説明

静電型スピーカ

【課題】エレクトレットの電位の低下を防ぎつつ、振動体とエレクトレットとの間のギャップを狭くする。
【解決手段】エレクトレット40Uとクッション材45Uとの間に接触防止部材80Uが位置し、エレクトレット40Uと接触防止部材80Uとの間にはギャップがある。このため、クッション材45Uとエレクトレット40Uおよび接触防止部材80Uとが接触することがなく、エレクトレット40Uの電荷が抜けて電位が低下することがない。また、エレクトレット40Lとクッション材45Lとの間においても接触防止部材80Lが位置し、エレクトレット40Lと接触防止部材80Lとの間にはギャップがある。このため、クッション材45Lとエレクトレット40Lとが接触することがなく、エレクトレット40Lの電荷が抜けて電位が低下することがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電型スピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトレットを使用した静電型スピーカとして、例えば特許文献1に記載された静電型スピーカがある。この静電型スピーカにおいては、環状の2つのスペーサの間に振動体が張力を掛けられた状態で位置し、片面にエレクトレット備えた2つの電極がエレクトレット側を振動体側に向けてスペーサに固定されている。
【0003】
【特許文献1】特開昭58−120400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
静電型スピーカにおいて対向する電極と振動体との間のギャップを狭くすることにより、静電型スピーカの厚さを薄くすることができる。しかしながら、特許文献1に開示された静電型スピーカのように、振動体とエレクトレットとの間には何ら部材が配置されていない構成において振動体とエレクトレットとの間のギャップを狭くすると、変位した振動体がエレクトレットに接触して短絡する虞がある。
【0005】
周知の静電型スピーカにおいては、振動体を絶縁性と弾性を有するエステルウールなどのクッション材で挟み、振動体が短絡するのを防ぐ構成も考案されているが、この構成を特許文献1の構成に採用すると、クッション材とエレクトレットとが接触し、エレクトレットの電荷が抜けてエレクトレットの電位が下がり、振動膜を振動させる力が低下することとなる。
【0006】
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、エレクトレットの電位の低下を防ぎつつ、振動体とエレクトレットとの間のギャップを狭くする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために本発明は、導電性を有する第1電極と、導電性を有し、前記第1電極に対向して離間配置された第2電極と、導電性を有し、前記第1電極と前記第2電極との間において前記第1電極および前記第2電極と離間して配置された振動体と、前記振動体の前記第1電極側の表面上に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第1クッション材と、前記振動体の前記第2電極側の表面上に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第2クッション材と、前記第1電極の振動体側の表面に配置された第1エレクトレットと、前記第2電極の振動体側の表面に配置された第2エレクトレットと、前記第1エレクトレットと前記第1クッション材との間に位置し、前記第1クッション材を押さえ音響透過性を有する第1押さえ部と、前記第2エレクトレットと前記第2クッション材との間に位置し、前記第2クッション材を押さえ音響透過性を有する第2押さえ部と、前記第1押さえ部と前記第1エレクトレットとの間に間隙を確保する第1間隙形成部と、前記第2押さえ部と前記第2エレクトレットとの間に間隙を確保する第2間隙形成部とを有する静電型スピーカを提供する。
【0008】
本発明においては、前記第1押さえ部および前記第2押さえ部は、布または網とする構成であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、エレクトレットの電位の低下を防ぎつつ、振動体とエレクトレットとの間のギャップを狭くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る静電型スピーカ1の外観を模式的に示した図、図2は静電型スピーカ1の断面と電気的構成を模式的に示した図、図3は静電型スピーカ1の分解斜視図である。
この静電型スピーカ1は図に示したように、振動体10、電極20U,20L、スペーサ30U,30L、電極20Uに固着されたエレクトレット40U、電極20Lに固着されたエレクトレット40Lとを有している。また、静電型スピーカ1は、接触防止部材80U,80Lと、スペーサ31U,31L、クッション材45U,45Lとを有している。なお、図中の振動体、電極、スペーサ、接触防止部材、エレクトレット、クッション材等の各構成要素の寸法は、構成要素の形状を容易に理解できるように実際の寸法とは異ならせてある。また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは図面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【0011】
(静電型スピーカ1の各部の構成)
まず、静電型スピーカ1を構成する各構成要素について説明する。
振動体10は、PET(polyethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタレート)のフィルムに導電性を有する金属を蒸着してフィルム表面に導電性を有する薄膜層を形成したものである。本実施形態においては、振動体10の厚さは数μm〜数十μm程度の厚さとなっており、振動体10のX方向およびY方向の長さは後述するスペーサ30U,30LのX方向およびY方向の長さより短くなっている。
なお、本実施形態においては、振動体10は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)などPET以外の高分子材料のフィルムに導電性を有する金属の薄膜層を形成したものであってもよい。また、振動体10においては、合成樹脂のフィルム表面に導電性塗料を塗布して薄膜層を形成するようにしてもよい。
【0012】
スペーサ30U,30Lおよびスペーサ31U,31Lの素材は絶縁体(例えば合成樹脂やセラミックス)であり、その形状は図3に示したように矩形の枠形となっている。なお、本実施形態においては、スペーサ30U,30Lおよびスペーサ31U,31LのX方向およびY方向の長さと、電極20U,20LのX方向およびY方向の長さは同じとなっている。また、スペーサ30Uとスペーサ30Lの厚みは同じであり、スペーサ31Uとスペーサ31Lの厚みは同じとなっている。
【0013】
電極20U,20Lは、導電性を有する金属を矩形の板状に形成したものである。
エレクトレット40U,40Lは、帯電されたエレクトレットであって、その形状は板状で矩形となっており、エレクトレット40Uは電極20Uの片方の面に固着され、エレクトレット40Lは電極20Lの片方の面に固着されている。また、エレクトレット40U,40LのX方向およびY方向の長さは電極20U,20LのX方向およびY方向の長さより短くなっており、エレクトレット40U,40Lの面積は電極20U,20Lの面積より狭くなっている。
なお、エレクトレット40Uとエレクトレット40Lの電位は同じ電位となっている。また、固着された電極20Uとエレクトレット40U、および固着された電極20Lとエレクトレット40Lにおいては、音響透過性を確保するためにエレクトレットおよび電極を貫通する貫通孔21が所定間隔で複数設けられている。
【0014】
クッション材45U,45Lは、綿に熱を加えて圧縮したものであって空気の通過が可能となっており、その形状は矩形となっている。また、クッション材45U,45Lは、音響透過性と弾性を有しており、外部から力を加えられると変形し、外部から加えられた力が取り除かれると元の形状に戻る部材である。なお、本発明に係る静電型スピーカにおいては、クッション材45U,45Lの素材は綿に限定されるものではなく、力を加えられると変形し、加えられた力が取り除かれると元の形状に戻り、且つ、絶縁性と音響透過性を有しているのであればエステルウールなど、他の素材であってもよい。
【0015】
接触防止部材80U,80Lは、絶縁性を有する合成樹脂(例えば、PET,PP,アクリル樹脂など)を矩形の板状に形成したものであり、音響透過性を確保するために一方の面から他方の面に貫通する貫通孔81が所定間隔で複数設けられている。なお、本実施形態においては、接触防止部材80U,80LのX方向およびY方向の長さと、スペーサ30U,30LのX方向およびY方向の長さは同じとなっている。
【0016】
(静電型スピーカ1の構成)
静電型スピーカ1においては、スペーサ30Uとスペーサ30Lは、振動体10の周縁部を挟んで互いに固着されている。なお、本実施形態においては、振動体10は張力が掛からない状態でスペーサ30Uとスペーサ30Lとの間に挟まれている。
また、スペーサ30Uにおいて振動体10と反対側に接触防止部材80Uが固着され、スペーサ30Lにおいて振動体10と反対側に接触防止部材80Lが固着されており、接触防止部材80Uと振動体10との間の空間(スペーサ30Uの内側の空間)にはクッション材45Uが配置され、接触防止部材80Lと振動体10との間の空間(スペーサ30Lの内側の空間)にはクッション材45Lが配置されている。
【0017】
そして、接触防止部材80Uにおいてスペーサ30Uと反対側にスペーサ31Uが固着され、接触防止部材80Lにおいてスペーサ30Lと反対側にスペーサ31Lが固着されており、エレクトレット40Uを振動体10側に向けて電極20Uがスペーサ31Uに固着され、エレクトレット40Lを振動体10側に向けて電極20Lがスペーサ31Lに固着されている。
ここで、エレクトレット40Uとクッション材45Uとの間には接触防止部材80Uが位置している。そして、接触防止部材80Uと電極20Uとの間にはスペーサ31Uがあり、このスペーサ31Uによりエレクトレット40Uと接触防止部材80Uとの間にギャップが確保されている。接触防止部材80Uはクッション材45Uがエレクトレット40Uに接触しないように押さえるため、クッション材45Uとエレクトレット40Uおよび接触防止部材80Uとが接触することがなく、エレクトレット40Uの電荷が抜けて電位が低下することがない。
また、エレクトレット40Lとクッション材45Lとの間においても接触防止部材80Lが位置している。そして、接触防止部材80Lと電極20Lとの間にはスペーサ31Lがあってエレクトレット40Lと接触防止部材80Lとの間にギャップが確保されている。接触防止部材80Lはクッション材45Lがエレクトレット40Lに接触しないように押さえるため、クッション材45Lとエレクトレット40Lとが接触することがなく、エレクトレット40Lの電荷が抜けて電位が低下することがない。
【0018】
なお、本実施形態においては、スペーサ30Uとスペーサ30Lの厚さは同じであり、スペーサ31Uとスペーサ31Lの厚さは同じであり、接触防止部材80Uと接触防止部材80Lの厚さは同じであるため、振動体10からエレクトレット40Uまでの距離と、振動体10からエレクトレット40Lまでの距離は同じとなっており、エレクトレット40Uからエレクトレット40Lまでの距離は、エレクトレットのいずれの位置においても同じとなっている。
【0019】
(静電型スピーカ1の電気的構成)
次に、静電型スピーカ1の電気的構成について説明する。図2に示したように、静電型スピーカ1は変圧器50、外部から音響信号が入力される入力部60、直流バイアスを供給するバイアス電源70とを備えている。入力部60は変圧器50の一次側に接続されている。また、バイアス電源70のマイナス側は振動体10に接続され、バイアス電源70のプラス側は変圧器50の2次側の中点(センタータップ)と接続されており、電極20U,20Lはそれぞれ変圧器50の2次側の一端および他端に接続されている。
【0020】
この構成においては、振動体10の表面にある導電性を有する薄膜層はバイアス電源70のマイナス側に接続されているため、エレクトレット40U,40Lに対向する振動体10の表面はマイナスとなる。
そして、入力部60に音響信号が入力されていない状態においては、バイアス電源70の電圧がE1、エレクトレット40U,40Lの電圧がE2とすると、バイアス電源70の電圧E1とエレクトレットの電圧E2とを加算した電圧(E1+E2)が、振動体10と電極20U(振動体10と電極20L)との間の電圧差となる。ここで、振動体10と電極20U,20Lとの間の電圧差は、電圧E1と電圧E2を加算した電圧(E1+E2)であるため、エレクトレット単体またはバイアス電源単体の時より高い電圧差を得られる。
また、E1+E2の電圧差をバイアス電源のみで得ようとすると、バイアス電圧を供給する配線については高電圧に対応する必要があるが、本実施形態によれば、バイアス電源から供給の電圧はE1のみとなりE1+E2より低い電圧である。E1+E2の電圧差をバイアス電源のみで得る場合と比較すると、バイアス電圧を供給する配線についてはより高い電圧に対応させる必要がなく、コストを抑えることができる。
【0021】
(静電型スピーカ1の動作)
次に、静電型スピーカ1の動作について説明する。
入力部60に音響信号が入力されると、入力された音響信号に応じた電圧が電極20U,20Lにそれぞれ印加される。
具体的には、正負の振幅を持つ音響信号が入力部60に入力され、変圧器50の2次側において電極20Uに接続されている部分の電圧がセンタータップに対してプラスとなると、電極20Uと振動体10との間の電圧差は、バイアス電源70の電圧E1と、エレクトレット40Uの電圧E2、および音響信号が変圧器50で昇圧されて得られる電圧E3を加算したE1+E2+E3となる。
一方、電極20Lと振動体10との間の電位差は、バイアス電源70の電圧E1と、エレクトレット40Lの電圧E2とを加算したE1+E2であり、電極20Uと電極20Lとの間に電位差が生じ、振動体10が変位する。
なお、本実施形態においては、音響信号の振幅がピークとなった時に変圧器50から出力される電圧と、バイアス電源70の電圧E1とを加算した電圧値が、所定の電圧値を超えないように、バイアス電源70の電圧E1が調整されている。
【0022】
また、正負の振幅を持つ音響信号が入力部60に入力され、変圧器50の2次側において電極20Lに接続されている部分の電圧がセンタータップに対してプラスとなると、電極20Lと振動体10との間の電圧差は、バイアス電源70の電圧E1と、エレクトレット40Lの電圧E2、および音響信号が変圧器50で昇圧されて得られる電圧E3を加算したE1+E2+E3となる。
一方、電極20Uと振動体10との間の電位差は、バイアス電源70の電圧E1と、エレクトレット40Uの電圧E2とを加算したE1+E2であり、電極20Uと電極20Lとの間に電位差が生じ、振動体10が変位する。
【0023】
このように、入力部60に音響信号が入力されると、振動体10は電極20Uまたは電極20Lのいずれかの側へ引き寄せられるような静電力が働く。すなわち、振動体10は音響信号に応じて同図のZ方向に変位し(撓み)、その変位方向が逐次変わることによって振動となり、その振動状態(振動数、振幅、位相)に応じた音が振動体10から発生する。発生した音は、クッション材45U,45L、接触防止部材80U,80L、エレクトレット40U,40L、電極20U,20Lを通り抜けて静電型スピーカ1の外部に放射される。
【0024】
なお、振動体10が変位するとクッション材45U,45Lは、エレクトレット40U,40L側へ押される力を振動体10から受ける。しかしながら、エレクトレット40Uと振動体10との間には接触防止部材80Uが位置し、エレクトレット40Lと振動体10との間には接触防止部材80Lが位置しているため、クッション材が振動体10から押されてもクッション材45U,45Lが移動してエレクトレット40U,40Lに接触することがない。本実施形態においては、このようにクッション材がエレクトレットに接触しないため、エレクトレット40U,40Lの電荷が抜けて電位が低下することがない。
【0025】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
【0026】
上述した実施形態においては、接触防止部材80U,80Lは合成樹脂を矩形の板状にしたものとなっているが、クッション材45U,45Lがエレクトレットに接触しなければ、この構成に限定されるものではなく、例えば、寒冷紗や絶縁性を有する布などを接触防止部材80U,80Lとしてもよく、また、絶縁性を有する糸を編んで作られた網、紙、合成樹脂のフィルム等を接触防止部材80U,80Lとしてもよい。これらの部材であっても、クッション材がエレクトレットに接触しないようにクッション材を押さえることができる。
【0027】
本発明においては、スペーサ31U,31Lの形状を図4に示したスペーサ31Aのように格子状の形状とし、この格子の内側にエレクトレットが位置するように、電極20Uと電極20Lに固着するエレクトレットを図5に示したように分割してもよい。この構成によれば、接触防止部材80U,80Lを用いなくてもクッション材とエレクトレットとが接触するのを防ぐことができる。
具体的には、図6に示したようにスペーサ30Uと電極20Uとの間およびスペーサ30Lと電極20Lの間において、スペーサ31U,31Lおよび接触防止部材80U,80Lに替えてスペーサ31Aを配置すると、格子の部分でクッション材45U,45Lを押さえつつ、枠および格子部分により各エレクトレットとクッション材との間のギャップを確保できる。クッション材とエレクトレットとが接触するのを格子の部分が押さえて防ぐため、接触防止部材を用いることなくクッション材とエレクトレットとが接触するのを防ぐことができる。
【0028】
また、スペーサ31U,31Lを格子状とする場合には、図7に示したスペーサ31Bように格子部分の厚さがスペーサの枠部分の厚さより薄くなるようにし、図中の矢印A側をエレクトレット側に向けてスペーサ30Uと電極20Uとの間、およびスペーサ30Lと電極20Lとの間に配置してもよい。
この構成においても、図8に示したように、スペーサ30Uと電極20Uとの間およびスペーサ30Lと電極20Lの間において、スペーサ31U,31Lおよび接触防止部材80U,80Lに替えてスペーサ31Bを配置すると、格子の部分でクッション材45U,45Lを押さえつつ、枠部分でエレクトレットとクッション材との間のギャップを確保できる。クッション材とエレクトレットとが接触するのを格子の部分が防ぐため、接触防止部材80U,80Lを用いることなくクッション材とエレクトレットとが接触するのを防ぐことができる。
また、図8に示したようにスペーサの内側で格子が設けられていない部分にエレクトレットが位置するので、図5,6のようにエレクトレットを分割して電極に固着させる必要がなく、エレクトレットを電極に固着するのが容易となる。
【0029】
上述した実施形態においては、接触防止部材と各スペーサとが別体となっているが、スペーサ31Uと接触防止部材80Uとを一体で形成し、スペーサ31Lと接触防止部材80Lとを一体で形成してもよい。
【0030】
上述した実施形態においては、振動体10にバイアス電源70が接続されるが、図9(a)に示したように、バイアス電源70を設けず、変圧器50の二次側の2つの端子の間を直列に接続された2つの抵抗で接続し、一方の抵抗と他方の抵抗の間の中点を振動体10に接続するようにしてもよい。
また、図9(b)に示したようにバイアス電源70を設けず、変圧器50の中点を直接振動体10に接続するようにしてもよい。
また、図9(c)に示したようにバイアス電源70を設けず、エレクトレット40Uを負に帯電したエレクトレットとする一方、エレクトレット40Lを正に帯電したエレクトレットとし、変圧器50の二次側の一方の端子を振動体10に接続し、変圧器50の二次側のもう一方の端子を電極20Uと電極20Lに接続して静電型スピーカ1を駆動するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係る静電型スピーカ1の外観図である。
【図2】静電型スピーカ1の断面と電気的構成を模式的に示した図である。
【図3】静電型スピーカ1の分解斜視図である。
【図4】本発明の変形例に係るスペーサ31Aの外観図である。
【図5】本発明の変形例に係るエレクトレット40Lの外観図である。
【図6】本発明の変形例に係る静電型スピーカの断面図である。
【図7】本発明の変形例に係るスペーサ31Bの外観図である。
【図8】本発明の変形例に係る静電型スピーカの断面図である。
【図9】本発明の変形例に係る電気的構成の模式図である。
【符号の説明】
【0032】
1・・・静電型スピーカ、10・・・振動体、20U,20L・・・電極、30U,30L,31U,31L,31A,31B・・・スペーサ、40U,40L・・・エレクトレット、45U,45L・・・クッション材、50・・・変圧器、60・・・入力部、70・・・バイアス電源、80U,80L・・・接触防止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する第1電極と、
導電性を有し、前記第1電極に対向して離間配置された第2電極と、
導電性を有し、前記第1電極と前記第2電極との間において前記第1電極および前記第2電極と離間して配置された振動体と、
前記振動体の前記第1電極側の表面上に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第1クッション材と、
前記振動体の前記第2電極側の表面上に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第2クッション材と、
前記第1電極の振動体側の表面に配置された第1エレクトレットと、
前記第2電極の振動体側の表面に配置された第2エレクトレットと、
前記第1エレクトレットと前記第1クッション材との間に位置し、前記第1クッション材を押さえ音響透過性を有する第1押さえ部と、
前記第2エレクトレットと前記第2クッション材との間に位置し、前記第2クッション材を押さえ音響透過性を有する第2押さえ部と、
前記第1押さえ部と前記第1エレクトレットとの間に間隙を確保する第1間隙形成部と、
前記第2押さえ部と前記第2エレクトレットとの間に間隙を確保する第2間隙形成部と
を有する静電型スピーカ。
【請求項2】
前記第1押さえ部および前記第2押さえ部は、布または網であることを特徴とする請求項1に記載の静電型スピーカ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−34779(P2010−34779A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−193732(P2008−193732)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】