説明

電話機および固定電話機

【課題】予め電話帳に登録していない電話番号から着信した場合でも、発信者を特定しやすくすることが可能な電話機および固定電話機を提供する。
【解決手段】この固定電話機1(電話機)は、表示部104、親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202と、電話を着信した際に、発信履歴および着信履歴からなる発着信履歴102aの中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aが存在する場合には、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aに関する情報を表示部104、親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により通知する制御を行う制御部101とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電話機および固定電話機に関し、特に、所定の情報を通知する通知部を備えた電話機および固定電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の情報を通知する通知部を備えた電話機および固定電話機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、スピーカ(通知部)と、電話を着信した際に、着信した電話番号に関する情報をスピーカにより音声で通知する制御を行うマイクロコンピュータ(制御部)とを備える携帯電話機(電話機)が開示されている。この携帯電話機では、マイクロコンピュータは、電話を着信した際に、着信した電話番号が電話帳に予め登録されている場合には、着信した電話番号に対応する発信者名(登録名)をスピーカにより音声で通知する制御を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−233833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の携帯電話機では、電話番号を電話帳に予め登録しておかなければ、発信者に関する情報を通知することができないので、電話帳に予め登録されていない電話番号から着信した場合には、発信者に関する情報が通知されず、発信者を特定することが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、電話帳に登録していない電話番号から着信した場合でも、発信者を特定しやすくすることが可能な電話機および固定電話機を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面による電話機は、通知部と、電話を着信した際に、発信履歴および着信履歴からなる発着信履歴の中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在する場合には、着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を通知部により通知する制御を行う制御部とを備える。
【0008】
この発明の第1の局面による電話機では、上記のように、着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を通知部により通知する制御を行う制御部を設けることによって、電話帳に登録されていない電話番号から着信した場合でも、発着信履歴が存在する場合には、着信した電話番号に対応する情報を通知して発信者を特定しやすくすることができる。これにより、電話帳に登録されていない電話番号から着信した場合でも、迷惑電話か否かを判別できる可能性を高くすることができる。
【0009】
上記第1の局面による電話機において、好ましくは、発信履歴および着信履歴を含む発着信履歴を記憶する第1記憶部をさらに備え、制御部は、電話を着信した際に、第1記憶部に記憶された発着信履歴の中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在する場合には、着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を通知部により通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、第1記憶部に着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在する場合には、着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を第1記憶部から取り出して容易に通知することができる。
【0010】
上記第1記憶部を備える構成において、好ましくは、制御部は、電話を着信した際に、第1記憶部に記憶された発着信履歴の中に、着信した電話番号に対応する発信履歴および着信履歴の両方が存在する場合には、所定の基準に基づいて着信した電話番号に対応する発信履歴に関する情報および着信した電話番号に対応する着信履歴に関する情報のうちいずれかを選択して通知部により通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、着信した電話番号に対応する発信履歴に関する情報および着信した電話番号に対応する着信履歴に関する情報の両方を通知する場合と異なり、発信履歴に関する情報および着信履歴に関する情報の一方を選択して通知することにより情報量が過度に多くなるのを抑制することができるので、通知された情報に基づいて、発信者を特定する際のユーザの負担を軽減することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、所定の基準は、発着信の回数を含み、制御部は、電話を着信した際に、着信した電話番号に対応した発信履歴の発信回数と、着信した電話番号に対応した着信履歴の着信回数とを互いに比較して、回数が多い方の履歴に関する情報を選択して通知部により通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、発信回数および着信回数のうち回数が多い方の履歴に関する情報が通知されるので、情報量が過度に多くなるのを抑制しながら、ユーザが発信者を特定するためのより充実した情報を通知することができる。
【0012】
上記第1記憶部を備える構成において、好ましくは、通知部は、表示部および音声出力部のうち少なくとも一方を含み、制御部は、電話を着信した際に、発着信履歴の中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在する場合には、着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を表示部および音声出力部のうち少なくとも一方により通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、発着信履歴に関する情報を視覚的または聴覚的に通知することができるので、ユーザが発着信履歴に関する情報を容易に確認することができる。
【0013】
上記第1記憶部を備える構成において、好ましくは、制御部は、電話を着信した際に、発着信履歴の中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在する場合には、着信した電話番号に対応する発着信履歴の発信回数または着信回数、最新の発着信日時、最新の発着信時の通話時間および発着信の頻度が大きい時間帯のうち少なくとも1つを通知部により通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、通知された発着信履歴の発信回数または着信回数、最新の発着信日時、最新の発着信時の通話時間または発着信の頻度が大きい時間帯の情報によりユーザが容易に発信者を推定することができる。
【0014】
上記第1記憶部を備える構成において、好ましくは、制御部は、電話を着信した際に、発着信履歴の中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在しない場合には、不明な電話番号からの着信である旨を通知部により通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、通知部による不明な電話番号からの着信である旨の通知に基づいて、ユーザが不明な電話番号からの着信に対して適切な対処をとることができる。
【0015】
上記第1記憶部を備える構成において、好ましくは、制御部は、発着信した電話番号に対応した発着信履歴に対応付けて通話時の音声を第1記憶部に記憶させるとともに、電話を着信した際に、発着信履歴の中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在する場合には、第1記憶部に記憶させた通話時の音声を通知部により通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、発着信履歴に対応付けて記憶された通話時の音声によりユーザが容易に発信者を推定することができる。
【0016】
上記第1記憶部を備える構成において、好ましくは、制御部は、通話後に発着信した電話番号に対するユーザの評価を受け付けて発着信した電話番号に対応した発着信履歴に対応付けて発着信した電話番号に対するユーザの評価を第1記憶部に記憶させるとともに、電話を着信した際に、発着信した電話番号に対するユーザの評価に基づいて、評価が低い場合には着信時の呼び出しを行わない制御を行うように構成されている。このように構成すれば、ユーザの評価が低い発信者からの着信に対してユーザが対応しなくても済むようにすることができる。
【0017】
上記第1記憶部を備える構成において、好ましくは、電話帳を記憶する第2記憶部をさらに備え、制御部は、電話を着信した際に、着信した電話番号が第2記憶部に記憶された電話帳に登録されている場合には、電話帳に登録された着信した電話番号に関する情報を通知するとともに、着信した電話番号が第2記憶部に記憶された電話帳に登録されていない場合で、かつ、第1記憶部に記憶された発着信履歴の中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在する場合には、着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を通知部により通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、電話帳に登録されている電話番号からの着信の場合には優先的に電話帳に登録された着信した電話番号に関する情報を通知して発信者を容易に特定させることができるとともに、電話帳に登録されていない電話番号からの着信の場合でも着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を通知して発信者を特定しやすくすることができる。
【0018】
この発明の第2の局面による固定電話機は、通知部と、電話を着信した際に、発信履歴および着信履歴からなる発着信履歴の中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在する場合には、着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を通知部により通知する制御を行う制御部とを備える。
【0019】
この発明の第2の局面による固定電話機では、上記のように、着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を通知部により通知する制御を行う制御部を設けることによって、電話帳に登録されていない電話番号から着信した場合でも、発着信履歴が存在する場合には、着信した電話番号に対応する情報を通知して発信者を特定しやすくすることができる。これにより、電話帳に登録されていない電話番号から着信した場合でも、迷惑電話か否かを判別できる可能性を高くすることができる。このような効果は、特に、電話帳機能を使用することが少ない固定電話機において有効である。また、固定電話機をアナログ回線に接続することにより着信時に得られる情報が限られてしまう場合でも発信者を特定しやすくすることができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1および第2実施形態による固定電話機の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態による固定電話機の発着信履歴を示した図である。
【図3】本発明の第1実施形態による固定電話機の制御部による電話を着信した際の対処処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態による固定電話機の制御部による通知処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第1および第2実施形態による固定電話機の表示部による着信履歴の通知を示した図である。
【図6】本発明の第1および第2実施形態による固定電話機の表示部による不明である旨の通知を示した図である。
【図7】本発明の第1実施形態による固定電話機の制御部による通話中の録音処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態による固定電話機の制御部による通話終了後の処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態による固定電話機の発信履歴を示した図である。
【図10】本発明の第2実施形態による固定電話機の着信履歴を示した図である。
【図11】本発明の第2実施形態による固定電話機の制御部による通知処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(第1実施形態)
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による固定電話機1の構成について説明する。なお、固定電話機1は、本発明の「電話機」の一例である。
【0023】
本発明の第1実施形態による固定電話機1は、図1に示すように、親機10と、子機20とを備えている。親機10は、制御部101と、メモリ102および103と、表示部104と、操作部105と、通信部106と、番号抽出回路107と、内線通信部108と、マイク109と、スピーカ110とを含んでいる。子機20は、マイク201と、スピーカ202と、操作部203とを含んでいる。固定電話機1は、ナンバーディスプレイ(登録商標)に対応しており、着信した電話番号を通知可能に構成されている。なお、メモリ102およびメモリ103は、それぞれ、本発明の「第1記憶部」および「第2記憶部」の一例である。また、表示部104は、本発明の「通知部」の一例であり、スピーカ110および202は、本発明の「通知部」および「音声出力部」の一例である。
【0024】
制御部101は、固定電話機1の各部を制御するように構成されている。また、制御部101は、番号抽出回路107を介して着信した電話番号を取得するように構成されている。また、制御部101は、後述する発着信履歴102aおよび後述する電話帳103aと着信した電話番号とに基づいて、着信した電話番号に対応した発着信履歴102aの情報または電話帳103aの情報を表示部104、スピーカ110およびスピーカ202により通知するように構成されている。また、制御部101は、発着信があった場合に発着信履歴102aを更新するように構成されている。また、制御部101は、通話中に相手の音声を録音して発着信履歴102aに対応付けてメモリ102に記憶させるように構成されている。また、制御部101は、通話終了後に発着信した電話番号に対するユーザの評価を操作部105を介して受け付けた後、発着信履歴102aに対応付けてメモリ102に記憶させるように構成されている。
【0025】
メモリ102には、発着信履歴102aが記憶されている。発着信履歴102aには、図2に示すように、発信回数、最新の発信日時、最新の発信時の通話時間、多く発信する時間帯、着信回数、最新の着信日時、最新の着信時の通話時間、多く着信する時間帯、発着信した電話番号に対するユーザの評価および通話時の音声がそれぞれ発着信した電話番号に対応付けられて記憶されている。なお、多く発信する時間帯および多く着信する時間帯は、1週間を平日、土曜日および日曜日に区切った上で、さらに1日を3時間ごとに8つに区切った時間帯で表している。また、発着信した電話番号に対するユーザの評価は、ユーザにとって安全な発信者である「○」の評価と、ユーザにとって安全とも迷惑とも言えない発信者(たとえば、発信者のことをユーザは知っているが、電話を取りたくない時もある発信者)である「△」の評価と、ユーザにとって迷惑な発信者である「×」の評価との3つに分類されている。また、評価がされていない場合は「−」で表されている。また、発着信履歴102aは、書き換え可能に構成されている。
【0026】
たとえば、電話番号が「bbb−bbbb−bbbb」の場合では、発信回数が1回、最新の発信日時が2011年5月19日(木)10:03、最新の発信時の通話時間が12分8秒、多く発信する時間帯が平日の9時〜12時の間、着信回数が0回、最新の着信日時は着信がないため無し、最新の着信時の通話時間は着信がないため無し、多く着信する時間帯は着信がないため無し、発着信した電話番号に対するユーザの評価が△、通話時の音声は有りということが発着信履歴102aに記憶されている。
【0027】
メモリ103には、電話帳103aが記憶されている。電話帳103aは、電話番号および名前が登録されている。また、電話帳103aは、書き換え可能に構成されている。
【0028】
表示部104は、発着信履歴102aに記憶されている発着信履歴の内容を表示可能に構成されている。また、表示部104は、電話帳103aに登録されている名前を表示可能に構成されている。操作部105は、ダイヤルボタンを含んでいる。また、操作部105は、発信時の電話番号を入力する際に用いられるように構成されている。また、操作部105は、電話帳103aに電話番号と名前とを入力する際に用いられるように構成されている。また、操作部105は、発着信した電話番号に対するユーザの評価を入力する際に用いられるように構成されている。
【0029】
通信部106は、電話網30に接続されており、電話通信可能に構成されている。番号抽出回路107は、通信部106を介して電話網30からの電話の発信者の電話番号を抽出するように構成されている。内線通信部108は、子機20に接続されている。これにより、親機10で電話を発着信するのと同様に子機20でも電話を発着信させることが可能である。
【0030】
マイク109は、通話中の音声を電気信号に変換するように構成されている。スピーカ110は、通話中に電気信号を音声に変換して出力するように構成されている。また、スピーカ110は、着信時に発着信履歴102aに記憶されている発着信履歴の内容を音声で出力可能に構成されている。また、スピーカ110は、電話帳103aに登録されている名前を音声で出力可能に構成されている。
【0031】
子機20のマイク201は、親機10のマイク109と同様に通話中の音声を電気信号に変換するように構成されている。子機20のスピーカ202は、親機10のスピーカ110と同様に通話中に電気信号を音声に変換して出力するように構成されている。また、スピーカ202は、着信時に発着信履歴102aに記憶されている発着信履歴の内容を音声で出力可能に構成されている。また、スピーカ202は、電話帳103aに登録されている名前を音声で出力可能に構成されている。子機20の操作部203は、親機10の操作部105と同様にダイヤルボタンを含んでいる。また、操作部203は、発信時の電話番号を入力する際に用いられるように構成されている。また、操作部203は、電話帳103aに電話番号と名前とを入力する際に用いられるように構成されている。また、操作部203は、発着信した電話番号に対するユーザの評価を入力する際に用いられるように構成されている。
【0032】
次に、図3を参照して、固定電話機1が電話を着信した際に、制御部101の行う処理について説明する。
【0033】
固定電話機1が電話網30からの電話を着信すると、図3のステップS1において、制御部101は、番号抽出回路107を介して着信した電話番号を取得する。ステップS2において、制御部101は、着信した電話番号とメモリ102に記憶された発着信履歴102aとを比較して、着信した電話番号に対応するユーザの評価を判断する。ステップS3において、制御部101は、発着信した電話番号に対するユーザの評価が×であるか否かを判断する。なお、着信した電話番号が発着信履歴102aに存在しない場合や、発着信履歴102aに存在しても評価がない場合は、制御部101は、評価が×ではないと判断する。評価が×であれば、制御部101は、ステップS6において、呼び出しを行わずに着信が切れるまで放置する、または、留守番電話録音に切り替える。なお、放置するか留守番電話録音に切り替えるかは、ユーザにより予め設定可能である。その後、制御部101は、着信した際の処理を終了する。評価が×でなければ、ステップS4において、制御部101は、着信した電話番号に関する情報を通知する処理を行う。ステップS5において、制御部101は、呼び出しを行い、着信した際の処理を終了する。
【0034】
次に、図4を参照して、上記電話を着信した際の処理のステップS4の着信した電話番号に関する情報を通知する処理について説明する。
【0035】
ステップS11において、制御部101は、着信した電話番号が電話帳103aに登録されているか否かを判断する。電話帳103aに登録されていなければ、ステップS12に進む。電話帳103aに登録されていれば、ステップS19において、制御部101は、電話帳103aに登録されている発信者の名前を、表示部104により表示させるとともに親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により名前を音声で出力させて、着信した電話番号に関する情報を通知する処理を終了する。
【0036】
電話帳103aに登録されていない場合には、ステップS12において、制御部101は、着信した電話番号が発着信履歴102aの発信履歴に存在するか否かを判断する。発信履歴に存在すれば、ステップS13において、制御部101は、着信した電話番号が発着信履歴102aの着信履歴に存在するか否かを判断する。着信履歴に存在しなければ、ステップS15に進む。着信履歴に存在すれば、ステップS14において、制御部101は、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aの着信回数と発信回数とを比較する。着信回数が発信回数よりも少なければ、ステップS15において、制御部101は、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aの最新の発信日時、最新の発信時の通話時間、発信回数、発着信した電話番号に対するユーザの評価および多く発信する時間帯を、表示部104により表示させるとともに親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により音声で出力させる。
【0037】
一方、着信回数が発信回数以上であれば、ステップS16において、制御部101は、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aの最新の着信日時、最新の着信時の通話時間、着信回数、発着信した電話番号に対するユーザの評価および多く着信する時間帯を、表示部104により表示(図5参照)させるとともに親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により音声で出力させる。
【0038】
ステップS15またはステップS16の後、ステップS17において、制御部101は、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aに通話時の音声データが存在するか否かを判断する。通話時の音声データが存在すれば、ステップS18において、制御部101は、通話時の音声を親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により音声で出力させる。通話時の音声データが存在しなければ、制御部101は、着信した電話番号に関する情報を通知する処理を終了する。
【0039】
ステップS12の判断において発信履歴に存在しない場合には、ステップS20において、制御部101は、着信した電話番号が発着信履歴102aの着信履歴に存在するか否かを判断する。着信履歴に存在すれば、ステップS16に進み、着信履歴に存在しなければ、ステップS21に進む。ステップS21において、制御部101は、着信した電話番号が不明である旨を、表示部104により表示(図6参照)させるとともに親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により音声で出力させて、着信した電話番号に関する情報を通知する処理を終了する。
【0040】
次に、図7を参照して、制御部101が行う通話中の録音処理について説明する。
【0041】
着信および発信のいずれの場合でも、通話が開始されると、ステップS31において、制御部101は、発着信している通話相手の電話番号を判断する。ステップS32において、制御部101は、発着信した電話番号が電話帳103aに登録されているか否かを判断する。電話帳103aに登録されていれば、制御部101は、通話中の録音処理を終了する。電話帳103aに登録されていなければ、ステップS33において、制御部101は、通話相手の音声を録音する。ステップS34において、制御部101は、録音した音声を発着信した電話番号に対応する発着信履歴102aの音声データに記憶させて、発着信履歴102aを更新する。その後、制御部101は、通話中の録音処理を終了する。
【0042】
次に、図8を参照して、制御部101が行う通話終了後の処理について説明する。
【0043】
着信および発信のいずれの場合でも、通話が終了すると、ステップS41において、制御部101は、発着信していた通話相手の電話番号を判断する。ステップS42において、制御部101は、発着信した電話番号が電話帳103aに登録されているか否かを判断する。電話帳103aに登録されていれば、制御部101は、通話終了後の処理を終了する。電話帳103aに登録されていなければ、ステップS43において、制御部101は、発着信した電話番号に対応する発着信履歴102aの発着信した電話番号に対するユーザの評価があるか否かを判断する。ユーザの評価がなければ、ステップS44において、制御部101は、発着信した電話番号に対するユーザの評価を受け付ける。具体的には、発着信した電話番号に対するユーザの評価の○(安全な発信者)、△(安全とも迷惑とも言えない発信者)および×(迷惑な発信者)を操作部105を介して受け付ける。ユーザの評価があれば、ステップS45に進む。ステップS45において、制御部101は、発着信した電話番号に対応する発着信履歴102aを更新して、通話終了後の処理を終了する。
【0044】
第1実施形態では、上記のように、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aに関する情報を表示部104、親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により通知する制御を行う制御部101を設けることによって、電話帳103aに登録されていない電話番号から着信した場合でも、発着信履歴102aが存在する場合には、着信した電話番号に対応する情報を通知して発信者を特定しやすくすることができる。これにより、電話帳103aに登録されていない電話番号から着信した場合でも、迷惑電話か否かを判別できる可能性を高くすることができる。このような効果は、特に、電話帳機能を使用することが少ない固定電話機1において有効である。また、固定電話機1をアナログ回線に接続することにより着信時に得られる情報が限られてしまう場合でも発信者を特定しやすくすることができるという効果を得ることができる。
【0045】
また、第1実施形態では、発信履歴および着信履歴を含む発着信履歴102aを記憶するメモリ102を設け、制御部101を、電話を着信した際に、メモリ102に記憶された発着信履歴102aの中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aが存在する場合には、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aに関する情報を表示部104、親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により通知する制御を行うように構成することによって、メモリ102に着信した電話番号に対応する発着信履歴102aが存在する場合には、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aに関する情報をメモリ102から取り出して容易に通知することができる。
【0046】
また、第1実施形態では、制御部101を、電話を着信した際に、着信した電話番号に対応した発信履歴の発信回数と、着信した電話番号に対応した着信履歴の着信回数とを互いに比較して、回数が多い方の履歴に関する情報を選択して表示部104、親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により通知する制御を行うように構成することによって、発信回数および着信回数のうち回数が多い方の履歴に関する情報が通知されるので、情報量が過度に多くなるのを抑制しながら、ユーザが発信者を特定するためのより充実した情報を通知することができる。
【0047】
また、第1実施形態では、制御部101を、電話を着信した際に、発着信履歴102aの中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aが存在する場合には、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aに関する情報を表示部104、親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により通知する制御を行うように構成することによって、発着信履歴102aに関する情報を視覚的および聴覚的に通知することができるので、ユーザが発着信履歴102aに関する情報を容易に確認することができる。
【0048】
また、第1実施形態では、制御部101を、電話を着信した際に、発着信履歴102aの中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aが存在する場合には、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aの発信回数または着信回数、最新の発着信日時、最新の発着信時の通話時間および発着信の頻度が大きい時間帯を表示部104、親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により通知する制御を行うように構成することによって、通知された発着信履歴102aの発信回数または着信回数、最新の発着信日時、最新の発着信時の通話時間および発着信の頻度が大きい時間帯の情報によりユーザが容易に発信者を推定することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、制御部101を、電話を着信した際に、発着信履歴102aの中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aが存在しない場合には、不明な電話番号からの着信である旨を表示部104、親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により通知する制御を行うように構成することによって、表示部104、親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202による不明な電話番号からの着信である旨の通知に基づいて、ユーザが不明な電話番号からの着信に対して適切な対処をとることができる。
【0050】
また、第1実施形態では、制御部101を、発着信した電話番号に対応した発着信履歴102aに対応付けて通話時の音声をメモリ102に記憶させるとともに、電話を着信した際に、発着信履歴102aの中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aが存在する場合には、メモリ102に記憶させた通話時の音声を親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により通知する制御を行うように構成することによって、発着信履歴102aに対応付けて記憶された通話時の音声によりユーザが容易に発信者を推定することができる。
【0051】
また、第1実施形態では、制御部101を、通話後に発着信した電話番号に対するユーザの評価を受け付けて発着信した電話番号に対応した発着信履歴102aに対応付けて発着信した電話番号に対するユーザの評価をメモリ102に記憶させるとともに、電話を着信した際に、発着信した電話番号に対するユーザの評価に基づいて、評価が低い場合には着信時の呼び出しを行わない制御を行うように構成することによって、ユーザの評価が低い発信者からの着信に対してユーザが対応しなくても済むようにすることができる。
【0052】
また、第1実施形態では、電話帳103aを記憶するメモリ103をさらに備え、制御部101を、電話を着信した際に、着信した電話番号がメモリ103に記憶された電話帳103aに登録されている場合には、電話帳103aに登録された着信した電話番号に関する情報を通知するとともに、着信した電話番号がメモリ103に記憶された電話帳103aに登録されていない場合で、かつ、メモリ102に記憶された発着信履歴102aの中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aが存在する場合には、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aに関する情報を表示部104、親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により通知する制御を行うように構成することによって、電話帳103aに登録されている電話番号からの着信の場合には優先的に電話帳に登録された着信した電話番号に関する情報を通知して発信者を容易に特定させることができるとともに、電話帳103aに登録されていない電話番号からの着信の場合でも着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を通知して発信者を特定しやすくすることができる。
【0053】
(第2実施形態)
次に、図1、図5、図6および図9〜図11を参照して、本発明の第2実施形態による固定電話機1について説明する。この第2実施形態では、着信した電話番号に対応する発着信履歴102aの着信回数と発信回数とを比較した上記第1実施形態と異なり、着信した電話番号に対応する発着信履歴102bの着信日時と発信日時とを比較する固定電話機1について説明する。なお、固定電話機1は、本発明の「電話機」の一例である。
【0054】
メモリ102は、発着信履歴102b(図1参照)を記憶している。発着信履歴102bには、発信履歴(図9参照)と、着信履歴(図10参照)とがそれぞれ発着信ごとに記憶されている。具体的には、発信履歴には、図9に示すように、発信日時、通話時間、多く発信する時間帯、発着信した電話番号に対するユーザの評価および通話時の音声がそれぞれ発信ごとに記憶されている。また、着信履歴には、図10に示すように、着信日時、通話時間、多く着信する時間帯、発着信した電話番号に対するユーザの評価および通話時の音声がそれぞれ着信ごとに記憶されている。なお、多く発信する時間帯および多く着信する時間帯は、1週間を平日、土曜日および日曜日に区切った上で、さらに1日を3時間ごとに8つに区切った時間帯で表している。また、発着信した電話番号に対するユーザの評価は、ユーザにとって安全な発信者である「○」の評価と、ユーザにとって安全とも迷惑とも言えない発信者(たとえば、発信者のことをユーザは知っているが、電話を取りたくない時もある発信者)である「△」の評価と、ユーザにとって迷惑な発信者である「×」の評価との3つに分類されている。また、評価がされていない場合は「−」で表されている。また、発着信履歴102bは、書き換え可能に構成されている。
【0055】
たとえば、発信履歴の電話番号が「bbb−bbbb−bbbb」の場合では、発信日時が2011年5月31日(火)19:42、通話時間が通話していないため無し、多く発信する時間帯が平日の18時〜21時の間、発着信した電話番号に対するユーザの評価が△、通話時の音声は無しということが発着信履歴102bに記憶されている。
【0056】
次に、図11を参照して、制御部101による着信した電話番号に関する情報を通知する処理について説明する。
【0057】
ステップS51において、制御部101は、着信した電話番号が電話帳103aに登録されているか否かを判断する。電話帳103aに登録されていなければ、ステップS52に進む。電話帳103aに登録されていれば、ステップS59において、制御部101は、電話帳103aに登録されている発信者の名前を、表示部104により表示させるとともに親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により名前を音声で出力させて、着信した電話番号に関する情報を通知する処理を終了する。
【0058】
電話帳103aに登録されていない場合には、ステップS52において、制御部101は、着信した電話番号が発着信履歴102bの発信履歴に存在するか否かを判断する。発信履歴に存在すれば、ステップS53において、制御部101は、着信した電話番号が発着信履歴102bの着信履歴に存在するか否かを判断する。着信履歴に存在しなければ、ステップS55に進む。着信履歴に存在すれば、ステップS54において、制御部101は、着信した電話番号に対応する発着信履歴102bの着信日時と発信日時とを比較する。発信日時が着信日時よりも新しければ、ステップS55において、制御部101は、着信した電話番号に対応する発着信履歴102bの最新の発信日時、最新の発信時の通話時間、発信回数、発着信した電話番号に対するユーザの評価および多く発信する時間帯を、表示部104により表示させるとともに親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により音声で出力させる。
【0059】
一方、着信日時が発信日時よりも新しければ、ステップS56において、制御部101は、着信した電話番号に対応する発着信履歴102bの最新の着信日時、最新の着信時の通話時間、着信回数、発着信した電話番号に対するユーザの評価および多く着信する時間帯を、表示部104により表示(図5参照)させるとともに親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により音声で出力させる。
【0060】
ステップS55またはステップS56の後、ステップS57において、制御部101は、着信した電話番号に対応する発着信履歴102bに通話時の音声データが存在するか否かを判断する。通話時の音声データが存在すれば、ステップS58において、制御部101は、通話時の音声を親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により音声で出力させる。通話時の音声データが存在しなければ、制御部101は、着信した電話番号に関する情報を通知する処理を終了する。
【0061】
ステップS52の判断において発信履歴に存在しない場合には、ステップS60において、制御部101は、着信した電話番号が発着信履歴102bの着信履歴に存在するか否かを判断する。着信履歴に存在すれば、ステップS56に進み、着信履歴に存在しなければ、ステップS61に進む。ステップS61において、制御部101は、着信した電話番号が不明である旨を、表示部104により表示(図6参照)させるとともに親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により音声で出力させて、着信した電話番号に関する情報を通知する処理を終了する。
【0062】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0063】
上記のように、第2実施形態の構成においても、上記第1実施形態と同様に、着信した電話番号に対応する発着信履歴102bに関する情報を表示部104、親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により通知する制御を行う制御部101を設けることによって、予め電話帳103aに登録していない電話番号から着信した場合でも、発信者を特定しやすくすることができる。これにより、電話帳103aに登録されていない電話番号から着信した場合でも、迷惑電話か否かを判別できる可能性を高くすることができる。
【0064】
さらに、第2実施形態では、上記のように、制御部101を、電話を着信した際に、メモリ102に記憶された発着信履歴102bの着信した電話番号に対応する発着信履歴102bの着信日時と発信日時とを比較することにより、発着信日時が新しい方の着信した電話番号に対応する履歴に関する情報を選択して表示部104、親機10のスピーカ110および子機20のスピーカ202により通知する制御を行うように構成することによって、発信履歴に関する情報および着信履歴に関する情報の一方を選択して通知することにより情報量が過度に多くなるのを抑制することができるので、通知された情報に基づいて、発信者を特定する際のユーザの負担を軽減することができる。
【0065】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0066】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0067】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、本発明の電話機の一例として固定電話機を適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、固定電話機以外の電話機に適用してもよい。たとえば、携帯電話機等に本発明を適用してもよい。
【0068】
また、上記第1および第2実施形態では、第1記憶部としてのメモリ102と、第2記憶部としてのメモリ103とが別個に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1記憶部と第2記憶部とが共通の記憶部として1つ設けられている構成でもよい。
【0069】
また、上記第1および第2実施形態では、通知部は、表示部と、音声出力部としての親機のスピーカおよび子機のスピーカとが含まれている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、通知部は、表示部および音声出力部のうち少なくとも一方を含んでいれば、表示部および音声出力部の両方が含まれていなくてもよい。
【0070】
また、上記第1および第2実施形態では、着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を、表示部と、音声出力部としての親機のスピーカおよび子機のスピーカとにより通知する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を、表示部および音声出力部のうち少なくとも一方により通知する構成であれば、表示部および音声出力部の両方により通知する構成でなくてもよい。
【0071】
また、上記第1および第2実施形態では、着信した電話番号に対応する発着信履歴の発信回数または着信回数、最新の発着信日時、最新の発着信時の通話時間、発着信した電話番号に対するユーザの評価および発着信の頻度が大きい時間帯を通知部としての表示部、親機のスピーカおよび子機のスピーカにより通知する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、着信した電話番号に対応する発着信履歴の発信回数または着信回数、最新の発着信日時、最新の発着信時の通話時間および発着信の頻度が大きい時間帯のうち少なくとも1つを通知部により通知する構成であればよい。
【0072】
また、上記第1および第2実施形態では、着信した電話番号に対応する発着信履歴の発信回数または着信回数、最新の発着信日時、最新の発着信時の通話時間、発着信した電話番号に対するユーザの評価および発着信の頻度が大きい時間帯を通知部としての表示部、親機のスピーカおよび子機のスピーカにより通知する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、着信した電話番号に対応する発着信履歴の発信履歴および着信履歴の有無を通知部により通知するようにしてもよい。発信履歴および着信履歴の有無として、たとえば、「発信履歴のある相手です」、「着信履歴のある相手です」または「発信履歴および着信履歴のある相手です」と通知部により通知するようにしてもよい。これにより、着信した電話番号に対応する発信履歴および着信履歴の有無をユーザが容易に確認することができる。
【0073】
また、上記第1および第2実施形態では、制御部が着信した電話番号に対するユーザの評価(○△×)に基づいて、評価が低い場合(×の場合)に着信時の呼び出しを行わない構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、着信した電話番号に対するユーザの評価がなくてもよく、その場合、着信した電話番号に対応する着信履歴に関する通知に基づいて最終的にユーザが着信した電話の対処を判断する構成でもよい。
【0074】
また、上記第1および第2実施形態では、電話機としての固定電話機に親機と子機とを設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、電話機に子機を設けずに親機だけの構成にしてもよい。
【0075】
また、上記第1および第2実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限らない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【0076】
また、上記第1および第2実施形態では、通話終了後の処理において、発着信履歴の発着信した電話番号に対するユーザの評価がまだされていない場合に、ユーザの評価を受け付ける例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ユーザの評価がされているか否かに係わらず、通話終了時に電話番号が電話帳に登録されていない場合は、ユーザの評価を受け付ける構成にしてもよい。この場合、ユーザが評価を変更したい相手の評価を通話終了時に書き換えることができる。また、通話終了時以外に発着信履歴の発着信した電話番号に対するユーザの評価をユーザの操作により変更できるようにしてもよい。
【0077】
また、上記第1実施形態では、着信した電話番号に対応する発着信履歴の中に発信履歴および着信履歴の両方が存在する場合に、発信回数と着信回数とを互いに比較して、回数が多い方の履歴に関する情報を選択して通知する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、着信した電話番号に対応する発着信履歴の中に発信履歴が存在すれば、着信履歴の着信回数に係わらず、発信履歴に関する情報を通知するようにしてもよい。これにより、発信というユーザの発意に基づいて通話した際の発信履歴に関する情報を着信履歴に対して優先して通知することができるので、ユーザが容易に発信者を特定しやすくすることができる。
【0078】
また、上記第1実施形態では、着信した電話番号に対応する発着信履歴の発信回数と着信回数とを互いに比較して、回数が多い方の履歴に関する情報を選択して通知する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、発信履歴および着信履歴の両方が存在する場合に発信履歴に関する情報および着信履歴に関する情報の両方を通知するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 固定電話機(電話機)
101 制御部
102 メモリ(第1記憶部)
102a、102b 発着信履歴
103 メモリ(第2記憶部)
103a 電話帳
104 表示部(通知部)
110 スピーカ(通知部)
202 スピーカ(通知部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通知部と、
電話を着信した際に、発信履歴および着信履歴からなる発着信履歴の中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在する場合には、前記着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を前記通知部により通知する制御を行う制御部とを備える、電話機。
【請求項2】
発信履歴および着信履歴を含む前記発着信履歴を記憶する第1記憶部をさらに備え、
前記制御部は、電話を着信した際に、前記第1記憶部に記憶された前記発着信履歴の中に、前記着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在する場合には、前記着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を前記通知部により通知する制御を行うように構成されている、請求項1に記載の電話機。
【請求項3】
前記制御部は、電話を着信した際に、前記第1記憶部に記憶された前記発着信履歴の中に、前記着信した電話番号に対応する発信履歴および着信履歴の両方が存在する場合には、所定の基準に基づいて前記着信した電話番号に対応する発信履歴に関する情報および前記着信した電話番号に対応する着信履歴に関する情報のうちいずれかを選択して前記通知部により通知する制御を行うように構成されている、請求項2に記載の電話機。
【請求項4】
前記所定の基準は、発着信の回数を含み、
前記制御部は、電話を着信した際に、前記着信した電話番号に対応した発信履歴の発信回数と、前記着信した電話番号に対応した着信履歴の着信回数とを互いに比較して、回数が多い方の履歴に関する情報を選択して前記通知部により通知する制御を行うように構成されている、請求項3に記載の電話機。
【請求項5】
前記通知部は、表示部および音声出力部のうち少なくとも一方を含み、
前記制御部は、電話を着信した際に、前記発着信履歴の中に、前記着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在する場合には、前記着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を前記表示部および前記音声出力部のうち少なくとも一方により通知する制御を行うように構成されている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項6】
前記制御部は、電話を着信した際に、前記発着信履歴の中に、前記着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在する場合には、前記着信した電話番号に対応する発着信履歴の発信回数または着信回数、最新の発着信日時、最新の発着信時の通話時間および発着信の頻度が大きい時間帯のうち少なくとも1つを前記通知部により通知する制御を行うように構成されている、請求項2〜5のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項7】
前記制御部は、電話を着信した際に、前記発着信履歴の中に、前記着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在しない場合には、不明な電話番号からの着信である旨を前記通知部により通知する制御を行うように構成されている、請求項2〜6のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項8】
前記制御部は、発着信した電話番号に対応した発着信履歴に対応付けて通話時の音声を前記第1記憶部に記憶させるとともに、電話を着信した際に、前記発着信履歴の中に、前記着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在する場合には、前記第1記憶部に記憶させた前記通話時の音声を前記通知部により通知する制御を行うように構成されている、請求項2〜7のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項9】
前記制御部は、通話後に発着信した電話番号に対するユーザの評価を受け付けて前記発着信した電話番号に対応した発着信履歴に対応付けて前記発着信した電話番号に対するユーザの評価を前記第1記憶部に記憶させるとともに、電話を着信した際に、前記発着信した電話番号に対するユーザの評価に基づいて、評価が低い場合には着信時の呼び出しを行わない制御を行うように構成されている、請求項2〜8のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項10】
電話帳を記憶する第2記憶部をさらに備え、
前記制御部は、電話を着信した際に、前記着信した電話番号が前記第2記憶部に記憶された前記電話帳に登録されている場合には、前記電話帳に登録された前記着信した電話番号に関する情報を通知するとともに、前記着信した電話番号が前記第2記憶部に記憶された前記電話帳に登録されていない場合で、かつ、前記第1記憶部に記憶された前記発着信履歴の中に、前記着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在する場合には、前記着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を前記通知部により通知する制御を行うように構成されている、請求項2〜9のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項11】
通知部と、
電話を着信した際に、発信履歴および着信履歴からなる発着信履歴の中に、着信した電話番号に対応する発着信履歴が存在する場合には、前記着信した電話番号に対応する発着信履歴に関する情報を前記通知部により通知する制御を行う制御部とを備える、固定電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−51581(P2013−51581A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189088(P2011−189088)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】