説明

電話システム、電話システムの制御方法及び制御プログラム

【課題】各電話装置における着信の通知を応答実績に応じて最適化すること。
【解決手段】少なくとも1以上の外線と複数の内線を収容する主装置10と、内線に接続される複数の電話装置11〜13とを有する電話システム1であって、電話装置11〜13は報知手段を備える。主装置10は、外線からの着信情報を着信履歴情報として記憶し、着信履歴情報に基づいて電話装置11〜13のうちいずれの電話装置が外線からの着信に応答したかを応答実績情報として記憶する記憶部と、外線からの着信があった場合に、複数の電話装置に報知手段により着信を通知するとともに、外線の発信者番号に基づいて、記憶部に記憶された応答実績情報を複数の電話装置の報知手段により通知させる制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
家庭や事業所等で使用される電話装置には、着信履歴を記憶および表示する機能を備えるものがある。ここで着信履歴とは、発信者番号や着信の有無や着信日時等の情報である。電話装置は、利用者の操作に基づいて、電話装置上のディスプレイに着信履歴を表示させる。これにより利用者は、該電話装置による過去の着信状態を確認することができる。
【0003】
事業所等において、内線電話システムが広く用いられている。内線電話システムは、ボタン電話装置(以下、主装置)と複数の電話装置により構成される。主装置は、複数の電話装置同士の通話機能と、外線との発着信を制御する機能を有している。電話装置は、主装置の外線との発着信を制御する機能により公衆網に接続し、外線を発着信することができる。
【0004】
例えば主装置は、代表番号に外線の着信を受けた場合に、任意の複数の電話装置に着信を通知する。通知を受けた複数の電話装置は呼出音を発生させる。呼出音を発生している電話装置のうちの一つの電話端末の受話器がオフフックされた場合には、主装置は該電話装置と外線を接続する。このとき主装置は、オフフックされた電話装置以外の電話装置への着信通知を停止する。
この内線電話システムを用い、代表番号に着信があった場合には、事業所内にあらかじめ設置した複数の電話端末のいずれかを用いて、手の空いている者が応答するということが行われている。
また典型的には、内線電話システムは代表番号への外線着信があった場合に、発信者番号に基づいて、外線着信を前回応答した電話装置に自動転送する。
【0005】
特許文献1には、応答履歴と不応答履歴の全てを一括で表示できるとともに、自内線電話端末で他の内線電話端末の応答履歴を表示することができるボタン電話装置が開示されている。
【0006】
特許文献2には、被呼者不応答のために途中放棄された着信の重要度を判断することができる着信不応答情報表示方式が開示されている。これによると、被呼者が不応答のために途中で放棄された着信呼が発生すると、着信時刻、着信番号、不応答時間及び着信情報毎の着信回数を記憶する。不応答情報表示を行う場合には、不応答時間の長い順や、着信回数の多い順に着信情報を表示する。
【0007】
特許文献3には、呼出音を音色の異なる音または音声で出力することにより、応答前に発呼者を識別することができる電話機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−097235号公報
【特許文献2】特開2001−326716号公報
【特許文献3】特開平05−276239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら内線電話システムにおいて、外線着信を前回応答した者に自動転送することとする場合であっても、前回応答した者が不在または他の電話に対応しているなどにより応対不可能の場合には、自動転送はされずに通常着信となる。このように前回応答した者が応対不可能の場合、他の応答者は、前回応答したか否かや前回誰が応答したかがわからず、事前準備や心構えができずにスムーズな応対を行えない場合がある。
【0010】
特許文献1乃至3に開示されている電話装置は、外線着信時に主装置から複数の電話装置に着信を通知する内線電話システムにおいて、着信があったときに全ての電話装置に着信履歴や応答実績を表示させるわけではなく、前回の応答者と、前回の応答者ではない応答候補者のそれぞれに、事前準備や心構えを促すものではない。
【0011】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、各電話装置に対する着信の通知を、全ての電話装置の応答実績に応じて最適化する電話システム、電話システムの制御方法及び制御プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明にかかる電話システムは、少なくとも1以上の外線と複数の内線を収容する主装置と、前記内線に接続される複数の電話装置とを有する電話システムであって、前記電話装置は報知手段を備え、前記主装置は、前記外線からの着信情報を着信履歴情報として記憶し、前記着信履歴情報に基づいて前記電話装置のうちいずれの電話装置が前記外線からの着信に応答したかを応答実績情報として記憶する記憶部と、前記外線からの着信があった場合には、前記複数の電話装置に前記報知手段により着信を通知するとともに、前記外線の発信者番号に基づいて、前記記憶部に記憶された前記応答実績情報を前記複数の電話装置の前記報知手段により通知させる制御部と、を備える。
【0013】
また本発明にかかる電話システムの制御方法は、少なくとも1以上の外線と複数の内線を収容する主装置と、前記内線に接続され、報知手段を備える複数の電話装置とを有する電話システムの制御方法であって、前記外線からの着信情報を着信履歴情報として記憶するステップと、前記着信履歴情報に基づいて前記電話装置のうちいずれの電話装置が前記外線からの着信に応答したかを応答実績情報として記憶するステップと、前記外線からの着信があった場合に、前記主装置が前記複数の電話装置の前記報知手段に着信を通知させるステップと、前記外線の発信者番号に基づいて、前記応答実績情報を前記複数の電話装置の前記報知手段に出力させるステップと、を備える。
【0014】
また本発明にかかる電話システムの制御プログラムは、少なくとも1以上の外線と複数の内線を収容する主装置と、前記内線に接続され、報知手段を備える複数の電話装置とを有する電話システムの制御プログラムであって、前記主装置及び前記電話装置を制御するコンピュータに、前記外線からの着信情報を着信履歴情報として記憶する処理と、前記着信履歴情報に基づいて前記電話装置のうちいずれの電話装置が前記外線からの着信に応答したかを応答実績情報として記憶する処理と、前記外線からの着信があった場合に、前記主装置が前記複数の電話装置の前記報知手段に着信を通知させる処理と、前記外線の発信者番号に基づいて、前記応答実績情報を前記複数の電話装置の前記報知手段により通知させる処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
このような構成により、各電話装置に対する着信の通知を、全ての電話装置の応答実績に応じて最適化することができる。したがって、外線着信への応答の候補者が、応答実績に応じて適切な応答をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態1にかかる電話システムの構成図である。
【図2】実施の形態1にかかる記憶部に保存された着信履歴情報の図である。
【図3】実施の形態1にかかる記憶部に保存された応答実績情報の図である。
【図4】実施の形態1にかかる着信表示シーケンスの図である。
【図5】実施の形態1にかかる応答実績ありの場合のディスプレイの表示例である。
【図6】実施の形態1にかかる応答実績なしの場合のディスプレイの表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明にかかる電話システムについて説明する。但し、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。
【0018】
電話システム1の構成例を図1に示す。電話システム1は、主装置10、電話装置11〜13を備える。なお電話装置の台数はこの台数に限られず、さらに多数の電話装置を備えてもよい。
【0019】
主装置10は、1以上の外線と複数の内線を収容する構内電話装置である。主装置10は、制御部20と、スイッチ回路21と、外線回路22と、内線回路23と、記憶部24を有する。例えば主装置10は、複数の電話装置11〜13をスター型に接続している。
【0020】
制御部20は、典型的にはCPU(中央演算装置)やメモリを有し、制御プログラムによって動作する。制御部20は、電話装置11〜13から入力される制御情報の解析や、スイッチ回路21と外線回路22と内線回路23の動作の制御や、記憶部24に対する情報の入出力の制御を行う。
制御部20は、主装置10が代表番号への外線着信をした場合には、記憶部24に記憶されている着信履歴情報及び応答実績情報のうち、着信した外線の番号に関連するものを表示する制御信号を、電話装置11〜13に出力する。
【0021】
さらに制御部20は、電話装置11〜13の呼出音を鳴動させる制御信号を送出する。このとき制御部20は、着信した外線番号と、記憶部24に記憶されている着信履歴情報及び応答実績情報に基づいて呼出音を変化させるよう制御する。より具体的には、制御部20は、外線着信時には電話装置11〜13の呼出音を一斉に鳴動させるよう、電話装置11〜13に制御信号を送出する。このとき、電話装置11〜13のうち応答実績がある電話装置については、通常時とは異なる呼出音で鳴動させる制御信号を送出する。ここで、応答実績がある電話装置が複数である場合には、呼出音を通常時とは異なる音とするのは、最新の応答実績のある電話装置とするのが望ましい。
【0022】
スイッチ回路21は、典型的には時間スイッチと空間スイッチの組み合わせにより構成される。スイッチ回路21は、制御部20の制御信号に基づいて交換処理を行う。例えば電話装置11から外線に発信したい場合には、電話装置11から主装置10に制御信号が入力される。制御部20は、主装置10に入力された制御信号を解析し、外線回路22と電話装置11が接続された内線回路23を接続するよう、スイッチ回路21を制御する。すなわち、スイッチ回路21が切り替わることにより外線回路22及び内線回路23の切り替えが行われ、その結果、電話装置11〜13は外線や内線を切り替えて使用することができる。
【0023】
外線回路22は、網との外線着信の送受信を行うインタフェース回路である。ここで網とは、一般公衆回線のほか、IP電話回線、専用線、私設線、携帯電話等の無線使用回線等も含まれる。
【0024】
内線回路23は、電話装置11〜13と接続されるインタフェース回路である。主装置10は、内線回路23を介して、電話装置11〜13と音声信号や制御信号の通信を行う。
【0025】
記憶部24は、典型的にはメモリを用いる。記憶部24は図2に示すように、着信履歴情報として外線着信の日時、発信者情報、応答の有無を記録する。さらに記憶部24は、図3に示すように、応答実績情報として発信者番号、応答者、応答の有無、不在着信回数を記録する。なお典型的には、記憶部24では応答実績情報として最新の応答者を記憶するが、最新の応答者以外でそれ以前に応答した者がいる場合には、以前の応答者についての応答実績を記憶しておいてもよい。
【0026】
電話装置11〜13は、それぞれ制御部30と、操作部31と、送受話機32と、報知手段33を有する。例えばスター型の構成とする場合には、電話装置11〜13は、それぞれ主装置10の内線回路23と接続されている。
【0027】
制御部30は、典型的にはCPU(中央演算装置)やメモリを有し、制御プログラムによって動作する。
制御部30は、電話装置11〜13の動作を制御する。例えば制御部30は、操作部31の操作による入力情報の解析及び判断を行う。さらに制御部30は、主装置10から入力された制御信号に基づいてディスプレイ34に特定の表示をするように制御し、スピーカ35から特定の呼出音を発生するように制御する。
【0028】
操作部31は、人が電話装置11〜13において情報を入力する入力部である。例えば操作部31は、複数のボタンを有している。人が操作部31を操作することにより、電話番号を入力すること、複数の外線がある場合に使用したい外線を選択すること、主装置10に送信する設定情報を入力すること、主装置10の記憶部24で記憶されている着信履歴情報及び応答実績情報から閲覧するものの選択すること、等を行う。
【0029】
送受話機32は、一般的な送話、受話を行うためのハンドセットである。
【0030】
報知手段33は、主装置10から出力された制御信号に基づいて動作し、人に外線の着信等を知らせる。報知手段33は、ディスプレイ34と、スピーカ35を有する。
【0031】
ディスプレイ34は、例えば液晶ディスプレイである。ディスプレイ34は主装置10が外線を着信した場合には、主装置10は着信した外線番号に基づいて、記憶部24に記憶された着信履歴情報及び応答実績情報を表示するよう、これらの情報を表示させる制御信号を出力する。制御信号が入力された電話装置11〜13のディスプレイ34は、それぞれ着信履歴情報及び応答実績情報を表示する。
【0032】
例えば、電話装置11〜13のディスプレイ34は、主装置10に代表番号への外線着信があった場合、記憶部24に保存された直近の着信履歴が「応答」であれば、応答日時と応答者、及び応答した旨を表示する。
また電話装置11〜13のディスプレイ34は、主装置10に記憶された直近の着信履歴が「不在」であれば、着信日時と着信回数、及び未応答であった旨を表示する。なお、直近の着信履歴が「不在」であっても、それ以前に応答した実績がある場合には、ディスプレイ34は以前に応答を行ったときの応答日時と応答者、及び応答した旨を表示してもよい。
ディスプレイ34は、記憶された着信履歴がすべて「不在」であり、一度も応答したことがない場合には、着信日時と着信回数、及び未応答であった旨を表示する。
ディスプレイ34は、外線着信番号について着信履歴に一致する番号が無い場合には、着信履歴表示を行わず、例えば着信履歴が無い旨を表示する。
【0033】
またディスプレイ34は、人が操作部31を操作する場合には操作内容を表示し、人が操作部31を操作して主装置10に制御信号を送出した場合には、主装置10からの応答内容を表示する。
【0034】
スピーカ35は、外線着信音の送出や、拡声受話の聴取等に使用する。スピーカ35は、少なくとも2つの呼出音で鳴動可能である。スピーカ35の呼出音は主装置10からの制御信号によって制御される。これによりスピーカ35において、第1の呼出音及び第2の呼出音のいずれを使用するかが決定される。より具体的にはスピーカ35は、該電話装置において、着信した外線の番号に対して最新の応答実績がない場合や内線着信が行われている場合には、第1の呼出音で鳴動する。該電話装置において、着信した外線の番号に対して最新の応答実績がある場合には、スピーカ35は第2の呼出音で鳴動する。
なお、各電話装置11〜13におけるスピーカ35の呼出音の制御は上記に限られず、主装置10の制御部20から出力された制御信号に基づいて制御される。例えば、応答実績のない電話装置のスピーカ35は第1の呼出音で鳴動し、最新の応答実績がある電話装置のスピーカ35は第2の呼出音で鳴動し、最新の応答は行わなかったが過去に応答したことのある電話装置のスピーカ35は第3の呼出音で鳴動することとしてもよい。
【0035】
次に、電話システム1の動作について説明する。まず、主装置10における記憶部24への着信履歴及び応答実績の記憶方法について説明する。
【0036】
主装置10の代表番号に外線着信が入った場合には、図2に示すように記憶部24に、日時、発信者の情報、応答の有無を着信履歴として記憶する。また同タイミングで記憶部24に、応答実績を記録する。主装置10は記憶部24に、図3に示すように応答実績として、発信者番号、応答者、応答の有無、不在着信回数を記憶する。
【0037】
より詳細には、記憶部24への応答実績の記憶は、次のように行う。
制御部20は、発信者番号と一致する着信履歴を検索する。着信履歴を検索した結果、直近の着信履歴が「応答」である場合は、制御部20は記憶部24に応答実績として応答日時と応答者を記憶させ、さらに応答有無を「応答」として記憶させる。
制御部20は、着信履歴を検索した結果、直近の着信履歴が「不在」の場合は、それ以前の着信履歴を遡って検索していき、着信履歴における応答有無が「応答」の日時があれば、記憶部24に応答実績として応答日時と応答者を記憶させ、さらに応答有無を「応答」として記憶させる。
【0038】
制御部20は、着信履歴を検索した結果、外線着信した電話番号について以前の着信履歴がないか、もしくは外線着信した電話番号の着信履歴が全ての「不在」の場合には、記憶部24に応答実績として着信日時と不在着信回数を記憶させ、応答有無を「未応答」として記憶させる。
なお、着信履歴を検索した結果、外線着信した電話番号について着信履歴に一致する番号がなく、例えば該電話番号からの初めての着信である場合には、制御部20は記憶部24に応答実績をまだ記憶させないこととしてもよい。
【0039】
次に、主装置10に外線着信した場合に、電話装置11〜13のそれぞれに着信履歴及び応答実績を表示する手順について説明する。
【0040】
図4に、着信表示シーケンスの図を示す。
まず初めに、主装置10及び電話装置11〜13の回線は空き状態とする。次に、客先Aからの発信について、主装置10は網から着信を受ける(ステップS1)。ここで主装置10は、記憶部24に着信履歴及び応答実績の記憶を行う(ステップS2)。
次に主装置10は、客先Aの発信元電話番号と一致する電話番号を、記憶部24に記憶した応答実績から検索する(ステップS3)。
【0041】
制御部20は、検索した結果、一致する電話番号がある場合は、着信情報(発信者名称と発信者番号)と共に、応答実績を表示させるよう電話装置11〜13に制御信号を送出する(ステップS4)。これにより主装置10は、それぞれの電話装置11〜13のディスプレイ34に応答実績を表示させる。図5は、応答実績がある電話番号からの着信があった場合のディスプレイ34の表示例である。図5に示すようにディスプレイ34には、日時の表示(カレンダー表示)、発信者の名称、発信者番号、および応答実績として応答した日時と応答者の情報が表示される。
【0042】
また図6は、応答実績がない電話番号からの着信があった場合におけるディスプレイ34の表示例である。制御部20は記憶部24に記憶された応答実績を検索した結果、一致する電話番号が無い場合には、図6に示すようにディスプレイ34には、日時の表示(カレンダー表示)、発信者の名称、発信者番号を表示するほか、応答実績の表示部分では応答者が存在しないため、代わりに着信の日時と未応答の回数を表示する。
【0043】
また主装置10は、応答実績がある電話番号からの着信である場合には、以前に発信元電話番号に対して応答した人の電話装置に、通常と異なる呼出音を発生させる制御信号を出力する。これにより外線着信時において、応答実績のない電話装置では第1の呼出音を発生させ、応答実績のある電話装置では第2の呼出音を発生させることができる。典型的には、記憶部24には応答実績として最新の応答者が記憶されており、最新の応答実績のある電話装置のみが第2の呼出音を発生させる。
なお、着信履歴情報及び応答実績情報を参照することにより、応答実績のない電話装置では第1の呼出音を発生させ、最新の応答実績のある電話装置では第2の呼出音を発生させるほか、最新の応答は行っていないが過去に応答実績のある電話装置では第3の呼出音を発生させることとしてもよい。
これにより、応答者候補者による操作部31の操作や送受話機32のオフフックにより通話が開始される前に、その応答者候補者がとるべき着信か否かを判断することができる。その後、応答者候補者による操作部31の操作や送受話機32のオフフックにより、外線着信中の状態となる(ステップS5)。
【0044】
これにより、前回の応答者が応対可能の場合には、前回の応答者が優先的に着信を受けて応対することができる。また前回の応答者が、不在または他の電話に対応しているなどにより応対不可能の場合には、他の人が、前回誰が応対したかといった情報を把握したうえで、事前準備や心構えをしたうえで応対を行うことができる。
【0045】
さらに、一度も応答していない着信については、応答する前に不在時の着信回数が表示されることにより、緊急性やクレーム性を判断することができ、事前に準備や心構えをすることができる。したがって、発信者及び着信者の双方にとってよりスムーズな電話対応を図ることができる。
【0046】
また呼出音を変えることによって前回応答した相手からの着信であることを知らせることができるため、前回の応答者は、ディスプレイ34を見ずに即座に受けるべき着信か否かを判断することができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば着信があった場合に、主装置10に接続された電話装置11〜13のすべてに着信を通知するものとして説明したが、電話装置11及び電話装置12に着信を通知し、電話装置13に着信を通知しないものとしてもよい。
電話装置11〜13のディスプレイ34において、外線着信した電話番号についての最新の応答者の電話装置の表示を特定の表示に変えてもよい。さらに、最新でなくとも応答した経験がある電話装置について、ディスプレイ34の表示を特定の表示に変えてもよい。
また電話装置11〜13にそれぞれ発光部を設け、外線着信した電話番号についての最新の応答者の電話装置の発光部だけ、他の応答経験のない電話装置の発光部の発光パターンと変えてもよい。さらに、最新でなくとも応答した経験がある電話装置について、電話装置の発光部の発光パターンを変えてもよい。
記憶部24への着信履歴及び応答実績の記憶は、外線着信時に行うものとしているが、外線着信後に行うものとしてもよい。
主装置10に対して、電話装置11〜13がスター型に設置されているものとして説明したが、例えばバス型に接続していてもよい。
【0048】
(付記1)
少なくとも1以上の外線と複数の内線を収容する主装置と、前記内線に接続される複数の電話装置とを有する電話システムであって、前記電話装置は報知手段を備え、前記主装置は、前記外線からの着信情報を着信履歴情報として記憶し、前記着信履歴情報に基づいて前記電話装置のうちいずれの電話装置が前記外線からの着信に応答したかを応答実績情報として記憶する記憶部と、前記外線からの着信があった場合には、前記複数の電話装置に前記報知手段により着信を通知するとともに、前記外線の発信者番号に基づいて、前記記憶部に記憶された前記応答実績情報を前記複数の電話装置の前記報知手段により通知させる制御部と、を備える電話システム。
【0049】
(付記2)
前記制御部は、前記着信履歴情報及び前記応答実績情報に基づいて、応答実績のある電話装置を特定し、当該電話装置に対して他の電話装置と異なる着信の報知を行わせるよう前記報知手段を制御する、付記1に記載の電話システム。
【0050】
(付記3)
前記報知手段は、少なくとも2種類の報知音を発生させる手段を備え、前記制御部は、前記応答実績のある電話装置の前記報知手段に、他の電話装置と異なる報知音を発生させる、付記2に記載の電話システム。
【0051】
(付記4)
前記報知手段は発光部を有し、前記制御部は、前記応答実績のある電話装置の前記発光部に、他の電話装置と異なる発光パターンを生じさせる、付記2又は付記3に記載の電話システム。
【0052】
(付記5)
少なくとも1以上の外線と複数の内線を収容する主装置と、前記内線に接続され、報知手段を備える複数の電話装置とを有する電話システムの制御方法であって、前記外線からの着信情報を着信履歴情報として記憶するステップと、前記着信履歴情報に基づいて前記電話装置のうちいずれの電話装置が前記外線からの着信に応答したかを応答実績情報として記憶するステップと、前記外線からの着信があった場合に、前記主装置が前記複数の電話装置の前記報知手段に着信を通知させるステップと、前記外線の発信者番号に基づいて、前記応答実績情報を前記複数の電話装置の前記報知手段に出力させるステップと、を備える電話システムの制御方法。
【0053】
(付記6)
前記着信履歴情報及び前記応答実績情報に基づいて、応答実績のある電話装置を特定するステップと、前記応答実績のある電話装置の前記報知手段に他の電話装置と異なる着信の報知を行わせるステップと、を更に備える付記5に記載の電話システムの制御方法。
【0054】
(付記7)
前記応答実績のある電話装置の前記報知手段に、他の電話装置と異なる報知音を発生させるステップ、を備える付記6に記載の電話システムの制御方法。
【0055】
(付記8)
前記報知手段は発光部を有し、前記応答実績のある電話装置の発光部に、他の電話装置と異なる発光パターンを生じさせるステップ、を備える付記6又は付記7に記載の電話システムの制御方法。
【0056】
(付記9)
少なくとも1以上の外線と複数の内線を収容する主装置と、前記内線に接続され、報知手段を備える複数の電話装置とを有する電話システムの制御プログラムであって、前記主装置及び前記電話装置を制御するコンピュータに、前記外線からの着信情報を着信履歴情報として記憶する処理と、前記着信履歴情報に基づいて前記電話装置のうちいずれの電話装置が前記外線からの着信に応答したかを応答実績情報として記憶する処理と、前記外線からの着信があった場合に、前記主装置が前記複数の電話装置の前記報知手段に着信を通知させる処理と、前記外線の発信者番号に基づいて、前記応答実績情報を前記複数の電話装置の前記報知手段により通知させる処理と、を実行させる電話システムの制御プログラム。
【0057】
(付記10)
前記着信履歴情報及び前記応答実績情報に基づいて、応答実績のある電話装置を特定する処理と、前記応答実績のある電話装置の前記報知手段に他の電話装置と異なる着信の報知を行わせる処理と、を更に実行させる付記9に記載の電話システムの制御プログラム。
【0058】
(付記11)
前記応答実績のある電話装置の前記報知手段に、他の電話装置と異なる報知音を発生させる処理、を更に実行させる付記10に記載の電話システムの制御プログラム。
【0059】
(付記12)
前記報知手段は発光部を有し、前記応答実績のある電話装置の前記発光部に、他の電話装置と異なる発光パターンを生じさせる処理、を更に実行させる付記10又は付記11に記載の電話システムの制御プログラム。
【符号の説明】
【0060】
1 電話システム
10 主装置
11 電話装置
12 電話装置
13 電話装置
20 制御部
21 スイッチ回路
22 外線回路
23 内線回路
24 記憶部
30 制御部
31 操作部
32 送受話機
33 報知手段
34 ディスプレイ
35 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1以上の外線と複数の内線を収容する主装置と、前記内線に接続される複数の電話装置とを有する電話システムであって、
前記電話装置は報知手段を備え、
前記主装置は、前記外線からの着信情報を着信履歴情報として記憶し、前記着信履歴情報に基づいて前記電話装置のうちいずれの電話装置が前記外線からの着信に応答したかを応答実績情報として記憶する記憶部と、
前記外線からの着信があった場合には、前記複数の電話装置に前記報知手段により着信を通知するとともに、前記外線の発信者番号に基づいて、前記記憶部に記憶された前記応答実績情報を前記複数の電話装置の前記報知手段により通知させる制御部と、を備える電話システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記着信履歴情報及び前記応答実績情報に基づいて、応答実績のある電話装置を特定し、当該電話装置に対して他の電話装置と異なる着信の報知を行わせるよう前記報知手段を制御する、
請求項1に記載の電話システム。
【請求項3】
前記報知手段は、少なくとも2種類の報知音を発生させる手段を備え、
前記制御部は、前記応答実績のある電話装置の前記報知手段に、他の電話装置と異なる報知音を発生させる、
請求項2に記載の電話システム。
【請求項4】
前記報知手段は発光部を有し、
前記制御部は、前記応答実績のある電話装置の前記発光部に、他の電話装置と異なる発光パターンを生じさせる、
請求項2又は請求項3に記載の電話システム。
【請求項5】
少なくとも1以上の外線と複数の内線を収容する主装置と、前記内線に接続され、報知手段を備える複数の電話装置とを有する電話システムの制御方法であって、
前記外線からの着信情報を着信履歴情報として記憶するステップと、
前記着信履歴情報に基づいて前記電話装置のうちいずれの電話装置が前記外線からの着信に応答したかを応答実績情報として記憶するステップと、
前記外線からの着信があった場合に、前記主装置が前記複数の電話装置の前記報知手段に着信を通知させるステップと、
前記外線の発信者番号に基づいて、前記応答実績情報を前記複数の電話装置の前記報知手段に出力させるステップと、を備える
電話システムの制御方法。
【請求項6】
前記着信履歴情報及び前記応答実績情報に基づいて、応答実績のある電話装置を特定するステップと、
前記応答実績のある電話装置の前記報知手段に他の電話装置と異なる着信の報知を行わせるステップと、を更に備える
請求項5に記載の電話システムの制御方法。
【請求項7】
前記応答実績のある電話装置の前記報知手段に、他の電話装置と異なる報知音を発生させるステップ、を備える
請求項6に記載の電話システムの制御方法。
【請求項8】
少なくとも1以上の外線と複数の内線を収容する主装置と、前記内線に接続され、報知手段を備える複数の電話装置とを有する電話システムの制御プログラムであって、
前記主装置及び前記電話装置を制御するコンピュータに、
前記外線からの着信情報を着信履歴情報として記憶する処理と、
前記着信履歴情報に基づいて前記電話装置のうちいずれの電話装置が前記外線からの着信に応答したかを応答実績情報として記憶する処理と、
前記外線からの着信があった場合に、前記主装置が前記複数の電話装置の前記報知手段に着信を通知させる処理と、
前記外線の発信者番号に基づいて、前記応答実績情報を前記複数の電話装置の前記報知手段により通知させる処理と、を実行させる
電話システムの制御プログラム。
【請求項9】
前記着信履歴情報及び前記応答実績情報に基づいて、応答実績のある電話装置を特定する処理と、
前記応答実績のある電話装置の前記報知手段に他の電話装置と異なる着信の報知を行わせる処理と、を更に実行させる
請求項8に記載の電話システムの制御プログラム。
【請求項10】
前記応答実績のある電話装置の前記報知手段に、他の電話装置と異なる報知音を発生させる処理、を更に実行させる
請求項9に記載の電話システムの制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−23536(P2012−23536A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159628(P2010−159628)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】