電話システム
【課題】子機として汎用の無線電話端末を用いるとき、親機である固定電話装置の留守録機能を子機の位置に依存してON/OFFさせる。
【解決手段】固定電話装置10の伝言機能、留守録機能、転送電話機能等の留守番機能の起動/停止について、無線アクセス装置20が予め通知されている固定電話装置と連携する無線電話端末30の存在を検知し、固定電話装置10に通知する事で制御する電話システムにより、達成できる。
【解決手段】固定電話装置10の伝言機能、留守録機能、転送電話機能等の留守番機能の起動/停止について、無線アクセス装置20が予め通知されている固定電話装置と連携する無線電話端末30の存在を検知し、固定電話装置10に通知する事で制御する電話システムにより、達成できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話システムに係り、特に無線電話端末を子機として留守番機能の起動および停止を制御する電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信事業者のネットワークサービスまたは通信端末のサービスとして、伝言機能、留守録機能、転送電話機能を起動または停止し得る電話機がある。これらのサービス制御機能付きの電話機は、各機能を起動および停止する専用ボタンを有するものが多い。しかし、電話機のユーザの外出時などに、ユーザが操作を忘れてしまい、機能を有効に利用できないという問題があった。
【0003】
また、同様の機能を有するIP電話機において、在席中か離席中かは、ユーザ個人のスケジュールと連動するまたは手動設定が必要である。このIP電話機においても、スケジュールの更新または手動設定を怠ると、高度なプレゼンス機能が活かされないという問題があった。
【0004】
特許文献1には、留守録機能または転送電話機能を有するディジタルコードレス電話システムの子機を屋外に持ち出して、PHSとして公衆接続可能な電話システムが記載されている。特許文献1では、充電台を兼ねた親機から子機が持ち出されたことを検出すると、親機は、留守録機能、転送機能等を設定する。逆に、親機に子機が載置されたことを検出すると、留守録機能、転送機能を停止する電話システムである。
【0005】
【特許文献1】特開平10−322442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、ユーザが親機の近くに居たとしても、充電台に子機が載置されない限り留守録機能、転送電話機能は、解除されない。特に、子機として汎用の携帯型通信端末を使用するとき、ユーザは充電の必要に迫られていなければ、上着のポケットなどに入れておくものであり、特許文献1が示す効果は薄れる。
【0007】
また、留守録機能、転送電話機能を使用するユーザ以外のユーザが持つ携帯型通信端末が、充電台に載置された場合それを識別することはできない。この結果、真のユーザの留守録機能、転送電話機能が意図に反して解除されてしまう。
【0008】
本発明は、懸かる事情に鑑みなされたものであり、固定電話装置と無線電話端末とを含む電話システムにおいて、固定電話装置の伝言機能、留守録機能、転送電話機能等の留守番機能の起動/停止について、無線アクセス装置が予め通知されている固定電話装置と連携する無線電話端末の存在を検知し、固定電話装置に通知する事で制御する電話システムを提供する。
【0009】
更に無線アクセス装置の無線電話端末存在検知と、固定電話装置に搭載された無線電話端末の給電機能の充電電流検知により、無線電話端末存在検知の範囲を絞ること、および複数のユーザが1台の固定電話端末の留守番機能を使用できるよう、無線電話端末の特定が可能な電話システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題は、設置場所が固定的かつ留守番機能を有する固定電話装置と、移動可能な無線電話端末と、無線電話端末を収容する無線アクセス装置とからなり、無線アクセス装置は、固定電話装置と無線電話端末とを予め関連付けて登録する対応テーブルと、無線電話端末が自身の無線エリア内に存在しているか否かを検知する無線電話端末検知手段とを有し、この無線電話端末検知手段の検知結果による無線電話端末の存在通知または不存在通知を固定電話装置へ送信し、固定電話装置は、受信した不存在通知に基づいて留守番機能を起動し、受信した存在通知に基づいて留守番機能を停止する電話システムにより、達成できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、携帯電話機などの汎用の無線電話機を携行して外出もしくは離席した場合に、自動的にユーザが設定した留守番機能を起動でき、また逆に外出から戻ったときに特別な操作やアクションをせずに、自動的に留守番機能を解除できる電話システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明の実施の形態について、実施例を用い図面を参照して説明する。なお、実質同一部位には同じ参照番号を振り、説明は繰り返さない。
【実施例1】
【0013】
まず、図1を参照して、システム構成を説明する。ここで、図1は電話システムのブロック図である。図1において、電話システム300は、WAN50に接続されたLAN60と、LAN60にさらに接続された無線アクセス装置20と、留守番電話機能を有する固定電話装置10と、無線アクセス装置20と無線接続された無線電話端末30とから構成される。
【0014】
なお、固定電話装置10は、WAN50上またはLAN60上の呼制御サーバ(図示せず)に接続し、他の電話装置と、この呼制御サーバの呼接続/呼切断により、通信をする。携帯電話端末30は、無線LAN機能付きであり、802.11n等の通信プロトコルを用いて、無線アクセス装置20と無線LAN通信する。また、固定電話装置10は無線アクセス装置20の通信エリア内に配置される。また固定電話装置10の本体が通信エリア内にあればコードレスであってもよい。
【0015】
図2を参照して、固定電話装置を説明する。ここで、図2は固定電話装置の機能ブロック図である。図2において、固定電話装置10は、LANとの通信全般を制御する通信部101と、発着信など電話機能全般を制御する電話機能部107と、LCD、LED表示、音声入出力、キー入力を行うマンマシンインタフェース108と、連携させる無線電話端末30のアドレスを登録する無線電話端末登録部106と、ユーザ毎に設定されるユーザIDと留守番機能、連携する無線電話端末30を関連付ける留守番機能対応テーブル109と、無線アクセス装置20に連携させる無線電話端末30を通知する無線電話端末通知部105と、無線アクセス装置20からの無線電話端末存在/不在通知を受信し、留守番機能起動/停止制御部103に通知する無線電話端末存在/不在通知受信部102と、無線電話端末存在/不在通知の情報から、留守番機能対応テーブル記憶部109を参照し、該当するユーザの留守番機能の起動/停止を制御する留守番機能起動/停止制御部103と、留守録機能や伝言、転送などを実行する留守番機能部104とから構成される。
【0016】
なお、留守番機能対応テーブル109は、一台の固定電話端末を複数のユーザが共有して使用する場合に必要となる。このとき、発信側の通信相手に対しては、予めユーザIDを知らせておくか、音声案内により通信相手がユーザを指定することで、特定のユーザの留守番機能を利用する。
【0017】
図3を参照して、留守番機能対応テーブルを説明する。ここで、図3は留守番機能対応テーブルを説明する図である。図3において、留守番機能対応テーブル109は、各ユーザのID1091と、ユーザIDに対応させる無線電話端末30のアドレス1092と、留守録機能を有効にするとき有効を設定する留守番機能1093と、伝言機能を有効にするとき有効を設定する伝言機能1094と、転送機能を有効にするとき有効を設定する転送機能1095と、転送先の電話番号1096とから構成される。
【0018】
なお、この留守番機能対応テーブル109は、各ユーザが固定電話装置10に設定する。また、留守番機能は、図3で説明した伝言機能、留守録機能、転送電話機能に限らず、使用禁止機能等ユーザが留守のときの各種機能を意味する。
【0019】
図4を参照して、無線アクセス装置を説明する。ここで、図4は無線アクセス装置の機能ブロック図である。図4において、無線アクセス装置20は、LAN60との通信制御全般を行う有線通信部201と、無線の通信制御全般を行う無線通信部207と、無線とLAN60との間のデータブリッジを行うブリッジ部206と、固定電話装置/無線電話端末対応テーブル(単に、対応テーブルとも呼ぶ)203と、固定電話装置10からの連携する無線電話端末30のアドレスなどの通知を受信し、固定電話装置/無線電話端末対応テーブル203に固定電話装置10のアドレスと共に登録する無線電話端末通知受信部202と、固定電話装置/無線電話端末対応テーブル203のテーブルを参照して、固定電話装置10と連携する無線電話端末30の存在を検知する無線電話端末存在検知部204と、無線電話端末存在検知部204で検知した結果を固定電話端末に通知する無線電話端末存在/不在通知部205とから構成される。
【0020】
図5を参照して、固定電話装置/無線電話端末対応テーブルを説明する。ここで、図5は固定電話装置/無線電話端末対応テーブルを説明する図である。図5において、固定電話装置/無線電話端末対応テーブル203は、固定電話端末20のIPアドレスが登録される固定電話装置アドレス2031と、固定電話装置20と連携する無線電話機30端末アドレス2032から構成される。
【0021】
図6を参照して、固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンスを説明する。ここで、図6は固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンス図である。図6において、無線LAN40に予め無線電話端末30が存在し、アクセス装置20に帰属していたことを前提とする。
【0022】
固定電話装置10は、連携する無線電話端末30が登録されると、無線電話端末30通知を、固定電話装置10と登録された無線電話端末30のアドレスと共に無線アクセス装置20に送信する(S100)。なお、1台の固定電話装置10に、ユーザ毎の異なる無線電話端末30が登録されたとき、その都度ステップ100が実行される。また、固定電話装置10には、連携する無線電話端末30に留守番機能が設定されたとする。
【0023】
無線アクセス装置20は、対応テーブル203に固定電話装置10のアドレスに対応付けて無線電話端末30のアドレスを登録する(S101)。無線アクセス装置20は、無線によって無線電話端末30の存在検知を開始する(S103)。なお、ここではSIPのメッセージを利用しているが、無線電話端末30からのアドレスを含む返信を検知できるメッセージであればこれに限らない。
【0024】
無線アクセス装置20が送信したOPTIONS(S103)は、SIPユーザエージェントやプロキシサーバの能力を問い合わせるメソッドである。この問い合わせに対し、無線電話端末30は、呼が成立しているとき、自身の能力を含む200 OKを返信する。逆に呼が成立していないとき、無線電話端末30は、それを示す481 call/Transaction Dose Not Existを返信する(S104)。
【0025】
無線アクセス装置20は無線電話端末30からの返信を受信すると、自身の配下に固定電話装置10と連携している無線電話端末30が存在していると判断し、該当する固定電話装置10に無線電話端末存在通知を送信する(S105)。無線アクセス装置20は、更に無線電話端末30に対し、定期的に検知を行い無線電話端末存在通知を該当する固定電話装置10に送信する(S106〜S108)。
【0026】
ここで、ステップ108の後、存在検知の対象となる無線電話端末30が圏外に流出したとする。無線アクセス装置20は、OPTIONS(S109)に対する無線電話端末30からの返信が所定時間無い事を検知し、固定電話装置10に無線電話端末不在通知を送信する(S110)。固定電話装置10は、無線電話端末不在通知を受信すると、予め設定されている留守番機能を起動する(S111)。
【0027】
なお、複数の無線電話端末30が対応付けられている場合、無線電話端末不在通知の中に含まれる無線電話端末アドレスからユーザを特定し、そのユーザが設定した留守番機能を起動する。
【0028】
無線アクセス装置20は、引き続き、無線電話端末30に対して検知を繰り返す(S112〜S115)。無線アクセス装置20は、無線電話端末30が圏外流出から復帰し、存在を検知すると(S116〜S117)、固定電話装置10に無線電話端末存在通知を送信する(S118)。固定電話装置10は、無線電話端末存在通知を受信すると、該当するユーザの起動中の留守番機能を停止する(S119)
以上のように、無線電話端末30が、無線アクセス装置20の配下に存在するか否かで、固定電話装置10の留守番機能を起動/停止することができる。
【0029】
図7および図8を参照して、固定電話装置および無線アクセス装置への無線電話端末登録処理を説明する。ここで、図7は固定電話装置の無線電話端末登録処理のフローチャートである。図8は無線アクセス装置の無線電話端末登録処理のフローチャートである。
図7において、固定電話機10は、無線電話端末が登録されるのを待つ(S200:NO)。登録が行われたとき(S200:YES)、固定電話機10は、留守番機能対応テーブル109へ登録し(S201)、対応する無線アクセス装置20に、無線電話端末30のアドレスなどを含む無線電話端末通知を行い(S202)、ステップ200に戻り次の登録を待つ
図8において、無線アクセス装置20は、固定電話装置10から無線電話端末通知の受信を待つ(S300:NO)。無線電話端末通知を受信したとき(S300:YES)、無線アクセス装置20は、固定電話装置/無線電話端末対応テーブル203に固定電話装置10のアドレスと無線電話端末のアドレスとを対応付けて登録し(S301)、S300に戻って次の無線電話端末通知の受信を待つ。
【0030】
図9を参照して、固定電話装置の留守番機能起動処理と停止処理を説明する。ここで、図9は固定電話装置の留守番機能起動、停止処理を示すフローチャートである。なお、ここでは、ユーザが固定電話装置10に存在検知に使用する無線電話端末30のアドレス登録と、留守番機能(留守録、転送などの種別および留守録メッセージや録音時間、転送先などの設定)を事前に行っているものとする。
【0031】
図9において、固定電話装置10は、無線アクセス装置20からの無線電話端末存在または不在通知を待つ(S401:NO)。無線電話端末存在または不在通知を受信すると(S401:YES)、固定電話装置10は、無線電話端末30のアドレスから該当するユーザの留守番機能を選定する(S402)。次に、固定電話装置10は、存在通知か否かを判定する(S403)。
【0032】
ステップ403で存在通知を受信したとき(YES)、固定電話装置10は、該当するユーザの留守番機能が停止しているか否かを判定する(S404)。ステップ404で留守番機能が停止しているとき(YES)、固定電話装置10は、留守番機能を起動し(S405)、ステップ401に戻って次の無線電話端末存在/不在通知の受信を待つ。ステップ404で留守番機能が起動しているとき(NO)、固定電話装置10は、そのままステップ401に戻って次の無線電話端末存在/不在通知の受信を待つ。
【0033】
ステップ403で不在通知のとき(NO)、固定電話装置10は、ステップ406で該当するユーザの留守番機能が起動しているか否かを判定する(S406)。ステップ406で留守番機能が起動しているとき(YES)、固定電話装置10は、留守番機能を停止し(S407)、ステップ401に戻って次の無線電話端末存在/不在通知の受信を待つ。ステップ406で留守番機能が停止しているとき(NO)、固定電話装置10は、そのままステップ401に戻って次の無線電話端末存在/不在通知の受信を待つ。
【0034】
図10を参照して、無線アクセス装置の無線電話端末検知処理を説明する。ここで、図10は無線アクセス装置の無線電話端末検知処理フローチャートである。図10において、無線アクセス装置20は、まず周期タイマをセットする(S500)。無線アクセス装置20は、周期タイマのタイムアウトを待つ(S501:NO)。周期タイマがタイムアウトしたとき(S501:YES)、無線アクセス装置20は、固定電話装置/無線電話端末対応テーブル203に登録されている無線電話端末30を選択する(S502)。次に無線アクセス装置20は、選択した無線電話端末30のアドレスに対して存在検知パケットを送信する(S503)。無線アクセス装置20は、無線電話端末30からS503の返信パケットを受信したか否かを判定する(S504)。ここで、返信の受信にはタイムアウト時間を設け、タイムアウトまで受信しなかったとき、無線アクセス装置20は、返信無し(不在)と判断する。
【0035】
ステップ504で返信があったとき(YES)、無線アクセス装置20は、無線電話端末30に対応する固定電話装置10に存在通知を送信し(S505)、対応テーブルに登録の無線電話端末30全ての検知が終わったか否かを判定する(S507)。ステップ507で完了しているとき(YES)、無線アクセス装置20は、ステップ500に戻り周期的に上記の処理を繰り返す。ステップ507で完了していないとき(NO)、無線アクセス装置20は、ステップ502に戻り、次の無線電話端末30の検知を行う。ステップ504で無線電話端末30からの返信が無いとき(NO)、無線アクセス装置20は、無線電話端末30に対応する固定電話装置10に不在通知を送信し(S506)、ステップ507に遷移する。
【実施例2】
【0036】
まず、図11を参照して、電話システムの構成を説明する。ここで、図11は電話システムのブロック図である。図11において、電話システム300Aは、WAN50に接続されたLAN60と、LAN60にさらに接続された無線アクセス装置20と留守番電話機能を有する固定電話装置10Aと、無線アクセス装置20と無線接続された無線電話端末30と、固定電話装置10Aに接続された無線電話端末30用の充電台70とから構成される。
実施例1との違いは、固定電話機10Aに図示しない汎用インタフェースが設けられ、汎用インタフェースに接続された無線電話端末30の充電台70が追加されている点である。
【0037】
図12を参照して、固定電話装置を説明する。ここで、図12は固定電話装置の機能ブロック図である。図12において、固定電話装置10Aは、LANとの通信全般を制御する通信部101と、発着信など電話機能全般を制御する電話機能部107と、LCD、LED表示、音声入出力、キー入力を行うマンマシンインタフェース108と、連携させる無線電話端末30のアドレスを登録する無線電話端末登録部106と、充電台70を介して無線電話端末30に充電を行う充電部110と充電部の充電電流または充電電圧を検出し、留守番機能起動/停止制御部103に通知する充電電流/電圧検出部111と、無線アクセス装置20に対して無線電話端末存在検知要求を送信する無線電話端末存在検知要求送信部112と、無線アクセス装置20に連携させる無線電話端末30を通知する無線電話端末通知部105と、無線アクセス装置20からの無線電話端末存在/不在通知を受信し、留守番機能起動/停止制御部103に通知する無線電話端末存在/不在通知受信部102と、無線電話端末存在/不在通知の情報から、充電電流/電圧検出部111からの通知を参照し、該当するユーザの留守番機能の起動/停止を制御する留守番機能起動/停止制御部103と、留守録機能や伝言、転送などを実行する留守番機能部104とから構成される。
【0038】
実施例2の固定電話機10Aと実施例1の固定電話機10との差分は、留守番機能対応テーブル109の削除と、充電部110と充電電流/電圧検出部111と無線電話端末存在検知要求送信部112との追加である。
【0039】
図13を参照して、固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンスを説明する。ここで、図13は固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンス図である。図13において、無線LAN40に予め無線電話端末30が存在し、アクセス装置20に帰属していたことを前提とする。また、固定電話装置10Aは、初期において留守番機能を起動しているとする。
【0040】
固定電話装置10Aは、無線電話端末30が充電台に載置されると、無線電話端末存在検知要求を無線アクセス装置20に送信する(S600)。無線アクセス装置20は、固定電話装置10Aと連携している無線電話端末30のアドレスを基に無線電話端末30の存在検知を行う(S601〜S602)。無線電話端末30から返信があると、無線アクセス装置20は固定電話装置10Aに無線電話端末存在通知を行う(S603)。固定電話装置10Aは、無線電話端末存在通知を受信すると、留守番機能を停止する(S604)。
【0041】
次に固定電話装置10Aは、無線電話端末30が充電台から非載置となったことを検出すると、留守番電話機能を起動する(S605)。
固定電話装置10Aに登録済みの無線電話端末30が無線アクセス装置20の配下に存在しない状態で、未登録の無線電話端末30が充電台に載置された場合、固定電話装置10Aは同様に無線電話端末存在検出要求を無線アクセス装置20に送信する(S606)。しかし、無線アクセス装置20は登録されている無線電話端末30を検知できないため、無線端末不在通知を固定電話装置10Aに送信する(S607、S608)。この結果、固定電話装置10Aは、留守番機能を停止しない
このように、無線電話端末30が固定電話装置10Aの近傍に存在するか否かを充電台への載置をもって判断し、かつ固定電話装置10Aに登録済みの無線電話端末30であるか否かを無線アクセス装置20を経由して検知する。以上で、本来と異なる無線電話端末30が充電台に載置された場合にも、留守番機能が解除されないようにできる。
【0042】
図14を参照して、固定電話装置の留守番機能起動、停止処理を説明する。ここで、図14は固定電話装置の留守番機能起動、停止処理のフローチャートである。
【0043】
まず、固定電話装置10Aは、充電電流または電圧の変化を待つ(S700:NO)。ステップ700で変化があったとき(YES)、固定電話装置10Aは、無線電話端末30が充電台に載置されたか、取り外されたのかを判定する(S701)。ステップ701で載置のとき(YES)、固定電話装置10Aは、無線電話端末検知要求通知を無線アクセス装置20に送信する(S702)。次に、固定電話装置10Aは、無線アクセス装置20からの無線電話端末存在/不在通知を待つ(S703:NO)。
【0044】
ステップ703で無線電話端末存在/不在通知を受信したとき(YES)、固定電話装置10Aは、存在通知か否かを判定する(S704)。ステップ704で、存在通知のとき(YES)、固定電話装置10Aは、留守番機能が停止か否かを判定する(S705)。
【0045】
ステップ705で留守番機能が起動しているとき(YES)、固定電話装置10Aは、留守番機能を停止し(S706)、ステップ700に戻り、充電電流の変化を待つ。ステップ706で留守番機能が停止しているとき(NO)、固定電話装置10Aは、そのままステップ700に戻り、充電電流の変化を待つ。
【0046】
ステップ705で不在通知のとき(NO)、固定電話装置10Aは、留守番機能が停止しているか否かを判定する(S707)。ステップ707で留守番機能が停止しているとき(YES)、固定電話装置10Aは、留守番機能を起動し(S708)、ステップ700に戻り、充電電流の変化を待つ。ステップ707で留守番機能が起動しているとき(NO)、固定電話装置10Aは、そのままステップ700に戻り、充電電流の変化を待つ。
【0047】
ステップ701で非載置のとき(NO)、固定電話装置10Aは、ステップ707に遷移する。
なお、実施例2は、載置された無線電話端末30を特定することができないため、固定電話装置10に一台に対して、無線電話端末30は一つのみ登録する。
【0048】
図15を参照して、無線アクセス装置の無線電話端末存在検知処理を説明する。ここで、図15は無線アクセス装置の無線電話端末検知処理フローチャートである。図15において、無線アクセス装置20は、固定電話装置10からの無線電話端末検知要求の受信を待つ(S800:NO)。ステップ800で受信したとき(YES)、無線アクセス装置20は、対応テーブルに登録されている無線電話端末30を選択し(S801)、無線電話端末検知パケットを送信する(S802)。
【0049】
次に、無線アクセス装置20は、無線電話端末30から返信を受信したか否かを判定する(S803)。ステップ803で受信したとき(YES)、無線アクセス装置20は、無線電話端末30に対応する固定電話装置10に存在通知を送信し、ステップ800に戻って次の無線電話端末検知要求の受信を待つ。ステップ803で無線電話端末30から返信が無いとき(NO)、無線アクセス装置20は、無線電話端末30に対応する固定電話装置10に不在通知を送信し、ステップ800に戻って次の無線電話端末検知要求の受信を待つ。
【実施例3】
【0050】
図16を参照して、固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンスを説明する。図16は固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンス図である。なお、ここで無線LAN40上に予め1台の無線電話端末30が存在し、アクセス装置20に帰属していたとする。
【0051】
まず、登録済みの無線電話端末30が充電台に載置された場合を説明する。
固定電話装置10Aは、無線電話端末30が充電台に載置されると、登録されているユーザを一つ選択して、無線アクセス装置20へ無線電話端末存在検知要求を、ユーザに対応した無線電話端末30のアドレスと共に送信する(S900)。
【0052】
無線アクセス装置20は、無線電話端末存在検知要求を受信すると、検知要求に含まれる無線電話端末30のアドレスに対し、消費電流が変化するようなデータの送受信を行う(S901〜S902)。ここでは、SIPのメッセージ送受信を利用するが、消費電流の変化を与えるものであれば良くこの限りでは無い。また、消費電流の変化を確実にするため、メッセージの送受信を何度か繰り返しても良い。
【0053】
無線アクセス装置20は、無線電話端末30の存在検知処理を終了すると固定電話装置10Aに存在検知終了通知を送信する(S903)。
【0054】
固定電話装置10Aは、存在検知終了通知を受信すると無線電話端末存在要求を送信してから存在検知終了通知を受信するまで、無線電話端末30への充電電流または電圧に変化が無いので何も行わない。
【0055】
固定電話装置10Aは、ユーザがn個登録されている場合、n個の無線電話端末存在検知要求を送信し、無線アクセス装置20もn個の無線電話端末検知を行う(S904〜S906)。
【0056】
本シーケンスは、n番目の無線電話端末30が載置された場合であり、n番目の無線電話端末存在検知で充電電流もしくは電圧の変化が、存在検知終了通知(S908)を受信する前に検知される(S907)。固定電話装置10Aは、この結果を受けてユーザnの留守番機能を停止する(S910)。
【0057】
次に、未登録の無線電話端末30が充電台に載置された場合を説明する。
同様に固定電話装置10Aは、1〜nの無線電話端末存在検知要求を無線アクセス装置20に送信し、無線アクセス装置20は1〜nの無線電話端末存在検出を行う(S911〜S917)。
【0058】
この場合、未登録の無線電話端末30が充電台に載置されているため、無線電話端末存在検知中に充電電流もしくは電圧の変化は検出されない。このため、ユーザの留守番機能停止は行われない
なお、充電電流や電圧は、通常充電時の緩やかな変化と、存在検知時の瞬間的な変化を見極めるため、電流や電圧軸と合わせて時間軸で判定を行うようにする。また、複数の無線電話端末30が存在した場合についても同様の処理を行う。
【0059】
このように、充電台に載置された無線電話端末30が、登録済みの端末であるか否かを確実に判定する事により、未登録の無線電話端末30が充電台に載置されても留守番機能を停止しないようにできる。
【0060】
図17を参照して、固定電話装置の留守番機能起動、停止処理を説明する。ここで、図17は固定電話装置の留守番機能起動、停止処理のフローチャートである。図17において、固定電話装置10Aは、まず、充電電流または電圧の変化を待つ(S950:NO)。ステップ950で変化があったとき(YES)、固定電話装置10Aは、無線電話端末30か充電台に載置されたか否かを判定する(S951)。
【0061】
ステップ951で載置のとき(YES)、固定電話装置10Aは、登録済みのユーザを選択し(S952)、そのユーザに対応した無線電話端末30のアドレスと共に無線電話端末検知要求を無線アクセス装置20に送信する(S953)。
【0062】
次に固定電話装置10Aは、無線アクセス装置20からの存在検知終了通知を待つ(S954)。
【0063】
ステップ954で存在検知終了通知を受信したとき(YES)、固定電話装置10Aは、無線電話端末検知要求を送信してから、存在検知終了通知を受信するまでの間に、充電電流または電圧に変化があったか否かを判定する(S955)。
【0064】
ステップ955で変化があったとき(YES)、固定電話装置10Aは、選択したユーザに対応した留守番機能を停止する(S956)。
【0065】
次に、固定電話装置10Aは、全てのユーザの無線電話端末30を検知を終了したか否かを判定する(S957)。ステップ957で検知を終了したとき(YES)、固定電話装置10Aは、ステップ950に戻って、充電電流または電圧の変化を待つ。ステップ957で検知を終了していないとき、固定電話装置10Aは、ステップ952で次の登録済みユーザを選択して、それ以降の処理を繰り返す。
【0066】
ステップ955で充電電流または電圧に変化が無かったとき(NO)、固定電話装置10Aは、ステップ956の処理を行わないで、ステップ957に遷移する。
【0067】
ステップ951で、無線電話端末30が非載置となったとき(NO)、固定電話装置10Aは、全てのユーザの留守番機能を起動し(S958)、ステップ950に戻って、充電電流または電圧の変化を待つ。
【0068】
図18を参照して、無線アクセス装置の無線電話端末存在検知処理を説明する。ここで、図18は無線アクセス装置の無線電話端末存在検知処理のフローチャートである。図18において、無線アクセス装置20は、まず、固定電話装置10からの無線電話端末存在検知要求の受信を待つ(S980:NO)。ステップ980で無線電話端末存在検知要求を受信したとき(YES)、無線アクセス装置20は、無線電話端末存在検知要求に含まれる無線電話端末30のアドレスに対し、検知処理を行う(S981)。
【0069】
存在検知処理(S981)が終了すると、無線アクセス装置20は、固定電話装置10に存在検知終了通知を送信し(S982)、ステップ980に戻って次の無線電話端末存在検知要求の受信を待つ。
【0070】
実施例3に拠れば、充電台に載置された無線電話端末が固定電話装置に登録済みか判定して、留守番機能を停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】電話システムのブロック図である。
【図2】固定電話装置の機能ブロック図である。
【図3】留守番機能対応テーブルを説明する図である。
【図4】無線アクセス装置の機能ブロック図である。
【図5】固定電話装置/無線電話端末対応テーブルを説明する図である。
【図6】固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンス図である。
【図7】固定電話装置の無線電話端末登録処理のフローチャートである。
【図8】無線アクセス装置の無線電話端末登録処理のフローチャートである。
【図9】固定電話装置の留守番機能起動、停止処理を示すフローチャートである。
【図10】無線アクセス装置の無線電話端末検知処理フローチャートである。
【図11】電話システムのブロック図である。
【図12】固定電話装置の機能ブロック図である。
【図13】固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンス図である。
【図14】固定電話装置の留守番機能起動、停止処理のフローチャートである。
【図15】無線アクセス装置の無線電話端末検知処理フローチャートである。
【図16】固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンス図である。
【図17】固定電話装置の留守番機能起動、停止処理のフローチャートである。
【図18】無線アクセス装置の無線電話端末存在検知処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
10…固定電話装置、20…無線アクセス装置、30…無線電話端末、40…無線LAN、50…WAN、60…LAN、70…充電台、101…通信部、102…無線電話端末存在/不在通知受信部、103…留守番電話機能起動/停止制御部、104…留守番機能部、105…無線電話端末通知部、106…無線電話端末登録部、107…電話機能部、108…マンマシンインタフェース、109…留守番機能対応テーブル、110…充電部、111…充電電流/電圧検出部、201…有線通信部、202…無線電話端末通知受信部、203…固定電話装置/無線電話端末対応テーブル、204…無線電話端末存在検出部、205…無線電話端末存在/不在通知部、206…ブリッジ部、207…無線通信部、300…電話システム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話システムに係り、特に無線電話端末を子機として留守番機能の起動および停止を制御する電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信事業者のネットワークサービスまたは通信端末のサービスとして、伝言機能、留守録機能、転送電話機能を起動または停止し得る電話機がある。これらのサービス制御機能付きの電話機は、各機能を起動および停止する専用ボタンを有するものが多い。しかし、電話機のユーザの外出時などに、ユーザが操作を忘れてしまい、機能を有効に利用できないという問題があった。
【0003】
また、同様の機能を有するIP電話機において、在席中か離席中かは、ユーザ個人のスケジュールと連動するまたは手動設定が必要である。このIP電話機においても、スケジュールの更新または手動設定を怠ると、高度なプレゼンス機能が活かされないという問題があった。
【0004】
特許文献1には、留守録機能または転送電話機能を有するディジタルコードレス電話システムの子機を屋外に持ち出して、PHSとして公衆接続可能な電話システムが記載されている。特許文献1では、充電台を兼ねた親機から子機が持ち出されたことを検出すると、親機は、留守録機能、転送機能等を設定する。逆に、親機に子機が載置されたことを検出すると、留守録機能、転送機能を停止する電話システムである。
【0005】
【特許文献1】特開平10−322442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、ユーザが親機の近くに居たとしても、充電台に子機が載置されない限り留守録機能、転送電話機能は、解除されない。特に、子機として汎用の携帯型通信端末を使用するとき、ユーザは充電の必要に迫られていなければ、上着のポケットなどに入れておくものであり、特許文献1が示す効果は薄れる。
【0007】
また、留守録機能、転送電話機能を使用するユーザ以外のユーザが持つ携帯型通信端末が、充電台に載置された場合それを識別することはできない。この結果、真のユーザの留守録機能、転送電話機能が意図に反して解除されてしまう。
【0008】
本発明は、懸かる事情に鑑みなされたものであり、固定電話装置と無線電話端末とを含む電話システムにおいて、固定電話装置の伝言機能、留守録機能、転送電話機能等の留守番機能の起動/停止について、無線アクセス装置が予め通知されている固定電話装置と連携する無線電話端末の存在を検知し、固定電話装置に通知する事で制御する電話システムを提供する。
【0009】
更に無線アクセス装置の無線電話端末存在検知と、固定電話装置に搭載された無線電話端末の給電機能の充電電流検知により、無線電話端末存在検知の範囲を絞ること、および複数のユーザが1台の固定電話端末の留守番機能を使用できるよう、無線電話端末の特定が可能な電話システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題は、設置場所が固定的かつ留守番機能を有する固定電話装置と、移動可能な無線電話端末と、無線電話端末を収容する無線アクセス装置とからなり、無線アクセス装置は、固定電話装置と無線電話端末とを予め関連付けて登録する対応テーブルと、無線電話端末が自身の無線エリア内に存在しているか否かを検知する無線電話端末検知手段とを有し、この無線電話端末検知手段の検知結果による無線電話端末の存在通知または不存在通知を固定電話装置へ送信し、固定電話装置は、受信した不存在通知に基づいて留守番機能を起動し、受信した存在通知に基づいて留守番機能を停止する電話システムにより、達成できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、携帯電話機などの汎用の無線電話機を携行して外出もしくは離席した場合に、自動的にユーザが設定した留守番機能を起動でき、また逆に外出から戻ったときに特別な操作やアクションをせずに、自動的に留守番機能を解除できる電話システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明の実施の形態について、実施例を用い図面を参照して説明する。なお、実質同一部位には同じ参照番号を振り、説明は繰り返さない。
【実施例1】
【0013】
まず、図1を参照して、システム構成を説明する。ここで、図1は電話システムのブロック図である。図1において、電話システム300は、WAN50に接続されたLAN60と、LAN60にさらに接続された無線アクセス装置20と、留守番電話機能を有する固定電話装置10と、無線アクセス装置20と無線接続された無線電話端末30とから構成される。
【0014】
なお、固定電話装置10は、WAN50上またはLAN60上の呼制御サーバ(図示せず)に接続し、他の電話装置と、この呼制御サーバの呼接続/呼切断により、通信をする。携帯電話端末30は、無線LAN機能付きであり、802.11n等の通信プロトコルを用いて、無線アクセス装置20と無線LAN通信する。また、固定電話装置10は無線アクセス装置20の通信エリア内に配置される。また固定電話装置10の本体が通信エリア内にあればコードレスであってもよい。
【0015】
図2を参照して、固定電話装置を説明する。ここで、図2は固定電話装置の機能ブロック図である。図2において、固定電話装置10は、LANとの通信全般を制御する通信部101と、発着信など電話機能全般を制御する電話機能部107と、LCD、LED表示、音声入出力、キー入力を行うマンマシンインタフェース108と、連携させる無線電話端末30のアドレスを登録する無線電話端末登録部106と、ユーザ毎に設定されるユーザIDと留守番機能、連携する無線電話端末30を関連付ける留守番機能対応テーブル109と、無線アクセス装置20に連携させる無線電話端末30を通知する無線電話端末通知部105と、無線アクセス装置20からの無線電話端末存在/不在通知を受信し、留守番機能起動/停止制御部103に通知する無線電話端末存在/不在通知受信部102と、無線電話端末存在/不在通知の情報から、留守番機能対応テーブル記憶部109を参照し、該当するユーザの留守番機能の起動/停止を制御する留守番機能起動/停止制御部103と、留守録機能や伝言、転送などを実行する留守番機能部104とから構成される。
【0016】
なお、留守番機能対応テーブル109は、一台の固定電話端末を複数のユーザが共有して使用する場合に必要となる。このとき、発信側の通信相手に対しては、予めユーザIDを知らせておくか、音声案内により通信相手がユーザを指定することで、特定のユーザの留守番機能を利用する。
【0017】
図3を参照して、留守番機能対応テーブルを説明する。ここで、図3は留守番機能対応テーブルを説明する図である。図3において、留守番機能対応テーブル109は、各ユーザのID1091と、ユーザIDに対応させる無線電話端末30のアドレス1092と、留守録機能を有効にするとき有効を設定する留守番機能1093と、伝言機能を有効にするとき有効を設定する伝言機能1094と、転送機能を有効にするとき有効を設定する転送機能1095と、転送先の電話番号1096とから構成される。
【0018】
なお、この留守番機能対応テーブル109は、各ユーザが固定電話装置10に設定する。また、留守番機能は、図3で説明した伝言機能、留守録機能、転送電話機能に限らず、使用禁止機能等ユーザが留守のときの各種機能を意味する。
【0019】
図4を参照して、無線アクセス装置を説明する。ここで、図4は無線アクセス装置の機能ブロック図である。図4において、無線アクセス装置20は、LAN60との通信制御全般を行う有線通信部201と、無線の通信制御全般を行う無線通信部207と、無線とLAN60との間のデータブリッジを行うブリッジ部206と、固定電話装置/無線電話端末対応テーブル(単に、対応テーブルとも呼ぶ)203と、固定電話装置10からの連携する無線電話端末30のアドレスなどの通知を受信し、固定電話装置/無線電話端末対応テーブル203に固定電話装置10のアドレスと共に登録する無線電話端末通知受信部202と、固定電話装置/無線電話端末対応テーブル203のテーブルを参照して、固定電話装置10と連携する無線電話端末30の存在を検知する無線電話端末存在検知部204と、無線電話端末存在検知部204で検知した結果を固定電話端末に通知する無線電話端末存在/不在通知部205とから構成される。
【0020】
図5を参照して、固定電話装置/無線電話端末対応テーブルを説明する。ここで、図5は固定電話装置/無線電話端末対応テーブルを説明する図である。図5において、固定電話装置/無線電話端末対応テーブル203は、固定電話端末20のIPアドレスが登録される固定電話装置アドレス2031と、固定電話装置20と連携する無線電話機30端末アドレス2032から構成される。
【0021】
図6を参照して、固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンスを説明する。ここで、図6は固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンス図である。図6において、無線LAN40に予め無線電話端末30が存在し、アクセス装置20に帰属していたことを前提とする。
【0022】
固定電話装置10は、連携する無線電話端末30が登録されると、無線電話端末30通知を、固定電話装置10と登録された無線電話端末30のアドレスと共に無線アクセス装置20に送信する(S100)。なお、1台の固定電話装置10に、ユーザ毎の異なる無線電話端末30が登録されたとき、その都度ステップ100が実行される。また、固定電話装置10には、連携する無線電話端末30に留守番機能が設定されたとする。
【0023】
無線アクセス装置20は、対応テーブル203に固定電話装置10のアドレスに対応付けて無線電話端末30のアドレスを登録する(S101)。無線アクセス装置20は、無線によって無線電話端末30の存在検知を開始する(S103)。なお、ここではSIPのメッセージを利用しているが、無線電話端末30からのアドレスを含む返信を検知できるメッセージであればこれに限らない。
【0024】
無線アクセス装置20が送信したOPTIONS(S103)は、SIPユーザエージェントやプロキシサーバの能力を問い合わせるメソッドである。この問い合わせに対し、無線電話端末30は、呼が成立しているとき、自身の能力を含む200 OKを返信する。逆に呼が成立していないとき、無線電話端末30は、それを示す481 call/Transaction Dose Not Existを返信する(S104)。
【0025】
無線アクセス装置20は無線電話端末30からの返信を受信すると、自身の配下に固定電話装置10と連携している無線電話端末30が存在していると判断し、該当する固定電話装置10に無線電話端末存在通知を送信する(S105)。無線アクセス装置20は、更に無線電話端末30に対し、定期的に検知を行い無線電話端末存在通知を該当する固定電話装置10に送信する(S106〜S108)。
【0026】
ここで、ステップ108の後、存在検知の対象となる無線電話端末30が圏外に流出したとする。無線アクセス装置20は、OPTIONS(S109)に対する無線電話端末30からの返信が所定時間無い事を検知し、固定電話装置10に無線電話端末不在通知を送信する(S110)。固定電話装置10は、無線電話端末不在通知を受信すると、予め設定されている留守番機能を起動する(S111)。
【0027】
なお、複数の無線電話端末30が対応付けられている場合、無線電話端末不在通知の中に含まれる無線電話端末アドレスからユーザを特定し、そのユーザが設定した留守番機能を起動する。
【0028】
無線アクセス装置20は、引き続き、無線電話端末30に対して検知を繰り返す(S112〜S115)。無線アクセス装置20は、無線電話端末30が圏外流出から復帰し、存在を検知すると(S116〜S117)、固定電話装置10に無線電話端末存在通知を送信する(S118)。固定電話装置10は、無線電話端末存在通知を受信すると、該当するユーザの起動中の留守番機能を停止する(S119)
以上のように、無線電話端末30が、無線アクセス装置20の配下に存在するか否かで、固定電話装置10の留守番機能を起動/停止することができる。
【0029】
図7および図8を参照して、固定電話装置および無線アクセス装置への無線電話端末登録処理を説明する。ここで、図7は固定電話装置の無線電話端末登録処理のフローチャートである。図8は無線アクセス装置の無線電話端末登録処理のフローチャートである。
図7において、固定電話機10は、無線電話端末が登録されるのを待つ(S200:NO)。登録が行われたとき(S200:YES)、固定電話機10は、留守番機能対応テーブル109へ登録し(S201)、対応する無線アクセス装置20に、無線電話端末30のアドレスなどを含む無線電話端末通知を行い(S202)、ステップ200に戻り次の登録を待つ
図8において、無線アクセス装置20は、固定電話装置10から無線電話端末通知の受信を待つ(S300:NO)。無線電話端末通知を受信したとき(S300:YES)、無線アクセス装置20は、固定電話装置/無線電話端末対応テーブル203に固定電話装置10のアドレスと無線電話端末のアドレスとを対応付けて登録し(S301)、S300に戻って次の無線電話端末通知の受信を待つ。
【0030】
図9を参照して、固定電話装置の留守番機能起動処理と停止処理を説明する。ここで、図9は固定電話装置の留守番機能起動、停止処理を示すフローチャートである。なお、ここでは、ユーザが固定電話装置10に存在検知に使用する無線電話端末30のアドレス登録と、留守番機能(留守録、転送などの種別および留守録メッセージや録音時間、転送先などの設定)を事前に行っているものとする。
【0031】
図9において、固定電話装置10は、無線アクセス装置20からの無線電話端末存在または不在通知を待つ(S401:NO)。無線電話端末存在または不在通知を受信すると(S401:YES)、固定電話装置10は、無線電話端末30のアドレスから該当するユーザの留守番機能を選定する(S402)。次に、固定電話装置10は、存在通知か否かを判定する(S403)。
【0032】
ステップ403で存在通知を受信したとき(YES)、固定電話装置10は、該当するユーザの留守番機能が停止しているか否かを判定する(S404)。ステップ404で留守番機能が停止しているとき(YES)、固定電話装置10は、留守番機能を起動し(S405)、ステップ401に戻って次の無線電話端末存在/不在通知の受信を待つ。ステップ404で留守番機能が起動しているとき(NO)、固定電話装置10は、そのままステップ401に戻って次の無線電話端末存在/不在通知の受信を待つ。
【0033】
ステップ403で不在通知のとき(NO)、固定電話装置10は、ステップ406で該当するユーザの留守番機能が起動しているか否かを判定する(S406)。ステップ406で留守番機能が起動しているとき(YES)、固定電話装置10は、留守番機能を停止し(S407)、ステップ401に戻って次の無線電話端末存在/不在通知の受信を待つ。ステップ406で留守番機能が停止しているとき(NO)、固定電話装置10は、そのままステップ401に戻って次の無線電話端末存在/不在通知の受信を待つ。
【0034】
図10を参照して、無線アクセス装置の無線電話端末検知処理を説明する。ここで、図10は無線アクセス装置の無線電話端末検知処理フローチャートである。図10において、無線アクセス装置20は、まず周期タイマをセットする(S500)。無線アクセス装置20は、周期タイマのタイムアウトを待つ(S501:NO)。周期タイマがタイムアウトしたとき(S501:YES)、無線アクセス装置20は、固定電話装置/無線電話端末対応テーブル203に登録されている無線電話端末30を選択する(S502)。次に無線アクセス装置20は、選択した無線電話端末30のアドレスに対して存在検知パケットを送信する(S503)。無線アクセス装置20は、無線電話端末30からS503の返信パケットを受信したか否かを判定する(S504)。ここで、返信の受信にはタイムアウト時間を設け、タイムアウトまで受信しなかったとき、無線アクセス装置20は、返信無し(不在)と判断する。
【0035】
ステップ504で返信があったとき(YES)、無線アクセス装置20は、無線電話端末30に対応する固定電話装置10に存在通知を送信し(S505)、対応テーブルに登録の無線電話端末30全ての検知が終わったか否かを判定する(S507)。ステップ507で完了しているとき(YES)、無線アクセス装置20は、ステップ500に戻り周期的に上記の処理を繰り返す。ステップ507で完了していないとき(NO)、無線アクセス装置20は、ステップ502に戻り、次の無線電話端末30の検知を行う。ステップ504で無線電話端末30からの返信が無いとき(NO)、無線アクセス装置20は、無線電話端末30に対応する固定電話装置10に不在通知を送信し(S506)、ステップ507に遷移する。
【実施例2】
【0036】
まず、図11を参照して、電話システムの構成を説明する。ここで、図11は電話システムのブロック図である。図11において、電話システム300Aは、WAN50に接続されたLAN60と、LAN60にさらに接続された無線アクセス装置20と留守番電話機能を有する固定電話装置10Aと、無線アクセス装置20と無線接続された無線電話端末30と、固定電話装置10Aに接続された無線電話端末30用の充電台70とから構成される。
実施例1との違いは、固定電話機10Aに図示しない汎用インタフェースが設けられ、汎用インタフェースに接続された無線電話端末30の充電台70が追加されている点である。
【0037】
図12を参照して、固定電話装置を説明する。ここで、図12は固定電話装置の機能ブロック図である。図12において、固定電話装置10Aは、LANとの通信全般を制御する通信部101と、発着信など電話機能全般を制御する電話機能部107と、LCD、LED表示、音声入出力、キー入力を行うマンマシンインタフェース108と、連携させる無線電話端末30のアドレスを登録する無線電話端末登録部106と、充電台70を介して無線電話端末30に充電を行う充電部110と充電部の充電電流または充電電圧を検出し、留守番機能起動/停止制御部103に通知する充電電流/電圧検出部111と、無線アクセス装置20に対して無線電話端末存在検知要求を送信する無線電話端末存在検知要求送信部112と、無線アクセス装置20に連携させる無線電話端末30を通知する無線電話端末通知部105と、無線アクセス装置20からの無線電話端末存在/不在通知を受信し、留守番機能起動/停止制御部103に通知する無線電話端末存在/不在通知受信部102と、無線電話端末存在/不在通知の情報から、充電電流/電圧検出部111からの通知を参照し、該当するユーザの留守番機能の起動/停止を制御する留守番機能起動/停止制御部103と、留守録機能や伝言、転送などを実行する留守番機能部104とから構成される。
【0038】
実施例2の固定電話機10Aと実施例1の固定電話機10との差分は、留守番機能対応テーブル109の削除と、充電部110と充電電流/電圧検出部111と無線電話端末存在検知要求送信部112との追加である。
【0039】
図13を参照して、固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンスを説明する。ここで、図13は固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンス図である。図13において、無線LAN40に予め無線電話端末30が存在し、アクセス装置20に帰属していたことを前提とする。また、固定電話装置10Aは、初期において留守番機能を起動しているとする。
【0040】
固定電話装置10Aは、無線電話端末30が充電台に載置されると、無線電話端末存在検知要求を無線アクセス装置20に送信する(S600)。無線アクセス装置20は、固定電話装置10Aと連携している無線電話端末30のアドレスを基に無線電話端末30の存在検知を行う(S601〜S602)。無線電話端末30から返信があると、無線アクセス装置20は固定電話装置10Aに無線電話端末存在通知を行う(S603)。固定電話装置10Aは、無線電話端末存在通知を受信すると、留守番機能を停止する(S604)。
【0041】
次に固定電話装置10Aは、無線電話端末30が充電台から非載置となったことを検出すると、留守番電話機能を起動する(S605)。
固定電話装置10Aに登録済みの無線電話端末30が無線アクセス装置20の配下に存在しない状態で、未登録の無線電話端末30が充電台に載置された場合、固定電話装置10Aは同様に無線電話端末存在検出要求を無線アクセス装置20に送信する(S606)。しかし、無線アクセス装置20は登録されている無線電話端末30を検知できないため、無線端末不在通知を固定電話装置10Aに送信する(S607、S608)。この結果、固定電話装置10Aは、留守番機能を停止しない
このように、無線電話端末30が固定電話装置10Aの近傍に存在するか否かを充電台への載置をもって判断し、かつ固定電話装置10Aに登録済みの無線電話端末30であるか否かを無線アクセス装置20を経由して検知する。以上で、本来と異なる無線電話端末30が充電台に載置された場合にも、留守番機能が解除されないようにできる。
【0042】
図14を参照して、固定電話装置の留守番機能起動、停止処理を説明する。ここで、図14は固定電話装置の留守番機能起動、停止処理のフローチャートである。
【0043】
まず、固定電話装置10Aは、充電電流または電圧の変化を待つ(S700:NO)。ステップ700で変化があったとき(YES)、固定電話装置10Aは、無線電話端末30が充電台に載置されたか、取り外されたのかを判定する(S701)。ステップ701で載置のとき(YES)、固定電話装置10Aは、無線電話端末検知要求通知を無線アクセス装置20に送信する(S702)。次に、固定電話装置10Aは、無線アクセス装置20からの無線電話端末存在/不在通知を待つ(S703:NO)。
【0044】
ステップ703で無線電話端末存在/不在通知を受信したとき(YES)、固定電話装置10Aは、存在通知か否かを判定する(S704)。ステップ704で、存在通知のとき(YES)、固定電話装置10Aは、留守番機能が停止か否かを判定する(S705)。
【0045】
ステップ705で留守番機能が起動しているとき(YES)、固定電話装置10Aは、留守番機能を停止し(S706)、ステップ700に戻り、充電電流の変化を待つ。ステップ706で留守番機能が停止しているとき(NO)、固定電話装置10Aは、そのままステップ700に戻り、充電電流の変化を待つ。
【0046】
ステップ705で不在通知のとき(NO)、固定電話装置10Aは、留守番機能が停止しているか否かを判定する(S707)。ステップ707で留守番機能が停止しているとき(YES)、固定電話装置10Aは、留守番機能を起動し(S708)、ステップ700に戻り、充電電流の変化を待つ。ステップ707で留守番機能が起動しているとき(NO)、固定電話装置10Aは、そのままステップ700に戻り、充電電流の変化を待つ。
【0047】
ステップ701で非載置のとき(NO)、固定電話装置10Aは、ステップ707に遷移する。
なお、実施例2は、載置された無線電話端末30を特定することができないため、固定電話装置10に一台に対して、無線電話端末30は一つのみ登録する。
【0048】
図15を参照して、無線アクセス装置の無線電話端末存在検知処理を説明する。ここで、図15は無線アクセス装置の無線電話端末検知処理フローチャートである。図15において、無線アクセス装置20は、固定電話装置10からの無線電話端末検知要求の受信を待つ(S800:NO)。ステップ800で受信したとき(YES)、無線アクセス装置20は、対応テーブルに登録されている無線電話端末30を選択し(S801)、無線電話端末検知パケットを送信する(S802)。
【0049】
次に、無線アクセス装置20は、無線電話端末30から返信を受信したか否かを判定する(S803)。ステップ803で受信したとき(YES)、無線アクセス装置20は、無線電話端末30に対応する固定電話装置10に存在通知を送信し、ステップ800に戻って次の無線電話端末検知要求の受信を待つ。ステップ803で無線電話端末30から返信が無いとき(NO)、無線アクセス装置20は、無線電話端末30に対応する固定電話装置10に不在通知を送信し、ステップ800に戻って次の無線電話端末検知要求の受信を待つ。
【実施例3】
【0050】
図16を参照して、固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンスを説明する。図16は固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンス図である。なお、ここで無線LAN40上に予め1台の無線電話端末30が存在し、アクセス装置20に帰属していたとする。
【0051】
まず、登録済みの無線電話端末30が充電台に載置された場合を説明する。
固定電話装置10Aは、無線電話端末30が充電台に載置されると、登録されているユーザを一つ選択して、無線アクセス装置20へ無線電話端末存在検知要求を、ユーザに対応した無線電話端末30のアドレスと共に送信する(S900)。
【0052】
無線アクセス装置20は、無線電話端末存在検知要求を受信すると、検知要求に含まれる無線電話端末30のアドレスに対し、消費電流が変化するようなデータの送受信を行う(S901〜S902)。ここでは、SIPのメッセージ送受信を利用するが、消費電流の変化を与えるものであれば良くこの限りでは無い。また、消費電流の変化を確実にするため、メッセージの送受信を何度か繰り返しても良い。
【0053】
無線アクセス装置20は、無線電話端末30の存在検知処理を終了すると固定電話装置10Aに存在検知終了通知を送信する(S903)。
【0054】
固定電話装置10Aは、存在検知終了通知を受信すると無線電話端末存在要求を送信してから存在検知終了通知を受信するまで、無線電話端末30への充電電流または電圧に変化が無いので何も行わない。
【0055】
固定電話装置10Aは、ユーザがn個登録されている場合、n個の無線電話端末存在検知要求を送信し、無線アクセス装置20もn個の無線電話端末検知を行う(S904〜S906)。
【0056】
本シーケンスは、n番目の無線電話端末30が載置された場合であり、n番目の無線電話端末存在検知で充電電流もしくは電圧の変化が、存在検知終了通知(S908)を受信する前に検知される(S907)。固定電話装置10Aは、この結果を受けてユーザnの留守番機能を停止する(S910)。
【0057】
次に、未登録の無線電話端末30が充電台に載置された場合を説明する。
同様に固定電話装置10Aは、1〜nの無線電話端末存在検知要求を無線アクセス装置20に送信し、無線アクセス装置20は1〜nの無線電話端末存在検出を行う(S911〜S917)。
【0058】
この場合、未登録の無線電話端末30が充電台に載置されているため、無線電話端末存在検知中に充電電流もしくは電圧の変化は検出されない。このため、ユーザの留守番機能停止は行われない
なお、充電電流や電圧は、通常充電時の緩やかな変化と、存在検知時の瞬間的な変化を見極めるため、電流や電圧軸と合わせて時間軸で判定を行うようにする。また、複数の無線電話端末30が存在した場合についても同様の処理を行う。
【0059】
このように、充電台に載置された無線電話端末30が、登録済みの端末であるか否かを確実に判定する事により、未登録の無線電話端末30が充電台に載置されても留守番機能を停止しないようにできる。
【0060】
図17を参照して、固定電話装置の留守番機能起動、停止処理を説明する。ここで、図17は固定電話装置の留守番機能起動、停止処理のフローチャートである。図17において、固定電話装置10Aは、まず、充電電流または電圧の変化を待つ(S950:NO)。ステップ950で変化があったとき(YES)、固定電話装置10Aは、無線電話端末30か充電台に載置されたか否かを判定する(S951)。
【0061】
ステップ951で載置のとき(YES)、固定電話装置10Aは、登録済みのユーザを選択し(S952)、そのユーザに対応した無線電話端末30のアドレスと共に無線電話端末検知要求を無線アクセス装置20に送信する(S953)。
【0062】
次に固定電話装置10Aは、無線アクセス装置20からの存在検知終了通知を待つ(S954)。
【0063】
ステップ954で存在検知終了通知を受信したとき(YES)、固定電話装置10Aは、無線電話端末検知要求を送信してから、存在検知終了通知を受信するまでの間に、充電電流または電圧に変化があったか否かを判定する(S955)。
【0064】
ステップ955で変化があったとき(YES)、固定電話装置10Aは、選択したユーザに対応した留守番機能を停止する(S956)。
【0065】
次に、固定電話装置10Aは、全てのユーザの無線電話端末30を検知を終了したか否かを判定する(S957)。ステップ957で検知を終了したとき(YES)、固定電話装置10Aは、ステップ950に戻って、充電電流または電圧の変化を待つ。ステップ957で検知を終了していないとき、固定電話装置10Aは、ステップ952で次の登録済みユーザを選択して、それ以降の処理を繰り返す。
【0066】
ステップ955で充電電流または電圧に変化が無かったとき(NO)、固定電話装置10Aは、ステップ956の処理を行わないで、ステップ957に遷移する。
【0067】
ステップ951で、無線電話端末30が非載置となったとき(NO)、固定電話装置10Aは、全てのユーザの留守番機能を起動し(S958)、ステップ950に戻って、充電電流または電圧の変化を待つ。
【0068】
図18を参照して、無線アクセス装置の無線電話端末存在検知処理を説明する。ここで、図18は無線アクセス装置の無線電話端末存在検知処理のフローチャートである。図18において、無線アクセス装置20は、まず、固定電話装置10からの無線電話端末存在検知要求の受信を待つ(S980:NO)。ステップ980で無線電話端末存在検知要求を受信したとき(YES)、無線アクセス装置20は、無線電話端末存在検知要求に含まれる無線電話端末30のアドレスに対し、検知処理を行う(S981)。
【0069】
存在検知処理(S981)が終了すると、無線アクセス装置20は、固定電話装置10に存在検知終了通知を送信し(S982)、ステップ980に戻って次の無線電話端末存在検知要求の受信を待つ。
【0070】
実施例3に拠れば、充電台に載置された無線電話端末が固定電話装置に登録済みか判定して、留守番機能を停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】電話システムのブロック図である。
【図2】固定電話装置の機能ブロック図である。
【図3】留守番機能対応テーブルを説明する図である。
【図4】無線アクセス装置の機能ブロック図である。
【図5】固定電話装置/無線電話端末対応テーブルを説明する図である。
【図6】固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンス図である。
【図7】固定電話装置の無線電話端末登録処理のフローチャートである。
【図8】無線アクセス装置の無線電話端末登録処理のフローチャートである。
【図9】固定電話装置の留守番機能起動、停止処理を示すフローチャートである。
【図10】無線アクセス装置の無線電話端末検知処理フローチャートである。
【図11】電話システムのブロック図である。
【図12】固定電話装置の機能ブロック図である。
【図13】固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンス図である。
【図14】固定電話装置の留守番機能起動、停止処理のフローチャートである。
【図15】無線アクセス装置の無線電話端末検知処理フローチャートである。
【図16】固定電話機と無線アクセス装置と無線LANとの間の処理シーケンス図である。
【図17】固定電話装置の留守番機能起動、停止処理のフローチャートである。
【図18】無線アクセス装置の無線電話端末存在検知処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
10…固定電話装置、20…無線アクセス装置、30…無線電話端末、40…無線LAN、50…WAN、60…LAN、70…充電台、101…通信部、102…無線電話端末存在/不在通知受信部、103…留守番電話機能起動/停止制御部、104…留守番機能部、105…無線電話端末通知部、106…無線電話端末登録部、107…電話機能部、108…マンマシンインタフェース、109…留守番機能対応テーブル、110…充電部、111…充電電流/電圧検出部、201…有線通信部、202…無線電話端末通知受信部、203…固定電話装置/無線電話端末対応テーブル、204…無線電話端末存在検出部、205…無線電話端末存在/不在通知部、206…ブリッジ部、207…無線通信部、300…電話システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置場所が固定的かつ留守番機能を有する固定電話装置と、移動可能な無線電話端末と、前記無線電話端末を収容する無線アクセス装置とからなる電話システムであって、
前記無線アクセス装置は、前記固定電話装置と前記無線電話端末とを予め関連付けて登録する対応テーブルと、前記無線電話端末が自身の無線エリア内に存在しているか否かを検知する無線電話端末検知手段とを有し、この無線電話端末検知手段の検知結果による前記無線電話端末の存在通知または不存在通知を前記固定電話装置へ送信し、
前記固定電話装置は、受信した前記不存在通知に基づいて前記留守番機能を起動し、受信した前記存在通知に基づいて前記留守番機能を停止することを特徴とする電話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電話システムであって、
前記固定電話装置は、前記無線電話端末へ充電する充電手段と、この充電手段が充電状態であるか否かを識別する充電状態検知手段とをさらに有し、充電状態を検出したとき、前記無線アクセス装置に無線電話端末の存在検知の指示を行い、
無線アクセス装置は、前記固定電話装置に対応した無線電話端末の存在を検知し、検知できた無線電話端末のアドレスを固定電話装置に通知し、
固定電話装置は、通知を受けた無線電話端末のアドレスに対応する留守番機能を停止することを特徴とする電話システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電話システムであって、
固定電話装置は、無線電話機の消費電流変化を充電電流または充電電圧の変化で検出し、かつ前記無線アクセス装置から通知を受けた当該無線電話機に対応する留守番機能を停止することを特徴とする電話システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の電話システムであって、
前記充電手段は、前記固定電話装置に搭載された電力給電機能を有する汎用インタフェースであることを特徴とする電話システム。
【請求項1】
設置場所が固定的かつ留守番機能を有する固定電話装置と、移動可能な無線電話端末と、前記無線電話端末を収容する無線アクセス装置とからなる電話システムであって、
前記無線アクセス装置は、前記固定電話装置と前記無線電話端末とを予め関連付けて登録する対応テーブルと、前記無線電話端末が自身の無線エリア内に存在しているか否かを検知する無線電話端末検知手段とを有し、この無線電話端末検知手段の検知結果による前記無線電話端末の存在通知または不存在通知を前記固定電話装置へ送信し、
前記固定電話装置は、受信した前記不存在通知に基づいて前記留守番機能を起動し、受信した前記存在通知に基づいて前記留守番機能を停止することを特徴とする電話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電話システムであって、
前記固定電話装置は、前記無線電話端末へ充電する充電手段と、この充電手段が充電状態であるか否かを識別する充電状態検知手段とをさらに有し、充電状態を検出したとき、前記無線アクセス装置に無線電話端末の存在検知の指示を行い、
無線アクセス装置は、前記固定電話装置に対応した無線電話端末の存在を検知し、検知できた無線電話端末のアドレスを固定電話装置に通知し、
固定電話装置は、通知を受けた無線電話端末のアドレスに対応する留守番機能を停止することを特徴とする電話システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電話システムであって、
固定電話装置は、無線電話機の消費電流変化を充電電流または充電電圧の変化で検出し、かつ前記無線アクセス装置から通知を受けた当該無線電話機に対応する留守番機能を停止することを特徴とする電話システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の電話システムであって、
前記充電手段は、前記固定電話装置に搭載された電力給電機能を有する汎用インタフェースであることを特徴とする電話システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−71593(P2009−71593A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−237995(P2007−237995)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】
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