説明

露光ヘッド制御装置及び画像形成装置

【課題】分割制御における高速印刷、すなわち、1画素を副走査方向に複数に分割し、分割した単位画素の階調値を適切に変換することによって高画質の印刷画像を提供するとともに、より高速に印刷を行うことを目的としている。
【解決手段】第1の方向に配列された複数の発光素子を制御して、複数の画素を露光する露光ヘッド制御装置であって、第1の方向と交差する第2の方向において各画素を分割した複数の領域について、各画素の階調を示す画素階調データに基づいて、各領域の階調を示す領域階調データを生成する露光データ生成部と、領域階調データに基づいて複数の発光素子を制御して、複数の領域を露光することにより、複数の画素を露光する露光制御部と、を備える露光ヘッド制御装置において、最大階調数を抑えて分割制御することによって、通常の分割制御のときよりも高速な印刷を実行可能としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光ヘッド制御装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のLEDプリントヘッドを有する画像形成装置として、特許文献1に開示されたものがある。上記特許文献1に開示された従来の画像形成装置は、画像データの階調に応じてLEDの点灯時間を変化させる点灯基準クロックの周期を、画像データの階調に応じて変更している。
【0003】
また、本願の出願人は特許文献2において、1画素を副走査方向に複数に分割し、分割した単位画素の階調値を適切に変換することによって、高画質の印刷画像を提供する画像形成装置を開示している。
【特許文献1】特開2002−248808号公報
【特許文献2】特開2006−248167号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献2に記載の画像形成装置において、ラインヘッドの各画素の階調値制御はパルス幅変調(PWM)で行われ、1ラスタ期間を時分割してブロック単位で露光素子を発光させる(時分割マトリックス駆動)。図1(A)に示すように、PWMのクロック、すなわち、Sクロック(パルス階調値制御用クロック)SCLKはデータの転送クロックCLKとは独立に設定できる。4ビット階調(16階調:0〜15)のラインヘッドを副走査方向に複数に分割する分割露光を行う場合には、各分割期間において4ビット階調をもつので、例えば4分割を行うことで6ビット階調(16階調×4=64階調:0〜63)を表現することが可能となる。
【0005】
ところで、特許文献2に記載されているような分割制御による高画質印刷を行う画像形成装置において、より高速に印刷することが求められる場合がある。このとき、図1(B)に示すように、高速印刷を行うためにSクロック信号SCLKの周波数を上げることが考えられるが、ラインヘッド全体の光パワーの下限値がSクロック信号SCLKの動作周波数の限界値(上限値)に依存するため、Sクロック信号SCLKの周波数を単純に上げても、ラインヘッドの動作可能範囲を超えてしまう場合があり、この場合にはラインヘッドが点灯しなくなるため、副走査方向の複数分割制御による高画質化印刷を実現することができないという問題がある。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑み、分割制御における高速印刷、すなわち、1画素を副走査方向に複数に分割し、分割した単位画素の階調値を適切に変換することによって、高画質の印刷画像を提供するとともに、より高速に印刷を行うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明による露光ヘッド制御装置は、第1の方向に配列された複数の発光素子を制御して、複数の画素を露光する露光ヘッド制御装置であって、第1の方向と交差する第2の方向において各画素を分割した複数の領域について、各画素の階調を示す画素階調データに基づいて、各領域の階調を示す領域階調データを生成する露光データ生成部と、領域階調データに基づいて複数の発光素子を制御して、複数の領域を露光することにより、複数の画素を露光する露光制御部と、を備える露光ヘッド制御装置において、領域階調データの階調数が前記画素階調データの階調数よりも小さいことを特徴とする。
【0008】
かかる発明によれば、1画素を副走査方向に複数に分割し、分割した単位画素の階調値を適切に変換することによって、高画質の印刷画像を提供するとともに、通常の分割制御による印刷よりも高速に印刷を行うことが可能となる。
【0009】
また、本発明による露光ヘッド制御装置は、第1の方向に配列された複数の発光素子を制御して、複数の画素を露光する露光ヘッド制御装置であって、第1の方向と交差する第2の方向において各画素を分割した複数の領域について、各画素の階調を示す画素階調データに基づいて、各領域の階調を示す領域階調データを生成する露光データ生成部と、領域階調データに基づいて複数の発光素子を制御して、複数の領域を露光することにより、複数の画素を露光する露光制御部と、を備える露光ヘッド制御装置において、露光制御部は、第一の最大階調数によって生成された第一の領域階調データによって露光制御を行う第一の分割制御と、前記第一の最大階調数よりも小さい第二の最大階調数によって生成された第二の領域階調データによって露光制御を行う第二の分割制御と、を実行可能であることを特徴とする。
【0010】
かかる発明によれば、第一及び第二のいずれの分割制御においても、1画素を副走査方向に複数に分割し、分割した単位画素の階調値を適切に変換することによって、高画質の印刷画像を提供することができる。同時に、第二の分割制御は、第一の分割制御による印刷よりも高速に印刷を行うことが可能となる。
【0011】
ここで、第一の分割制御と第二の分割制御は、複数の発光素子の発光時間の基準となるパルス階調値制御用クロックのクロック周波数が同程度であることが望ましい。かかる発明によれば、第二の分割制御において、階調数を落としかつパルス階調値制御用クロックのクロック周波数を高周波数化を抑えることによって、分割制御による高品質の印刷を実行するとともに、より高速な印刷を行う場合であっても、露光ヘッドの発光素子が発光しなくなることを防止することが可能となる。
【0012】
また、露光データ生成部は、画素階調データと領域階調データとを対応づけて格納した階調値テーブルを少なくとも二つ有し、一方の階調値テーブルを前記第一の分割制御用に使用し、他方の階調値テーブルを前記第二の分割制御用に使用することが好ましい。かかる発明によれば、参照するテーブルを切替えるだけで、第一又は第二のいずれかの分割制御を実行することができるようになる。
【0013】
さらに、本発明による画像形成装置は、上記露光ヘッド制御装置を備えている。
【0014】
また、本発明による露光ヘッド制御方法は、第1の方向に配列された複数の発光素子を制御して、複数の画素を露光する露光ヘッド制御装置における露光ヘッドの制御方法である。このとき、第1の方向と交差する第2の方向において各画素を分割した複数の領域について、各画素の階調を示す画素階調データに基づいて、各領域の階調を示す領域階調データを生成するステップと、領域階調データに基づいて複数の発光素子を制御して、複数の領域を露光することにより、複数の画素を露光するステップと、を備え、領域階調データの階調数が画素階調データの階調数よりも小さいことを特徴とする。
【0015】
本発明のプログラムは、上記露光ヘッド制御方法の各ステップを、画像形成装置の備えるコンピュータに実行させることを特徴とする。本発明のプログラムは、CD−ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0016】
なお、本明細書等において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図3は、画像形成装置100の構成の一例を示す図である。画像形成装置100は、露光ヘッド制御装置の一例であるコントローラ110と、エンジン部を制御するエンジン制御部130と、ラインヘッド140とを備えて構成される。
【0019】
コントローラ110は、受信部111と、変換部112と、ラインメモリ114と、クロック生成部115と、制御信号生成部116と、Sクロック(パルス階調制御用クロック:SCLK)生成部117と、Hsync信号生成部118と、DHsync信号生成部120と、カウンタ122と、アドレス生成部124と、ルックアップテーブル(LUT)切替部125と、第一の階調値ルックアップテーブル(LUT)126aと、第二の階調値ルックアップテーブル(LUT)126bと、電流補正データメモリ127とを有して構成される。アドレス生成部124、LUT切替部125、第一の階調値LUT126a、及び第二の階調値LUT126bは、露光データ生成部の一例である。
【0020】
変換部112は、パーソナルコンピュータ(PC)200が出力した、各画素を露光するための画素露光データ(シリアルデータ)を受信し、これをパラレルデータ(6ビット)に変換して、ラインメモリ114に供給する。本実施形態の画素露光データは、各画素の階調を示す画素階調データ、及び、各画素においてドットを寄せる位置を示すドット位置データを含んで構成される。
【0021】
受信部111は、CPU134から印刷モード(印刷方式)受信し、クロック生成部115、SCLK生成部117及びLUT切替部125に供給する。本実施形態では、通常印刷と高速印刷の2つの印刷モードを有しており、ユーザが図示しない入力手段等を介して印刷モードを選択・設定できるようになっている。通常印刷モードは、階調表現数を落とすことなく高画質な印刷を行う方式であり、例えば、階調数16で4分割した64階調の分割制御を実行する。高速印刷モードは、分割画素の階調数の上限を下げる代わりに高速印刷を行う方式であり、例えば、階調数5で4分割の分割制御をすることでSクロック信号SCLKの周波数の増加を抑え、ある程度高画質かつ高速な印刷を行う方式である。
【0022】
クロック生成部115は、コントローラ110の動作の基準となるクロック信号CLKを印刷モードに応じて生成し、制御信号生成部116に供給する。このとき、高速印刷モードでは通常印刷モードよりもクロック信号CLKの周波数を上げるよう設定されている。制御信号生成部116は、クロック信号CLKに基づいて、リード・ライトイネーブル信号RWEを生成し、ラインメモリ114に供給する。また、SCLK生成部117は、クロック信号CLKと印刷モードを受け取り、印刷モードに応じたSクロック信号SCLK及びストローブ信号STBを生成し、LED駆動部150に供給する。なお、Sクロック信号SCLKは、データの転送クロックであるクロック信号CLKとは独立に設定できる。本実施形態では、Sクロック信号SCLKは、印刷モードによらずほぼ一定の周波数をとるよう設定される。
【0023】
ラインメモリ114は、画素露光データを1ラインごと格納し、制御信号生成部116から供給されるリード・ライトイネーブル信号RWEに基づいて、当該画素露光データをアドレス生成部124に供給する。
【0024】
Hsync信号生成部118は、Vsyncセンサ132が生成した印刷開始信号Vsyncに基づいて、露光データの送信開始信号Hsyncを生成し、PC200及びDHsync信号生成部120に供給する。DHsync信号生成部120は、送信開始信号Hsyncを受け取り、これを逓倍したDHsync信号を生成する。本実施形態では、
DHsync信号生成部120は、送信開始信号Hsyncの周期を4逓倍して、DHsync信号を生成する。
【0025】
カウンタ122は、DHsync信号に基づいてカウントした回数データを、アドレス生成部124に供給する。カウンタ122のビット数は、DHsync信号生成部120が、送信開始信号Hsyncの分周比に基づいて設定される。本実施形態では、DHsync信号生成部120が、送信開始信号Hsyncを4逓倍するため、カウンタ122は、そのビット数が2ビットに設定され、4カウントごとにリセットするよう構成される。
【0026】
アドレス生成部124は、画素露光データ及び回数データに基づいて、第一の階調値LUT126a又は第二の階調値LUT126bにおいて、分割画素階調データが格納されたアドレスを指定するアドレス信号を生成する。具体的には、アドレス生成部124は、ラインメモリ114から供給された所定の画素露光データに対して、回数データを順次付加して複数のアドレス信号を生成する。そして、アドレス生成部124は、回数データがリセットされると、他の画素露光データに対して、新たに回数データを順次付加して複数のアドレスデータを生成する。すなわち、本実施形態において、アドレス生成部124は、1つの画素露光データに対して、4つの回数データをそれぞれ付加して、4つのアドレス信号を生成する。アドレス信号のビット構成の具体例については、図5において後述する。
【0027】
LUT切替部125は、アドレス生成部124から受け取ったアドレス信号の供給先となるLUTを、ユーザが選択・設定した印刷モードに応じて、第一の階調値LUT126aか第二の階調値LUT126bのいずれかに切替える。
【0028】
第一の階調値LUT126a及び第二の階調値LUT126bは、画素を構成する各領域の階調を示す分割画素階調データを、アドレスと対応付けて格納する。LUT切替部125の制御により、第一の階調値LUT126aと第二の階調値LUT126bのいずれか一方が、印刷モードに応じて選択され、第一の階調値LUT126a又は第二の階調値LUT126bは、アドレス信号を受け取った場合に、当該アドレスに対応する分割画素階調データを、ラインヘッド140に出力する。本実施形態において、第一の階調値LUT126aは、通常印刷モード実行時に参照されるLUTであり、第二の階調値LUT126bは、高速印刷モード実行時に参照されるLUTである。
【0029】
本実施形態において、分割画素階調データは、各画素の1/4の領域の階調を示すデータである。すなわち、ある画素を露光するための画素露光データは、アドレス生成部124において、当該画素を4つの領域に分割して露光すべく、回数データが付加された4つのアドレスデータに変換される。そして、当該4つのアドレスデータは、さらに、第一の階調値LUT126aないし第二の階調値LUT126bにおいて、分割された4つの領域をそれぞれ露光するための領域階調値データに変換される。画素露光データと分割画素階調データとの関係については、図5及び図6において後述する。
【0030】
電流補正データメモリ127は、LEDアレイ142に供給する電流量を補正する電流補正データを格納する。本実施形態において、電流補正データメモリ127は、製造プロセスのばらつき等に起因する、当該ラインヘッド140に固有の電流補正データを格納しており、これを常にラインヘッド140に供給するよう構成されている。本実施形態において、階調値LUT126から出力された分割画素階調データ(4ビットないし3ビット。以下、まとめて4ビットで表す。)、及び、電流補正データメモリ127から出力された電流補正データ(6ビット)は、10ビットのデータ信号DATAとしてLED駆動部150に供給される。
【0031】
エンジン制御部130は、Vsyncセンサ132及びCPU134を有して構成されている。Vsyncセンサ132は、画像が形成される媒体のエッジ等を認識し、これに基づいて印刷開始信号Vsyncを生成してコントローラ110及びPC200に供給する。CPU134は、印刷モードをコントローラ110に供給する。
【0032】
図4は、ラインヘッド140の構成の一例を示す図である。ラインヘッド140は、LEDアレイ142、カソードドライバ144及びLED駆動部150を有して構成される。本実施形態のラインヘッド140は、LEDアレイ142の数が56個となるように、図4に示す構成が複数配置されている。また、各LEDアレイ142は、第1の方向の一例である主走査方向に配列された48個のLEDを有しており、各LEDが各画素を露光する。なお、ラインヘッド140に設けられるLEDアレイ142の数、及び、各LED
アレイ142内のLEDの数は任意である。
【0033】
カソードドライバ144は、各LEDアレイ142を構成するLEDのカソードに接続されており、各LEDのカソードをLEDアレイ142単位で順次接地する。また、LED駆動部150は、カソードドライバ144がLEDアレイ142を接地する動作に応じて、当該LEDアレイ142に電流を供給して、当該LEDアレイを発光させる。すなわち、本実施形態において、LED駆動部150及びカソードドライバ144は、56個のLEDアレイ142を順次発光させて、各画素を露光する。
【0034】
LED駆動部150は、露光制御部の一例であって、CLKカウンタ152と、データラッチ部154と、SCLKカウンタ156と、パルス変調部158と、電流出力部160とを有して構成される。本実施形態のLED駆動部150は、制御信号生成部116から供給された信号/STB、/SCLK、/Hsync、CLK及びDATAに基づいて、LEDアレイ142の発光時間及び発光タイミングを制御する。
【0035】
CLKカウンタ152は、制御信号生成部116から供給されたクロック信号CLKのエッジをカウントする。本実施形態において、CLKカウンタ152は、送信開始信号/Hsyncのエッジに応じてカウントを開始し、そのカウント値がLEDアレイ142に設けられたLEDの個数である48となったときに、SCLKカウンタ156をリセットする。
【0036】
データラッチ部154は、LEDアレイ142を構成するLEDの個数である48個のシフトレジスタ及びラッチを有して構成されている。データラッチ部154は、クロック信号CLKのエッジの変化に応じて、データ信号DATAを順次シフトさせるとともに、各ラッチにおいて保持する。また、データラッチ部154は、保持されたデータ信号DATAのうち、分割画素階調データ(4ビット)をパルス変調部158に供給し、電流補正データ(6ビット)を電流出力部160に供給する。
【0037】
SCLKカウンタ156は、Sクロック信号SCLKのエッジをカウントする。SCLKカウンタ156は、送信開始信号/Hsync及びCLKカウンタ152から出力された信号のエッジに応じてリセットされ、信号/STBのエッジに応じてカウントを開始する。
【0038】
パルス変調部158は、48個のコンパレータを有して構成されており、電流出力部160を制御して、各LEDアレイ142に設けられた48個のLEDの発光時間を制御する。具体的には、パルス変調部158は、信号/STBのエッジに応じて、48個のLEDが発光を開始するように電流出力部160を制御する。また、パルス変調部158において、各コンパレータは、SCLKカウンタからそのカウント値を受け取り、また、データラッチ部154の対応するラッチから分割画素階調データを受け取る。そして、各コンパレータは、受け取ったカウント値が分割画素階調データと一致したときに、対応するLEDの発光を停止するように、電流出力部160を制御する。すなわち、48個のLEDは、略同時に発光を開始し、各LEDに対応する分割画素階調データの値に応じたタイミングにおいて、それぞれ発光を停止する。これにより、各LEDの発光時間が制御され、各画素において露光されるドットの階調が制御される。
【0039】
電流出力部160は、パルス変調部158からの制御に応じて、LEDアレイ142の各LEDに対して所定の電流を供給する。具体的には、電流出力部160は、各LEDに対して略同じタイミングで所定の電流の供給を開始し、各LEDを発光すべき時間に応じて、各LEDに対する所定の電流の供給を停止する。また、電流出力部160は、データラッチ部154から供給された電流補正データに基づいて、各LEDに供給する電流量を
補正する。
【0040】
図5は、階調値LUT126のデータ構成の一例を示す図である。同図は特に第二の階調値LUT126bのデータ構成の一例を示す図である。図5(A)に示すように、第二の階調値LUT126bは、アドレス信号が示すアドレスと分割画素階調データとを対応付けて格納している。アドレス(8ビット)は、分割Hreq信号の回数データ(2ビット)、1画素データのドット位置データ(2ビット)、及び画素階調データ(4ビット)からなる画素露光データにより構成される。また、分割画素階調データは、回数データ、ドット位置データ、及び画素階調データに基づいて生成され、第二の階調値LUT126bに予め格納されている。本実施形態では、第二の階調値LUT126bは、高速印刷モード時に参照され、16階調データを4分割5階調に変換するためのLUTであるから、階調数5、すなわち3ビットの分割画素階調データを有している。
【0041】
印刷時の分割制御においては、回数データ(2ビット)、ドット位置データ(2ビット)、及び画素階調データ(4ビット)を並べて0〜255のリードアドレスを生成し、階調値LUT126によって、各リードアドレスに対応する分割画素階調データを決定する。これによって、複雑な計算および遅延時間なしに分割画素階調データを生成できる。
【0042】
図5(B)は、分割Hreq信号と回数データ(カウンタ122の出力値)との関係を示す図である。本実施形態では、画素露光データに対して回数データ(1〜4回)を付加することにより、露光すべき画素を4つの領域に分割し、各領域に対してそれぞれ階調データを割り当てている。具体的には、「1回目」、「2回目」、「3回目」及び「4回目」とは、それぞれ、画素を分割した4つの領域のうち、1回目、2回目、3回目及び4回目に露光する領域を示す。
【0043】
図5(C)は、ドット位置データとビット値との関係を示す図である。「上寄せ」とは、本実施形態による処理を行うことにより、露光するドットを、画素において、当該処理を行わない場合よりも上側に寄せることを示す。また、「中央寄せ」、「上下寄せ」及び「下寄せ」は、同様に、それぞれ中央、上下及び下側にドットを寄せることを示す。本実施形態において、ドット位置データは、画素露光データの一部を構成しており、画素露光データとしてPC200からコントローラ110に供給される。
【0044】
なお、本実施形態においては第一の階調値LUT126aのデータ構成の例を図示省略しているが、第一の階調値LUT126aも、第二の階調値LUT126bと同様に、アドレス信号が示すアドレスと分割画素階調データとを対応付けて格納している。アドレス(8ビット)は、2ビットの回数データ、2ビットのドット位置データ、及び4ビットの画素階調データからなる画素露光データにより構成される。分割画素階調データは、画素階調データ及びドット位置データに基づいて生成され、第一の階調値LUT126aに予め格納される。本実施形態では、通常印刷モードの階調数を16としているので、第一の階調値LUT126aは、4ビットの分割画素階調データを有することになる。
【0045】
図6は、画素を構成する領域の階調値の設定方法を示す図である。画素階調データが示す画素階調値は16階調(4ビット)であり、この16階調のデータを各画素において露光すべきドットの位置(すなわち、ドット位置データ)に基づいて、画素を副走査方向に分割した領域に対して割り振ることにより、各領域における領域階調値を設定する。
【0046】
同図は、高速印刷モードにおける、16階調データを4分割5階調に変換するときの露光イメージを示している。4分割制御では1画素データ(ドット位置データ:2ビット、画素階調データ:4ビット)から4つの分割画素階調データ(階調値:0〜4)を生成する。分割画素階調データは、分割Hreq信号の回数データ(2ビット)と、1画素データの位置情報(2ビット)、及び画素階調データ(4ビット)から決定され、Hreq信号の1/4周期である分割Hreq信号をトリガとして出力される。
【0047】
例えば、画素階調値が「12」であり、「上寄せ」を行う場合には、当該画素を構成する4つの領域の領域階調値を上から順番に「4」「4」「4」「0」として、画素における上方の領域を下方の領域よりも強く露光することにより、全体として画素に露光されるドットを上側に寄せることができる。
【0048】
そして、各領域階調値を3ビットデータとして、アドレス(すなわち、回数データ、ドット位置データ及び画素階調データ)と対応づけることにより、LUTが作成される。
【0049】
図7は、画像形成装置の動作を示すタイミングチャートである。図3乃至図5及び図7を参照して、本実施形態における画像形成装置100の動作について説明する。以下の例では、1ラインは、48画素からなる56個のブロックに分割されており(図8及び図9参照)、コントローラ110は、ブロック単位(すなわち、48画素分)でデータをLED駆動部150に供給し、LED駆動部150は、LEDアレイ142単位でLEDを発光させて、ブロック単位で画素を露光している。すなわち、本実施形態の画像形成装置は、56個のブロックを時分割で露光することにより、媒体に画像を形成する。
【0050】
以下、まず、コントローラ110がLED駆動部150に露光に必要な各信号及びデータを供給する動作について説明し、次いで、LED駆動部150が当該各信号及びデータに基づいて、LEDアレイ142を発光させる動作について説明する。
【0051】
まず、エンジン制御部130において、Vsyncセンサ132が、画像を形成する媒体の先頭を検出し、印刷開始信号Vsyncの論理値を変化させる。また、Hsync信号生成部120は、印刷開始信号Vsyncの論理値の変化を検出すると、送信開始信号Hsyncを生成し、PC200の画像処理部210及びDHsync信号生成部120に供給する。送信開始信号Hsyncは、所定の周期でパルスが現れる信号であり、画像処理部210は、各パルス(エッジ)を検出すると、1ライン分の画素露光データ(ラスタデータ)の送信を開始する。
【0052】
画像処理部210から送信された画素露光データは、変換部220及び112を介して、ラインメモリ114に蓄積される。ラインメモリ114に蓄積された各画素露光データは、制御信号生成部116から供給されたリード・ライトイネーブル信号RWEに応じて、順次、アドレス生成部124に供給される。
【0053】
一方、カウンタ122は、送信開始信号Hsyncを4逓倍したDHsync信号に基づいて、回数データをカウントして、アドレス生成部124に供給する。すなわち、カウンタ122は、送信開始信号Hsyncの1周期の間に、「00」、「01」、「10」及び「11」の2ビットデータ(回数データ)を、アドレス生成部124に繰り返し供給している。そして、アドレス生成部124は、1つの画素露光データに対して4つの回数データを結合した4つのアドレス信号を生成し、順次、階調値LUT126に供給する。このとき、CPU134により指示された印刷モードが通常印刷モードであれば、第一の階調値LUT126aにアドレス信号が供給され、高速印刷モードであれば、第二の階調値LUT126bにアドレス信号が供給されるように、LUT切替部125が制御される。そして、第一の階調値LUT126a又は第二の階調値LUT126bは、アドレス信号が示すアドレスに応じて、格納された分割画素階調データをLED駆動部150に供給する。これにより、PC200から送信された画素露光データに応じて、印刷モードに応じた分割画素階調データがLED駆動部150に供給される。
【0054】
次に、LED駆動部150が、LEDアレイ142の各LEDを発光させる動作について説明する。
【0055】
まず、送信開始信号/Hsyncの論理値が変化すると、制御信号生成部116は、CLKカウンタ152及びデータラッチ部154にクロック信号CLKを供給する。そして、データラッチ部154は、まず、56個のLEDアレイ142のうち、最初に発光させるべきLEDアレイ142(1ブロック目(図8及び図9参照))に供給するデータを、コントローラ110から受け取り、保持する。具体的には、データラッチ部154は、クロック信号CLKのエッジの変化に応じて48個のLEDを発光させるための分割画素階調データ及び電流補正データ(データ信号DATA)を順次受信し、当該データを48個のシフトレジスタにおいて順次シフトさせるとともに、各シフトレジスタに対応するラッチに格納する。
【0056】
データラッチ部154が1ブロック目の分割画素階調データ及び電流補正データをすべて格納すると、信号/STBがH論理からL論理に変化し、1ブロック目のLEDアレイ142が発光を開始する。具体的には、信号/STBがL論理に変化すると、パルス変調部158は、48個のLEDにそれぞれ所定の電流を供給して発光させるよう、電流出力部160を制御する。電流出力部160は、データラッチ部154から供給された電流補正データに基づいて、48個のLEDに所定の電流を供給して発光させる。
【0057】
また、信号/STBがH論理からL論理に変化すると、SCLKカウンタ156がリセットされ、SCLKカウンタ156は、制御信号生成部116から供給されたSクロック信号SCLKに基づいてカウントしたカウント値を、パルス変調部158に供給する。
【0058】
パルス変調部158は、SCLKカウンタ156のカウント値と、データラッチ部154から供給された、48個のLEDの分割画素階調データとをそれぞれ比較する。そして、パルス変調部158は、カウント値と分割画素階調データが一致した場合に、一致した当該分割画素階調データに対応するLEDの発光を停止するように電流出力部160を制御する。本実施形態では、通常印刷モードであれば、分割画素階調データは16階調の4ビットデータであるため、SCLKカウンタ156のカウント値が「15」になるまでに、48個のLEDに対応する分割画素階調データがカウント値と一致して、1ブロック目のすべてのLEDの発光が停止する(図8参照)。また、高速印刷モードであれば、分割画素階調データは5階調の3ビットデータであるため、SCLKカウンタ156のカウント値が「4」になるまでに、48個のLEDに対応する分割画素階調データがカウント値と一致して、1ブロック目のすべてのLEDの発光が停止する(図9参照)。
【0059】
また、データラッチ部154は、パルス変調部158が1ブロック目のLEDを発光させている期間において、2ブロック目のLEDを発光させるため、データ信号DATAを受信する。具体的には、データラッチ部154は、Sクロック信号SCLKのエッジに応じてパルス変調部158及び電流出力部160が1ブロック目のLEDを発光させている期間において、クロック信号CLKのエッジに応じて、2ブロック目のLEDを発光させるための分割画素階調データ及び電流補正データを48個のシフトレジスタにおいてシフトさせ、48個のラッチに保持する。
【0060】
そして、データラッチ部154は、2ブロック目の分割画素階調データ及び電流補正データの受信を完了すると、ラッチに保持されたデータをパルス変調部158に供給し、3ブロック目の分割画素階調データ及び電流補正データの受信を開始する。一方、パルス変調部158及び電流出力部160は、パルス変調部158が3ブロック目のデータを受信している期間において、2ブロック目の分割画素階調データ及び電流補正データに基づいて、2ブロック目のLEDの発光を制御する。以上の動作を繰り返すことにより、56ブロックのLEDアレイ142を発光させて、媒体に1ライン分の画像が形成される。なお、本実施形態では、印刷モードに応じてクロック信号CLK及びSクロック信号SCLKの周波数を変え(通常印刷モードではクロック信号CLK周波数を下げ、高速印刷モードではクロック信号CLK周波数を上げる)、Sクロック信号は周波数によらずほぼ一定の値を取るようになっているが、1ブロックのデータラッチ時間(クロック信号CLK48個分)が、1ブロックのLED発光時間(最大で、通常印刷モードであればSクロック信号SCLK15個分、高速印刷モードであればSクロック信号SCLK4個分)よりも大きくなるように制御される。
【0061】
図8及び図9は、本実施形態の画像形成装置により、画素を4つの領域に分割して、1ラインをHsync信号の1/4周期で露光した場合において、各画素において露光されたドットの状態を示す模式図である。図8は通常印刷モードにおける模式図であり、図9は高速印刷モードにおける模式図である。
【0062】
図10は、本実施形態の分割制御処理を行わない画像形成装置(比較例)により、1ラインをHsync信号の1周期で露光した場合において、各画素において露光されたドットの状態を示す模式図である。図8乃至図10はともに、1ライン分の画素を露光するときに、ブロック1からブロック56にかけて順番に時分割で露光した結果を例に示している。
【0063】
図10に示すように、比較例により56ブロック分の画素を露光した場合には、副走査方向における、最初に露光したブロック1におけるドットと、最後に露光したブロック56におけるドットとの間では、Hsync信号の約1周期分の位置ずれが生じる。一方、図8及び図9に示すように、本実施形態の画像形成装置では、画素を1/4周期ごとに分割して露光するので、約1/4周期分の位置ずれしか生じないため、媒体に高画質な画像を形成することができる。
【0064】
また、図10に示すように、比較例では、画素における、副走査方向のドットの位置は、当該画素が属するブロックの露光順序により定まるため、例えば、画素Aに示すように、画素におけるドットの位置が最上部に偏るという問題が生じる。一方、図8及び図9に示すように、分割制御を行う画像形成装置では、例えば画素を1/4周期ごとに分割して露光するので、各画素においてドットを均一に分布させることができるため、媒体に高画質な画像を形成することができる。
【0065】
さらに、図10に示すように、比較例では、画素における、副走査方向のドットの位置は、当該画素が属するブロックの露光順序により定まるため、画素におけるドットの位置を制御することができないという問題が生じる。一方、図8及び図9の画素B及びCに示すように、本実施形態の画像形成装置では、画素においてドットを所望の位置に制御することができるので、特に画像の斜線部分や曲線部分の平滑化処理が容易となる。ひいては、媒体にさらに高画質な画像を形成することができる。
【0066】
また、図8と図9を比較すると、図8の階調数は15であるのに対して、図9の階調数は4である。このように、高速印刷モード(図9)では階調数の上限が下がるため、印刷画像の品質は通常印刷モード(図8)よりも若干劣る。しかしながら、高速印刷モードではLED発光期間が通常印刷モードのときよりも短くなる(本実施形態ではほぼ1/4)ため、その分、高速に印刷を行うことが可能となる。
【0067】
図11は、本実施形態における高速印刷モードにおける画素の成長方向を制御したイメージを示す図である。なお、本実施形態において、高速印刷モードは副走査方向4分割5階調の分割制御を行うので、分割画素の階調値は0〜4のいずれかになる。
【0068】
次に、分割画素の階調数の上限値の算出方法を示す。1ドットの径をSdot(mm)、印刷画像の解像度をDpi(dpi)、画像形成装置のプロセス速度をSp(mm/sec)、ラインデータリクエスト信号(Hreq信号)の周期をTh(sec)、1画素の副走査方向の分割数をNdiv、分割ラインデータリクエスト信号(DivHreq信号)の周期をTdivh(sec)、ラインヘッドの時分割数(デューティ)をDuty、1デューティの出力期間をTsclk(sec)、Sクロック(パルス階調制御用クロック)SCLKの最大周波数をFsmax(Hz)と定義すると、分割画素の階調数の上限値Gdmaxは以下の式により算出される。
【0069】
まず、1インチ=25.4mmとすると、1ドットの径は[式1]により算出される。
[式1] Sdot=1/(Dpi/25.4)
このとき、ラインデータリクエスト信号(Hreq信号)の周期は[式2]により算出される。
[式2] Th=Sdot/Sp
そして、分割ラインデータリクエスト信号(DivHreq信号)の周期は[式3]により算出される。
[式3] Tdivh=Th/Ndiv
すると、1デューティの出力期間は[式4]により算出される。
[式4] Tsclk=Tdivh/Duty
このとき、SクロックSCLKの最大周波数は[式5]により算出されるので、分割画素の階調数の上限値はTsclkとFsmaxから[式6]で求めることができる。
[式5] Fsmax=1/(Tsclk/Gsmax)
[式6] Gdmax=Fsmax×Tsclk
【0070】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【0071】
本実施形態の画像形成装置において、各画素を分割した領域の数は任意である。各画素をN個(Nは2以上の整数)の領域に分割して露光する場合には、Nの数に応じて、各データのビット数や信号の周期等を適宜変更すればよい。なお、分割数Nを大きくするとSクロック信号SCLKの周波数が大きくなるので、ラインヘッドの動作可能範囲を超えないようにするために、階調数を落とす必要が生じる場合がある。また、印刷速度の観点からみれば、分割数Nと階調数はトレードオフの関係にある。
【0072】
例えば、各画素を3つの領域に分割して露光する場合には、DHsync信号をHsync信号の1/3周期とし、カウンタ122のビット数を2ビットとすればよい。また、それに応じて、階調値LUT126に格納するアドレス及び領域階調データを設定すればよい。
【0073】
また、本実施形態では、通常印刷モード用のLUTと高速印刷モード用のLUTの2つのLUTを予め持っているものについて説明したが、基準となるLUTを1つだけ持っていて、印刷時にユーザ等によって指定された印刷スピードに合わせたLUTを自動生成するようにしてもよい。このようにすれば、LUTを記録するためのメモリ領域が小さくすみので、製造コストを抑えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】Sクロック(パルス階調値制御用クロック)SCLKのタイミングチャートの一例を示す図である。
【図2】高速印刷の概要を示す図である。
【図3】画像形成装置100の構成の一例を示す図である。
【図4】ラインヘッド140の構成の一例を示す図である。
【図5】階調値LUT126のデータ構成の一例を示す図である。
【図6】画素を構成する領域の階調値の設定方法を示す図である。
【図7】画像形成装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】通常印刷モード時に画像形成装置により露光されたドットの状態を示す模式図である。
【図9】高速印刷モード時に画像形成装置により露光されたドットの状態を示す模式図である。
【図10】比較例により露光されたドットの状態を示す模式図である。
【図11】高速印刷モードにおける画素の成長方向を制御したイメージを示す図である。
【符号の説明】
【0075】
100 画像形成装置、110 コントローラ、111 受信部、112 変換部、114 ラインメモリ、115 クロック生成部、116 制御信号生成部、117 SCLK生成部、118 Hsync信号生成部、120 DHsync信号生成部、122 カウンタ、124 アドレス生成部、125 LUT切替部、126 階調値LUT、126a 第一の階調値LUT、126b 第二の階調値LUT、127 電流補正データメモリ、130 エンジン制御部、132 Vsyncセンサ、134 CPU、140 ラインヘッド、142 LEDアレイ、144 カソードドライバ、150 LED駆動部、152 CLKカウンタ、154 データラッチ部、156 SCLKカウンタ、158 パルス変調部、160 電流出力部、200 PC、210 画像処理部、220 変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に配列された複数の発光素子を制御して、複数の画素を露光する露光ヘッド制御装置であって、
前記第1の方向と交差する第2の方向において各画素を分割した複数の領域について、各画素の階調を示す画素階調データに基づいて、各領域の階調を示す領域階調データを生成する露光データ生成部と、
前記領域階調データに基づいて前記複数の発光素子を制御して、前記複数の領域を露光することにより、前記複数の画素を露光する露光制御部と、
を備える露光ヘッド制御装置において、
前記領域階調データの階調数が前記画素階調データの階調数よりも小さいことを特徴とする露光ヘッド制御装置。
【請求項2】
第1の方向に配列された複数の発光素子を制御して、複数の画素を露光する露光ヘッド制御装置であって、
前記第1の方向と交差する第2の方向において各画素を分割した複数の領域について、各画素の階調を示す画素階調データに基づいて、各領域の階調を示す領域階調データを生成する露光データ生成部と、
前記領域階調データに基づいて前記複数の発光素子を制御して、前記複数の領域を露光することにより、前記複数の画素を露光する露光制御部と、
を備える露光ヘッド制御装置において、
前記露光制御部は、
第一の最大階調数によって生成された第一の領域階調データによって露光制御を行う第一の分割制御と、
前記第一の最大階調数よりも小さい第二の最大階調数によって生成された第二の領域階調データによって露光制御を行う第二の分割制御と、
を実行可能であることを特徴とする露光ヘッド制御装置。
【請求項3】
前記第一の分割制御と前記第二の分割制御は、前記複数の発光素子の発光時間の基準となるパルス階調値制御用クロックのクロック周波数が同程度であることを特徴とする請求項2記載の露光ヘッド制御装置。
【請求項4】
前記露光データ生成部は、前記画素階調データと前記領域階調データとを対応づけて格納した階調値テーブルを少なくとも二つ有し、一方の階調値テーブルを前記第一の分割制御用に使用し、他方の階調値テーブルを前記第二の分割制御用に使用することを特徴とする請求項2又は3記載の露光ヘッド制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の露光ヘッド制御装置を備える画像形成装置。
【請求項6】
第1の方向に配列された複数の発光素子を制御して、複数の画素を露光する露光ヘッド制御装置における露光ヘッドの制御方法であって、
前記第1の方向と交差する第2の方向において各画素を分割した複数の領域について、各画素の階調を示す画素階調データに基づいて、各領域の階調を示す領域階調データを生成するステップと、
前記領域階調データに基づいて前記複数の発光素子を制御して、前記複数の領域を露光することにより、前記複数の画素を露光するステップと、
を備え、
前記領域階調データの階調数が前記画素階調データの階調数よりも小さいことを特徴とする露光ヘッド制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の露光ヘッド制御方法の各ステップを、画像形成装置の備えるコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−137213(P2008−137213A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324135(P2006−324135)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】