電線接続器
【課題】障害物等に対処して電線を簡単且つ確実に複数の方向に取り出せるようにする。
【解決手段】電線付きの一対の端子2を挿入収容するハウジング7と、ハウジングの底部に装着される電線取出部材6,52とを備え、電線取出部材が、端子の挿入方向とは直交する方向に突出した一対の電線取出部18,54と、ハウジングの底部の電線貫通用の一対の孔部15と電線取出部内を連通させる一対の開口31と、ハウジングの一対の対称な係止部16に対する一対の対称な係合部20とを有して、選択的に180°反転してハウジングに装着可能である電線接続器1,51を採用する。
【解決手段】電線付きの一対の端子2を挿入収容するハウジング7と、ハウジングの底部に装着される電線取出部材6,52とを備え、電線取出部材が、端子の挿入方向とは直交する方向に突出した一対の電線取出部18,54と、ハウジングの底部の電線貫通用の一対の孔部15と電線取出部内を連通させる一対の開口31と、ハウジングの一対の対称な係止部16に対する一対の対称な係合部20とを有して、選択的に180°反転してハウジングに装着可能である電線接続器1,51を採用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気自動車のメンテナンス時等に回路を遮断するサービスプラグ等として適用される電線接続器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来の電線接続器の一形態を示すものである。
【0003】
この電線接続器71は、ハイブリッドカーを含む電気自動車の電池パックに搭載され、メンテナンス等において作業者が感電を防止するために、上部のヒューズ付きのプラグ72を下側のコネクタ73から引き抜いて、コネクタ73の電線74間の通電を遮断する所謂サービスプラグである。
【0004】
各電線74はコネクタ内の各雌端子(図示せず)に接続され、各雌端子はプラグ側のヒューズ(図示せず)の雄端子に接続されている。各電線74はコネクタ73の底部から下向きに導出されて、電池パック内の回路に接続されている。プラグ72に低力嵌合用のレバー75が回動自在に設けられ、レバー75のカム孔にコネクタ73の従動突起76がスライド自在に係合している。
【0005】
コネクタ73の底部の左右の水平溝77に電池パック側の水平なブラケット(図示せず)が挿入され、プラグ72を外した状態でコネクタ73がボルト締めでブラケットに固定される。符号78は遮断を検知するセンサ用回路である。上記に類似する電線接続器は、例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−48795号公報(図7〜図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した電線接続器71にあっては、電線74を一方向(下方)にしか取り出し(導出)できないために、例えば車両の設計変更や新設等で電線74の取出方向が変わった場合や、電線取出方向に障害物がある等の場合に対処できないという問題があった。また、電池パックの狭いスペースに搭載するために、電線接続器71を極力コンパクト化する必要があった。
【0008】
本発明は、上記した点に鑑み、障害物等に対処して電線を簡単且つ確実に複数の方向に取り出すことができ、それに加えて外観をコンパクト化することのできる電線接続器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る電線接続器は、電線付きの一対の端子を挿入収容するハウジングと、該ハウジングの底部に装着される電線取出部材とを備え、該電線取出部材が、該端子の挿入方向とは直交する方向に突出した一対の電線取出部と、該ハウジングの底部の電線貫通用の一対の孔部と該電線取出部内を連通させる一対の開口と、該ハウジングの一対の対称な係止部に対する一対の対称な係合部とを有して、選択的に180°反転して該ハウジングに装着可能であることを特徴とする。
【0010】
上記構成により、ハウジングの底部の孔部からハウジング内に電線付きの端子が垂直に挿入され、電線が底部の孔部から垂直に電線取出部材の開口を経て電線取出部内に屈曲して水平に配索され、電線取出部から外部に水平に導出される。電線は垂直ではなく水平に取り出されるから、電線取出部材の下側に障害物がある場合でも何ら支障なく電線を配索できる。また、電線の取出方向に障害物がある場合は、電線取出部材をハウジングから外した状態で180°反転させてハウジングに装着することで、電線の取出方向が逆となり、障害物を避けることができる。ハウジングの一対の係止部と電線取出部材の一対の係合部とがそれぞれ対称に配置されているので、固定側のハウジングに対して電線取出部材を反転した状態で再度係止することができる。ここで、係止部や係合部あるいは電線取出部や孔部や開口の「一対」とは少なくとも一対の意味であり、二対であっても対称であればよい。
【0011】
請求項2に係る電線接続器は、請求項1記載の電線接続器において、前記電線取出部が前記ハウジングの厚み方向に突出したことを特徴とする。
【0012】
上記構成により、電線がハウジングの厚み方向すなわちハウジングの短辺側の壁部に沿う方向に取り出される。
【0013】
請求項3に係る電線接続器は、請求項1記載の電線接続器において、前記電線取出部が前記ハウジングの幅方向に突出したことを特徴とする。
【0014】
上記構成により、電線がハウジングの幅方向すなわちハウジングの長辺側の壁部に沿う方向に取り出される。請求項2における電線の取出方向とは90°反転した方向に電線が取り出される。
【0015】
請求項4に係る電線接続器は、請求項2記載の電線取出部を有する電線取出部材と、請求項3記載の電線取出部を有する電線取出部材とを選択的に前記ハウジングに装着可能であることを特徴とする。
【0016】
上記構成により、電線の取出方向がハウジングの厚み方向あるいは幅方向に選択的に変更可能となる。
【0017】
請求項5に係る電線接続器は、請求項1〜4の何れかに記載の電線接続器において、前記端子に続く前記電線の小径な芯線露出部が前記直交する方向に屈曲し、該電線の大径な絶縁被覆部が前記電線取出部に沿って配索されたことを特徴とする。
【0018】
上記構成により、小径な芯線露出部が絶縁被覆部におけるよりも小さな力でスムーズに屈曲される。また、柔軟な絶縁被覆表面を有する絶縁被覆部が電線取出部内で押圧や挟持等の手段で位置ずれなく確実に保持される。
【0019】
請求項6に係る電線接続器は、請求項1〜5の何れかに記載の電線接続器において、前記端子が雌端子であり、前記ハウジングに嵌合するプラグの雄端子が該雌端子に接続されることを特徴とする。
【0020】
上記構成により、端子として雄端子を用いた場合に較べて、雄端子とプラグの雄端子とを接続させる中継端子が不要で、構造が簡素化・コンパクト化される。
【0021】
請求項7に係る電線接続器は、請求項1〜6の何れかに記載の電線接続器において、前記電線取出部材がベース部とカバー部とで構成され、該ベース部の凹部内に該ベース部の係止部が設けられ、該カバー部の係合部が該凹部内に収容されつつ該係止部に係合することを特徴とする。
【0022】
上記構成により、係止部が係止突起である場合、凹部内に収容されてベース部の外面から外側に突出しないので、ベース部がコンパクト化される。また、カバー部の係合部(例えば係合枠片)が凹部内に収容され、外部との干渉が起こらないので、不意な係止解除が防止される。
【発明の効果】
【0023】
請求項1記載の発明によれば、設計変更等で電線の取出方向が変わったり、電線の取出方向に障害物等がある場合でも、電線取出部材の向きを反転させてハウジングに装着することで、簡単且つ確実に電線の取出方向を変えることができる。これにより、低コストで容易に設計変更や障害物等に対処して電線接続器から電線を所望の方向に導出させることができる。
【0024】
請求項2記載の発明によれば、例えばハウジングを厚み方向に障害物に接近させた状態で、電線を障害物とは反対の方向に取り出すことができる。
【0025】
請求項3記載の発明によれば、例えばハウジングを幅方向に障害物に接近させた状態で、電線を障害物とは反対の方向に取り出すことができる。
【0026】
請求項4記載の発明によれば、例えば障害物の位置に応じてハウジングの方向は変えることなく、障害物を避けて電線の取出方向を所望の三方向の何れかに選択的に変更することができる。
【0027】
請求項5記載の発明によれば、電線の小径な芯線露出部を小さな力でスムーズ且つ確実に90°方向に屈曲させることができ、屈曲後は芯線露出部の復元反力が小さいので、芯線露出部に続く端子や絶縁被覆部をハウジング内や電線取出部内に位置ずれなく容易に保持させることができる。
【0028】
請求項6記載の発明によれば、端子として雄端子を用いた場合に較べて、雄端子とプラグの雄端子とを接続させる中継端子が不要であるので、電線接続器の構造を簡素化・コンパクト化することができる。これにより、電気自動車の電池パック等の狭いスペースに電線接続器を容易に搭載することができる。
【0029】
請求項7記載の発明によれば、突起状の係止部を凹部内に収容してベース部の外面から外側に突出させないので、ベース部すなわち電線取出部材をコンパクト化することができる。これにより、電気自動車の電池パック等の狭いスペースに電線接続器を容易に搭載することができる。また、カバー部の係合部を同じく凹部内に収容することで、係合部と外部との干渉を防いで、不意な係止解除すなわちカバー部の開きを防止して、電線の取出方向を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る電線接続器の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】同じく電線接続器のハウジングと電線取出部材を示す分解斜視図である。
【図3】ハウジング内に電線付きの雌端子を挿入する状態を示す斜視図である。
【図4】電線取出部材のカバー部を閉止する状態を示す分解斜視図である。
【図5】同じく電線接続器の電線の取出状態を示す縦断面図である。
【図6】(a)(b)は同じく電線接続器の電線取出方向を二方向に設定した状態をそれぞれ示す側面図である。
【図7】(a)(b)は障害物に応じて電線取出方向を規定した状態を示す側面図である。
【図8】本発明に係る電線接続器の他の実施形態を示す斜視図である。
【図9】(a)(b)は同じく電線接続器の電線取出方向を二方向に設定した状態をそれぞれ示す正面図である。
【図10】(a)(b)は固定用のブラケットと電線接続器との装着方向をそれぞれ示す分解斜視図である。
【図11】従来の電線接続器の一形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1〜図6は、本発明に係る電線接続器の一実施形態を示すものである。
【0032】
図1の如く、この電線接続器1は、電線付きの雌端子(端子)2(図3)を収容したコネクタ4と、コネクタ内に上部開口5から挿入されるプラグ(図示せず)と、コネクタ4の底部に装着される電線取出用のアタッチメントすなわち電線取出部材6とで構成されるものである。
【0033】
プラグについては従来同様であるので図示を省略している。プラグは、内側にヒューズ等の導電体と、導電体に接続された一対の下向きの雄端子とを有しており、レバーの回動操作でコネクタ4の従動突起42をスライドさせて、コネクタ4に低力で挿抜される。
【0034】
コネクタ4は、絶縁樹脂製のハウジング7と、ハウジング内に収容された一対の上向きの雌端子2(図3)とで構成されている。ハウジング7は、前後左右の垂直な壁部8,9と底壁10(図2)と、前後の壁部8を連結した二枚の隔壁11と、隔壁11で区画された左右端の空室内に設けられた一対の端子収容部12とを有している。端子収容部12は絶縁樹脂製の周壁で囲まれた端子収容室を有し、端子収容室内に雌端子係止用の可撓性のランス(図示せず)を有している。
【0035】
図2の如く各端子収容部12の端子収容室は、底壁10と、底壁外面に突設された矩形環状の短い各脚壁13とを貫通して脚壁13の中央に矩形状の孔部14として開口している。図1の端子収容部12の上端には、プラグ側の雄端子(図示せず)を挿入するスリット状の開口12aが設けられている。図1の中間の空室内の底壁にはボルト挿通用の一つの孔部15(図2)が設けられている。
【0036】
図1,図2の如く、ハウジング7の前後の壁部8の上端側に従動突起42が設けられ、左右の壁部9の中央の下端側に同一形状の係止突起(係止部)16が対称に設けられている。各係止突起16は逆凹字状のリブで構成され、上半の垂直面16a(図2)に続く上端の水平な係止面16bと、下半の下向きの傾斜面16cとを有している。なお、明細書で上下前後左右の方向性は説明の便宜上のものであり、必ずしも電線接続器1の取付方向と一致するとは限らない。
【0037】
図1の電線取出部材6は絶縁樹脂を材料として、図2のベース部6aと図4のカバー部6bとで構成されている。図2のベース部6aは、左右のベース部本体17から前向きに(ハウジング7の厚み方向に)水平に突出した一対の電線取出部18と、両電線取出部18の間で左右のベース部本体17を連結する中央の連結部19と、各電線取出部18の外端側すなわち右側の電線取出部18の右端上部と左側の電線取出部18の左端上部とに立設された可撓性の一対の係合枠片(係合部)20とを備えている。
【0038】
左右の電線取出部18は同じ形状で対称に配置され、左右の係合枠片20も同じ形状で対称に配置されている。これにより、ハウジング7に同じ電線取出部材6を選択的に前後反転して装着できるようになっている(このことは図6で詳述する)。
【0039】
中央の連結部19は電線取出部18よりも低く配置され、図3の如くハウジング7の底壁10との間に固定用ブラケットを挿入するための空間21を構成する。連結部19の前後方向長さはハウジング7の前後方向長さと同程度であり、電線取出部18はハウジング7よりも前方に突出している。
【0040】
図2の如く、各電線取出部18は、水平な上壁22(図1)と左右の垂直な側壁23と垂直な前壁24と下部開口25とを有し、各ベース部本体17は上壁26と左右の壁部27と後壁28とを有し、それぞれ各壁部22〜28で囲まれた内側に電線挿通用の空間を有している。前壁24に電線取出用の略逆U字状の開口29が設けられ、左右の側壁23の間に左右一対の電線案内壁30が設けられ、開口29は電線案内壁30の内側の空間に連通し、ベース部本体17の上壁26に電線貫通用の矩形状の開口(孔部)31が設けられ、案内壁30内の空間は上部開口31に直交して連通し、図3の如く上部開口31はハウジング7の底壁10の孔部15に連通する。案内壁30の内側には電線押さえ用の複数の円弧状のリブが突設されている。
【0041】
図1の如く上壁26の左右端に一対の前記係合枠片20が上向きに突設され、各係合枠片20は対称に配置され、中央に縦長な孔部20aを有している。係合枠片20の横幅はハウジング7の左右の側壁9の幅と同程度に広く、左右の側壁9を挟むようにしっかりと保持する。係合枠片20の一側端に対向してハウジング7の側壁9に位置決め用のリブ32が突設されている。係合枠片20に続いて上壁26(図2)に矩形環状の枠壁33が上向きに低く突設され、枠壁33内にハウジング7の底部の脚壁13が進入係合する。
【0042】
各枠壁33は対称に配置され、各枠壁33の側部中央に各係合枠片20の孔部20aの中心が位置している。各枠壁33の中央(中心)に図2の上壁26の電線挿通用の開口31が位置している。これにより、電線取出部材6を前後反転させて使用可能である。
【0043】
図2の如く、各電線取出部18の左右の側壁23は内側に没入し、各側壁23は前後の垂直な突壁34の間の凹部空間35に位置し、各側壁23の外面に、カバー部6b(図4)に対する係止突起35が設けられ、係止突起35は凹部36内に位置している。各電線取出部18の外側の側壁23の外面は段差状の突壁34を経てベース部本体17の側壁27の最外面(符号27で代用)に続き、係止突起35の突出高さは最外面27や突壁34よりも低く(外側に突出することなく)位置している。これにより、最外面27から係止突起35が外側に突出した場合に較べて、ベース部6a(電線取出部材6)が横幅方向にコンパクト化されている。
【0044】
また、左右のベース部本体17の後壁28は、電線取出部18の側壁23と同様に内向きに凹状にへこんでおり、その凹部36内に、カバー部6bに対する係止突起(係止部)35(図5)を有している。これにより、凹部36を有さない場合に較べて、電線取出部材6が前後方向にコンパクト化されている。各係止突起35は下向きの傾斜面と上向きの水平な係止面を有している。電線取出部材6のコンパクト化で電池パック側の狭いスペースに容易に電線接続器1を装着できると共に、樹脂材の使用量を低減できる。
【0045】
図4の如く、カバー部6bは、ベース部6aに対応して平面視で略コの字状に形成された水平な基板部38と、基板部38の左右の突板部39の左右端と、基板部38の後端とから上向きに立設された可撓性の係合枠片(係合部)40と、突出板部39から上向きに突出した電線押さえ用の円弧面を有する突壁41とを備えている。
【0046】
図1の如く各係合枠片40がベース部6aの凹部36内で係止突起35に係合することで、電線取出部材6のコンパクト化が促進されている。また、左右の係合枠片40の前後端や後側の係合枠片の左右端がそれぞれ凹部36の両側の突壁34に近接対向することで、係合枠片40が外部と干渉を起こし難く、不意な係止外れが防止されている。
【0047】
図2の矢印方向にベース部6aをハウジング7に組み付け係止させ、図3の矢印方向に各雌端子付きの電線3をベース部6aの孔部34からハウジング内に挿入して雌端子2を係止させ、図4,図5の如く電線3を手前に90°方向に屈曲させて、電線取出部18内に水平に配索しつつ前端の開口29から導出させ、カバー部6bを矢印方向に組み付けて閉止することで、図1のコネクタ4と電線取出部材6との組立体(プラグを挿入する前の図1の状態でも電線接続器と称する)を得る。
【0048】
図5の如く、ハウジング7内に雌端子2が垂直に位置し、雌端子2の下半の圧着部に続く電線の皮剥きされた芯線(導体)露出部3aが前向きに90°方向に屈曲され、芯線部分3aを覆う絶縁被覆部3bが水平に配置されて前部開口29から外部に取り出されて(導出されて)いる。
【0049】
大径な絶縁被覆部3bではなく小径な芯線露出部3aを屈曲することで、電線3の屈曲を小さな力でスムーズ且つ確実に行うことができ、電線3の屈曲復元力に起因するカバー部6bの閉止困難や係止外れといった心配もなくなる。また、電線3を従来(図11)のように下向きに真直に導出させるのではなく、90°方向に屈曲させたことで、車両等の外部振動や外部からの電線3の引張力が雌端子2に伝わり難くなり、プラグ内の導電体の雄端子(図示せず)との接触の信頼性が向上する。
【0050】
図5において、電線3の芯線屈曲部からベース部6aの後部下端までの絶縁距離L1や、芯線3aの露出端(絶縁被覆3bの先端)からベース部6aの前端までの絶縁距離L2は、規格に対して十分大きく確保されている。
【0051】
図6(a)(b)の如く、ハウジング7に対して電線取出部材6を選択的に前後反転して装着することで、電線3の取出方向を所望の二方向の何れかに設定することができる。これは、左右一対の係合枠片20が対称に配置され、左右一対の電線取出部18が対称に配置され、電線挿通用の一対の孔部14や開口31(図2)が左右対称に配置され、左右一対の枠壁33が対称に配置され、且つ孔部14と開口31と係合枠片20と枠壁33との中心が同一の仮想垂直面上に位置した構成により可能となっている。
【0052】
図6(a)は図1に対応し、図6(b)は図1に対して電線取出部材6を後向きに反転させて装着した状態である。図6で、符号16は、ハウジング7の係止突起、40は、カバー部6bの小さな係合枠片、35は、ベース部6aの小さな係止突起をそれぞれ示す。
【0053】
図7(a)(b)の如く、電線3の取出方向が前後何れの方向でも、電線接続器1の下側には電線3が導出されないから、下側に障害物43があっても何ら支障はない。図7(a)の如く、電線接続器1の後側に障害物44がある場合は、図7(b)の如くハウジング7に電線取出部材6を前後反転させて装着し、電線3を前向きに取り出すことで、後側の障害物44と電線3との干渉を防ぎ、電線3をスムーズに配索することができる。
【0054】
図8〜図10は、本発明に係る電線接続器の他の実施形態を示すものである。
【0055】
この電線接続器51は、図1の例の電線接続器1に較べて、電線3の取出方向を前後方向すなわちハウジング7の厚み方向ではなく、左右方向すなわちハウジング7の幅広の前後の壁部に沿う方向(幅方向)としたものである。
【0056】
コネクタ4の構成は図1の例と同じであるので、同じ構成部分に同じ符号を付して説明を省略する。電線取出部材52の内部構造は図2〜図5におけると基本的(原理的)に同じであるので図示を省略する。図1の電線取出部材6の構成と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0057】
図8の如く、電線取出部材52は絶縁樹脂製のベース部52aとカバー部52bとで構成され、ベース部52aは、左右のベース部本体53と、各ベース部本体53から右方向に突出した各電線取出部54と、左右のベース部本体53を連結する中央の連結部55とで構成されている。
【0058】
連結部55の上側の空間21(図9)に図10のブラケット57が挿入され、ブラケット57の孔部57aとハウジング7の底壁10の孔部15とを貫通してボルト58が挿通され、ブラケット57の裏面側のナット57bに締付固定される。
【0059】
図8の左右のベース部本体53は、水平な上壁と前後左右の垂直な壁部とを有し、上壁はハウジング7の前後方向の厚みと略同程度の前後方向の幅と、ハウジング7の左右方向の幅と略同程度の左右方向の幅とを有している。
【0060】
上壁の左右端に各係合枠片20が立設され、各係合枠片20にハウジング7の各係止突起16が係合している。上壁の左右に一対の矩形状の枠壁33が突設され、枠壁内にハウジング7の底部の脚壁13が係合している。枠壁33の中央において上壁に電線貫通用の開口(孔部)14が設けられ、開口14はベース部本体53の内側空間を経て各電線取出部54の内側空間に連通している。
【0061】
前壁53aのほぼ中央に第一の電線取出部54が一体に設けられ、右壁53bに第二の電線取出部54が一体に設けられている。各電線取出部54は段違いに平行に右方向を向き、先端(右端)に電線取出用の開口29を有し、各開口29から電線3が右方向に取り出されて(導出されて)いる。
【0062】
第一の電線取出部54の先端右壁54aはベース部本体52aの前壁53aに直交して段差状に位置し、第二の電線取出部54の基端はベース部本体53の右壁53bに一体に続いている。ベース部本体52aの下端と各電線取出部54の下端と連結部55の下端とは同一水平面に位置している。第一の電線取出部54の基端54bは後向きに屈曲してベース部本体53の前壁53aに交差して続き、第二の電線取出部54はベース部本体53の右壁53bから真直にベース部長手方向(右方向)に突出している。
【0063】
第一の電線取出部54の前壁54aと第二の電線取出部54の前後の壁部と、図9(b)のベース本体52aの後壁53cとに、それぞれ凹部36が設けられ、各凹部36内に可撓性の係止枠部(係止部)59が設けられ、各係止枠部59にカバー部52bの係合爪(係合部)60が進入係合している。係止枠部59は左右の壁部と前又は後の低い壁部とで構成され、電線取出部54やベース部本体53の奥壁との間に上下方向の貫通した爪部進入空間を構成する。
【0064】
係止枠部59の左右の壁部に近接対向して、電線取出部54の左右の突壁34が位置し、突壁34の先端面は電線取出部54等の壁部の最外面と同一面に位置し、突壁34で係止枠部59が外部との干渉等から保護されて、不意な係止外れが防止されている。凹部36内に係止枠部59が位置したことで、係止枠部59の保護と共に、ベース部52a(電線取出部材52)が前後方向にコンパクト化されている。
【0065】
第一の電線取出部54に水平に収容された電線3は電線取出部54の基端側54bで水平方向に屈曲し、上壁の電線貫通用の開口31の下側で90°方向に上向きに屈曲してハウジング7内の一方の雌端子2に続き、第二の電線取出部54に水平に収容された電線3は上壁の電線貫通用の開口31の下側で90°方向に上向きに屈曲してハウジング内の他方の雌端子2に続いている。電線3は小径な芯線露出部3aで屈曲され、大径な絶縁被覆部3bは水平に配索される。
【0066】
図9(a)(b)の如く、同じハウジング7に対して電線取出部材52を選択的に左右に反転させて装着することで、電線3の取出方向を左右何れかの所望の方向に設定することができる。これは、図1の実施形態と同様に、左右の係止枠片20が対称に配置され、左右の枠壁33とその内側の電線貫通用の開口31とが対称に配置されたことによるものである。
【0067】
図10(a)(b)の如く、バッテリパック側のブラケット57は同一の電線接続器1に対して異なる二方向(前後方向)から挿入することができる。実際にはブラケット57はバッテリパック側に固定されているので、電線取出部材52を左右反転させてコネクタハウジング7に組み付けた状態で、同じブラケット57に固定することができる。
【0068】
ブラケット57の中央の板部57cが電線取出部材52の中央の連結部55の上部空間21に挿入されて、ボルト58で締付固定される。中央の板部57cにはボルト挿通用の孔部57aと裏面側のナット57bとが設けられている。ブラケット57の左右の板部57dはハウジング7の左右外側に位置する。
【0069】
上記各実施形態において、コネクタハウジング7は同一(共通)であるので、一つの同じハウジング7に対して、図1の電線取出部材6と図8の電線取出部材52とを適宜選択して用いることで、前後左右計四方向の電線取り出しが可能となる。
【0070】
上記各実施形態の電線接続器1は、雌端子2を使用しているから、例えばL字状の雄端子(図示せず)を使用した場合に較べて、中継端子が不要となり(雄端子の場合は中継端子を介してプラグの雄端子に接続される)、構造が簡素化・コンパクト化される。また、雄端子とベース部6aの外壁との間の絶縁距離が短くなりやすいのに対して、電線3の芯線露出部3aとベース部6aの外壁との間の絶縁距離L1,L2は十分長く確保される。
【0071】
なお、上記各実施形態においては、電線接続器1をサービスプラグであるとして説明したが、サービスプラグに代えて上記電線接続器1をワイヤハーネスのコネクタや機器接続用のコネクタ等に適用することも可能である。この場合、ヒューズを有するプラグに代えて、雄端子を有する相手コネクタが使用される(相手側コネクタは電線接続器1の一部ではない)。
【0072】
また、電線接続器1が大型である場合は、ハウジング7の係止突起16を対称に二対配設し、電線取出部材6,52の係合枠片20を対称に二対配設することも可能である。また、係止部として係止突起16に代えて係止爪や可撓性の係止アーム等を用いたり、係合部として係合枠片20に代えて係合溝や係合穴や係合凹部等を用いることも可能である。
【0073】
また、上記した本発明の構成は、電線接続器として以外に、電線接続器の電線取出構造や電線接続器の電線取出方法等としても有効なものである。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る電線接続器は、例えばハイブリッドカーを含む電気自動車の電池パックにおけるメンテナンス時等の電源遮断用のサービスプラグとして利用することができる。サービスプラグ以外では、ワイヤハーネスのコネクタや機器接続用のコネクタ等としても利用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1,51 電線接続器
2 雌端子(端子)
3 電線
3a 芯線露出部
3b 絶縁被覆部
6,52 電線取出部材
6a,52a ベース部
6b,52b カバー部
7 ハウジング
15 孔部
16 係止突起(係止部)
18,54 電線取出部
20 係合枠片(係合部)
31 開口
35 係止突起(係止部)
36 凹部
40 係合枠片(係合部)
59 係止枠部(係止部)
60 係合爪(係合部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気自動車のメンテナンス時等に回路を遮断するサービスプラグ等として適用される電線接続器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来の電線接続器の一形態を示すものである。
【0003】
この電線接続器71は、ハイブリッドカーを含む電気自動車の電池パックに搭載され、メンテナンス等において作業者が感電を防止するために、上部のヒューズ付きのプラグ72を下側のコネクタ73から引き抜いて、コネクタ73の電線74間の通電を遮断する所謂サービスプラグである。
【0004】
各電線74はコネクタ内の各雌端子(図示せず)に接続され、各雌端子はプラグ側のヒューズ(図示せず)の雄端子に接続されている。各電線74はコネクタ73の底部から下向きに導出されて、電池パック内の回路に接続されている。プラグ72に低力嵌合用のレバー75が回動自在に設けられ、レバー75のカム孔にコネクタ73の従動突起76がスライド自在に係合している。
【0005】
コネクタ73の底部の左右の水平溝77に電池パック側の水平なブラケット(図示せず)が挿入され、プラグ72を外した状態でコネクタ73がボルト締めでブラケットに固定される。符号78は遮断を検知するセンサ用回路である。上記に類似する電線接続器は、例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−48795号公報(図7〜図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した電線接続器71にあっては、電線74を一方向(下方)にしか取り出し(導出)できないために、例えば車両の設計変更や新設等で電線74の取出方向が変わった場合や、電線取出方向に障害物がある等の場合に対処できないという問題があった。また、電池パックの狭いスペースに搭載するために、電線接続器71を極力コンパクト化する必要があった。
【0008】
本発明は、上記した点に鑑み、障害物等に対処して電線を簡単且つ確実に複数の方向に取り出すことができ、それに加えて外観をコンパクト化することのできる電線接続器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る電線接続器は、電線付きの一対の端子を挿入収容するハウジングと、該ハウジングの底部に装着される電線取出部材とを備え、該電線取出部材が、該端子の挿入方向とは直交する方向に突出した一対の電線取出部と、該ハウジングの底部の電線貫通用の一対の孔部と該電線取出部内を連通させる一対の開口と、該ハウジングの一対の対称な係止部に対する一対の対称な係合部とを有して、選択的に180°反転して該ハウジングに装着可能であることを特徴とする。
【0010】
上記構成により、ハウジングの底部の孔部からハウジング内に電線付きの端子が垂直に挿入され、電線が底部の孔部から垂直に電線取出部材の開口を経て電線取出部内に屈曲して水平に配索され、電線取出部から外部に水平に導出される。電線は垂直ではなく水平に取り出されるから、電線取出部材の下側に障害物がある場合でも何ら支障なく電線を配索できる。また、電線の取出方向に障害物がある場合は、電線取出部材をハウジングから外した状態で180°反転させてハウジングに装着することで、電線の取出方向が逆となり、障害物を避けることができる。ハウジングの一対の係止部と電線取出部材の一対の係合部とがそれぞれ対称に配置されているので、固定側のハウジングに対して電線取出部材を反転した状態で再度係止することができる。ここで、係止部や係合部あるいは電線取出部や孔部や開口の「一対」とは少なくとも一対の意味であり、二対であっても対称であればよい。
【0011】
請求項2に係る電線接続器は、請求項1記載の電線接続器において、前記電線取出部が前記ハウジングの厚み方向に突出したことを特徴とする。
【0012】
上記構成により、電線がハウジングの厚み方向すなわちハウジングの短辺側の壁部に沿う方向に取り出される。
【0013】
請求項3に係る電線接続器は、請求項1記載の電線接続器において、前記電線取出部が前記ハウジングの幅方向に突出したことを特徴とする。
【0014】
上記構成により、電線がハウジングの幅方向すなわちハウジングの長辺側の壁部に沿う方向に取り出される。請求項2における電線の取出方向とは90°反転した方向に電線が取り出される。
【0015】
請求項4に係る電線接続器は、請求項2記載の電線取出部を有する電線取出部材と、請求項3記載の電線取出部を有する電線取出部材とを選択的に前記ハウジングに装着可能であることを特徴とする。
【0016】
上記構成により、電線の取出方向がハウジングの厚み方向あるいは幅方向に選択的に変更可能となる。
【0017】
請求項5に係る電線接続器は、請求項1〜4の何れかに記載の電線接続器において、前記端子に続く前記電線の小径な芯線露出部が前記直交する方向に屈曲し、該電線の大径な絶縁被覆部が前記電線取出部に沿って配索されたことを特徴とする。
【0018】
上記構成により、小径な芯線露出部が絶縁被覆部におけるよりも小さな力でスムーズに屈曲される。また、柔軟な絶縁被覆表面を有する絶縁被覆部が電線取出部内で押圧や挟持等の手段で位置ずれなく確実に保持される。
【0019】
請求項6に係る電線接続器は、請求項1〜5の何れかに記載の電線接続器において、前記端子が雌端子であり、前記ハウジングに嵌合するプラグの雄端子が該雌端子に接続されることを特徴とする。
【0020】
上記構成により、端子として雄端子を用いた場合に較べて、雄端子とプラグの雄端子とを接続させる中継端子が不要で、構造が簡素化・コンパクト化される。
【0021】
請求項7に係る電線接続器は、請求項1〜6の何れかに記載の電線接続器において、前記電線取出部材がベース部とカバー部とで構成され、該ベース部の凹部内に該ベース部の係止部が設けられ、該カバー部の係合部が該凹部内に収容されつつ該係止部に係合することを特徴とする。
【0022】
上記構成により、係止部が係止突起である場合、凹部内に収容されてベース部の外面から外側に突出しないので、ベース部がコンパクト化される。また、カバー部の係合部(例えば係合枠片)が凹部内に収容され、外部との干渉が起こらないので、不意な係止解除が防止される。
【発明の効果】
【0023】
請求項1記載の発明によれば、設計変更等で電線の取出方向が変わったり、電線の取出方向に障害物等がある場合でも、電線取出部材の向きを反転させてハウジングに装着することで、簡単且つ確実に電線の取出方向を変えることができる。これにより、低コストで容易に設計変更や障害物等に対処して電線接続器から電線を所望の方向に導出させることができる。
【0024】
請求項2記載の発明によれば、例えばハウジングを厚み方向に障害物に接近させた状態で、電線を障害物とは反対の方向に取り出すことができる。
【0025】
請求項3記載の発明によれば、例えばハウジングを幅方向に障害物に接近させた状態で、電線を障害物とは反対の方向に取り出すことができる。
【0026】
請求項4記載の発明によれば、例えば障害物の位置に応じてハウジングの方向は変えることなく、障害物を避けて電線の取出方向を所望の三方向の何れかに選択的に変更することができる。
【0027】
請求項5記載の発明によれば、電線の小径な芯線露出部を小さな力でスムーズ且つ確実に90°方向に屈曲させることができ、屈曲後は芯線露出部の復元反力が小さいので、芯線露出部に続く端子や絶縁被覆部をハウジング内や電線取出部内に位置ずれなく容易に保持させることができる。
【0028】
請求項6記載の発明によれば、端子として雄端子を用いた場合に較べて、雄端子とプラグの雄端子とを接続させる中継端子が不要であるので、電線接続器の構造を簡素化・コンパクト化することができる。これにより、電気自動車の電池パック等の狭いスペースに電線接続器を容易に搭載することができる。
【0029】
請求項7記載の発明によれば、突起状の係止部を凹部内に収容してベース部の外面から外側に突出させないので、ベース部すなわち電線取出部材をコンパクト化することができる。これにより、電気自動車の電池パック等の狭いスペースに電線接続器を容易に搭載することができる。また、カバー部の係合部を同じく凹部内に収容することで、係合部と外部との干渉を防いで、不意な係止解除すなわちカバー部の開きを防止して、電線の取出方向を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る電線接続器の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】同じく電線接続器のハウジングと電線取出部材を示す分解斜視図である。
【図3】ハウジング内に電線付きの雌端子を挿入する状態を示す斜視図である。
【図4】電線取出部材のカバー部を閉止する状態を示す分解斜視図である。
【図5】同じく電線接続器の電線の取出状態を示す縦断面図である。
【図6】(a)(b)は同じく電線接続器の電線取出方向を二方向に設定した状態をそれぞれ示す側面図である。
【図7】(a)(b)は障害物に応じて電線取出方向を規定した状態を示す側面図である。
【図8】本発明に係る電線接続器の他の実施形態を示す斜視図である。
【図9】(a)(b)は同じく電線接続器の電線取出方向を二方向に設定した状態をそれぞれ示す正面図である。
【図10】(a)(b)は固定用のブラケットと電線接続器との装着方向をそれぞれ示す分解斜視図である。
【図11】従来の電線接続器の一形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1〜図6は、本発明に係る電線接続器の一実施形態を示すものである。
【0032】
図1の如く、この電線接続器1は、電線付きの雌端子(端子)2(図3)を収容したコネクタ4と、コネクタ内に上部開口5から挿入されるプラグ(図示せず)と、コネクタ4の底部に装着される電線取出用のアタッチメントすなわち電線取出部材6とで構成されるものである。
【0033】
プラグについては従来同様であるので図示を省略している。プラグは、内側にヒューズ等の導電体と、導電体に接続された一対の下向きの雄端子とを有しており、レバーの回動操作でコネクタ4の従動突起42をスライドさせて、コネクタ4に低力で挿抜される。
【0034】
コネクタ4は、絶縁樹脂製のハウジング7と、ハウジング内に収容された一対の上向きの雌端子2(図3)とで構成されている。ハウジング7は、前後左右の垂直な壁部8,9と底壁10(図2)と、前後の壁部8を連結した二枚の隔壁11と、隔壁11で区画された左右端の空室内に設けられた一対の端子収容部12とを有している。端子収容部12は絶縁樹脂製の周壁で囲まれた端子収容室を有し、端子収容室内に雌端子係止用の可撓性のランス(図示せず)を有している。
【0035】
図2の如く各端子収容部12の端子収容室は、底壁10と、底壁外面に突設された矩形環状の短い各脚壁13とを貫通して脚壁13の中央に矩形状の孔部14として開口している。図1の端子収容部12の上端には、プラグ側の雄端子(図示せず)を挿入するスリット状の開口12aが設けられている。図1の中間の空室内の底壁にはボルト挿通用の一つの孔部15(図2)が設けられている。
【0036】
図1,図2の如く、ハウジング7の前後の壁部8の上端側に従動突起42が設けられ、左右の壁部9の中央の下端側に同一形状の係止突起(係止部)16が対称に設けられている。各係止突起16は逆凹字状のリブで構成され、上半の垂直面16a(図2)に続く上端の水平な係止面16bと、下半の下向きの傾斜面16cとを有している。なお、明細書で上下前後左右の方向性は説明の便宜上のものであり、必ずしも電線接続器1の取付方向と一致するとは限らない。
【0037】
図1の電線取出部材6は絶縁樹脂を材料として、図2のベース部6aと図4のカバー部6bとで構成されている。図2のベース部6aは、左右のベース部本体17から前向きに(ハウジング7の厚み方向に)水平に突出した一対の電線取出部18と、両電線取出部18の間で左右のベース部本体17を連結する中央の連結部19と、各電線取出部18の外端側すなわち右側の電線取出部18の右端上部と左側の電線取出部18の左端上部とに立設された可撓性の一対の係合枠片(係合部)20とを備えている。
【0038】
左右の電線取出部18は同じ形状で対称に配置され、左右の係合枠片20も同じ形状で対称に配置されている。これにより、ハウジング7に同じ電線取出部材6を選択的に前後反転して装着できるようになっている(このことは図6で詳述する)。
【0039】
中央の連結部19は電線取出部18よりも低く配置され、図3の如くハウジング7の底壁10との間に固定用ブラケットを挿入するための空間21を構成する。連結部19の前後方向長さはハウジング7の前後方向長さと同程度であり、電線取出部18はハウジング7よりも前方に突出している。
【0040】
図2の如く、各電線取出部18は、水平な上壁22(図1)と左右の垂直な側壁23と垂直な前壁24と下部開口25とを有し、各ベース部本体17は上壁26と左右の壁部27と後壁28とを有し、それぞれ各壁部22〜28で囲まれた内側に電線挿通用の空間を有している。前壁24に電線取出用の略逆U字状の開口29が設けられ、左右の側壁23の間に左右一対の電線案内壁30が設けられ、開口29は電線案内壁30の内側の空間に連通し、ベース部本体17の上壁26に電線貫通用の矩形状の開口(孔部)31が設けられ、案内壁30内の空間は上部開口31に直交して連通し、図3の如く上部開口31はハウジング7の底壁10の孔部15に連通する。案内壁30の内側には電線押さえ用の複数の円弧状のリブが突設されている。
【0041】
図1の如く上壁26の左右端に一対の前記係合枠片20が上向きに突設され、各係合枠片20は対称に配置され、中央に縦長な孔部20aを有している。係合枠片20の横幅はハウジング7の左右の側壁9の幅と同程度に広く、左右の側壁9を挟むようにしっかりと保持する。係合枠片20の一側端に対向してハウジング7の側壁9に位置決め用のリブ32が突設されている。係合枠片20に続いて上壁26(図2)に矩形環状の枠壁33が上向きに低く突設され、枠壁33内にハウジング7の底部の脚壁13が進入係合する。
【0042】
各枠壁33は対称に配置され、各枠壁33の側部中央に各係合枠片20の孔部20aの中心が位置している。各枠壁33の中央(中心)に図2の上壁26の電線挿通用の開口31が位置している。これにより、電線取出部材6を前後反転させて使用可能である。
【0043】
図2の如く、各電線取出部18の左右の側壁23は内側に没入し、各側壁23は前後の垂直な突壁34の間の凹部空間35に位置し、各側壁23の外面に、カバー部6b(図4)に対する係止突起35が設けられ、係止突起35は凹部36内に位置している。各電線取出部18の外側の側壁23の外面は段差状の突壁34を経てベース部本体17の側壁27の最外面(符号27で代用)に続き、係止突起35の突出高さは最外面27や突壁34よりも低く(外側に突出することなく)位置している。これにより、最外面27から係止突起35が外側に突出した場合に較べて、ベース部6a(電線取出部材6)が横幅方向にコンパクト化されている。
【0044】
また、左右のベース部本体17の後壁28は、電線取出部18の側壁23と同様に内向きに凹状にへこんでおり、その凹部36内に、カバー部6bに対する係止突起(係止部)35(図5)を有している。これにより、凹部36を有さない場合に較べて、電線取出部材6が前後方向にコンパクト化されている。各係止突起35は下向きの傾斜面と上向きの水平な係止面を有している。電線取出部材6のコンパクト化で電池パック側の狭いスペースに容易に電線接続器1を装着できると共に、樹脂材の使用量を低減できる。
【0045】
図4の如く、カバー部6bは、ベース部6aに対応して平面視で略コの字状に形成された水平な基板部38と、基板部38の左右の突板部39の左右端と、基板部38の後端とから上向きに立設された可撓性の係合枠片(係合部)40と、突出板部39から上向きに突出した電線押さえ用の円弧面を有する突壁41とを備えている。
【0046】
図1の如く各係合枠片40がベース部6aの凹部36内で係止突起35に係合することで、電線取出部材6のコンパクト化が促進されている。また、左右の係合枠片40の前後端や後側の係合枠片の左右端がそれぞれ凹部36の両側の突壁34に近接対向することで、係合枠片40が外部と干渉を起こし難く、不意な係止外れが防止されている。
【0047】
図2の矢印方向にベース部6aをハウジング7に組み付け係止させ、図3の矢印方向に各雌端子付きの電線3をベース部6aの孔部34からハウジング内に挿入して雌端子2を係止させ、図4,図5の如く電線3を手前に90°方向に屈曲させて、電線取出部18内に水平に配索しつつ前端の開口29から導出させ、カバー部6bを矢印方向に組み付けて閉止することで、図1のコネクタ4と電線取出部材6との組立体(プラグを挿入する前の図1の状態でも電線接続器と称する)を得る。
【0048】
図5の如く、ハウジング7内に雌端子2が垂直に位置し、雌端子2の下半の圧着部に続く電線の皮剥きされた芯線(導体)露出部3aが前向きに90°方向に屈曲され、芯線部分3aを覆う絶縁被覆部3bが水平に配置されて前部開口29から外部に取り出されて(導出されて)いる。
【0049】
大径な絶縁被覆部3bではなく小径な芯線露出部3aを屈曲することで、電線3の屈曲を小さな力でスムーズ且つ確実に行うことができ、電線3の屈曲復元力に起因するカバー部6bの閉止困難や係止外れといった心配もなくなる。また、電線3を従来(図11)のように下向きに真直に導出させるのではなく、90°方向に屈曲させたことで、車両等の外部振動や外部からの電線3の引張力が雌端子2に伝わり難くなり、プラグ内の導電体の雄端子(図示せず)との接触の信頼性が向上する。
【0050】
図5において、電線3の芯線屈曲部からベース部6aの後部下端までの絶縁距離L1や、芯線3aの露出端(絶縁被覆3bの先端)からベース部6aの前端までの絶縁距離L2は、規格に対して十分大きく確保されている。
【0051】
図6(a)(b)の如く、ハウジング7に対して電線取出部材6を選択的に前後反転して装着することで、電線3の取出方向を所望の二方向の何れかに設定することができる。これは、左右一対の係合枠片20が対称に配置され、左右一対の電線取出部18が対称に配置され、電線挿通用の一対の孔部14や開口31(図2)が左右対称に配置され、左右一対の枠壁33が対称に配置され、且つ孔部14と開口31と係合枠片20と枠壁33との中心が同一の仮想垂直面上に位置した構成により可能となっている。
【0052】
図6(a)は図1に対応し、図6(b)は図1に対して電線取出部材6を後向きに反転させて装着した状態である。図6で、符号16は、ハウジング7の係止突起、40は、カバー部6bの小さな係合枠片、35は、ベース部6aの小さな係止突起をそれぞれ示す。
【0053】
図7(a)(b)の如く、電線3の取出方向が前後何れの方向でも、電線接続器1の下側には電線3が導出されないから、下側に障害物43があっても何ら支障はない。図7(a)の如く、電線接続器1の後側に障害物44がある場合は、図7(b)の如くハウジング7に電線取出部材6を前後反転させて装着し、電線3を前向きに取り出すことで、後側の障害物44と電線3との干渉を防ぎ、電線3をスムーズに配索することができる。
【0054】
図8〜図10は、本発明に係る電線接続器の他の実施形態を示すものである。
【0055】
この電線接続器51は、図1の例の電線接続器1に較べて、電線3の取出方向を前後方向すなわちハウジング7の厚み方向ではなく、左右方向すなわちハウジング7の幅広の前後の壁部に沿う方向(幅方向)としたものである。
【0056】
コネクタ4の構成は図1の例と同じであるので、同じ構成部分に同じ符号を付して説明を省略する。電線取出部材52の内部構造は図2〜図5におけると基本的(原理的)に同じであるので図示を省略する。図1の電線取出部材6の構成と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0057】
図8の如く、電線取出部材52は絶縁樹脂製のベース部52aとカバー部52bとで構成され、ベース部52aは、左右のベース部本体53と、各ベース部本体53から右方向に突出した各電線取出部54と、左右のベース部本体53を連結する中央の連結部55とで構成されている。
【0058】
連結部55の上側の空間21(図9)に図10のブラケット57が挿入され、ブラケット57の孔部57aとハウジング7の底壁10の孔部15とを貫通してボルト58が挿通され、ブラケット57の裏面側のナット57bに締付固定される。
【0059】
図8の左右のベース部本体53は、水平な上壁と前後左右の垂直な壁部とを有し、上壁はハウジング7の前後方向の厚みと略同程度の前後方向の幅と、ハウジング7の左右方向の幅と略同程度の左右方向の幅とを有している。
【0060】
上壁の左右端に各係合枠片20が立設され、各係合枠片20にハウジング7の各係止突起16が係合している。上壁の左右に一対の矩形状の枠壁33が突設され、枠壁内にハウジング7の底部の脚壁13が係合している。枠壁33の中央において上壁に電線貫通用の開口(孔部)14が設けられ、開口14はベース部本体53の内側空間を経て各電線取出部54の内側空間に連通している。
【0061】
前壁53aのほぼ中央に第一の電線取出部54が一体に設けられ、右壁53bに第二の電線取出部54が一体に設けられている。各電線取出部54は段違いに平行に右方向を向き、先端(右端)に電線取出用の開口29を有し、各開口29から電線3が右方向に取り出されて(導出されて)いる。
【0062】
第一の電線取出部54の先端右壁54aはベース部本体52aの前壁53aに直交して段差状に位置し、第二の電線取出部54の基端はベース部本体53の右壁53bに一体に続いている。ベース部本体52aの下端と各電線取出部54の下端と連結部55の下端とは同一水平面に位置している。第一の電線取出部54の基端54bは後向きに屈曲してベース部本体53の前壁53aに交差して続き、第二の電線取出部54はベース部本体53の右壁53bから真直にベース部長手方向(右方向)に突出している。
【0063】
第一の電線取出部54の前壁54aと第二の電線取出部54の前後の壁部と、図9(b)のベース本体52aの後壁53cとに、それぞれ凹部36が設けられ、各凹部36内に可撓性の係止枠部(係止部)59が設けられ、各係止枠部59にカバー部52bの係合爪(係合部)60が進入係合している。係止枠部59は左右の壁部と前又は後の低い壁部とで構成され、電線取出部54やベース部本体53の奥壁との間に上下方向の貫通した爪部進入空間を構成する。
【0064】
係止枠部59の左右の壁部に近接対向して、電線取出部54の左右の突壁34が位置し、突壁34の先端面は電線取出部54等の壁部の最外面と同一面に位置し、突壁34で係止枠部59が外部との干渉等から保護されて、不意な係止外れが防止されている。凹部36内に係止枠部59が位置したことで、係止枠部59の保護と共に、ベース部52a(電線取出部材52)が前後方向にコンパクト化されている。
【0065】
第一の電線取出部54に水平に収容された電線3は電線取出部54の基端側54bで水平方向に屈曲し、上壁の電線貫通用の開口31の下側で90°方向に上向きに屈曲してハウジング7内の一方の雌端子2に続き、第二の電線取出部54に水平に収容された電線3は上壁の電線貫通用の開口31の下側で90°方向に上向きに屈曲してハウジング内の他方の雌端子2に続いている。電線3は小径な芯線露出部3aで屈曲され、大径な絶縁被覆部3bは水平に配索される。
【0066】
図9(a)(b)の如く、同じハウジング7に対して電線取出部材52を選択的に左右に反転させて装着することで、電線3の取出方向を左右何れかの所望の方向に設定することができる。これは、図1の実施形態と同様に、左右の係止枠片20が対称に配置され、左右の枠壁33とその内側の電線貫通用の開口31とが対称に配置されたことによるものである。
【0067】
図10(a)(b)の如く、バッテリパック側のブラケット57は同一の電線接続器1に対して異なる二方向(前後方向)から挿入することができる。実際にはブラケット57はバッテリパック側に固定されているので、電線取出部材52を左右反転させてコネクタハウジング7に組み付けた状態で、同じブラケット57に固定することができる。
【0068】
ブラケット57の中央の板部57cが電線取出部材52の中央の連結部55の上部空間21に挿入されて、ボルト58で締付固定される。中央の板部57cにはボルト挿通用の孔部57aと裏面側のナット57bとが設けられている。ブラケット57の左右の板部57dはハウジング7の左右外側に位置する。
【0069】
上記各実施形態において、コネクタハウジング7は同一(共通)であるので、一つの同じハウジング7に対して、図1の電線取出部材6と図8の電線取出部材52とを適宜選択して用いることで、前後左右計四方向の電線取り出しが可能となる。
【0070】
上記各実施形態の電線接続器1は、雌端子2を使用しているから、例えばL字状の雄端子(図示せず)を使用した場合に較べて、中継端子が不要となり(雄端子の場合は中継端子を介してプラグの雄端子に接続される)、構造が簡素化・コンパクト化される。また、雄端子とベース部6aの外壁との間の絶縁距離が短くなりやすいのに対して、電線3の芯線露出部3aとベース部6aの外壁との間の絶縁距離L1,L2は十分長く確保される。
【0071】
なお、上記各実施形態においては、電線接続器1をサービスプラグであるとして説明したが、サービスプラグに代えて上記電線接続器1をワイヤハーネスのコネクタや機器接続用のコネクタ等に適用することも可能である。この場合、ヒューズを有するプラグに代えて、雄端子を有する相手コネクタが使用される(相手側コネクタは電線接続器1の一部ではない)。
【0072】
また、電線接続器1が大型である場合は、ハウジング7の係止突起16を対称に二対配設し、電線取出部材6,52の係合枠片20を対称に二対配設することも可能である。また、係止部として係止突起16に代えて係止爪や可撓性の係止アーム等を用いたり、係合部として係合枠片20に代えて係合溝や係合穴や係合凹部等を用いることも可能である。
【0073】
また、上記した本発明の構成は、電線接続器として以外に、電線接続器の電線取出構造や電線接続器の電線取出方法等としても有効なものである。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る電線接続器は、例えばハイブリッドカーを含む電気自動車の電池パックにおけるメンテナンス時等の電源遮断用のサービスプラグとして利用することができる。サービスプラグ以外では、ワイヤハーネスのコネクタや機器接続用のコネクタ等としても利用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1,51 電線接続器
2 雌端子(端子)
3 電線
3a 芯線露出部
3b 絶縁被覆部
6,52 電線取出部材
6a,52a ベース部
6b,52b カバー部
7 ハウジング
15 孔部
16 係止突起(係止部)
18,54 電線取出部
20 係合枠片(係合部)
31 開口
35 係止突起(係止部)
36 凹部
40 係合枠片(係合部)
59 係止枠部(係止部)
60 係合爪(係合部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線付きの一対の端子を挿入収容するハウジングと、該ハウジングの底部に装着される電線取出部材とを備え、該電線取出部材が、該端子の挿入方向とは直交する方向に突出した一対の電線取出部と、該ハウジングの底部の電線貫通用の一対の孔部と該電線取出部内を連通させる一対の開口と、該ハウジングの一対の対称な係止部に対する一対の対称な係合部とを有して、選択的に180°反転して該ハウジングに装着可能であることを特徴とする電線接続器。
【請求項2】
前記電線取出部が前記ハウジングの厚み方向に突出したことを特徴とする請求項1記載の電線接続器。
【請求項3】
前記電線取出部が前記ハウジングの幅方向に突出したことを特徴とする請求項1記載の電線接続器。
【請求項4】
請求項2記載の電線取出部を有する電線取出部材と、請求項3記載の電線取出部を有する電線取出部材とを選択的に前記ハウジングに装着可能であることを特徴とする電線接続器。
【請求項5】
前記端子に続く前記電線の小径な芯線露出部が前記直交する方向に屈曲し、該電線の大径な絶縁被覆部が前記電線取出部に沿って配索されたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電線接続器。
【請求項6】
前記端子が雌端子であり、前記ハウジングに嵌合するプラグの雄端子が該雌端子に接続されることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の電線接続器。
【請求項7】
前記電線取出部材がベース部とカバー部とで構成され、該ベース部の凹部内に該ベース部の係止部が設けられ、該カバー部の係合部が該凹部内に収容されつつ該係止部に係合することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の電線接続器。
【請求項1】
電線付きの一対の端子を挿入収容するハウジングと、該ハウジングの底部に装着される電線取出部材とを備え、該電線取出部材が、該端子の挿入方向とは直交する方向に突出した一対の電線取出部と、該ハウジングの底部の電線貫通用の一対の孔部と該電線取出部内を連通させる一対の開口と、該ハウジングの一対の対称な係止部に対する一対の対称な係合部とを有して、選択的に180°反転して該ハウジングに装着可能であることを特徴とする電線接続器。
【請求項2】
前記電線取出部が前記ハウジングの厚み方向に突出したことを特徴とする請求項1記載の電線接続器。
【請求項3】
前記電線取出部が前記ハウジングの幅方向に突出したことを特徴とする請求項1記載の電線接続器。
【請求項4】
請求項2記載の電線取出部を有する電線取出部材と、請求項3記載の電線取出部を有する電線取出部材とを選択的に前記ハウジングに装着可能であることを特徴とする電線接続器。
【請求項5】
前記端子に続く前記電線の小径な芯線露出部が前記直交する方向に屈曲し、該電線の大径な絶縁被覆部が前記電線取出部に沿って配索されたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電線接続器。
【請求項6】
前記端子が雌端子であり、前記ハウジングに嵌合するプラグの雄端子が該雌端子に接続されることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の電線接続器。
【請求項7】
前記電線取出部材がベース部とカバー部とで構成され、該ベース部の凹部内に該ベース部の係止部が設けられ、該カバー部の係合部が該凹部内に収容されつつ該係止部に係合することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の電線接続器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−49049(P2011−49049A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196894(P2009−196894)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
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