説明

静電気発生器の検査装置

【課題】本発明は、電磁干渉を効果的に抑えることができる静電気発生器の検査装置を提供する。
【解決手段】待機中の静電気発生器の性能を検査する静電気発生器の検査装置において、開口を有する収容部が設けられた本体と、前記本体の一つの側面に設けられ、前記収容部に嵌め合わせられて、外部の高電磁シールド部材の干渉を抑制させる検査環境を形成させる蓋板とを有するシールド部材と、前記収容部に設けられ、前記電波受信部材と連接し、待機中の前記静電気発生器を通して送られてきた前記電波受信部材が受信した静電気信号の波形に対して検査または分析し、前記静電気発生器が基準を満たしているかどうかを判定するオシロスコープと、前記本体に設けられ、待機中の前記静電気発生器と前記オシロスコープに連接される電波受信部材と、を備えることを特徴とする静電気発生器の検査装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電気発生器の検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、静電気発生器の製造後には、前記静電気発生器の電圧または電流特性に対する検査を行って、前記静電気発生器が基準を満たすかどうかを判定する。この検査の過程において、外部からの電磁輻射が、前記検査を干渉しないようにしなければならない。しかし、従来の静電気発生器の検査装置では、この電磁干渉を効果的に抑えることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、電磁干渉を効果的に抑えることができる静電気発生器の検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するために、本発明に係る静電気発生器の検査装置は、待機中の静電気発生器に対してその性能の検査を行い、前記静電気発生器の検査装置は、開口を有する収容部が設けられた本体と、前記本体の一つの側面に設けられ、前記収容部に嵌め合わせられて、外部の高電磁シールドの干渉を抑制した検査環境を形成する蓋板と、を有するシールド部材と、前記本体に設けられ、待機中の静電気発生器とオシロスコープとを連接する電波受信部材と、前記収容部に設けられ、前記電波受信部材と連接し、待機中の前記静電気発生器を通して送られてきた前記電波受信部材が受信した前記静電気信号の波形に対して検査または分析をして、前記静電気発生器が基準を満たしているかどうかを判定するオシロスコープと、を備える。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る静電気発生器の検査装置において、前記シールド部材によって、待機中の前記オシロスコープ及び静電気発生器は隔てられているため、待機中の前記静電気発生器の電磁輻射は前記オシロスコープの検査に干渉せず、且つ待機中の前記静電気発生器の性能を正確に検査することができる。また、前記静電気発生器の検査装置には、使用者が前記オシロスコープを確認または操作できるように、観察窓が設置されている。従って、容易に観察及び操作ができ、非常に便利である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態に係る静電気発生器の検査装置の斜視図である。
【図2】図1に示した本発明の実施形態に係る静電気発生器の検査装置を、別の視点から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面に基づいて、本発明に係る静電気発生器の検査装置について詳細に説明する。
【0008】
図1〜図2に示したように、本発明に係る静電気発生器の検査装置100は、シールド部材10と、電波受信部材20及びオシロスコープ30と、本体11及び蓋板12とを備える。前記本体11は、金属などの高導電率を有する材料から製造されているため、シールド部材10における電磁シールドの性能を高めることができる。
【0009】
また、前記本体11は、側壁111及び周壁112を備える。前記側壁111は、矩形の板状であり、且つその周辺に前記周壁112が設けられており、前記側壁111と前記周壁112とは直交する。これにより、前記側壁111及び周壁112内には、その一方が開口した収容部113が形成される。また、前記収容部113には、オシロスコープ30、及び前記オシロスコープ30を支持するための支持板114が設けられる。前記支持板114は矩形の板状であり、その両端は、前記収容部113の相対する二つの側面にそれぞれ固定される。前記周壁112には、接続口115が穿設され、前記接続口115を通して、前記静電気発生器の検査装置100は外部電源に接続される。また、一つの前記側壁111の外縁には、溝116が設けられる。
【0010】
前記蓋板12は、矩形の板状であり、ステンレス鋼から製造され、その形状及び構造が前記本体11と合致する。前記蓋板12の一端は、開閉可能に周壁112に取り付けられる。前記蓋板12の収容部113に対向する一つの側面には、前記溝116と嵌め合わせられる嵌合部121が設けられる。前記嵌合部121は、電磁吸収シートなどの電磁波シールド材から製造され、その形状は概ね階段状である。前記蓋板12を前記本体11に取り付ける際は、前記嵌合部121を前記溝116に嵌入させて、前記蓋板12と前記本体11との間の間隙を密封する。これにより、前記収容部113内に、完全に密封された検査環境が作られ、高電磁シールドがこの中で形成される。
【0011】
電波受信部材20は、前記蓋板12に対向する前記側壁111に装設され、待機中の前記静電気発生器と前記オシロスコープ30と、に連接される。
【0012】
前記オシロスコープ30は、前記支持板114上に装設された後、データ線(図示せず)を介して前記電波受信部材20と連接され、待機中の前記静電気発生器は、該電波受信部材20を介して、この前記受信部材20が受信した静電気信号を前記オシロスコープ30へと送信する。次いで前記オシロスコープ30は該受信した静電気信号を波形に変え、この波形によって検査または分析して静電気発生器が基準を満たすかどうかを判定する。
【0013】
また、前記静電気発生器の検査装置100は、パワーフィルター(図示せず)をも備える。前記パワーフィルターは、前記支持板114上に装設され、その一端が前記オシロスコープ30と接続され、別の一端は接続口115を介入して外部の電源と接続される。前記パワーフィルターは、外部の電源に対して濾過処理を行い、純粋な電源信号を前記オシロスコープ30に送る。これにより、外部の電源の前記オシロスコープ30に対する電源干渉を抑制することができる。
【0014】
一つの前記周壁112は、開口13が開設され、前記開口13の内側には、複数の前記銅線131が互いに交差することにより構成された銅線網が設置され、前記シールド部材10の電磁シールド性が高められる。本実施形態においては、一本の銅線131の直径は0.7mmであり、前記銅線網の一つの孔の直径は5mmである。また、使用者が、前記収容部113内に設置された前記オシロスコープ30を観察または操作できるように、透明な観察窓132が前記開口13内の前記銅線網の上面に嵌設されている。
【0015】
前記周壁112は、切欠口14及び支承板15をも備える。前記切欠口14は矩形状であり、且つ前記周壁112を貫通する。従って、マウス(図示せず)の線を、前記切欠口14に貫通させて、前記収容部113に装設された前記オシロスコープ30に接続させることができる。これにより、マウスを利用して、前記オシロスコープを操作することができる。また、前記周壁112の一つの側面には、マウスの操作が便利なように、前記支承板15が設置固定される。
【0016】
前記本体11の底面には、前記静電気発生器の検査装置100が移動できるように、複数のキャスター16が取り付けられている。
【0017】
前記蓋板12には、使用者が前記シールド部材10を容易に開閉できるように、取手122が設置されている。
【0018】
前記静電気発生器の検査装置100を利用する際、前記取手122を掴んで前記シールド部材10を開け、前記オシロスコープ30及びパワーフィルターを前記支持板114に装設する。次に、データ線を利用して、前記オシロスコープ30の検査針(図示せず)と前記電波受信部材20とを連接し、前記オシロスコープ30の電源接続口及び前記パワーフィルターをも連接させる。この際、必要に応じて、マウス線と前記オシロスコープ30と、も接続させる。次に、前記蓋板12を閉じて、前記嵌合部121を前記溝116に嵌入させ、前記蓋板12と前記本体11との間にある間隙を密封する。従って、高電磁シールド性の完全密封型の検査環境が形成される。前記パワーフィルターは、前記接続口115を介して外部の電源と連接される。次に、例えば静電エアスプレーガンが前記電波受信部材20に向けられ、該電波受信部材20に静電気信号が送信される。次いで、待機している前記静電気発生器は、この静電気信号を受信した前記電波受信部材20を介して、該静電気の信号を前記オシロスコープ30に送信する。その後前記オシロスコープ30は該静電気の信号を分析する。使用者は、前記観察窓132を利用して、前記オシロスコープ30によって検査された該静電気の信号の波形を観察し、マウスによって、対応する操作及び処理を行い、待機中の静電気発生器が基準を満たすかどうかを判定する。
【0019】
前記静電気発生器の検査装置100の、待機中の前記オシロスコープ30及び静電気発生器は、前記シールド部材10によって隔てられているため、待機中の静電気発生器の電磁輻射は、前記オシロスコープ30の検査に干渉しない。よって、待機中の静電気発生器の性能を正確に検査することができる。また、前記静電気発生器の検査装置100には、使用者が前記オシロスコープ30を確認または操作できるように、前記観察窓132が設置されている。従って、容易に観察及び操作ができ、非常に便利である。
【符号の説明】
【0020】
100 静電気発生器の検査装置
10 シールド部材
11 本体
111 側壁
112 周壁
113 収容部
114 支持板
115 接続口
116 溝
12 蓋板
121 嵌合部
122 取手
13 開口
131 銅線
132 観察窓
14 切欠口
15 支承板
16 キャスター
20 電波受信部材
30 オシロスコープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
待機中の静電気発生器の性能を検査する静電気発生器の検査装置において、
開口を有する収容部が設けられた本体と、前記本体の一つの側面に設けられ、前記収容部に嵌め合わせられて、外部の高電磁シールドを抑制した検査環境を形成する蓋板とを有するシールド部材と、
前記収容部に設けられ、電波受信部材と連接し、待機中の前記静電気発生器を通して送られてきた、前記電波受信部材が受信した静電気信号の波形を検査または分析して、前記静電気発生器が基準を満たしているかどうかを判定するオシロスコープと、
前記本体に設けられ、待機中の前記静電気発生器と前記オシロスコープとに連接される前記電波受信部材と、を備えることを特徴とする静電気発生器の検査装置。
【請求項2】
前記静電気発生器の検査装置は、前記収容部に装設されたパワーフィルターを備え、前記パワーフィルターの一端は外部の電源と接続され、別の一端は前記オシロスコープと接続されて、外部の電源に対して濾過処理を行い、純粋な電源信号を前記オシロスコープに送ることを特徴とする請求項1に記載の静電気発生器の検査装置。
【請求項3】
前記収容部内には支持板が設けられ、前記支持板の両端は、前記パワーフィルターと前記オシロスコープとを支持するために、前記収容部内の相対する二つの側壁にそれぞれ設置固定されることを特徴とする請求項2に記載の静電気発生器の検査装置。
【請求項4】
前記本体の底面には、前記静電気発生器の検査装置が移動できるように、複数のキャスターが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電気発生器の検査装置。
【請求項5】
前記本体の一つの外縁には溝が設けられ、前記蓋板の、前記収容部と対向する一つの側面には、前記溝に嵌め合わせられる嵌合部が設けられ、前記蓋板が前記本体に取り付けられる際、前記嵌合部が前記溝内面に嵌入されることによって、前記蓋板と前記本体との間にできる間隙が密封され、前記収容部内に完全に密封された検査環境が作られ、高電磁シールドの性能が形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電気発生器の検査装置。
【請求項6】
前記本体には開口が開設され、前記開口の内側には、複数の銅線が交差して構成された銅線網が設置されて前記シールド部材の電磁シールド性を高め、使用者が前記収容部内に設置された前記オシロスコープを観察または操作できるように、透明な観察窓が前記開口内の前記銅線網の上面に嵌設されることを特徴とする請求項1〜5に記載の静電気発生器の検査装置。
【請求項7】
前記本体に切欠口と支承板とが設けられ、マウスの線を前記切欠口に貫通させて、前記収容部に装設された前記オシロスコープ30に連接させ、マウスを利用して前記オシロスコープ30を操作し、前記支承板は、前記本体の一つの側面に設置固定されてマウスを支承し、マウスの操作を便利にすることを特徴とする請求項1〜6に記載の静電気発生器の検査装置。
【請求項8】
前記蓋板には取手が設置され、前記シールド部材10の開閉が容易であることを特徴とする請求項1〜7に記載の静電気発生器の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−15510(P2013−15510A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−99609(P2012−99609)
【出願日】平成24年4月25日(2012.4.25)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】