部37をほぼ一定の径で貫通する。
上記したように単位チューブ31は、軸方向に沿った面で分割された二個の分割単位チューブ31A,31Aからなり、これら対になる分割単位チューブ31A,31Aは、同一形状となっている。
【0039】
ここで、単位チューブ31(分割単位チューブ31A,31A)の材質は、合成樹脂であって、例えば、PP(ポリプロピレン),PBT(ポリブチレンテレフタレート),PE(ポリエチレン),PET(ポリエチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂を用いることができる。なお、熱硬化性樹脂等の他の合成樹脂を用いることも可能である。
そして、これら分割単位チューブ31A,31Aは、それぞれ射出成形により各分割単位チューブ31A,31Aごとに一体に成形される。
【0040】
次に、連結部材40について説明する。
連結部材40は、図1に示すように、連結単位チューブ30の前端側(一端側)に接続される凹状面部付連結部材41と、連結単位チューブ30の後端側(他端側)に接続される曲面部付連結部材48と、からなる。
【0041】
凹状面部付連結部材41は、連結単位チューブ30のうち、その長さ方向の端部が曲面部35である前端側に連結されるものであり、図5に示すように、概ね円筒形状をなす。また、凹状面部付連結部材41は、図6に示すように、軸方向に沿った面で分割(半割)した一対の分割連結部材41A,41Aからなり(図6には片方の分割連結部材41Aのみ図示)、軸方向の前部にて、筒状プロテクタ部20に連結されるプロテクタ接続部43と、軸方向の後部にて、曲面部35に摺動可能に連結される連結用凹状面部42と、を有する。
【0042】
プロテクタ接続部43は、分割プロテクタ本体部23が収容される収容部44と、分割プロテクタ22の連結凸部27が係止される連結凹部45と、を有する。
収容部44は、分割プロテクタ本体部23の外形と同じ半円形状をなす。
連結凹部45は、分割連結部材41Aの分割端面41Bのうち、収容部44の奥端部の部分を連結凸部27の厚み分だけ切欠いて設けられている。
【0043】
プロテクタ接続部43の円形の外周には、環状の連結位置決め凸部46が形成されている。この連結位置決め凸部46は、後述する電線保護管10の組立治具80に分割連結部材41Aをセットする際の位置決めに用いるものである。
【0044】
連結用凹状面部42は、凹状面部37と同一形状である。連結用凹状面部42の外周面には、ロック部38と、ロック部38に係合するロック受け部39とが形成されている。
分割連結部材41Aのうち、連結用凹状面部42とプロテクタ接続部43との間には仕切り壁47が設けられており、この仕切り壁47の中心部(分割端面側の中央部)には半円形の電線挿通孔51が形成されている。電線挿通孔51の径(半円の半径)は、電線70の径にほぼ等しいため、電線70を挿通して分割連結部材41A,41Aを嵌め合わせると電線70の外周が電線挿通孔51に密着する。
【0045】
曲面部付連結部材48は、連結単位チューブ30のうち、その長さ方向の端部が凹状面部37である後端側に連結されるものであり、図9に示すように、概ね円筒形状をなす。また、曲面部付連結部材48は、図10に示すように、軸方向に沿った面で分割(半割)した一対の分割連結部材48A,48Aからなり(図10には、片方の分割連結部材48Aのみ図示)、軸方向の中間部にて電線70を保持する電線保持部52と、電線保持部52の前方側にて電線保持部52と連続し凹状面部37に摺動可能に連結される連結用曲面部49と、電線保持部52の後方側にて電線保持部52と連続し筒状プロテクタ部20に連結されるプロテクタ接続部53と、を有する。
【0046】
連結用曲面部49は、単位チューブ31の曲面部35と同一形状であり、電線保持部52は、単位チューブ31の電線保持部32と同一形状である。
プロテクタ接続部53は、分割プロテクタ本体部23が収容される収容部54と、筒状プロテクタ部20の連結凸部27が係止される連結凹部55と、を有する。
【0047】
収容部54は、分割プロテクタ本体部23の外形と同じ半円形状をなす。
連結凹部55は、分割連結部材48Aの分割端面48Bのうち、収容部44の奥端部の部分を連結凸部27の厚み分だけ切欠いて設けられている。
【0048】
プロテクタ接続部53の円形の外周には、環状の連結位置決め凸部56が形成されている。この連結位置決め凸部56は、電線保護管10の組立治具80に分割連結部材48Aをセットする際の位置決めに用いるものである。
【0049】
分割連結部材48Aのうち、電線保持部52とプロテクタ接続部43との間には仕切り壁57が設けられており、この仕切り壁57には半円形の電線挿通孔61が形成されている。電線挿通孔61の径(半円の半径)は、電線70の径にほぼ等しいため、電線70を挿通して分割連結部材48A,48Aを嵌め合わせると電線70の外周が電線挿通孔61に密着する。仕切り壁57の外周面には、ロック部38と、ロック部38に係合するロック受け部39とが形成されている。
【0050】
次に、電線保護管10の組立治具80について説明する。
電線保護管10の組立治具80は、図15に示すように、複数の分割単位チューブ31Aを電線挿通孔21(29,51)が連なる方向に並べて保持する一対の保持部材81,81からなる(図15には、一方の保持部材81のみを図示)。
【0051】
各保持部材81,81は、共に同形で、例えば金属製であり、長尺の板状をなす底板部82(本発明の「底部」の一例)と、底板部82の両側縁部から立ち上がる一対の側壁部83,83と、を有する。
【0052】
底板部82には、上方に突出する係止凸部84(本発明の「単位チューブ係止部」の一例)が、長手方向に等間隔で設けられている。この係止凸部84は、分割単位チューブ31A,31Aの凹状面部37に形成された係止孔37A(本発明の「係止凹部」の一例)の径よりわずかに大きい(太い)。言い換えると、係止凸部84の径は、係止凸部84が係止孔37Aに嵌め込まれる(陥入される)と、保持部材81,81を逆さにした程度では抜け落ちないように係止状態が維持される程度の大きさ(太さ)とされる。
【0053】
隣接する係止凸部84の間隔は、複数の分割単位チューブ31A,31Aを電線挿通孔29(及び撓み許容孔36)が連なるように並べた際の、隣接する係止孔37Aの間隔となる。
【0054】
側壁部83,83は、底板部82の全長に亘って設けられており、その高さは、係止凸部84を分割単位チューブ31Aの係止孔37Aに係止させた際(分割単位チューブ31Aを保持部材81,81に保持させた際)の分割端面の高さにほぼ等しくなっている(図20参照)。
【0055】
側壁部83,83には、図15,図16に示すように、その長手方向の一方の端部の上面(上端部)に、上方に突出する嵌合ピン85Aが設けられ、他方の端部に嵌合ピン85Aが挿入可能な径(大きさ)及び深さのピン挿入凹部85Bが設けられている。
【0056】
この嵌合ピン85A及びピン挿入凹部85Bの組み合わせは、一対の側壁部83,83のうち、一方の側壁部83と他方の側壁部83とで、位置が逆になっている(保持部材81,81を180度回転させると同じ位置になる配置である)。
【0057】
ここで、嵌合ピン85Aの長さ(高さ)は、電線保護管10の組立時に一対の保持部材81,81が向き合う方向に近づけていく際に、各単位チューブ31のロック部38がロック孔39Aに挿入されるのに先立って、嵌合ピン85Aがピン挿入凹部85Bに挿入される嵌合ピン85Aの長さが設定されている。具体的には、図23に示すように、嵌合ピン85Aの基端部は、ロック部38の基端部よりも上方に配されており、嵌合ピン85Aの先端部の高さは、ロック部38の先端部の高さよりも高い位置に形成されている。一方、ピン挿入凹部85Bの挿入位置の高さは、ロック受け部39の挿入位置の高さと同じである。なお、本実施形態では、嵌合ピン85Aとロック部38とは同じ方向に突出することとしたが、嵌合ピン85Aとロック部38とが逆方向に突出するものでもよく、この場合でも、ロック部38がロック孔39Aに挿入されるより先に嵌合ピン85Aがピン挿入凹部85Bに挿入されるようにすればよい。
【0058】
また、側壁部83,83の長手方向の端部における内面側には、図15に示すように、連結位置決め凹部86が形成されている。この連結位置決め凹部86は、連結部材41,48に設けられた連結位置決め凸部46,56と嵌合することにより、連結部材41,48の(電線挿通孔が連なる方向への)位置決めがされるようになっている。
【0059】
なお、側壁部83,83には、配置する分割単位チューブ31Aのロック部38及びロック受け部39の位置に対応して、ロック収容凹部87が凹設されている。ロック収容凹部87は、ロック部38及びロック受け部39が凹状面部37よりも幅方向に若干突き出ているため、これらを(保持部材81の幅を比較的狭くしても)側壁部83に当たらずに、収容することができる。また、このロック収容凹部87にロック部38及びロック受け部39を嵌め込めば分割単位チューブ31Aを係止凸部84に係止させることもできるため、分割単位チューブ31Aの係止を容易にすることができる。
【0060】
次に、組立治具80を用いた電線保護管10の組み立て方法について説明する。
まず一方の保持部材81について、図17に示すように、凹状面部付連結部材41を構成する分割連結部材41Aを連結位置決め凹部86に連結位置決め凸部46を嵌合させつつ、係止孔37Aに係止凸部84を挿入して係止させる。
【0061】
次に、図18に示すように、分割連結部材41Aの凹状面部42に、分割単位チューブ31Aの曲面部35が嵌るように、分割単位チューブ31Aの係止孔37Aに係止凸部84を挿入して係止させ、電線挿通孔が連なる方向に隣接する分割単位チューブ31Aを順番に、分割単位チューブ31Aの係止孔37Aに係止凸部84を挿入して係止させていく。
【0062】
次に、図19に示すように、曲面部付連結部材48を構成する分割連結部材48Aを連結位置決め凹部86に連結位置決め凸部56を嵌合させつつ、係止孔37Aに係止凸部84を挿入して係止させる。
次に、図21に示すように、分割プロテクタ22を分割連結部材41A及び分割連結部材48Aのそれぞれに取り付ける。
そして、図22に示すように、長手方向に連ねられた電線挿通孔に電線70を配し、分割連結部材41A及び分割連結部材48Aに取り付けた分割プロテクタ22に、対をなす分割プロテクタ22を嵌め合わせて、分割プロテクタ22の被溶着部28を溶着して一体となった筒状プロテクタ部20とする。
【0063】
そして、他方の保持部材81,81についても同様に、分割連結部材41A、複数の分割単位チューブ31A及び分割連結部材48Aについて順番に係止孔37Aに係止凸部84を挿入して係止させる(図19)。
次に、分割連結部材41A,48A及び複数の分割単位チューブ31Aを全て係止させたら、作業者は、当該他方の保持部材81(電線70が配されていない側)を持ち上げて裏返す。このときは、電線挿通孔が連なるように連結された分割単位チューブ31A及び連結部材41,48は、それぞれが対応する係止凸部84に係止されているから、抜け落ちない。
【0064】
そして、図23に示すように、他方の保持部材81を一方の保持部材81に向かい合わせ、嵌合ピン85Aがピン挿入凹部85Bに挿入されるように近づける。
【0065】
嵌合ピン85Aがピン挿入凹部85Bに挿入されると、その後に、分割単位チューブ31Aのロック部38が相手側の分割単位チューブ31Aのロック孔39Aに挿入される。
ロック部38がロック孔39Aに挿入されてロックされると、図24に示すように、他方の保持部材81の側壁部83,83の上端部の面が、一方の保持部材81の側壁部83,83の上端部の面に突き当たる(保持部材81,81同士が突き当たる)。
【0066】
これにより、電線保護管10が組立てられたことが分かるから、作業者は、他方の保持部材81を引き離す。すると、今度は、単位チューブ31や連結部材41,48は、係止凸部84への係止よりも強い力でロック部38及びロック受け部39でロックされているから単位チューブ31が分割単位チューブ31A,31Aや分割連結部材41A,41A(48A,48A)に分離することはなく、片方の保持部材81における係止凸部84の係止孔37Aへの係止状態が解除されて、当該片方の保持部材81が電線保護管10から引き離される。
そして、作業者が電線保護管10を掴んで持ち上げると、全ての係止凸部84の係止孔37Aへの係止が解除されて、電線70が挿通された状態の電線保護管10が組み立てられる。
【0067】
なお、単位チューブ31や連結部材41,48の取り付けに先立って、電線70の外周にグリースや樹脂(例えば、シリコン系の樹脂)を塗布し、隙間(空気層)をなくして放熱性を更に向上させるようにしてもよい。
【0068】
そして、このようにして組み付けられた電線保護管10は、図14に示すように、連結単位チューブ30の部分により、車内等の配索する場所の形状に応じて曲げることができる。
【0069】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)組立治具80を用いることにより、組立の際に複数の単位チューブ31が係止(保持)されてばらばらにならないから、電線保護管10の組み立てが容易になる。なお、上記組立において分割単位チューブ31に電線70を配さず、電線70が挿通されない電線保護管10を組立てる際(電線保護管10の組立後に電線保護管10の一方から電線70を挿通させる場合)も、上記と同様に組立治具80を用いることで組立が容易になる。
そして、このような電線保護管10に電線70が挿通されると、外部からの強い衝撃等から電線70を保護できる。また、複数の単位チューブ31は、単位チューブ31の曲面部35とこれと隣接する単位チューブ31の凹状面部37とが嵌り合ってその曲面部35の外周面に対して摺動するから、これらの単位チューブ31が連結されて構成された電線保護管10は、使用する場所に応じた形状に曲げることができる。即ち、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管10とすることができる。
【0070】
(2)分割単位チューブ31の凹状面部37には、係止孔37A(係止凹部)が設けられており、単位チューブ係止部は、係止孔37Aに嵌め込まれて係止される係止凸部84であるから、簡易な構成で分割単位チューブ31を保持部材81に係止させることができる。また、凹状面部37の外周に設けられる係止孔37Aは、保持部材81の側に凹部を設けるよりも比較的弾性変形しやすいから容易に係止凸部84を係止孔37Aに係止させることができる。
【0071】
(3)一対の保持部材81,81は、分割単位チューブ31の電線挿通孔が連なる方向に長い形状の底板部82(底部)とこの底板部82の両側縁から立ち上がる側壁部83,83とを有し、一方の保持部材81の側壁部83の上端部が他方の保持部材の側壁部の上端部に突き当てられることにより、各保持部材81に収容された分割単位チューブ31A,31A同士が嵌り合って電線保護管10が形成されるから、保持部材81同士を突き当てれば電線保護管10が組み立てられ、電線保護管10の組立が容易になる。
【0072】
(4)一方の保持部材81における側壁部83の上端部には、上方に突出する嵌合ピン85Aが形成されており、他方の保持部材81の側壁部83の上端部には、嵌合ピン85Aが挿入されるピン挿入凹部85Bが形成されているから、保持部材81,81同士を突き当てる際の位置合わせが容易になる。
【0073】
(5)単位チューブ31は、一対の分割単位チューブ31A,31Aのうちの一方に形成されたロック部38(ロックピン)が他方に形成されたロック孔39Aに挿入されて係止されるものであって、嵌合ピン85Aは、ロック部38がロック孔39Aに挿入されるのに先立って、ピン挿入凹部85Bに挿入されるから、ロック部38よりも嵌合ピン85Aが先に挿入されて位置合わせが行われることになり、ロック部38の損傷を防止することができる。
【0074】
(6)電線保護管10は、複数の単位チューブ31を連結して構成される連結単位チューブ30と、筒状プロテクタ部20と、連結単位チューブ30と筒状プロテクタ部20とを連結する連結部材41,48と、からなり、保持部材81,81のうち、電線保護管10の電線挿通孔が連なる方向の端部には、連結部材41,48に係止して連結部材41,48を位置決めする連結位置決め凹部86(位置決め部)が設けられている。
このように連結単位チューブ30と筒状プロテクタ部20とを有する場合に、これらの間を連結部材41,48で連結すれば、連結単位チューブ30と筒状プロテクタ部20との間の隙間による電線70の露出を防止することができるが、本構成によれば、この連結部材41,48を利用して、電線保護管10の組立の際の位置決めをすることができる。
【0075】
なお、可撓制を有しつつ電線70を保護するという点では、電線保護管10の全ての部分を連結単位チューブ30で構成することも可能であるが、連結単位チューブ30の部分については、可撓性を有するための構成により、筒状プロテクタ部20よりも体積が大きくなりやすく、その分重量が重くなりやすい。そこで、可撓性を有する必要のある部分については、連結単位チューブ30とし、可撓性を有する必要のない部分については、筒状プロテクタ部20により電線70を保護することとすれば、全てを連結単位チューブ30とする場合よりも電線保護管10を軽量化することができる。
【0076】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図25〜図31を参照して説明する。
実施形態1の組立治具80は、単位チューブ31や連結部材41,48を係止凸部84が係止した状態の解除を保持部材81,81を係止力に逆らって作業者が引き離すことにより行うこととしたが、実施形態2の組立治具80は、単位チューブ131や連結部材41,48の係止状態の解除を保持部材181,181がそれぞれ備える解除機構90により行うものである。以下、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
図31に示すように、単位チューブ131を構成する分割単位チューブ131Aの凹状面部137には、係止孔137Aが設けられている。
この係止孔137Aは、円形状の孔であって、単位チューブ131の内方側に向けて段差状に径が大きくなる段差部137Bを有する。
保持部材181,181は、金属製であって、その底板部182は、その幅方向の中心部に、解除機構90が収容された解除機構収容部103が設けられている。
【0078】
解除機構収容部103は、底板部182を構成する上面部182Aと下面部182Bとの間の空間として設けられており、上面部182Aは、係止孔137Aの位置に対応して円形状に窪んだ収容凹部102を有する。
この収容凹部102の底面には、後述する係止片91A,91Aが挿通される挿通孔101が形成されている。
【0079】
解除機構90は、係止片91A,91Aが底板部182の上面部182Aから突き出されて単位チューブ131の係止孔137Aに係止可能となる係止状態(係止位置)と、係止片91A,91Aが底板部182側に引き戻されて係止状態が解除される解除状態(解除位置)とを切り換えるためのものである。
この解除機構90は、単位チューブ31や連結部材41,48の係止孔137Aに係止される単位チューブ係止部91と、作業者の操作に応じて単位チューブ係止部91を付勢する付勢部97とを有する。
【0080】
単位チューブ係止部91は、合成樹脂製であって、基端部から上方に枝分かれした一対の係止片91A,91Aを有し、この係止片91A,91Aの間はわずかに離間している。係止片91A,91Aの先端部は、半球型の係止球部とされ、分割単位チューブ131Aの係止の際には、この係止球部が係止孔137Aの段差部137Bに係止される(図29参照)。
単位チューブ係止部91の基端部には、幅方向に張り出した張出部91Dが形成されており、この張出部91Dと上面部182Aとの間に配されるバネ98により自然状態では単位チューブ係止部91が下方側に付勢されている。
【0081】
付勢部97は、図26に示すように、底板部182の内部にて単位チューブ係止部91が載置される板状の載置板97Aと、載置板97Aと下面部182Bとの間に接続されるアーム部97Bと、を有する。
【0082】
載置板97Aとアーム部97Bとの間の接続部分及びアーム部97Bと下面部182Bとの間の接続部分には、それぞれ接続部分を回動させるヒンジ97Cが設けられ、これにより、載置板97Aは、下側のヒンジ97Cを軸として、長手方向(分割チューブを並べる方向)に移動するようになっている。
【0083】
載置板97Aは、底板部182の外部に露出した把持部93に連なって構成されている。
把持部93は、作業者が掴むことができる棒状の部材であり、把持部93と底板部182の前端面182Cとの間には、弾性部材であるバネ95が設けられており、常時は、このバネ95により把持部93が手前側に付勢されている。
このときは、載置板97Aは、バネ95の弾性力により把持部93側に引き寄せられた係止位置(アーム97Bが下面部182Bに対して垂直に起立する位置)である。この係止位置にある載置板97Aの上に載置された単位チューブ係止部91は、バネ98により下方に付勢されているが、このバネ98よりも把持部93のバネ95の弾性力の方が大きいため、単位チューブ係止部91は、載置板97Aに弾性係止された状態で、底板部182の上面部182Aから突き出されている(突き出された係止片91A,91Aが分割単位チューブ31Aを係止可能な位置となる)。
ここから作業者がバネ95の弾性力に逆らって奥側(図26の右方)に把持部93を押し付けると、図27に示すように、アーム97Bが傾斜して載置板97Aが奥側に移動した解除位置となる。このとき、単位チューブ係止部91は、バネ98により下方側に付勢されているから載置板97Aとともに下方側に移動し、係止片91A,91Aが底板部182の内方に引き戻される(係止片91A,91Aの分割単位チューブ31Aへの係止が解除される位置となる)。
【0084】
次に、組立治具80を用いた電線保護管110の組み立て方法について説明する。
最初に、両保持部材181,181の把持部93,93は、共に、バネ95により手前側に付勢されているから、両保持部材181,181の単位チューブ係止部91は係止位置となっている。
そして、一方の保持部材181について、分割連結部材41Aの係止孔137Aに一対の係止片91A,91Aを挿入して係止させる。そして、隣接する分割単位チューブ131Aについて順番に、係止孔137Aに一対の係止片91A,91Aを挿入して係止させていく。最後に分割連結部材48Aの係止孔137Aに一対の係止片91A,91Aを挿入して係止させたら、次に分割プロテクタ22を分割連結部材41A及び分割連結部材48Aにそれぞれ取り付ける。
【0085】
そして、電線挿通孔に電線70を配し、分割連結部材41A,48Aのそれぞれに取り付けられた分割プロテクタ22に、対をなす分割プロテクタ22を嵌め合わせて、分割プロテクタ22の被溶着部28を溶着して一体となった筒状プロテクタ部20とする。
【0086】
次に、他方の保持部材181についても同様に、分割連結部材41A、複数の分割単位チューブ131A及び連結部材48Aを順番に係止孔137Aに一対の係止片91A,91Aを挿入して係止させる。
分割連結部材41A,48A及び複数の分割単位チューブ131Aを全て係止させたら、作業者は、当該他方の保持部材181を持ち上げて裏返す。このとき、複数の分割単位チューブ131Aや分割連結部材41A,48Aは、一対の係止片91A,91Aに係止されているから、抜け落ちない。
【0087】
そして、一方の保持部材181と他方の保持部材181とを向き合わせ、嵌合ピン85Aがピン挿入凹部85Bに挿入されるように近づける。
嵌合ピン85Aがピン挿入凹部85Bに挿入されると、次に、ロック部38がロック孔39Aに近づき、ロック部38がロック孔39Aに挿入される。
【0088】
ロック部38がロック孔39Aに挿入されてロックされると、他方の保持部材181の側壁部83,83の上端部が、一方の保持部材181の側壁部83,83の上端部に突き当たる。
【0089】
保持部材181の側壁部83,83が突き当たったら、次に、作業者は、上側と下側の保持部材181,181の把持部93,93を奥側に押し付ける。すると、載置板97Aが係止位置から前方の解除位置に移動して、一対の係止片91A,91A(を含む単位チューブ係止部91)が底板部82の内側に引かれ、全ての単位チューブ131について係止が解除される。
このときは、電線保護管110は、保持部材181,181(の単位チューブ係止部91に)全く係止されていないから、上側の保持部材181を持ち上げ、下側の保持部材181に残された電線保護管110を取り出す。
【0090】
このように、分割単位チューブ131Aの凹状面部37には、係止孔137Aが設けられており、単位チューブ係止部91の一対の係止片91A,91Aは、係止孔137Aの孔縁に係止するものであり、全ての単位チューブ係止部91の係止片91A,91Aがそれぞれ対応する係止孔137Aの孔縁に係止する係止位置から、全ての単位チューブ係止部91の係止片91A,91Aの係止孔137Aへの係止が解除される解除位置に変更可能な解除機構90を有する。したがって、解除機構90により、単位チューブ係止部91を係止位置から解除位置に移動させるだけで、係止片91A,91Aの係止が解除されるから、電線保護管110の組立後に保持部材181,181から電線保護管110を取り外す作業が容易になる。
【0091】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、組立治具の保持部材81(181)は、金属製であるとしたが、これに限られず、例えば、合成樹脂製であってもよい。
【0092】
(2)保持部材の形状としては、上記実施形態の形状に限られず、少なくとも、各単位チューブ31,131(及び連結部材41,48)に対応して、各単位チューブを係止する複数の単位チューブ係止部を有し、それら複数の単位チューブ係止部が連結されていればよい。具体的には、上記実施形態の側壁部を有さない保持部材や、底板部が湾曲(幅方向等に湾曲)した形状であってもよい。
【0093】
(3)単位チューブ31,131の凹状面部37、137には、凹状面部37を貫通する係止孔37A,137Aが設けられることとしたが、凹状面部37を貫通せず、外面が凹んだ形状の係止凹部であってもよい。
【0094】
(4)実施形態2では、係止孔137Aは、円形状の孔としたが、幅方向に対をなす係止片91A,91Aに対応して、幅方向に長い長方形や幅方向に長い楕円形状の孔でもよい。
【0095】
(5)連結単位チューブ30と筒状プロテクタ部20とからなる電線保護管の組立を行う組立治具に限らず、例えば、連結単位チューブ30のみからなる電線保護管を組立てるものであってもよい。
【符号の説明】
【0096】
10,110…電線保護管
20…筒状プロテクタ部
30…連結単位チューブ
31,131…単位チューブ
31A,131A…分割単位チューブ
33…筒部
35…曲面部
36…撓み許容孔
37,137…凹状面部
40…連結部材
41…凹状面部付連結部材
41A,48A…分割連結部材
37A,137A…係止孔(係止凹部)
48…曲面部付連結部材
70…電線
80,180…組立治具
81,181…保持部材
84…係止凸部(単位チューブ係止部)
91…単位チューブ係止部
91A…係止片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位チューブを連結して構成され、その内部に電線が挿通される電線保護管の組立治具であって、
前記各単位チューブは、
前記電線が挿通される電線挿通孔を有した筒部と、
前記筒部の一端側に連なり、曲面状の外周面を有する曲面部と、
前記筒部の他端側に連なり、隣接する単位チューブの前記曲面部と嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動する凹状面部と、を備えるとともに、
前記各単位チューブは、前記筒部の軸方向に沿った面で分割された複数の分割単位チューブからなり、
前記電線保護管の組立治具は、前記複数の分割単位チューブを前記電線挿通孔が連なる方向に並べて保持する一対の保持部材を有し、
前記各保持部材には、前記各分割単位チューブごとに、前記分割単位チューブを係止する単位チューブ係止部が設けられていることを特徴とする電線保護管の組立治具。
【請求項2】
前記分割単位チューブの凹状面部の外周面には、係止凹部が設けられており、前記単位チューブ係止部は、前記係止凹部に嵌め込まれて係止される係止凸部であることを特徴とする請求項1記載の電線保護管の組立治具。
【請求項3】
前記一対の保持部材は、前記分割単位チューブの電線挿通孔が連なる方向に長い形状の底部とこの底部の両側縁から立ち上がる側壁部とを有し、一方の保持部材の側壁部の上端部が他方の保持部材の側壁部の上端部に突き当てられることにより、前記各保持部材に収容された前記分割単位チューブ同士が嵌り合って電線保護管が形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電線保護管の組立治具。
【請求項4】
前記一方の保持部材における側壁部の上端部には、上方に突出する嵌合ピンが形成されており、前記他方の保持部材の側壁部の上端部には、前記嵌合ピンが挿入されるピン挿入凹部が形成されていることを特徴とする請求項3記載の電線保護管の組立治具。
【請求項5】
前記単位チューブは、一対の前記分割単位チューブのうちの一方に形成されたロックピンが他方に形成されたロック孔に挿入されて係止されるものであって、
前記嵌合ピンは、前記ロックピンが前記ロック孔に挿入されるのに先立って、前記ピン挿入凹部に挿入されることを特徴とする請求項4記載の電線保護管の組立治具。
【請求項6】
前記分割単位チューブの凹状面部には、係止孔が設けられており、前記単位チューブ係止部は、前記係止孔の孔縁に係止するものであり、
全ての前記単位チューブ係止部がそれぞれ対応する前記係止孔の孔縁に係止する係止位置から、全ての単位チューブ係止部の前記係止孔への係止が解除される解除位置に変更可能な解除機構を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の電線保護管の組立治具。
【請求項7】
前記電線保護管は、複数の前記単位チューブを連結して構成される連結単位チューブと、筒状プロテクタ部と、連結単位チューブと筒状プロテクタ部とを連結する連結部材と、からなり、
前記保持部材のうち、前記電線保護管の電線挿通孔が連なる方向の端部には、前記連結部材に係止して前記連結部材を位置決めする位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の電線保護管の組立治具。
【請求項1】
複数の単位チューブを連結して構成され、その内部に電線が挿通される電線保護管の組立治具であって、
前記各単位チューブは、
前記電線が挿通される電線挿通孔を有した筒部と、
前記筒部の一端側に連なり、曲面状の外周面を有する曲面部と、
前記筒部の他端側に連なり、隣接する単位チューブの前記曲面部と嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動する凹状面部と、を備えるとともに、
前記各単位チューブは、前記筒部の軸方向に沿った面で分割された複数の分割単位チューブからなり、
前記電線保護管の組立治具は、前記複数の分割単位チューブを前記電線挿通孔が連なる方向に並べて保持する一対の保持部材を有し、
前記各保持部材には、前記各分割単位チューブごとに、前記分割単位チューブを係止する単位チューブ係止部が設けられていることを特徴とする電線保護管の組立治具。
【請求項2】
前記分割単位チューブの凹状面部の外周面には、係止凹部が設けられており、前記単位チューブ係止部は、前記係止凹部に嵌め込まれて係止される係止凸部であることを特徴とする請求項1記載の電線保護管の組立治具。
【請求項3】
前記一対の保持部材は、前記分割単位チューブの電線挿通孔が連なる方向に長い形状の底部とこの底部の両側縁から立ち上がる側壁部とを有し、一方の保持部材の側壁部の上端部が他方の保持部材の側壁部の上端部に突き当てられることにより、前記各保持部材に収容された前記分割単位チューブ同士が嵌り合って電線保護管が形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電線保護管の組立治具。
【請求項4】
前記一方の保持部材における側壁部の上端部には、上方に突出する嵌合ピンが形成されており、前記他方の保持部材の側壁部の上端部には、前記嵌合ピンが挿入されるピン挿入凹部が形成されていることを特徴とする請求項3記載の電線保護管の組立治具。
【請求項5】
前記単位チューブは、一対の前記分割単位チューブのうちの一方に形成されたロックピンが他方に形成されたロック孔に挿入されて係止されるものであって、
前記嵌合ピンは、前記ロックピンが前記ロック孔に挿入されるのに先立って、前記ピン挿入凹部に挿入されることを特徴とする請求項4記載の電線保護管の組立治具。
【請求項6】
前記分割単位チューブの凹状面部には、係止孔が設けられており、前記単位チューブ係止部は、前記係止孔の孔縁に係止するものであり、
全ての前記単位チューブ係止部がそれぞれ対応する前記係止孔の孔縁に係止する係止位置から、全ての単位チューブ係止部の前記係止孔への係止が解除される解除位置に変更可能な解除機構を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の電線保護管の組立治具。
【請求項7】
前記電線保護管は、複数の前記単位チューブを連結して構成される連結単位チューブと、筒状プロテクタ部と、連結単位チューブと筒状プロテクタ部とを連結する連結部材と、からなり、
前記保持部材のうち、前記電線保護管の電線挿通孔が連なる方向の端部には、前記連結部材に係止して前記連結部材を位置決めする位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の電線保護管の組立治具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2010−206862(P2010−206862A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46493(P2009−46493)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]