説明

静電式粒子捕集システムのためのバラスト回路

本発明は、多電極コロナ放電アレイのためのバラスト回路およびそれを製造するための方法を提供する。この回路は、導電性プラスチック材料と導電性プラスチック材料から突き出ている少なくとも1つのコロナ電極とを備える。プラスチック材料とコロナ電極との間の距離は電気抵抗を変化させて制御し、回路の電圧絶縁破壊を決定する。さらに粒子捕集表面を備える。粒子捕集表面は、回路設計および構成に応じて、導電性プラスチック材料の内部に配置したり、あるいは電性プラスチック材料から離して配置することができる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2005年9月29日出願の米国仮特許出願第60/722,078号に基づく優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は一般に静電式粒子捕集システムに関し、より詳細には、静電式粒子捕集システムの多電極コロナ放電アレイのためのバラスト回路を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多電極コロナ放電アレイを使用する高効率で低電力の粒子捕集装置が存在する。粒子捕集のための多電極コロナ放電アレイの利点は、米国特許出願11/405,787(2006年4月18日出願、名称「System and Method for Spatially Selective Particulate Deposition And Enhanced Particulate Deposition Efficiency」)、米国特許出願10/386,252(2003年3月11日出願、名称「Corona Charging Device and Methods」)及び、米国特許第7,062,982B2(2003年6月24日出願、名称「Method And Apparatus for Concentrated Airborne Particle Collection」)に記述されている。
【0004】
多電極コロナ放電アレイの適切な動作に必要とされる主要な回路要素は、高電圧直流電源と各コロナ電極との間に電気的に直列に接続される抵抗である。この抵抗はバラスト抵抗として知られている。バラスト抵抗の主たる機能は、プラズマが始動される時、及び定常状態で動作する間に任意の個々のコロナ電極を通る電流を制限することである。
【0005】
電気的放電が始動される時の電圧は、多電極システムの各コロナ電極に関して変化することが知られている。さらに、最初の電気的放電以降の空気の抵抗値は、放電を維持するために必要とされる電圧が最初の放電開始電圧より著しく低くなるように劇的に低下する。従って、これらの要因を考慮すると、全ての電力を単一のまたは少数の電極を通じてコロナ放電に供給することが可能である。結果として生じる不均一なプラズマは、多電極コロナ放電システムの第一の利点、すなわち粒子捕集領域内の電界および電荷濃度の均一性を無効にしてしまう。
【0006】
バラスト抵抗を各コロナ電極に対して設けることは、任意の1つのコロナ電極に供給される電力を制限することによってプラズマの不均一性の問題を解決する。1つの電極を通る電力は、より多くの電流がバラスト抵抗を通して電極に流れる時に電極電圧を低下させることによって制限される。バラスト効果は、他の電極が連続的なプラズマを始動させ維持する電圧レベルに電源電圧が調節するのを可能にする。
【0007】
このバラスト機能はいくつかの電気的要件をバラスト抵抗に課す。2つの主要な要件は抵抗の端子間の電圧絶縁破壊および抵抗値である。これらの要件は電極の形状およびプラズマ電力密度と共に変化する。静電式の放射状形状の粒子捕集器に使用されるバラスト抵抗の電圧絶縁破壊の値は、典型的には9kVである。この捕集器に使用されるバラスト抵抗のそれぞれについての抵抗値は2Gオームである。
【0008】
上記の特性を有する抵抗器は商業的に製造されている。しかし、その絶縁破壊および抵抗の値は、通常、ほとんどの電気的用途において需要が多くない。その結果、これらの抵抗器は、通常、より低い電圧でより低い値の抵抗器よりはるかに高価である。一例として、表面実装パッケージの50V、100kオーム抵抗は通常0.01ドル(1円)未満で購入することができる。放射状捕集器に使用される10kV、1Gオーム抵抗器は、少量の場合には約1ドル(100円)を要する。大部分の商業用および工業用粒子捕集用途のためには、必要とされる電極数は通常30より多く500未満である。108個の1Gオーム、10kV抵抗器と等価な物を作るのに必要とされるプラスチック材料のコストは約0.50ドル(50円)であり、コストにおいて216倍の改善をもたらす。
【特許文献1】米国特許出願11/405,787(2006年4月18日出願、名称「System and Method for Spatially Selective Particulate Deposition And Enhanced Particulate Deposition Efficiency」)
【特許文献2】米国特許出願10/386,252(2003年3月11日出願、名称「Corona Charging Device and Methods」)
【特許文献3】米国特許第7,062,982B2(2003年6月24日出願、名称「Method And Apparatus for Concentrated Airborne Particle Collection」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、多コロナ放電アレイの抵抗バラスト作用を提供する高度に効率が良く幾何学的にフレキシブルでコスト効果の高い材料に対するニーズが当技術分野に依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、静電式粒子捕集システムのためのバラスト回路およびそれを製造するための方法を提供する。この回路は、第1端が電源に接続されるような第1端および第2端を有する導電性プラスチック材料を備える。また、この回路は、導電性プラスチック材料の第2端から突き出ている少なくとも1つのコロナ電極も備える。
【0011】
1つの実施形態において、静電式粒子捕集システムのための放射状構成のバラスト回路は、その外面が電源に接続されるような、内面と外面とを有する導電性プラスチック材料を備える。また、この回路は、導電性プラスチック材料の内面から突き出ている少なくとも1つのコロナ電極も備え、導電性プラスチック材料の内面とコロナ電極との間の距離が電気抵抗を変化させ回路の電圧絶縁破壊を決定する。
【0012】
他の実施形態において、静電式粒子捕集システムのための平面的構成のバラスト回路が、その頂面が電源に接続されるような頂面と底面とを有する導電性プラスチック材料を備える。また、この回路は、導電性プラスチック材料の底面から突き出ている少なくとも1つのコロナ電極も備え、導電性プラスチック材料の頂面とコロナ電極との間の距離が電気抵抗を変化させ回路の電圧絶縁破壊を決定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下により詳細に説明するように、導電性プラスチック材料は、多電極コロナ放電アレイの抵抗性バラスト作用のための要件を満たすことが示されている。代表的なバラスト抵抗の電気的要件は、10オーム以上の抵抗値および端子の両端間での10kV以上の電圧絶縁破壊であり、導電性プラスチックは、この用途のための使用を可能にする材料特性のユニークな組合せを有する。この材料を使用すれば、多数の(すなわち、10個を越す電極)放電要素が必要とされる多電極コロナ放電アレイを製造するためのコストがかなり削減される。
【0014】
さらに、導電性プラスチックを多電極バラスト回路の抵抗素子として使用すると、粒子捕集形態の変化に対応するために使用され得る回路設計と形態が非常に多くなる。円筒状および平面的構成のための多電極バラスト回路に関して、図1A、1Bならびに図2Aおよび2Bを用いて、以下に説明する。
【0015】
図1Aに、本発明の1つの実施例による静電式粒子捕集バラスト装置100を説明する概略図を示す。本図は、装置100の放射状構成の概略を示すものであるが、この装置は他の幾何学的構成でも構築され得ることに留意されたい。装置100は、好ましくはポリカーボネートまたは類似の機械的等級のプラスチック材料から成る本体102を有し、本体102上には多電極バラスト回路104が配置される。回路104は、装置本体102を部分的に取り囲む抵抗素子として、導電性プラスチック106を有する。回路104は、図1Aに示すように、導電性プラスチック106から突き出たコロナ電極108から成るコロナ・アレイをさらに含む。また、好ましくは、円柱状の形状を有し導電性材料で作られコロナ電極108に関して同心的に配置された捕集表面110も含む。捕集表面110はコロナ電極108に対して向かい合って配置される。捕集表面110は、コロナ電極108からの電気的コロナ放電を始動させ維持するための領域を提供する。装置100の頂部の矢印111は、装置を通過する粒子を含んだ空気の流れの方向を示す。さらに、水分を捕集柱110の中央部にくみ上げるヒドロゾル抽出ユニット112が示され、次いでこの水分は捕集柱110から分かれて流れ図1Aに示されるように捕集されたエアロゾル微粒子を矢印114のように排出させる。また、装置を通して周囲の空気を吸込むために使用されるファン116も示される。図1Aに示されるように、高電圧電源(図示せず)への接続が、導電性プラスチック106の表面に取り付けられた導電性テープまたは薄い金属の細片などの導電性リング118に接続されたワイヤ(図示せず)によって、導電性プラスチック材料106に対して成される。
【0016】
図1Bは、図1Aのコロナ電極108を切断して得られる装置100のバラスト回路104の断面概略図である。このバラスト回路104は、放射状形状であるように構成されていることに留意されたい。従って、このバラスト回路104は放射状の粒子捕集器構成に使用すると好都合である。図1Bに示すように、導電性プラスチック106は、内面106aと外面106bとを有するドーナツ形状である。導電性プラスチック106の材料は、好ましくは、アセチル、ポリカーボネートまたはポリスチレンである。また、4つのコロナ電極108は、導電性プラスチックの内面から突き出た状態で導電性プラスチック106内に埋め込まれ、または堅固に収納されている。図には4つの電極だけを例示するが、4個より多いまたは4個未満の電極を導電性プラスチックの中に収納しても良い。この放射状構成における電極108は、導電性プラスチック材料106から等しく離隔されている。図1Bに示すように、粒子捕集柱110は、導電性プラスチック106の内部に堅固に据えられる。捕集柱110は、コロナ電極108に関して同心的に配置された導電性材料である。捕集柱110は、接地電圧付近の電圧に電気接続され、その表面とコロナ電極の先端との間に電界を形成するために使用される。電界は、電気的コロナ放電を始動させ維持するために必要とされる。また、柱電極は、その上に捕集された粒子が着床する表面も提供する。高電圧直流電源(図示せず)への接続は、図1Bに示すように、導電性プラスチック106の外面106aから高電圧導電性リング118を介して行なうと好都合である。この接続は安全な電気的動作を与えるために絶縁性接続であることが好ましいことに留意されたい。
【0017】
上述したように、この図にはただ4個の電極を示すが、通常、コロナ電極の数は4個よりはるかに多い。典型的な設計ルールでは、約0.1インチ(2.54mm)のコロナ電極間最小間隔が許される。さらに、また、この図には単一段のコロナ電極を示すが、粒子捕集のいくつかの用途のためには、複数段のコロナ電極を使用すると好都合である。
【0018】
図1Bの構成のための主要な設計パラメータは、導電性プラスチック106の外面106aからプラスチック106の内部に埋め込まれるコロナ電極108表面までの距離である。この距離により、コロナ電極108の導電性プラスチック材料106内部への侵入深度が定まる。侵入深度が大きくなればなるほど、バラスト/電気抵抗の値が低くなる。距離は約0.01インチ(0.254mm)から約0.5インチ(12.7mm)の範囲であり、通常は0.1インチ(2.54mm)から0.5インチ(12.7mm)未満の範囲にすると好都合である。好ましくは、この距離はバラスト抵抗組立体104の製造中に制御される。この距離は、導電性プラスチック106の外面106aと各コロナ電極108との間の電気抵抗を変化させ、また装置100の電圧絶縁破壊も決定する。
【0019】
他の設計パラメータには、導電性プラスチックのバルク抵抗率、プラスチックへの電源接続の形状および方向、ならびに上述したように電源接続を絶縁するオプションが含まれる。バルク抵抗率は、好ましくは、通常10オーム・センチメートルから1010オーム・センチメートルの範囲である。導電性プラスチックのバルク抵抗率を変化させることによって、バルク抵抗値と電圧絶縁破壊とを制御することができる。同一の形態であれば、より高いバルク抵抗率はより高いバラスト抵抗率を生じさせる。また、より高いバルク抵抗率は、材料の両端間により高い絶縁破壊電圧も生じさせる。これは、大部分の材料が電圧の非線形関数である絶縁破壊電圧を有するという事実に起因する。すなわち、材料の両端間の電圧がその材料の絶縁破壊電圧を越えて高くなると、この装置を通過する電流は、電圧の小さな変化に対して著しく増加する(例、ダイオード)。この用途に適用可能なバルク抵抗率の範囲内にある導電性プラスチックは、主として、少量の導電性ドープ材料を含む純プラスチックである。アセチル、ポリカーボネートおよびポリスチレンなどの純プラスチックは高い絶縁破壊電圧を有する。この特性は、導電性ドーパントが純プラスチックに加えられた時には著しく低下する。従って、より高いバルク抵抗率材料は、より高い絶縁破壊電圧特性を有する傾向がある。また、導電性プラスチックの内部への電源接触/接続の侵入深度を変えることによっても、バルク抵抗値を変える(制御する)ことができる。電源接続の侵入深度は電源接続から導電性プラスチックまでの距離であり、通常は0.1インチ(2.54mm)より大きく0.5インチ(12.7mm)未満にすると好都合である。上述のように、侵入深度を大きくすればするほど、バラスト抵抗が小さくなる。さらに、電源接続を様々な形状および方向にパターン化すると、バラスト回路のバルク抵抗値を都合よく制御することができる。例えば、プラスチック材料の周辺部に沿った複数の地点で接続すること、または、侵入接続距離ならびに接続面の幅および/または長さを変えると、バルク抵抗率を増加または減少させることができる。
【0020】
図2Aに、本発明の別の実施例による静電式粒子捕集バラスト装置100を説明する概略図を示す。この図は、装置100の平面的構成の概略を示すものであるが、この装置は他の幾何学的構成でも構築できることに留意されたい。装置100は、好ましくはポリカーボネートまたは類似の機械的等級のプラスチック材料から成る本体102を有し、装置本体102の内側には多電極バラスト回路104が配置される。回路104は、図2Aに示すように、抵抗素子として導電性プラスチック106を有しており、導電性プラスチック106からはコロナ電極108のコロナ・アレイが突き出ている。また、捕集表面110も含まれる。捕集表面110は、平坦な表面を有する平面であり、導電性材料で形成し、図示するように導電性プラスチック106から隔てて配置すると好都合である。図2Aに示すように、捕集プレート110は、導電性プラスチック106の向かい側に、好ましくはコロナ電極108に向かい合って配置される。この実施例では、プレート110を導電性プラスチック106およびコロナ電極108に対して位置付けまたは支持する別個の構成(図示せず)が存在する。捕集表面110は、コロナ電極108からの電気的コロナ放電を始動させ維持する領域を提供する。また、本図には平板導体(例えば、導電性テープまたは薄い金属細片118)も示す。平板胴体は、高電圧ワイヤー(図示せず)を介して電源(図示せず)への接続を行うために、図のように導電性プラスチック106を覆う。
【0021】
図2Bに、図2Aのコロナ電極108を切断して得られる装置100のバラスト回路104の断面概略を示す。バラスト回路104は平面状形状であるように構成されていることに留意されたい。従って、このバラスト回路104は平面的粒子捕集器構成に使用すると好都合である。図2Bに示すように、導電性プラスチック106も、頂面106cと底面106dとを有する平面形状にすると好都合である。さらに、21個のコロナ電極108を、導電性プラスチック106の底面106dから突き出た状態で示す。21個の電極を例示するが、21個の電極よりも多いまたはそれ未満の電極を導電性プラスチックの中に収納しても良い。この平面的構成における電極108は互いに等間隔に隔てられている。図2Bにおいて、粒子捕集プレート110は好ましくは平面形状であって、導電性プラスチック106から隔てられている。高電圧直流電源への接続を、図2Bに示す高電圧導電性テープ/細片118を介して導電性プラスチック106の頂面106cを通じて行なうと好都合である。この接続は安全な電気的動作を与えるために絶縁性接続であることが好ましいことに留意されたい。
【0022】
上述したように、この図は単に21個のコロナ電極を示すが、通常、コロナ電極の数はこれよりはるかに多い。典型的な設計ルールでは、約0.1インチ(2.54mm)のコロナ電極最小間隔が許される。さらに、この図は単一段のコロナ電極を示すが、複数段のコロナ電極を粒子捕集のいくつかの用途のために使用しても良い。
【0023】
この構成についての主要な設計パラメータは、導電性プラスチック106の頂面106cからプラスチックの内部に埋め込まれるコロナ電極108表面までの距離である。図1Bに関連して説明した放射状構成と同様に、図2Bの平面的構成におけるこの距離により、コロナ電極108の導電性プラスチック材料106内部への侵入深度が定まる。侵入深度が大きくなればなるほど、バラスト/電気的抵抗の値が低くなる。この距離は、約0.01インチ(0.254mm)から約0.5インチ(12.7mm)の範囲であり、典型的には0.1インチ(2.54mm)より大きく0.5インチ(12.7mm)未満の範囲にすると好都合である。この距離は、バラスト回路組立体104の構築中に制御される。この距離は、導電性プラスチック106の外面106cと各コロナ電極108との間の電気抵抗を変化させ、従って、装置100の電圧絶縁破壊を決定する。
【0024】
他の設計パラメータには、プラスチックのバルク抵抗率、プラスチックへの電源接続の形状および方向、ならびに上述したように電源接続を絶縁するオプションが含まれる。図1Aの放射状構成に関して上述したように、図2Bの平面的構成に関するバルク抵抗率は、好ましくは、通常10オーム・センチメートルから1010オーム・センチメートルの範囲である。導電性プラスチックのバルク抵抗率を変化させることによって、バルク抵抗と電圧絶縁破壊とを制御することができる。
【0025】
本発明はバラスト回路の放射状構成および平面状構成だけを説明しているが、静電式粒子捕集装置により必要とされる制約条件を保持するならば、粒子捕集形態の変化に適合するために他の幾何学的構成も利用できることに留意されたい。本明細書では、本発明の概念を組み込んだ様々な実施例を詳細に記述しているが、当業者にあっては本発明の精神および範囲から逸脱することなく、これらの概念を組み入れた多くの変形例を容易に考案することが可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1A】本発明の実施形態による静電式粒子捕集装置を示す概略図である。
【図1B】本発明の一実施形態による図1Aの回路の断面を示す概略図である。
【図2A】本発明の他の実施形態による静電式粒子捕集装置を示す概略図である。
【図2B】本発明の他の実施形態による図2Aの回路の断面を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電式粒子捕集システムのためのバラスト回路であって、
第1端および第2端を有し、第1端が電源に接続される導電性プラスチック材料と、
導電性プラスチック材料の第2端から突き出ている少なくとも1つのコロナ電極とを備えることを特徴とするバラスト回路。
【請求項2】
コロナ電極に向かい合って設置される粒子捕集表面をさらに備える請求項1に記載のバラスト回路。
【請求項3】
粒子捕集表面はコロナ電極に関して同心的に配置される請求項2に記載のバラスト回路。
【請求項4】
粒子捕集表面はプラスチック材料から離して配置される請求項2に記載のバラスト回路。
【請求項5】
粒子捕集表面は導電性材料を含む請求項2に記載のバラスト回路。
【請求項6】
電源への接続を行うために導電性プラスチック材料の第1端に結合される導電性金属をさらに備える請求項1に記載のバラスト回路。
【請求項7】
導電性プラスチック材料とコロナ電極との距離は、約0.01インチ(0.254mm)から約0.5インチ(12.7mm)の範囲である請求項1に記載のバラスト回路。
【請求項8】
導電性プラスチック材料のバルク抵抗率は、約10オーム・センチメートルから約1010オーム・センチメートルの範囲である請求項1に記載のバラスト回路。
【請求項9】
静電式粒子捕集システムのための放射形状のバラスト回路であって、
内面および外面を有し、外面が電源に接続される導電性プラスチック材料と、
導電性プラスチック材料の内面から突き出ている少なくとも1つのコロナ電極とを備え、
導電性プラスチック材料の内面とコロナ電極との距離により、電気抵抗が変化し、バラスト回路の電圧絶縁破壊が決定されることを特徴とするバラスト回路。
【請求項10】
コロナ電極に関して同心的に配置された粒子捕集表面をさらに備える請求項9に記載のバラスト回路。
【請求項11】
導電性プラスチック材料の外面を囲む導電性金属をさらに備え、前記金属により電源への接続が行なわれる請求項9に記載のバラスト回路。
【請求項12】
静電式粒子捕集のための平面形状のバラスト回路であって、
頂面および底面を有し、頂面が電源に接続される導電性プラスチック材料と、
導電性プラスチック材料の底面から突き出ている少なくとも1つのコロナ電極とを備え、
導電性プラスチック材料の頂面とコロナ電極との距離により、電気抵抗が変化し、バラスト回路の電圧絶縁破壊が決定されることを特徴とするバラスト回路。
【請求項13】
コロナ電極に向かい合って配置される粒子捕集プレートをさらに備え、粒子捕集プレートは導電性プラスチック材料から離して配置される請求項12に記載のバラスト回路。
【請求項14】
導電性プラスチック材料の頂面に結合された導電性金属をさらに備え、前記金属により電源への接続が行なわれる請求項12に記載のバラスト回路。
【請求項15】
静電式粒子捕集のための多電極コロナ放電アレイのためのバラスト回路を製造する方法であって、
第1端および第2端を有し、第2端が電源に接続される導電性プラスチック材料を形成する工程と、
少なくとも1つのコロナ電極を導電性プラスチック材料の第1端の内部に埋め込む工程とを含むことを特徴とするバラスト回路製造方法。
【請求項16】
粒子捕集表面をコロナ電極に向かい合わせて配置する工程をさらに含む請求項15に記載のバラスト回路製造方法。
【請求項17】
粒子捕集表面はコロナ電極に関して同心的に配置される請求項16に記載のバラスト回路製造方法。
【請求項18】
粒子捕集表面はプラスチック材料から離して配置される請求項16に記載のバラスト回路製造方法。
【請求項19】
コロナ電極の侵入深度を変化させる工程をさらに含み、侵入深度はコロナ電極と導電性プラスチック材料の第1端との距離により決定される請求項15に記載のバラスト回路製造方法。
【請求項20】
導電性プラスチック材料の抵抗率を変化させる工程さらに含み、抵抗率は導電性プラスチック材料中の導電性ドーパントの量により決定される請求項15に記載のバラスト回路製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【公表番号】特表2009−509755(P2009−509755A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533752(P2008−533752)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/038445
【国際公開番号】WO2007/038778
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(599134012)サーノフ コーポレーション (59)
【Fターム(参考)】