説明

電話応対支援方法

【課題】 専門のオペレータではない一般の人が使用できるように、コンピュータディスプレイと音声によって、電話応対における電話相手先の認証を容易にする。
【解決手段】 電話発信元を特定する手段としてナンバーディスプレイ機能による電話番号の表示サービスを前提にして、電話回線に接続されたアダプタから該電話番号を取得し、該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示すると伴に、相手先の特定に役立つように関連づけされた画像ファイルをウインドウの背景画像として表示し、さらに相手先の特定に役立つように関連づけされた音声ファイルをスピーカを通して再生させることで、容易に電話相手先を認証することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCTI(Computer Telephony Integration)に関わるもので、電話回線とコンピュータを一体化して、電話番号を電話機上に表示するというナンバーディスプレイ機能にさらに付加価値を与え、電話相手先の情報が容易に把握できるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
従来のCTIは顧客管理や販売業務と連携して使用されることを目的としており、顧客の電話番号を特定して、顧客情報をポップアップ画面にて表示することによって、顧客の購買履歴やクレーム対応状況の把握を容易にし、その結果として顧客満足度を高めるものである。
【0003】
一方、家庭用の電話はもちろんのこと、携帯電話における電話相手先の名前の表示においては、家族、親戚、友人を対象にしたものが多く、上記のような販売営業を目的としたものとは一線を画すものである。
【0004】
このような状況下では、特定の訓練を受けたオペレータを想定することはできず、コンピュータの操作も必ずしも十分にできないような人を対象にした、操作が簡単で、しかもコンピュータの出力結果が容易にわかるようなCTIシステムが必要になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CTIの用途のほとんどはコールセンターにおける受付であり、ヘッドフォンとマイクを身につけたオペレータが販売業務やサポート・クレーム処理業務の一環で使用するもので、高度に訓練されたものしか使用できない。このため、CTIをコンピュータの操作が十分できない人に使用させることは非常に困難であり、ましてや家庭用の電話応対に従来のCTIシステムを導入することは不可能であるといえる。現状では、ナンバーディスプレイ機能で相手先の名前を表示することが精一杯で、本来CTIが持つコンピュータ処理による付加価値を電話応対の際に持たせることは現状の課題として挙げられよう。
【0006】
本発明は、こうしたCTIの問題点を考慮してなされたもので、専門のオペレータではない一般の人が使用できるように、コンピュータディスプレイを介したわかりやすい表示と、スピーカを通した音声ガイドによる補助を通じて、電話応対における電話相手先の認証を容易にして、コンピュータ処理による付加価値を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明においては、電話発信元を特定する手段としてナンバーディスプレイ機能による電話番号の表示サービスを前提にして、電話回線に接続されたアダプタから該電話番号を取得し、該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示すると伴に、相手先の特定に役立つように関連づけされた画像ファイルをウインドウの背景画像として表示し、さらに相手先の特定に役立つように関連づけされた音声ファイルをスピーカを通して再生させる手段を備える装置を提供する。
【0008】
具体的に、本発明は、電話回線における信号変換機としてのアダプタ、表示装置としてのディスプレイ、音声出力装置としてのスピーカ、入力装置としてのキーボードとマウス、制御装置としてのコンピュータの6つの装置がコンピュータを中心にして相互に接続された電話応対支援装置であって、電話を掛けてきた相手先の電話番号をアダプタを通じて制御装置が入力し、該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、相手先の特定に役立つように関連づけされた画像ファイルを検索し、該画像ファイルをウインドウの背景画像として表示する手段と、相手先の特定に役立つように関連づけされた音声ファイルを検索し、該音声ファイルをスピーカを通して再生させる手段とを併用して、電話の相手先の認証を容易に実現する。
【0009】
また、電話回線における信号変換機としてのアダプタ、表示装置としてのディスプレイ、音声出力装置としてのスピーカ、入力装置としてのキーボードとマウス、制御装置としてのコンピュータの6つの装置がコンピュータを中心にして相互に接続された電話応対支援装置であって、電話を掛けてきた相手先の電話番号をアダプタを通じて制御装置が入力し、該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、相手先を特徴づける分類カテゴリを入力させ、該分類カテゴリに関連する画像ファイルをカテゴリ空間上を検索してリストアップし、該リストから相手先の特定に役立つ画像ファイルをキーボードあるいはマウスを通して選択させて相手先と該画像ファイルを関連づけする手段と、選択された画像ファイルをウインドウの背景画像として表示する手段とを併用して、電話の相手先の認証を容易に実現する。
【0010】
さらに、電話回線における信号変換機としてのアダプタ、表示装置としてのディスプレイ、音声出力装置としてのスピーカ、入力装置としてのキーボードとマウス、制御装置としてのコンピュータの6つの装置がコンピュータを中心にして相互に接続された電話応対支援装置であって、電話を掛けてきた相手先の電話番号をアダプタを通じて制御装置が入力し、該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、相手先を特徴づける分類カテゴリを入力させ、該分類カテゴリに関連する音声ファイルをカテゴリ空間上を検索してリストアップし、該リストから相手先の特定に役立つ音声ファイルをキーボードあるいはマウスを通して選択させて相手先と該音声ファイルを関連づけする手段と、選択された音声ファイルをスピーカを通して再生させる手段とを併用して、電話の相手先の認証を容易に実現する。
【0011】
さらに、電話回線における信号変換機としてのアダプタ、表示装置としてのディスプレイ、音声出力装置としてのスピーカ、入力装置としてのキーボードとマウス、制御装置としてのクライアントコンピュータ、データベース装置としてのホストコンピュータにおいて、アダプタとディスプレイとスピーカとマウスとキーボードがクライアントコンピュータを中心にして相互に接続され、ホストコンピュータとクライアントコンピュータがネットワーク接続された電話応対支援装置であって、電話を掛けてきた相手先の電話番号をアダプタを通じて制御装置が入力し、該電話番号をホストコンピュータに送信する手段と、ホストコンピュータが受信した該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報と相手先の特定に役立つように関連づけされた画像ファイルと音声ファイルをクライアントコンピュータに返信する手段と、クライアントコンピュータが受信した該相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、受信した該画像ファイルをそのウインドウの背景画像として表示する手段と、受信した該音声ファイルをスピーカを通して再生させる手段とを併用して、電話の相手先の認証を容易に実現する。
【0012】
さらに、電話回線における信号変換機としてのアダプタ、表示装置としてのディスプレイ、音声出力装置としてのスピーカ、入力装置としてのキーボードとマウス、制御装置としてのクライアントコンピュータ、データベース装置としてのホストコンピュータにおいて、アダプタとディスプレイとスピーカとマウスとキーボードがクライアントコンピュータを中心にして相互に接続され、ホストコンピュータとクライアントコンピュータがネットワーク接続された電話応対支援装置であって、電話を掛けてきた相手先の電話番号をアダプタを通じて制御装置が入力し、該電話番号をホストコンピュータに送信する手段と、ホストコンピュータが受信した該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報を返信する手段と、クライアントコンピュータが受信した該相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、クライアントコンピュータ上で相手先を特徴づける分類カテゴリを入力させ、該分類カテゴリをホストコンピュータに送信する手段と、ホストコンピュータが該分類カテゴリを受信し、該分類カテゴリに関連する画像ファイルをカテゴリ空間上を検索しリストアップして該リストをクライアントコンピュータに送信する手段と、クライアントコンピュータが受信した該リストから相手先の特定に役立つ画像ファイルをキーボードあるいはマウスを通して選択させて相手先と画像ファイルを関連づけする手段と、クライアントコンピュータが該画像ファイルを該ウインドウの背景画像として表示すると同時に該画像ファイルの名前をホストコンピュータに送信する手段とを併用して、電話の相手先の認証を容易に実現する。
【0013】
さらに、電話回線における信号変換機としてのアダプタ、表示装置としてのディスプレイ、音声出力装置としてのスピーカ、入力装置としてのキーボードとマウス、制御装置としてのクライアントコンピュータ、データベース装置としてのホストコンピュータにおいて、アダプタとディスプレイとスピーカとマウスとキーボードがクライアントコンピュータを中心にして相互に接続され、ホストコンピュータとクライアントコンピュータがネットワーク接続された電話応対支援装置であって、電話を掛けてきた相手先の電話番号をアダプタを通じて制御装置が入力し、該電話番号をホストコンピュータに送信する手段と、ホストコンピュータが受信した該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報を返信する手段と、クライアントコンピュータが受信した該相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、クライアントコンピュータ上で相手先を特徴づける分類カテゴリを入力させ、該分類カテゴリをホストコンピュータに送信する手段と、ホストコンピュータが該分類カテゴリを受信し、該分類カテゴリに関連する音声ファイルをカテゴリ空間上を検索しリストアップして該リストをクライアントコンピュータに送信する手段と、クライアントコンピュータが受信した該リストから相手先の特定に役立つ音声ファイルをキーボードあるいはマウスを通して選択させて相手先と音声ファイルを関連づけする手段と、クライアントコンピュータが該音声ファイルをスピーカを通して再生させると同時に該音声ファイルの名前をホストコンピュータに送信する手段とを併用し、電話の相手先の認証を容易に実現する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、従来のCTIが対象としてきたコールセンターでの利用ではなく、専門のオペレータではない一般の人が使用できるように、コンピュータディスプレイを介したわかりやすい表示と、スピーカを通した音声ガイドによる補助を通じて、電話応対における電話相手先の認証を容易にして、コンピュータ処理による付加価値を提供することが実現される。すなわち、電話発信元を特定する手段としてナンバーディスプレイ機能による電話番号の表示サービスを前提にして、電話回線に接続されたアダプタから該電話番号を取得し、該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示すると伴に、相手先の特定に役立つように関連づけされた画像ファイルをウインドウの背景画像として表示し、さらに相手先の特定に役立つように関連づけされた音声ファイルをスピーカを通して再生させることで、電話相手先を一見してわかるように、またコンピュータディスプレイに張り付いていない場合でも容易に相手先を認証することができるようになる。従来のナンバーディスプレイによる相手先の名前の表示や、顔写真の表示よりも、背景画像を表示し、音声でも通知する機能を実現することで、はるかに効果的な相手先情報の提示が可能となる。これより、本発明は家庭における電話応対支援や顧客層が非常に多岐にわたる業務での応対支援といったように広い範囲で適用できるもので、産業上の貢献も大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図に従って、本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
図1(単体システム構成)は本発明の電話応対支援システムおよびその周辺の装置を表したものである。
【0017】
電話応対支援の単体システムは、電話回線1における信号変換機としてのアダプタ2、表示装置としてのディスプレイ5、音声出力装置としてのスピーカ6、入力装置としてのキーボード25とマウス26、制御装置としてのコンピュータ7の6つの装置がコンピュータを中心にして相互に接続されており、さらにアダプタ2は電話回線3を通じて電話機4に接続されている。
【0018】
電話が鳴ると、アダプタ2がその信号を受信し、コンピュータ7に電話送信元の電話番号を送信するようになされており、コンピュータ7は該電話番号を受信すると、該電話番号に関連した相手先情報、背景画像、音声ファイルを取り出し、ディスプレイ5に該背景画像を背景にもつウインドウをポップアップさせ、該ウインドウに該相手先情報を表示し、スピーカ6を介して該音声ファイルを再生するよう、ディスプレイ5およびスピーカ6と交信する。
【0019】
キーボード25とマウス26は、背景画像を意図したアイコンと音声ファイルを意図したアイコンがそれぞれ複数ディスプレイ5に表示されている状態で、特定の背景画像もしくは音声ファイルを指定し選択するために使用され、選択された背景画像もしくは音声ファイルは電話相手先と関連づけされるようコンピュータが動作するようになされている。
【0020】
図2(ネットワークシステム構成)は本発明の電話応対支援システム、その周辺の装置およびネットワーク接続されたホストコンピュータを表したものである。
【0021】
電話応対支援のネットワークシステムは、電話回線1における信号変換機としてのアダプタ2、表示装置としてのディスプレイ5、音声出力装置としてのスピーカ6、入力装置としてのキーボード25とマウス26、制御装置としてのクライアントコンピュータ7、データベース装置としてのホストコンピュータにおいて、アダプタとディスプレイとスピーカとマウスとキーボードがクライアントコンピュータを中心にして相互に接続されており、またホストコンピュータとクライアントコンピュータはバスを介してネットワーク接続され、さらにコンピュータ7はさらにアダプタ2は電話回線3を通じて電話機4に接続されている。
【0022】
電話が鳴ると、アダプタ2がその信号を受信し、クライアントコンピュータ7に電話送信元の電話番号を送信するようになされており、クライアントコンピュータ7は該電話番号を受信すると、該電話番号をバスを通じてホストコンピュータに送信し、ホストコンピュータは受信した該電話番号に関連した相手先情報、背景画像、音声ファイルを取り出し、該相手先情報、該背景画像、該音声ファイルをクライアントコンピュータに送信し、クライアントコンピュータはディスプレイ5に受信した該背景画像を背景にもつウインドウをポップアップさせ、該ウインドウに受信した該相手先情報を表示し、スピーカ6を介して受信した該音声ファイルを再生するよう、ディスプレイ5およびスピーカ6と交信する。
【0023】
キーボード25とマウス26は、背景画像を意図したアイコンと音声ファイルを意図したアイコンがそれぞれ複数ディスプレイ5に表示されている状態で、特定の背景画像もしくは音声ファイルを指定し選択するために使用され、クライアントコンピュータは選択された該背景画像と該音声ファイルの名前をホストコンピュータに送信して、ホストコンピュータが相手先と該背景画像および該音声ファイルを関連付けるようになされている。
【0024】
かかる構成の電話応対支援の単体システム(図1)およびネットワークシステム(図2)において、相手先から電話がかかってきたとき、図3に示す電話受信応対ルーチンRT1を実行する。
【0025】
電話応対支援システム(図1および図2)は、電話受信応対ルーチンに入ると、ステップSP1において電話番号T1を受信し、ステップSP2において電話番号T1に照合する相手先IDのリストL1を取り出す。
【0026】
ステップSP3において、リストL1が空集合である場合は、該電話番号T1に対する相手先が登録されていないということで、新規に相手先をステップSP4、背景画像登録ルーチンRT2、音声ファイル登録ルーチンRT3で登録した後、ステップSP11へ移行する。
【0027】
ステップSP3において、リストL1が空集合でない場合は、ステップSP5でリストL1の要素が2つ以上であるかどうか判定し、そうである場合はステップSP6で図4に示す相手先表示リストを表示し、ステップSP8で相手先を1つ選択し、その相手先をID1にするが、リストL1の要素が1つである場合は、ステップSP7で相手先ID1を取り出す。
【0028】
ステップSP9においては、相手先ID1に関連づけされた背景画像B1と取り出し、ステップSP10では、相手先ID1に関連づけされた音声ファイルA1を取り出す。
【0029】
さらに、ステップSP11においては、背景画像B1のもとで相手先ID1の情報を表示した図5に示す電話応対画面をディスプレイ5またはディスプレイ13上にポップアップさせ、相手先ID1に関連づけされた背景画像B1と取り出し、ステップSP12で音声ファイルA1をスピーカ6またはスピーカ14で再生する。
【0030】
背景画像登録ルーチンRT2では、ステップSP14において図7に示したカテゴリ入力画面を表示し、カテゴリの入力を受け付けた後、ステップSP15で画像検索関数fを呼び出して、分類カテゴリC1に関連づけされた画像リストI1を検索する。
【0031】
次に、ステップSP16において、画像リストI1を表示し、図8に示した画像選択画面を介して背景画像ファイルF1を取り出す。
【0032】
最後に、ステップSP17において、該電話相手先に対して背景画像ファイルF1を関連づけさせて、図9に示す画像登録画面にて背景画像ファイルF1を登録する。
【0033】
音声ファイル登録ルーチンRT3では、ステップSP19において図11に示したカテゴリ入力画面を表示し、カテゴリの入力を受け付けた後、ステップSP20で音声ファイル検索関数fを呼び出して、分類カテゴリC1に関連づけされた音声ファイルリストA1を検索する。
【0034】
次に、ステップSP21において、音声ファイルリストA1を表示し、図12に示した音声選択画面を介して音声ファイルG1を取り出す。
【0035】
さらに、ステップSP22において、該電話相手先に対して音声ファイルG1を関連づけさせて、図13に示す音声登録画面にて音声ファイルG1を登録する。
【0036】
かかる背景画像登録ルーチンRT2と音声ファイル登録ルーチンRT3において呼び出されている背景画像検索関数と音声ファイル検索関数は集合論の記号を用いて以下のように定義される。
【0037】
まず、カテゴリ要素という概念を導入する。
【0038】
カテゴリ要素とは、家族、親戚、友人といった人間関係を表現するものから、花屋、Web製作屋、印刷屋といった業者の職業などを表現したものである。
【0039】
図14は、カテゴリ要素の集合CTを
【0040】
【数1】

【0041】
としている。
【0042】
カテゴリ要素集合CTが与えられると、カテゴリ空間CLは次のように定義される。
【0043】
【数2】

【0044】
すなわち、カテゴリ要素集合の部分集合からなる集合がCLとなり、CLの要素がカテゴリを構成する。
【0045】
したがって、カテゴリはカテゴリ要素の集まりである。
【0046】
カテゴリ要素ではなく、その集まりをカテゴリと考えることは、業者の職業が複数のジャンルにまたがっている場合に対応するためにある。
【0047】
例えば、Web製作と印刷の両方の業を兼ねている業者は{Web製作、印刷}としてカテゴリを構成することができる。
【0048】
従来、業者の分類はNTTが発行するタウンページ等に見られるが、そこではカテゴリの構造が木構造をなしており、抽象度の高いカテゴリを木の上位に位置させ、具体的なものを下位に位置させたカテゴリをもつ。
【0049】
このような表現は、業を兼ねる場合には向いておらず、本発明で示すカテゴリ空間の構造が適している。
【0050】
なお、本発明におけるカテゴリ空間は最上位が空集合で、最下位がカテゴリ要素すべてを含むカテゴリが位置する束構造をなす。
【0051】
数学的には、束構造は順序集合であり、かつ距離空間を構成する。
【0052】
したがって、2つのカテゴリC1、C2において、C1⊆C2が成り立つとき、C2はC1の業を含むカテゴリであり、C1よりも大きいカテゴリとなる。
【0053】
さらに、C2からカテゴリ要素を一つ除いた集合がC1であるとき、C1はC2の直接の上位カテゴリになり、その距離は1となる。
【0054】
例えば、花屋という業をなす相手先が友人でもある場合、{花屋、友人}というカテゴリは{花屋}のカテゴリに対して距離が1の大きいカテゴリといえる。
【0055】
このようなカテゴリ空間を前提にして、カテゴリ空間内の各カテゴリには関連する背景画像のリストI1と音声ファイルのリストA1が与えられているものとする。
【0056】
例えば、{花屋、友人}というカテゴリに対して、このカテゴリに対応して相手先を特定するのに必要な背景画像I1と音声ファイルA1が割り当てられていることとする。
【0057】
この関係を次のような関数で規定する。
【0058】
【数3】

【0059】
以上の準備から、背景画像登録ルーチンRT2と音声ファイル登録ルーチンRT3で呼び出される画像検索関数fと音声ファイル検索関数fは次のように定義される。
【0060】
【数4】

【0061】
ここで、∪は和集合の記号を表し、カテゴリC1と等しいかもしくはC1より上位に位置するカテゴリすべてに対して割り当てられた背景画像と音声ファイルを取り出す。
【0062】
なお、fとfの値であるリストは距離の小さいものから順に並べて出力するものとする。
【0063】
これより、与えられたカテゴリC1に対して、それに最も関連するものからリストが構成されることになる。
【0064】
かくして、画像検索関数fと音声ファイル検索関数fはユーザから入力された分類カテゴリに対して関連づけられた画像リストI1および音声ファイルA1を検索するよう動作する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】 本発明による電話応対支援方法を適用した単体システム構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明による電話応対支援方法を適用したネットワークシステム構成を示すブロック図である。
【図3】 電話受信応対ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】 電話相手先を選択する略線図である。
【図5】 電話応対画面を示す略線図である。
【図6】 背景画像登録ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】 カテゴリ入力画面を示す略線図である。
【図8】 画像選択画面を示す略線図である。
【図9】 画像登録画面を示す略線図である。
【図10】 音声登録ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】 カテゴリ入力画面を示す略線図である。
【図12】 音声選択画面を示す略線図である。
【図13】 音声登録画面を示す略線図である。
【図14】 カテゴリ空間を示す略線図である。
【符号の説明】
【0066】
1……電話回線、2……アダプタ、3……電話回線、4……電話機、5……ディスプレイ、6……スピーカ、7……コンピュータ、8……ケーブル、9……電話回線、10……アダプタ、11……電話回線、12……電話機、13……ディスプレイ、14……スピーカ、15……クライアントコンピュータ、16……ケーブル、17……バス、18……ルータ、19……バス、20……インターネット、21……バス、22……ルータ、23……バス、24……ホストコンピュータ、25……キーボード、26……マウス、27……キーボード、28……マウス、29……相手先リスト表示画面、30……電話応対画面、31……カテゴリ入力画面、32……画像選択画面、33……画像登録画面、34……カテゴリ入力画面、35……音声選択画面、36……音声登録画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話回線における信号変換機としてのアダプタ、表示装置としてのディスプレイ、音声出力装置としてのスピーカ、入力装置としてのキーボードとマウス、制御装置としてのコンピュータの6つの装置がコンピュータを中心にして相互に接続された電話応対支援装置であって、電話を掛けてきた相手先の電話番号をアダプタを通じて制御装置が入力し、該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、相手先の特定に役立つように関連づけされた画像ファイルを検索し、該画像ファイルをウインドウの背景画像として表示する手段と、相手先の特定に役立つように関連づけされた音声ファイルを検索し、該音声ファイルをスピーカを通して再生させる手段を併せ持った、電話の相手先の認証を容易にして電話応対をスムーズにさせることを特徴とする電話応対支援方法。
【請求項2】
電話回線における信号変換機としてのアダプタ、表示装置としてのディスプレイ、音声出力装置としてのスピーカ、入力装置としてのキーボードとマウス、制御装置としてのコンピュータの6つの装置がコンピュータを中心にして相互に接続された電話応対支援装置であって、電話を掛けてきた相手先の電話番号をアダプタを通じて制御装置が入力し、該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、相手先を特徴づける分類カテゴリを入力させ、該分類カテゴリに関連する画像ファイルをカテゴリ空間上を検索してリストアップし、該リストから相手先の特定に役立つ画像ファイルをキーボードあるいはマウスを通して選択させて相手先と該画像ファイルを関連づけする手段と、選択された画像ファイルをウインドウの背景画像として表示する手段を併せ持った、電話の相手先の認証を容易にして電話応対をスムーズにさせることを特徴とする電話応対支援方法。
【請求項3】
電話回線における信号変換機としてのアダプタ、表示装置としてのディスプレイ、音声出力装置としてのスピーカ、入力装置としてのキーボードとマウス、制御装置としてのコンピュータの6つの装置がコンピュータを中心にして相互に接続された電話応対支援装置であって、電話を掛けてきた相手先の電話番号をアダプタを通じて制御装置が入力し、該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、相手先を特徴づける分類カテゴリを入力させ、該分類カテゴリに関連する音声ファイルをカテゴリ空間上を検索してリストアップし、該リストから相手先の特定に役立つ音声ファイルをキーボードあるいはマウスを通して選択させて相手先と該音声ファイルを関連づけする手段と、選択された音声ファイルをスピーカを通して再生させる手段を併せ持った、電話の相手先の認証を容易にして電話応対をスムーズにさせることを特徴とする電話応対支援方法。
【請求項4】
電話回線における信号変換機としてのアダプタ、表示装置としてのディスプレイ、音声出力装置としてのスピーカ、入力装置としてのキーボードとマウス、制御装置としてのクライアントコンピュータ、データベース装置としてのホストコンピュータにおいて、アダプタとディスプレイとスピーカとマウスとキーボードがクライアントコンピュータを中心にして相互に接続され、ホストコンピュータとクライアントコンピュータがネットワーク接続された電話応対支援装置であって、電話を掛けてきた相手先の電話番号をアダプタを通じて制御装置が入力し、該電話番号をホストコンピュータに送信する手段と、ホストコンピュータが受信した該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報と相手先の特定に役立つように関連づけされた画像ファイルと音声ファイルをクライアントコンピュータに返信する手段と、クライアントコンピュータが受信した該相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、受信した該画像ファイルをそのウインドウの背景画像として表示する手段と、受信した該音声ファイルをスピーカを通して再生させる手段を併せ持った、電話の相手先の認証を容易にして電話応対をスムーズにさせることを特徴とする電話応対支援方法。
【請求項5】
電話回線における信号変換機としてのアダプタ、表示装置としてのディスプレイ、音声出力装置としてのスピーカ、入力装置としてのキーボードとマウス、制御装置としてのクライアントコンピュータ、データベース装置としてのホストコンピュータにおいて、アダプタとディスプレイとスピーカとマウスとキーボードがクライアントコンピュータを中心にして相互に接続され、ホストコンピュータとクライアントコンピュータがネットワーク接続された電話応対支援装置であって、電話を掛けてきた相手先の電話番号をアダプタを通じて制御装置が入力し、該電話番号をホストコンピュータに送信する手段と、ホストコンピュータが受信した該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報を返信する手段と、クライアントコンピュータが受信した該相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、クライアントコンピュータ上で相手先を特徴づける分類カテゴリを入力させ、該分類カテゴリをホストコンピュータに送信する手段と、ホストコンピュータが該分類カテゴリを受信し、該分類カテゴリに関連する画像ファイルをカテゴリ空間上を検索しリストアップして該リストをクライアントコンピュータに送信する手段と、ホストコンピュータが該分類カテゴリに関連する音声ファイルをカテゴリ空間上を検索しリストアップして該リストをクライアントコンピュータに送信する手段と、クライアントコンピュータが受信した該リストから相手先の特定に役立つ画像ファイルをキーボードあるいはマウスを通して選択させて相手先と画像ファイルを関連づけする手段と、クライアントコンピュータが受信した該リストから相手先の特定に役立つ音声ファイルをキーボードあるいはマウスを通して選択させて相手先と音声ファイルを関連づけする手段と、クライアントコンピュータが該画像ファイルを該ウインドウの背景画像として表示すると同時に該画像ファイルの名前をホストコンピュータに送信する手段と、クライアントコンピュータが該音声ファイルをスピーカを通して再生させると同時に該音声ファイルの名前をホストコンピュータに送信する手段を併せ持った、電話の相手先の認証を容易にして電話応対をスムーズにさせることを特徴とする電話応対支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−181158(P2007−181158A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−381173(P2005−381173)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(397059869)
【Fターム(参考)】