説明

露光システム、露光装置の制御装置およびデバイス製造方法

【課題】複数の露光装置を含む露光システムにおける生産性を向上させる。
【解決手段】露光システムESは、基板に形成されているマークの位置を設定されている検出条件に従って検出し、その検出結果に従って該基板と原版とを位置合わせして該基板を露光する複数の露光装置1a、1b、1cを含む。露光システムESは、複数の露光装置におけるいずれか1つの露光装置において検出条件が変更された場合に、当該変更に応答し且つ当該変更の後の検出条件に応じて、前記複数の露光装置における他の露光装置における検出条件を設定する制御部23を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の露光装置を含む露光システム、複数の露光装置を制御する制御装置、および、該露光システムを用いてデバイスを製造するデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスを製造するための露光装置には、形成すべきパターンの微細化および高密度化に伴って、原版のパターンの像を基板に対してより高い解像力で形成することが要求される。解像力は、投影光学系の開口数(NA)と露光光の波長に依存するので、高解像力化のアプローチとしては、投影光学系のNAを大きくする方法や、露光波長をより短波長化する方法が採用されている。後者の方法に関しては、露光光を発生する光源は、g線光源からi線光源に移行し、更にi線光源からエキシマレーザに移行してきた。また、エキシマレーザに関しては、248nmおよび193nmの発振波長が実用化されている。現在では、波長が13nmのEUV露光方式が次世代の露光方式の候補として検討されている。
【0003】
一方で、半導体デバイスの製造プロセスは、多様化しており、露光装置の深度不足の問題を解決する平坦化技術として、CMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセスが使用されている。また、半導体デバイスの構造や材料も多種多様である。例えば、GaAs、InP等の化合物を組み合わせて構成したP−HEMT(Pseudomorphic High Electron Mobility Transistor)やM−HEMT(Metamorphe−HEMT)が提案されている。また、SiGe、SiGeC等を使用したHBT(Heterojunction Bipolar Transistor)が提案されている。
【0004】
更に、パターンの微細化に伴って、パターンが形成されている原版とそれが投影される基板との位置あわせに対する要求が厳しくなってきている。位置合わせに要求される精度は、パターン線幅の1/3であり、例えば、90nmデザインにおいて要求される精度は、その1/3の30nmである。
【0005】
しかし、基板の位置決めにおいて、製造プロセスに起因するWIS(Wafer Induced shift)あるいはウエハプロセス誤差が問題となりうる。WISは、半導体デバイスの性能および半導体デバイス製造の歩留まりを低下させる要因となっている。WISとしては、CMPプロセス等の平坦化プロセスの影響により、アライメントマークの構造が非対称となってしまうものや、基板に塗布するレジスト形状が非対称になるものを挙げることができる。更に、半導体デバイスは複数のプロセスを経て製造されるので、プロセス毎にアライメントマークの計測における光学条件が変わり、そのためにWISの量がプロセス毎に異なることも問題となっていた。
【0006】
図8は、半導体デバイスの製造プロセスとアライメントマークとの関係を例示する図である。半導体デバイスの製造プロセスでは、最初にLY0層が形成され、その際にLY1層の位置決めのためのアライメントマークTLY01とLY2層の位置決めのためのアライメントマークTLY02が形成される。LY1層は、LY0層に形成されたアライメントマークTLY01の検出することによってLY0層に対して位置決めされる。LY2層は、LY1層に形成されたアライメントマークTLY12とLY0層に形成されたアライメントマークTLY02の両方の位置を検出ことによってLY1層およびLY0層に対して位置決めされる。LY3、LY4、LY5層は、LY2層に形成されたアライメントマークTLY23を検出することによってLY2層に対して位置決めされる。LY5層の形成時は、LY3、LY4層が形成された後のアライメントマークTLY23を観察することになる。よって、LY5層の位置決め精度には、複数のプロセスを経たことによる影響が現れる。
【0007】
このような問題に対処する方法として、複数のアライメントパラメータを用意しておき、プロセス毎に最適なアライメントパラメータを決定する方法が有用であるかもしれない。従来は、実際に幾つかのアライメントパラメータを使って基板を露光して重ね合わせ検査を実施することで、最も重ね合わせ検査結果が良好なアライメントパラメータが決定されていた。しかし、このような方法では、アライメントパラメータの決定に多大な時間が必要である。
【0008】
こうした問題に鑑みて、特許文献1では、アライメントマーク信号の非対称性やコントラストを定量化した値を評価指標とすることで、ウエハ露光と重ね合わせ検査を実施することなしに、アライメントパラメータを決定する手法が提案されている。
【0009】
特許文献2には、マークを検出するためのアライメントパラメータの調整に関する開示がある。特許文献3には、グローバルアライメント計測のため、計測精度とスループットを両立させるアライメントパラメータとして計測マーク位置および数を自動調整することについての開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平04−032219号公報
【特許文献2】特開2004−228327号公報
【特許文献3】特開平11−283912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
様々な計測パラメータの調整方法が提案されているが、これらの提案は、1台の露光装置においてパラメータの調整がなされた場合に、それを他の露光装置に反映させるものではない。したがって、同一のプロセスを実行する複数の露光装置のそれぞれで同様の不具合が生じて、その度に製造が停止することがあった。
【0012】
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたものであり、例えば、複数の露光装置を含む露光システムにおける生産性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の1つの側面は、基板に形成されているマークの位置を設定されている検出条件に従って検出し、その検出結果に従って該基板と原版とを位置合わせして該基板を露光する複数の露光装置を含む露光システムに係り、前記露光システムは、前記複数の露光装置におけるいずれか1つの露光装置において検出条件が変更された場合に、当該変更に応答し且つ当該変更の後の検出条件に応じて、前記複数の露光装置における他の露光装置における検出条件を設定する制御部を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、例えば、複数の露光装置を含む露光システムにおける生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態の露光システムにおける露光装置の構成例を概略的に示す図である。
【図2】検出光学系の構成例を概略的に示す図である。
【図3】基板に形成されたアライメントマークを例示する図である。
【図4】マーク画像の信号を例示する図である。
【図5】本発明の第1実施形態の露光システムを概略的に示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態の露光システムを概略的に示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態の露光システムの動作を概略的に示す図である。
【図8】半導体デバイスの製造プロセスとアライメントマークとの関係を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【0017】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態の露光システムは、複数の露光装置を含む。各露光装置は、基板(例えば、ウエハ、ガラスプレート)に形成されているマークの位置を設定されている検出条件に従って検出し、その検出結果に従って該基板と原版(レチクル、マスクとも呼ばれる)とを位置合わせして該基板を露光する。複数の露光装置は、1つの工場に配置されてもよいし、複数の工場にまたがって配置されてもよい。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態の露光システムにおける露光装置の構成例を概略的に示す図である。露光装置1は、例えば、投影光学系3と、基板ステージ6と、検出光学系7と、処理部16と、制御部17と、記憶部18と、操作部19とを備える。投影光学系3は、回路パターンが形成された原版2を基板4に投影する。基板ステージ6は、前工程で下地パターンおよびアライメントマーク(以下、マーク)が形成された基板4を保持する基板チャック5を有し、基板チャック5によって保持された基板4を位置決めする。検出光学系7は、基板4に形成された図3に例示されるようなマーク11をマーク画像として撮像してそのマーク画像を処理部16に提供する。処理部16は、マーク画像を設定されているパラメータに基づいて信号処理することによってマーク11の位置を検出する。制御部17は、露光装置1の各構成要素を制御するほか、例えば、マーク11の位置を検出するための検出条件を決定する。マーク11の位置を検出するための検出条件の決定は、例えば、予め組み込まれたプログラムに従って自動でなされてもよいし、手動でなされてもよい。
【0019】
図5は、本発明の第1実施形態の露光システムの概略構成を示す図である。露光システムESは、制御装置(制御部)23と、データベース24と、複数の1a、1b、1cとを含む。ここで、露光装置1a、1b、1cは、図1に示す露光装置1と同様の構成を有する。
【0020】
図7は、本発明の第1実施形態の露光システムESの動作を概略的に示す図である。複数の露光装置1a〜1cのうち露光装置1aにおいてマーク11の検出条件が変更された場合に、当該変更に応答し且つ当該変更の後の検出条件に応じて複数の露光装置1a〜1cにおける他の露光装置1b、1cにおける検出条件が設定される例が示されている。ステップS101〜107は、露光装置1aの動作を示し、ステップS201〜S210は、露光装置1b、1cの動作を示す。露光装置1aの動作は、それが備えている制御部17によって制御され、露光装置1b、1cの動作は、それが備えている制御部17によって制御される。露光装置1a、1b、1cの動作は、上位制御装置としての制御装置23によって制御されうる。ステップ201、S202、S203、S206、S207は、それぞれステップS101、S102、S103、S106、S107と同様の処理である。
【0021】
ステップS101において、露光装置1aでは、基板4が搬入される。ステップS102において、露光装置1aでは、基板4に形成されているマーク11の位置を検出するための検出条件として、記憶部18に記録されているパラメータが設定される。
【0022】
ステップS103において、露光装置1aでは、設定された検出条件(パラメータ)の下で、基板4のマーク11の位置が検出される。次いで、ステップS106において、露光装置1aでは、マーク11の位置の検出結果に従って基板4と原版2とが位置合わせされて基板4が露光される。ステップS107において、露光装置1aでは、処理すべきロットを構成する全ての基板について処理が終了したか否かを判断し、終了していない場合には処理をステップS101に戻す。
【0023】
ここで、ステップS103におけるマーク11の位置の検出について説明する。図2は、検出光学系7の構成例を概略的に示す図である。光源8からの照明光は、ビームスプリッタ9で反射されて、レンズ10を通り、基板4上のマーク11を照明する。マーク11からの回折光は、レンズ10、ビームスプリッタ9、レンズ12を通り、ビームスプリッタ13で分割され、それぞれ撮像センサ(例えば、CCDセンサ)14、15の撮像面にマーク11の像を形成する。撮像センサ14、15は、マーク11をマーク画像として撮像しそのマーク画像を処理部16に提供する。
【0024】
マーク11の像は、レンズ10、12により、分解能が検出精度を満たすことができる倍率で拡大されて撮像センサ14、15の撮像面に形成される。撮像センサ14、15は、それぞれ、マーク11のX方向、Y方向の位置を検出するように配置されている。X方向、Y方向の位置の検出原理は同じなので、以下では、X方向の位置の検出について説明する。
【0025】
まず、図3を参照しながらマーク11について説明する。図3に示される例では、計測方向(X方向)に沿った短辺と非計測方向(Y方向)に沿った長辺とを有する複数の矩形のパターン20が計測方向(X方向)に所定の間隔で配列されている。マーク11の断面構造は、エッチングによって形成された凹凸形状を有し、マーク11の上にはレジスト21が塗布されている。
【0026】
図4は、マーク11の像を撮像センサ14で撮像して得られるマーク画像の信号を例示する図である。図4に例示されるマーク画像の信号22を処理部16が処理することによってマーク11の位置が検出される。この際に、例えば、複数のパターン20のそれぞれの位置を検出して、それらの平均値をマーク11の位置とすることができる。
【0027】
マーク11の位置の検出において、検出条件(パラメータ)が不適切であるためにエラーが発生することがある。例えば、マーク11の段差と照明光の波長との関係が不適切であると、マーク11を撮像したマーク画像の信号におけるコントラストが不十分となりマーク11の位置が検出できない。また、基板の表面処理によってマーク11の構造が非対称になり、基板間でリニア成分(回転、倍率)にばらつきが生じうる。1枚の基板の計測処理(マークの位置の検出)中であっても、リニア成分からの逸脱が多数回にわたって発生するエラーによって処理を続行できないこともありうる。
【0028】
ステップS104では、以上のようなエラーの発生の有無が判断され、エラーが発生した場合には、ステップ105において、検出条件(パラメータ)が調整され、新たな検出条件(パラメータ)が設定されるとともに記憶部18に記憶される。一方、エラーが発生しなかった場合には、そのままステップS103が終了する。
【0029】
マークの位置を検出するための検出条件の変更は、例えば、予め組み込まれたプログラムに従って自動でなされてもよいし、手動でなされてもよい。ここで、マークの位置を検出するための検出条件は、例えば、マークの位置を検出するために処理部16において実行される信号処理における条件、計測すべきマークの座標、および、マークを照明する照明条件の少なくとも1つを含みうる。計測すべきマークの座標は、複数のマークが存在する場合において、計測すべきマーク(の位置および個数)を特定する。照明条件としては、例えば、マークを照明する光の波長、波長幅、絞り、強度を挙げることができる。複数の検出光学系を備える露光装置においては、該複数の検出光学系のいずれかを使用するかということも検出条件に含まれうる。その他、検出条件には、特開2004−228327号公報、特開平04−032219号公報、特開平11−283912号公報に記載されているような種々の条件が含まれうる。なお、本発明に従って調整あるいは変更されるべき検出条件は、以上のものに限定されず、マークの位置の検出に関するあらゆる条件が含まれうる。
【0030】
手動による検出条件の調整は、例えば、オペレータがアライメント状態をモニターで観察しながらなされうる。一方、自動調整では、予め組み込まれたプログラムによって最適なパラメータが抽出されうる。
【0031】
ステップS105において検出条件(パラメータ)が変更されると、制御装置23の設定部230は、当該変更に応答して、ステップS108において、当該変更後の検出条件を複数の露光装置1a、1b、1cにおける他の露光装置1b、1cに設定する。この設定は、例えば、露光装置1b、1cの記憶部18に対して該当するプロセス(これは、例えば、プロセスIDで特定されうる)における最新の検出条件として登録する処理を含みうる。制御装置23は、更に、最新の検出条件をプロセスと対応付けてデータベース24に登録することが好ましい。
【0032】
このように、この実施形態によれば、複数の露光装置におけるいずれか1つの露光装置において検出条件が変更された場合に当該変更後の検出条件が複数の露光装置における他の露光装置に反映される。このような反映のための処理は、種々の手順でなされうる。一例を挙げると、検出条件が変更された露光装置から制御装置23に対して、プロセスを特定するプロセスIDとともに変更後の検出条件を示す情報が送られる。それに応答して、制御装置23は、他の露光装置にステップS210を実行させて、当該他の露光装置における該当するプロセスにおける検出条件を更新させる。ここで、1つの露光装置において検出条件が変更された場合に、他の露光装置においては、その変更後の検出条件と同一の検出条件が設定されてもよいし、その変更後の検出条件にオフセット値などを加えた検出条件が設定されてもよい。
【0033】
1つの露光装置における検出条件の変更を他の露光装置に反映させる動作は、当該他の露光装置がロットまたは基板を処理していない場合には、当該1つの露光装置における検出条件の変更の後に即座に実施することができる。なお、1つのロットは、複数の基板からなる処理単位を意味する。
【0034】
一方、1つの露光装置において特定プロセスのための検出条件が変更されたときに他の露光装置が当該特定プロセスのためのロットを処理中であるある場合には考慮が必要である。このような場合には、当該ロットにおける処理中の基板のマークの位置の検出処理の終了後であって次の基板のマークの位置の検出処理の開始前に当該変更の後の検出条件に応じて当該他の露光装置における検出条件が設定されることが好ましい。当該他の露光装置への変更後の検出条件の設定のタイミングは、例えば、制御装置23、または、当該他の露光装置の制御部17によって制御されうる。
【0035】
1つの露光装置において検出条件が変更されたときに他の露光装置が動作していない場合(この例としては、例えば、電源が投入されていない場合が考えられる。)には、制御装置23は、当該他の露光装置が動作を開始した後に、データベース24に登録されている該当するプロセスについての最新の検出条件を当該他の露光装置に設定すればよい。
【0036】
この実施形態によれば、1つの露光装置における検出条件の変更が発生した場合に、当該変更に応答して、当該1つの露光装置と同一のプロセスを実行する他の露光装置に反映される。これにより、同一のプロセスを実行する複数の露光装置のそれぞれにおいて同様のエラーが発生することを防止することができる。これにより、複数の露光装置の全体の稼働率を向上させることができる。
【0037】
マークの検出の精度および可否は、例えば、基板に形成する膜の厚さ、研磨工程(CMP)におけるパッドの圧力および研磨剤の種類、等のプロセス条件に対して敏感に反応しうる。この実施形態によれば、そのようなプロセス条件の変更によって必要となるマークの検出条件の変更を複数の露光装置に対して迅速に反映させることができる。
【0038】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態は、1つの筐体内に複数の露光装置を収めた露光システムに本発明を適用した例を提供する。第2実施形態の露光システムES'は、1つの筐体100の中に複数(ここでは2つ)の露光装置1a、1bを有する。露光装置1aは、例えば、投影光学系3aと、基板ステージ6aと、検出光学系7aと、処理部16aと、制御部17aとを備えている。露光装置1bは、例えば、投影光学系3bと、基板ステージ6bと、検出光学系7bと、処理部16bと、制御部17bとを備えている。投影光学系3a、3b、基板ステージ6a、6b、検出光学系7a、7b、処理部16a、16b、制御部17a、17bは、第1実施形態の露光装置1における投影光学系3、基板ステージ6、検出光学系7、処理部16、制御部17と同様の機能を有しうる。
【0039】
第2実施体形態の露光システムES'は、複数の露光装置1a、1bによって共用される共用部分102を含む。共用部分102は、例えば、複数の露光装置1a、1bにおいて共用される記憶部18、操作部19および制御装置(制御部)23を含む。制御装置23は、第1実施形態における制御装置23と同様の機能を有しうる。なお、制御部17a、17bおよび制御装置23によって1つの制御部が構成されていると考えることもできる。記憶部18は、第1実施形態における複数の記憶部18およびデータベース24を統合したデバイスとして考えることもできる。
【0040】
露光システムES'は、共通の搬送機構25を有し、露光装置1a、10bへの基板の搬入および露光装置1a、1bから基板の搬出が共有の搬送機構25によってなされる。
【0041】
第2実施形態においても、複数の露光装置1a、1bのうちの1つの露光装置においてマークの検出条件が変更された場合に、制御装置23によって、当該変更後の検出条件が複数の露光装置1a、1bのうち他の露光装置に設定される。
[デバイス製造方法の実施形態]
つぎに、本発明の一実施形態のデバイス(半導体デバイス、液晶表示デバイス等)の製造方法について説明する。
【0042】
半導体デバイスは、ウエハ(半導体基板)に集積回路を作る前工程と、前工程で作られたウエハ上の集積回路チップを製品として完成させる後工程とを経ることにより製造される。前工程は、前述の露光装置を用いて、感光剤が塗布されたウエハを露光する工程と、その工程で露光されたウエハを現像する工程とを含みうる。後工程は、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)と、パッケージング工程(封入)とを含みうる。また、液晶表示デバイスは、透明電極を形成する工程を経ることにより製造される。透明電極を形成する工程は、透明導電膜が蒸着されたガラス基板に感光剤を塗布する工程と、前述の露光装置を用いて、感光剤が塗布されたガラス基板を露光する工程と、その工程で露光されたガラス基板を現像する工程とを含みうる。
【0043】
本実施形態のデバイス製造方法は、デバイスの生産性、品質および生産コストの少なくとも一つにおいて従来よりも有利である。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に形成されているマークの位置を設定されている検出条件に従って検出し、その検出結果に従って該基板と原版とを位置合わせして該基板を露光する複数の露光装置を含む露光システムであって、
前記複数の露光装置におけるいずれか1つの露光装置において検出条件が変更された場合に、当該変更に応答し且つ当該変更の後の検出条件に応じて、前記複数の露光装置における他の露光装置における検出条件を設定する制御部を備えることを特徴とする露光システム。
【請求項2】
前記検出条件は、マークの位置を検出するための信号処理における条件、計測すべきマークの座標、および、マークを照明する照明条件の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の露光システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記いずれか1つの露光装置において特定プロセスのための検出条件が変更されたときに前記他の露光装置が前記特定プロセスのための複数の基板からなるロットを処理中である場合に、該ロットにおける処理中の基板のマークの位置の検出処理の終了後であって次の基板のマークの位置の検出処理の開始前に当該変更の後の検出条件に応じて当該他の露光装置における検出条件を設定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の露光システム。
【請求項4】
前記複数の露光装置が1つの筐体に収められていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の露光システム。
【請求項5】
基板を搬送する搬送機構を更に備え、
前記搬送機構は、前記複数の露光装置において共用される、
ことを特徴とする請求項4に記載の露光システム。
【請求項6】
基板に形成されているマークの位置を設定されている検出条件に従って検出し、その検出結果に従って該基板と原版とを位置合わせして該基板を露光する複数の露光装置を制御する制御装置であって、
前記複数の露光装置におけるいずれか1つの露光装置において検出条件が変更された場合に、当該変更に応答し且つ当該変更の後の検出条件に応じて、前記複数の露光装置における他の露光装置における検出条件を設定することを特徴とする制御装置。
【請求項7】
デバイスを製造するデバイス製造方法であって、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の露光システムによって基板を露光する工程と、
前記工程で露光された基板を現像する工程と、
を含むことを特徴とするデバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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