説明

電線被覆剥離装置

【課題】
従来と比較して、切込みを設けるのに必要な時間を短縮しつつ、様々な種類の電線に対応可能な電線被覆剥離装置を提供する電線被覆剥離装置を提供すること。
【解決手段】
電線2の被覆部分2aに切込みを設ける切刃1と、当該切刃1を移動させる移動手段とを備える電線被覆剥離装置10であって、前記切刃1は、円形状をしており、前記切刃1は、前記電線2の被覆部分2aに切込まれつつ、前記電線2の外周を周回するように前記移動手段によって移動させられ、さらに、前記切刃1の前記被覆部分2aへの接触点B1が移動させられながら、前記電線2の被覆部分2aに切込みNが設けられていくこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、電線先端の被覆部分を剥離するための電線被覆剥離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電線には、様々な種類のものがあり、例えば、図7に示すような電線52がある。この電線52は、三層構造になっており、中心には金属製の芯線52c、その芯線52cを包むように絶縁層52b、さらにその絶縁層52bを包み込むように保護層52aが設けられている。そして、電線52を各種電気機器等に接続するために用いる際には、電線52の先端に接続端子等を取り付けるので、先端側の絶縁層52b及び保護層52aを剥離する必要がある。なお、この剥離する部分である保護層52a及び絶縁層52bを被覆部分と呼ぶ。
【0003】
そこで、従来から、この被覆部分を剥離する装置として、図7に示す電線被覆剥離装置60が用いられてきた。この電線被覆剥離装置60は、電線52の中心Oに向けて対称に配置された矩形形状の切刃51を備えており、切刃51は電線52をその上下から挟み込んでいる。そして、その状態のまま、切刃51は、電線52の中心Oを回転軸として電線52の周囲を回転しながら、被覆部分へ徐々に切込んでいく。次に、切刃51は、芯線52cの手前まで切込んだら、その状態のまま保護層52a及び絶縁層52bを引き抜いて剥離する。
【0004】
ことろが、上述したように電線被覆剥離装置60では、図7に示すように、切刃51が電線52の周囲を回転しながら、被覆部分へ徐々に切込んでいくため、切込みを設けるのに時間がかかるものであった。なお、切込みを設けるとは、切刃による切込みが芯線の手前まで到達し、被覆部分を分断することをいう。
【0005】
また、この電線被覆剥離装置60は、単純に、切刃51が電線52の中心Oを回転軸として電線52の周囲を回転しながら徐々に切込んでいくものであり、それによって、芯線52cの周囲の被覆部分に、切込みを設けることが可能なものである。そして、それが可能なのは、電線被覆剥離装置60が、保護層52a、絶縁層52及びb芯線52cが中心Oから同心円状に広がる電線52を、主な作業対象としているからである。
【0006】
そのため、図6の(a)に示す、絶縁層32b及び芯線32cが、中心Oからずれている電線32や、図6の(b)に示す、芯線42cが2つある電線42といった、芯線及び被覆部分がその中心から同心円状に広がらない電線の場合には、電線被覆剥離装置60により剥離できるまで切込みを設けようとすると、芯線に傷が付き、被覆部分に切込みを設けることができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本願発明は、従来と比較して、切込みを設けるのに必要な時間を短縮し、尚且つ、様々な種類の電線であっても切込みを設けることができる電線被覆剥離装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本願発明の電線被覆剥離装置は、電線の被覆部分に切込みを設ける切刃と、当該切刃を移動させる移動手段とを備える電線被覆剥離装置であって、前記切刃は、円形状をしており、前記切刃は、前記電線の被覆部分に切込まれつつ、前記電線の外周を周回するように前記移動手段によって移動させられ、さらに、前記切刃の前記被覆部分への接触点が移動させられながら、前記電線の被覆部分に切込みが設けられていくことを特徴としている。
【0009】
上記特徴よれば、円形状をした切刃は、電線の被覆部分に切込まれつつ、前記電線の外周を周回するように移動手段によって移動させられ、さらに、前記切刃の前記被覆部分への接触点が移動させられるものであるから、図1及び図8で後述するように、切削速度は、従来の電線被覆剥離装置60の切削速度よりも速くなる。その結果、切削量が増え、切込みを設けるのに必要な時間を短縮することが出来るのである。なお、図1及び図2で後述しているが、切刃の被覆部分への接触点の移動は、切刃が回転する場合及び回転しない場合の両方の場合に含まれる。
【0010】
さらに、上記特徴よれば、切刃が電線の外周を周回するように移動手段によって移動させられるものであるため、例えば、図6(a)及び(b)で示す電線のように様々な種類の電線であっても、芯線を傷つけることなく、被覆部分に切込みを設けることができるのである。
【0011】
次に、本願発明の電線被覆剥離装置は、切刃を回転させる回転手段を備えたことを特徴としている。
【0012】
上記特徴によれば、切刃自体を任意の方向へ任意の回転数で回転させることで、図2で後述するように、切削速度をさらに早くして切込みを設けるのに必要な時間をより短縮することや、切削速度を下げて刃先の磨耗を抑制することが出来る。
【発明の効果】
【0013】
上述したように、従来の電線被覆剥離装置60では、その中心から同心円状に被覆部分が広がる電線を作業対象と想定しており、その想定下では、電線の中心を回転軸として切刃を回転させれば、十分に被覆部分へ切込みを設けることが出来るものであった。
【0014】
そのため、従来の電線被覆剥離装置と比較して、切込みを設けるのに必要な時間を短縮すると共に、さらに、様々な種類の電線に対しても被覆部分に切込みを設けるという試みはなされていなかった。
【0015】
そのことに鑑みると、本願発明は、従来の電線被覆剥離装置と比較して、切込みを設けるのに必要な時間を短縮できると共に、尚且つ、様々な種類の電線に切込みを設けることができるという、従来にない優れた効果を発揮するのである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本願発明の電線被覆剥離装置の切刃の動作の基本概念を示した簡略図である。
【図2】本願発明の電線被覆剥離装置の他例における、切刃の動作の基本概念を示した簡略図である。
【図3】本願発明の電線被覆剥離装置が電線に切込みを設ける際に、切刃が移動する軌道を示している。
【図4】(a)は、本願発明の電線被覆剥離装置によって設けられた切込みに、引抜き刃を差込み、被覆部分を引き抜く様子を示している。(b)は、被覆部分が引き抜かれた電線を示している。
【図5】(a)は、本願発明の電線被覆剥離装置の全体を示した正面図である。(b)は、平面図である。
【図6】(a)及び(b)は、様々な種類の電線に、本願発明の電線被覆剥離装置が切り込みを設ける様子を示している。
【図7】本願発明の背景技術の一例の電線被覆剥離装置を示している。
【図8】本願発明の背景技術の一例の電線被覆剥離装置であって、その切刃の動作の基本概念を示した簡略図である。
【符号の説明】
【0017】
1 切刃
2 電線
10 電線被覆剥離装置
24a、b 移動手段
24c 回転手段
23 引抜き刃
L 軌道
B1 接触点
N 切込み

【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本願発明の電線被覆剥離装置10(図1を参照)の切込みを設けるのに必要な時間が、従来の電線被覆剥離装置60と比較して短縮されることについて説明する。
【0019】
まず、比較対象である従来の電線被覆剥離装置60の切削速度V1を導出するために、図8に示すように、電線62の中心Oを回転軸として、時間tの間に切刃61aが矢印の方向へ角度θだけ回転する場合を考える。
【0020】
切刃61aの回転開始時において、電線62の被覆部分62a上の切込み開始位置は、被覆部分62aの外周上の位置A1となる。また、切刃61aの被覆部分62aへの接触点はB1となっている。そして、切刃61aが回転して切刃61bとなると、被覆部分62a上の切込み位置は、A1からA1´まで進むことになる。
【0021】
一方、回転後の切刃61bの被覆部分62aへの接触点は、B1のままで移動していない。つまり、切刃61は、電線62の中心Oを回転軸として回転しているため、接触点は、B1の位置のままで、切刃61上を移動することがないのである。
【0022】
以上より、切削速度V1は、
距離A1A1´= rθ より、
切削速度V1 = rθ/t
となる。 ただし、rは電線62の半径である。
【0023】
次に、図1では、本願発明の電線被覆剥離装置10の切削速度V2を導出する。なお、円形状の切刃1は回転しないように回転制動手段により停止させられている。この切刃1は、被覆部分2aに切り込まれつつ、電線2の外周を周回するように移動させられるので、その移動する軌跡は円軌道Lとなる。そして、切刃1は、この円軌道L上を、時間tの間に矢印の方向(反時計回り)へ、角度θだけ移動する。
【0024】
切刃1aの移動開始時において、被覆部分2a上の切込み開始位置は、被覆部分2aの外周上の位置A1となる。また、切刃1aの被覆部分2aへの接触点はB1となっている。そして、切刃1aが移動すると、被覆部分2a上の切込み位置は、A1´まで進むことになる。
【0025】
一方、切刃1の被覆部分2aへの接触点は、移動前の切刃1aではB1であるが、移動後の切刃1bでは、B1´となっている。つまり、切刃1の被覆部分2aへの接触点は、切刃1が移動するとともに、切刃1の円周上をB1からB1´に向けて、移動していくのである(図1では下方向に向けて)。したがって、切刃1の被覆部分2aへの接触点が移動させられながら、電線2の被覆部分2aに切込みが設けられていくことになる。なお、切刃1は回転せず停止しているので、切刃1aの上方の頂点Tは、移動後の切刃1bにおいても、移動していないことがわかる。
【0026】
以上より、切削速度V2は、
距離A1A1´= rθ
距離B1B1´= r´θ より、
切削速度V2 = (A1A1´+ B1B1´)/t
= rθ/t + r´θ/t
となる。 ただし、r´は切刃1の半径である。
したがって、本願発明の電線被覆剥離装置10の切削速度V2は、従来の電線被覆剥離装置60の切削速度V1より速いことが明らかである。そのため、切削速度が速くなり切削量が増える結果、電線の被覆部分に切込みを設けるのに必要な時間が短縮されることになる。
【0027】
次に、図2では、本願発明の電線被覆剥離装置20の切刃11が、回転手段により回転させられる場合の切削速度V3を導出する。この切刃11は、時間tの間に角度αだけ時計回りに回転(自転)しており、これ以外の動作は、図1の電線被覆剥離装置10と同じである。電線被覆剥離装置20では、切刃11上の被覆部分12aへの接触点は、図1の場合と比較して、切刃11の回転分だけ、つまりr´αだけ余計に移動する。そのため、図2の切刃11b上の接触点が移動した距離B1B1´は、図1の切刃1b上の接触点が移動した距離B1B1´より大きくなっている。また、このように切刃11が回転させられる場合も、図1と同様に、切刃11の被覆部分12aへの接触点が移動させられながら、電線12の被覆部分12aに切込みが設けられていくことになる。
【0028】
以上より、切削速度V3は、
距離A1A1´= rθ
距離B1B1´= r´|θ+α|より、
切削速度V3= (A1A1´+ B1B1´)/t
= rθ/t + r´|θ+α|/t
となる。
【0029】
したがって、切刃11を回転させることで、切削速度V3は、切削速度V2より更に速くなることが分かる。そのため、電線の被覆部分に切込みを設けるのに必要な時間がより短縮されることになる。
【0030】
なお、図2では、時計回りに切刃11を回転させているが、勿論、反時計回りに切刃11を回転させることもできる。その場合は、αは、時計回りの回転角を正とするので、反時計回りにθ角以上回転すると、計算上では距離B1B1´は負になってしまう。そのため、距離B1B1´の値は絶対値をとっている。そして、反時計回りに切刃11を回転させる場合は、θ<|θ+α|の条件を満たす範囲内で角度αを与えれば、切削速度V3は切削速度V2より速くなる。
【0031】
また、切刃11の回転方向を反時計回りとする場合に、切削速度V3を切削速度V2より小さくなるように切刃11を回転させれば(角度αを与えれば)、切刃11の刃先の磨耗を抑制し、切刃の寿命を延ばすことができる。ただし、V2>V3より、θ>|θ+α|の条件を満たすことが必要である。
【0032】
さらに、切刃11が反時計回りに回転する場合に、切刃11が被覆部分12a上を転がり接触しながら切込んでいくようにすれば、切刃11の刃先の磨耗が最も小さくなり、切断抵抗も最も小さくなる。具体的には、時刻tの間に切刃11が被覆部分12a上を移動する距離A1A1´と、時刻tの間に切刃11b上の接触点が移動した距離B1B1´が等しくなればよいので、rθ=r´|θ+α|の条件を満たすことが必要となる。このように、回転手段を用いることで、任意の回転方向へ任意の回転数で切刃11を回転させることができ、適宜必要に応じて、最適な切削作業が可能となる。
【0033】
次に、図3では、本願発明の電線被覆剥離装置30が電線22に切込みを設ける際、切刃21の移動する軌道の一例について説明する。図3には、円軌道L1と電線22の周囲を周回する円軌道L2とがあり、互いに接点Sで接触している。切刃21は、円軌道L1上を移動し、位置P1から位置P2へと電線22へ近づくように移動する。そして、切刃21は、位置P2に到達すると、円軌道L2へと軌道を変更し、そのまま位置P3、P4へと移動していく。このように、切刃21は、円軌道L1及びL2上を移動してくため、被覆部分の保護層22a及び絶縁層22bへ滑らかに切込んでいくことができる。そして、切刃21は、再びP2の位置に到達すると、円軌道L1へと軌道を変更し位置P5へと移動していく。
【0034】
なお、この円軌道L1及びL2は、XY座標値によって与えられており、適宜、各座標の数値を調節すれば、電線の種類に応じた軌道を容易に作り出すことができる。
【0035】
次に、図4の(a)では、切刃21により電線22の被覆部分に切込みNが設けられた後に(図3参照)、その被覆部分を引き抜く様子を示している。引抜き刃23は、電線22の切込みNの上下から、当該切込みNに差込まれ、その差込まれた状態のまま、電線22の先端側に向けて移動させられる。そうすると、図4(b)に示すように、被覆部分(保護層22a及び絶縁層22b)のみが引き抜かれ、電線22の先端側には、芯線22cのみが残ることになる。
【0036】
次に、図5では、本願発明の電線被覆剥離装置30の全体の構成について説明する。この電線被覆剥離装置30は、大別すると、切刃21を駆動する切刃駆動部27、電線22を固定する固定部26、引抜き刃23を駆動する引抜き刃駆動部28からなる。
【0037】
まず、固定部26であるが、電線22を挿入し固定する固定孔26aを有している。電線22の先端側を固定孔26aによって固定すると、図5の(b)のように、電線22の先端が電線被覆剥離装置30の内側に向けて突き出ている。そして、電線被覆剥離装置30は、この状態で電線22の先端側に切刃21によって切込みを設け、その後、被覆部分のみを引抜き刃23で引き抜く作業を行っていく。
【0038】
次に、切刃駆動部27は、切刃21を電線22の外周を周回するように移動させるための移動手段として、X、Y軸それぞれの座標を制御するモータ24b及び24aを備えている。具体的には、モータ24aの回転運動をボールねじによって直線運動に変換し、切刃21を支持している支持部材25aをY方向へ移動させることで、切刃21のY座標が制御される。同様に、モータ24bの回転運動をボールねじによって直線運動に変換し、支持部材25bをX方向へ移動させることで、切刃21のX座標が制御される。なお、モータとボールねじからなる機構を用いているが、X及びY方向の位置を制御できるものであれば、勿論、他の機構を用いることができる。
【0039】
このように、切刃21のX及びY座標をモータ24b及び24aによって、制御しているので、図3に示すような円軌道L1、L2を描くことができる。また、支持部材25aには、切刃21を回転させる回転手段としてモータ24cが、切刃21を回転させないようにする回転制動手段としてブレーキ24dが内蔵されている。なお、回転手段であるモータ24cは任意に取り付けるもので、切刃21を回転させない場合は、備える必要がない。そして、モータ24cは、その回転軸24eに切刃21が連結されているので、切刃21を回転させることができる。また、ブレーキ24dは、回転軸24eを固定することで切刃21を回転させないようにすることが出来る。
【0040】
次に、引抜き刃駆動部28は、X及びZ方向に移動可能な移動部23cと、電線22の上下から切込みNに向けて引抜き刃23を差し込むための駆動部23aとを備えている。まず、切刃21により電線22の先端側に切込みNが設けられた後、移動部23cによって、引抜き刃23は、切込みNの上下に位置するように−X方向へ移動させられる。その後、引抜き刃23は、駆動部23aによって切込みNに差込まれ、その状態のまま、移動部23cによってZ方向に移動させられる。そうすると、被覆部分のみが引き抜かれ、電線22の先端側には、芯線のみが残ることになる。
【0041】
次に、図6では、様々な種類の電線に切込みを設けている様子を示している。まず、図6(a)の電線32は、絶縁層32b及び芯線32cが電線32の中心Oからずれている。従来の電線被覆剥離装置60のように、電線32の中心Oを回転軸として切刃を回転させて剥離できるまで切込んでいくと、芯線32cに傷が付き、被覆部分に切込みを設けることが出来ないという問題がある。
【0042】
しかし、本願発明の電線被覆剥離装置40であれば、切刃31が電線32の外周を周回するように軌道L3上を移動するため、上記問題は起こらない。また、電線32の中心Oの左側と右側では、被覆部分(保護層32a及び絶縁層32b)の厚みが異なっている。よって、被覆部分の厚い電線32の左側に切刃31が位置するときには、回転手段によって切刃31の回転数を上げることで、切削速度を早くして切削量を増やすことが出来る。また、被覆部分の場所によって被覆材質の硬さが異なる電線では、例えば、硬い被覆材質の箇所に切刃が位置するときに、回転手段により切刃の回転数を上げて切削速度を速くし切削能率を上げることや、反対に、回転数を下げて刃先の磨耗を抑制することも可能であり、適宜用途に合わせて、最適な回転数に調節することが出来る。
【0043】
次に、図6(b)では、芯線が2つある電線42を示している。この電線42に対して、従来の電線被覆剥離装置60が剥離できるまで切込んでいくと、芯線42cに傷が付き、被覆部分(保護層42a及び絶縁層42b)に切込みを設けることができない。しかし、本願発明の電線被覆剥離装置50であれば、切刃41が電線42の外周を周回するように軌道L4上を移動するため、被覆部分に切込みを設けることが可能である。
【0044】
なお、本願発明の電線被覆剥離装置は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。また、本願発明の電線被覆剥離装置の上記説明では、三層構造の電線を用いているが、本願発明の電線被覆剥離装置は、一般的によく用いられる二層構造の電線や、特殊ではあるが三層構造以上の電線にも、当然適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の被覆部分に切込みを設ける切刃と、
当該切刃を移動させる移動手段とを備える電線被覆剥離装置であって、
前記切刃は、円形状をしており、
前記切刃は、前記電線の被覆部分に切込まれつつ、前記電線の外周を周回するように前記移動手段によって移動させられ、
さらに、前記切刃の前記被覆部分への接触点が移動させられながら、前記電線の被覆部分に切込みが設けられていくことを特徴とする電線被覆剥離装置。
【請求項2】
切刃を回転させる回転手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電線被覆剥離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−231629(P2012−231629A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99152(P2011−99152)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(592143758)アサヒ精機株式会社 (11)
【Fターム(参考)】