電話装置の給電制御システム
【課題】 個々の電話機の現実の使用状況を反映させつつ、待機時の消費電力を削減する効率的な構内電話機システムを提供すること。
【解決手段】 構内電話機システムを構成する各電話機の電源制御に際し、現行の電源制御条件を変更するか否かを判定するための一定の判定条件に従って、個々の電話機の使用実態を反映した電源制御条件に自動的に変更する。
【解決手段】 構内電話機システムを構成する各電話機の電源制御に際し、現行の電源制御条件を変更するか否かを判定するための一定の判定条件に従って、個々の電話機の使用実態を反映した電源制御条件に自動的に変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個々の電話機への給電を制御する構内電話機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ボタン電話装置やPBXなどの構内電話機システムは、利用者一人に対して一台の電話機を使用する形態が一般的である。そのため、個々の電話機によって、その使用状況が異なり、曜日や日付けや時間帯によって、給電されていてもまったく未使用のまま放置され、電力が無用に消費されるという問題があった。
【0003】
特許文献1および特許文献2は、各電話機ごとに使用していない時間帯を予め調査し、その調査データに基づいて未使用時間帯には各電話機への給電を停止し、当該給電停止時間に受発信を行う場合は、自動的に給電を再開できるようにすることで、無用な消費電力を節約するための工夫がなされている。
【0004】
特許文献3は、複数に分散されたユニット内ブロックに対してそれぞれの呼量を測定し、その測定された呼量が予め設定した設定値より小さければ、当該ブロックの電話機への給電を停止することにより、深夜および休日等の構内電話機システムの電力消費を低減させるための工夫がなされている。
【0005】
また特許文献4は、利用者一人に対して一台の電話機と一台のパソコン端末をワンセットで対応させ、当該コンピュータ端末の電源状態に基づいて対応する電話機への給電を制御し、利用者不在時の電話機への給電を停止することにより、構内電話機システムの消費電力を削減するための工夫がなされている。
【0006】
【特許文献1】特開平5−56471公報
【特許文献2】特開平9−139782公報
【特許文献3】特開平06−319160公報
【特許文献4】特開2000−287232公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1および特許文献2では、事前に調査した未使用時間帯についてのみ電話機への給電を停止するという硬直的なスケジュールでしか電源を制御できないため、予め設定した未使用時間帯が現実の未使用時間帯と乖離してくる場合には、改めて未使用時間帯を調査し直さなければならないという不都合がある。
【0008】
また、特許文献3では、ユニット内ブロックを構成する複数の電話機への給電を画一的な条件で一括して制御しているため、各電話機に対応する利用者個々人により異なる使用状況に対して、木目細かな対応ができないという不都合がある。
【0009】
また、特許文献4では、上記の特許文献1による不都合は解消されるものの、オフィス退出時にパソコンの電源OFF操作を失念すると、節電効果は実現されず、またパソコン端末と電話機が一対一の対応関係にあることが必須のため、必ずしもパソコンの配置を必要としない部署に設置される電話機は対象外となってしまうという不都合がある。
【0010】
上記の事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、個々の電話機の現実の使用状況を反映させつつ、待機時の消費電力を削減する効率的な構内電話機システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を達成するために、本発明は、主装置と接続された複数に分散された電話機からなる構内電話機システムにおいて、個々の電話機の電源制御条件を入力する条件入力手段と、前記条件入力手段により入力された各電話機の電源制御条件の変更の要否を判定する判定条件を入力する判定条件入力手段と、前記条件入力手段により入力された各電話機の電源制御条件および判定条件を記憶する条件記憶手段と、前記条件記憶手段により記憶された各電話機の電源制御条件に従って、各電話機の電源を制御する電源制御手段と、各電話機の使用状態を検出する使用状態検出手段と、前記使用状態検出手段により検出された各電話機の使用状態を記録する使用状態記録手段と、各電話機の給電状態を検出する給電状態検出手段と、前記給電状態検出手段により検出された各電話機の給電状態を記録する給電状態記録手段と、前記使用状態記録手段により記録された各電話機の使用状態と、前記給電状態記録手段により記録された各電話機の給電状態とを比較して、前記判定条件に従って、当該各電話機の電源制御条件を変更するか否かを判定する条件変更判定手段と、前記条件変更判定手段の判定結果に応答して、各電話機の電源制御条件を変更する条件変更手段と、からなる構内電話機システムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、個々の電話機の現実の使用状況を反映させることにより、待機時の無用な消費電力の削減を実現する効率的な構内電話機システムの提供が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明にかかわる実施例の最良の形態を図1ないし図14により説明する。
【0014】
図1は本発明にかかわる実施例の構成を示す構内電話機システムのブロック図である。以下では、主装置と複数の電話機とからなる構内電話機システムを例として説明するが、PBXと内線電話機からなる電話機システム、あるいは電話機に代えて携帯電話などの無線通信装置を使用するものなど、他の構成の電話機システムについても本発明は適用が可能である。
【0015】
図1に示す構内電話機システムは、データ伝送路1を介してデータ伝送を行うことにより各電話機2A〜2Cを制御する主装置3と、当該主装置3に入力を行うためのパソコンとから構成されている。主装置3は、少なくとも、回線交換部、制御部、記憶部、内線I/F部とから構成されている。
【0016】
図2は、本発明による個々の電話機への給電を制御するための、主装置3の制御部5および記憶部6の作動を示すブロック図である。条件入力部4は、当初のシステム導入時におけるデフォルトの電源制御条件を入力する場合、およびシステム稼動後の任意のタイミンングで当該電源制御条件を人為的に変更する場合に、その入力手段として使用され、入力された電源制御条件は条件変更判定部7および条件記憶部8に送られる。条件入力部4により入力された電源制御条件は、条件変更判定部7を経由して電源制御部9に送られ、回線交換部10、内線I/F部11を経て各電話機2A〜2Cへの給電を制御する。さらに、当初のシステム導入時において、条件入力部4は、後述する当該電源制御条件の変更の要否を判定するデフォルトの判定条件を入力する場合、およびシステム稼動後の任意のタイミンングで当該判定条件を人為的に変更する場合に、その入力手段として使用され、入力された判定条件は、前記電源制御条件と同様に条件変更判定部7および条件記憶部8に送られる。
【0017】
次に、給電状態検出部12により、各電話機2A〜2Cの実際の給電状態のデータが、各電話機2A〜2Cから内線I/F部11、回線交換部10を介して検出され、その検出結果が記憶部6の給電状態記録部13に記録される。同様に、使用状態検出部14により、各電話機2A〜2Cの実際の使用状態のデータが、各電話機2A〜2Cから内線I/F部11、回線交換部10を介して検出され、その検出結果が記憶部6の使用状態記録部15に記録される。
【0018】
次に、条件変更判定部7は、給電状態記録部13と使用状態記録部15とから各電話機2A〜2Cの給電状態および使用状態に係わるデータを収集し、後述する予め設定された判定条件に基づいて、各電話機2A〜2Cの現在の電源制御条件を変更するか否かを判定する。その結果、条件変更判定部7が変更不要と判定した場合は、現在の電源制御条件をそのまま電源制御部9に送信することにより、またはなにも送信しないことにより、現在の電源制御条件が継続される。逆に、条件変更判定部7が変更を要すると判定した場合は、変更後の新しい電源制御条件が条件変更部16を介して電源制御部9に送信されることにより、変更後の新しい電源制御条件が回線交換部10、内線I/F部11を経て各電話機2A〜2Cへの給電を制御する。
【0019】
具体的な実施例の説明に入る前に、本発明による電源制御条件の構成について説明する。さまざまな条件が考えられるが、先ず時刻を含む暦ベースの制御条件として、一日の時間帯に対応する日次制御条件、一週間の曜日に対応する週次制御条件、一ヶ月の上旬、中旬、下旬に対応する月次制御条件などが考えられる。
【0020】
日次制御条件としては、例えばtを制御対象時刻として、各電話機の電源を、毎日、0:00≦t<6:00はOFF、6:00≦t<18:00はON、18:00≦t<24:00はOFFとする制御時間帯を設定する。そして、一日が終了した段階で、給電状態検出部12および使用状態検出部14によって検出された当該一日の制御時間帯に対応する給電状態および使用状態のデータを、それぞれ給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録する。これらのデータを条件変更判定部7が後に説明する所定の判定条件を参照して、一定日数ごとに、例えば11日、21日、翌月初日など一ヶ月に三回のインターバルで、それぞれ1日〜10日、11日〜20日、21日〜月末日について記録された十日分のデータに基づいて、現在の電源制御条件を変更するか否かを判定する。
【0021】
週次制御条件としては、例えば各電話機の電源を、毎週、日曜日、祝祭日、会社創立記念日などの非営業日には0:00≦t<24:00をOFF、月曜日から金曜日は0:00≦t<6:00をOFF、6:00≦t<18:00をON、18:00≦t<24:00をOFF、土曜日は0:00≦t<6:00をOFF、6:00≦t<12:00をON、12:00≦t<24:00をOFFと設定する。そして、一週間が終了した段階で、給電状態検出部12および使用状態検出部14によって検出された当該一週間の各曜日別の制御時間帯に対応する給電状態および使用状態のデータを、それぞれ給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録する。これらのデータを条件変更判定部7が後に説明する所定の判定条件を参照して、一定週数ごとに、例えば四週間に一回のインターバルで、それぞれ第一週、第二週、第三週、第四週について記録された四週間分のデータに基づいて、現在の電源制御条件を変更するか否かを判定する。
【0022】
月次制御条件としては、例えば各電話機の電源を、毎月、上旬、中旬、下旬に区分し、ON設定時間帯を、上旬は9:00≦t<17:00、中旬は8:00≦t<17:00、下旬は7:30≦t<20:00のように、それぞれ設定する。そして、一ヶ月が終了した段階で、給電状態検出部12および使用状態検出部14によって検出された当該一ヶ月の各旬ごとの制御時間帯に対応する給電状態および使用状態のデータを、それぞれ給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録する。これらのデータを条件変更判定部7が後に説明する所定の判定条件を参照して、一定月数ごとに、例えば二ヶ月に一回のインターバルで、前々月、前月についてそれぞれ各旬ごとに記録された二ヶ月分のデータに基づいて、現在の電源制御条件を変更するか否かを判定する。
【0023】
また、これらの日次制御条件、週次制御条件、月次制御条件を組合わせて、それぞれの間に優先順位を付した電源制御条件を設定することも可能である。さらに、電源の制御を、単にONとOFFに二分するだけでなく、ONとOFFと省電モードのように三つの給電モードを選択するようにすることも、当然に可能である。
【0024】
上記の暦ベースの電源制御条件の他に、各電話機の配置された部署に対応する機能ベースの電源制御条件として、秘書室の電話機は常時ONに設定する条件、同一部署で同じ内線グループを構成する複数の電話機のうち、特定の一台または複数の電話機についてのみ、他の電話機はOFFに設定されている場合も、電源をONもしくは省電モードで給電する条件、会議室の電話機はすべて非営業日にはOFFに設定する条件など、さまざまな対応が考えられる。なお、前記暦ベースの電源制御条件と当該機能ベースの電源制御条件を組合わせて、それぞれの間に優先順位を付した電源制御条件を設定することも可能である。さらに、電源の制御を、単にONとOFFに二分するだけでなく、ONとOFFと省電モードのように三つの給電モードを選択するようにすることも、当然に可能である。
【実施例1】
【0025】
さて、一般に電話機システムを構成する主装置は、当該主装置に接続された各電話機の状態を定期的に監視している。図3に、その一般的な監視により主装置が受取る各電話機の状態を表す情報が示されている。本図の情報は、2004年10月1日の電話機2Aの状態を主装置が監視した結果のデータであり、監視のインターバルは五分間隔である。なお、本実施例において設定されている電源制御条件は、日次制御条件であって、各電話機の電源を、毎日、0:00≦t<6:00はOFF、6:00≦t<18:00はON、18:00≦t<24:00はOFFと設定してあるものとする。かつ、OFF設定時間帯に、電話機2Aに対する電源制御条件によりOFFに設定されていた電源が、電話機2Aに受発信が発生するなどして、ONに変更されてしまった場合は、その後三十分間に、使用状態検出部14によって受発信が一回も検出されないことを条件に、再度電源をOFFに切換えるようにした電源制御条件が予め設定されているものとする。さらに、条件変更判定部7においては、予め設定された電源制御条件により、毎月の繁忙予想日が10日、20日、月末日の三日間としてプログラムに組込まれており、これら繁忙予想日については、直前の十日分の使用状態および給電状態のいかんにかかわらず、0:00≦t<6:00はOFF、6:00≦t<22:00はON、22:00≦t<24:00はOFFとする制御時間帯が設定されているものとする。
【0026】
図3についてさらに説明する。2004年10月1日の電話機2Aについて、ブロックAは00:00から00:15までの四回の監視の結果を表しており、いずれも給電状態は0(OFF)、使用状態は0(不使用)を示し、その結果、電源OFFというこの時間帯の電源制御条件が成立していた(1)ことを示している。
【0027】
ブロックBは6:00から6:10までの三回の監視の結果を表しており、電源制御条件により6:00に給電状態がそれ以前の0(OFF)から1(ON)に変更されたことを含め、いずれも給電状態は1(ON)、使用状態は0(不使用)を示し、その結果、電源ONというこの時間帯の電源制御条件が成立していた(1)ことを示している。
【0028】
ブロックCは8:35から8:45までの三回の監視の結果を表しており、いずれも給電状態は1(ON)、使用状態は8:35が1(使用)、8:40が0(不使用)、8:45が1(使用)を示し、その結果、電源ONというこの時間帯の電源制御条件が成立していた(1)ことを示している。
【0029】
ブロックDは17:55から18:15までの五回の監視の結果を表しており、18:00に給電状態がそれまでの1(ON)から0(OFF)に変更され、18:00の使用状態は0(不使用)であり、かつ電源OFFというこの時間帯の電源制御条件が成立していた(1)ことを示している。ところが18:10に、電話機2Aに受発信が発生し、使用状態が1(使用)、給電状態が1(ON)となり、その結果、電源OFFというこの時間帯の電源制御条件が成立していなかった(0)ことを示している。18:15では、使用状態は0(不使用)だが、給電状態は18:10の受発信により開始された給電状態がそのまま継続しているため1(ON)を示し、その結果、この時間帯の電源制御条件が成立していなかった(0)ことを示している。
【0030】
ブロックEは18:40から18:45までの二回の監視の結果を表しており、18:10の電話機2Aの受発信発生から三十分が経過した18:40の時点で、前記のとおり、OFF設定時間帯に、電話機2Aに対する電源制御条件によりOFFに設定されていた電源が、電話機2Aに受発信が発生するなどして、ONに変更されてしまった場合は、その後三十分間に、使用状態検出部14によって受発信が一回も検出されないことを条件として、再度電源をOFFに切換えるように予め設定されている電源制御条件により、給電状態がそれまでの1(ON)から0(OFF)に復しており、その結果、電源OFFというこの時間帯の電源制御条件が成立した(1)ことを示している。
【0031】
ブロックFは23:55の一回の監視の結果を表しており、給電状態は0(OFF)、使用状態は0(不使用)を示し、その結果、電源OFFというこの時間帯の電源制御条件が成立していた(1)ことを示している。
【0032】
図4は、電話機2Aについて、上記のように給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録された一日の給電状態および使用状態のデータを、条件変更判定部7が制御時間帯ごとに対応させて集計したものである。図4において、ブロックAは0:00≦t<6:00の制御時間帯、ブロックBは6:00≦t<18:00の制御時間帯、ブロックCは18:00≦t<24:00の制御時間帯をそれぞれ表している。2004年10月1日の電話機2Aの作動において、制御条件が不成立だったのは、ブロックCに属する18:10≦t<18:40の時間帯であって、その三十分間に使用状態検出部14によって検出された制御条件を不成立とする電話機の使用が監視された回数は一回であったことを示している。
【0033】
図5は、電話機2Aの2004年10月1日から10月10日までの十日間の給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録されたデータを、条件変更判定部7が制御時間帯ごとに対応させて集計し、それを一時間ごとの時間帯にさらに細分化して集計したものである。図5により、ブロックCに属する18:00≦t<19:00の時間帯は当初設定した電源制御条件では電源OFFであったが、実際に十日間使用した結果、電源OFFと設定したにもかかわらず、電話機2Aは15回の使用状態が検出されていることが示されている。また、ブロックCに属する19:00≦t<20:00の時間帯も当初設定した電源制御条件では電源OFFであったが、実際に十日間使用した結果、電源OFFと設定したにもかかわらず、電話機2Aは2回の使用状態が検出されている。
【0034】
ここで、先に説明したとおり、条件変更判定部7は、給電状態記録部13と使用状態記録部15とから電話機2Aの給電状態および使用状態に係わるデータを収集し、後述する予め設定された判定条件に基づいて、電話機2Aの現在の電源制御条件を変更するか否かを判定する工程が開始する。その工程を、図6のフローチャートにより説明する。なお、当初設定された電源制御条件には、日次制御条件として、各電話機の電源を、tを制御対象時刻として、毎日、0:00≦t<6:00はOFF、6:00≦t<18:00はON、18:00≦t<24:00はOFFとする制御時間帯が設定されている。当該電源制御条件を変更するか否かを判定する判定条件として、ここでは、給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録されたデータを、毎月、11日、21日、翌月初日の一ヶ月に三回のインターバルで、それぞれ直前の1日〜10日、11日〜20日、21日〜月末日について記録された十日分のデータに基づいて、条件変更判定部7が現在の電源制御条件を変更するか否かを判定するように予め設定されているものとする。
【0035】
なお、条件変更判定部7においては、上記所定の判定条件として、直前の十日間分のデータについて、当初設定した電源制御条件がOFFである制御時間帯のなかで、その制御時間帯に属する一時間の細分時間帯における直前十日間の電話機使用回数が十回以上検出された場合は、その細分時間帯の電源制御条件をOFFからONに変更するように既にプログラムが組込まれているものとする。
【0036】
さらに、条件変更判定部7においては、上記所定の判定条件として、直前の十日間分のデータについて、当初設定した電源制御条件がONである制御時間帯のなかで、その制御時間帯に属する一時間の細分時間帯における直前十日間の電話機使用回数が五回未満だった場合は、その細分時間帯の電源制御条件をONからOFFに変更するように既にプログラムが組込まれているものとする。
【0037】
以下、図6のフローチャートに従って、条件変更判定部7が電話機2Aの現在の電源制御条件を変更するか否かを判定するプロセスを説明する。本日は2004年10月11日であり、図5に示す10月1日から10日までの直前十日間の電話機2Aの使用状態および給電状態のデータに基づいて、本日10月11日から20日までのこれからの十日間の電源制御条件を、現行の電源制御条件のまま継続するか、それとも変更するかを判定する。
【0038】
条件変更判定部7が電源制御条件変更の判定プロセスをスタートすると、図5の細分時間帯のそれぞれについて、電源制御条件が不成立であったかどうかを反復して検索する。まずS102において細分化時間帯番号TがT=1とセットされ、0:00≦t<1:00の時間帯について判定が行われる。S103で条件不成立か否かが問われるが、細分時間帯番号1は条件不成立ではないので、S106にスキップする。S106では、制御条件がONであるか否かが問われるが、細分時間帯番号1は制御条件がOFFなので、S109にスキップする。S109では、細分時間帯番号1に1が加算され、細分時間帯番号2となる。つぎにS110で、細分時間帯番号2が25であるかと問われるが、細分時間帯番号は2なので、S103に戻る。これと同じステップが細分時間帯番号6の5:00≦t<6:00の時間帯まで繰り返される。
【0039】
S109で細分時間帯番号6に1が加算され、細分時間帯番号7となる。S103では条件不成立ではないので、S106にスキップする。S106では、制御条件がONであるか否かが問われるが、細分時間帯番号7は制御条件がONなので、S107に進み、使用中の回数が五回未満かと問われる。細分時間帯番号7、すなわち6:00≦t<7:00の時間帯は使用中の回数が二回だったので、S108に進み、細分時間帯番号7、すなわち6:00≦t<7:00の時間帯の制御条件がONからOFFに変更される。同様につぎの細分時間帯番号8、すなわち7:00≦t<8:00の時間帯についても、S107において、使用中の回数が五回未満かと問われるが、細分時間帯番号8、すなわち7:00≦t<8:00の時間帯は使用中の回数が三回だったので、S108に進み細分時間帯番号8、すなわち7:00≦t<8:00の時間帯の制御条件もONからOFFに変更される。
【0040】
つぎの細分時間帯番号9、すなわち8:00≦t<9:00の細分時間帯については、S103で条件不成立ではないので、S106に進み、制御条件がONなので、S107に進むが、使用中の回数が8なので、S109にスキップし、つぎの細分時間帯番号10に代わる。細分時間帯番号10、すなわち9:00≦t<10:00の細分時間帯から、細分時間帯番号18、すなわち17:00≦t<18:00の細分時間帯までは、細分時間帯番号9、すなわち8:00≦t<9:00の細分時間帯と同じプロセスを反復し、S109でつぎの細分時間帯番号19に代わる。
【0041】
細分時間帯番号19、すなわち18:00≦t<19:00の細分時間帯は条件不成立であるので、S103からS104に進む。S104では、使用中の回数が十回以上かと問われるが、細分時間帯番号19の使用中の回数は十五回なので、S105に進み、細分時間帯番号19の制御条件がOFFからONに変更される。つぎにS106に進み制御条件がONかと問われるが、図5のデータの細分時間帯番号19の制御条件はOFFなので、S109にスキップし、つぎの細分時間帯番号20に代わる。
【0042】
細分時間帯番号20、すなわち19:00≦t<20:00の細分時間帯は条件不成立であるので、S103からS104に進む。S104では、使用中の回数が十回以上かと問われるが、細分時間帯番号20の使用中の回数は二回なので、S106にスキップする。S106では、制御条件がONかと問われるが、細分時間帯番号20の制御条件はOFFなので、S109にスキップし、つぎの細分時間帯番号21に代わる。
【0043】
細分時間帯番号21、すなわち20:00≦t<21:00の細分時間帯から、細分時間帯番号24、すなわち23:00≦t<24:00の細分時間帯までは、細分時間帯番号1、すなわち0:00≦t<1:00の細分時間帯と同じプロセスを反復し、S109でつぎの細分時間帯番号25に代わるが、S110で細分時間帯番号25が25であるかと問われ、YESであるので、本プロセスはここで終了する。
【0044】
以上のプロセスにより変更された新たな電源制御条件を、当初の電源制御条件と比較したものを、図7に示す。図7で明らかなとおり、当初の電源制御条件と比較して、変更後の電源制御条件は、朝方の電源OFFと設定する時間帯が6:00から8:00まで延長されており、一方、電源ONの時間帯が夕方の18:00から19:00まで延長されている。つまり、この変更は直前十日間の電話機2Aの実際の使用状況を反映したものであって、しかも、その電源制御条件の変更プロセスを構内電話機システム自身が一定の判定条件に基づいて自動的に行っているわけである。
【0045】
図7に示した変更後の電源制御条件が、2004年10月11日から20日までの基本パターンとなるわけであるが、最終的にこの変更後の電源制御条件を適用する前に、条件変更判定部7は、もう一つのプロセス、つまり、毎月の繁忙予想日についての補正を行なわなければならない。さきに述べたとおり、予め設定された電源制御条件により、毎月の繁忙予想日が10日、20日、月末日の三日間としてプログラムに組込まれており、これら繁忙予想日については、直前の十日分の使用状態および給電状態のいかんにかかわらず、0:00≦t<6:00はOFF、6:00≦t<22:00はON、22:00≦t<24:00はOFFとする制御時間帯が設定されているので、変更判定部7は、上記の変更にかかわらず、繁忙予想日として設定されている2004年10月20日についてのみ、0:00≦t<6:00をOFF、6:00≦t<22:00をON、22:00≦t<24:00をOFFとする繁忙予想日に固有の電源制御条件を作成して、そのすべての結果である真正な変更後の電源制御条件を条件変更部16を介して電源制御部9に送信しなければならない。さらに変更後の電源制御条件は回線交換部10、内線I/F部11を経て電話機2Aへの給電を制御することになる。以上が日次制御条件による本発明の構内電話機システムの電源制御条件変更プロセスである。
【実施例2】
【0046】
次に、週次制御条件による本発明の構内電話機システムの電源制御条件変更プロセスを説明する。基本的な構図は前記の日次制御条件による場合と酷似しているので、より簡略化した説明で先に進めることにする。本実施例における週次制御条件は、電話機2Aの電源を、毎週、土曜日、日曜日、祝祭日、会社創立記念日などの非営業日には0:00≦t<24:00をOFF、月曜日から金曜日の営業日には0:00≦t<6:00をOFF、6:00≦t<18:00をON、18:00≦t<24:00をOFFと設定する。そして、一週間が終了した段階で、給電状態検出部12および使用状態検出部14によって検出された当該一週間の各曜日別の制御時間帯に対応する電話機2Aの給電状態および使用状態のデータを、それぞれ給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録する。
【0047】
当該電源制御条件を変更するか否かを判定する判定条件として、ここでは、給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録されたデータを、四週間に一回のインターバルで、曜日ごとにそれぞれ第一週、第二週、第三週、第四週について記録された四週間分のデータに基づいて、条件変更判定部7が現在の電源制御条件を変更するか否かを判定するように予め設定されているものとする。
【0048】
なお、条件変更判定部7が参照する所定の判定条件として、営業日については、曜日ごとの直前の四週間分のデータについて、当初設定した電源制御条件がOFFである制御時間帯のなかで、その制御時間帯に属する一時間の細分時間帯における曜日ごとの直前四週間の電話機使用回数が十回以上検出された場合は、その細分時間帯の電源制御条件をOFFからONに変更するように既にプログラムが組込まれているものとする。さらに、営業日については、曜日ごとの直前の四週間分のデータについて、当初設定した電源制御条件がONである制御時間帯のなかで、その制御時間帯に属する一時間の細分時間帯における曜日ごとの直前四週間の電話機使用回数が五回未満だった場合は、その細分時間帯の電源制御条件をONからOFFに変更するように既にプログラムが組込まれているものとする。さらに、当初設定した電源制御条件がONである制御時間帯のなかで、その制御時間帯に属する一時間の細分時間帯における曜日ごとの直前四週間の電話機使用回数が五回以上、十回未満だった場合は、その細分時間帯の電源制御条件を省電モードに設定するように既にプログラムが組込まれているものとする。
【0049】
一方、非営業日については、すべての時間帯について電源制御条件をOFFに設定しているが、いずれかの細分時間帯において直前四週間の電話機使用回数が十回以上検出された場合は、その細分時間帯の電源制御条件をOFFからONに変更するように既にプログラムが組込まれているものとする。
【0050】
なお、本実施例においては、前記の日次制御条件の実施例で考慮した要件、すなわち、OFF設定時間帯に電話機2Aに受発信が発生するなどして、給電がONに変更されてしまった場合に、その後三十分間に使用状態検出部14によって受発信が一回も検出されないことを条件に、再度電源をOFFに切換えるようにする電源制御条件や、毎月の繁忙予想日に対応するための特別の条件などは、説明の簡素化のために考慮しないこととするが、本発明の実際の場面での応用に際しては、木目細かな電源制御条件を形成するうえで、それらの条件を組合わせて実施することが望ましいことを申し述べておく。
【0051】
図8は、電話機2Aの2004年10月の第一月曜日における給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録された一日の給電状態および使用状態のデータを、条件変更判定部7が制御時間帯ごとに対応させて集計したものである。図8において、ブロックAは0:00≦t<6:00の制御時間帯、ブロックBは6:00≦t<18:00の制御時間帯、ブロックCは18:00≦t<24:00の制御時間帯をそれぞれ表している。2004年10月第一月曜日の電話機2Aの作動において、制御条件が不成立だったのは、ブロックCに属する18:00≦t<19:00、19:00≦t<20:00、および20:00≦t<21:00の三つの細分時間帯であって、そのそれぞれの細分時間帯において使用状態検出部14によって検出された制御条件を不成立とする電話機の使用が監視された回数は、五回、二回、一回であったことを示している。
【0052】
次に図9は、電話機2Aの2004年10月の第一月曜日から第四月曜日までの四回の月曜日について給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録されたデータを、条件変更判定部7が制御時間帯ごとに対応させて集計し、それを一時間ごとの時間帯にさらに細分化して集計したものである。図9により、ブロックCに属する18:00≦t<19:00の細分時間帯19は当初設定した電源制御条件では電源OFFであったが、実際に四週間使用した結果、電源OFFと設定したにもかかわらず、電話機2Aは十五回の使用状態が検出されていることが示されている。また、ブロックCに属する19:00≦t<20:00の細分時間帯20は当初設定した電源制御条件では電源OFFであったが、実際に四週間使用した結果、電源OFFと設定したにもかかわらず、電話機2Aは九回の使用状態が検出されている。さらに、ブロックCに属する20:00≦t<21:00の細分時間帯21は当初設定した電源制御条件では電源OFFであったが、実際に四週間使用した結果、電源OFFと設定したにもかかわらず、電話機2Aは五回の使用状態が検出されていることがわかる。
【0053】
図10は、営業日である月曜日から金曜日について、それぞれ四週間分の給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録されたデータを、条件変更判定部7が制御時間帯ごとに対応させて集計し、それを一時間ごとの時間帯にさらに細分化して集計したものである。また、図11は、非営業日である土曜日と日曜日について、それぞれ四週間分の給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録されたデータを、条件変更判定部7が制御時間帯ごとに対応させて集計し、それを一時間ごとの時間帯にさらに細分化して集計したものである。
【0054】
以下、図12および図13のフローチャートに従って、条件変更判定部7が電話機2Aの現在の電源制御条件を変更するか否かを判定するプロセスを説明する。2004年10月の第一週の月曜日から第四週の日曜日までの四週間に関する図10および図11に示す曜日別の電話機2Aの使用状態および給電状態のデータに基づいて、つぎの四週間の電源制御条件を、現行の電源制御条件のまま継続するか、それとも変更するかを判定する。
【0055】
まず営業日である月曜日から金曜日までのデータを集約した図10に基づき、図12のフローチャートに従って、条件変更判定部7が電源制御条件を変更するか否かを判定するプロセスを説明する。月曜日から金曜日までの各曜日に対応して、以下のプロセスが反復する。
【0056】
条件変更判定部7が電源制御条件変更の判定プロセスをスタートすると、まず図10の月曜日についての細分時間帯のそれぞれについて、電源制御条件が不成立であったかどうかを反復して検索する。まずS302において細分化時間帯番号TがT=1とセットされ、0:00≦t<1:00の時間帯について判定が行われる。S303で条件不成立か否かが問われるが、細分時間帯番号1は条件不成立ではないので、S306にスキップする。S306では、制御条件がONであるか否かが問われるが、細分時間帯番号1は制御条件がOFFなので、S311にスキップする。S311では、細分時間帯番号1に1が加算され、細分時間帯番号2となる。つぎにS312で、細分時間帯番号2が25であるかと問われるが、細分時間帯番号は2なので、S303に戻る。これと同じステップが細分時間帯番号6の5:00≦t<6:00の時間帯まで繰り返される。
【0057】
S311で細分時間帯番号6に1が加算され、細分時間帯番号7、すなわち6:00≦t<7:00の時間帯となる。S303では条件不成立ではないので、S306にスキップする。S306では、制御条件がONであるか否かが問われるが、細分時間帯番号7は制御条件がONなので、S307に進み、使用中の回数が五回未満かと問われる。細分時間帯番号7、すなわち6:00≦t<7:00の時間帯は使用中の回数が五回だったので、S309に進み、使用中の回数が十回未満かと問われる。使用中の回数は五回だったので、S310に進み、細分時間帯番号7、すなわち6:00≦t<7:00の時間帯の制御条件がONから省電モードに変更され、S311に進み、つぎの細分時間帯番号8、すなわち7:00≦t<8:00の時間帯に代わる。
【0058】
この細分時間帯番号8、すなわち7:00≦t<8:00の細分時間帯は、S303では条件不成立ではないので、S306にスキップする。S306では、制御条件がONであるか否かが問われるが、細分時間帯番号8は制御条件がONなので、S307に進み、使用中の回数が五回未満かと問われる。細分時間帯番号8、すなわち7:00≦t<8:00の時間帯は使用中の回数が十八回だったので、S309に進み、使用中の回数が十回未満かと問われる。使用中の回数は十八回だったので、S311に進み、つぎの細分時間帯番号9、すなわち8:00≦t<9:00の時間帯に代わる。細分時間帯番号9から、細分時間帯番号18、すなわち17:00≦t<18:00の細分時間帯までは、前記の細分時間帯番号8、すなわち7:00≦t<8:00の時間帯と同じプロセスを反復し、つぎの細分時間帯番号19、すなわち18:00≦t<19:00の細分時間帯に代わる。
【0059】
細分時間帯番号19、すなわち18:00≦t<19:00の細分時間帯は条件不成立であるので、S303からS304に進む。S304では、使用中の回数が十回以上かと問われるが、細分時間帯番号19の使用中の回数は十五回なので、S305に進み、細分時間帯番号19の制御条件がOFFからONに変更される。つぎにS306に進み制御条件がONかと問われるが、図10のデータの細分時間帯番号19の制御条件はOFFなので、S311にスキップし、つぎの細分時間帯番号20に代わる。
【0060】
細分時間帯番号20、すなわち19:00≦t<20:00の細分時間帯は条件不成立であるので、S303からS304に進む。S304では、使用中の回数が十回以上かと問われるが、細分時間帯番号20の使用中の回数は九回なので、S306にスキップする。S306では、制御条件がONかと問われるが、細分時間帯番号20の制御条件はOFFなので、S311にスキップし、つぎの細分時間帯番号21に代わる。
【0061】
細分時間帯番号21、すなわち20:00≦t<21:00の細分時間帯は、前記の細分時間帯番号20と同じプロセスをたどって、つぎの細分時間帯番号22に代わる。この細分時間帯22、すなわち21:00≦t<22:00の細分時間帯から、細分時間帯番号24、すなわち23:00≦t<24:00の細分時間帯までは、細分時間帯番号1、すなわち0:00≦t<1:00の細分時間帯と同じプロセスを反復し、S311でつぎの細分時間帯番号25に代わるが、S312で細分時間帯番号25が25であるかと問われ、YESであるので、月曜日に関するプロセスはここで終了する。以下、火曜日から金曜日について、それぞれ月曜日と同じプロセスを反復するが、ここではその説明を省略する。
【0062】
次に、非営業日である土曜日と日曜日のデータを集約した図11に基づき、図13のフローチャートに従って、条件変更判定部7が電源制御条件を変更するか否かを判定するプロセスを説明する。土曜日と日曜日の各曜日に対応して、それぞれの曜日の細分時間帯について図13のプロセスを反復する。本実施例においては、すべての細分時間帯について、条件不成立の事態が発生していないので、S203、S206、S207を反復して、このプロセスを終了する。結果的に、非営業日に関する今回の条件変更判定部7による判定は、変更不要という判定となる。
【0063】
以上のプロセスにより変更された新たな電源制御条件を、当初の電源制御条件と比較したものを、図14に示す。図14で明らかなとおり、当初の電源制御条件と比較して、変更後の電源制御条件は、月曜日については、電源ONの時間帯が夕方の18:00から19:00まで延長されている。また、火曜日から金曜日については、朝方の電源OFFと設定する時間帯が6:00から9:00まで延長され、さらに、水曜日から金曜日については、当初の電源制御条件がONに設定されていた時間帯のうち、特定の細分時間帯について省電モードに変更されている。つまり、この変更は直前四週間の電話機2Aの実際の使用状況に基づいて実施されたものであるから、各曜日ごとの特性を明確に反映する変更になっている。しかも、その電源制御条件の変更プロセスを構内電話機システム自身が一定の判定条件に基づいて自動的に行っているわけである。
【0064】
以上に説明した日次制御条件および週次制御条件の他に、前に述べた月次制御条件による電源制御条件の変更プロセスも実施可能であることは言うまでもないが、月次制御条件による変更プロセスの構造は、上記の日次制御条件および週次制御条件による変更プロセスの論理と基本的に同じであり、自明であるので、ここでのさらなる説明は省略する。
【0065】
なお、これまでに説明した実施例においては、電源制御条件を変更するか否かを判定する判定条件として、特定の電話機について、一定時間内に使用状態検出部により使用状態にあることが検出された回数の累計を基準として、もっぱら説明してきた。しかし、それ以外にも、条件不成立が発生する頻度、すなわち、上記の日次制御条件による実施例であれば、直前十日間のうち八日間で条件不成立が発生しておれば、使用状態にあると検出された回数が変更を促す判定基準値にたとえ未達であったとしても、電源制御条件を変更することは極めて合理的であると言える。また、遠い過去の状態よりも直近の状態をできるだけ反映させたいという趣旨であれば、週次制御条件による実施例の場合に、例えば第一週目のデータは第四週目のデータの半分のウエイトで評価したうえで、四週間分の使用状態にある回数を算出するなど、状況に応じてさまざまな判定条件を工夫して設定することが可能である。
【0066】
また、電源制御条件により一般の電話機の電源がOFFとされた時間帯に受発信の必要が生じた場合への対応策として、同じ内線グループに属する一台もしくは複数台の特定の電話機を電源ONとしておく方法の他に、電話機の配置された部屋のドアがオートロック方式であれば、その開閉動作に伴う信号を構内電話機システムの主装置に送信することにより、自動的に電話機の電源をONまたはOFFにすることが可能である。また同様に、人体感知センサーの配備された部屋であれば、入退室の感知信号を構内電話機システムの主装置に送信することにより、自動的に電話機の電源をONまたはOFFにすることが可能である。これらの工夫を加えることにより、待機時の消費電力をさらに削減する効率的な構内電話機システムの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示す構内電話機システムのブロック図、
【図2】本発明の一実施形態における主装置の制御部と記憶部のブロック図、
【図3】主装置により監視される各電話機の給電状態および使用状態のデータ、
【図4】主装置により監視される各電話機の給電状態および使用状態のデータ、
【図5】主装置により監視される各電話機の給電状態および使用状態のデータ、
【図6】本発明の一実施形態の電源制御条件変更判定プロセスのフローチャート、
【図7】電源制御条件の比較表、
【図8】主装置により監視される各電話機の給電状態および使用状態のデータ、
【図9】主装置により監視される各電話機の給電状態および使用状態のデータ、
【図10】主装置により監視される各電話機の給電状態および使用状態のデータ、
【図11】主装置により監視される各電話機の給電状態および使用状態のデータ、
【図12】本発明の一実施形態の電源制御条件変更判定プロセスのフローチャート、
【図13】本発明の一実施形態の電源制御条件変更判定プロセスのフローチャート、
【図14】電源制御条件の比較表。
【符号の説明】
【0068】
1 データ伝送路
2A〜2C 電話機
3 主装置
4 条件入力部
5 制御部
6 記憶部
7 条件変更判定部
8 条件記憶部
9 電源制御部
10 回線交換部
11 内線I/F部
12 給電状態検出部
13 給電状態記録部
14 使用状態検出部
15 使用状態記録部
16 条件変更部
【技術分野】
【0001】
本発明は、個々の電話機への給電を制御する構内電話機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ボタン電話装置やPBXなどの構内電話機システムは、利用者一人に対して一台の電話機を使用する形態が一般的である。そのため、個々の電話機によって、その使用状況が異なり、曜日や日付けや時間帯によって、給電されていてもまったく未使用のまま放置され、電力が無用に消費されるという問題があった。
【0003】
特許文献1および特許文献2は、各電話機ごとに使用していない時間帯を予め調査し、その調査データに基づいて未使用時間帯には各電話機への給電を停止し、当該給電停止時間に受発信を行う場合は、自動的に給電を再開できるようにすることで、無用な消費電力を節約するための工夫がなされている。
【0004】
特許文献3は、複数に分散されたユニット内ブロックに対してそれぞれの呼量を測定し、その測定された呼量が予め設定した設定値より小さければ、当該ブロックの電話機への給電を停止することにより、深夜および休日等の構内電話機システムの電力消費を低減させるための工夫がなされている。
【0005】
また特許文献4は、利用者一人に対して一台の電話機と一台のパソコン端末をワンセットで対応させ、当該コンピュータ端末の電源状態に基づいて対応する電話機への給電を制御し、利用者不在時の電話機への給電を停止することにより、構内電話機システムの消費電力を削減するための工夫がなされている。
【0006】
【特許文献1】特開平5−56471公報
【特許文献2】特開平9−139782公報
【特許文献3】特開平06−319160公報
【特許文献4】特開2000−287232公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1および特許文献2では、事前に調査した未使用時間帯についてのみ電話機への給電を停止するという硬直的なスケジュールでしか電源を制御できないため、予め設定した未使用時間帯が現実の未使用時間帯と乖離してくる場合には、改めて未使用時間帯を調査し直さなければならないという不都合がある。
【0008】
また、特許文献3では、ユニット内ブロックを構成する複数の電話機への給電を画一的な条件で一括して制御しているため、各電話機に対応する利用者個々人により異なる使用状況に対して、木目細かな対応ができないという不都合がある。
【0009】
また、特許文献4では、上記の特許文献1による不都合は解消されるものの、オフィス退出時にパソコンの電源OFF操作を失念すると、節電効果は実現されず、またパソコン端末と電話機が一対一の対応関係にあることが必須のため、必ずしもパソコンの配置を必要としない部署に設置される電話機は対象外となってしまうという不都合がある。
【0010】
上記の事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、個々の電話機の現実の使用状況を反映させつつ、待機時の消費電力を削減する効率的な構内電話機システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を達成するために、本発明は、主装置と接続された複数に分散された電話機からなる構内電話機システムにおいて、個々の電話機の電源制御条件を入力する条件入力手段と、前記条件入力手段により入力された各電話機の電源制御条件の変更の要否を判定する判定条件を入力する判定条件入力手段と、前記条件入力手段により入力された各電話機の電源制御条件および判定条件を記憶する条件記憶手段と、前記条件記憶手段により記憶された各電話機の電源制御条件に従って、各電話機の電源を制御する電源制御手段と、各電話機の使用状態を検出する使用状態検出手段と、前記使用状態検出手段により検出された各電話機の使用状態を記録する使用状態記録手段と、各電話機の給電状態を検出する給電状態検出手段と、前記給電状態検出手段により検出された各電話機の給電状態を記録する給電状態記録手段と、前記使用状態記録手段により記録された各電話機の使用状態と、前記給電状態記録手段により記録された各電話機の給電状態とを比較して、前記判定条件に従って、当該各電話機の電源制御条件を変更するか否かを判定する条件変更判定手段と、前記条件変更判定手段の判定結果に応答して、各電話機の電源制御条件を変更する条件変更手段と、からなる構内電話機システムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、個々の電話機の現実の使用状況を反映させることにより、待機時の無用な消費電力の削減を実現する効率的な構内電話機システムの提供が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明にかかわる実施例の最良の形態を図1ないし図14により説明する。
【0014】
図1は本発明にかかわる実施例の構成を示す構内電話機システムのブロック図である。以下では、主装置と複数の電話機とからなる構内電話機システムを例として説明するが、PBXと内線電話機からなる電話機システム、あるいは電話機に代えて携帯電話などの無線通信装置を使用するものなど、他の構成の電話機システムについても本発明は適用が可能である。
【0015】
図1に示す構内電話機システムは、データ伝送路1を介してデータ伝送を行うことにより各電話機2A〜2Cを制御する主装置3と、当該主装置3に入力を行うためのパソコンとから構成されている。主装置3は、少なくとも、回線交換部、制御部、記憶部、内線I/F部とから構成されている。
【0016】
図2は、本発明による個々の電話機への給電を制御するための、主装置3の制御部5および記憶部6の作動を示すブロック図である。条件入力部4は、当初のシステム導入時におけるデフォルトの電源制御条件を入力する場合、およびシステム稼動後の任意のタイミンングで当該電源制御条件を人為的に変更する場合に、その入力手段として使用され、入力された電源制御条件は条件変更判定部7および条件記憶部8に送られる。条件入力部4により入力された電源制御条件は、条件変更判定部7を経由して電源制御部9に送られ、回線交換部10、内線I/F部11を経て各電話機2A〜2Cへの給電を制御する。さらに、当初のシステム導入時において、条件入力部4は、後述する当該電源制御条件の変更の要否を判定するデフォルトの判定条件を入力する場合、およびシステム稼動後の任意のタイミンングで当該判定条件を人為的に変更する場合に、その入力手段として使用され、入力された判定条件は、前記電源制御条件と同様に条件変更判定部7および条件記憶部8に送られる。
【0017】
次に、給電状態検出部12により、各電話機2A〜2Cの実際の給電状態のデータが、各電話機2A〜2Cから内線I/F部11、回線交換部10を介して検出され、その検出結果が記憶部6の給電状態記録部13に記録される。同様に、使用状態検出部14により、各電話機2A〜2Cの実際の使用状態のデータが、各電話機2A〜2Cから内線I/F部11、回線交換部10を介して検出され、その検出結果が記憶部6の使用状態記録部15に記録される。
【0018】
次に、条件変更判定部7は、給電状態記録部13と使用状態記録部15とから各電話機2A〜2Cの給電状態および使用状態に係わるデータを収集し、後述する予め設定された判定条件に基づいて、各電話機2A〜2Cの現在の電源制御条件を変更するか否かを判定する。その結果、条件変更判定部7が変更不要と判定した場合は、現在の電源制御条件をそのまま電源制御部9に送信することにより、またはなにも送信しないことにより、現在の電源制御条件が継続される。逆に、条件変更判定部7が変更を要すると判定した場合は、変更後の新しい電源制御条件が条件変更部16を介して電源制御部9に送信されることにより、変更後の新しい電源制御条件が回線交換部10、内線I/F部11を経て各電話機2A〜2Cへの給電を制御する。
【0019】
具体的な実施例の説明に入る前に、本発明による電源制御条件の構成について説明する。さまざまな条件が考えられるが、先ず時刻を含む暦ベースの制御条件として、一日の時間帯に対応する日次制御条件、一週間の曜日に対応する週次制御条件、一ヶ月の上旬、中旬、下旬に対応する月次制御条件などが考えられる。
【0020】
日次制御条件としては、例えばtを制御対象時刻として、各電話機の電源を、毎日、0:00≦t<6:00はOFF、6:00≦t<18:00はON、18:00≦t<24:00はOFFとする制御時間帯を設定する。そして、一日が終了した段階で、給電状態検出部12および使用状態検出部14によって検出された当該一日の制御時間帯に対応する給電状態および使用状態のデータを、それぞれ給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録する。これらのデータを条件変更判定部7が後に説明する所定の判定条件を参照して、一定日数ごとに、例えば11日、21日、翌月初日など一ヶ月に三回のインターバルで、それぞれ1日〜10日、11日〜20日、21日〜月末日について記録された十日分のデータに基づいて、現在の電源制御条件を変更するか否かを判定する。
【0021】
週次制御条件としては、例えば各電話機の電源を、毎週、日曜日、祝祭日、会社創立記念日などの非営業日には0:00≦t<24:00をOFF、月曜日から金曜日は0:00≦t<6:00をOFF、6:00≦t<18:00をON、18:00≦t<24:00をOFF、土曜日は0:00≦t<6:00をOFF、6:00≦t<12:00をON、12:00≦t<24:00をOFFと設定する。そして、一週間が終了した段階で、給電状態検出部12および使用状態検出部14によって検出された当該一週間の各曜日別の制御時間帯に対応する給電状態および使用状態のデータを、それぞれ給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録する。これらのデータを条件変更判定部7が後に説明する所定の判定条件を参照して、一定週数ごとに、例えば四週間に一回のインターバルで、それぞれ第一週、第二週、第三週、第四週について記録された四週間分のデータに基づいて、現在の電源制御条件を変更するか否かを判定する。
【0022】
月次制御条件としては、例えば各電話機の電源を、毎月、上旬、中旬、下旬に区分し、ON設定時間帯を、上旬は9:00≦t<17:00、中旬は8:00≦t<17:00、下旬は7:30≦t<20:00のように、それぞれ設定する。そして、一ヶ月が終了した段階で、給電状態検出部12および使用状態検出部14によって検出された当該一ヶ月の各旬ごとの制御時間帯に対応する給電状態および使用状態のデータを、それぞれ給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録する。これらのデータを条件変更判定部7が後に説明する所定の判定条件を参照して、一定月数ごとに、例えば二ヶ月に一回のインターバルで、前々月、前月についてそれぞれ各旬ごとに記録された二ヶ月分のデータに基づいて、現在の電源制御条件を変更するか否かを判定する。
【0023】
また、これらの日次制御条件、週次制御条件、月次制御条件を組合わせて、それぞれの間に優先順位を付した電源制御条件を設定することも可能である。さらに、電源の制御を、単にONとOFFに二分するだけでなく、ONとOFFと省電モードのように三つの給電モードを選択するようにすることも、当然に可能である。
【0024】
上記の暦ベースの電源制御条件の他に、各電話機の配置された部署に対応する機能ベースの電源制御条件として、秘書室の電話機は常時ONに設定する条件、同一部署で同じ内線グループを構成する複数の電話機のうち、特定の一台または複数の電話機についてのみ、他の電話機はOFFに設定されている場合も、電源をONもしくは省電モードで給電する条件、会議室の電話機はすべて非営業日にはOFFに設定する条件など、さまざまな対応が考えられる。なお、前記暦ベースの電源制御条件と当該機能ベースの電源制御条件を組合わせて、それぞれの間に優先順位を付した電源制御条件を設定することも可能である。さらに、電源の制御を、単にONとOFFに二分するだけでなく、ONとOFFと省電モードのように三つの給電モードを選択するようにすることも、当然に可能である。
【実施例1】
【0025】
さて、一般に電話機システムを構成する主装置は、当該主装置に接続された各電話機の状態を定期的に監視している。図3に、その一般的な監視により主装置が受取る各電話機の状態を表す情報が示されている。本図の情報は、2004年10月1日の電話機2Aの状態を主装置が監視した結果のデータであり、監視のインターバルは五分間隔である。なお、本実施例において設定されている電源制御条件は、日次制御条件であって、各電話機の電源を、毎日、0:00≦t<6:00はOFF、6:00≦t<18:00はON、18:00≦t<24:00はOFFと設定してあるものとする。かつ、OFF設定時間帯に、電話機2Aに対する電源制御条件によりOFFに設定されていた電源が、電話機2Aに受発信が発生するなどして、ONに変更されてしまった場合は、その後三十分間に、使用状態検出部14によって受発信が一回も検出されないことを条件に、再度電源をOFFに切換えるようにした電源制御条件が予め設定されているものとする。さらに、条件変更判定部7においては、予め設定された電源制御条件により、毎月の繁忙予想日が10日、20日、月末日の三日間としてプログラムに組込まれており、これら繁忙予想日については、直前の十日分の使用状態および給電状態のいかんにかかわらず、0:00≦t<6:00はOFF、6:00≦t<22:00はON、22:00≦t<24:00はOFFとする制御時間帯が設定されているものとする。
【0026】
図3についてさらに説明する。2004年10月1日の電話機2Aについて、ブロックAは00:00から00:15までの四回の監視の結果を表しており、いずれも給電状態は0(OFF)、使用状態は0(不使用)を示し、その結果、電源OFFというこの時間帯の電源制御条件が成立していた(1)ことを示している。
【0027】
ブロックBは6:00から6:10までの三回の監視の結果を表しており、電源制御条件により6:00に給電状態がそれ以前の0(OFF)から1(ON)に変更されたことを含め、いずれも給電状態は1(ON)、使用状態は0(不使用)を示し、その結果、電源ONというこの時間帯の電源制御条件が成立していた(1)ことを示している。
【0028】
ブロックCは8:35から8:45までの三回の監視の結果を表しており、いずれも給電状態は1(ON)、使用状態は8:35が1(使用)、8:40が0(不使用)、8:45が1(使用)を示し、その結果、電源ONというこの時間帯の電源制御条件が成立していた(1)ことを示している。
【0029】
ブロックDは17:55から18:15までの五回の監視の結果を表しており、18:00に給電状態がそれまでの1(ON)から0(OFF)に変更され、18:00の使用状態は0(不使用)であり、かつ電源OFFというこの時間帯の電源制御条件が成立していた(1)ことを示している。ところが18:10に、電話機2Aに受発信が発生し、使用状態が1(使用)、給電状態が1(ON)となり、その結果、電源OFFというこの時間帯の電源制御条件が成立していなかった(0)ことを示している。18:15では、使用状態は0(不使用)だが、給電状態は18:10の受発信により開始された給電状態がそのまま継続しているため1(ON)を示し、その結果、この時間帯の電源制御条件が成立していなかった(0)ことを示している。
【0030】
ブロックEは18:40から18:45までの二回の監視の結果を表しており、18:10の電話機2Aの受発信発生から三十分が経過した18:40の時点で、前記のとおり、OFF設定時間帯に、電話機2Aに対する電源制御条件によりOFFに設定されていた電源が、電話機2Aに受発信が発生するなどして、ONに変更されてしまった場合は、その後三十分間に、使用状態検出部14によって受発信が一回も検出されないことを条件として、再度電源をOFFに切換えるように予め設定されている電源制御条件により、給電状態がそれまでの1(ON)から0(OFF)に復しており、その結果、電源OFFというこの時間帯の電源制御条件が成立した(1)ことを示している。
【0031】
ブロックFは23:55の一回の監視の結果を表しており、給電状態は0(OFF)、使用状態は0(不使用)を示し、その結果、電源OFFというこの時間帯の電源制御条件が成立していた(1)ことを示している。
【0032】
図4は、電話機2Aについて、上記のように給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録された一日の給電状態および使用状態のデータを、条件変更判定部7が制御時間帯ごとに対応させて集計したものである。図4において、ブロックAは0:00≦t<6:00の制御時間帯、ブロックBは6:00≦t<18:00の制御時間帯、ブロックCは18:00≦t<24:00の制御時間帯をそれぞれ表している。2004年10月1日の電話機2Aの作動において、制御条件が不成立だったのは、ブロックCに属する18:10≦t<18:40の時間帯であって、その三十分間に使用状態検出部14によって検出された制御条件を不成立とする電話機の使用が監視された回数は一回であったことを示している。
【0033】
図5は、電話機2Aの2004年10月1日から10月10日までの十日間の給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録されたデータを、条件変更判定部7が制御時間帯ごとに対応させて集計し、それを一時間ごとの時間帯にさらに細分化して集計したものである。図5により、ブロックCに属する18:00≦t<19:00の時間帯は当初設定した電源制御条件では電源OFFであったが、実際に十日間使用した結果、電源OFFと設定したにもかかわらず、電話機2Aは15回の使用状態が検出されていることが示されている。また、ブロックCに属する19:00≦t<20:00の時間帯も当初設定した電源制御条件では電源OFFであったが、実際に十日間使用した結果、電源OFFと設定したにもかかわらず、電話機2Aは2回の使用状態が検出されている。
【0034】
ここで、先に説明したとおり、条件変更判定部7は、給電状態記録部13と使用状態記録部15とから電話機2Aの給電状態および使用状態に係わるデータを収集し、後述する予め設定された判定条件に基づいて、電話機2Aの現在の電源制御条件を変更するか否かを判定する工程が開始する。その工程を、図6のフローチャートにより説明する。なお、当初設定された電源制御条件には、日次制御条件として、各電話機の電源を、tを制御対象時刻として、毎日、0:00≦t<6:00はOFF、6:00≦t<18:00はON、18:00≦t<24:00はOFFとする制御時間帯が設定されている。当該電源制御条件を変更するか否かを判定する判定条件として、ここでは、給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録されたデータを、毎月、11日、21日、翌月初日の一ヶ月に三回のインターバルで、それぞれ直前の1日〜10日、11日〜20日、21日〜月末日について記録された十日分のデータに基づいて、条件変更判定部7が現在の電源制御条件を変更するか否かを判定するように予め設定されているものとする。
【0035】
なお、条件変更判定部7においては、上記所定の判定条件として、直前の十日間分のデータについて、当初設定した電源制御条件がOFFである制御時間帯のなかで、その制御時間帯に属する一時間の細分時間帯における直前十日間の電話機使用回数が十回以上検出された場合は、その細分時間帯の電源制御条件をOFFからONに変更するように既にプログラムが組込まれているものとする。
【0036】
さらに、条件変更判定部7においては、上記所定の判定条件として、直前の十日間分のデータについて、当初設定した電源制御条件がONである制御時間帯のなかで、その制御時間帯に属する一時間の細分時間帯における直前十日間の電話機使用回数が五回未満だった場合は、その細分時間帯の電源制御条件をONからOFFに変更するように既にプログラムが組込まれているものとする。
【0037】
以下、図6のフローチャートに従って、条件変更判定部7が電話機2Aの現在の電源制御条件を変更するか否かを判定するプロセスを説明する。本日は2004年10月11日であり、図5に示す10月1日から10日までの直前十日間の電話機2Aの使用状態および給電状態のデータに基づいて、本日10月11日から20日までのこれからの十日間の電源制御条件を、現行の電源制御条件のまま継続するか、それとも変更するかを判定する。
【0038】
条件変更判定部7が電源制御条件変更の判定プロセスをスタートすると、図5の細分時間帯のそれぞれについて、電源制御条件が不成立であったかどうかを反復して検索する。まずS102において細分化時間帯番号TがT=1とセットされ、0:00≦t<1:00の時間帯について判定が行われる。S103で条件不成立か否かが問われるが、細分時間帯番号1は条件不成立ではないので、S106にスキップする。S106では、制御条件がONであるか否かが問われるが、細分時間帯番号1は制御条件がOFFなので、S109にスキップする。S109では、細分時間帯番号1に1が加算され、細分時間帯番号2となる。つぎにS110で、細分時間帯番号2が25であるかと問われるが、細分時間帯番号は2なので、S103に戻る。これと同じステップが細分時間帯番号6の5:00≦t<6:00の時間帯まで繰り返される。
【0039】
S109で細分時間帯番号6に1が加算され、細分時間帯番号7となる。S103では条件不成立ではないので、S106にスキップする。S106では、制御条件がONであるか否かが問われるが、細分時間帯番号7は制御条件がONなので、S107に進み、使用中の回数が五回未満かと問われる。細分時間帯番号7、すなわち6:00≦t<7:00の時間帯は使用中の回数が二回だったので、S108に進み、細分時間帯番号7、すなわち6:00≦t<7:00の時間帯の制御条件がONからOFFに変更される。同様につぎの細分時間帯番号8、すなわち7:00≦t<8:00の時間帯についても、S107において、使用中の回数が五回未満かと問われるが、細分時間帯番号8、すなわち7:00≦t<8:00の時間帯は使用中の回数が三回だったので、S108に進み細分時間帯番号8、すなわち7:00≦t<8:00の時間帯の制御条件もONからOFFに変更される。
【0040】
つぎの細分時間帯番号9、すなわち8:00≦t<9:00の細分時間帯については、S103で条件不成立ではないので、S106に進み、制御条件がONなので、S107に進むが、使用中の回数が8なので、S109にスキップし、つぎの細分時間帯番号10に代わる。細分時間帯番号10、すなわち9:00≦t<10:00の細分時間帯から、細分時間帯番号18、すなわち17:00≦t<18:00の細分時間帯までは、細分時間帯番号9、すなわち8:00≦t<9:00の細分時間帯と同じプロセスを反復し、S109でつぎの細分時間帯番号19に代わる。
【0041】
細分時間帯番号19、すなわち18:00≦t<19:00の細分時間帯は条件不成立であるので、S103からS104に進む。S104では、使用中の回数が十回以上かと問われるが、細分時間帯番号19の使用中の回数は十五回なので、S105に進み、細分時間帯番号19の制御条件がOFFからONに変更される。つぎにS106に進み制御条件がONかと問われるが、図5のデータの細分時間帯番号19の制御条件はOFFなので、S109にスキップし、つぎの細分時間帯番号20に代わる。
【0042】
細分時間帯番号20、すなわち19:00≦t<20:00の細分時間帯は条件不成立であるので、S103からS104に進む。S104では、使用中の回数が十回以上かと問われるが、細分時間帯番号20の使用中の回数は二回なので、S106にスキップする。S106では、制御条件がONかと問われるが、細分時間帯番号20の制御条件はOFFなので、S109にスキップし、つぎの細分時間帯番号21に代わる。
【0043】
細分時間帯番号21、すなわち20:00≦t<21:00の細分時間帯から、細分時間帯番号24、すなわち23:00≦t<24:00の細分時間帯までは、細分時間帯番号1、すなわち0:00≦t<1:00の細分時間帯と同じプロセスを反復し、S109でつぎの細分時間帯番号25に代わるが、S110で細分時間帯番号25が25であるかと問われ、YESであるので、本プロセスはここで終了する。
【0044】
以上のプロセスにより変更された新たな電源制御条件を、当初の電源制御条件と比較したものを、図7に示す。図7で明らかなとおり、当初の電源制御条件と比較して、変更後の電源制御条件は、朝方の電源OFFと設定する時間帯が6:00から8:00まで延長されており、一方、電源ONの時間帯が夕方の18:00から19:00まで延長されている。つまり、この変更は直前十日間の電話機2Aの実際の使用状況を反映したものであって、しかも、その電源制御条件の変更プロセスを構内電話機システム自身が一定の判定条件に基づいて自動的に行っているわけである。
【0045】
図7に示した変更後の電源制御条件が、2004年10月11日から20日までの基本パターンとなるわけであるが、最終的にこの変更後の電源制御条件を適用する前に、条件変更判定部7は、もう一つのプロセス、つまり、毎月の繁忙予想日についての補正を行なわなければならない。さきに述べたとおり、予め設定された電源制御条件により、毎月の繁忙予想日が10日、20日、月末日の三日間としてプログラムに組込まれており、これら繁忙予想日については、直前の十日分の使用状態および給電状態のいかんにかかわらず、0:00≦t<6:00はOFF、6:00≦t<22:00はON、22:00≦t<24:00はOFFとする制御時間帯が設定されているので、変更判定部7は、上記の変更にかかわらず、繁忙予想日として設定されている2004年10月20日についてのみ、0:00≦t<6:00をOFF、6:00≦t<22:00をON、22:00≦t<24:00をOFFとする繁忙予想日に固有の電源制御条件を作成して、そのすべての結果である真正な変更後の電源制御条件を条件変更部16を介して電源制御部9に送信しなければならない。さらに変更後の電源制御条件は回線交換部10、内線I/F部11を経て電話機2Aへの給電を制御することになる。以上が日次制御条件による本発明の構内電話機システムの電源制御条件変更プロセスである。
【実施例2】
【0046】
次に、週次制御条件による本発明の構内電話機システムの電源制御条件変更プロセスを説明する。基本的な構図は前記の日次制御条件による場合と酷似しているので、より簡略化した説明で先に進めることにする。本実施例における週次制御条件は、電話機2Aの電源を、毎週、土曜日、日曜日、祝祭日、会社創立記念日などの非営業日には0:00≦t<24:00をOFF、月曜日から金曜日の営業日には0:00≦t<6:00をOFF、6:00≦t<18:00をON、18:00≦t<24:00をOFFと設定する。そして、一週間が終了した段階で、給電状態検出部12および使用状態検出部14によって検出された当該一週間の各曜日別の制御時間帯に対応する電話機2Aの給電状態および使用状態のデータを、それぞれ給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録する。
【0047】
当該電源制御条件を変更するか否かを判定する判定条件として、ここでは、給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録されたデータを、四週間に一回のインターバルで、曜日ごとにそれぞれ第一週、第二週、第三週、第四週について記録された四週間分のデータに基づいて、条件変更判定部7が現在の電源制御条件を変更するか否かを判定するように予め設定されているものとする。
【0048】
なお、条件変更判定部7が参照する所定の判定条件として、営業日については、曜日ごとの直前の四週間分のデータについて、当初設定した電源制御条件がOFFである制御時間帯のなかで、その制御時間帯に属する一時間の細分時間帯における曜日ごとの直前四週間の電話機使用回数が十回以上検出された場合は、その細分時間帯の電源制御条件をOFFからONに変更するように既にプログラムが組込まれているものとする。さらに、営業日については、曜日ごとの直前の四週間分のデータについて、当初設定した電源制御条件がONである制御時間帯のなかで、その制御時間帯に属する一時間の細分時間帯における曜日ごとの直前四週間の電話機使用回数が五回未満だった場合は、その細分時間帯の電源制御条件をONからOFFに変更するように既にプログラムが組込まれているものとする。さらに、当初設定した電源制御条件がONである制御時間帯のなかで、その制御時間帯に属する一時間の細分時間帯における曜日ごとの直前四週間の電話機使用回数が五回以上、十回未満だった場合は、その細分時間帯の電源制御条件を省電モードに設定するように既にプログラムが組込まれているものとする。
【0049】
一方、非営業日については、すべての時間帯について電源制御条件をOFFに設定しているが、いずれかの細分時間帯において直前四週間の電話機使用回数が十回以上検出された場合は、その細分時間帯の電源制御条件をOFFからONに変更するように既にプログラムが組込まれているものとする。
【0050】
なお、本実施例においては、前記の日次制御条件の実施例で考慮した要件、すなわち、OFF設定時間帯に電話機2Aに受発信が発生するなどして、給電がONに変更されてしまった場合に、その後三十分間に使用状態検出部14によって受発信が一回も検出されないことを条件に、再度電源をOFFに切換えるようにする電源制御条件や、毎月の繁忙予想日に対応するための特別の条件などは、説明の簡素化のために考慮しないこととするが、本発明の実際の場面での応用に際しては、木目細かな電源制御条件を形成するうえで、それらの条件を組合わせて実施することが望ましいことを申し述べておく。
【0051】
図8は、電話機2Aの2004年10月の第一月曜日における給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録された一日の給電状態および使用状態のデータを、条件変更判定部7が制御時間帯ごとに対応させて集計したものである。図8において、ブロックAは0:00≦t<6:00の制御時間帯、ブロックBは6:00≦t<18:00の制御時間帯、ブロックCは18:00≦t<24:00の制御時間帯をそれぞれ表している。2004年10月第一月曜日の電話機2Aの作動において、制御条件が不成立だったのは、ブロックCに属する18:00≦t<19:00、19:00≦t<20:00、および20:00≦t<21:00の三つの細分時間帯であって、そのそれぞれの細分時間帯において使用状態検出部14によって検出された制御条件を不成立とする電話機の使用が監視された回数は、五回、二回、一回であったことを示している。
【0052】
次に図9は、電話機2Aの2004年10月の第一月曜日から第四月曜日までの四回の月曜日について給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録されたデータを、条件変更判定部7が制御時間帯ごとに対応させて集計し、それを一時間ごとの時間帯にさらに細分化して集計したものである。図9により、ブロックCに属する18:00≦t<19:00の細分時間帯19は当初設定した電源制御条件では電源OFFであったが、実際に四週間使用した結果、電源OFFと設定したにもかかわらず、電話機2Aは十五回の使用状態が検出されていることが示されている。また、ブロックCに属する19:00≦t<20:00の細分時間帯20は当初設定した電源制御条件では電源OFFであったが、実際に四週間使用した結果、電源OFFと設定したにもかかわらず、電話機2Aは九回の使用状態が検出されている。さらに、ブロックCに属する20:00≦t<21:00の細分時間帯21は当初設定した電源制御条件では電源OFFであったが、実際に四週間使用した結果、電源OFFと設定したにもかかわらず、電話機2Aは五回の使用状態が検出されていることがわかる。
【0053】
図10は、営業日である月曜日から金曜日について、それぞれ四週間分の給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録されたデータを、条件変更判定部7が制御時間帯ごとに対応させて集計し、それを一時間ごとの時間帯にさらに細分化して集計したものである。また、図11は、非営業日である土曜日と日曜日について、それぞれ四週間分の給電状態記録部13および使用状態記録部15に記録されたデータを、条件変更判定部7が制御時間帯ごとに対応させて集計し、それを一時間ごとの時間帯にさらに細分化して集計したものである。
【0054】
以下、図12および図13のフローチャートに従って、条件変更判定部7が電話機2Aの現在の電源制御条件を変更するか否かを判定するプロセスを説明する。2004年10月の第一週の月曜日から第四週の日曜日までの四週間に関する図10および図11に示す曜日別の電話機2Aの使用状態および給電状態のデータに基づいて、つぎの四週間の電源制御条件を、現行の電源制御条件のまま継続するか、それとも変更するかを判定する。
【0055】
まず営業日である月曜日から金曜日までのデータを集約した図10に基づき、図12のフローチャートに従って、条件変更判定部7が電源制御条件を変更するか否かを判定するプロセスを説明する。月曜日から金曜日までの各曜日に対応して、以下のプロセスが反復する。
【0056】
条件変更判定部7が電源制御条件変更の判定プロセスをスタートすると、まず図10の月曜日についての細分時間帯のそれぞれについて、電源制御条件が不成立であったかどうかを反復して検索する。まずS302において細分化時間帯番号TがT=1とセットされ、0:00≦t<1:00の時間帯について判定が行われる。S303で条件不成立か否かが問われるが、細分時間帯番号1は条件不成立ではないので、S306にスキップする。S306では、制御条件がONであるか否かが問われるが、細分時間帯番号1は制御条件がOFFなので、S311にスキップする。S311では、細分時間帯番号1に1が加算され、細分時間帯番号2となる。つぎにS312で、細分時間帯番号2が25であるかと問われるが、細分時間帯番号は2なので、S303に戻る。これと同じステップが細分時間帯番号6の5:00≦t<6:00の時間帯まで繰り返される。
【0057】
S311で細分時間帯番号6に1が加算され、細分時間帯番号7、すなわち6:00≦t<7:00の時間帯となる。S303では条件不成立ではないので、S306にスキップする。S306では、制御条件がONであるか否かが問われるが、細分時間帯番号7は制御条件がONなので、S307に進み、使用中の回数が五回未満かと問われる。細分時間帯番号7、すなわち6:00≦t<7:00の時間帯は使用中の回数が五回だったので、S309に進み、使用中の回数が十回未満かと問われる。使用中の回数は五回だったので、S310に進み、細分時間帯番号7、すなわち6:00≦t<7:00の時間帯の制御条件がONから省電モードに変更され、S311に進み、つぎの細分時間帯番号8、すなわち7:00≦t<8:00の時間帯に代わる。
【0058】
この細分時間帯番号8、すなわち7:00≦t<8:00の細分時間帯は、S303では条件不成立ではないので、S306にスキップする。S306では、制御条件がONであるか否かが問われるが、細分時間帯番号8は制御条件がONなので、S307に進み、使用中の回数が五回未満かと問われる。細分時間帯番号8、すなわち7:00≦t<8:00の時間帯は使用中の回数が十八回だったので、S309に進み、使用中の回数が十回未満かと問われる。使用中の回数は十八回だったので、S311に進み、つぎの細分時間帯番号9、すなわち8:00≦t<9:00の時間帯に代わる。細分時間帯番号9から、細分時間帯番号18、すなわち17:00≦t<18:00の細分時間帯までは、前記の細分時間帯番号8、すなわち7:00≦t<8:00の時間帯と同じプロセスを反復し、つぎの細分時間帯番号19、すなわち18:00≦t<19:00の細分時間帯に代わる。
【0059】
細分時間帯番号19、すなわち18:00≦t<19:00の細分時間帯は条件不成立であるので、S303からS304に進む。S304では、使用中の回数が十回以上かと問われるが、細分時間帯番号19の使用中の回数は十五回なので、S305に進み、細分時間帯番号19の制御条件がOFFからONに変更される。つぎにS306に進み制御条件がONかと問われるが、図10のデータの細分時間帯番号19の制御条件はOFFなので、S311にスキップし、つぎの細分時間帯番号20に代わる。
【0060】
細分時間帯番号20、すなわち19:00≦t<20:00の細分時間帯は条件不成立であるので、S303からS304に進む。S304では、使用中の回数が十回以上かと問われるが、細分時間帯番号20の使用中の回数は九回なので、S306にスキップする。S306では、制御条件がONかと問われるが、細分時間帯番号20の制御条件はOFFなので、S311にスキップし、つぎの細分時間帯番号21に代わる。
【0061】
細分時間帯番号21、すなわち20:00≦t<21:00の細分時間帯は、前記の細分時間帯番号20と同じプロセスをたどって、つぎの細分時間帯番号22に代わる。この細分時間帯22、すなわち21:00≦t<22:00の細分時間帯から、細分時間帯番号24、すなわち23:00≦t<24:00の細分時間帯までは、細分時間帯番号1、すなわち0:00≦t<1:00の細分時間帯と同じプロセスを反復し、S311でつぎの細分時間帯番号25に代わるが、S312で細分時間帯番号25が25であるかと問われ、YESであるので、月曜日に関するプロセスはここで終了する。以下、火曜日から金曜日について、それぞれ月曜日と同じプロセスを反復するが、ここではその説明を省略する。
【0062】
次に、非営業日である土曜日と日曜日のデータを集約した図11に基づき、図13のフローチャートに従って、条件変更判定部7が電源制御条件を変更するか否かを判定するプロセスを説明する。土曜日と日曜日の各曜日に対応して、それぞれの曜日の細分時間帯について図13のプロセスを反復する。本実施例においては、すべての細分時間帯について、条件不成立の事態が発生していないので、S203、S206、S207を反復して、このプロセスを終了する。結果的に、非営業日に関する今回の条件変更判定部7による判定は、変更不要という判定となる。
【0063】
以上のプロセスにより変更された新たな電源制御条件を、当初の電源制御条件と比較したものを、図14に示す。図14で明らかなとおり、当初の電源制御条件と比較して、変更後の電源制御条件は、月曜日については、電源ONの時間帯が夕方の18:00から19:00まで延長されている。また、火曜日から金曜日については、朝方の電源OFFと設定する時間帯が6:00から9:00まで延長され、さらに、水曜日から金曜日については、当初の電源制御条件がONに設定されていた時間帯のうち、特定の細分時間帯について省電モードに変更されている。つまり、この変更は直前四週間の電話機2Aの実際の使用状況に基づいて実施されたものであるから、各曜日ごとの特性を明確に反映する変更になっている。しかも、その電源制御条件の変更プロセスを構内電話機システム自身が一定の判定条件に基づいて自動的に行っているわけである。
【0064】
以上に説明した日次制御条件および週次制御条件の他に、前に述べた月次制御条件による電源制御条件の変更プロセスも実施可能であることは言うまでもないが、月次制御条件による変更プロセスの構造は、上記の日次制御条件および週次制御条件による変更プロセスの論理と基本的に同じであり、自明であるので、ここでのさらなる説明は省略する。
【0065】
なお、これまでに説明した実施例においては、電源制御条件を変更するか否かを判定する判定条件として、特定の電話機について、一定時間内に使用状態検出部により使用状態にあることが検出された回数の累計を基準として、もっぱら説明してきた。しかし、それ以外にも、条件不成立が発生する頻度、すなわち、上記の日次制御条件による実施例であれば、直前十日間のうち八日間で条件不成立が発生しておれば、使用状態にあると検出された回数が変更を促す判定基準値にたとえ未達であったとしても、電源制御条件を変更することは極めて合理的であると言える。また、遠い過去の状態よりも直近の状態をできるだけ反映させたいという趣旨であれば、週次制御条件による実施例の場合に、例えば第一週目のデータは第四週目のデータの半分のウエイトで評価したうえで、四週間分の使用状態にある回数を算出するなど、状況に応じてさまざまな判定条件を工夫して設定することが可能である。
【0066】
また、電源制御条件により一般の電話機の電源がOFFとされた時間帯に受発信の必要が生じた場合への対応策として、同じ内線グループに属する一台もしくは複数台の特定の電話機を電源ONとしておく方法の他に、電話機の配置された部屋のドアがオートロック方式であれば、その開閉動作に伴う信号を構内電話機システムの主装置に送信することにより、自動的に電話機の電源をONまたはOFFにすることが可能である。また同様に、人体感知センサーの配備された部屋であれば、入退室の感知信号を構内電話機システムの主装置に送信することにより、自動的に電話機の電源をONまたはOFFにすることが可能である。これらの工夫を加えることにより、待機時の消費電力をさらに削減する効率的な構内電話機システムの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示す構内電話機システムのブロック図、
【図2】本発明の一実施形態における主装置の制御部と記憶部のブロック図、
【図3】主装置により監視される各電話機の給電状態および使用状態のデータ、
【図4】主装置により監視される各電話機の給電状態および使用状態のデータ、
【図5】主装置により監視される各電話機の給電状態および使用状態のデータ、
【図6】本発明の一実施形態の電源制御条件変更判定プロセスのフローチャート、
【図7】電源制御条件の比較表、
【図8】主装置により監視される各電話機の給電状態および使用状態のデータ、
【図9】主装置により監視される各電話機の給電状態および使用状態のデータ、
【図10】主装置により監視される各電話機の給電状態および使用状態のデータ、
【図11】主装置により監視される各電話機の給電状態および使用状態のデータ、
【図12】本発明の一実施形態の電源制御条件変更判定プロセスのフローチャート、
【図13】本発明の一実施形態の電源制御条件変更判定プロセスのフローチャート、
【図14】電源制御条件の比較表。
【符号の説明】
【0068】
1 データ伝送路
2A〜2C 電話機
3 主装置
4 条件入力部
5 制御部
6 記憶部
7 条件変更判定部
8 条件記憶部
9 電源制御部
10 回線交換部
11 内線I/F部
12 給電状態検出部
13 給電状態記録部
14 使用状態検出部
15 使用状態記録部
16 条件変更部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主装置と接続された複数に分散された電話機からなる構内電話機システムにおいて、
個々の電話機の電源制御条件を入力する条件入力手段と、
前記条件入力手段により入力された各電話機の電源制御条件の変更の要否を判定する判定条件を入力する判定条件入力手段と、
前記条件入力手段により入力された各電話機の電源制御条件および判定条件を記憶する条件記憶手段と、
前記条件記憶手段により記憶された各電話機の電源制御条件に従って、各電話機の電源を制御する電源制御手段と、
各電話機の使用状態を検出する使用状態検出手段と、
前記使用状態検出手段により検出された各電話機の使用状態を記録する使用状態記録手段と、
各電話機の給電状態を検出する給電状態検出手段と、
前記給電状態検出手段により検出された各電話機の給電状態を記録する給電状態記録手段と、
前記使用状態記録手段により記録された各電話機の使用状態と、前記給電状態記録手段により記録された各電話機の給電状態とを比較して、前記判定条件に従って、当該各電話機の電源制御条件を変更するか否かを判定する条件変更判定手段と、
前記条件変更判定手段の判定結果に応答して、各電話機の電源制御条件を変更する条件変更手段と、
からなる構内電話機システム。
【請求項1】
主装置と接続された複数に分散された電話機からなる構内電話機システムにおいて、
個々の電話機の電源制御条件を入力する条件入力手段と、
前記条件入力手段により入力された各電話機の電源制御条件の変更の要否を判定する判定条件を入力する判定条件入力手段と、
前記条件入力手段により入力された各電話機の電源制御条件および判定条件を記憶する条件記憶手段と、
前記条件記憶手段により記憶された各電話機の電源制御条件に従って、各電話機の電源を制御する電源制御手段と、
各電話機の使用状態を検出する使用状態検出手段と、
前記使用状態検出手段により検出された各電話機の使用状態を記録する使用状態記録手段と、
各電話機の給電状態を検出する給電状態検出手段と、
前記給電状態検出手段により検出された各電話機の給電状態を記録する給電状態記録手段と、
前記使用状態記録手段により記録された各電話機の使用状態と、前記給電状態記録手段により記録された各電話機の給電状態とを比較して、前記判定条件に従って、当該各電話機の電源制御条件を変更するか否かを判定する条件変更判定手段と、
前記条件変更判定手段の判定結果に応答して、各電話機の電源制御条件を変更する条件変更手段と、
からなる構内電話機システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−100984(P2006−100984A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−282148(P2004−282148)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000000181)岩崎通信機株式会社 (133)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000000181)岩崎通信機株式会社 (133)
【Fターム(参考)】
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