説明

静電型スピーカ

【課題】振動体と振動体を挟む部材との電位差を安全に大きくとることができる静電型スピーカを提供する。
【解決手段】入力部60は変圧器50の一次側に接続されている。また、バイアス電源70のマイナス側は振動体10に接続され、バイアス電源70のプラス側は変圧器50の2次側の中点(センタータップ)と接続されており、2つの電極20はそれぞれ変圧器50の2次側の一端および他端に接続されている。また、電極20Uの振動体10側にはエレクトレット40Uが固着され、電極20Lの振動体10側にはエレクトレット40Lが固着されている。バイアス電源70の電圧E1と振動体10Aの電圧E2とを加算した電圧(E1+E2)が、バイアス電源70のマイナス側と電極20U(振動体10Aと電極20L)との間の電圧差となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電型スピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
静電型スピーカは、間隔を開けて向かい合う2枚の電極と、この2枚の電極の間に挿入された導電性を有するシート状の振動体とから構成されており、振動体に所定のバイアス電圧を印加しておき、電極に印加する電圧を変化させると、振動体に作用する静電力が変化し、これにより振動体が変位する。ここで、この印加電圧を入力される音響信号に応じて変化させれば、それに応じて振動体は変位を繰り返し(すなわち振動し)、音響信号に応じた再生波が振動体から発生する。そして、このような静電型スピーカにおいては、特許文献1に記載されているように、2枚の電極において振動体に対向する面にエレクトレットを配置し、バイアス用の電源を必要としない静電型スピーカも考案されている。
【0003】
【特許文献1】特開昭58−120400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、静電型スピーカにおいては、電極−振動体間の電圧差を大きくすると振動体の感度を高くすることができる。しかしながら、振動体に印加する電圧を高くして電圧差を大きくすると、振動体へ電力を供給する配線を高電圧に耐えられるようにする必要があり、感電防止など安全性の点で工夫が必要となってコスト高となる。
一方、特許文献1に開示されたスピーカの場合、エレクトレット自体の電圧によりエレクトレット−振動体間の電圧差が決定されるため、エレクトレットの電圧を高いものにすれば、配線の安全性については静電型スピーカのような工夫を必要とせず、電圧差を大きくすることができる。しかしながら、エレクトレットの電圧は、エレクトレットを形成する材料やエレクトレットの厚さ、製造時にエレクトレットに印加する電圧などで製造時に決まり、高電圧のものを得るのが難しい。
【0005】
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、振動体と振動体を挟む部材との電位差を安全に大きくとることができる静電型スピーカを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明は、導電性を有する第1電極と、導電性を有し前記第1電極に対向して離間配置された第2電極と、導電性を有し、前記第1電極と前記第2電極との間において前記第1電極および前記第2電極と離間して位置する振動体と、前記第1電極の前記振動体側に固着された第1エレクトレットと、前記第2電極の前記振動体側に固着された第2エレクトレットと、前記第1電極と前記第2電極とに接続された直流電源とを有する静電型スピーカを提供する。
【0007】
本発明においては、前記第1エレクトレットと前記第2エレクトレットとを備えず、前記振動体はエレクトレットであってもよい。
また、本発明においては、2次側端子の一端に前記第1電極が接続され、2次側端子のもう一端に前記第2電極が接続され、一次側に音響信号が入力され、2次側にセンタータップを有する変圧器を有し、前記直流電源は、前記センタータップと前記振動体とに接続されており、前記変圧器を介して前記第1電極と前記第2電極に接続されていてもよい。
また、本発明においては、前記直流電源は、供給する電圧を調整可能であってもよい。
また、本発明においては、2次側端子の一端に前記振動体が接続され、一次側に音響信号が入力される変圧器を有し、前記直流電源は、前記変圧器において前記振動体が接続されていない2次側の一端と前記第1電極とに接続された第1直流電源と、前記変圧器において前記振動体が接続されていない2次側の一端と前記第2電極とに接続された第2直流電源であってもよい。
また、本発明においては、前記第1直流電源と前記第2直流電源は、供給する電圧を調整可能であってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電極間の電位差を安全に大きくとることができる静電型スピーカを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る静電型スピーカ1の外観を模式的に示した図、図2は、静電型スピーカ1の断面図、図3は、静電型スピーカ1の分解斜視図である。図に示したように、この静電型スピーカ1は、振動体10、電極20Uと電極20L、スペーサ30Uとスペーサ30L、エレクトレット40Uとエレクトレット40Lとを有している。なお、本実施形態においては、電極20U,20Lの構成は同じであり、スペーサ30U,30Lの構成は同じであるため、両者を区別する必要が特に無い場合は「L」および「U」の記載を省略する。また、図中の振動体、電極、エレクトレット等の各構成要素の寸法は、構成要素の形状を容易に理解できるように実際の寸法とは異ならせてある。また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは図面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは図面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【0010】
(静電型スピーカ1の各部の構成)
まず、静電型スピーカ1を構成する各部について説明する。振動体10は、例えば、PET(polyethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタレート)、PP(polypropylene、ポリプロピレン)などのフィルムに、金属膜を蒸着あるいは導電性塗料を塗布したものであり、その厚さは、数μm〜数十μm程度の厚さとなっている。
【0011】
スペーサ30は、絶縁体で形成されており、その形状は図3に示したように角部を有する環状となっている。なお、本実施形態においては、スペーサ30のX方向およびY方向の長さと、電極20のX方向およびY方向の長さは同じとなっている。また、スペーサ30Uとスペーサ30LのZ方向の高さは、いずれも同じとなっている。
【0012】
電極20は、矩形で板状に形成されており導電性を有している。また、電極20においては、音響透過性を確保するために、電極20の表面から裏面に貫通する貫通孔21が所定間隔で複数設けられている。なお、本実施形態においては、電極20のX方向およびY方向の長さと、振動体10のX方向およびY方向の長さは同じとなっている。
【0013】
エレクトレット40U,40Lは、フッ素系樹脂(例えば、FEP(テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体))を加熱溶融し、これに直流の高電圧を加えながら常温にして固化させた後、印加した直流の高電圧を取り除いたものである。エレクトレット40U,40Lにおいても、音響透過性を確保するために、エレクトレットの表面から裏面に貫通する貫通孔41が所定間隔で複数設けられている。
なお、本実施形態においては、エレクトレット40U,40Lは負の電圧に帯電している。また、本実施形態においては、エレクトレット40U,40Lは矩形の膜状であり、その厚みは100μmとなっているが、厚みは50μm〜125μmの範囲内から選択することができる。
【0014】
(静電型スピーカ1の構造)
次に、静電型スピーカ1の機械的構造について説明する。静電型スピーカ1においては、振動体10の周縁部がスペーサ30Uとスペーサ30Lとの間に張力が掛からない、所謂テンションレスの状態で挟まれている。また、静電型スピーカ1においては、電極20Uと電極20Lは振動体10を挟んで対向しており、電極20Uにおいて電極20L側に向いている側の面にはエレクトレット40Uが固着され、電極20Lにおいて電極20U側に向いている側の面にはエレクトレット40Lが固着されている。
そして、エレクトレット40Uの周縁部がスペーサ30Uに固定され、エレクトレット40Lの周縁部がスペーサ30Lに固定されている。なお、スペーサ30Uとスペーサ30LのZ方向の高さは同じであるため、振動体10からエレクトレット40Uまでの距離と、振動体10からエレクトレット40Lまでの距離は同じとなっており、エレクトレット40Uからエレクトレット40Lまでの距離は、エレクトレットのいずれの位置においても同じとなっている。
【0015】
(静電型スピーカ1の電気的構成)
次に、静電型スピーカ1の電気的構成について説明する。図2に示したように、静電型スピーカ1は変圧器50、外部から音響信号が入力される入力部60、直流バイアスを供給するバイアス電源70とを備えている。入力部60は変圧器50の一次側に接続されている。また、バイアス電源70のマイナス側は振動体10に接続され、バイアス電源70のプラス側は変圧器50の2次側の中点(センタータップ)と接続されており、2つの電極20はそれぞれ変圧器50の2次側の一端および他端に接続されている。
【0016】
この構成においては、図4に示したように、振動体10はバイアス電源70のマイナス側に接続されているため、エレクトレット40U,40Lに対向する振動体10の表面はマイナスとなる。
そして、入力部60に音響信号が入力されていない状態においては、バイアス電源70の電圧がE1、エレクトレット40U,40Lの電圧がE2とすると、バイアス電源70の電圧E1とエレクトレットの電圧E2とを加算した電圧(E1+E2)が、振動体10と電極20U(振動体10と電極20L)との間の電圧差となる。ここで、振動体10と電極20との間の電圧差は、電圧E1と電圧E2を加算した電圧(E1+E2)となり、エレクトレット単体またはバイアス電源単体の時より高い電圧差を得ることができる。
また、E1+E2の電圧差をバイアス電源のみで得ようとすると、バイアス電圧を供給する配線については高電圧に対応する必要があるが、本実施形態によれば、バイアス電源から供給の電圧はE1のみとなりE1+E2より低い電圧である。E1+E2の電圧差をバイアス電源のみで得る場合と比較すると、バイアス電圧を供給する配線についてはより高い電圧に対応させる必要がなく、コストを抑えることができる。
【0017】
また、入力部60に音響信号が入力されると、入力された音響信号に応じた電圧が電極20にそれぞれ印加される。
具体的には、正負の振幅を持つ音響信号が入力部60に入力され、変圧器50の2次側において電極20Uに接続されている部分の電圧がセンタータップに対してプラスとなると、電極20Uと振動体10との間の電圧差は、バイアス電源70の電圧E1と、エレクトレット40Uの電圧E2、および音響信号が変圧器50で昇圧されて得られる電圧E3を加算したE1+E2+E3となる。
一方、電極20Lと振動体10との間の電位差は、バイアス電源70の電圧E1と、エレクトレット40Lの電圧E2とを加算したE1+E2であり、電極20Uと電極20Lとの間に電位差が生じ、振動体10が変位する。
なお、本実施形態においては、音響信号の振幅がピークとなった時に変圧器50から出力される電圧と、バイアス電源70の電圧E1とを加算した電圧値が、所定の電圧値を超えないように、バイアス電源70の電圧E1が調整されている。
【0018】
また、正負の振幅を持つ音響信号が入力部60に入力され、変圧器50の2次側において電極20Lに接続されている部分の電圧がセンタータップに対してプラスとなると、電極20Lと振動体10との間の電圧差は、バイアス電源70の電圧E1と、エレクトレット40Lの電圧E2、および音響信号が変圧器50で昇圧されて得られる電圧E3を加算したE1+E2+E3となる。
一方、電極20Uと振動体10との間の電位差は、バイアス電源70の電圧E1と、エレクトレット40Uの電圧E2とを加算したE1+E2であり、電極20Uと電極20Lとの間に電位差が生じ、振動体10が変位する。
【0019】
このように、入力部60に音響信号が入力されると、振動体10にはどちらかの電極20の側へ引き寄せられるような静電力が働く。すなわち、振動体10は音響信号に応じて同図のZ方向に変位し(撓み)、その変位方向が逐次変わることによって振動となり、その振動状態(振動数、振幅、位相)に応じた音が振動体10から発生する。発生した音は、少なくとも一方の電極20を通り抜けて静電型スピーカ1の外部に放射される。
【0020】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る静電型スピーカについて説明する。図5は、本実施形態に係る静電型スピーカ1Aの外観図、図6は、静電型スピーカ1Aの断面図である。なお、以下の説明においては、本実施形態に係る静電型スピーカ1Aにおいて第1実施形態と同じ部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0021】
本実施形態に係る静電型スピーカ1Aは、図に示したように、振動体10A、電極20Uと電極20L、スペーサ30Uとスペーサ30Lとを有している。本実施形態に係る振動体10Aは、エレクトレットであり、その形状は矩形で膜状となっている。なお、本実施形態においては、振動体10Aは負の電圧に帯電している。
【0022】
静電型スピーカ1Aにおいては、振動体10Aの周縁部がスペーサ30Uとスペーサ30Lとの間に張力が掛からない、所謂テンションレスの状態で挟まれている。また、静電型スピーカ1Aにおいては、電極20Uと電極20Lは対向しており、電極20Uはスペーサ30Uに固着され、電極20Lはスペーサ30Lに固着されている。また、静電型スピーカ1Aにおいては、バイアス電源70のマイナス側は振動体10Aに接続され、バイアス電源70のプラス側は変圧器50の2次側の中点(センタータップ)と接続されており、2つの電極20はそれぞれ変圧器50の2次側の一端および他端に接続されている。
【0023】
この構成においては、振動体10Aは負の電圧に帯電しているため、振動体10Aの電気的状態はマイナスとなり、電極20は変圧器50を介してバイアス電源70のプラス側に接続されているため、電極20の表面の電気的状態はマイナスとなる。
入力部60に音響信号が入力されていない状態においては、バイアス電源70の電圧がE1、振動体10Aの電圧がE2とすると、バイアス電源70の電圧E1と振動体10Aの電圧E2とを加算した電圧(E1+E2)が、バイアス電源70のマイナス側と電極20U(振動体10Aと電極20L)との間の電圧差となる。ここで、バイアス電源70のマイナス側と電極20との間の電圧差は、電圧E1と電圧E2を加算した電圧(E1+E2)となり、バイアス電源70単体またはエレクトレット単体より高電圧を得ることができる。
【0024】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る静電型スピーカについて説明する。図7は、本実施形態に係る静電型スピーカ1Bの外観図、図8は、静電型スピーカ1Bの断面図である。なお、以下の説明においては、静電型スピーカ1Bにおいて第1実施形態と同じ部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0025】
エレクトレット40UAは矩形で膜状のエレクトレットであり、負の電圧に帯電している。また、エレクトレット40LAは矩形で膜状のエレクトレットであり、正の電圧に帯電している。エレクトレット40UAは、電極20Uに固着され、エレクトレット40LAは、電極20Lに固着されている。なお、エレクトレット40UA,40LAにおいても、音響透過性を確保するために、エレクトレットの表面から裏面に貫通する貫通孔が所定間隔で複数設けられている。
【0026】
また、図に示したように、静電型スピーカ1Bは、変圧器50A、外部から音響信号が入力される入力部60、直流バイアスを供給するバイアス電源70Aとバイアス電源70Bとを備えている。入力部60は変圧器50Aの一次側に接続されている。なお、本実施形態に係る変圧器50Aは、センタータップを備えていない点で第1実施形態の変圧器50と異なっている。また、バイアス電源70Aの電圧とバイアス電源70Bの電圧は同じとなっている。
【0027】
そして、バイアス電源70Aのマイナス側は電極20Uに接続され、バイアス電源70Aのプラス側は変圧器50Aの2次側の一端に接続されている。また、バイアス電源70Bのプラス側は電極20Lに接続され、バイアス電源70Bのマイナス側はバイアス電源70Aのプラス側が接続されている変圧器50Aの2次側の一端に接続されている。また、振動体10は、変圧器50Aの2次側の一端であって、バイアス電源70A,70Bが接続されていない側の一端に接続されている。
【0028】
入力部60に音響信号が入力されていない状態においては、バイアス電源70A,70Bの電圧がE1、エレクトレット40UA,40LAの電圧の絶対値がE2とすると、バイアス電源70Aの電圧E1とエレクトレット40UAの電圧E2とを加算した電圧(E1+E2)が、電極20Uと振動体10との間の電圧差となり、バイアス電源70Bの電圧E1とエレクトレット40LAの電圧E2とを加算した電圧(E1+E2)が、電極20Lと振動体10との間の電圧差となる。
ここで、振動体10と電極20との間の電圧差は、電圧E1と電圧E2を加算した電圧(E1+E2)となり、バイアス電源70A,70B単体またはエレクトレット単体より高電圧を得ることができる。
【0029】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
【0030】
上述した実施形態においては、エレクトレット40U,40Lは、フッ素系樹脂(FEP(テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体))で形成されているが、エレクトレット40U,40Lは、アモルファス系フッ素樹脂で形成してもよい。エレクトレット40U,40Lをアモルファス系フッ素樹脂で形成する場合、その厚みは10μm以下とすることも可能である。
【0031】
上述した実施形態においては、振動体10とエレクトレット40U,40Lとの間には、熱を加えて圧縮した中綿など、弾性を有し、空気の通過が可能となっている部材を配置していもよい。
また、上述した実施形態においては、バイアス電源70の電圧は固定となっているが、バイアス電源70の電圧は変更可能な構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る静電型スピーカ1の外観の模式図である。
【図2】静電型スピーカ1の断面と電気的構成を模式的に示した図である。
【図3】静電型スピーカ1の分解斜視図である。
【図4】静電型スピーカ1の電気的状態を示した図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る静電型スピーカ1Aの外観の模式図である。
【図6】静電型スピーカ1Aの断面と電気的構成を模式的に示した図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る静電型スピーカ1Bの外観の模式図である。
【図8】静電型スピーカ1Bの断面と電気的構成を模式的に示した図である。
【符号の説明】
【0033】
1,1A,1B・・・静電型スピーカ、10,10A・・・振動体、20,20U,20L・・・電極、30U,30L・・・スペーサ、40U,40UA,40L,40LA・・・エレクトレット、50,50A・・・変圧器、60・・・入力部、70,70A,70B・・・バイアス電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する第1電極と、
導電性を有し前記第1電極に対向して離間配置された第2電極と、
導電性を有し、前記第1電極と前記第2電極との間において前記第1電極および前記第2電極と離間して位置する振動体と、
前記第1電極の前記振動体側に固着された第1エレクトレットと、
前記第2電極の前記振動体側に固着された第2エレクトレットと、
前記第1電極と前記第2電極とに接続された直流電源と
を有する静電型スピーカ。
【請求項2】
前記第1エレクトレットと前記第2エレクトレットとを備えず、
前記振動体はエレクトレットであること
を特徴とする請求項1に記載の静電型スピーカ。
【請求項3】
2次側端子の一端に前記第1電極が接続され、2次側端子のもう一端に前記第2電極が接続され、一次側に音響信号が入力され、2次側にセンタータップを有する変圧器を有し、
前記直流電源は、前記センタータップと前記振動体とに接続されており、前記変圧器を介して前記第1電極と前記第2電極に接続されていること
を特徴とする請求項1に記載の静電型スピーカ。
【請求項4】
前記直流電源は、供給する電圧を調整可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の静電型スピーカ。
【請求項5】
2次側端子の一端に前記振動体が接続され、一次側に音響信号が入力される変圧器を有し、
前記直流電源は、
前記変圧器において前記振動体が接続されていない2次側の一端と前記第1電極とに接続された第1直流電源と、
前記変圧器において前記振動体が接続されていない2次側の一端と前記第2電極とに接続された第2直流電源であること
を特徴とする請求項1に記載の静電型スピーカ。
【請求項6】
前記第1直流電源と前記第2直流電源は、供給する電圧を調整可能であることを特徴とする請求項5に記載の静電型スピーカ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−117888(P2009−117888A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−285125(P2007−285125)
【出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】