説明

静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法

【課題】高湿環境下における画像汚れが抑制された静電荷像現像剤を提供すること。
【解決手段】トナー母粒子と外添剤とからなるトナー及びキャリアを含有し、外添剤は、特定シリカ粒子、及び、特定有機粒子を含み、前記キャリアは、芯材と、前記芯材表面に導電性材料及び架橋性樹脂を含む被覆樹脂層とを有する樹脂被覆型キャリアであり、特定シリカ粒子の含有量w1及び特定有機粒子の含有量をw2が下記式(1)を満たし、
1.0≦w1/w2≦10.0 (1)
前記キャリアの粒径が22μm以上31μm以下の粒子が現像剤に占める割合wc(重量%)、及び、特定有機粒子が現像剤に占める割合w2’(重量%)が、下記式(2)を満たすことを特徴とする静電荷像現像剤、
2.0×10-4≦w2’/wc≦5.0×10-3 (2)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた画像形成装置として、従来のオフィスでの利用からオンデマンド印刷領域での利用が広がりを見せており、高画質、高信頼性の高速機が求められている。このように高速でプリントされたプリント物は、裁断、折り畳み、製本等の後処理工程を経て、最終的なアウトプットとなる。
【0003】
外添剤の設計については、各種の報告があり、特許文献1には、帯電性及び保存性を向上させるために、表面粗さRzが1.0以下の像担持体に適用される現像剤であって、着色剤、バインダー樹脂を含むトナー粒子と、シリカ粒子と、金属石鹸とを含有するトナーを含み、該金属石鹸に対するシリカ粒子の重量比が10ないし60倍である現像剤が開示されている。
また、特許文献2には、帯電量の安定化等を目的として、着色剤と、バインダー樹脂と、酸化チタンと、BET比表面積が50m2/g以下のシリカと、5μm以下の体積平均粒径を有する金属石鹸とを含有することを特徴とする現像剤が開示されている。
特許文献3には、画像濃度の低下等を抑制するために、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子に外添剤が添加されてなるトナーと、キャリアとを含有してなる二成分現像剤であって、前記外添剤が、トナー母粒子100重量部に対して、個数平均粒径が5〜20nmの疎水性シリカAを0.05〜2.0重量部、個数平均粒径が5〜40nmの疎水性チタニアを0.05〜2.0重量部、個数平均粒径が20nmを超えて、70nm以下の疎水性シリカBを1.0〜5.0重量部、重量平均粒径が30〜75nmのチタン酸ストロンチウムを0.1〜1.0重量部、及び体積中位粒径が1.5〜12μmのステアリン酸亜鉛を0.01〜0.1重量部を含有してなる二成分現像剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−107998号公報
【特許文献2】特開2001−51443号公報
【特許文献3】特開2010−44113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、高湿環境下における画像汚れが抑制された静電荷像現像剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記課題は、以下の<1>、<8>、<9>及び<11>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<7>、<10>及び<12>とともに以下に示す。
<1> トナー及びキャリアを含有し、前記トナーは、結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤、及び、離型剤を含有するトナー母粒子と、外添剤とからなり、前記外添剤は、シリカ粒子、及び、有機粒子を含有し、前記シリカ粒子は、アミノ基を含有するシランカップリング剤により表面処理され、かつ、個数平均一次粒径が5nm以上20nm以下であるシリカ粒子であり、前記有機粒子は、体積平均粒径が0.5μm以上15μm以下であり、かつ、示差走査熱量測定による吸熱ピークが80℃以上140℃以下である有機粒子であり、前記キャリアは、芯材と、前記芯材表面に導電性材料及び架橋性樹脂を含む被覆樹脂層とを有する樹脂被覆型キャリアであり、前記シリカ粒子のトナー母粒子100重量部に対する含有量をw1(重量部)、前記有機粒子のトナー母粒子100重量部に対する含有量をw2(重量部)としたとき、下記式(1)を満たし、
1.0≦w1/w2≦10.0 (1)
前記キャリアの粒径が22μm以上31μm以下の粒子が現像剤に占める割合をwc(重量%)、前記有機粒子が現像剤に占める割合をw2’(重量%)としたとき、下記式(2)を満たすことを特徴とする静電荷像現像剤、
2.0×10-4≦w2’/wc≦5.0×10-3 (2)
【0007】
<2> 前記結着樹脂が非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルを含有し、前記結晶性ポリエステルの示差走査熱量測定による吸熱ピークが60℃以上120℃以下である、<1>に記載の静電荷像現像剤、
<3> 前記有機粒子が脂肪酸金属塩、高級脂肪酸、及び、高級アルコールよりなる群から選択される少なくとも1種を含有する、<1>又は<2>に記載の静電荷像現像剤、
<4>前記樹脂被覆型キャリアがシリコーン樹脂によって被覆されている、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤、
<5> 前記キャリアの体積平均粒径が15μm以上60μm以下である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤、
<6> 前記トナーが正帯電性トナーである、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤、
<7> 光定着用である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤、
<8> 被転写体表面のトナー像に光を照射して定着する光定着手段を備えた画像形成装置に対して脱着され、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤を収納することを特徴とする現像剤カートリッジ、
<9> 像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を<1>〜<7>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体表面に転写する転写手段と、被転写体表面に転写された前記トナー像を光定着により定着する定着手段と、を少なくとも備えることを特徴とする画像形成装置、
<10> 前記現像手段が、周速が1,000mm/s以上である現像剤保持体を複数本備えている、<9>に記載の画像形成装置、
<11> 像保持体表面を帯電させる帯電工程、前記像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記トナー像を被転写体に転写する転写工程、及び転写された前記トナー像を光定着方式により前記被転写体に定着する定着工程、を含み、前記現像剤が<1>〜<7>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成方法、
<12> 前記現像剤を保持する現像剤保持体の周速が1,000mm/s以上である、<11>に記載の画像形成方法。
【発明の効果】
【0008】
上記<1>に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、高湿環境下における画像汚れが抑制された静電荷像現像剤が提供される。
上記<2>に記載の発明によれば、吸熱ピークが60℃未満又は120℃を超える結晶性ポリエステル樹脂を含有する場合に比して、高湿環境下における画像汚れがより抑制された静電荷像現像剤が提供される。
上記<3>に記載の発明によれば、特定の有機粒子を使用することにより、高湿環境下における画像汚れがより抑制された静電荷像現像剤が提供される。
上記<4>に記載の発明によれば、キャリアがシリコーン樹脂によって被覆されてない場合に比して、高湿環境下における画像汚れがより抑制された静電荷像現像剤が提供される。
上記<5>に記載の発明によれば、前記キャリアの体積平均粒径が15μm未満又は60μmを超える場合に比して、高湿環境下における画像汚れがより抑制された静電荷像現像剤が提供される。
上記<6>に記載の発明によれば、正帯電性トナーとして用いた場合に、高湿環境下における画像汚れがより抑制された静電荷像現像剤が提供される。
上記<7>に記載の発明によれば、画像汚れが発生しやすい光定着方式に用いた場合でも、高湿環境下における画像汚れが抑制された静電荷像現像剤が提供される。
上記<8>に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比して、高湿環境下における画像汚れが抑制された現像剤カートリッジが提供される。
上記<9>に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比して、高湿環境下における画像汚れが抑制された画像形成装置が提供される。
上記<10>に記載の発明によれば、画像汚れが発生しやすい、周速が1,000mm/s以上である現像剤保持体を備える場合であっても、高湿環境下における画像汚れが抑制された画像形成装置が提供される。
上記<11>に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比して、高湿環境下における画像汚れが抑制された画像形成方法が提供される。
前記<12>に記載の発明によれば、画像汚れが発生しやすい、現像保持体の周速が1,000m/s以上の場合であっても、高湿環境下における画像汚れが抑制された画像形成方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について詳細に説明する。
なお、本実施形態において、「A〜B」との記載は、AからBの間の範囲だけでなく、その両端であるA及びBも含む範囲を表す。例えば、「A〜B」が数値範囲であれば、数値の大小に応じて「A以上B以下」又は「B以上A以下」を表す。
【0011】
(静電荷像現像剤)
本実施形態の静電荷像現像剤(以下、単に「現像剤」ともいう。)は、トナー及びキャリアを含有し、前記トナーは、結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤、及び、離型剤を含有するトナー母粒子と、外添剤とからなり、前記外添剤は、シリカ粒子、及び、有機粒子を含有し、前記シリカ粒子は、アミノ基を含有するシランカップリング剤により表面処理され、かつ、個数平均一次粒径が5nm以上20nm以下であるシリカ粒子であり、前記有機粒子は、体積平均粒径が0.5μm以上15μm以下であり、かつ、示差走査熱量測定による吸熱ピークが80℃以上140℃以下である有機粒子であり、前記キャリアは、芯材と、前記芯材表面に導電性材料及び架橋性樹脂を含む被覆樹脂層とを有する樹脂被覆型キャリアであり、前記シリカ粒子のトナー母粒子100重量部に対する含有量をw1(重量部)、前記有機粒子のトナー母粒子100重量部に対する含有量をw2(重量部)としたとき、下記式(1)を満たし、
1.0≦w1/w2≦10.0 (1)
前記キャリアの粒径が22μm以上31μm以下の粒子が現像剤に占める割合をwc(重量%)、前記有機粒子が現像剤に占める割合をw2’(重量%)としたとき、下記式(2)を満たすことを特徴とする。
2.0×10-4≦w2’/wc≦5.0×10-3 (2)
本実施形態の静電荷像現像剤は、光定着用の現像剤として好適であり、特に、高速での画像形成を行う場合に好適に使用される。
【0012】
高速での定着方式としては、用紙詰まりが起こりにくい、オフセットが発生しにくい等の利点から光定着方式が好ましく用いられる。
従来、細線や文字などの画像を形成すると、画像形成後に、例えば、爪状のものなどで線の部分を擦った時に、画像が傷つき、汚れを発生する問題を生じることがあった。本発明者等は、特に高湿度下において、用紙の含水量が大きい場合に、このような画像汚れが顕著であり、更に、特に光定着方式の場合に画像汚れが顕著であることを見出した。
当該課題に関し、本発明者等が鋭意検討を行った結果、特定のシリカ粒子と特定の有機粒子とを添加することで、画像汚れの程度が変化し、更にキャリア粒子の表面性、粒度分布を考慮することにより、画像汚れが改善することを見出し、本発明を完成するに至った。
そのメカニズムについては必ずしも明確ではないものの、以下のような作用機構が推測される。なお、以下の説明は特に光定着方式を使用した場合について述べるが、他の定着方式を使用した場合について、同様の作用機構が推測される。
【0013】
まず、本実施形態の構成でないトナーを用いた場合、細線や文字などを光定着で画像形成をした場合には、特に非接触定着であり画像自体に圧力が加わらないために、トナー層によって用紙表面に凹凸が形成される。このときベタ画像に比べて、細線は画像を形成しているトナー数が少ないために画像自体が脆くなる傾向にある。更に、高湿下において用紙の水分量が多い場合には、定着時に用紙中の水分が蒸発することにより、定着性が弱くなり線画像と用紙とが剥がれやすい状態になるものと考えられる。このような場合、プリント画像を擦ると、画像の一部が破壊され、線の欠損や画像汚れとなって認識される。このような画像欠損、汚れは例えばトナー中に離型剤等を含有させたとしても、画像と用紙との接着性が不十分となるため、改善効果が十分ではない。
これに対し、本実施形態の現像剤を用いた場合には以下のような機構が働くと考えられる。すなわち、トナー中の有機粒子が現像剤中で撹拌されることにより、有機粒子の一部がキャリア表面に移行する。このときキャリア表面が架橋性樹脂を含む被覆樹脂層で被覆されていると、キャリアに付着したシリカ粒子がキャリア表面層に埋まり込むことを防止できるため、安定した形で有機粒子とキャリアとの間にシリカ粒子が存在する形態を実現することができる。これにより有機粒子がキャリア表面に強固に付着することを防止できる。更に、シリカ粒子によって表面を被覆された有機粒子がキャリア表面に弱く付着した状態で存在することが可能となる。
【0014】
このような現像剤を使用して線画像等を形成すると、シリカ粒子によって被覆された有機粒子の一部が現像、転写され、画像上及び画像周囲に存在するものと考えられる。このときトナー粒子と接触していない有機粒子については、光定着による定着がされないために、用紙に影響を与えずに、後の工程において自然に除去されると考えられる。一方トナー粒子と接触した有機粒子については、光定着によりトナー粒子が定着する際の熱により溶融し、画像表面のみを被覆する。このとき光定着では赤外線吸収剤が含まれるトナー粒子が先に溶融し、その後有機粒子が溶融するため、有機粒子によって画像と用紙の接着性が阻害されることはないと想定される。画像を被覆する有機粒子により、摩擦低減効果と画像保護の効果が得られるため、細線であっても外部からの擦りにより欠損することなく、画像汚れも引き起こさなくなるものと考えられる。
【0015】
<トナー>
本実施形態の静電荷像現像剤は、トナー及びキャリアを含有する。なお、本実施形態の静電荷像現像剤は、トナー及びキャリアからなることが好ましい。
前記トナーは、トナー母粒子と外添剤とからなり、前記トナー母粒子は、結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤、及び、離型剤を含有する。
以下、トナーを構成する外添剤及びトナー母粒子について更に詳述する。
【0016】
[外添剤]
本実施形態において、外添剤は、シリカ粒子及び有機粒子を含有する。前記シリカ粒子は、アミノ基を含有するシランカップリング剤により表面処理され、かつ、個数平均一次粒径が5nm以上20nm以下であるシリカ粒子であり、前記有機粒子は、体積平均粒径が0.5μm以上15μm以下であり、かつ、示差走査熱量測定による吸熱ピークが80℃以上140℃以下である有機粒子であり、前記シリカ粒子のトナー母粒子100重量部に対する含有量をw1(重量部)、前記有機粒子のトナー母粒子100重量部に対する含有量をw2(重量部)としたとき、下記式(1)を満たす。
1.0≦w1/w2≦10.0 (1)
【0017】
−シリカ粒子−
本実施形態において、外添剤として、アミノ基を含有するシランカップリング剤により表面処理され、個数平均一次粒径が5nm以上20nm以下であるシリカ粒子(以下、「特定シリカ粒子」ともいう。)を含有する。アミノ基を含有するシランカップリング剤により処理された特定シリカ粒子を用いることにより、有機粒子との付着性が良好に保たれ、更に有機粒子に良好な現像性が付与されると考えられる。また、前記特定シリカ粒子は、アミノ基を有することにより正帯電となるため、本実施形態のトナーは、正帯電性トナーとして好適に使用される。
前記特定シリカ粒子におけるアミノ基を有するシランカップリング剤は、シリカ粒子の表面に物理的に付着していても、化学的に結合していてもよいが、シリカ粒子の表面に化学的に結合していることが好ましい。
なお、本実施形態において、外添剤として上記の特定シリカ粒子を含有していればよく、その他のシリカ粒子の含有を除外するものではない。
【0018】
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、公知のものが用いられ、具体的には、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、シリカ粒子においては、アミノ基を有するシランカップリング剤による表面処理に加え、アミノ基を有しないシランカップリング剤、シリコーンオイル等の公知の処理剤による表面処理を併用してもよい。
【0019】
アミノ基を有しないシランカップリング剤としては、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、トリメチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等や、それらの一部の水素原子をフッ素原子に変えた、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシルトリエトキシシラン、3−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルトリエトキシシランなどのフッ素系シラン化合物等を挙げることができる。
【0020】
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、環状ジメチルシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等を用いることができる。
【0021】
特定シリカ粒子の個数平均一次粒径は5nm以上20nm以下である。個数平均一次粒径が5nm以上であると、キャリア表面の凹凸へのシリカ粒子の埋没が抑制され、有機粒子とキャリアとの付着が好適に制御され、画像欠損や画像汚れが抑制される。また、20nm以下であると、シリカ粒子と有機粒子との付着力に優れ、有機粒子とキャリアとの付着が好適に制御され、画像欠損や画像汚れの発生が抑制される。
特定シリカ粒子の個数平均一次粒径は、6〜18nmであることが好ましく、7〜16nmであることが更に好ましい。特定シリカ粒子の個数平均一次粒径が上記範囲内であると、画像欠損や画像汚れが更に抑制されるので好ましい。
【0022】
また、特定シリカ粒子のトナー母粒子100重量部に対する含有量をw1(重量部)としたとき、w1は0.1〜3.0重量部が好ましく、0.2〜2.5重量部がより好ましく、0.3〜2.0重量部が更に好ましい。w1が0.1重量部以上であると、トナーの流動性に優れ、良好な画質が得られる。また、3.0重量部以下であると、トナーの定着性を阻害しない。
【0023】
−有機粒子−
本実施形態において、外添剤として、体積平均粒径が0.5μm以上15μm以下であり、かつ、示差走査熱量測定による吸熱ピークが80℃以上140℃以下である有機粒子(以下、「特定有機粒子」ともいう。)を含有する。
特定有機粒子としては、示差走査熱量測定による吸熱ピークが80℃以上140℃以下である公知の有機粒子を用いることができるが、画像汚れを有効に低減させるためには、脂肪酸金属塩、高級脂肪酸、及び、高級アルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいることが好ましい。
具体的には、示差走査熱量測定による吸熱ピークが80℃以上140℃以下である脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ベヘン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、リシノール酸バリウム、ウンデシレン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛等が挙げられる。示差走査熱量測定による吸熱ピークが80℃以上140℃以下である高級脂肪酸としては、炭素数が概ね22以上の高級脂肪酸が挙げられる。示差走査熱量測定による吸熱ピークが80℃以上140℃以下である高級アルコールとしては、炭素数が概ね28以上の高級アルコールが挙げられる。
【0024】
特定有機粒子の示差走査熱量測定における吸熱ピークは、80℃以上140℃以下である。前記吸熱ピークが80℃以上であると、有機粒子が定着性を阻害することなく、画像汚れを抑制することができ、140℃以下であると、画像表面を十分被覆できるために画像汚れを抑制することができる。
特定有機粒子の示差走査熱量測定における吸熱ピークは、82〜138℃であることが好ましく、85〜135℃であることがより好ましく、85〜130℃であることが更に好ましい。吸熱ピークが上記範囲内であると、定着性を阻害することなく画像汚れが抑制されるため好ましい。
【0025】
本実施形態において、特定有機粒子の示差走査熱量計よる吸熱ピークの測定は、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計((株)島津製作所製:DSC−60A)を用い、室温(25℃)から150℃まで昇温速度10℃/分の条件下で実施した。
【0026】
特定有機粒子の体積平均粒径は、0.5μm以上15μm以下である。0.5μm以上であると、トナー粒子との付着力が適切な範囲となり、トナー/用紙間の特定有機粒子の存在が抑制され、定着性を阻害しないため画像欠損が抑制されるので好ましい。また、15μm以下であると、特定有機粒子とキャリア粒子の付着が適度に生じ、有効に画像を被覆することにより画像汚れが抑制されるので好ましい。
特定有機粒子の体積平均粒径は、0.6〜12μmであることが好ましく、0.8〜11μmであることがより好ましく、1〜10μmであることが更に好ましい。特定有機粒子の体積平均粒径が上記範囲内であると、定着性を阻害することなく画像汚れが抑制されるため好ましい。
【0027】
また、特定有機粒子のトナー母粒子100重量部に対する含有量をw2(重量部)としたとき、w2は0.1〜1.2重量部であることが好ましい。0.1重量部以上であると、画像を保護するために有効な量となり、画像欠損や画像汚れが抑制されるので好ましい。また、1.2重量部以下であると、キャリア表面に存在する有機粒子の量が適切であり、トナーの帯電不良が抑制され、カブリの発生が抑制されるので好ましい。
w2は、0.15〜1.0重量部であることがより好ましく、0.2〜0.9重量部であることが更に好ましい。
【0028】
前記特定シリカ粒子のトナー母粒子100重量部に対する含有量w1(重量部)と、前記特定有機粒子のトナー母粒子100重量部に対する含有量w2(重量部)は、下記式(1)を満たす。
1.0≦w1/w2≦10.0 (1)
w1/w2が1.0以上であると、特定有機粒子表面に付着する特定シリカ粒子の量が適切であり、特定有機粒子のキャリア表面への固着が抑制され、画像を保護するために有効量の特定有機粒子が現像され、画像欠損や画像汚れの発生が抑制されるので好ましい。また、10.0以下であると、特定有機粒子に付着する特定シリカ粒子の量が適切であり、特定有機粒子の溶融を阻害することなく、画像欠損や画像汚れが抑制されるので好ましい。
w1/w2は、1.5以上8.5以下であることが好ましく、2.0以上7.5以下であることが更に好ましい。w1/w2が上記範囲内であると、画像欠損や画像汚れがより抑制される。
【0029】
本実施形態において、トナーは、外添剤として、前記特定シリカ粒子及び前記特定有機粒子以外に、公知の無機粒子や有機粒子を併用してもよい。
無機粒子としては、例えば、シリカ粉末(前記特定シリカ粒子以外のシリカ粉末)、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられる。
また、特定有機粒子以外の有機粒子として、例えばスチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、エチレン系重合体などのビニル系重合体や、エステル系、メラミン系、アミド系、アリルフタレート系などの各種重合体、フッ化ビニリデンなどのフッ素系重合体からなる有機粒子も挙げられる。
上記外添剤は、更に必要に応じ所望の添加剤とともに、ヘンシェルミキサー等の混合機により充分混合し、外添させることができる。
【0030】
[トナー母粒子]
本実施形態において、トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤、及び、離型剤を含有するトナー母粒子と、外添剤とからなる。
以下に、トナー母粒子における各成分について詳述する。
【0031】
−結着樹脂−
本実施形態において、トナー母粒子は結着樹脂を含有する。
結着樹脂としては公知の非晶性樹脂及び結晶性樹脂を用いることができるが、特に非晶性ポリエステル(以下、「非結晶性ポリエステル」又は「非晶質ポリエステル」ともいう。)と結晶性ポリエステルとを含有することが好ましい。非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルとを含むことにより特定有機粒子よりもトナー粒子が素早く溶融し、良好な定着性を得られ、特定有機粒子による定着阻害を防止できる点で好ましい。
【0032】
≪結晶性ポリエステル≫
本実施形態における結晶性ポリエステル樹脂について、以下に説明する。なお、本実施形態において、『結晶性』とは、示差走査熱量測定(DSC)において、明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が15℃以内であることを意味する。一方、吸熱ピークの半値幅が15℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非晶性であることを意味する。
結晶性ポリエステルは、酸(ポリカルボン酸、好ましくはジカルボン酸)成分と、アルコール(ポリオール、好ましくはジオール)成分とから合成されるものである。なお、本実施形態では、結晶性ポリエステルの主鎖に対して、他成分を50重量%以下の割合で共重合した共重合体も結晶性ポリエステルとする。
【0033】
上記酸(ポリカルボン酸)成分としては、脂肪族ジカルボン酸が含まれていることが好ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,10−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。また、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等のエチレン性不飽和結合を持つジカルボン酸成分を含んでもよい。
【0034】
一方、前記アルコール(ポリオール)成分としては脂肪族ジオールが含まれていることが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が挙げられるが、この限りではない。
【0035】
トナー母粒子に対する結晶性ポリエステルの含有量としては、2重量%以上40重量%以下が好ましい。より好ましくは3重量%以上30重量%以下であり、更に好ましくは4重量%以上25重量%以下である。
結晶性ポリエステルの含有量が上記範囲内であると、低温定着性に優れ、また、トナーの熱保管性を良好に保つことができる。
【0036】
≪非晶性ポリエステル≫
非晶性ポリエステル樹脂としては、公知の非晶性ポリエステル樹脂が利用できる。酸成分としては、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた種々のジカルボン酸を同様に用いることができる。また、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜8、好ましくは1〜3)エステル等が好ましく用いられる。
また、3価以上のカルボン酸として、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸或いはこれらの酸無水物や低級アルキルエステルを用いてもよい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0037】
前記アルコール成分としても、結晶性ポリエステル樹脂の合成に用いる種々のジオールを用いることができるが、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた脂肪族ジオールに加えて、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物や水素添加ビスフェノールA等を用いることができる。また、3価以上のアルコールとして、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の炭素数3〜20の脂肪族多価アルコール、1,3,5−トリヒドロキシルメチルベンゼン等の炭素数6〜20の芳香族多価アルコール並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0038】
結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量計による吸熱ピーク、すなわち結晶融点Tmは、60〜120℃であることが好ましく、62〜115℃であることがより好ましく、64〜110℃であることが更に好ましい。Tmが60℃以上であると、適度な画像強度を得ることができ画像汚れを抑制することができる。また、Tmが120℃以下であると、トナー母粒子が十分溶融した状態で、特定有機粒子により画像表面を被覆するため画像汚れを抑制することができる。
【0039】
また、前記特定有機粒子の示差走査熱量測定による吸熱ピーク温度をA℃、結晶性ポリエステル樹脂の結晶融点をB℃としたとき、A>Bであることが好ましい。トナー母粒子の結晶性ポリエステル樹脂が先に融解し、その後に特定有機粒子が融解することにより、融解した特定有機粒子による画像の保護が効果的に行われる。
「A−B」は、2〜80℃であることが好ましく、5〜75℃であることがより好ましく、8〜70℃であることがより好ましく、10〜65℃であることが更に好ましい。特定有機粒子の吸熱ピークと、結晶性ポリエステル樹脂の結晶融点との差が上記範囲内であると、より画像汚れが抑制されるので好ましい。
【0040】
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgは、40〜80℃であることが好ましく、45〜70℃であることがより好ましい。Tgが40℃以上であると、高温化でもトナー粒子の流動性を良好に保つことができる。また、Tgが80℃以下であると、十分な溶融が得られ、最低定着温度を低くすることができる。
【0041】
ここで、結晶性樹脂の結晶融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温(20℃)から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、結晶性樹脂が複数の融解ピークを示す場合があるが、本実施形態においては、最大のピークをもって融点とみなす。
また、非晶性樹脂のガラス転移温度は、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)で測定した値をいう。
【0042】
また、本実施形態に用いられるポリエステル樹脂の重量平均分子量は、4,000〜100,000であることが好ましく、6,000〜80,000であることがより好ましい。重量平均分子量が4,000以上であると、結着樹脂として良好な凝集力を得ることができ、ホットオフセット性に優れる。また、重量平均分子量が100,000以下であると、良好なホットオフセット性及び好適な最低定着温度を得ることができる。
また、本実施形態で用いられるポリエステル樹脂は、重縮合性単量体のカルボン酸価数、アルコール価数の選択などによって、一部枝分かれや架橋構造などを有していてもよい。
【0043】
また、結着樹脂として、ポリエステル樹脂以外に、スチレンとアクリル酸又はメタクリル酸との共重合体、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂等を併用することもできる。
【0044】
また、本実施形態のトナーにおけるトナー母粒子中の結着樹脂の含有量としては、特に制限はないが、トナー母粒子の全重量に対し、30〜99重量%であることが好ましく、40〜98重量%であることがより好ましく、50〜96重量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、定着性、保管性、粉体特性、帯電特性等に優れる。
【0045】
−着色剤−
本実施形態において、トナー母粒子は着色剤を含有する。
着色剤としては、公知のものを用いることができ、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から任意に選択すればよい。
例えばシアントナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同23、同60、同65、同73、同83、同180、C.I.バットシアン1、同3、同20等や、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーの部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのシアン顔料、C.I.ソルベントシアン79、162等のシアン染料などが用いられる。
マゼンタトナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同48、同49、同70、同51、同52、同53、同54、同55、同57、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同163、同184、同185、同202、同206、同207、同209、同238等、ピグメントバイオレット19のマゼンタ顔料や、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40等のマゼンタ染料等、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロータミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどが用いられる。
イエロートナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントイエロー2、同3、同15、同16、同17、同74、同93、同97、同128、同155、同180、同185、同139等のイエロー顔料などが用いられる。
また、ブラックトナーにおいては、その着色剤として、例えば、カーボンブラック、活性炭、チタンブラック、磁性粉、Mn含有の非磁性粉などが用いられる。また、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー顔料を混合して、ブラックトナーとしてもよい。
【0046】
着色剤の使用量は、トナー母粒子100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.5〜15重量部であることがより好ましい。また、着色剤として、これらの顔料や染料等を1種単独で使用する、又は、2種以上を併せて使用することができる。
【0047】
−離型剤−
本実施形態のトナーは、トナー母粒子が離型剤を含有する。
離型剤の具体例としては、例えば、エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエチレンとポリプロピレンの共重合物が好ましいが、ポリグリセリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス、脱酸カルナバワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベフェニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、或いは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
【0048】
前記離型剤は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。結着樹脂100重量%に対して、1〜20重量%の範囲で含有することが好ましく、3〜15重量%の範囲で含有することがより好ましい。上記範囲であると、良好な定着及び画質特性の両立が可能である。
【0049】
−赤外線吸収剤−
本実施形態のトナーにおけるトナー母粒子は、赤外線吸収剤を含有する。
本実施形態に用いられる赤外線吸収剤としては、公知の赤外線吸収剤を用いることができ、例えば、シアニン化合物、メロシアニン化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ジイモニウム化合物、アミニウム化合物、ニッケル錯体化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物等を用いることができる。
また、前述した着色剤のうち、カーボンブラック等の赤外線領域に吸収を有するものは、赤外線吸収剤としても用いられ、この場合、着色剤と赤外線吸収剤とが同一の成分であってもよい。
【0050】
具体的な赤外線吸収剤としては、ニッケル金属錯体系赤外線吸収剤(三井化学(株)製:SIR−130、SIR−132)、ビス(ジチオベンジル)ニッケル(みどり化学(株)製:MIR−101)、ビス[1,2−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2−エチレンジチオレート]ニッケル(みどり化学(株)製:MIR−102)、テトラ−n−ブチルアンモニウムビス(シス−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジチオレート)ニッケル(みどり化学(株)製:MIR−1011)、テトラ−n−ブチルアンモニウムビス[1,2−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2−エチレンジチオレート]ニッケル(みどり化学(株)製:MIR−1021)、ビス(4−tert−1,2−ブチル−1,2−ジチオフェノレート)ニッケル−テトラ−n−ブチルアンモニウム(住友精化(株)製:BBDT−NI)、シアニン系赤外線吸収剤(富士フイルム(株)製:IRF−106、IRF−107)、シアニン系赤外線吸収剤(山本化成(株)製、YKR2900)、アミニウム、ジイモニウム系赤外線吸収剤(ナガセケムテックス(株)製:NIR−AM1、IM1)、イモニウム化合物(日本カーリット(株)製:CIR−1080、CIR−1081)、アミニウム化合物(日本カーリット(株)製:CIR−960、CIR−961)、アントラキノン系化合物(日本化薬(株)製:IR−750)、アミニウム系化合物(日本化薬(株)製:IRG−002、IRG−003、IRG−003K)、ポリメチン系化合物(日本化薬(株)製:IR−820B)、ジイモニウム系化合物(日本化薬(株)製:IRG−022、IRG−023)、ジアニン化合物(日本化薬(株)製:CY−2、CY−4、CY−9)、可溶性フタロシアニン(日本触媒(株)製:TX−305A)、ナフタロシアニン(山本化成(株)製:YKR5010、山陽色素(株)製:サンプル1)、無機材料系(信越化学工業(株)製:イッテルビウムUU−HP、住友金属工業(株)製:インジュームチンオキサイド)等が挙げられる。
【0051】
赤外線吸収剤は、1種単独で、又は、2種以上組み合わせて使用してもよい。
赤外線吸収剤の含有量は、トナー母粒子100重量部に対して、0.1〜16重量部であることが好ましく、0.2〜14重量部であることがより好ましく、0.3〜12重量部であることが更に好ましい。赤外線吸収剤の含有量が上記範囲内であると、光定着用トナーとして良好な定着性が得られるので好ましい。
【0052】
−帯電制御剤−
本実施形態において、トナーは、必要に応じて、帯電制御剤を含有してもよい。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものを用いることができる。例えば、正帯電性の帯電制御剤として、ニグロシン染料、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩、及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料;高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物、アミノアクリル系樹脂などが挙げられる。
また、負帯電性の帯電制御剤としては、トリメチルエタン系染料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸性染料、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基及び/又はスルホニル基を含有する樹脂等が挙げられる。
これらの帯電制御剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0053】
本実施形態において、トナーには、必要に応じて、この種のトナーに用いられる酸化防止剤等の公知の各種内添剤が用いられてもよい。
【0054】
[トナーの物性]
本実施形態のトナーの体積平均粒径(D50v)は、2μm以上10μm以下が好ましく、3μm以上9μm以下がより好ましく、4μm以上8μm以下が更に好ましい。
また、本実施形態のトナーにおけるトナー母粒子の体積平均粒径(D50v)は、2μm以上10μm以下が好ましく、3μm以上9μm以下がより好ましく、4μm以上8μm以下が更に好ましい。
トナーの粒度分布としては狭いほうが好ましく、より具体的にはトナーの個数粒径の小さい方から換算して16%径(D16p)と84%径(D84p)の比を平方根として示したもの(GSDp)、すなわち、下式で表されるGSDpが1.40以下であることが好ましく、1.31以下であることがより好ましく、1.27以下であることが特に好ましい。 GSDp={(D84p)/(D16p)}0.5
体積平均粒径、GSDpともに上記範囲であれば、極端に小さな粒子が存在しないため、小粒径トナーの帯電量が過剰になることによる現像性の低下が抑制される。
【0055】
トナー、トナー母粒子等の粒子の平均粒径測定には、コールターマルチサイザー−II型(ベックマン・コールター社製)を用いることができる。この場合、粒子の粒径レベルにより、最適なアパーチャーを用いて測定することができる。
粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。これらを用いて、体積平均粒径はD50vとして得ることができ、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p1/2として算出できる。
【0056】
[トナーの製造方法]
本実施形態において、トナーの製造方法は、特に制限はなく、公知の方法により製造すればよい。
例えば、結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤、離型剤、必要に応じて、帯電制御剤等の成分を混合した後、ニーダー、押し出し機などを用いて上記材料を溶融混練し、この後、得られた溶融混錬物を粗粉砕した後、ジェットミル等で微粉砕し、風力分級機により、目的とする粒径のトナー粒子を得る混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂を乳化させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化凝集法;結着樹脂を得るための単量体、着色剤、赤外線吸収剤、離型剤、及び、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤、離型剤、及び、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等;が使用される。また上記方法で得られたトナー粒子をコアにして、更に凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。
これらの中でも、混練粉砕法、又は、乳化凝集法を用いて、本実施態様のトナーを製造することが好ましい。
【0057】
外添剤をトナー母粒子へ外添する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。具体的には例えば、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機を用いて乾式でトナー母粒子表面に付着する方法、外添剤を液体に分散させた後、スラリー状態のトナーに添加し乾燥させ表面に付着する方法、又は、湿式方法として、乾燥トナーにスラリーをスプレーしながら乾燥する方法が挙げられる。
【0058】
<キャリア>
本実施形態の静電荷像現像剤は、トナー及びキャリアからなる二成分現像剤である。
前記キャリアは、芯材と、前記芯材表面に導電性材料及び架橋性樹脂を含む被覆樹脂層とを有する樹脂被覆型キャリアである。最表面に架橋性樹脂を用いることにより、外添剤がキャリア表面に埋め込まれ、外添構造が変化するの抑制することができる。
芯材となる磁性粒子の材質としては、フェライト、マグネタイト、鉄粉等を用いることができる。
芯材表面に導電材料を含む被覆樹脂層を有するキャリアは、例えば、芯材に、スプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能撹拌機による液浸乾燥法等により、樹脂をコーティングして得られる。
また、被覆樹脂層は、単層に限られず、2層以上の構成であってもよい。
【0059】
芯材表面を被覆するために用いられる被覆樹脂は、架橋性樹脂を含有し、更に、必要に応じて、フッ素系樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル・スチレン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂・ポリエステル樹脂・エポキシ樹脂・アルキッド樹脂・ウレタン樹脂等で変性した変性シリコーン樹脂等を有していても良い。また、必要に応じて荷電制御剤、抵抗制御剤等を添加してもよい。
好ましい被覆樹脂である前記架橋性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、架橋性フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、架橋性シリコーン樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、架橋性樹脂としては、エポキシ樹脂、架橋性シリコーン樹脂が好ましく、架橋性シリコーン樹脂がより好ましい。架橋性シリコーン樹脂としては、架橋性のストレートシリコーン樹脂及びフッ素変性シリコーン樹脂が好ましく、フッ素変性シリコーン樹脂がより好ましい。
導電材料の具体例としては、金、銀、銅のような金属;カーボンブラック;酸化チタン、酸化亜鉛のような導電性の金属酸化物単体系;酸化チタン、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、酸化インジュウムスズ等の微粒子の表面を導電性の金属酸化物で被覆した複合系;などが挙げられる。
導電材料の含有量は被覆樹脂100重量部に対し、0.5〜20重量部であることが好ましく、2〜18重量部であることが更に好ましい。0.5〜20重量部の範囲であればキャリアの抵抗が良好に制御される。
【0060】
キャリア中における被覆樹脂層の全含有量は、芯材100重量部に対し、0.5重量部以上10重量部以下が好ましく、1重量部以上8重量部以下がより好ましく、1重量部以上5重量部以下が更に好ましい。被覆樹脂層の含有量が0.5重量部以上であると、芯材粒子の表面露出が少なく、現像電界の注入を抑制することができる。また、被覆樹脂層の含有量が10重量部以下であると、被覆樹脂層から遊離する樹脂粉が少なく、現像剤中に剥がれた樹脂粉を初期の段階から抑制することができる。
【0061】
各被覆樹脂層の平均膜厚は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3.0μm以下であることがより好ましく、0.1μm以上1.0μm以下であることが更に好ましい。被覆樹脂層の平均膜厚が0.1μm以上であると、長時間使用時に被覆樹脂層剥離による抵抗低下が発生せず、キャリアの粉砕の制御が容易である。一方、被覆樹脂層の平均膜厚が10μm以下であると、飽和帯電量に達するまでの時間が短い。
【0062】
被覆樹脂層の平均膜厚(μm)は、芯材の真比重をρ(無次元)、芯材の体積平均粒径をd(μm)、被覆樹脂層の平均比重をρC、芯材100重量部に対する被覆樹脂層の全含有量をWC(重量部)とすると、下記式(A)以下のようにして求めることができる。
式(A):平均膜厚(μm)={[キャリア1個当たりの被覆樹脂量(導電粉等の添加物もすべて含む)/キャリア1個当たりの表面積]}/被覆樹脂層の平均比重
={[4/3π・(d/2)3・ρ・WC/100]/[4π・(d/2)2]}/ρC
=(1/600)・(d・ρ・WC/ρC
【0063】
キャリアの体積平均粒径は、15〜60μmであることが好ましく、18〜55μmであることがより好ましく、20〜50μmであることが更に好ましく、22〜45μmであることが特に好ましい。キャリアの体積平均粒径が15μm以上であると、特定有機粒子を現像剤中に均一に存在させることができ、画像汚れを安定して抑制することができるので好ましい。また、60μm以下であると、特定有機粒子がキャリアに固着するのを抑制でき、画像汚れを安定して抑制することができるため好ましい。
【0064】
キャリアにおいて、粒径が22μm以上31μm以下の粒子が現像剤全体に占める割合をwc(重量%)、前記特定有機粒子が現像剤に占める割合をw2’(重量%)としたとき、下記式(2)を満たす。
2.0×10-4≦w2’/wc≦5.0×10-3 (2)
本実施形態において、粒径22μm未満のキャリア粒子については、特定有機粒子とキャリア粒子との粒径比が小さく、特定有機粒子とキャリアとの付着性が弱いため安定して特定有機粒子を供給するのは困難であり、一方、粒径31μmより大きいキャリア粒子についてはトナー粒子に均一に特定有機粒子を供給するのが困難であり、粒径が22μm以上31μm以下のキャリア粒子がもっとも特定有機粒子のトナーへの付与に寄与すると考えられる。このため粒径が22μm以上31μm以下のキャリア粒子に対して、特定有機粒子がどのような割合で存在するかが重要となる。
w2’/wcが2.0×10-4以上であると、現像時に適量の特定有機粒子が現像されるため良好に定着画像が保護されるので好ましい。また、5.0×10-3以下であると、キャリア表面に存在する特定有機粒子が過剰とならないため定着性阻害せず、画像汚れが抑制されるので好ましい。
w2’/wcは、2.5×10-4〜4.5×10-3であることがより好ましく、3.0×10-4〜4.0×10-3であることがより好ましく、3.5×10-4〜3.5×10-3であることが更に好ましい。
【0065】
本実施形態の静電荷像現像剤はトナー及びキャリアを含有し、現像剤中のトナーの含有量は、現像剤100重量部に対し、2.0重量部以上20重量部以下が好ましく、2.5重量部以上16重量部以下がより好ましく、3.0重量部以上14重量部以下が更に好ましい。
トナーの含有量が上記範囲内であると、十分な画像濃度が得られ、カブリやトナー飛散を防止できるため好ましい。
【0066】
(画像形成装置及び画像形成方法)
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体表面に転写する転写手段と、被転写体表面に転写された前記トナー像を光定着により定着する定着手段(光定着手段)と、を少なくとも備えることを特徴とする。また、前記静電荷像現像剤として、本実施形態の静電荷像現像剤を使用する。前記転写手段では、中間転写体を用いて2回以上の転写を行ってもよく、必要に応じてクリーニング工程等を有していてもよい。
前記現像手段は、周速が1,000mm/s以上である現像剤保持体を複数本備えていることが好ましく、本実施形態の静電荷像現像剤は、高速な光定着方式の画像形成装置においても、画像汚れの抑制された高品質の画像を提供するものである。
光定着としては、フラッシュ光、レーザ、LEDがある。
【0067】
また、本実施形態の画像形成方法は、像保持体表面を帯電させる帯電工程、前記像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記トナー像を被転写体に転写する転写工程、及び、転写された前記トナー像を光定着方式により前記被転写体に定着する定着工程、を含む。前記現像剤として、本実施形態の現像剤を使用する。前記転写工程では、中間転写体を用いて2回以上の転写を行ってもよく、また、必要に応じてクリーニング工程を有していてもよい。
前記現像剤を保持する現像剤保持体の周速が1,000mm/s以上であることが好ましく、本実施形態の静電荷像現像剤は、高速な光定着方式の画像形成方法において、画像汚れの抑制された高品質の画像を提供するものである。
【0068】
現像保持体の周速は、1,000mm/s以上であることが好ましく、1,000〜3,000mm/sであることがより好ましく、1,000〜2,500mm/sであることが更に好ましい。前記周速が上記範囲内であると、高速での画像の作成及び高品質な画像の両立が可能である。
【0069】
トナー像を記録媒体に形成するのに、像保持体として電子写真感光体を利用した場合、例えば、以下のようにして行える。前記画像形成方法における各工程及び画像形成装置における各手段に関しては、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭469−91231号公報が参照される。
まず、電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により帯電した後、露光し、静電荷像を形成する。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーを付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の記録媒体表面に転写される。更に、記録媒体表面に転写されたトナー像は、定着器により定着され、記録媒体に画像が形成される。
【0070】
前記電子写真感光体としては、一般に、アモルファスシリコン、セレンなど無機感光体、ポリシラン、フタロシアニンなどを電荷発生材料や電荷輸送材料として使用した有機感光体が用いられ、特に長寿命であることからアモルファスシリコン感光体が好適である。
【0071】
<光定着手段>
前記光定着手段としては、光により定着を行えればよく、本実施形態の静電荷像現像剤を用いる場合には、光定着器(フラッシュ定着器)を用いることが好ましい。
【0072】
上記光定着器に用いられる光源としては、通常のハロゲンランプ、水銀ランプ、フラッシュランプ、赤外線レーザ等が例示される。フラッシュランプが好適であり、フラッシュランプによって瞬時に定着させることでエネルギーが節約されるので好ましい。フラッシュランプの発光エネルギーは、1.0J/cm2以上7.0J/cm2以下であることが好ましく、2J/cm2以上5J/cm2以下であることがより好ましい。
【0073】
ここで、キセノンのランプ強度を示すフラッシュ光の単位面積当りの発光エネルギーは以下の式(3)で表される。
S=((1/2)×C×V2)/(u×L)×(n×f) ・・・ 式(3)
【0074】
上記式(3)中、nは一度に発光するランプ本数(本)、fは点灯周波数(Hz)、Vは入力電圧(V)、Cはコンデンサ容量(F)、uはプロセス搬送速度(cm/s)、Lはフラッシュランプの有効発光幅(通常は最大用紙幅、cm)、Sはエネルギー密度(J/cm2)を表す。
【0075】
光定着の方式としては、複数のフラッシュランプを時間差を設けて発光させるディレイ方式であることが好ましい。このディレイ方式は、複数のフラッシュランプを並べ、各々のランプを0.01ms以上100ms以下程度ずつ遅らせて発光を行い、重複箇所を複数回照らす方式である。これにより一度の発光でトナー像に光エネルギーを供給するのではなく分割して供給するため定着条件が緩和され、耐ボイド性と定着性との両立が図れる。
ここで、複数回トナーに対しフラッシュ発光を行う場合、前記フラッシュランプの発光エネルギーは、発光1回ごとの前記単位面積に与える発光エネルギーの総和量を指すこととする。
【0076】
本実施形態においては、フラッシュランプの本数は1本以上20本以下であることが好ましく、2本以上10本以下であることがより好ましい。また、複数のフラッシュランプ間の各々の時間差は0.1msec以上20msec以下であることが好ましく、1msec以上3msec以下であることがより好ましい。
更に、フラッシュランプ1本の1回の発光による発光エネルギーは、0.1J/cm2以上1J/cm2以下であることが好ましく、0.4J/cm2以上0.8J/cm2以下であることより好ましい。
【0077】
以下、本実施形態の画像形成装置の一例について図面を用いて説明する。
図は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略模式図である。図1は、シアン、マゼンタ、イエローの3色にブラックを加えたトナーによりトナー像形成を行うものを示す。
【0078】
図1中、1a、1b、1c及び1dは帯電手段、2a、2b、2c及び2dは露光手段、3a、3b、3c及び3dは静電荷像保持体(感光体)、4a、4b、4c及び4dは現像手段、10はロール媒体15から矢印方向に送り出される記録用紙(記録媒体)、20はシアン現像ユニット、30はマゼンタ現像ユニット、40はイエロー現像ユニット、50はブラック現像ユニット、70a、70b、70c及び70dは転写手段(転写ロール)、71、72はロール、80は転写電圧供給手段、90は光定着手段を各々表す。
【0079】
図1に示す画像形成装置は、帯電手段、露光手段、感光体、及び現像手段を含む符号20、30、40、50で示される各色の現像ユニット(トナー像形成手段)と、記録用紙10に接して配置され、記録用紙10を搬送するロール71、72と、各現像ユニットの感光体を押圧するように記録用紙10を介してその反対側に接するように配置された転写手段(転写ロール)70a、70b、70c、70dと、これら3つの転写ロールに電圧を供給する転写電圧供給手段80と、感光体と転写ロールとの圧接部分を図中の矢印方向に通過する記録用紙10の感光体と接触する側に光を照射する光定着手段(光定着器)90と、から構成されている。
【0080】
なお、シアン現像ユニット20は、感光体3aの周囲には時計回りに帯電手段1a、露光手段2a、現像手段4aが配置された構成を有する。また、感光体3aにおける現像手段4aの配置位置から時計回りの帯電手段1aの配置位置間に感光体3a表面に接するように、記録用紙10を介して転写ロール70aが対向配置されている。
【0081】
上記構成は他の色の現像ユニットについても同様である。なお、本実施形態の画像形成装置においては、シアン現像ユニット20の現像手段4a内に前記シアントナーを含む現像剤が収納され、他の現像ユニットの現像手段には、各々の色に対応した光定着用マゼンタトナーが収納される。
【0082】
次に、この画像形成装置を用いた画像形成について説明する。
まず、ブラック現像ユニット50において、感光体3dを時計回り方向に回転させつつ、帯電手段1dにより感光体3dの表面を帯電する。次に帯電された感光体3dの表面を露光手段2dにより露光することにより、複写しようとする元の画像の黒色成分の画像に対応した潜像が感光体3d表面に形成される。更に、この潜像上に現像手段4d内に収納されたブラックトナーを付与することによりこれを現像してブラックトナー像を形成する。イエロー現像ユニット40、マゼンタ現像ユニット30、シアン現像ユニット20においてもこれに準じたプロセスが行なわれ、それぞれ現像ユニットの感光体表面にそれぞれの色のトナー像が形成される。
【0083】
感光体表面に形成された各色のトナー像は、転写ロール70a、70b、70c及び70dによる転写電位の作用により、矢印方向に搬送される記録用紙10上に順次転写され、元の画像情報に対応するように記録用紙10の表面に積層されて、最上層からシアン、マゼンタ及びイエローの順に積層されたカラーの積層トナー画像が形成される。
なお、上記マゼンタトナーを用いてトナー像を転写する際、記録媒体の搬送速度が1000mm/秒以上であっても、トナーの定着性に優れる。
【0084】
次に、この記録用紙10上の積層トナー画像が、光定着手段90のところまで搬送され、そこで光定着手段90から光の照射を受けて、溶融し、記録用紙10に光定着されカラー画像が形成される。
【0085】
<現像剤カートリッジ>
本実施形態の現像剤カートリッジは、記録媒体表面のトナー像に光を照射して定着する光定着手段を備えた画像形成装置本体に対して脱着自在であり、上記静電荷像現像剤を収納する。
現像剤カートリッジは、上記カラー画像形成装置における現像手段4a、4b、4c及び4dのいずれかを少なくとも含んで構成されていればよく、現像ユニット20、30、40及び50もそれぞれ現像剤カートリッジとなり得る。
【0086】
本実施形態の現像剤は、例えば、新聞、サービスビューロー、バーコード印刷、ラベル印刷、タグ印刷、カールソン方式又はイオンフロー方式等のプリンター及びコピー等の各種の用途に好適に使用され、安価にて良好な光定着性を発揮する製品が提供される。
【実施例】
【0087】
以下、実施例を交えて詳細に本実施形態を説明するが、何ら本実施形態を限定するものではない。なお、以下の記載における「部」及び「%」とは、特に断りのない限り、「重量部」及び「重量%」を示すものとする。
【0088】
(測定方法)
<シリカ粒子の個数平均一次粒径>
走査型電子顕微鏡像上で、倍率10万倍で観察した画像から500個のシリカ粒子の粒径を測定し、個数平均により平均一次粒径を求めた。
【0089】
<有機粒子の体積平均粒径>
体積平均粒径は、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA−920)を用いて測定した。
【0090】
<樹脂の吸熱ピ−ク温度及びガラス転移温度の測定方法>
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ASTM D3418に準拠して、示差走査熱量計((株)島津製作所製:DSC−60A)を用い得ることができる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで昇温し、200℃で5分間ホールドし、200℃から0℃まで液体窒素を用いて−10℃/分で降温し、0℃で5分間ホールドし、再度0℃から200℃まで10℃/分で昇温を行う。2度目の昇温時の吸熱曲線から解析を行い、非晶性ポリエステル樹脂についてはオンセット温度をTgとし、結晶性ポリエステル樹脂については極大ピークより吸熱ピーク温度とする。
【0091】
<樹脂の重量平均分子量、分子量分布測定方法>
本実施形態において、結着樹脂等の分子量は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー(株)製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
【0092】
<トナーの体積平均粒径の測定方法>
トナーの体積平均粒径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて測定した。電解液としては、ISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定法としては、まず、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5mg以上50mg以下加え、これを前記電解液100ml以上150ml以下中に添加した。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーII型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0μm以上60μm以下の範囲の粒子の粒度分布を測定した。測定する粒子数は50,000とした。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を体積平均粒径と定義する。
【0093】
<キャリアの体積平均粒径の測定方法>
キャリアの体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、ベックマン−コールター社製)を用いて測定した。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径とした。
また得られた粒度分布から、粒径が22μm以上31μm以下の粒子の割合を求めた。
【0094】
(シリカ粒子の作製)
<シリカ粒子1の作製>
個数平均粒径12nmの気相法シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル200)を窒素雰囲気下で撹拌しながら、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名:KBM−603)を滴下し、150℃で90分間加熱混合撹拌し、揮発分を除去した後に冷却し、アミノシラン表面処理シリカ粒子1を得た。
【0095】
<シリカ粒子2の作製>
蒸留精製したメチルトリメトキシシランを加熱し、窒素ガスをバブリングし、メチルトリメトキシシランを窒素ガスで気流伴流して酸水素火炎バーナーに導入し、この酸水素火炎中で燃焼分解させた。メチルトリメトキシシラン、酸素ガス、水素ガス、窒素ガスの量を調整し、1次粒子の個数平均粒径が5nmの気相法シリカ粒子を得た。得られたシリカ粒子を窒素雰囲気下で撹拌しながら、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名:KBM−603)を滴下し、150℃で90分間加熱混合撹拌し、揮発分を除去した後に冷却し、アミノシラン表面処理シリカ粒子2を得た。
【0096】
<シリカ粒子3の作製>
蒸留精製したメチルトリメトキシシランを加熱し、窒素ガスをバブリングし、メチルトリメトキシシランを窒素ガスで気流伴流して酸水素火炎バーナーに導入し、この酸水素火炎中で燃焼分解させた。メチルトリメトキシシラン、酸素ガス、水素ガス、窒素ガスの量を調整し、1次粒子の個数平均粒径が6nmの気相法シリカ粒子を得た。得られたシリカ粒子を窒素雰囲気下で撹拌しながら、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名:KBM−603)を滴下し、150℃で90分間加熱混合撹拌し、揮発分を除去した後に冷却し、アミノシラン表面処理シリカ粒子3を得た。
【0097】
<シリカ粒子4の作製>
蒸留精製したメチルトリメトキシシランを加熱し、窒素ガスをバブリングし、メチルトリメトキシシランを窒素ガスで気流伴流して酸水素火炎バーナーに導入し、この酸水素火炎中で燃焼分解させた。メチルトリメトキシシラン、酸素ガス、水素ガス、窒素ガスの量を調整し、1次粒子の個数平均粒径が17nmの気相法シリカ粒子を得た。得られたシリカ粒子を窒素雰囲気下で撹拌しながら、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名:KBM−603)を滴下し、150℃で90分間加熱混合撹拌し、揮発分を除去した後に冷却し、アミノシラン表面処理シリカ粒子4を得た。
【0098】
<シリカ粒子5の作製>
蒸留精製したメチルトリメトキシシランを加熱し、窒素ガスをバブリングし、メチルトリメトキシシランを窒素ガスで気流伴流して酸水素火炎バーナーに導入し、この酸水素火炎中で燃焼分解させた。メチルトリメトキシシラン、酸素ガス、水素ガス、窒素ガスの量を調整し、1次粒子の個数平均粒径が19nmの気相法シリカ粒子を得た。得られたシリカ粒子を窒素雰囲気下で撹拌しながら、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名:KBM−603)を滴下し、150℃で90分間加熱混合撹拌し、揮発分を除去した後に冷却し、アミノシラン表面処理シリカ粒子5を得た。
【0099】
<シリカ粒子6の作製>
ジメチルジクロロシランで表面処理された個数平均粒径12nmの気相法シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:R974)をシリカ粒子6とした。
【0100】
<シリカ粒子7の作製>
蒸留精製したメチルトリメトキシシランを加熱し、窒素ガスをバブリングし、メチルトリメトキシシランを窒素ガスで気流伴流して酸水素火炎バーナーに導入し、この酸水素火炎中で燃焼分解させた。メチルトリメトキシシラン、酸素ガス、水素ガス、窒素ガスの量を調整し、1次粒子の個数平均粒径が4nmの気相法シリカ粒子を得た。得られたシリカ粒子を窒素雰囲気下で撹拌しながら、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名:KBM−603)を滴下し、150℃で90分間加熱混合撹拌し、揮発分を除去した後に冷却し、シリカ粒子7を得た。
【0101】
<シリカ粒子8の作製>
蒸留精製したメチルトリメトキシシランを加熱し、窒素ガスをバブリングし、メチルトリメトキシシランを窒素ガスで気流伴流して酸水素火炎バーナーに導入し、この酸水素火炎中で燃焼分解させた。メチルトリメトキシシラン、酸素ガス、水素ガス、窒素ガスの量を調整し、1次粒子の個数平均粒径が22nmの気相法シリカ粒子を得た。得られたシリカ粒子を窒素雰囲気下で撹拌しながら、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名:KBM−603)を滴下し、150℃で90分間加熱混合撹拌し、揮発分を除去した後に冷却し、シリカ粒子8を得た。
【0102】
(有機粒子の作製)
<有機粒子1の作製>
温度80℃で保持したステアリン酸ナトリウム水溶液に、硫酸亜鉛水溶液を滴下し、更に1時間撹拌してステアリン酸亜鉛スラリーを得た。得られたスラリーを濾過し、2回水洗し、更にこのケーキを110℃の熱風乾燥器内で12時間乾燥した。得られた乾燥ケーキをカウンタジェットミルAFG100(ホソカワミクロン(株)製)にて粉砕した後、エルボージェット分級機EJ−LABO(日鉄鉱業(株)製)で分級し、体積平均粒径2.2μmのステアリン酸亜鉛粒子を得、これを有機粒子1とした。有機粒子1の示差走査熱量測定による吸熱ピークは120℃であった。
【0103】
<有機粒子2の作製>
オクタコサン酸(化学式;CH3(CH226COOH)固形物をカウンタジェットミルAFG100(ホソカワミクロン(株)製)にて粉砕した後、エルボージェット分級機EJ−LABO(日鉄鉱業(株)製)で分級し、体積平均粒径7.9μmの有機粒子2を得た。有機粒子2の示差走査熱量測定による吸熱ピークは93℃であった。
【0104】
<有機粒子3の作製>
1−トリアコンタノール(化学式;CH3(CH229OH)固形物をカウンタジェットミルAFG100(ホソカワミクロン(株)製)にて粉砕した後、エルボージェット分級機EJ−LABO(日鉄鉱業(株)製)で分級し、体積平均粒径8.5μmの有機粒子3を得た。有機粒子3の示差走査熱量測定による吸熱ピークは86℃であった。
【0105】
<有機粒子4の作製>
有機粒子3の作製において、粉砕、分級の条件を調整し、体積平均粒径0.5μmの有機粒子4を得た。
【0106】
<有機粒子5の作製>
有機粒子3の作製において、粉砕、分級の条件を調整し、体積平均粒径0.7μmの有機粒子5を得た。
【0107】
<有機粒子6の作製>
有機粒子3の作製において、粉砕、分級の条件を調整し、体積平均粒径11.5μmの有機粒子6を得た。
【0108】
<有機粒子7の作製>
有機粒子3の作製において、粉砕、分級の条件を調整し、体積平均粒径14.9μmの有機粒子7を得た。
【0109】
<有機粒子8の作製>
有機粒子3の作製において、粉砕、分級の条件を調整し、体積平均粒径0.4μmの有機粒子8を得た。
【0110】
<有機粒子9の作製>
有機粒子3の作製において、粉砕、分級の条件を調整し、体積平均粒径15.8μmの有機粒子9を得た。
【0111】
<有機粒子10の作製>
有機粒子1の作製において硫酸亜鉛水溶液を、塩化カルシウム水溶液に変更した以外は同様にして、ステアリン酸カルシウムスラリーの乾燥ケーキを得た。得られた乾燥ケーキをカウンタジェットミルAFG100(ホソカワミクロン(株)製)にて粉砕した後、エルボージェット分級機EJ−LABO(日鉄鉱業(株)製)で分級し、体積平均粒径5.6μmのステアリン酸カルシウム粒子を得、これを有機粒子10とした。有機粒子10の示差走査熱量測定による吸熱ピークは148℃であった。
【0112】
<有機粒子11の作製>
パルチミン酸(化学式;CH3(CH214COOH)固形物をカウンタジェットミルAFG100(ホソカワミクロン(株)製)にて粉砕した後、エルボージェット分級機EJ−LABO(日鉄鉱業(株)製)で分級し、体積平均粒径6.5μmの有機粒子11を得た。有機粒子11の示差走査熱量測定による吸熱ピークは63℃であった。
【0113】
<非晶性ポリエステル樹脂Aの作製>
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物: 15モル%
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物: 35モル%
テレフタル酸: 50モル%
撹拌装置、窒素導入管、温度センサ、精留塔を備えたフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく撹拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドを1.0重量%投入した。更に生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃で更に2.5時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移温度が62℃、重量平均分子量(Mw)16,000である非晶性ポリエステル樹脂Aを得た。
【0114】
<結晶性ポリエステル樹脂Aの作製>
セバシン酸1,900重量部、エチレングリコール1,500重量部、イソフタル酸−5−スルホン酸ナトリウム60重量部、ジブチルスズオキサイド0.2重量部をフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下で240℃に加熱して6時間脱水縮合し結晶性ポリエステル樹脂Aを得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)を前述の方法にて測定したところ、28,000であった。また、得られた結晶性ポリエステル樹脂Aの吸熱ピーク温度Tmを、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ75℃であった。
【0115】
<結晶性ポリエステル樹脂Bの作製>
セバシン酸1,800重量部、1,5−ペンタンジオール950重量部、ジブチルスズオキサイド1.13重量部をフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下で240℃に加熱して6時間脱水縮合し、結晶性ポリエステル樹脂Bを得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量(Mw)は、22,000、吸熱ピーク温度Tmは53℃であった。
【0116】
<結晶性ポリエステル樹脂Cの作製>
コハク酸1,800重量部、1,4−ブタンジオール1,400重量部、イソフタル酸ジメチル5−スルホン酸ナトリウム53.8重量部及びジブチルスズオキシド1.13重量部をフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下で240℃に加熱して6時間脱水縮合し、結晶性ポリエステル樹脂Cを得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂Cの重量平均分子量(Mw)は、25,000、吸熱ピーク温度Tmは123℃であった。
【0117】
(実施例1)
<トナー1の作製>
非晶性ポリエステル樹脂A 79重量部
結晶性ポリエステル樹脂A 7重量部
カーボンブラック(キャボット社製、商品名Regal330) 6重量部
ポリエチレンワックス(東洋アドレ(株)製、商品名ポリワックス500)8重量部
上記組成をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度100℃のエクストルーダーにより熱混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕、分級し、体積平均粒径D50が6.4μmのトナー母粒子1を得た。
更にトナー母粒子1 100重量部と、シリカ粒子1 1.4重量部、有機粒子1 0.4重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、黒トナー1を得た。
【0118】
<キャリア1の作製>
MnO換算で30mol%、MgO換算で9.5mol%、Fe23換算で60mol%、SrO換算で0.5mol%になるように各原材料を適量配合し、水を加え、湿式ボールミルで10時間粉砕、混合し、乾燥させ、900℃で4時間保持した後、湿式ボールミルで24時間粉砕を行ったスラリーを造粒乾燥し、酸素濃度2%雰囲気の中で1,250℃で6時間保持した後、解砕し、粒度調整を行い、マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト粒子Aを得た。
トリフルオロプロピル基を含有するジメチルシリコーン樹脂(SR−2410、東レ・
ダウコーニング社製)を固形分換算で200重量部秤量し、867重量部のトルエン溶剤
に溶解させ、導電性カーボンブラック(キャボット社製、Vulcan XC72)を樹
脂固形分に対し15重量%と、有機アルミ硬化触媒(アルミニウム−ジ−n−ブトキシド
モノエチルアセトアセテート)2重量部とを加え、パールミルにて分散してキャリア被覆
用溶液を得た。
マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト粒子A100部に対し、上述のカーボンブラックを分散させた内層形成用溶液をシリコーン樹脂が固形分で2.2部となるよう流動床(スプレードライ)塗布装置を用いて塗布した後、100℃にて乾燥後、270℃で1時間焼き付けを行い、解砕処理、振動型ミルにて30分間後処理を行い、キャリア1を得た。
キャリア1の体積平均粒径は、38μm、キャリア粒子における22〜31μm以下の割合は、20重量%であった。
【0119】
(現像剤1の作製)
トナー1 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤1を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’=2.75×10-2重量%、wc=18.6重量%であった。
また、w2’/wc=1.5×10-3であった。
【0120】
<評価方法>
富士ゼロックス(株)製650J Continuous Feed Printing Systemを現像剤保持体の周速が可変となるように改造した改造機を用いて画質評価を行った。なお、現像ロールの周速は1,100mm/sに設定した。
上記改造機を温度25℃、湿度80%の高湿環境にて、現像剤投入後にライン画像(細線が格子状に並んだ画像)をA4換算で1万枚相等プリントした。1万枚プリント後の細線画像の上に白紙で包んだおもり(荷重80g/cm2相当)を載せて、おもりで画像を10往復こすり、こすった後の線の欠損、画像汚れを以下の基準で判断した。
◎:目視で画像汚れ及び細線の欠損がまったく確認されず、おもりを包んだ白紙にも汚れが確認できない。
○:目視で画像汚れ及び細線の欠損がまったく確認できないが、おもりを包んだ白紙にわずかに汚れが確認できる。
△:目視で細線の欠損又は画像汚れがごくわずかに確認できるものの許容できるレベルである。
×:目視で細線の欠損又は画像汚れがはっきりと確認でき、許容できないレベルである。
評価結果を表1に示す。
【0121】
(実施例2)
<トナー2の作製>
実施例1において有機粒子1を有機粒子2に変更した以外は同様にして、黒トナー2を得た。
<現像剤2の作製>
トナー2 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤2を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0122】
(実施例3)
<トナー3の作製>
実施例1において有機粒子1を有機粒子3に変更した以外は同様にして、黒トナー3を得た。
<現像剤3の作製>
トナー3 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤3を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0123】
(実施例4)
<トナー4の作製>
非晶性ポリエステル樹脂A 79重量部
結晶性ポリエステル樹脂B 7重量部
カーボンブラック(キャボット社製、商品名Regal330) 6重量部
ポリエチレンワックス(東洋アドレ(株)製、商品名ポリワックス500)8重量部
上記組成をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度100℃のエクストルーダーにより熱混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕、分級し、体積平均粒径D50が6.4μmのトナー母粒子2を得た。
更にトナー母粒子2 100重量部と、シリカ粒子1 1.4重量部、有機粒子1 0.4重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、黒トナー4を得た。
【0124】
<現像剤4の作製>
トナー4 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤4を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0125】
(実施例5)
<トナー5の作製>
非晶性ポリエステル樹脂A 79重量部
結晶性ポリエステル樹脂C 7重量部
カーボンブラック(キャボット社製、商品名Regal330) 6重量部
ポリエチレンワックス(東洋アドレ(株)製、商品名ポリワックス500)8重量部
上記組成をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度100℃のエクストルーダーにより熱混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕、分級し、体積平均粒径D50が6.4μmのトナー母粒子3を得た。
更にトナー母粒子3 100重量部と、シリカ粒子1 1.4重量部、有機粒子1 0.4重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、黒トナー5を得た。
【0126】
<現像剤5の作製>
トナー5 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤5を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0127】
(実施例6)
<トナー6の作製>
実施例1で得られたトナー母粒子1 100重量部と、シリカ粒子1 0.8重量部、有機粒子1 0.8重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、黒トナー6を得た。
<現像剤6の作製>
トナー6 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤6を得た。このときw1/w2=1.0であり、w2’/wc=3.0×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0128】
(実施例7)
<トナー7の作製>
実施例1で得られたトナー母粒子1 100重量部と、シリカ粒子1 1.1重量部、有機粒子1 0.7重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、黒トナー7を得た。
<現像剤7の作製>
トナー7 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤7を得た。このときw1/w2=1.6であり、w2’/wc=2.6×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0129】
(実施例8)
<トナー8の作製>
実施例1で得られたトナー母粒子1 100重量部と、シリカ粒子1 2.0重量部、有機粒子1 0.2重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、黒トナー8を得た。
<現像剤8の作製>
トナー8 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤8を得た。このときw1/w2=10.0であり、w2’/wc=7.4×10-4であった。評価結果を表1に示す。
【0130】
(実施例9)
<トナー9の作製>
実施例1で得られたトナー母粒子1 100重量部と、シリカ粒子1 1.6重量部、有機粒子1 0.2重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、黒トナー9を得た。
<現像剤9の作製>
トナー9 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤9を得た。このときw1/w2=8.0であり、w2’/wc=7.4×10-4であった。評価結果を表1に示す。
【0131】
(実施例10)
<トナー10の作製>
実施例1で得られたトナー母粒子1 100重量部と、シリカ粒子1 0.6重量部、有機粒子1 0.1重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、黒トナー10を得た。
<キャリア2の作製>
キャリア1の作製において粒度分布を調整した以外は同様にして、体積平均粒径34μm、キャリア粒子における22〜31μm以下の割合は、31重量%のキャリア2を得た。
<現像剤10の作製>
トナー10 6部、キャリア2 94部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤10を得た。このときw1/w2=6.0であり、w2’/wc=2.0×10-4であった。評価結果を表1に示す。
【0132】
(実施例11)
<キャリア3の作製>
キャリア1の作製において粒度分布を調整した以外は同様にして、体積平均粒径33μm、キャリア粒子における22〜31μm以下の割合は、34重量%のキャリア3を得た。
<現像剤11の作製>
トナー10 8部、キャリア3 92部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤11を得た。このときw1/w2=6.0であり、w2’/wc=2.5×10-4であった。評価結果を表1に示す。
【0133】
(実施例12)
<トナー11の作製>
実施例1で得られたトナー母粒子1 100重量部と、シリカ粒子1 2.1重量部、有機粒子1 0.9重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、黒トナー11を得た。
<キャリア4の作製>
キャリア1の作製において粒度分布を調整した以外は同様にして、体積平均粒径42μm、キャリア粒子における22〜31μm以下の割合は、12重量%のキャリア4を得た。
<現像剤12の作製>
トナー11 6.4部、キャリア4 95.6部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤12を得た。このときw1/w2=2.3であり、w2’/wc=5.0×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0134】
(実施例13)
<トナー12の作製>
実施例1で得られたトナー母粒子1 100重量部と、シリカ粒子1 2.0重量部、有機粒子1 0.8重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、黒トナー12を得た。
<現像剤13の作製>
トナー12 6.4部、キャリア4 95.6部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤13を得た。このときw1/w2=2.5であり、w2’/wc=4.4×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0135】
(実施例14)
<トナー13の作製>
実施例1においてシリカ粒子1をシリカ粒子2に変更した以外は同様にして、黒トナー13を得た。
<現像剤14の作製>
トナー13 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤14を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0136】
(実施例15)
<トナー14の作製>
実施例1においてシリカ粒子1をシリカ粒子3に変更した以外は同様にして、黒トナー14を得た。
<現像剤15の作製>
トナー14 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤15を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0137】
(実施例16)
<トナー15の作製>
実施例1においてシリカ粒子1をシリカ粒子4に変更した以外は同様にして、黒トナー15を得た。
<現像剤16の作製>
トナー15 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤16を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0138】
(実施例17)
<トナー16の作製>
実施例1においてシリカ粒子1をシリカ粒子5に変更した以外は同様にして、黒トナー16を得た。
<現像剤17の作製>
トナー16 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤17を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0139】
(実施例18)
<トナー17の作製>
実施例1において有機粒子1を有機粒子4に変更した以外は同様にして、黒トナー17を得た。
<現像剤18の作製>
トナー17 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤18を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0140】
(実施例19)
<トナー18の作製>
実施例1において有機粒子1を有機粒子5に変更した以外は同様にして、黒トナー18を得た。
<現像剤19の作製>
トナー18 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤19を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0141】
(実施例20)
<トナー19の作製>
実施例1において有機粒子1を有機粒子6に変更した以外は同様にして、黒トナー19を得た。
<現像剤20の作製>
トナー19 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤20を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0142】
(実施例21)
<トナー20の作製>
実施例1において有機粒子1を有機粒子7に変更した以外は同様にして、黒トナー20を得た。
<現像剤21の作製>
トナー20 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤21を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0143】
(比較例1)
<トナー21の作製>
実施例1で得られたトナー母粒子1 100重量部と、シリカ粒子1 1.4重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、黒トナー21を得た。
<現像剤22の作製>
トナー21 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤22を得た。このときw1/w2=∞であり、w2’/wc=0であった。評価結果を表1に示す。
【0144】
(比較例2)
<トナー22の作製>
実施例1においてシリカ粒子1をチタニア粒子(テイカ(株)製;商品名JMT−150ANO;個数平均粒径15nm)に変更した以外は同様にして、黒トナー22を得た。
<現像剤23の作製>
トナー22 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤23を得た。このときw1/w2=0であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0145】
(比較例3)
<トナー23の作製>
実施例1においてシリカ粒子1をシリカ粒子6に変更した以外は同様にして、黒トナー23を得た。
<現像剤24の作製>
トナー23 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤24を得た。このときw1/w2=0であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0146】
(比較例4)
<トナー24の作製>
実施例1で得られたトナー母粒子1 100重量部と、シリカ粒子1 0.7重量部、有機粒子1 0.8重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、黒トナー24を得た。
<現像剤25の作製>
トナー24 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤25を得た。このときw1/w2=0.88であり、w2’/wc=3.0×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0147】
(比較例5)
<トナー25の作製>
実施例1で得られたトナー母粒子1 100重量部と、シリカ粒子1 2.2重量部、有機粒子1 0.2重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、黒トナー25を得た。
<現像剤26の作製>
トナー24 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤26を得た。このときw1/w2=11.0であり、w2’/wc=7.4×10-4であった。評価結果を表1に示す。
【0148】
(比較例6)
<トナー26の作製>
実施例1で得られたトナー母粒子1 100重量部と、シリカ粒子1 0.5重量部、有機粒子1 0.07重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、黒トナー26を得た。
<現像剤27の作製>
トナー26 8部、キャリア3 92部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤27を得た。このときw1/w2=7.1であり、w2’/wc=1.8×10-4であった。評価結果を表1に示す。
【0149】
(比較例7)
<トナー27の作製>
実施例1で得られたトナー母粒子1 100重量部と、シリカ粒子1 2.0重量部、有機粒子1 1.0重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、黒トナー27を得た。
<現像剤28の作製>
トナー27 6部、キャリア4 94部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤28を得た。このときw1/w2=2.0であり、w2’/wc=5.2×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0150】
(比較例8)
<トナー28の作製>
実施例1においてシリカ粒子1をシリカ粒子7に変更した以外は同様にして、黒トナー28を得た。
<現像剤29の作製>
トナー28 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤29を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0151】
(比較例9)
<トナー29の作製>
実施例1においてシリカ粒子1をシリカ粒子8に変更した以外は同様にして、黒トナー28を得た。
<現像剤30の作製>
トナー29 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤30を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0152】
(比較例10)
<トナー30の作製>
実施例1において有機粒子1を有機粒子8に変更した以外は同様にして、黒トナー30を得た。
<現像剤31の作製>
トナー30 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤31を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0153】
(比較例11)
<トナー31の作製>
実施例1において有機粒子1を有機粒子9に変更した以外は同様にして、黒トナー31を得た。
<現像剤32の作製>
トナー31 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤32を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0154】
(比較例12)
<トナー32の作製>
実施例1において有機粒子1を有機粒子10に変更した以外は同様にして、黒トナー32を得た。
<現像剤33の作製>
トナー32 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤33を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0155】
(比較例13)
<トナー33の作製>
実施例1において有機粒子1を有機粒子11に変更した以外は同様にして、黒トナー33を得た。
<現像剤34の作製>
トナー33 7部、キャリア1 93部をVブレンダーにて混合し、黒現像剤34を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0156】
(比較例14)
<キャリア5の作製>
キャリア1の作製と同様にして、マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト粒子Aを得た。
スチレン/メチルメタアクリレート共重合体2.0重量部、導電性カーボンブラック(キャボット社製、Vulcan XC72)0.3重量部をトルエン10重量部に溶解した液と、マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト粒子A 100重量部をニーダーに投入し、常圧で70℃まで昇温し30分撹拌した後、減圧して溶剤を留去した。
得られたコートキャリアを75μmメッシュで篩分し、非架橋性樹脂により被覆されたキャリア5を作製した。キャリア5の体積平均粒径は、38μm、キャリア粒子における22〜31μm以下の割合は、20重量%であった。
【0157】
<現像剤35の作製>
実施例1においてキャリア1をキャリア5に変更した以外は同様にして、黒現像剤35を得た。このときw1/w2=3.5であり、w2’/wc=1.5×10-3であった。評価結果を表1に示す。
【0158】
【表1】

【符号の説明】
【0159】
1a,1b,1c,1d 帯電手段、2a,2b,2c,2d 露光手段、3a,3b,3c,3d 静電荷像保持体(感光体)、4a,4b,4c,4d 現像手段、10 記録用紙(記録媒体)、15 ロール媒体、20 シアン現像ユニット、30 マゼンタ現像ユニット、40 イエロー現像ユニット、50 ブラック現像ユニット、70a,70b,70c,70d 転写手段(転写ロール)、71,72 ロール、80 転写電圧供給手段、90 光定着手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー及びキャリアを含有し、
前記トナーは、結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤、及び、離型剤を含有するトナー母粒子と、外添剤とからなり、
前記外添剤は、シリカ粒子、及び、有機粒子を含有し、
前記シリカ粒子は、アミノ基を含有するシランカップリング剤により表面処理され、かつ、個数平均一次粒径が5nm以上20nm以下であるシリカ粒子であり、
前記有機粒子は、体積平均粒径が0.5μm以上15μm以下であり、かつ、示差走査熱量測定による吸熱ピークが80℃以上140℃以下である有機粒子であり、
前記キャリアは、芯材と、前記芯材表面に導電性材料及び架橋性樹脂を含む被覆樹脂層とを有する樹脂被覆型キャリアであり、
前記シリカ粒子のトナー母粒子100重量部に対する含有量をw1(重量部)、前記有機粒子のトナー母粒子100重量部に対する含有量をw2(重量部)としたとき、下記式(1)を満たし、
1.0≦w1/w2≦10.0 (1)
前記キャリアの粒径が22μm以上31μm以下の粒子が現像剤に占める割合をwc(重量%)、前記有機粒子が現像剤に占める割合をw2’(重量%)としたとき、下記式(2)を満たすことを特徴とする
2.0×10-4≦w2’/wc≦5.0×10-3 (2)
静電荷像現像剤。
【請求項2】
前記結着樹脂が非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルを含有し、前記結晶性ポリエステルの示差走査熱量測定による吸熱ピークが60℃以上120℃以下である、請求項1に記載の静電荷像現像剤。
【請求項3】
前記有機粒子が脂肪酸金属塩、高級脂肪酸、及び、高級アルコールよりなる群から選択される少なくとも1種を含有する、請求項1又は2に記載の静電荷像現像剤。
【請求項4】
前記樹脂被覆型キャリアがシリコーン樹脂によって被覆されている、請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
【請求項5】
前記キャリアの体積平均粒径が15μm以上60μm以下である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
【請求項6】
前記トナーが正帯電性トナーである、請求項1〜5のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
【請求項7】
光定着用である、請求項1〜6のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
【請求項8】
被転写体表面のトナー像に光を照射して定着する光定着手段を備えた画像形成装置に対して脱着され、請求項1〜7のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤を収納することを特徴とする現像剤カートリッジ。
【請求項9】
像保持体と、
前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を請求項1〜7のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を被転写体表面に転写する転写手段と、
被転写体表面に転写された前記トナー像を光定着により定着する定着手段と、
を少なくとも備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記現像手段が、周速が1,000mm/s以上である現像剤保持体を複数本備えている、請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
像保持体表面を帯電させる帯電工程、
前記像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、
前記静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、
前記トナー像を被転写体に転写する転写工程、及び
転写された前記トナー像を光定着方式により前記被転写体に定着する定着工程、を含み、
前記現像剤が請求項1〜7のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする
画像形成方法。
【請求項12】
前記現像剤を保持する現像剤保持体の周速が1,000mm/s以上である、請求項11に記載の画像形成方法。

【図1】
image rotate