説明

電線皮剥き装置

【課題】皮剥き刃が被覆電線の被覆部に切り込みを入れる際に芯線を傷付けたことを正確に検出できる機能を有した電線皮剥き装置を提供する。
【解決手段】所定の長さに切断された電線12の端部の被覆部12aを除去する電線皮剥き装置8は、一対の切断刃93と、電線12の被覆部12aに切り込みを入れる一対の第1の皮剥き刃95と、一対の第1の皮剥き刃95を移動方向Kに沿って移動させることにより前記端部の被覆部12aを引き剥がして除去する除去手段と、電線12の芯線12bと一対の第1の皮剥き刃95との間に電圧を印加させ、一対の第1の皮剥き刃95が互いに近づく方向に移動を開始してから前記除去手段が駆動を開始するまでの間に芯線12bと一対の第1の皮剥き刃95との間に電圧が印加されたか否かを判定するマイクロプロセッサ32と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネスの製造工程において用いられる電線皮剥き装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動体としての自動車などには、種々の電子機器が搭載される。このため、前記自動車などは、前記電子機器に電源などからの電力やコンピュータなどからの制御信号などを伝えるために、ワイヤハーネスを配索している。このワイヤハーネスは、複数の被覆電線と、該被覆電線の端部などに取り付けられたコネクタなどを有している。前記被覆電線は、導電性の金属で構成される複数の素線が撚られて構成される芯線と該芯線を被覆する絶縁性の被覆部とを有している。前記コネクタは、端子金具と、この端子金具を収容するコネクタハウジングとを有している。前記端子金具は、導電性の板金などからなり前記被覆電線の端部に取り付けられてこの被覆電線の芯線と電気的に接続する。このような構成のワイヤハーネスは、前記コネクタハウジングが前記電子機器などと結合することにより、前記端子金具を介して各被覆電線が前記電子機器と電気的に接続して、前記電子機器に所要の電力や信号を伝える。
【0003】
また、上記ワイヤハーネスを組み立てる際には、まず、リールに巻き付けられた長尺の被覆電線を検尺して所定の長さに切断した後、この被覆電線の端部の被覆部を除去(皮剥き)して端子金具を取り付ける。その後、端子金具をコネクタハウジング内に挿入する。こうして、前述したワイヤハーネスを組み立てる。
【0004】
また、上記被覆電線の端部の被覆部を除去する(皮剥きする)際には、一対の皮剥き刃の間に前記被覆電線を挟んで、前記被覆部に前記芯線に到達しない深さの切り込みを入れ、この一対の皮剥き刃を前記被覆電線の長手方向に沿って移動させることにより前記被覆電線の端部の被覆部を引き剥がすようにしている。しかし、寸法誤差などで前記皮剥き刃が前記芯線にまで届いてしまい、前記芯線に傷を付けてしまうことがあった。
【0005】
そこで、従来は、皮剥きした被覆電線の中から任意の本数を選び出し、選び出した被覆電線に手作業によりさらに皮剥き処理を施し、拡大鏡などを用いてこの芯線の傷の有無を目視確認していた。しかし、これら手作業による皮剥き作業や目視確認作業などは非常に手間のかかる作業であり作業員の大きな負担となっていた。また、目視確認は見逃しが発生する可能性があった。さらに、この抜き取り検査に使われた被覆電線は、前述した二度目の皮剥き処理が施されていることから製品として出荷することができずロスになっていた。
【0006】
そこで、上記抜き取り検査により生じる問題の解決策として、前記芯線と前記一対の皮剥き刃との間に電圧を印加し、これら芯線と皮剥き刃とが導通したことを以って芯線に傷が生じたと判定して、モータ類の駆動を停止させる被覆層除去装置が特許文献1に考案されている。
【特許文献1】特開平2−211015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載された被覆層除去装置は、以下に示す問題があった。即ち、上述したように被覆電線の端部の被覆部を引き剥がす際、この被覆電線に曲がりが生じていると、一対の皮剥き刃が前記被覆電線の長手方向に沿って移動している時に、この被覆電線の芯線に接触する、即ち摺れる、ことがある。この際の接触は、芯線に傷を付けてしまうような、即ち不良品となってしまうような、接触ではないが、このような軽い接触でも装置の駆動が停止してしまうので、生産効率が低下してしまうという問題があった。また、この被覆層除去装置は、電気的な処理で芯線に傷が生じたと判定するので、仮にこの装置に故障や異常が生じていてもそのことを発見し難いという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、皮剥き刃が被覆電線の被覆部に切り込みを入れる際に芯線を傷付けたことを正確に検出できる機能を有した電線皮剥き装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1に記載された発明は、芯線と該芯線の外周を覆う被覆部とを有する被覆電線を互いの間に挟み前記被覆部に切り込みを入れる一対の皮剥き刃と、前記被覆部の前記一対の皮剥き刃により切り込みが入れられた部分よりも前記被覆電線の長手方向に沿った端部側の部分を、前記被覆電線と前記一対の皮剥き刃とを前記被覆電線の長手方向に沿って相対的に移動させることにより引き剥がして除去する除去手段と、前記被覆電線の芯線と前記一対の皮剥き刃との間に電圧を印加させ、これら芯線と一対の皮剥き刃との間に電圧が印加されたことを検出する導通検出部と、前記一対の皮剥き刃が互いに近づく方向に移動を開始してから前記除去手段が駆動を開始するまでの間に前記芯線と前記一対の皮剥き刃との間に電圧が印加されたか否かを判定する制御部と、を有していることを特徴とする電線皮剥き装置である。
【0010】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記被覆電線を互いの間に挟み該被覆電線を切断する一対の切断刃をさらに有し、前記導通検出部が、前記被覆電線の芯線と前記一対の切断刃との間に電圧を印加させ、これら芯線と一対の切断刃との間に電圧が印加されたことを検出し、前記制御部が、前記被覆電線の切断時に前記芯線と前記一対の切断刃との間に電圧が印加されたか否かを判定することを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載された発明において、前記制御部が、前記除去手段が駆動を開始してから停止するまでの間に前記芯線と前記一対の皮剥き刃との間に電圧が印加されたか否かを判定するとともに、前記芯線と前記一対の皮剥き刃との間に電圧が印加された回数が規定の回数を越えたか否かを判定し、規定の回数を超えた場合に警告を出力することを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載された発明において、前記制御部が、前記除去手段が駆動を開始してから停止するまでの間に前記芯線と前記一対の皮剥き刃との間に電圧が印加されたか否かを判定するとともに、前記芯線と前記一対の皮剥き刃との間に電圧が印加された総時間が規定の時間を越えたか否かを判定し、規定の時間を超えた場合に警告を出力することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載された発明によれば、制御部が、一対の皮剥き刃が互いに近づく方向に移動を開始してから除去手段が駆動を開始するまでの間に芯線と一対の皮剥き刃との間に電圧が印加されたか否かを判定するので、端部側の被覆部を引き剥がす動作中、即ち被覆電線と一対の皮剥き刃とがこの被覆電線の長手方向に沿って相対的に移動している時に、一対の皮剥き刃が芯線に接触しても前記制御部の判定に影響しない。このことから、皮剥き刃が被覆部に切り込みを入れる際に芯線を傷付けたことを正確に検出できる電線皮剥き装置を提供することができる。
【0014】
請求項2に記載された発明によれば、制御部が、被覆電線の切断時に芯線と一対の切断刃との間に電圧が印加されたか否かを判定することから、電圧が印加されていないとの判定を以ってこの電線皮剥き装置の異常を発見することができる。
【0015】
請求項3に記載された発明によれば、制御部が、除去手段が駆動を開始してから停止するまでの間に芯線と一対の皮剥き刃との間に電圧が印加されたか否かを判定するとともに、芯線と一対の皮剥き刃との間に電圧が印加された回数が規定の回数を越えたか否かを判定し、規定の回数を超えた場合に警告を出力することから、被覆電線と一対の皮剥き刃とがこの被覆電線の長手方向に沿って相対的に移動している時に、一対の皮剥き刃が断続的に芯線に接触していることを認識することができる。
【0016】
請求項4に記載された発明によれば、制御部が、除去手段が駆動を開始してから停止するまでの間に芯線と一対の皮剥き刃との間に電圧が印加されたか否かを判定するとともに、芯線と一対の皮剥き刃との間に電圧が印加された総時間が規定の時間を越えたか否かを判定し、規定の時間を超えた場合に警告を出力することから、被覆電線と一対の皮剥き刃とがこの被覆電線の長手方向に沿って相対的に移動している時に、一対の皮剥き刃が一定時間以上芯線に接触していることを認識することができる。また、一対の皮剥き刃が芯線に接触していた総時間から、この接触の度合いを判断することができるので、一対の皮剥き刃同士の間隔や取付位置を細かく微調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態に係る電線皮剥き装置と、この電線皮剥き装置を有したワイヤハーネス製造装置1を図1ないし図3を参照しながら説明する。また、図1は、本発明のワイヤハーネス製造装置の一実施の形態を示す構成図である。図2は、図1に示されたワイヤハーネス製造装置を構成する電線皮剥き装置の切断刃及び第1の皮剥き刃及び第2の皮剥き刃の移動範囲を説明するための断面図であり、(a)は、切断刃及び第1の皮剥き刃及び第2の皮剥き刃が開位置に位置付けられた状態を示す図であり、(b)は、切断刃及び第1の皮剥き刃及び第2の皮剥き刃が第1の閉位置に位置付けられた状態を示す図であり、(c)は、切断刃及び第1の皮剥き刃及び第2の皮剥き刃が第2の閉位置に位置付けられた状態を示す図である。図3は、図1に示されたワイヤハーネス製造装置を構成する制御部としてのマイクロプロセッサのROMに格納された制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフローチャートである。
【0018】
本実施形態のワイヤハーネス製造装置1は、図1に示すように、電線リール2に巻き付けられた被覆電線12を繰り出し、その曲がり癖を矯正した後に所定の長さに切断し、切断された被覆電線12の端部の被覆部を除去する装置である。
【0019】
上記被覆電線12は、移動体としての自動車などに配索されるワイヤハーネスを構成する。前記被覆電線12は、導電性の芯線12b(図2を参照。)と、この芯線12bを被覆した絶縁性の被覆部12a(図2を参照。)と、を有している。前記芯線12bは、導電性の金属で構成された複数の素線が螺旋状に撚られて構成されている。前記被覆部12aは、例えば、ポリ塩化ビニル(Polyvinylchloride:PVC)などの合成樹脂で構成されている。このような構成の被覆電線12は、端部などにコネクタなどが取り付けられて前述したワイヤハーネスを構成する。このワイヤハーネス即ち被覆電線12は、前記コネクタが自動車などの各種の電子機器のコネクタにコネクタ結合して各電子機器に各種の信号や電力を伝える。また、前記被覆電線12を以下、単に電線12と呼ぶ。
【0020】
上記ワイヤハーネス製造装置1は、電線リール2と、電線リール2に巻き付けられた電線12をその長手方向に沿って移動させる移動装置5と、電線リール2と移動装置5との間に配され電線12の曲がり癖を矯正する矯正装置4と、電線リール2と矯正装置4との間に配されて電線リール2から繰り出された電線12を移動自在に保持するリング状の保持部11と、電線リール2に巻き付けられた電線12のジョイント部を検出するジョイント検出部6と、電線12の移動量を測定するエンコーダ7と、このエンコーダ7の下流に配されエンコーダ7が測定した移動量に基づいて電線12を所定の長さに切断し、切断された電線12の長手方向に沿った両端部の被覆部12aを除去して芯線12bを露出させる電線皮剥き装置8と、これら矯正装置4,移動装置5,ジョイント検出部6,エンコーダ7を固定する工場のフロア上に設置されたフレーム10と、ワイヤハーネス製造装置1全体の制御を司る制御装置3と、を有している。
【0021】
上記電線リール2は、円柱状に形成されその外周面に電線12を巻き付けている。また、この電線リール2に巻き付けられた電線12は、複数の電線12の芯線12bが端部同士繋ぎ合わされて1本の長尺電線12を構成している。また、本明細書においては、電線12同士が繋ぎ合わされた部分をジョイント部と呼ぶ。
【0022】
上記移動装置5は、電線12の移動方向に沿って並べられた複数の回転ローラ53により回転させられる回転ベルト51を一対有している。この一対の回転ベルト51は、互いの間に電線12を挟み、互いに逆回転することにより電線12を図1中矢印Kで示す方向(以下、移動方向Kと呼ぶ。)に沿って移動させる。そして、この移動装置5によって引っ張られることにより、上記電線リール2から電線12が繰り出される。このような移動装置5は、制御装置3の後述のマイクロプロセッサ32によりその駆動が制御されている。
【0023】
上記矯正装置4は、電線12の移動方向Kに沿って並べられた第1の矯正装置41と第2の矯正装置42とを有している。これら第1の矯正装置41及び第2の矯正装置42は、移動方向Kに沿って千鳥状に並べられ、互いの間に電線12を通すことにより、電線12の曲がり癖を矯正する複数のローラ43,44をそれぞれ有している。このように第1の矯正装置41と第2の矯正装置42とを電線12が通過することにより、その曲げ癖が矯正されて直線状に伸ばされた電線12が得られる。
【0024】
上記ジョイント検出部6は、互いの間に電線12を通す一対のローラ61と、この一対のローラ61間に電圧を印加する電源(不図示)と、を有している。このジョイント検出部6は、電線12の芯線12bが一対のローラ61間を通過してこの一対のローラ61に接触することにより、一対のローラ61間に電圧が印加され、電線12のジョイント部を検出する。また、ジョイント検出部6は、制御装置3の後述のマイクロプロセッサ32に接続しており、電線12のジョイント部を検出すると、マイクロプロセッサ32に向かって信号を送信する。
【0025】
上記エンコーダ7は、一対の回転子71を有している。回転子71の外周面は、移動方向Kに沿って移動される電線12の外表面と接触しており、移動方向Kに沿った電線12の移動とともに、軸芯周りに回転する。また、エンコーダ7は、制御装置3の後述のマイクロプロセッサ32に接続している。エンコーダ7は、回転子71が所定角度ずつ回転すると、マイクロプロセッサ32に向かってパルス状の信号を送信する。即ち、エンコーダ7は、移動方向Kに沿った電線12の移動量に応じた情報を、マイクロプロセッサ32に向かって送信する。また、このマイクロプロセッサ32は、エンコーダ7から送信される電線12の移動量情報に基づいて、移動装置5の回転ローラ53や電線皮剥き装置8を駆動させる。
【0026】
上記電線皮剥き装置8は、一対の切断刃93と、一対の第1の皮剥き刃95と、一対の第2の皮剥き刃94と、一方の切断刃93,一方の第1の皮剥き刃95,一方の第2の皮剥き刃94を取り付ける下側部材87と、他方の切断刃93,他方の第1の皮剥き刃95,他方の第2の皮剥き刃94を取り付ける上側部材88と、下側部材87と上側部材88とを鉛直方向に沿って互いに相対する位置に接離(近付いたり離れたりすることを言う。)自在に支持する支持部86と、下側部材87を上側部材88に対して接離させるサーボモータ91と、サーボモータ91の出力軸に接続されたスクリュー軸90と、下側部材87に取り付けられスクリュー軸90上を移動するスライダー89と、支持部86及びサーボモータ91を取り付けたベース82と、ベース82を移動方向Kに沿って往復移動させるサーボモータ85と、サーボモータ85の出力軸に接続されたスクリュー軸84と、ベース82に取り付けられスクリュー軸84上を移動するスライダー83と、フロア上に設置されベース82及びサーボモータ85を取り付けた台座81と、を有している。
【0027】
また、一対の切断刃93と、一対の第1の皮剥き刃95と、一対の第2の皮剥き刃94とは、図2に示すように、対をなす刃93,95,94同士が互いに鉛直方向に沿って相対しているとともに、一対の第1の皮剥き刃95、一対の切断刃93、一対の第2の皮剥き刃94が、移動方向Kに沿って順に並べられている。また、一対の切断刃93間の間隔は、一対の第1の皮剥き刃95間の間隔、及び、一対の第2の皮剥き刃94間の間隔よりも狭く形成されている。また、一対の第1の皮剥き刃95間の間隔と一対の第2の皮剥き刃94間の間隔とは等しく形成されている。また、電線12は、移動装置5に送り出されることにより、対をなす刃93,95,94同士の間に位置付けられる。
【0028】
また、これら刃93,95,94は、上述したサーボモータ91が正回転することにより、図2(a)に示す「開位置」から図2(b)に示す「第1の閉位置」まで、そして、図2(b)に示す「第1の閉位置」から図2(c)に示す「第2の閉位置」まで移動する。さらに、上述したサーボモータ91が逆回転することにより、図2(c)に示す「第2の閉位置」から図2(a)に示す「開位置」まで移動する。
【0029】
図2(a)に示す「開位置」では、刃93,95,94のいずれも電線12に接触しない。また、図2(b)に示す「第1の閉位置」では、一対の切断刃93が互いに重なる位置に位置付けられ、これら一対の切断刃93により電線12が切断される。また、この「第1の閉位置」では、一対の第1の皮剥き刃95及び一対の第2の皮剥き刃94は、電線12に接触しない。また、図2(c)に示す「第2の閉位置」では、一対の第1の皮剥き刃95及び一対の第2の皮剥き刃94が芯線12bに到達する直前の深さで被覆部12aに突き刺さっている。
【0030】
上記構成の電線皮剥き装置8は、刃93,95,94が図2(a)に示す「開位置」から図2(b)に示す「第1の閉位置」まで移動することにより、一対の切断刃93が電線12を切断する。そして、図2(b)に示す「第1の閉位置」から図2(c)に示す「第2の閉位置」まで移動することにより、一対の第1の皮剥き刃95及び一対の第2の皮剥き刃94が、一対の切断刃93により切断された2本の電線12の切断箇所を挟んだ両側の端部の被覆部12aにそれぞれ突き刺さって切り込みを入れる。即ち、一対の第2の皮剥き刃94は、一対の切断刃93により2本に切断された電線12のうち、移動方向Kに沿った前側(図2中の右側に当たる。)の電線12の移動方向Kに沿った後端に突き刺さって切り込みを入れる。また、一対の第1の皮剥き刃95は、一対の切断刃93により2本に切断された電線12のうち、移動方向Kに沿った後側(図2中の左側に当たる。)の電線12の移動方向Kに沿った前端に突き刺さって切り込みを入れる。このように、サーボモータ91,スクリュー軸90,スライダー89は、刃93,95,94を2段階に分けて移動させる。
【0031】
また、一対の第1の皮剥き刃95及び一対の第2の皮剥き刃94が電線12の被覆部12aに突き刺さった状態で、即ち刃93,95,94が図2(c)に示す「第2の閉位置」に位置付けられた状態で、これら一対の第1の皮剥き刃95及び一対の第2の皮剥き刃94がベース82ごと移動方向Kに沿って移動することにより、被覆部12aの切り込みが入れられた部分よりも前記切断箇所側の部分を引き剥がして除去し、芯線12bを露出させる。即ち皮剥きする。即ち、上述したサーボモータ85,スクリュー軸84,スライダー83は、特許請求の範囲に記載した除去手段を構成している。また、上記サーボモータ91,85は、制御装置3の後述のマイクロプロセッサ32によりその駆動が制御されている。
【0032】
また、上記一対の切断刃93と上記一対の第1の皮剥き刃95とは、導電性の金属で構成されており、支持部86を介して制御装置3の後述のマイクロプロセッサ32のポート32dと電気的に接続されている。またこのポート32dは、電線リール2に巻き付けられた電線12の終端12cとも電気的に接続されている。また、一対の切断刃93と一対の第1の皮剥き刃95は、電線皮剥き装置8の図示しない電源部と電気的に接続されており、マイクロプロセッサ32からの指令によってこの電源部から電圧が印加されるようになっている。そして、一対の切断刃93または一対の第1の皮剥き刃95が電線12の芯線12bに接触することにより、一対の切断刃93・一対の第1の皮剥き刃95と芯線12bとポート32dとが前記電源部と直列に接続されてこれらに電圧が印加される。
【0033】
上記制御装置3は、図1に示すように、導通検出部及び制御部としてのマイクロプロセッサ(MPU:Micro Processing Unit)32と、このマイクロプロセッサ32に接続された液晶ディスプレイ等の表示部33と、このマイクロプロセッサ32に接続された不揮発性メモリ(以下、EEPROMと略記する)30と、を有している。
【0034】
上記マイクロプロセッサ32は、CPU(Central Processing Unit)32aと、ROM(Read-Only Memory)32bと、RAM(Random Access Memory)32cと、上述したポート32dと、を有している。また、RAM32cは各種データ記憶用のデータエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを有しており、ROM32bにはCPU32aに各種処理動作を行わせるための制御プログラム、即ち移動装置5,ジョイント検出部6,エンコーダ7,電線皮剥き装置8などの駆動を制御するための制御プログラム、が格納されている。
【0035】
また、上記ポート32dは、電線リール2に巻き付けられた電線12の終端12cと、上述した電線皮剥き装置8の支持部86とにそれぞれ電気的に接続されており、電線12の芯線12bと支持部86、即ち一対の切断刃93及び一対の第1の皮剥き刃95、との間に電圧が印加されることにより、電圧レベルがHIGHとなる。また、CPU32aはこのポート32dの電圧変化を監視しており、このポート32dの電圧変化に基づいて、具体的にはポート32dの電圧レベルがHIGHであることを以って、電線12の芯線12bと一対の切断刃93及び一対の第1の皮剥き刃95との間に電圧が印加されたことを検出するとともに、以下に示す処理を行う。また、本明細書では、CPU32aが、ポート32dの電圧レベルがHIGHであると認識することを、「CPU32aに導通信号が入力された」とも表現する。
【0036】
次に、上記ROM32bに格納された制御プログラムに従いCPU32aが行う処理を、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0037】
まず、ステップS1において、エンコーダ7が測定した電線12の移動量に基づいて、この電線12の移動方向Kに沿った始端が一対の第2の皮剥き刃94の間を所定の長さ分通過したことを、即ち電線12がセットされたことを、CPU32aが判定すると(ステップS1でY)、CPU32aは、移動装置5の回転ローラ53の回転駆動を停止させ、かつ、サーボモータ91の正回転駆動を開始させ、予め定められた回転数このサーボモータ91を正回転させたところで停止させる。このことにより、下側部材87が上昇し、刃93,95,94が開位置から第1の閉位置に位置付けられて、電線12が切断される(ステップS2)。
【0038】
ステップS3では、ポート32dの電圧変化に基づいて、ステップS2におけるサーボモータ91の回転開始から停止までの間に、CPU32aに導通信号が入力されたか否かを判定し、導通信号が入力されたと判定すると(ステップS3でY)、即ち一対の切断刃93が電線12の芯線12bに接触して該芯線12bと一対の切断刃93との間に電圧が印加されたと判定すると、ステップS4に進む。また、導通信号が入力されなかったと判定すると(ステップS3でN)、即ち電線皮剥き装置8に異常が生じたと判定すると、ステップS13に進み、ワイヤハーネス製造装置1の駆動を停止させた後、表示部33にエラーメッセージを表示する(ステップS14)。
【0039】
ステップS4では、CPU32aは、サーボモータ91の正回転駆動を開始させ、予め定められた回転数このサーボモータ91を正回転させたところで停止させる。このことにより、下側部材87がさらに上昇し、刃93,95,94が第1の閉位置から第2の閉位置に位置付けられて、一対の第1の皮剥き刃95及び一対の第2の皮剥き刃94が電線12の被覆部12aに突き刺さる(ステップS4)。
【0040】
ステップS5では、ポート32dの電圧変化に基づいて、ステップS4におけるサーボモータ91の回転開始から停止までの間にCPU32aに導通信号が入力されたか否かを判定し、導通信号が入力されたと判定すると(ステップS5でY)、即ち一対の第1の皮剥き刃95が電線12の芯線12bに突き刺さって該芯線12bに傷が生じたと判定すると、ステップS15に進み、ワイヤハーネス製造装置1の駆動を停止させた後、表示部33に芯線12bに傷が発生した旨のメッセージを表示する(ステップS16)。また、導通信号が入力されなかったと判定すると(ステップS5でN)、即ち、一対の第1の皮剥き刃95が芯線12bに到達する直前の深さで被覆部12aに突き刺さったと判定すると、ステップS6に進む。
【0041】
ステップS6では、CPU32aは、サーボモータ85の正回転駆動を開始させ、予め定められた回転数このサーボモータ85を正回転させたところで停止させる。このことにより、ベース82が移動方向Kに沿った後側(図1中の左側方向)に移動し、一対の第2の皮剥き刃94が2本に切断された電線12のうち移動方向Kに沿った前側の電線12の後端の被覆部12aを除去する。続いて、CPU32aは、サーボモータ85の逆回転駆動を開始させ、予め定められた回転数このサーボモータ85を逆回転させたところで停止させる。このことにより、ベース82が移動方向Kに沿った前側(図1中の右側方向)に移動し、一対の第1の皮剥き刃95が2本に切断された電線12のうち移動方向Kに沿った後側の電線12の前端の被覆部12aを除去する。
【0042】
ステップ7では、ポート32dの電圧変化に基づいて、ステップS6におけるサーボモータ85の逆回転開始から停止までの間にCPU32aに導通信号が入力されたか否かを判定し、導通信号が入力されなかったと判定すると(ステップS7でN)、即ち一対の第1の皮剥き刃95が芯線12bの表面を摺れなかったと判定すると、ステップS8に進む。また、導通信号が入力されたと判定すると(ステップS7でY)、即ち一対の第1の皮剥き刃95が芯線12bの表面を摺れたと判定すると、ステップS11に進む。
【0043】
ステップS11では、サーボモータ85の逆回転開始から停止までの間にCPU32aに前記導通信号が入力された回数、即ち一対の皮剥き刃95が芯線12bに摺れた回数、が規定回数を超えたか否かを判定し、規定回数を超えなかったと判定すると(ステップS11でN)、ステップS8に進む。また、規定回数を超えたと判定すると(ステップS11でY)、即ち一対の第1の皮剥き刃95が芯線12bの表面を断続的に摺れていると判定すると、ステップS12に進み、表示部33に一対の第1の皮剥き刃95が摺れている旨の警告を表示する。その後ステップS8に進む。また、ステップS8では、再びサーボモータ85を正回転させることにより、ベース82をステップS5以前の位置に戻す。
【0044】
ステップS9では、CPU32aは、サーボモータ91の逆回転駆動を開始させ、予め定められた回転数このサーボモータ91を逆回転させたところで停止させる。このことにより、下側部材87が下降し、刃93,95,94が第2の閉位置から開位置に位置付けられる。
【0045】
ステップS10では、CPU32aは、移動装置5の回転ローラ53の回転駆動を開始させ、電線12を所定の長さ分移動方向Kに沿って送り出させる。その後、ステップS2に戻って上述した処理を繰り返す。
【0046】
前述した構成のワイヤハーネス製造装置1は、以下のように、電線リール2に巻き付けられた電線12を繰り出し、その曲がり癖を矯正した後に所定の長さに切断して被覆部12aを除去する。
【0047】
まず、準備工程として、電線リール2に巻き付けられた電線12の一端を、保持部11、第1の矯正装置41の複数のローラ43間、第2の矯正装置42の複数のローラ44間、ジョイント検出部6の一対のローラ61間、エンコーダ7の一対の回転子71間、に通す。さらに、電線皮剥き装置8の刃93,95,94を開位置に位置付ける。
【0048】
ここでワイヤハーネス製造装置1の電源をONし、移動装置5の回転ローラ53の駆動を開始させる。すると、この回転ローラ53が回転することにより互いに逆回転する一対の回転ベルト51が、互いの間に電線12を挟むとともにこの電線12を移動方向Kに沿って移動させる。
【0049】
そして、移動装置5により繰り出された電線12は、矯正装置4の複数のローラ43,44間を通され、電線リール2に巻き付けられることによりついた曲がり癖が矯正される。
【0050】
そして、電線12の移動方向Kに沿った始端が一対の第2の皮剥き刃94間を通過した、と制御装置3のCPU32aが判断すると、上述した通り、電線皮剥き装置8を動作させる。
【0051】
また、一対のローラ61,61間に、電線12のジョイント部が位置付けられてジョイント検出部6から制御装置3のCPU32aにジョイント部検出信号が送信されると、CPU32aは電線皮剥き装置8により電線12のジョイント部を切断させる。
【0052】
このような作業を繰り返すことにより、所定の長さに切断され両端の被覆部12aが除去された電線12が得られる。なお、こうして所定の長さに切断され両端の被覆部12aが除去された各電線12は、電線皮剥き装置8の下流に設けられた端子接続装置に移動される。そして、この端子接続装置により、皮剥きされて露出した芯線12bに端子が圧着される。
【0053】
本実施形態によれば、マイクロプロセッサ32が、一対の第1の皮剥き刃95が第1の閉位置から第2の閉位置に移動するまでの間に芯線12bと一対の第1の皮剥き刃95との間に電圧が印加されたか否かを判定するので、端部の被覆部12aを引き剥がす動作中、即ち一対の第1の皮剥き刃95が移動方向Kに沿って移動している時に、この一対の第1の皮剥き刃95が芯線12bに接触しても(摺れても)マイクロプロセッサ32の前述した判定に影響しない。このことから、一対の第1の皮剥き刃95が被覆部12aに切り込みを入れる際に芯線12bを傷付けたことを正確に検出できる電線皮剥き装置8及びワイヤハーネス製造装置1を提供することができる。よって、芯線12bに傷が生じた電線12を流出させることを防止できるとともに、ワイヤハーネス製造装置1の生産効率を高めることができる。
【0054】
また、マイクロプロセッサ32が、電線12の切断時に芯線12bと一対の切断刃93との間に電圧が印加されたか否かを判定することから、電圧が印加されていないとの判定を以ってこの電線皮剥き装置8及びワイヤハーネス製造装置1の異常を発見することができる。よって、芯線12bに傷が生じた電線12を流出させることを確実に防止できる。
【0055】
また、上述した電線皮剥き装置8を用いることにより、作業者に負担をかけることなく電線12の全数検査を行うことができ、製品としての電線12即ちワイヤハーネスの製品信頼性を高めることができる。また、従来のように破壊検査を行う必要がなくなり、ロス電線の発生を抑えることができる。
【0056】
また、一対の第1の皮剥き刃95が移動方向Kに沿って移動を開始してから停止するまでの間に、芯線12bと一対の第1の皮剥き刃95との間に電圧が印加された回数が規定の回数を越えた場合にマイクロプロセッサ32が警告を出力するので、端部の被覆部12aを引き剥がす動作中、即ち一対の第1の皮剥き刃95が移動方向Kに沿って移動している時に、この一対の第1の皮剥き刃95が断続的に芯線12bに接触していること、即ち摺れていること、を認識することができる。そして、前記警告が出力された場合には、一対の第1の皮剥き刃95同士の間隔や取付位置を調整することにより、この一対の第1の皮剥き刃95が芯線12bに接触することを改善することができる。
【0057】
また、上述した実施形態では、図3に示したステップS11において、CPU32aに前記導通信号が入力された回数、即ち一対の皮剥き刃95が芯線12bに摺れた回数、が規定回数を超えたか否かを判定するようにしていたが、本発明では、一対の第1の皮剥き刃95が移動方向Kに沿って移動を開始してから停止するまでの間に、芯線12bと一対の第1の皮剥き刃95との間に電圧が印加された総時間が規定の時間を越えたか否かを判定し、規定の時間を越えた場合にマイクロプロセッサ32が警告を出力するようにしても良い。そして、このように規定の時間を越えた場合にマイクロプロセッサ32が警告を出力することにより、端部の被覆部12aを引き剥がす動作中、即ち一対の第1の皮剥き刃95が移動方向Kに沿って移動している時に、この一対の第1の皮剥き刃95が一定時間以上芯線12bに接触していること、即ち摺れていること、を認識することができる。また、一対の第1の皮剥き刃95が芯線12bに接触していた総時間から、この接触の度合いを判断することができるので、一対の第1の皮剥き刃95同士の間隔や取付位置をさらに細かく微調整することができる。
【0058】
また、上述した実施形態では、端部の被覆部12aを除去する際に、ベース82を移動方向Kに沿って移動させるようにしていたが、本発明では、電線12を移動方向Kに沿って移動させるようにしても良い。
【0059】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明のワイヤハーネス製造装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】図1に示されたワイヤハーネス製造装置を構成する電線皮剥き装置の切断刃及び第1の皮剥き刃及び第2の皮剥き刃の移動範囲を説明するための断面図であり、(a)は、切断刃及び第1の皮剥き刃及び第2の皮剥き刃が開位置に位置付けられた状態を示す図であり、(b)は、切断刃及び第1の皮剥き刃及び第2の皮剥き刃が第1の閉位置に位置付けられた状態を示す図であり、(c)は、切断刃及び第1の皮剥き刃及び第2の皮剥き刃が第2の閉位置に位置付けられた状態を示す図である。
【図3】図1に示されたワイヤハーネス製造装置を構成する制御部としてのマイクロプロセッサのROMに格納された制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1 ワイヤハーネス製造装置
8 電線皮剥き装置
12 被覆電線
12a 被覆部
12b 芯線
32 マイクロプロセッサ(導通検出部、制御部)
83 スライダー(除去手段)
84 スクリュー軸(除去手段)
85 サーボモータ(除去手段)
93 切断刃
95 第1の皮剥き刃(皮剥き刃)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯線と該芯線の外周を覆う被覆部とを有する被覆電線を互いの間に挟み前記被覆部に切り込みを入れる一対の皮剥き刃と、
前記被覆部の前記一対の皮剥き刃により切り込みが入れられた部分よりも前記被覆電線の長手方向に沿った端部側の部分を、前記被覆電線と前記一対の皮剥き刃とを前記被覆電線の長手方向に沿って相対的に移動させることにより引き剥がして除去する除去手段と、
前記被覆電線の芯線と前記一対の皮剥き刃との間に電圧を印加させ、これら芯線と一対の皮剥き刃との間に電圧が印加されたことを検出する導通検出部と、
前記一対の皮剥き刃が互いに近づく方向に移動を開始してから前記除去手段が駆動を開始するまでの間に前記芯線と前記一対の皮剥き刃との間に電圧が印加されたか否かを判定する制御部と、
を有していることを特徴とする電線皮剥き装置。
【請求項2】
前記被覆電線を互いの間に挟み該被覆電線を切断する一対の切断刃をさらに有し、
前記導通検出部が、前記被覆電線の芯線と前記一対の切断刃との間に電圧を印加させ、これら芯線と一対の切断刃との間に電圧が印加されたことを検出し、
前記制御部が、前記被覆電線の切断時に前記芯線と前記一対の切断刃との間に電圧が印加されたか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の電線皮剥き装置。
【請求項3】
前記制御部が、前記除去手段が駆動を開始してから停止するまでの間に前記芯線と前記一対の皮剥き刃との間に電圧が印加されたか否かを判定するとともに、前記芯線と前記一対の皮剥き刃との間に電圧が印加された回数が規定の回数を越えたか否かを判定し、規定の回数を超えた場合に警告を出力する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電線皮剥き装置。
【請求項4】
前記制御部が、前記除去手段が駆動を開始してから停止するまでの間に前記芯線と前記一対の皮剥き刃との間に電圧が印加されたか否かを判定するとともに、前記芯線と前記一対の皮剥き刃との間に電圧が印加された総時間が規定の時間を越えたか否かを判定し、規定の時間を超えた場合に警告を出力する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電線皮剥き装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−295209(P2008−295209A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138177(P2007−138177)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】