説明

静電容量検出装置

【課題】ノイズ検出用の電極を別途設けることなく、ノイズの有無を検出できる静電容量検出装置を提供する。
【解決手段】静電容量を形成する検出電極100と、検出電極100に電流を供給する電流供給部110と、電流供給部110から検出電極100へ電流を供給する条件を異なる条件に変化させ、それぞれの異なる条件での検出電極100の出力値に基づいて検出電極100に電磁ノイズが印加されたかどうかを判断する制御を行なう制御部200と、を有して静電容量検出装置10を構成する。これにより、別途、ノイズ検出部を設けることなく、静電容量を検出するための検出電極100のみを有し、この検出電極100において静電容量の検出とノイズの有無の検出が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量検出装置に関し、特に、ノイズの有無の検出機能を有する静電容量検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の静電容量検出装置として、電磁ノイズの影響による誤検出を抑制するものがある。この静電容量検出装置は、静電容量を検出する検知電極と、静電容量に基づき電磁ノイズの影響を検出するノイズ検出電極とを備え、検知電極により検出された静電容量(第1カウント値)が所定の第1上限値を超え、かつ、ノイズ検出電極により検出された静電容量(第2カウント値)が所定の第2上限値を超えたときに、検知電極による検出を禁止するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この静電容量検出装置によれば、静電容量を検出するための検知電極とは別に、電磁ノイズを検出するためのノイズ検出電極を備える構成とされているので、ノイズの影響を受けにくい静電容量検出装置が構成できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−80952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の静電容量検出装置では、検知電極とは別にノイズ検出電極を用意する必要があり、また、ノイズの受け易さについても、検知電極の近傍に配置する等により本来の検知電極と同じ特性を確保する必要があり、設計的な制約が大きいという問題があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、ノイズ検出用の電極を別途設けることなく、ノイズの有無を検出できる静電容量検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]上記目的を達成するため、静電容量を形成する検出電極と、前記検出電極に電流を供給する電流供給部と、前記電流供給部から前記検出電極へ電流を供給する条件を異なる条件に変化させ、それぞれの異なる条件での前記検出電極の出力値に基づいて前記検出電極上での電磁ノイズの有無を判断する制御を行なう制御部と、を有することを特徴とする静電容量検出装置を提供する。
【0008】
[2]前記制御部は、前記異なる条件での前記検出電極の出力値をそれぞれ比較する比較部を有し、前記比較部における閾値を前記それぞれの比較において変化させることを特徴とする上記[1]に記載の静電容量検出装置であってもよい。
【0009】
[3]また、前記制御部は、前記比較部において前記閾値に達するまでの時間を計測し、その計測された時間を比較することにより電磁ノイズの有無の前記判断を行なうことを特徴とする上記[2]に記載の静電容量検出装置であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ノイズ検出用の電極を別途設けることなく、ノイズの有無を検出できる静電容量検出装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る静電容量検出装置を示す回路構成図である。
【図2】図2は、検出電極の時間tと電極電圧VELの関係を示す図であり、図2(a)は、比較器において閾値Vthに達するまでの時間Tcを示す図であり、図2(b)は、比較器において閾値Vth/2に達するまでの時間Tc/2を示す図である。
【図3】図3は、図2において、検出電極に電磁ノイズが加わった場合の信号波形を示す図であり、図3(a)は、コンパレータ(比較器において閾値Vthに達するまでの時間を示す図であり、図3(b)は、コンパレータにおいて閾値Vth/2に達するまでの時間を示す図である。
【図4】図4(a)は、電磁ノイズの有無の判断をする場合の検出電極の電極電圧VELの波形図であり、図4(b)は、検出電極の放電を行なうタイミングのための基準信号(クロック)Vの波形図であり、図4(c)は、計測開始の基準信号(クロック)Vの波形図であり、図4(d)は、コンパレータの出力Vcの波形図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に係る静電容量検出装置の制御部の判断フローの一例を示すフローチャートである。
【図6】図6(a)は、検出電極にタッチ操作した場合において、電磁ノイズの有無の判断をする場合の検出電極の電極電圧VELの波形図であり、図6(b)は、検出電極の放電を行なうタイミングのための基準信号(クロック)Vの波形図であり、図6(c)は、計測開始の基準信号(クロック)Vの波形図であり、図6(d)は、コンパレータの出力Vcの波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(静電容量検出装置10の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る静電容量検出装置を示す回路構成図である。本発明の実施の形態に係る静電容量検出装置10は、静電容量を形成する検出電極100と、検出電極100に電流を供給する電流供給部110と、電流供給部110から検出電極100へ電流を供給する条件を異なる条件に変化させ、それぞれの異なる条件での検出電極100の出力値に基づいて検出電極100上での電磁ノイズの有無を判断する制御を行なう制御部200と、を有して構成されている。この静電容量検出装置10は、別途、ノイズ検出部を設けることなく、静電容量を検出するための検出電極100のみを有し、この検出電極100において静電容量の検出とノイズの有無の検出が可能なものである。
【0013】
ここで、電磁ノイズの有無とは、周辺環境の影響により検出電極100に電磁ノイズが加わった状態か否かである。また、電磁ノイズが有る状態とは、この検出電極100の容量検出の測定において、静電容量値の測定精度が低下して誤動作等の影響が生じる程度の状態である。
【0014】
検出電極100は、導電性の板状部材が対向して配置されて構成され、一方の電極はグランドレベルに接続され、他の電極はコンパレータOP1の入力端子、放電と充電を切り替え制御するためのスイッチ素子SW1、及び、充電のための電流供給部110に接続されている。ここで、電荷がゼロの検出電極100へ定電流ICHを供給して充電し、設定電圧Vthに達するまでの時間Tcを計測すると、検出電極100の静電容量Cは、C=ICH×Tc/Vth で算出される。
【0015】
制御部200は、図1に示すように、検出電極100へ定電流ICHを供給する電流供給部110、検出電極100に蓄積されている電荷を放電させるためのスイッチ素子SW1、検出電極100の電極電圧VELを設定電圧(閾値)Vthと比較して出力するコンパレータ(比較器)OP1、コンパレータOP1の出力のLoレベルの時間を計測するためのタイマ(タイマカウンタ)TM1、スイッチ素子SW1の制御を行ない、また、タイマTM1の出力から各種演算を行ない検出電極100に電磁ノイズが印加されたかどうかを判断するマイコンM1、等を有して構成されている。
【0016】
タイマ(タイマカウンタ)TM1は、検出電極100への充電開始時から検出電極100の電極電圧VELがコンパレータOP1の設定電圧(閾値)に達するまでの時間を計測するものである。本実施の形態では、マイコンM1に内蔵されたタイマを使用するが、外部に設けられるタイマを使用する構成であってもよい。
【0017】
コンパレータOP1は、検出電極100の電極電圧VELと設定電圧(閾値)を比較して反転するコンパレータ出力Vcを出力し、タイマTM1の入力部に接続されている。コンパレータOP1の設定電圧(閾値)は、マイコンM1により適宜Vth、Vth/2等に変更されて設定される。
【0018】
尚、図示は省略するが、電流供給部110には、検出電極100への充電時のみ検出電極100に接続される切替部が設けられている。また、電流供給部110は、定電流源以外であっても、所定の時間に所定の電荷を検出電極100に供給できるものであればよい。
【0019】
図2は、検出電極の時間tと電極電圧VELの関係を示す図であり、図2(a)は、比較器において閾値Vthに達するまでの時間Tcを示す図であり、図2(b)は、比較器において閾値Vth/2に達するまでの時間Tc/2を示す図である。また、図3は、図2において、検出電極に電磁ノイズが加わった場合の信号波形を示す図であり、図3(a)は、コンパレータOP1において閾値Vthに達するまでの時間を示す図であり、図3(b)は、コンパレータOP1において閾値Vth/2に達するまでの時間を示す図である。
【0020】
図2(a)において、検出電極100の放電後、時間t0において充電が開始され、検出電極100の電極電圧VELは、時間Tcで設定電圧Vthに達する。また、検出電極100への充電は、定電流ICHの供給により行なわれるので、図2(b)に示すように、設定電圧をVth/2にすると、時間Tc/2で設定電圧Vth/2に達する。
【0021】
一方、検出電極100に電磁ノイズが加わった状態においては、図3(a)、(b)に示すように、充電曲線に電磁ノイズが加わった波形となる。図3(a)において、コンパレータOP1での閾値Vthに達するまでの時間は、ノイズのピークが検出電極100の電極電圧VELを一時的に増大させるので、ノイズの無い状態よりも、ΔTNZだけ小さくなる。すなわち、ノイズが有る状態では、コンパレータOP1の出力が反転する時間がTc−ΔTNZとなる。また、図3(b)に示すように、設定電圧をVth/2にした場合、ノイズのピークによる電極電圧VELの増大は略同じであるので、図3(a)と同様に、コンパレータOP1での閾値Vth/2に達するまでの時間は、ノイズの無い状態よりも、ΔTNZだけ小さくなる。すなわち、ノイズが有る状態では、コンパレータOP1の出力が反転する時間がTc/2−ΔTNZとなる。
【0022】
検出電極100の静電容量値Cは、次のような式で算出される。ノイズが無い状態では、図2(a)、(b)から、
コンパレータOP1の設定された閾値がVthのときは、
静電容量値C=ICH×Tc/Vth
また、コンパレータOP1の設定された閾値がVth/2のときは、
静電容量値C=ICH×(Tc/2)/(Vth/2)
【0023】
従って、ノイズの無い状態では、いずれの算出結果においても、算出された静電容量値Cは一致する。
【0024】
一方、ノイズが有る状態では、図3(a)、(b)から、
コンパレータOP1の設定された閾値がVthのときは、
静電容量値C=ICH×(Tc−ΔTNZ)/Vth
また、コンパレータOP1の設定された閾値がVth/2のときは、
静電容量値C’=ICH×(Tc/2−ΔTNZ)/(Vth/2)
【0025】
従って、ノイズの有る状態では、両式により算出された結果は一致しない。これは、定電流源による検出電極100への充電は閾値の設定変更により変化するが、ノイズ成分は変化しないからである。
【0026】
(ノイズの有無を判断)
図4(a)は、電磁ノイズの有無の判断をする場合の検出電極の電極電圧VELの波形図であり、図4(b)は、検出電極の放電を行なうタイミングのための基準信号(クロック)Vの波形図であり、図4(c)は、計測開始の基準信号(クロック)Vの波形図であり、図4(d)は、コンパレータの出力Vcの波形図である。また、図5は、本発明の実施の形態に係る静電容量検出装置の制御部の判断フローの一例を示すフローチャートである。以下、このフローチャートで示すステップに従って、図4(a)〜(d)を参照して説明する。
【0027】
静電容量検出装置10のノイズ判定フローがスタートすると、まず、マイコンM1は、スイッチ素子SW1をオンさせて、検出電極100に蓄積されている電荷を放電させる(Step1)。すなわち、図4(b)で示す基準信号(クロック)V1の立ち上がりをトリガにして放電を開始する。このとき、定電流源である電流供給部110からの電荷供給はオフされている。
【0028】
マイコンM1は、スイッチ素子SW1のオンから所定時間tdが経過したかどうかを判断する。所定時間tdは、図4(c)に示す基準信号(クロック)V2であり、基準信号V1からtdだけ位相が遅延したものである。この所定時間tdは、検出電極100の充放電の時定数から設定されたもので、この時間だけ経過すれば検出電極100の電荷が略ゼロとなる。所定時間tdが経過したと判断されれば次のステップに進み、経過していないと判断された場合はStep1へ戻り放電を継続する(Step2)。
【0029】
マイコンM1は、スイッチ素子SW1をオフさせて、基準信号V2の立ち上がりをトリガとして、電流供給部110から定電流ICHを検出電極100に供給して充電を開始する(Step3)。
【0030】
マイコンM1は、コンパレータOP1の閾値電圧をVth に設定して、タイマTM1によりTcを計測する(Step4)。このTcは、基準信号(クロック)V2の立ち上がりから、図4(d)に示すコンパレータOP1の出力Vcがハイレベルになるまでの時間、すなわち、検出電極100への充電開始から図4(a)に示す電極電圧VELが閾値Vth に到達するまでの時間である。
【0031】
マイコンM1は、コンパレータOP1の出力Vcの立ち上がり(反転)を検出したかどうかを判断する。検出した場合は次のステップに進み、検出していないと判断された場合はStep3へ戻りタイマ計測を継続する(Step5)。
【0032】
マイコンM1は、スイッチ素子SW1をオンさせて、検出電極100に蓄積されている電荷を放電させる(Step6)。このステップはStep1と同様の動作である。すなわち、図4(b)で示す基準信号(クロック)V1の立ち上がりをトリガにして放電を開始する。このとき、定電流源である電流供給部110からの電荷供給はオフされている。
【0033】
マイコンM1は、スイッチ素子SW1のオンから所定時間tdが経過したかどうかを判断する(Step7)。このステップはStep2と同様の動作である。すなわち、所定時間tdは、図4(c)に示す基準信号(クロック)V2であり、基準信号V1からtdだけ位相が遅延したものである。この所定時間tdは、検出電極100の充放電の時定数から設定されたもので、この時間だけ経過すれば検出電極100の電荷が略ゼロとなる。所定時間tdが経過したと判断されれば次のステップに進み、経過していないと判断された場合はStep6へ戻り放電を継続する。
【0034】
マイコンM1は、スイッチ素子SW1をオフさせて、基準信号V2の立ち上がりをトリガとして、電流供給部110から定電流ICHを検出電極100に供給して充電を開始する(Step8)。このステップはStep3と同様の動作である。
【0035】
マイコンM1は、コンパレータOP1の閾値電圧をVth/2 に設定して、タイマTM1によりTc’を計測する(Step9)。このTc’は、基準信号(クロック)V2の立ち上がりから、図4(d)に示すコンパレータOP1の出力Vcがハイレベルになるまでの時間、すなわち、検出電極100への充電開始から図4(a)に示す電極電圧VELが閾値Vth/2 に到達するまでの時間である。このステップはStep4と閾値の設定値が異なる動作である。
【0036】
マイコンM1は、コンパレータOP1の出力Vcの立ち上がり(反転)を検出したかどうかを判断する。検出した場合は次のステップに進み、検出していないと判断された場合はStep8へ戻りタイマ計測を継続する(Step10)。このステップはStep5と同様の動作である。
【0037】
マイコンM1は、Step4で計測したTcと、Step9で計測したTc’とから、Tc=2Tc’であるか判断する(Step11)。前述のように、検出電極100にノイズがのっていない場合にはTc=2Tc’であり、ノイズがのっている場合にはTc≠2Tc’となる。
【0038】
Tc=2Tc’のときは、ノイズ無しの判定により、例えば、ノイズ判定信号SnをLo(ノイズなし)としてマイコンM1から出力し、Step1へ戻る(Step12)。
【0039】
Tc≠2Tc’のときは、ノイズ有りの判定により、例えば、ノイズ判定信号SnをHi(ノイズあり)としてマイコンM1から出力し、Step1へ戻る(Step13)。
【0040】
上記の一連のステップは繰り返し行なわれ、割り込みの中止信号が入力されるまで、ノイズの有無の判定が常時行なわれる。
【0041】
(検出電極100へのタッチ操作検出)
図6(a)は、検出電極にタッチ操作した場合において、電磁ノイズの有無の判断をする場合の検出電極の電極電圧VELの波形図であり、図6(b)は、検出電極の放電を行なうタイミングのための基準信号(クロック)Vの波形図であり、図6(c)は、計測開始の基準信号(クロック)Vの波形図であり、図6(d)は、コンパレータの出力Vcの波形図である。
【0042】
例えば、図6(a)において、時間t1において、検出電極100にタッチ操作が行なわれた場合を想定する。このとき、検出電極100の静電容量が人のタッチにより変化し、通常は静電容量が増加する。これにより、図6(a)に示すように、検出電極100への充電時間が長くなって、本来のTcからTc’’に変化する。この充電時間の変化をマイコンM1が検出することにより、検出電極100へのタッチ操作の有無を判断することができ、タッチ検出信号Stを生成できる。
【0043】
上記のタッチ操作の有無を判断する場合に、前述のStep1〜Step13で示したノイズの有無の判定は常時行なわれているので、ノイズが有ると判定された場合のタッチ操作有りの判定は無効とすることにより、精度の高いタッチ操作の有無判断を行なうことが可能となる。
【0044】
マイコンM1は、図1に示したように、上記説明した、算出された静電容量値C、C’、 電極電圧VELが閾値Vth、Vth/2 に到達するまでの時間Tc、Tc’、ノイズ判定信号Sn、及び、タッチ検出信号Stを外部に出力でき、種々の演算、制御等に利用することができる。
【0045】
(実施の形態の効果)
本発明の実施の形態に係る静電容量検出装置10によれば、次のような効果を有する。
(1)静電容量検出装置10は、コンパレータOP1での検出電極100の電極電圧VELとの比較において、設定閾値をVth、Vth/2等の異なる値に設定して、これらの複数の比較結果に基づいてノイズの有無の判断を行なう構成としている。従って、ノイズ検出のためだけに新たなハードウエア(ノイズ検出用電極等)を追加することなく、ノイズ検出を行なうことができる。
(2)検出電極100によりノイズ検出を行なうので、別途ノイズ検出用の電極を設けた場合等の、設置場所が異なることによるノイズの受け易さ等の条件が異なることがない。これにより、ノイズの受け易さ等の条件の調整等を行なう必要がなく、容易に精度よくノイズの有無の検出が可能となる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。例えば、コンパレータOP1の出力によりタイマ計測したTcとTc’の比較判定によらず、所定時間における電極電圧VELの積分値を比較する等の手段によってもノイズの有無の判定が可能である。また、本実施の形態では、コンパレータOP1での比較を閾値を2種類Vth、Vth/2に変化させて行なったが、3以上の閾値により複数での比較を行なうことにより、より精度の高いノイズ有無の検出も可能である。
【0047】
また、これら実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
10…静電容量検出装置
100…検出電極
110…電流供給部
200…制御部
M1…マイコン
OP1…コンパレータ
TM1…タイマ
SW1…スイッチ素子
C…静電容量
CH…定電流
Sn…ノイズ判定信号
St…タッチ検出信号
t、t0、t1…時間
Tc、Tc/2、td…時間
EL…電極電圧
Vth、Vth/2…閾値
V1、V2…基準信号
Vc…コンパレータ出力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量を形成する検出電極と、
前記検出電極に電流を供給する電流供給部と、
前記電流供給部から前記検出電極へ電流を供給する条件を異なる条件に変化させ、それぞれの異なる条件での前記検出電極の出力値に基づいて前記検出電極上での電磁ノイズの有無を判断する制御を行なう制御部と、
を有することを特徴とする静電容量検出装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記異なる条件での前記検出電極の出力値をそれぞれ比較する比較部を有し、前記比較部における閾値を前記それぞれの比較において変化させることを特徴とする請求項1に記載の静電容量検出装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記比較部において前記閾値に達するまでの時間を計測し、その計測された時間を比較することにより電磁ノイズの有無の前記判断を行なうことを特徴とする請求項2に記載の静電容量検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−198089(P2012−198089A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62044(P2011−62044)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】