説明

電装基板および画像形成装置

【課題】無理な力が加わることなく装置本体から容易に取り出すことができ、装置本体との接触性を向上させて電磁波のシールド効果の減少を防止する。
【解決手段】装置本体に対して脱着可能に実装される電装基板において、第1端部と第1端部と平行な第2端部とを有する板状に形成され、電装部品が配置された基板本体11と、第1端部に設けられ、装置本体のコネクタ14と電気的に接続可能なコネクタ15と、第1面と第1面の裏面側である第2面とを有し、第2面側で第2端部に沿って設けられ、コネクタ15をコネクタ14に接続した状態で装置本体の電装基板の挿入孔を第1面で塞ぐパネル12と、第1面に設けられ、コネクタ15をコネクタ14から取り外すために利用者が把持可能な取っ手21と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体に対して脱着可能に実装する電装基板、および該電装基板を備えたファクシミリ、プリンタ、複写機、並びにこれらの機能を備えたデジタル複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ、プリンタ、複写機等の画像形成装置において、本体電装基板やオプション用電装基板を装置本体に着脱可能に取り付けることが広く実施されている。例えば特許文献1には、装置本体に設けられた収納部に対し脱着自在に電装基板実装部を設け、この電装基板実装部を収納部に固定することが開示されている。また、特許文献2には、筐体内にガイドレールを設け、このガイドレールに沿って電装基板を挿入することが開示されている。
【0003】
図16及び図17は従来の電装基板の装着の一例を示す図である。これらの図において、メインコントローラの基板本体11は、一端に挿入口を塞ぐパネル12が設けられ、挿入方向に対して先端となる他端には、本体制御基板13に設けられたコネクタ14に接続されるコネクタ15が設けられている。基板本体11の挿入方向に平行する両側部は、装置本体に設けられた一対のガイドレール16によって支持されている。基板本体11を装着する場合は、基板本体11の挿入方向に平行する両側部をガイドレール16の凹部に差し込み、パネル12を押し込むようにする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来では前記電装基板を取り外す際には、図16及び図17から分かるように特に取り外し用の部材が設けられていないことから、端面部の板金であるパネルを直接手で引き出すという方法がとられていた。しかしながら、このようにパネルを直接引き出すと、パネルの歪みや基板本体の反りなどが生じ、パネルと基板本体を保持する筐体との接触性が悪くなることがあった。また、パネルは、電装基板から生じる電磁波を筐体外部に漏洩することを防止するシールド効果を有している。しかし、パネルと筐体との接触性が悪いと、装置本体とパネルとの間に隙間が生じるため、電装基板から生じた電磁波が、この隙間から筐体外部に漏れてしまい、パネルによる電磁波のシールド効果が減少する。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、無理な力が加わることなく装置本体から容易に取り出すことができ、遮蔽部材と装置本体との接触性を向上させることで電磁波のシールド効果の減少を防止する電装基板および画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、装置本体に対して脱着可能に実装される電装基板において、第1端部と前記第1端部と平行な第2端部とを有する板状に形成され、電装部品が配置された基板本体と、前記第1端部に設けられ、前記装置本体の被接続部と電気的に接続可能な第1接続部と、第1面と前記第1面の裏面側である第2面とを有し、前記第2面側で前記第2端部に沿って設けられ、前記第1接続部を前記被接続部に接続した状態で前記装置本体の前記電装基板の挿入孔を前記第1面で塞ぐ遮蔽部材と、前記第1面に設けられ、前記第1接続部を前記被接続部から取り外すために利用者が把持可能な取手部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、電装基板を脱着可能に実装する画像形成装置において、前記電装基板は、装置本体に対して脱着可能に実装される電装基板において、第1端部と前記第1端部と平行な第2端部とを有する板状に形成され、電装部品が配置された基板本体と、前記第1端部に設けられ、前記装置本体の被接続部と電気的に接続可能な第1接続部と、第1面と前記第1面の裏面側である第2面とを有し、前記第2面側で前記第2端部に沿って設けられ、前記第1接続部を前記被接続部に接続した状態で前記装置本体の前記電装基板の挿入孔を前記第1面で塞ぐ遮蔽部材と、前記第1面に設けられ、前記第1接続部を前記被接続部から取り外すために利用者が把持可能な取手部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板本体の端部に沿って設けられている遮蔽部材に利用者が把持可能な取手部が設けられているので、無理な力が加わることなく装置本体から電装基板を容易に取り出すことができ、電装基板の遮蔽部材と装置本体との接触性を向上させることで電磁波のシールド効果の減少を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態にかかる電装基板を本体制御基板から引き離した状態を示す要部斜視図である。
【図2】第1の実施形態にかかる電装基板を示す正面図である。
【図3】第2の実施形態にかかる電装基板を本体制御基板から引き離した状態を示す要部斜視図である。
【図4】第2の実施形態にかかる電装基板を示す正面図である。
【図5】第3の実施形態にかかる電装基板が装着された画像形成装置を示す斜視図である。
【図6】第3の実施形態にかかる電装基板におけるパネル部分の拡大図である。
【図7】第4の実施形態にかかる電装基板が装着された画像形成装置を示す斜視図である。
【図8】第4の実施形態にかかる電装基板の拡大図である。
【図9】第5の実施形態にかかる電装基板を本体制御基板に装着した状態を示す斜視図である。
【図10】第5の実施形態にかかる電装基板の正面図である。
【図11】第6の実施形態にかかる電装基板を本体制御基板に装着した状態を示す斜視図である。
【図12】第6の実施形態にかかる電装基板の正面図である。
【図13】第7の実施形態にかかる電装基板を本体制御基板とともに示す斜視図である。
【図14】第8の実施形態にかかる電装基板を示す斜視図である。
【図15】第9の実施形態にかかる電装基板を示す斜視図である。
【図16】従来の電装基板を装着する場合の一例を示す要部斜視図である。
【図17】従来の電装基板を取り外す場合の一例を示す要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明にかかる電装基板および画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、上述した従来技術と実質的に同一な構成要素には同一参照番号を付して、重複する説明は省略する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1及び図2は本発明の第1の実施形態を示す図である。図1は、第1の実施形態にかかる電装基板を本体制御基板から引き離した状態を示す要部斜視図である。また、図2は、第1の実施形態にかかる電装基板を示す正面図である。
【0012】
図1、2に示すように、本実施形態にかかる電装基板は、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12と、取っ手21とが主に備えられている。
【0013】
基板本体11は、略長方形の板状の部材で形成されており、CPU、メモリ、HDD等の電装部品が配置されるものである。この基板本体11の長方形を形成する4辺である端部のうち、端部11aにコネクタ15が設けられ、この端部11aと平行な辺である端部11bにパネル12が設けられている。
【0014】
コネクタ15は、基板本体11の端部11aに設けられ、装置本体(画像形成装置の本体)のコネクタ14と嵌合することにより電気的に接続可能となっている。
【0015】
パネル12は、面12aと面12aの裏面側である面12bとを有する略長方形の板状の部材で形成されている。このパネル12は、面12b側で基板本体11の端部11bに沿って設けられている。電装基板を画像形成装置の挿入孔から装置本体内部に挿入し、コネクタ15をコネクタ14に接続した状態において、パネル12は、その面12aで挿入孔を塞ぎ、これにより、電装基板から生じる電磁波のシールド効果が得られる。
【0016】
取っ手21は、パネル12の面12aに設けられ、コネクタ15をコネクタ14から取り外すために利用者が把持することが可能となっている。また、取っ手21は、パネル12に対して折りたたみ可能なリング状の針金で形成され、電装基板の装着方向に直交する方向に間隔をおいて2つ設けられている。また、取っ手21は、コネクタ15の基板本体11に対する設置位置と略同一レベルで、パネル12の面12aに設置されている。
【0017】
このように、この第1の実施形態においては、コネクタ15の接続方向に直交する面と平行な、すなわちコネクタ15と同一面のパネル12に取っ手21が設けられている。これにより、基板本体11を引き出すときは、図1における左側のリング状の取っ手21のように水平に立ち上げて、立ち上げた部分に指を掛けて操作することができる。
【0018】
また、装着時は図1における右側のリング状の取っ手21のように折りたたんでおけばよい。これにより、基板本体11を装置本体(図示しない)に装着された状態から引き出すときに、コネクタ15の挿抜方向と同一の方向に引き抜く力が加わり、電装基板の取り外しが容易となり、かつ未使用時は折りたたむことができるので、不使用時に邪魔になることはない。
【0019】
(第2の実施形態)
図3及び図4は本発明の第2の実施形態を示す図である。図3は、第2の実施形態にかかる電装基板を本体制御基板から引き離した状態を示す要部斜視図である。また、図4は、第2の実施形態にかかる電装基板を示す正面図である。
【0020】
図3、4に示すように、本実施形態にかかる電装基板は、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12と、取っ手31とが主に備えられている。ここで、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0021】
取っ手31は、第1の実施形態におけるリング状の取っ手21に代えて、パネル12から突出した棒状部材で形成されている。そして、取っ手31の外周面には滑り止め用のスリット32が形成されている。また、取っ手31は、コネクタ15の基板本体11に対する設置位置と略同一レベルで、パネル12の面12aに設置されている。
【0022】
このように取っ手31が棒状であることから、利用者が取っ手31を把持しやすく、把持する力を入れ易い。また、取っ手31にスリット32を設けたことで、電装基板の取り外し時のグリップ力を確保し、さらに握り易くしている。
【0023】
(第3の実施形態)
図5及び図6は本発明の第3の実施形態を示す図である。図5は、第3の実施形態にかかる電装基板が装着された画像形成装置を示す斜視図である。また、図6は、第3の実施形態にかかる電装基板におけるパネル部分の拡大図である。
【0024】
図5、6に示すように、本実施形態にかかる電装基板は、基板本体11と、コネクタ15(不図示)と、パネル12と、取っ手41とが主に備えられている。そして、電装基板には、I/Fケーブル43がコネクタ44を介して接続されている。ここで、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。また、パネル12は、画像形成装置42に挿入された場合、図6に示すように、画像形成装置42の側面より内側、すなわち、本体の内部側に納まるようにもうけられている。
【0025】
I/Fケーブル43は、画像形成装置42の本体と外部装置との間で電気信号の送受信を担う伝送路となるものである。
【0026】
コネクタ44は、パネル12の面12aに設けられ、I/Fケーブル43の端子が差し込まれることで、画像形成装置42の本体と外部装置とを電気的に接続するものである。
【0027】
取っ手41は、第2の実施形態における棒状の取っ手31に代えて、当該棒状の取っ手31よりもサイズを大きくした棒状の取っ手である。
【0028】
ここで、本実施の形態では、電装基板は、鉛直状態で装置本体に挿入されるため、I/Fケーブル43の端子をコネクタ44に接続すると、図6に示すように、I/Fケーブル43はコネクタ44から略水平に突き出るが、重力により次第に鉛直方向に延在していき、この結果、略水平部分と略鉛直部分との間に湾曲形状の湾曲部分が形成されることになる。
【0029】
このとき、取っ手41の突出長さ、すなわちパネル12の面12aから、取っ手41のパネル12側と反対側の端部までの距離を、長さL1とする。また、パネル12の面12aにおけるコネクタ44が設けられた位置から、コネクタ44におけるI/Fケーブル43の端子を挿入する挿入面44aの位置までの距離を、長さH1とする。さらに、コネクタ44におけるI/Fケーブル43の挿入面44aから、I/Fケーブル43の上記湾曲部分の挿入面の最長の距離を、長さH2とする。また、画像形成装置42において電装基板が着脱される側の側面から、取っ手41におけるパネル12との接着側と反対側の端部までの距離を、長さL2とする。
【0030】
このとき、本実施の形態では、取っ手41の突出長さL1は、長さH1と長さH2との和より、長く形成されており、次式の関係が成立する。L1>H1+H2。また、画像形成装置42の側面から取っ手41の端部までの長さL2は、I/Fケーブル43の直径より長く形成されている。
【0031】
このように棒状の取っ手41の突出長さL1を上述のような長さで形成すると、取っ手41が画像形成装置42の本体から大きくはみ出ることになり、棒状の取っ手41により、装置本体と壁などの間に隙間を生成して、I/Fケーブル43のような各種ケーブルが装置本体と壁に挟み込まれることを防止することができる。また、本実施形態においても第2の実施形態と同様に棒状の取っ手41の外周面に滑り止めのスリット32を入れて構成してもよい。
【0032】
(第4の実施形態)
図7及び図8は本発明の第4の実施形態を示す図である。図7は、第4の実施形態にかかる電装基板が装着された画像形成装置を示す斜視図である。また、図8は、第4の実施形態にかかる電装基板の拡大図である。
【0033】
図7、8に示すように、本実施形態にかかる電装基板は、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12と、取っ手51と、HDD(Hard Disk Drive)52とが主に備えられている。そして、電装基板は、それ自身を鉛直状態、すなわち、電装部品を配置した面である部品配置面を鉛直状態にして、画像形成装置42に装着される。ここで、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0034】
取っ手51は、パネル12の面12aから突出し、指が掛かるよう折り曲げた板金で作った板状部材で形成されている。また、取っ手51は、コネクタ15の基板本体11に対する設置位置と略同一レベルで、パネル12の面12aに設置されている。なお、取っ手51のパネル12からの突出長さを、第3の実施の形態と同様に、長さH1と長さH2との和(H1+H2)より、長くして形成してもよい。この場合、第3の実施の形態と同様、各種ケーブルが装置本体と壁に挟みこまれることを防止できる。
【0035】
HDD52は、重量物であることから、図8に示すように、基板本体11の部品配置面を鉛直状態にした場合、基板本体11の上辺および下辺に対する中心線Aより下方に配置して取り付けられている。このように、脱着可能な部分にHDD52のような重量物がある場合、重量物を下方に配置することでバランスを保ち電装基板の脱着作業が容易となる。
【0036】
なお、HDD52の大きさと基板本体11との相対的な大きさの関係にHDD52の中心線Aよりも下方にHDD52を位置させることができない場合には、HDD52の重心位置が前記中心線Aよりも下方に位置するように前記HDD52を配置する。また、本実施形態では、HDD52を重量物としているが、これに限定されることなく、フロッピー(登録商標)ディスクのような重量のある制御装置に関しても同様である。
【0037】
(第5の実施形態)
図9及び図10は本発明の第5の実施形態を示す図である。図9は、第5の実施形態にかかる電装基板を本体制御基板に装着した状態を示す斜視図である。また、図10は、第5の実施形態にかかる電装基板の正面図である。
【0038】
図9、10に示すように、本実施形態にかかる電装基板は、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12と、取っ手51と、HDD52とが主に備えられている。そして、電装基板は、それ自身を鉛直状態、すなわち電装部品を配置した面である部品配置面を鉛直状態にして、画像形成装置42に装着されている。ここで、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。また、HDD52については、第4の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0039】
取っ手51は、第4の実施形態と同様に、板状部材で形成されてパネル12に設けられているとともに、基板本体11の重心P近く、図9においては基板本体11の中心線下側に設けられている。すなわち、取っ手51は、電装基板が装置本体に装着された状態におけるパネル12の下辺から中心までの距離が、パネル12の下辺から基板本体11の重心位置までの距離と略同一になる位置に設けられている。
【0040】
このように、板状の取っ手51の位置を基板本体11の重心P近くに設けることにより、装着された状態から引き出した後の基板本体11のバランスが保持され、取り外し作業が容易となる。
【0041】
(第6の実施形態)
図11及び図12は本発明の第6の実施形態を示す図である。図11は、第6の実施形態にかかる電装基板を本体制御基板に装着した状態を示す斜視図である。また、図12は、第6の実施形態にかかる電装基板の正面図である。
【0042】
図11、12に示すように、本実施形態にかかる電装基板は、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12と、取っ手51と、HDD52とが主に備えられている。そして、電装基板は、それ自身を鉛直状態、すなわち電装部品を配置した面である部品配置面を鉛直状態にして、画像形成装置42に装着されている。ここで、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。また、HDD52については、第4の実施形態と同様であるため説明を省略する。また、取っ手51は、第4の実施形態と同様に、板状部材で形成されてパネル12に設けられている。
【0043】
この第6の実施形態では、板状の取っ手51とコネクタ14、15は、取っ手51の中心点とコネクタ14、15の中心点Qとを結ぶ直線L上近傍に、基板本体11の重心Pが位置するように設けられている。もしも取っ手51の高さがコネクタ14、15の下端又は上端と同じ高さであると、コネクタ14、15の下端又は上端の方にのみ力が加わり、コネクタ14、15が上方又は下方に歪むなどして確実に結合できない虞がある。しかしながら、この第6の実施形態のように構成することにより、コネクタ14、15に均一の力が加わるので、コネクタの結合及び取り外しを確実に行うことができ、取り外し作業も容易となる。
【0044】
(第7の実施形態)
図13は、第7の実施形態にかかる電装基板を本体制御基板とともに示す斜視図である。図13に示すように、電装基板は、それ自身を鉛直状態、すなわち電装部品を配置した面である部品配置面を鉛直状態にして、画像形成装置42に装着されている。
【0045】
図13に示すように、本実施形態にかかる電装基板は、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12と、取っ手51と、HDD52と、支持板61とが主に備えられている。そして、電装基板は、電装部品を配置した面である部品配置面を鉛直状態にして、画像形成装置42に装着されている。ここで、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。また、HDD52、取っ手51については、第6の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0046】
支持板61は、板状で形成されており、取っ手51とHDD52とを一体的に固定して一体化させている。このように重量物であるHDD52と取っ手51とを支持板61で一体化させることにより、強度を上げ、取り外し時における電装基板の歪みや変形を防ぐことができる。
【0047】
なお、図示していないが、指が掛かるように折り曲げた板金で構成した板状の取っ手51の場合、板状の取っ手51を大きくし、メモリカード増設用のスロットのカバーと兼用することも可能である。
【0048】
(第8の実施形態)
図14は、第8の実施形態にかかる電装基板を示す斜視図である。図14に示すように、本実施形態にかかる電装基板は、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12と、取っ手61と、カバー部17とが主に備えられている。ここで、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0049】
カバー部17は、基板本体11とパネル12とに接着され、基板本体11とパネル12とともに、基板本体11を底面としパネル12を側面の一つとする直方体を形成し、該直方体の内部にコネクタ15を納めたものである。
【0050】
取っ手61は、パネル12から突出した棒状部材で形成されており、電装基板が装置本体に装着された状態におけるパネル12の下辺からの距離が、パネル12の下辺から上記直方体の重心位置までの距離と略同一になる位置に設けられている。すなわち、本実施の形態では、取っ手61は、パネル12の面12aに対して、上記直方体の重心位置の高さ位置に設けられている。
【0051】
このように、カバー部17を設けることで、電装基板からのノイズの放射を防ぐ効果を有する。また、カバー部17の重量を考慮して直方体全体の重心位置の高さに取っ手61を設けることで、基板本体11のバランスが保持され、取り外し作業が容易となる。
【0052】
また、取っ手61は、パネル12に対して移動可能に設けるよう構成してもよい。この場合、異なる重量のカバー部17を設けたり、基板本体11の電装部品を増減させた場合でも、常に上記直方体の重心位置の高さに取っ手61を設けることができる。
【0053】
(第9の実施形態)
図15は、第9の実施形態にかかる電装基板を示す斜視図である。図15に示すように、本実施形態にかかる電装基板は、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12と、取っ手61と、拡張基板18とが主に備えられている。ここで、基板本体11と、コネクタ15と、パネル12については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0054】
拡張基板18は、板状の部材で形成されており、各電装部品が配置されるものである。また、拡張基板18は、基板本体11の上方に、パネル12の面12bと接着されて設けられている。つまり、パネル12は、拡張基板18の一端側に設けられていることになる。
【0055】
取っ手61は、パネル12から突出した棒状部材で形成されており、電装基板が装置本体に装着された状態におけるパネル12の下辺からの距離が、パネル12の下辺から基板本体11および拡張基板18の重心位置までの距離と略同一になる位置に設けられている。すなわち、本実施の形態では、取っ手61は、パネル12の面12aに対して、基板本体11および拡張基板18の重心位置の高さで設けられている。
【0056】
このように、基板本体11に加えて拡張基板18が設けられた場合に、拡張基板18の重量を考慮して、基板本体11および拡張基板18の重心位置の高さに取っ手61を設けることで、基板本体11のバランスが保持され、取り外し作業が容易となる。
【0057】
また、取っ手61は、パネル12に対して移動可能に設けるよう構成してもよい。この場合、異なる重量の拡張基板18を設けたり、基板本体11や拡張基板18の電装部品を増減させた場合でも、常に基板本体11および拡張基板18の重心位置の高さに取っ手61を設けることができる。
【0058】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0059】
11 基板本体
11a、11b 端部
12 パネル
12a、12b 面
13 本体制御基板
14、15 コネクタ
16 ガイドレール
17 カバー部
18 拡張基板
21、31、41、51、61 取っ手
32 スリット
42 画像形成装置
43 I/Fケーブル
44 コネクタ
44a 挿入面
52 HDD
61 支持板
A 中心線
P 重心
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【特許文献1】特開平5−272517号公報
【特許文献2】特開2002−319774号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に対して脱着可能に実装される電装基板において、
第1端部と前記第1端部と平行な第2端部とを有する板状に形成され、電装部品が配置された基板本体と、
前記第1端部に設けられ、前記装置本体の被接続部と電気的に接続可能な第1接続部と、
第1面と前記第1面の裏面側である第2面とを有し、前記第2面側で前記第2端部に沿って設けられ、前記第1接続部を前記被接続部に接続した状態で前記装置本体の前記電装基板の挿入孔を前記第1面で塞ぐ遮蔽部材と、
前記第1面に設けられ、前記第1接続部を前記被接続部から取り外すために利用者が把持可能な取手部と、
を備えることを特徴とする電装基板。
【請求項2】
前記取手部は、前記遮蔽部材に対して折りたたみ可能なリング状の部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電装基板。
【請求項3】
前記取手部は、前記遮蔽部材から突出した棒状部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電装基板。
【請求項4】
前記取手部は、前記棒状部材の外周面に滑り止め用の切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電装基板。
【請求項5】
前記装置本体と外部装置との間で電気信号の送受信を担うケーブルと、
前記第1面に設けられ、前記ケーブルの端子が差し込まれることで、前記装置本体と前記外部装置とを電気的に接続する第2接続部と、を備え、
前記取手部の突出長さは、前記第2接続部における前記第1面の位置から、前記第2接続部におけるケーブルの端子を挿入する挿入面の位置までの長さと、前記挿入面から前記ケーブルの湾曲部分の前記挿入面からの最長の長さとの和より長く形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の電装基板。
【請求項6】
前記取手部は、前記遮蔽部材における前記第1面から突出し、かつ指掛かり用の折り曲げ部を有する板状部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電装基板。
【請求項7】
前記取手部は、前記遮蔽部材に対する設置位置が、前記第1接続部の前記基板本体に対する設置位置と略同一レベルであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の電装基板。
【請求項8】
前記電装基板は、前記電装部品を配置した面である部品配置面を鉛直状態にして前記装置本体に装着され、
前記基板本体に取り付けられ、前記電装基板が装着された状態における前記基板本体の上辺および下辺に対する中心線よりも下方に重心が位置するように取り付けられた重量物をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の電装基板。
【請求項9】
前記取手部は、前記装置本体に装着された状態における前記遮蔽部材の下辺から中心までの距離が、前記遮蔽部材の下辺から前記基板本体の重心位置までの距離と略同一になる位置に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電装基板。
【請求項10】
前記取手部および前記第1接続部は、前記電装基板の重心位置が、前記取手部の中心点と前記第1接続部の中心点とを結ぶ直線上近傍に位置するように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電装基板。
【請求項11】
前記電装基板は、前記電装部品を配置した面である部品配置面を鉛直状態にして前記装置本体と接続され、
前記基板本体に取り付けられる重量物と、前記取手部とを一体的に固定する支持部材をさらに備えることを特徴とする請求項6または9に記載の電装基板。
【請求項12】
前記基板本体と前記遮蔽部材とに接着され、前記基板本体と前記遮蔽部材とともに直方体を形成し、前記直方体の内部に前記第1接続部を有するカバー部をさらに備え、
前記取手部は、前記装置本体に装着された状態における前記遮蔽部材の下辺からの距離が、前記遮蔽部材の下辺から前記直方体の重心位置までの距離と略同一になる位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電装基板。
【請求項13】
板状に形成された拡張基板をさらに備え、
前記遮蔽部材は、さらに、前記拡張基板の一端側に設けられており、
前記取手部は、前記装置本体に装着された状態における前記遮蔽部材の下辺からの距離が、前記遮蔽部材の下辺から前記基板本体および前記拡張基板の重心位置までの距離と略同一になる位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電装基板。
【請求項14】
電装基板を脱着可能に実装する画像形成装置において、
前記電装基板は、
装置本体に対して脱着可能に実装される電装基板において、
第1端部と前記第1端部と平行な第2端部とを有する板状に形成され、電装部品が配置された基板本体と、
前記第1端部に設けられ、前記装置本体の被接続部と電気的に接続可能な第1接続部と、
第1面と前記第1面の裏面側である第2面とを有し、前記第2面側で前記第2端部に沿って設けられ、前記第1接続部を前記被接続部に接続した状態で前記装置本体の前記電装基板の挿入孔を前記第1面で塞ぐ遮蔽部材と、
前記第1面に設けられ、前記第1接続部を前記被接続部から取り外すために利用者が把持可能な取手部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
前記画像形成装置と外部装置との間で電気信号の送受信を担うケーブルと、
前記第1面に設けられ、前記ケーブルの端子が差し込まれることで、前記装置本体と前記外部装置とを電気的に接続する第2接続部と、を備え、
前記取手部の突出長さは、前記電装基板が着脱される側の側面から、前記遮蔽部材との接着側端部と反対側の端部までの距離が、前記ケーブルの直径より長く形成されていることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−34016(P2013−34016A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−246495(P2012−246495)
【出願日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【分割の表示】特願2008−59568(P2008−59568)の分割
【原出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】