説明

電話端末、および電話端末の着信応答モード設定方法

【課題】ユーザの作業状態に応じてより適切な着信応答モードを電話端末に設定可能な技術を提供する。
【解決手段】電話端末1は、自電話端末1の動作状況を監視するとともに、プレゼンスサーバ3と連携して、自電話端末1のユーザがログインしている情報端末2−1〜2−nの動作状況(アプリケーションプログラムの実行状況およびファイルに対する操作状況)を監視する。そして、自電話端末1が対応可能な複数の着信応答モードのなかから、自電話端末1および自電話端末1のユーザがログインしている情報端末2−1〜2−nの最新の動作状況に応じた着信応答モードを選択し、自電話端末1に自動設定する。このため、電話端末1は、ユーザが在席中であっても作業の内容によって電話に応答できない場合、あるいは電話に応答できるが作業から手が離せない場合など、ユーザの作業状態に応じて、より適切な着信応答モードを設定することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話端末に関し、特に、電話端末の着信応答モード設定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯電話機に固定電話機への着信を電子メールで通知し、ユーザが発信者への一次応答用メッセージを簡単に作成できるようにする技術が開示されている。
【0003】
この技術において、着信の宛先に指定されている固定電話機のユーザのプレゼンス情報が不在を示している場合、主装置は、このユーザの携帯電話機に対して、発信者のアドレス情報および一次応答メッセージ作成支援サービスを提供するサーバのURLが記述された着信通知の電子メールを送信する。携帯電話機で着信通知の電子メールを受けたユーザは、この電子メールに記述されているURLにアクセスし、予め登録されている一次応答メッセージの定型文を利用して一次応答メッセージを作成し、この一次応答メッセージを、この電子メールに記述されている発信者のアドレスへメール送信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−19587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、不在および在席のいずれかのプレゼンス情報にしか対応していない。ユーザは、在席中であっても作業の内容によって電話に応答できない場合がある。また、電話に応答できるが、作業から手が離せない場合もある。特許文献1に記載の技術は、このような事態を全く考慮していない。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの作業状態に応じて、より適切な着信応答モードを電話端末に設定可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明において、電話端末は、自電話端末および所定の情報端末(例えば、自電話端末のユーザに予め対応付けられた情報端末、自電話端末のユーザがログインしている情報端末など)の少なくとも一方の端末の動作状況を監視する。そして、自電話端末が対応可能な複数の着信応答モードのなかから、監視中の端末の最新の動作状況に応じた着信応答モードを選択して、この着信応答モードを自電話端末に自動設定する。ここで、着信応答モードには、留守番電話モード、自動応答ハンズフリー通話モード、一次応答・保留モード、応答メール送信モード等がある。
【0008】
例えば、本発明は、複数の着信応答モードに対応する電話端末であって、
所定の動作状況毎に、いずれかの前記着信応答モードが対応付けられて記憶された着信応答モード記憶手段と、
自電話端末および所定の情報端末の少なくとも一方の動作状況を監視する動作状況監視手段と、
前記動作状況監視手段により監視された最新の動作状況に対応する前記着信応答モードを前記着信応答モード記憶手段から検索する着信応答モード検索手段と、
自電話端末に、前記着信応答モード検索手段により検索された前記着信応答モードを設定する着信応答モード設定手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自電話端末あるいは所定の情報端末の動作状況に応じて着信応答モードを自動設定するので、在席中であっても作業の内容によって電話に応答できない場合、あるいは電話に応答できるが作業から手が離せない場合など、ユーザの作業状態に応じてより適切な着信応答モードを設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係る通信システムの概略構成図である。
【図2】図2は、本発明の一実施の形態に係る通信システムの動作例を説明するためのシーケンス図である。
【図3】図3は、電話端末1の概略機能構成図である。
【図4】図4(A)は、着信応答モード記憶部110の登録内容例を模式的に表した図であり、図4(B)は、着信応答モード設定データ記憶部112の登録内容例を模式的に表した図である。
【図5】図5(A)は、電話端末1の、情報端末2に対する動作状況監視ソフト遠隔制御の動作を説明するためのフロー図であり、図5(B)は、電話端末1の着信応答モード決定処理の動作を説明するためのフロー図である。
【図6】図6(A)は、電話端末1の着信処理の動作を説明するためのフロー図であり、図6(B)は、電話端末1の応答メール送信処理の動作を説明するためのフロー図である。
【図7】図7は、プレゼンスサーバ3の概略機能構成図である。
【図8】図8(A)は、プレゼンス記憶部303の登録内容例を模式的に表した図であり、図8(B)は、プレゼンス通知用データ記憶部306の登録内容例を模式的に表した図である。
【図9】図9は、プレゼンスサーバ3の動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る通信システムの概略構成図である。
【0013】
図示するように、本実施の形態に係る通信システムは、一台以上の電話端末1、複数の情報端末2−1〜2−n(以下、情報端末2とも呼ぶ)、プレゼンスサーバ3、およびゲートウェイ4が、LAN5を介して相互接続されて構成されている。
【0014】
ゲートウェイ4は、LAN5をWAN6に接続する。
【0015】
プレゼンスサーバ3は、ユーザのプレゼンス情報(ログイン先の情報端末2の情報)を管理する。ここでは、プレゼンスサーバ3をLAN5に接続しているが、WAN6に接続するようにしてもよい。
【0016】
情報端末2は、PC、PDA、タブレット端末等の、ネットワーク接続機能を備えた情報処理装置であり、自情報端末2のプレゼンス情報(ログインしているユーザの情報)をプレゼンスサーバ3に通知する。
【0017】
電話端末1は、複数の着信応答モードに対応しており、自電話端末1および自電話端末1のユーザがログインしている情報端末(以下、ログイン端末)2の最新の動作状況に応じて、自電話端末1の着信応答モードを自動設定する。
【0018】
図2は、図1に示す通信システムの動作例を説明するためのシーケンス図である。ここでは、説明を簡単にするために、二台の情報端末2−1、2−2が起動中の場合を例示している。
【0019】
まず、不在設定から在席設定への変更等により、電話端末1にユーザがログインすると(S100)、電話端末1は、このユーザのユーザIDの指定を伴うプレゼンス通知要求をプレゼンスサーバ3に送信する(S101)。なお、電話端末1は、ユーザのログイン後、ユーザから、着信応答モードを有効にする旨の指示を受け付けたタイミングでプレゼンス通知要求をプレゼンスサーバ3に送信してもよい。
【0020】
これを受けて、プレゼンスサーバ3は、プレゼンス通知要求で指定されたユーザIDにより特定されるユーザの、情報端末2へのログイン状態を確認する。ここで、ユーザは、いずれの情報端末2−1、2−2にもログインしていないものとする。そこで、プレゼンスサーバ3は、ログイン端末2が存在しない旨のプレゼンス通知を電話端末1に送信する(S102)。これを受けて、電話端末1は、自電話端末1およびログイン端末2−1の動作状況、すなわちユーザの作業状態に応じて、自電話端末1が対応可能な複数の着信応答モードのなかから最適な着信応答モードを決定し、この着信応答モードを自電話端末1に設定する(S103)。以降において、プレゼンスサーバ3は、このユーザのプレゼンス情報(情報端末2に対するログイン状態)を情報端末2からのプレゼンス登録要求に応じて変更する都度、プレゼンス通知を電話端末1に送信する。
【0021】
つぎに、電話端末1のユーザが情報端末2−1(ログイン端末2−1)にログインすると(S104)、ログイン端末2−1は、プレゼンスサーバ3に、このユーザのユーザIDの指定を伴う、このユーザがログインした旨のプレゼンス登録要求を送信する(S105)。
【0022】
これを受けて、プレゼンスサーバ3は、電話端末1のユーザがログイン端末2−1にログインしている旨のプレゼンス情報を登録する(S106)。また、ユーザがログイン端末2−1にログインしている旨のプレゼンス通知を電話端末1に送信する(S107)。なお、このプレゼンス通知には、ログイン端末2−1のアドレス情報が含まれる。
【0023】
電話端末1は、ユーザがログイン端末2−1にログインした旨のプレゼンス通知をプレゼンスサーバ3から受け取ると、このプレゼンス通知からログイン端末2−1のアドレス情報を取得し、このアドレス情報宛てに動作状況監視ソフトウェアを送信する(S108)。そして、ログイン端末2−1に、動作状況監視ソフトウェアをインストールし、実行させる(S109)。
【0024】
ここで、動作状況監視ソフトウェアは、情報端末2の動作状況(アプリケーションプログラムの実行状況およびファイルに対する操作状況)を監視して、この動作状況を電話端末1に通知する。動作状況監視ソフトウェアは、例えばOSGi(Open Services Gateway initiative)のフレームワークを利用したプログラムであり、電話端末1から遠隔で情報端末2にインストール、実行、終了、アンインストールすることができる。
【0025】
さて、ログイン端末2−1において、ユーザの操作により(S110)、指定のファイルに関連付けられたアプリケーションプログラムが実行され、ファイルオープンされると(S111)、動作状況監視ソフトウェアは、これを検知し、電話端末1にログイン端末2−1の動作状況を通知する(S112)。
【0026】
これを受けて、電話端末1は、自電話端末1およびログイン端末2−1の動作状況、すなわちユーザの作業状態に応じて、自電話端末1が対応可能な複数の着信応答モードのなかから最適な着信応答モードを決定し、この着信応答モードを自電話端末1に設定する(S113)。
【0027】
その後、ログイン端末2−1において、ユーザの操作により(S114)、ファイルクローズしてアプリケーションプログラムが終了すると(S115)、動作状況監視ソフトウェアは、これを検知し、電話端末1に動作状況を通知する(S116)。
【0028】
これを受けて、電話端末1は、自電話端末1およびログイン端末2−1の動作状況、すなわちユーザの作業状態に応じて、自電話端末1が対応可能な複数の着信応答モードのなかから最適な着信応答モードを新たに決定する。そして、自電話端末1の着信応答モードを、この新たに決定された着信応答モードに変更する(S117)。
【0029】
つぎに、電話端末1のユーザがログイン端末2−1からログアウトすると(S118)、それまでログイン端末であった情報端末(以下、ログアウト端末)2−1は、ユーザがログアウトした旨のプレゼンス登録要求をプレゼンスサーバ3に送信する(S119)。
【0030】
これを受けて、プレゼンスサーバ3は、ログアウト端末2−1からユーザがログアウトした旨のプレゼンス情報を登録する(S120)。また、ユーザがログアウト端末2−1からログアウトした旨のプレゼンス通知を電話端末1に送信する(S121)。なお、このプレゼンス通知には、ログアウト端末2−1のアドレス情報が含まれる。
【0031】
電話端末1は、ユーザがログアウト端末2−1からログアウトした旨のプレゼンス通知を受け取ると、動作状況監視ソフトウェアの削除指示をログアウト端末2−1に送信する(S122)。そして、ログアウト端末2−1に、動作状況監視ソフトウェアを終了させ、動作状況監視ソフトウェアをログアウト端末2−1からアンインストールさせる(S123)。
【0032】
つぎに、電話端末1のユーザが情報端末2−2(ログイン端末2−2)にログインすると(S124)、ログイン端末2−2は、このユーザのユーザIDの指定を伴う、このユーザがログインした旨のプレゼンス登録要求をプレゼンスサーバ3に送信する(S125)。
【0033】
これを受けて、プレゼンスサーバ3は、電話端末1のユーザがログイン端末2−2にログインしている旨のプレゼンス情報を登録する(S126)。また、ユーザがログイン端末2−2にログインしている旨のプレゼンス通知を電話端末1に送信する(S127)。なお、このプレゼンス通知には、ログイン端末2−2のアドレス情報が含まれる。
【0034】
電話端末1は、ユーザがログイン端末2−2にログインした旨のプレゼンス通知をプレゼンスサーバ3から受け取ると、ログイン端末2−2に動作状況監視ソフトウェアを送信する(S128)。そして、ログイン端末2−2に、動作状況監視ソフトウェアをインストールして実行させる(S129)。動作状況監視ソフトウェアは、ログイン端末2−2の動作状況を監視して、ログイン端末2−2の動作状況を電話端末1に通知する。そして、電話端末1は、情報端末2−1の場合と同様、自電話端末1およびログイン端末2−2の動作状況、すなわちユーザの作業状態に応じた最適な着信応答モードを新たに決定し、必要に応じて、自電話端末1の着信応答モードを、この新たに決定された着信応答モードに変更する。
【0035】
つぎに、本実施の形態に係る通信システムを構成する電話端末1およびプレゼンスサーバ3の詳細を説明する。なお、情報端末2およびゲートウェイ4については、既存のものを用いることができるので、その詳細な説明を省略する。
【0036】
まず、電話端末1の詳細を説明する。
【0037】
図3は、電話端末1の概略機能構成図である。
【0038】
図示するように、電話端末1は、ネットワークインターフェース部101と、マンマシンインターフェース部102と、電話機能部103と、アプリ実行部104と、アプリ保存部105と、データファイル保存部106と、プレゼンス取得部107と、動作状況監視ソフト遠隔制御部108と、動作状況監視部109と、着信応答モード記憶部110と、着信応答モード検索部111と、着信応答モード設定データ記憶部112と、着信応答モード制御部113と、アドレス帳記憶部114と、応答メール生成送信部115と、を備えている。
【0039】
ネットワークインターフェース部101は、LAN5を介して情報端末2、プレゼンスサーバ3、およびWAN6と通信を行うためのインターフェースである。
【0040】
マンマシンインターフェース部102は、ユーザから音声を受け付けたり、ユーザに音声を出力したりするのに加え、ユーザから各種操作を受け付けたり、ユーザに情報を表示するためのインターフェースである。マンマシンインターフェース部102は、ユーザが相手端末と通話を行うためのハンドセットに加えて、各種操作ボタン、タッチパネル等の入力装置、およびLCD、LED等の表示装置を備えている。
【0041】
電話機能部103は、発着信制御、通話制御などの一般的な電話機としての機能を実現する。この機能には、例えば、不在設定、在席設定等のプレゼンス設定機能、および着信応答機能が含まれている。ここで、着信応答機能は、複数の着信応答モードに対応しているものとする。
【0042】
アプリ実行部104は、マンマシンインターフェース部102を介して受け付けたユーザの指示に従い、アプリ保存部105に記憶されているワープロソフトウェア、表計算ソフトウェア、CADソフトウェア、描画ソフトウェア、Webブラウザソフトウェア、メーラソフトウェア等のアプリケーションプログラムを実行する。そして、その実行結果であるデータファイルを、必要に応じてデータファイル保存部106に記憶する。
【0043】
プレゼンス取得部107は、電話機能部103のプレゼンス設定が不在設定から在席設定へ変更されるなどにより、電話端末1にユーザがログインした場合、または、マンマシンインターフェース部102が、ユーザから、着信応答モードを有効にする指示を受け付けた場合等に、このユーザのユーザIDの指定を伴うプレゼンス通知要求を、ネットワークインターフェース部101を介してプレゼンスサーバ3に送信する。そして、情報端末2におけるユーザのログイン状態に関するプレゼンス通知を、このログイン状態に変化がある毎にプレゼンスサーバ3から取得する。
【0044】
また、プレゼンス取得部107は、電話機能部103のプレゼンス設定が在席設定から不在設定へ変更されるなどにより、電話端末1からユーザがログアウトした場合、または、マンマシンインターフェース部102が、ユーザから、着信応答モードを無効にする指示を受け付けた場合等に、このユーザのユーザIDの指定を伴うプレゼンス通知停止要求を、ネットワークインターフェース部101を介してプレゼンスサーバ3に送信する。そして、プレゼンスサーバ3からのプレゼンス通知の取得を停止する。
【0045】
動作状況監視ソフト遠隔制御部108は、ログイン端末2に上述の動作状況監視ソフトウェアを送信する。そして、ログイン端末2を遠隔制御して、このログイン端末2に動作状況監視ソフトウェアをインストールして実行させる。また、ユーザがログイン端末2からログアウトした場合に、それまでログイン端末2であったログアウト端末2を遠隔制御して、実行中の動作状況監視ソフトウェアを終了させ、このログアウト端末2からアンインストールする。
【0046】
動作状況監視部109は、自電話端末1の動作状況(アプリ実行部104におけるアプリケーションプログラム実行状況およびデータファイル操作状況)を監視する。また、ネットワークインターフェース部101を介してログイン端末2から、このログイン端末2の動作状況(このログイン端末2におけるアプリケーションプログラム実行状況およびデータファイル操作状況)を、この動作状況に変化がある毎に取得する。そして、動作状況監視部109は、自電話端末1の動作状況、あるいはログイン端末2の動作状況に変化がある毎に、自電話端末1およびログイン端末2の動作状況を着信応答モード検索部111に通知する。
【0047】
着信応答モード記憶部110には、電話機能部103で対応可能な各着信応答モードが、この着信応答モードを適用すべき自電話端末1あるいはログイン端末2の動作状況に対応付けられて記憶されている。
【0048】
図4(A)は、着信応答モード記憶部110の登録内容例を模式的に表した図である。
【0049】
図示するように、着信応答モード記憶部110には、電話機能部103で対応可能な着信応答モード毎にレコード1100が記憶されている。レコード1100は、着信応答モードのモード名が登録されたフィールド1101と、この着信応答モードが適用される動作状況を登録するフィールド1102と、この着信応答モードが適用される発信元の条件(特定発信元のみ有効、特定発信元のみ無効、および発信元指定なしのうちのいずれか)を登録するフィールド1103と、この着信応答モードの優先度を登録するフィールド1104と、を有する。ここで、優先度は、一つの動作状況について同一レベルの値が重複しないように設定されており、自電話端末1あるいはログイン端末2の動作状況がフィールド1102に登録されているレコード1100が複数ある場合に、どのレコード1100のフィールド1101に登録されている着信応答モードを適用すべきかを決定するために使用される。
【0050】
なお、ユーザは、着信応答モード記憶部110の登録内容を、マンマシンインターフェース部102を介して適宜更新できる。
【0051】
着信応答モード検索部111は、自電話端末1およびログイン端末2の動作状況を動作状況監視部109から通知される都度、この動作状況がフィールド1102に登録されているレコード1100を検索し、検索したレコード1100を着信応答モード制御部113に通知する。ここで、自電話端末1およびログイン端末2の動作状況がフィールド1102に登録されているレコード1100が複数検索された場合、フィールド1104に登録されている優先度が最も高いレコード1100を着信応答モード制御部113に通知する。
【0052】
着信応答モード設定データ記憶部112には、電話機能部103に設定する着信応答モードが記憶される。
【0053】
図4(B)は、着信応答モード設定データ記憶部112の登録内容例を模式的に表した図である。
【0054】
図示するように、着信応答モード設定データ記憶部112には、電話機能部103に設定する着信応答モードのレコード1120が記憶されている。レコード1120は、自動設定された着信応答モードのモード名を登録するフィールド1121と、自動設定された着信応答モードが適用される動作状況を登録するフィールド1122と、自動設定された着信応答モードが適用される発信元の条件(自動設定発信元条件)を登録するフィールド1123と、手動設定された着信応答モードのモード名を登録するフィールド1124と、を有する。
【0055】
ここで、自動設定された着信応答モードとは、後述の着信応答モード決定処理により、電話機能部103で対応可能な複数の着信応答モードのなかから、自電話端末1およびログイン端末2の動作状況に応じて自動的に選択された着信応答モードである。レコード1120のフィールド1121〜1123には、着信応答モード検索部111により着信応答モード記憶部110から検索されたレコード1100のフィールド1101〜1103の登録内容が登録される。手動設定された着信応答モードとは、電話機能部103で対応可能な複数の着信応答モードのなかから、ユーザによって手動で選択された着信応答モードである。レコード1120のフィールド1124には、マンマシンインターフェース部102を介してユーザが指定した着信応答モードのモード名が登録される。
【0056】
着信応答モード制御部113は、着信応答モード検索部111より着信応答モード記憶部110のレコード1100が通知された場合に、着信応答モード設定データ記憶部112のフィールド1121〜1123の登録内容を、このレコード1100のフィールド1101〜1103の登録内容に更新する。
【0057】
また、自電話端末1に着信があった場合、着信応答モード制御部113は、着信応答モード設定データ記憶部112のレコード1120に基づいて着信応答モードを決定し、電話機能部103に、決定された着信応答モードに従って着信を処理させる。
【0058】
アドレス帳記憶部114は、電話番号毎に、通話相手の名称、電子メールアドレス、および属性情報を含むアドレス情報が記憶されている。ここで、属性情報には、例えば、上司、同僚、顧客、友人、親類等の発信者種別、および年上、年下等の年齢種別が含まれている。
【0059】
応答メール生成送信部115は、電話機能部103の指示に従い、アドレス帳記憶部114を参照して発信者への応答メールを生成し、この応答メールをネットワークインターフェース部101から発信者に送信する。
【0060】
図5(A)は、電話端末1の、情報端末2に対する動作状況監視ソフト遠隔制御の動作を説明するためのフロー図である。このフローは、電話機能部103のプレゼンス設定が不在設定から在席設定へ変更されるなどにより、ユーザが電話端末1にログインすることで開始される。
【0061】
まず、プレゼンス取得部107は、ネットワークインターフェース部101を介してプレゼンスサーバ3に、自電話端末1にログイン中のユーザのユーザIDの指定を伴うプレゼンス通知要求を送信する(S201)。そして、プレゼンス取得部107は、このユーザの、情報端末2に対するログイン状態に関するプレゼンス通知がプレゼンスサーバ3から送られてくるのを待つ(S202)。
【0062】
つぎに、プレゼンス取得部107は、プレゼンスサーバ3からプレゼンス通知を受信したならば(S202でYES)、このプレゼンス通知の内容を解析して、自電話端末1のユーザが情報端末2にログインしたか、それとも情報端末2からログアウトしたかを判断する(S203)。
【0063】
自電話端末1のユーザが情報端末2(以降、ログイン端末2)にログインしたならば(S203で「ログイン」)、プレゼンス取得部107は、動作状況監視ソフト遠隔制御部108に、プレゼンス通知に含まれているログイン端末2のアドレス情報を通知して、動作状況監視の開始を指示する。これを受けて、動作状況監視ソフト遠隔制御部108は、プレゼンス取得部107より通知されたアドレス情報により特定されるログイン端末2を、ネットワークインターフェース部101を介して遠隔制御し、このログイン端末2に、動作状況監視ソフトウェアを送信してインストールし実行させる(S204)。その後、S202に戻る。
【0064】
一方、自電話端末1のユーザがログイン端末2(以降、ログアウト端末2)からログアウトしたならば(S203で「ログアウト」)、プレゼンス取得部107は、動作状況監視ソフト遠隔制御部108に、プレゼンス通知に含まれているログアウト端末2のアドレス情報を通知して、動作状況監視の終了を指示する。これを受けて、動作状況監視ソフト遠隔制御部108は、プレゼンス取得部107より通知されたアドレス情報により特定されるログアウト端末2を、ネットワークインターフェース部101を介して遠隔制御し、このログアウト端末2で実行中の動作状況監視ソフトウェアを終了させ、ログアウト端末2から動作状況監視ソフトウェアをアンインストールする(S205)。その後、S202に戻る。
【0065】
図5(B)は、電話端末1の着信応答モード決定処理の動作を説明するためのフロー図である。このフローは、電話機能部103のプレゼンス設定が不在設定から在席設定へ変更されるなどにより、電話端末1にユーザがログインすることで開始される。
【0066】
まず、動作状況監視部109は、自電話端末1の動作情報の変化の発生、または、ログイン端末2の動作状況に関する情報の受信を待つ。具体的には、アプリ実行部104を監視して、自電話端末1の動作状況に変化があったか否かを判断する(S221)。また、動作状況監視部109は、ネットワークインターフェース部101を介して、ログイン端末2で実行中の動作状況監視ソフトウェアから、ログイン端末2の動作状況に関する情報を受信したか否かを判断する(S222)。
【0067】
ここで、自電話端末1の動作状況に変化があった場合(S221でYES)、あるいはログイン端末2の動作状況に関する情報を受信した場合(S222でYES)、動作状況監視部109は、着信応答モード検索部111に、自電話端末1およびログイン端末2の最新の動作状況を通知して、着信応答モードの検索を指示する。
【0068】
これを受けて、着信応答モード検索部111は、着信応答モード記憶部110を参照して、自電話端末1およびログイン端末2の動作状況に対応する着信応答モードのレコード1100を検索する(S223)。具体的には、自電話端末1あるいはログイン端末2におけるアプリケーションプログラムの実行状況、または自電話端末1あるいはログイン端末2におけるデータファイルの操作状況が、フィールド1102に登録されているレコード1100を着信応答モード記憶部110から検索する。
【0069】
自電話端末1およびログイン端末2の動作状況に対応する着信応答モードのレコード1100が着信応答モード記憶部110に記憶されていない場合(S224でNO)、着信応答モード検索部111は、着信応答モード制御部113に自動設定の登録取消しを指示する。これを受けて、着信応答モード制御部113は、着信応答モード設定データ記憶部112に記憶されているレコード1120のフィールド1121〜1123の登録内容(自動設定、動作状況、自動設定発信元条件)を削除し、自電話端末1に自動設定された着信応答モードをリセットする(S225)。その後、S221に戻る。
【0070】
一方、自電話端末1およびログイン端末2の動作状況に対応する着信応答モードのレコード1100が着信応答モード記憶部110に記憶されている場合(S224YES)、着信応答モード検索部111は、着信応答モード記憶部110から、自電話端末1およびログイン端末2の動作状況に対応する着信応答モードのレコード1100が複数検索されたか否かを判断する(S226)。一つのレコード1100のみが検索された場合(S226でNO)、着信応答モード検索部111は、着信応答モード制御部113に、このレコード1100を通知して、自動設定の登録更新を指示する。これを受けて、着信応答モード制御部113は、着信応答モード設定データ記憶部112に記憶されているレコード1120のフィールド1121〜1123の登録内容(自動設定、動作状況、自動設定発信元条件)を、着信応答モード検索部111から受け取ったレコード1100のフィールド1101〜1103の登録内容に更新する(S227)。その後、S221に戻る。
【0071】
一方、複数のレコード1100が検索された場合(S226でYES)、着信応答モード検索部111は、これらのレコード1100のなかから、フィールド1104に登録されている優先度が最も高いレコード1100を選択する。そして、着信応答モード制御部113に、この選択したレコード1100を通知して、自動設定の登録更新を指示する。これを受けて、着信応答モード制御部113は、着信応答モード設定データ記憶部112に記憶されているレコード1120のフィールド1121〜1123の登録内容(自動設定、動作状況、自動設定発信元条件)を、着信応答モード検索部111から受け取ったレコード1100のフィールド1101〜1103の登録内容に更新する(S228)。その後、S221に戻る。
【0072】
図6(A)は、電話端末1の着信処理の動作を説明するためのフロー図である。このフローは、ネットワークインターフェース部101を介して電話機能部103に着信することにより開始される。
【0073】
まず、電話機能部103は、着信応答モード制御部113に発信者番号を通知して、着信応答モードの設定を要求する。これを受けて、着信応答モード制御部113は、着信応答モード設定データ記憶部112を参照し、自動設定された着信応答モードが存在するか否かを判断する(S241)。具体的には、着信応答モード設定データ記憶部112に記憶されているレコード1120のフィールド1121にいずれかの着信応答モードが登録されているか否かを判断する。
【0074】
自動設定された着信応答モードが存在する場合(S241でYES)、着信応答モード制御部113は、発信者が自動設定発信元条件に該当するか否かをさらに判断する(242)。具体的には、着信応答モード設定データ記憶部112に記憶されているレコード1120のフィールド1123に自動設定発信元条件「特定相手(特定の電話番号)のみ有効」が登録されている場合、発信者番号がこの特定の電話番号と一致すれば、発信者がこの自動設定発信元条件に該当すると判断する。また、自動設定発信元条件「特定相手(特定の電話番号)のみ無効」が登録されている場合、発信者番号がこの特定の電話番号と一致しなければ、発信者がこの自動設定発信元条件に該当すると判断する。また、自動設定発信元条件「指定なし」が登録されている場合、発信者番号にかかわらず、発信者がこの自動設定発信元条件に該当すると判断する。
【0075】
ここで、発信者が自動設定発信元条件に該当する場合(S242でYES)、着信応答モード制御部113は、自動設定された着信応答モードを電話機能部103に通知する。これに応じて、電話機能部103は、この自動設定された着信応答モードに従い着信応答処理を実施する(S244)。
【0076】
また、自動設定された着信応答モードが存在しない場合(S241でNO)、あるいは、自動設定された着信応答モードは存在するが(S241でYES)、発信者が自動設定発信元条件に該当しない場合(S242でNO)、着信応答モード制御部113は、着信応答モード設定データ記憶部112を参照し、手動設定された着信応答モードが存在するか否かを判断する(S243)。具体的には、着信応答モード設定データ記憶部112に記憶されているレコード1120のフィールド1124にいずれかの着信応答モードが登録されているか否かを判断する。
【0077】
手動設定された着信応答モードが存在する場合(S243でYES)、着信応答モード制御部113は、手動設定された着信応答モードを電話機能部103に通知する。これに応じて、電話機能部103は、この手動設定された着信応答モードに従い着信応答処理を実施する(S245)。
【0078】
一方、手動設定された着信応答モードが存在しない場合(S243でNO)、着信応答モード制御部113は、電話機能部103に、通常呼出しを指示する。これに応じて、電話機能部103は、通常の着信鳴動処理を実施する(S246)。
【0079】
図6(B)は、電話端末1の応答メール送信処理の動作を説明するためのフロー図である。このフローは、着信応答モードとして「応答メール送信」が自動設定または手動設定されている場合に、電話機能部103への着信に対して、図6(A)のS224またはS245において実行される。
【0080】
まず、電話機能部103は、着信に一次応答して通話路を確立し、この通話路に、電話に出られないので後ほどメールで連絡する旨の音声メッセージを送出する(S261)。その後、電話機能部103は、通話路を切断する(S262)。
【0081】
つぎに、電話機能部103は、応答メール生成送信部115に、発信者番号を通知して、応答メールの生成および送信を指示する。これを受けて、応答メール生成送信部115は、電話機能部103から受け取った発信者番号をキーにして、アドレス帳記憶部114から発信者のアドレス情報を検索する(S263)。そして、このアドレス情報に含まれる属性情報に従い、予め用意された応答メールの定型文のなかから適切な定型文を選択する(S264)。具体的には、発信者種別および年齢種別の組合わせ毎に、予め用意された応答メールの定型文が、図示していないメモリ等に記憶されており、これらの定型文のなかから、発信者のアドレス情報の属性情報に含まれている発信種別および年齢種別の組合わせに対応する応答メールの定型文を選択する。
【0082】
つぎに、応答メール生成送信部115は、着信応答モード設定データ記憶部112を参照して、レコード1120のフィールド1121に、自動設定された着信応答モードとして「応答メール送信」が登録されているか否かを調べる(S265)。自動設定された着信応答モードとして「応答メール送信」が登録されているならば(S265でYES)、選択した応答メールの定型文に、このレコード1120のフィールド1122に登録されている動作状況を追記する(S266)。それから、S267に進む。一方、自動設定された着信応答モードとして「応答メール送信」が登録されていないならば(S265でNO)、直ちにS267に進む。
【0083】
S267において、応答メール生成送信部115は、選択した応答メールの定型文の宛先に、発信者のアドレス情報により特定される電子メールアドレスを設定して応答メールを完成させる。そして、この応答メールを、ネットワークインターフェース部101から送信する。
【0084】
つぎに、プレゼンスサーバ3の詳細を説明する。
【0085】
図7は、プレゼンスサーバ3の概略機能構成図である。
【0086】
図示するように、プレゼンスサーバ3は、ネットワークインターフェース部301と、プレゼンス登録要求受信部302と、プレゼンス記憶部303と、プレゼンス更新部304と、プレゼンス通知要求受信部305と、プレゼンス通知用データ記憶部306と、プレゼンス通知管理部307と、プレゼンス通知送信部308と、を備えている。
【0087】
ネットワークインターフェース部301は、LAN5を介して電話端末1、情報端末2、およびWAN6と通信を行うためのインターフェースである。
【0088】
プレゼンス登録要求受信部302は、ネットワークインターフェース部301を介して情報端末2からプレゼンス登録要求を受信する。
【0089】
プレゼンス記憶部303には、情報端末2のプレゼンス情報が記憶される。図8(A)は、プレゼンス記憶部303の登録内容例を模式的に表した図である。
【0090】
図示するように、プレゼンス記憶部303には、情報端末2毎にレコード3030が記憶される。レコード3030は、情報端末2のアドレス情報を登録するフィールド3031と、情報端末2に対するログインユーザの有無、およびログインユーザがいるならばそのユーザIDを登録するフィールド3032と、レコード3030の最終更新日時を登録するフィールド3033と、を有する。
【0091】
プレゼンス更新部304は、プレゼンス登録要求受信部302が情報端末2から受信したプレゼンス登録要求に従って、プレゼンス記憶部303を更新する。
【0092】
プレゼンス通知要求受信部305は、ネットワークインターフェース部301を介して電話端末1からプレゼンス通知要求およびプレゼンス通知停止要求を受信する。
【0093】
プレゼンス通知用データ記憶部306には、プレゼンス通知要求受信部305が電話端末1からプレゼンス通知要求を受信した場合に、この電話端末1のユーザ(プレゼンス通知要求ユーザ)の、情報端末2に対するログイン状態を示すプレゼンス通知用データが記憶される。図8(B)は、プレゼンス通知用データ記憶部306の登録内容例を模式的に表した図である。
【0094】
図示するように、プレゼンス通知用データ記憶部306には、プレゼンス通知要求毎にレコード3060が記憶される。レコード3060は、プレゼンス通知要求で指定されているプレゼンス通知要求ユーザのユーザIDを登録するフィールド3061と、プレゼン通知要求の送信元(つまり、プレゼンス通知の通知先である電話端末1)のアドレス情報を登録するフィールド3062と、情報端末2のアドレス情報を登録するフィールド3063と、プレゼンス通知要求ユーザのこの情報端末2に対するプレゼンス(ログインか、ログアウトか)を登録するフィールド3064と、プレゼンス通知の送信状態(送信済みか、それとも未送信か)を登録するフィールド3065と、を有する。
【0095】
プレゼンス通知管理部307は、プレゼンス通知要求受信部305により受信されたプレゼンス通知要求およびプレゼンス通知停止要求に従いプレゼンス通知用データ記憶部306を更新する。
【0096】
プレゼンス通知送信部308は、フィールド3065の送信状態が「未送信」のレコード3060がプレゼンス通知用データ記憶部306に記憶されている場合に、このレコード3060のフィールド3062に登録されているアドレス情報により特定される電話端末1に、フィールド3061、3063、3064の登録内容を含むプレゼンス通知を送信する。そして、このレコード3060のフィールド3065の送信状態を「未送信」から「送信済み」に変更する。
【0097】
図9は、プレゼンスサーバ3の動作を説明するためのフロー図である。
【0098】
まず、プレゼンス登録要求受信部302は、ネットワークインターフェース部301を介して情報端末2からプレゼンス登録要求を受信すると(S301でYES)、このプレゼンス登録要求をプレゼンス更新部304に渡す。プレゼンス更新部304は、このプレゼンス登録要求に従ってプレゼンス記憶部303のレコード3030を更新する(S302)。具体的には、ユーザIDの指定を伴う、このユーザIDにより特定されるユーザがログインした旨のプレゼンス登録要求を受信した場合、このプレゼンス登録要求の送信元アドレスがフィールド3031に登録されているレコード3030をプレゼンス記憶部303から検索する。そして、このレコード3030のフィールド3032に、このプレゼンス登録要求で指定されているユーザIDを登録するとともに、フィールド3033に、更新日時として現在の日時を登録する。また、ユーザがログアウトした旨のプレゼンス登録要求を受信した場合、このプレゼンス登録要求の送信元アドレスがフィールド3031に登録されているレコード3030をプレゼンス記憶部303から検索する。そして、このレコード3030のフィールド3032に登録されているユーザIDを削除するとともに、フィールド3033に、更新日時として現在の日時を登録する。
【0099】
プレゼンス記憶部303のレコード3030が更新されたならば、プレゼンス通知管理部307は、プレゼンス通知用データ記憶部306にレコード3060が記憶されているプレゼンス通知要求ユーザのプレゼンスが変化したか否かを判断する(S303)。具体的には、プレゼンス記憶部303において、更新されたレコード3030のフィールド3032に新たに登録されたユーザID、あるいはフィールド3032から削除されたユーザIDがプレゼンス通知要求ユーザのユーザIDとしてフィールド3061に登録されているレコード3060を、プレゼンス通知用データ記憶部306から検索する。
【0100】
このようなレコード3060を検索できなかった場合、プレゼンス通知要求ユーザのプレゼンスに変化なしと判断し(S303でNO)、S301に戻る。
【0101】
一方、該当するレコード3060を検索できた場合、プレゼンス通知要求ユーザのプレゼンスに変化ありと判断して(S303でYES)、このレコード3060の登録内容を更新する(S304)。具体的には、プレゼンス記憶部303において、更新されたレコード3030のフィールド3032にプレゼンス通知要求ユーザのユーザIDが新たに登録されたならば、このレコード3030のフィールド3031に登録されているログイン端末2のアドレス情報を、検索したレコード3060のフィールド3063に登録する。また、検索したレコード3060のフィールド3064にプレゼンス「ログイン」を登録して、フィールド3065の送信状態を「未送信」に変更する。また、プレゼンス記憶部303において、更新されたレコード3030のフィールド3032からプレゼンス通知要求ユーザのユーザIDが削除されたならば、このレコード3030のフィールド3031に登録されているログアウト端末2のアドレスを、検索したレコード3060のフィールド3063に登録する。また、検索したレコード3060のフィールド3064にプレゼンス「ログアウト」を登録して、フィールド3065の送信状態を「未送信」に変更する。
【0102】
また、プレゼンス通知要求受信部305は、ネットワークインターフェース部301を介して電話端末1からプレゼンス通知要求を受信すると(S306でYES)、このプレゼンス通知要求をプレゼンス通知管理部307に渡す。これを受けて、プレゼンス通知管理部307は、プレゼンス通知用データ記憶部306に新たなレコード3060を追加する。そして、このレコード3060のフィールド3061に、このプレゼンス通知要求で指定されているユーザIDをプレゼンス通知要求ユーザとして登録するとともに、フィールド3062に、このプレゼンス通知要求の送信元である電話端末1のアドレス情報を登録する(S307)。その後、S301に戻る。
【0103】
また、プレゼンス通知要求受信部305は、ネットワークインターフェース部301を介して電話端末1からプレゼンス通知停止要求を受信すると(S308でYES)、このプレゼンス通知停止要求をプレゼンス通知管理部307に渡す。これを受けて、プレゼンス通知管理部307は、プレゼンス通知用データ記憶部306から、プレゼンス通知停止要求で指定されているユーザIDがフィールド3061に登録されているレコード3060を検索し、このレコード3060を削除する(S309)。
【0104】
また、プレゼンス通知送信部308は、プレゼンス通知用データ記憶部306から、フィールド3065に送信状態「未送信」が登録されているレコード3060を定期的に抽出し、このレコード3060のフィールド3062に登録されているアドレス情報により特定される電話端末1に、フィールド3061、3063、3064の登録内容を含むプレゼンス通知を送信する(S305)。それから、このレコード3060のフィールド3065の送信状態を「送信済み」に変更して、S301に戻る。
【0105】
以上、本実施の形態について説明した。
【0106】
本実施の形態において、電話端末1は、自電話端末1およびログイン端末2の動作状況を監視し、電話端末1が対応可能な複数の着信応答モードのなかから、最新の動作状況に応じた着信応答モードを選択して自電話端末1に設定する。このように、本実施の形態によれば、自電話端末1あるいはログイン端末2の動作状況に応じて着信応答モードが自動設定されるので、在席中であっても作業の内容によって電話に応答できない場合、あるいは電話に応答できるが作業から手が離せない場合など、ユーザの作業状態に応じてより適切な着信応答モードを設定することが可能となる。
【0107】
また、本実施の形態において、電話端末1は、着信があった場合に、着信応答モードとして「応答メール送信」が自動設定されたならば、発信者番号に対応付けられてアドレス帳記憶部114に記憶されているアドレス情報を検索して、このアドレス情報の属性情報(発信者種別および年齢種別の組合わせ)に応じた定型文をメール本文として用いた応答メールを作成し、この応答メールを、このアドレス情報の電子メールアドレスを宛先して送信している。このようにすることにより、発信者に失礼のない応答メールを送信することが可能となる。なお、本実施の形態では、発信者種別および年齢種別の組合わせ毎に、応答メールのメール本文とする定型文を準備しているが、メール本文の内容だけでなく、フォントの色、大小等を属性情報に応じて変更するようにしてもよい。
【0108】
また、本実施の形態において、電話端末1が対応可能な複数の着信応答モードのそれぞれに優先度が割り当てられており、電話端末1は、自電話端末1あるいはログイン端末2の動作状況に対応する着信応答モードが複数存在する場合に、これらの着信応答モードのなかから最も優先度の高い着信応答モードを、自電話端末1の着信応答モードに自動設定するようにしている。このため、ユーザの作業状態に応じてさらにより適切な着信応答モードを設定することが可能となる。
【0109】
また、本実施の形態において、電話端末1は、プレゼンス通知により、プレゼンスサーバ3から、自電話端末1のユーザがログインしている情報端末2のアドレス情報をプレゼンス通知から取得する。そして、この情報端末2に、動作状況監視ソフトウェアを送信してインストールし実行させることにより、この情報端末2の動作状況を監視する。したがって、本実施の形態によれば、自電話端末1のユーザが任意の情報端末2にログインした場合でも、この情報端末2におけるユーザの作業状態を確実に入手することができる。
【0110】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0111】
例えば、上記の実施の形態において、プレゼンスサーバ3は、電話端末1から受信したプレゼンス通知要求に従い、電話端末1のユーザの、情報端末2に対するログイン状態を示すプレゼンス通知を、このログイン状態が変化する都度、電話端末1に送信している。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、電話端末1が定期的にプレゼンス通知要求を送信し、プレゼンスサーバ3がプレゼンス通知要求を受信する毎に、電話端末1のユーザの、情報端末2に対する最新のログイン状態を示すプレゼンス通知を電話端末1に送信するようにしてもよい。
【0112】
また、上記の実施の形態において、電話端末1は、プレゼンス通知により、プレゼンスサーバ3から自電話端末1のユーザがログインしている情報端末2のアドレス情報を取得し、この情報端末2に、動作状況監視ソフトウェアを送信してインストールし実行させ、これにより、この情報端末2の動作状況を監視している。しかし、本発明はこれに限定されない。自電話端末1のユーザが利用する情報端末2が固定されているならば、予めこの情報端末2に動作状況監視ソフトウェアを常駐させておくことにより、この情報端末2の動作状況を監視できるようにしてもよい。
【0113】
また、上記の実施の形態において、電話端末1は、自電話端末1および自電話端末1のユーザがログインしている情報端末2の動作状況を監視しているが、自電話端末1が、例えばスマートホン等のように、高度なアプリケーションプログラム実行機能を備えている場合、自電話端末1の動作状況のみを監視するようにしてもよい。あるいは、自電話端末1がアプリケーションプログラム実行機能を備えていない場合は、自電話端末1の動作状況の監視を省略して、情報端末2の動作状況のみを監視するようにしてもよい。
【0114】
また、上記の実施の形態において、図3に示す電話端末1および図7に示すプレゼンスサーバ3の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、およびFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウェア的に実現されるものでもよい。もしくは、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、およびNIC(Network Interface Card)、モデム等の通信インターフェースを備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することで実現されるものでもよい。
【符号の説明】
【0115】
1:電話端末、2、2−1〜2−n:情報端末、3:プレゼンスサーバ、4:ゲートウェイ、5:LAN、6:WAN、101:ネットワークインターフェース部、102:マンマシンインターフェース部、103:電話機能部、104:アプリ実行部、105:アプリ保存部、106:データファイル保存部、107:プレゼンス取得部、108:動作状況監視ソフト遠隔制御部、109:動作状況監視部、110:着信応答モード記憶部、111:着信応答モード検索部、112:着信応答モード設定データ記憶部、113:着信応答モード制御部、114:アドレス帳記憶部、115:応答メール生成送信部、301:ネットワークインターフェース部、302:プレゼンス登録要求受信部、303:プレゼンス記憶部、304:プレゼンス更新部、305:プレゼンス通知要求受信部、306:プレゼンス通知用データ記憶部、307:プレゼンス通知管理部、308:プレゼンス通知送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の着信応答モードに対応する電話端末であって、
所定の動作状況毎に、いずれかの前記着信応答モードが対応付けられて記憶された着信応答モード記憶手段と、
自電話端末および所定の情報端末の少なくとも一方の動作状況を監視する動作状況監視手段と、
前記動作状況監視手段により監視された最新の動作状況に対応する前記着信応答モードを前記着信応答モード記憶手段から検索する着信応答モード検索手段と、
自電話端末に、前記着信応答モード検索手段により検索された前記着信応答モードを設定する着信応答モード設定手段と、を有する
ことを特徴とする電話端末。
【請求項2】
請求項1に記載の電話端末であって、
電話番号毎に、電子メールアドレス、属性情報を含むアドレス情報が対応付けられて記憶されたアドレス情報記憶手段と、
電子メールを生成し送信する電子メール手段と、をさらに有し、
前記複数の着信応答モードのうちの一つは、応答メール送信モードであり、
前記電子メール手段は、
着信があった場合に、自電話端末の前記着信応答モードが前記応答メール送信モードに設定されているならば、当該着信の発信者番号に対応付けられて前記アドレス情報記憶手段に記憶されている前記アドレス情報を特定し、当該アドレス情報の前記属性情報に応じた定型文を用いて、当該アドレス情報の前記電子メールアドレスを宛先とする電子メールを作成し送信する
ことを特徴とする電話端末。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電話端末であって、
前記複数の着信応答モードには、優先度が割り当てられており、
前記着信応答モード検索手段は、
前記動作状況監視手段により監視された最新の動作状況に対応する前記着信応答モードが前記着信応答モード記憶手段に複数記憶されている場合、当該最新の動作状況に対応する前記着信応答モードのうち、最も優先度の高い前記着信応答モードを検索する
ことを特徴とする電話端末。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電話端末であって、
所定のプレゼンスサーバから自電話端末のユーザがログインしている情報端末のアドレス情報を入手するログイン先情報入手手段をさらに有し、
前記動作状況監視手段は、
前記ログイン先情報入手手段により入手されたアドレス情報により特定される情報端末の動作状況を監視する
ことを特徴とする電話端末。
【請求項5】
複数の着信応答モードに対応する電話端末の着信応答モード設定方法であって、
自電話端末および所定の情報端末の少なくとも一方の端末の動作状況を監視して、監視中の端末の最新の動作状況に対応する着信応答モードを、所定の動作状況毎に予め対応付けられた着信応答モードのなかから選択し、自電話端末の着信応答モードの設定を、当該選択された着信応答モードに変更する
ことを特徴とする電話端末着信応答モード設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−77877(P2013−77877A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214984(P2011−214984)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】