説明

非侵襲的な肺吸入のための方法、システム、及び装置

本発明は、エアロゾル化された有効な薬剤の肺吸入のための非侵襲的な方法、システム、及び装置、並びに呼吸器疾患を治療するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]
本願は2004年05月20日に出願の米国特許出願第60/573,570号、2004年12月27日に出願の米国特許出願第60/639,503号、及び2005年04月20日に出願の米国特許出願第60/673,155号の優先権を主張し、本明細書で参照される。
【0002】
本発明は、エアロゾル化された有効な薬剤の肺吸入のための非侵襲的な方法、システム、及び装置、並びに呼吸器疾患を治療するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
新生児呼吸窮迫症候群(RDS)、胎便吸引症候群(MAS)、新生児持続性肺高血圧症(PPHN)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、PCP、TTN、及び類似のものを含むが限定されない呼吸器疾患をもって、予定日より早く生まれた新生児、及び月満ちて生まれた新生児は、予防的なサポート、又は救急呼吸サポートを必要とすることが多い。28週以下に生まれた新生児は、殆ど例外なく挿管され、機械的に酸素を供給される。挿管のプロセスの間に失敗する著しいリスク、及び上部気管、喉頭ひだ、及び周囲組織に損傷を与える限られた機会が存在する。特に、高い酸素分圧に利用される、長い時間にわたる機械的な酸素供給も、急性の肺損傷をもたらし得る。もし人工呼吸、及び酸素が長時間にわたって必要とされ、及び/又はもし人工呼吸器が充分に管理されていなければ、臨床的結果は気管支肺異形成症、慢性肺疾患、肺出血、脳室内出血、及び脳室周囲白質軟化症を含み得る。
【0004】
呼吸困難を発症するリスクが明らかではない体重が重い、又は妊娠期間が長い新生児は、非侵襲的な手段によってサポートされる。1つの方法は、経鼻的持続陽圧呼吸療法(nCPAP、又はCPAP)である。CPAPは、挿管の侵襲的手技を回避する一方で自発的な人工呼吸器サポートを提供する手段である。CPAPは、加湿され僅かに過圧されたガス(大気圧よりも、およそ5cmH2O高い)を、新生児の経鼻的通路に鼻カニューレ、又はぴったりした鼻マスクを利用して提供する。また、CPAPは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、睡眠時無呼吸、ARDS/ALI、及び類似のものを含む種々の不調を有する大人に対する上出来な治療を提供する可能性も有する。
【0005】
呼吸サポートに加えて、新生児は外来性の界面活性剤で治療されることが多く、外来性の界面活性剤はガス交換を改善し、死亡率に劇的な衝撃を有する。一般に、外来性の材料は、気管内チューブを通して導入されたカテーテルを介して中心気道へ液体ボーラスとして搬送される。
【0006】
界面活性剤搬送の現在の方法に関して3つの問題が存在する。第1に、機械的な酸素供給と連動する気管内チューブを使用することに関するトラウマの可能性が存在する。第2に、高い酸素、及び圧力設定に関する損傷の可能性が存在する。第3に、液体ボーラスを介する搬送のプロセスは、循環酸素飽和度と血行動態変化の一時的な減少をもたらし得る一時的な気道閉塞の原因になるかもしれない。これらの変化は、例えば、脳室内出血のような全身の問題をもたらし得る。注入されたボーラスは、効果的に吸引されなければならず、同時に肺表面全体に流れて広がらなければならない。
【0007】
加えて、呼息の終わりにおける表面の圧縮の後、吸気性の操作の間に肺が広がるにつれて界面活性剤が表面全体に再拡散できることが重要である。液体ボーラスとして搬送されるとき、界面活性剤は有効な再拡散能力を持たないことが多い。
【0008】
これらの問題を念頭に置いて、例えば、エアロゾル化のような更に「穏やかな」方法で界面活性剤を投与する試みが行われてきた。しかし、今までのところは、界面活性剤をエアロゾルとして、同時にCPAPを用いて搬送する試みは、肺に到達する界面活性剤の量が充分でないこと(Berggren 等、Acta Padiatr.2000,89:460-464)によって不成功であることが示されてきた。これは、肺の外部の部位へのエアロゾル化された材料の沈着に起因する非効率な搬送のためである。これら肺外の損失に対する主因は、長い搬送期間の間に詰まる可能性がある鼻カニューレ、又はマスクの位置、又はその周りに沈着する材料である。エアロゾル化された界面活性剤が肺表面に沈着する割合は、エアロゾル化された界面活性剤が取り除かれる割合に対して低いということも既知の問題である。また、取り除かれる割合は、進行中の炎症性疾患を有する肺の中で高められるようである。従って、外来性の界面活性剤が肺環境の内部に蓄積し、治療上の効果を及ぼす機会は無い。一般に、実際の時間枠で投与されて沈着する界面活性剤の絶対量も少な過ぎて、著しい治療効果をもたない。
【0009】
例えば、抗生物質、タンパク質分解酵素阻害薬のような他の高用量治療薬を、肺の径路を介して搬送することを試みるときも、同じ問題が起こる。
【0010】
界面活性剤をエアロゾルとして搬送することの困難に鑑みて、例えば、界面活性剤、又は他の有効な薬剤のような高用量治療薬の安全で有効なエアロゾル搬送のための方法を提供する持続的な必要性が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、呼吸器治療が必要な哺乳類の患者、特に人間の新生児患者に対する有効な薬剤の非侵襲的な肺吸入に向けられる。エアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送するための方法が提供される。一般に、好ましい実施例は、媒質中の混合物として有効な薬剤を取得するステップ、及び搬送を所望するエアロゾル化された有効な薬剤を生成するエアロゾル発生器を用いて混合物の微粒子の流れを発生するステップを有する。好ましい1実施例によると、エアロゾル化された有効な薬剤は新規な流体流コネクタと連絡して通過する。コネクタは、エアロゾル化された有効な薬剤を主エアロゾル流路に沿って排出口へ向けるように構成されることが好ましく、少なくとも部分的に主エアロゾル流路の外側に配置されることが好ましい領域で沈着を捕集できることが好ましい。コネクタの内部で沈着を捕集するのに適切な1つの位置は、コネクタ排出口から離間された領域である。
【0012】
流体流コネクタの中で捕集される沈着は、本発明の方法によって意図される種々の接合部におけるコネクタから回収できる。例えば、第1のエアロゾル化された有効な薬剤が患者に搬送でき、沈着が流体流コネクタから回収され、第2のエアロゾル化された有効な薬剤が患者に搬送できる。有効な薬剤の一部を含む沈着は、例えば、患者の鼻孔を通したスポイト投与を介して実質的に捕集された形態で患者に搬送されるか、又は再エアロゾル化されて患者に搬送される。
【0013】
他の好ましい実施例によると、エアロゾル化された有効な薬剤は、ガスの流れによって影響を与える。ガスの流れは、放射対称な方法で、エアロゾル化された有効な薬剤の方向に向けられることが好ましい。ガスの流れは、エアロゾル化された有効な薬剤に多くの方法で影響を与えることができる。例えば、ガスの影響を与える流れは第1エアロゾルの特性を変更して第2エアロゾルを生成することができ、次に第2エアロゾルが患者に搬送される。第2エアロゾルと関連する微粒子の空気動力学的中央粒子径は、第1エアロゾルと関連する微粒子の空気動力学的中央粒子径より小さい。第2エアロゾルにおける媒質に対する有効な薬剤の割合は、第1エアロゾルにおける媒質に対する有効な薬剤の割合と比較して、より大きい。ガスの流れは、エアロゾル化された有効な薬剤へ物理的に影響を与えることができる。例えば、ガスの影響を与える流れは、患者に到達する前に1又は複数の残りのコネクタ、又は導管を通してエアロゾル流路を方向付けることができる。
【0014】
また、エアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送するためのシステムも提供される。好ましい1実施例によると、システムは、エアロゾル化された有効な薬剤を形成するためのエアロゾル発生器、搬送手段、及びエアロゾル化された有効な薬剤から分離された沈着を捕集するためにエアロゾル発生器と搬送手段の間に配置された捕集装置を含む。捕集装置の少なくとも一部は、主エアロゾル流路の実質的に外側に配置されることが好ましい。
【0015】
他の好ましい実施例によると、システムは、エアロゾル発生器、エアロゾル発生器に接続された流体流コネクタ、及び任意に、流体流コネクタの搬送排出口に接続された1組の鼻カニューレを含む。流体流コネクタは、チャンバ、エアロゾル吸入口、搬送排出口、及びエアロゾル化された有効な薬剤と関連する沈着を捕集するための捕集装置を含む。エアロゾル流路は、エアロゾル吸入口と搬送排出口の間に定められる。エアロゾル流路は、90°より小さい角度を欠くことが好ましい。1組の鼻カニューレの各々は、約10mm以下であることが好ましい内径を有する。
【0016】
エアロゾル化された有効な薬剤の搬送に適合された流体流コネクタも提供される。流体流コネクタは、上記の好ましい方法とシステムの両方で使用されるのに適切であり、ここで示され記載される以外の方法とシステムで使用されるのにも適切である。好ましい1実施例によると、コネクタは、エアロゾル吸入口を有するチャンバ、搬送排出口、吸入口と排出口の間に定められるエアロゾル流路、及びエアロゾル化された有効な薬剤と関連する沈着を捕集するための領域を含む。沈着が捕集されて、コネクタを流れるエアロゾル化された有効な薬剤から実質的に分離されるように、沈着捕集領域は少なくとも部分的にエアロゾル流路の外側に配置されることが好ましい。
【0017】
他の好ましい実施例によると、コネクタは、エアロゾル吸入口を有するチャンバ、搬送排出口、吸入口と排出口の間に定められるエアロゾル流路、及びエアロゾル流路から分離されたエアロゾル化された有効な薬剤と関連する沈着を維持するための手段を含む。前記手段は、チャンバの中で定められた陥凹部を含むことができる。また、前記手段は、搬送排出口に近接して配置されるリップも含むことができる。
【0018】
他の好ましい実施例によると、コネクタは、チャンバ、エアロゾル吸入口、搬送排出口、及び吸入口から排出口まで伸長するエアロゾル流路を含む。エアロゾル化された有効な薬剤は、約90°より小さい角度で流路を流れることが好ましい。
【0019】
他の好ましい実施例によると、コネクタは、エアロゾル吸入口を有するチャンバ、搬送排出口、及びエアロゾル化された有効な薬剤と関連する沈着が影響を与えることができる内側面を含む。内側面は、沈着を捕集すること、及び/又は搬送排出口への沈着の連絡を容易にすることの何れかのために構成される。
【0020】
他の好ましい実施例によると、コネクタは、エアロゾル吸入口を有するチャンバ、搬送排出口、人工呼吸ガス吸入口、及び人工呼吸ガス排出口を含む。エアロゾル吸入口と搬送排出口は、実質的に互いに平行である。また、エアロゾル吸入口は、搬送排出口から水平方向にオフセットできる。
【0021】
本発明の方法、システム、及び装置は、エアロゾル化された有効な薬剤の搬送を患者に提供する。本発明の典型的な実施例では、エアロゾル化された有効な薬剤は、約0.1mg/minの肺界面活性剤から、総リン脂質含有量(「TPL」)として測定された約300mg/minの界面活性剤TPLまでの割合で搬送された、エアロゾル化された肺界面活性剤である。
【0022】
本発明の方法、システム、及び装置を使用して、高い割合のエアロゾル化された有効な薬剤が患者に搬送され、患者の肺に沈着できる。典型的な実施例では、約10%より大きい割合の搬送装置の中のエアロゾル化された肺界面活性剤TPLが搬送装置を出て、患者に搬送される。約10%以上の特に好ましい実施例では、搬送装置の中のエアロゾル化された肺界面活性剤TPLの約15%、約20%、又は約25%が搬送装置を出て、患者に搬送される。本発明の1側面では、(患者の総重量に基づいて)約2mg/kg以上の肺界面活性剤TPLが、患者の肺の中に沈着する。他の側面では、約2mg/kgから約175mg/kgまでの肺界面活性剤TPLが、患者の肺の中に沈着する。
【0023】
本発明は、呼吸器疾患を治療する方法を提供する。これらの方法を使用して患者の肺の中に沈着したエアロゾル化された有効な薬剤の総量は、患者の呼吸器疾患の治療に有効である。特に好ましい実施例では、本発明は、新生児のRDSを治療する方法を提供する。これら患者の肺の中に沈着するエアロゾル化された有効な薬剤の総量は、これら患者の救助、及び/又は予防的な治療に対して充分であり、即ち、気管内チューブを使用する界面活性剤投与に対する必要性がない。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、特に、患者への1又は複数の有効な薬剤の肺吸入のための方法とシステム、その種の薬剤の搬送のための装置、及び患者の呼吸器疾患を治療するための方法を提供する。
【0025】
別に示されない限り、ここで使用される専門用語は特定の実施例だけを記載することを目的とし、本発明の範囲を限定する意図はない。
【0026】
エアロゾルの「空気動力学的中央粒子径」又は「MMAD」は、エアロゾルの微粒子の量の半分がMMADより大きな空気動力学的直径を有する微粒子によって寄与され、半分がMMADより小さい空気動力学的直径を有する微粒子によって寄与される空気動力学的直径を意味する。これは、例えば、inertial cascade impaction技術を使用して、又は沈殿法によって測定できる。
【0027】
好ましい実施例によると、本発明は、媒質の中で混合物としての1又は複数の有効な薬剤の搬送を容易にする。ここで使用されるように、用語「混合物」は、溶液、懸濁液、分散系、又は乳濁液を意味する。「乳濁液」は、2又は3以上の一般に不混和性の液体の混合物を意味し、一般にコロイドの形態である。混合物は脂質であり得、例えば、脂質は均一に、又は不均一に乳濁液を通して分散する。或いは、脂質は、例えば、クラスタ、又は単層、若しくは2重層を含む層の形態で凝集し得る。「懸濁液」又は「分散系」は、長期間にわたって安定を保つことが好ましい、例えば、液体中の液体、固体中の固体、液体中のガス、及び類似のもののような2又は3以上の相(固体、液体、又はガス)の、細かく分割されることが好ましい混合物を意味する。本発明の分散系は、流体分散系であることが好ましい。
【0028】
混合物は、有効な薬剤を所望する濃度、及び媒質で含む。媒質中の有効な薬剤の濃度は、患者が有効な量の薬剤を受け取ることを保証するように選択されることが好ましく、有効な量の薬剤は、例えば、約1から約100、又は約120mg/mlであり得る。
【0029】
選択された有効な薬剤、及び媒質に基づき、当業者は適切な濃度を容易に決定できる。本発明を使用して搬送される混合物は、1又は複数の湿潤剤を含むことが多い。用語「湿潤剤」は、液体の表面張力を減少させ、従って固体表面への接着を増加させる材料を意味する。湿潤剤は、1端部に親水基を、他端部に疎水基を有する分子を含むことが好ましい。親水基は、鼻カニューレのような表面での材料のビーディング、又は捕集を防止すると考えられる。適切な湿潤剤は、石鹸、アルコール、脂肪酸、それらの組み合わせ、及び類似のものである。
【0030】
ここで使用されるように、用語「有効な薬剤」は、肺吸入を介して治療目的(例えば、薬物)、診断目的、又は予防的な目的のために使用できる物質、又は物質の組み合わせを意味する。例えば、有効な薬剤は、疾病の有無、又は患者の状態を診断するため、及び/又は疾病、又は患者の状態を治療するために有用である。従って、「有効な薬剤」は、肺の径路によって搬送されるときに生物学的作用を及ぼすことができる物質、又は物質の組み合わせを意味する。生物活性薬剤は、中性、陽性又は陰性に荷電され得る。典型的な薬剤は、例えば、インシュリン、オータコイド、抗菌薬、解熱剤、抗炎症薬、界面活性剤、抗体、抗真菌薬、抗菌薬、鎮痛薬、食欲抑制薬、抗関節炎薬、鎮痙薬、抗うつ剤、抗精神病薬、抗てんかん薬、抗マラリア薬、抗原虫薬、抗痛風薬、精神安定剤、抗不安薬、麻薬拮抗薬、パーキンソン病治療薬、コリン作動薬、抗甲状腺薬、抗酸化剤、抗悪性腫瘍薬、抗ウイルス薬、食欲抑制剤、制吐剤、抗コリン作用薬、抗ヒスタミン薬、片頭痛薬、骨調節薬、気管支拡張薬及び抗喘息薬、キレート化剤、解毒薬及び拮抗薬、造影剤、コルチコステロイド、粘液溶解薬、鎮咳剤、及び鼻詰まりの薬、脂質調節薬、全身麻酔薬、局所麻酔薬、筋弛緩剤、栄養剤、副交感神経作動薬、プロスタグランジン、放射性医薬品、利尿剤、抗不整脈薬、制吐剤、免疫調節薬、造血薬、抗凝血剤、及び血栓溶解薬、冠状動脈、大脳、又は末梢神経血管拡張薬、ホルモン、避妊薬、利尿剤、降圧剤、強心剤、麻酔薬、ビタミン、ワクチン、及び類似のもののような心血管作動薬を含む。
【0031】
利用される有効な薬剤は、高用量治療薬であることが好ましい。その種の高用量治療薬は、アミカシン、ゲンタマイシン、コリスチン、トブラマイシン、アンホテリシンBのような抗生物質を含む。他は、N−アセチルシステイン、Nacystelyn、アルギナーゼ、メルカプトエタノール、及び類似のもののような粘液溶解薬を含む。リバビリン、ガンシクロビル、及び類似のもののような抗ウイルス薬、ペンタミジン、及び類似のもののようなジアミジン、及び抗体のようなタンパク質も考慮される。
【0032】
好ましい有効な薬剤は、肺界面活性剤(LS)のような、肺の予防的な、又は救命療法のために使用される物質、又は物質の組み合わせである。
【0033】
天然のLSは、成熟した哺乳類の肺の肺胞上皮の一面を覆う。天然のLSは、「リポ蛋白複合体」として記載されてきた。何故ならば、天然のLSは、リン脂質、及び表面張力を肺の空気−液体界面において調節し、肺胞を安定化させて肺胞の圧潰を防止するように機能するアポタンパク質の両方を含むからである。4つのタンパク質が、肺界面活性剤と関連して発見された。即ち、SP−A,SP−B,SP−C,及びSP−Dである(Ma 他、Biophysical Journal 1998,74:1899-1907)。特に、適切な肺脂質と関連するとき、SP−Bは肺界面活性剤の完全な生物物理学的特性を与えるようである。SP−Bの欠如は、出生時における呼吸不全と関連する。SP−A,SP−B,SP−C,及びSP−Dは、動物から、又は合成的に得られるカチオン・ペプチドである。動物から得た界面活性剤が利用されるとき、LSはウシ、又はブタから得ることが多い。
【0034】
ここで使用するために、用語LSは自然に発生した、及び合成の肺界面活性剤の両方を意味する。ここで使用されるように、合成のLSは、無タンパク質の肺界面活性剤、及び合成のペプチド、又は自然に発生した界面活性剤タンパク質のペプチド模倣を含む肺界面活性剤の両方を意味する。現在使用中の、又はRDS及び他の肺の状態で使用するために今後開発されるLSは、本発明での使用に適切である。現在のLS製品は、限定するものではないが、lucinactant(Surfaxin(登録商標),Discovery Laboratories社、ウォリントン、PA)、poractant alfa(Curosurf(登録商標),Chiesi Farmaceutici社、パルマ、イタリア)、beractant(Survanta(登録商標),Abbott Laboratories社、Abbott Park,イリノイ州)、及びcolfosceril palmitate(Exosurf(登録商標),グラクソスミスクライン社、ミドルセックス州、英国)を含む。
【0035】
本発明の方法とシステムは、上記の肺界面活性剤の組成、抗生物質、抗ウイルス薬、粘液溶解薬のような有効な薬剤の使用を考慮するが、好ましい有効な薬剤は合成の肺界面活性剤である。薬理的な見地から、治療での使用に最適な外来性のLSは、実験室で完全に合成される。この件について、有用であることが発見されたSP−Bの1つの模倣はKL4であり、KL4は21アミノ酸カチオン・ペプチドである。特に、KL4ペプチドは急速な表面張力調節を可能にし、圧搾リン脂質単層の安定化を補助する。KL4は、例えば、米国特許第5,260,273号に記載されるLS模倣ペプチドのファミリを表し、米国特許第5,260,273号は本明細書で参照される。ペプチドは、リン脂質、及び遊離脂肪酸、又は脂肪アルコール、例えば、DPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン)、POPG(パルミトイル−オレイル・ホスファチジルグリセロール)、及びパルミチン酸(PA)の水溶性分散系の内部に存在することが好ましい。例えば、本明細書で参照される米国特許第5,789,381号を参照のこと。
【0036】
好ましい実施例では、LSはlucinactant、又は合成の界面活性剤タンパク質KLLLLKLLLLKLLLLKLLLL(KL4)を含む他のLS調合物である。好ましいLS lucinactantは、DPPC、POPG、パルミチン酸(PA)、及びKL4ペプチドの組合せである。実施例の中には、製剤がリン脂質含有量が例えば、10,20,及び30mg/mlの濃度で処方されるものもある。他の実施例では、製剤がリン脂質含有量が例えば、60,90,120又はそれ以上のmg/mlの濃度で処方され、KL4濃度の増加を伴うものもある。
【0037】
本発明の方法の実施に界面活性剤が利用されるとき、界面活性剤が適用される上皮表面の液体/空気界面の表面張力を効果的に調節するのに充分な量が存在するように界面活性剤が選択されることが好ましい。
【0038】
本発明は、KL4界面活性剤を超える他のカチオン・ペプチドの使用を考慮する。カチオン・ペプチドは、少なくとも約10の、好ましくは少なくとも11のアミノ酸残基から構成されることが好ましく、約60以下の、通常は約35より少ない、好ましくは約25より少ないアミノ酸残基から構成されることが好ましい。
【0039】
多くのカチオン・ペプチドが、当該分野で開示されてきた。例えば、本明細書で参照される米国特許第5,164,369号、第5,260,273号、第5,407,914号、及び第6,613,734号を参照のこと。カチオン・ペプチドの実施例は、KLLLLKLLLLKLLLLK(KL4,SEQ ID NO:1)、DLLLLDLLLLDLLLLDLLLLD(DL4,SEQ ID NO:2)、RLLLLRLLLLRLLLLRLLLLR(RL4,SEQ ID NO:3)、RLLLLLLLLRLLLLLLLLRLL(RL8,SEQ ID NO:4)、RRLLLLLLLRRLLLLLLLRRL(R2L7,SEQ ID NO:5)、RLLLLCLLLRLLLLLCLLLR(SEQ ID NO:6)、RLLLLLCLLLRLLLLCLLLRLL(SEQ ID NO:7)、及びRLLLLCLLLRLLLLCLLLRLLLLCLLLRDLLLDLLLDLLLDLLLDLLLD(SEQ ID NO:8)、及びポリリシン、magainans、デフェンシン、iseganan、ヒスタチン、及び類似のものを含む。カチオン・ペプチドは、LS模倣、KL4であることが好ましい。
【0040】
ここで使用されるように、「LS模倣ペプチド」は、ゼロより小さい、好ましくは−1以下の、更に好ましくは−2以下の合成物疎水性を有するアミノ酸残基配列をもつポリペプチドを意味する。ペプチドに対する合成物疎水性値は、本願明細書で参照されるHopp他のProc.Natl.Acad.Sci.,78:3824-3829(1981)に記載される親水性値に対応するペプチド中で各アミノ酸残基を割り当てることによって決定される。所定のペプチドに対して、疎水性値が合計され、合計値が合成物疎水性値を表す。
【0041】
これら疎水性ポリペプチドが、SP−18の疎水性領域、既知のLSアポタンパク質の機能を果たす。SP−18は、本願明細書で参照されるGlasser他の、Proc.Natl.Acad.Sci.,84:4007-4001(1987)に更に詳細に記載される。好ましい実施例では、アミノ酸配列がSP−18の疎水性残基と親水性残基のパターンを模倣する。
【0042】
好ましいLS模倣ペプチドは、交代性の疎水性アミノ酸残基領域と親水性アミノ酸残基領域を有するポリペプチドを含み、以下の公式によって表される少なくとも10のアミノ酸残基を有するように特徴付けられる。
(Zabcd
各出現Z及びUが独立して選択されるように、Z及びUはアミノ酸残基である。Zは親水性アミノ酸残基であって、R,D,E及びKから構成される群から選択されることが好ましい。Uは疎水性アミノ酸残基であって、V,I,L,C,Y,及びFから構成される群から選択されることが好ましい。文字「a」「b」「c」及び「d」は、親水性残基、又は疎水性残基の数を示す数字である。文字「a」は約1から約5の平均値を有し、約1から約3が好ましい。文字「b」は約3から約20の平均値を有し、約3から約12が好ましく、約3から約10が最も好ましい。文字「c」は1から10であって、2から10が好ましく、3から6が最も好ましい。文字「d」は1から3であって、1から2が好ましい。
【0043】
Z及びUによって表されるアミノ酸残基が独立して選択されることを述べることによって、各出現、特定の群から選択された残基が選択されることを意味する。即ち、例えば、「a」が2であるとき、Zによって表される親水性残基の各々は独立して選択され、それゆえに、RR,RD,RE,RK,DR,DD,DE,DK,等を含み得る。「a」と「b」が平均値を有すると述べることによって、繰り返し配列(ZaUb)の内部の残基の数がペプチド配列の内部である程度変化することができ、「a」と「b」の平均値がそれぞれ約1から約5、及び約3から約20であることを意味する。
【0044】
上記公式の典型的な好ましいポリペプチドが、LS模倣ペプチドの表に示される。
【表1】

【0045】
本発明によって搬送される合成物で有用なリン脂質の実施例は、自然のリン脂質、及び/又は合成のリン脂質を含む。リン脂質は、限定するものではないが、ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、及びホスファチジルエタノールアミンを含み得る。典型的なリン脂質は、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジラウリルホスファチジルコリン(DLPC)C12:0、dimyristoylホスファチジルコリン(DMPC)C14:0、distearoylホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン、nonadecanoylホスファチジルコリン、arachidoylホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)(C18:1)、dipalmitoleoylホスファチジルコリン(C16:1)、linoleoylホスファチジルコリン(C18:2)、dipalmitoylホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、パルミトイル−オレイルホスファチジルグリセロール(POPG)、distearoylphosphatidylserine (DSPS)、大豆レシチン、卵黄レシチン、スフィンゴミエリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロール、ホスファチジルエタノールアミン、及びホスファチジン酸、卵ホスファチジルコリン(EPC)を含む。
【0046】
これら混合物で有用な脂肪酸と脂肪アルコールの実施例は、制限するものではないが、パルミチン酸、セチルアルコール、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、フィタン酸、dipamlitic酸、及び類似のものを含む。脂肪酸はパルミチン酸であることが好ましく、脂肪アルコールはセチルアルコールであることが好ましい。
【0047】
用語「媒質」は、水溶性媒質と非水溶性媒質の両方を意味する。好ましい媒質は、搬送される有効な薬剤の生物活性に悪影響を与えないように選択される。
【0048】
非水溶性媒質は、例えば、水素含有クロロフルオロカーボン、フルオロカーボン、及びそれらの混合物を含むことが好ましい。付属的な呼吸サポートを提供し、脱気状態での効率的な肺充填を提供するために、ペルフルオロカーボン液は約40ml/100mlより大きい酸素溶解度を有するべきである。代表的なペルフルオロカーボン液は、FC−84,FC−72,RM−82,FC−75(3M社,Minneapolis,Minn.)、RM−101(MDI社,Bridgeport,Conn.)、ジメチルアダマンタン(Sun Tech,社)、trimethylbicyclononane(Sun Tech,社)、及びパーフルオロデカリン(Green Cross社、日本)を含む。
【0049】
水溶性媒質が利用されるとき、媒質は水を含有する液体であることが好ましい。適切な媒質は、生理学的pH(7.3)の1pH単位の範囲内で緩衝されることが好ましい等張性のイオン溶液を含む。媒質は病原体と他の有害物が有ってはならず、純水から成ることができ、アルコール、エステル、エーテル、ケトン、及び類似のもの等のオキシ基含有液のような、容量で約20%までの、好ましくは約5%までの、無毒の有機液体を任意に含むことができる。有機成分の選択では、中毒、鎮静、及び類似のもののような望ましくない反応を生じさせそうな材料を避けることが重要である。媒質は、生理食塩水、又はトロメタミン緩衝液が好ましい。
【0050】
本発明は、エアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送する方法を提供する。一般に、その種の方法は、エアロゾル化された有効な薬剤を生成するエアロゾル発生器を用いて微粒子の流れを発生するステップを含む。いくつかの実施例によると、本発明の方法は、ガスの流れを用いてエアロゾル化された有効な薬剤に影響を与えるステップを含む。ガスの流れが利用される実施例では、エアロゾル化された有効な薬剤は、均一な方法、例えば、実質的に放射対称な方法でガスによって影響を与えられることが好ましい。エアロゾル化された有効な薬剤に例えば、実質的に放射対称な方法で影響を与えることによって、ガスはエアロゾル化された有効な薬剤を搬送排出口に方向付けることができる。
【0051】
実施例の中には、ガスの流れがコンディショニングシステムの一部であるものもある。コンディショニングシステムは、コンディショニングガスと呼ばれるガスを利用して、エアロゾルを、例えば、吸気性ガス流に方向付ける。実施例の中には、コンディショニングガスがエアロゾル化された有効な薬剤の流れを調節するだけでなく、有効な薬剤混合物の1又は複数の特性を変更するものもある。例えば、実施例の中には、コンディショニングガスが、第2エアロゾルを発生するエアロゾル発生器によって発生されるエアロゾルの少なくとも一部の特性を変更するものもある。変更できるエアロゾルの特性の実施例は、エアロゾル粒子サイズ、及び媒質に対する有効な薬剤の割合を含む。特定の理論によって限定されることを望まないが、粒子のサイズを減少させることによって、生体外への沈着が減少させることができると考えられる。何故ならば、無秩序な流動様式が最小化されるからである。場合によっては、コンディショニングガスが、微粒子の中に存在する媒質の一部から蒸発することも考えられる。従って、実施例の中には、コンディショニングガスがエアロゾル流を形成し、限定し、及び/又は方向付けることができ、その際、エアロゾルと搬送装置の物理的壁部の間に緩衝ゾーンを創出できるものもある。
【0052】
呼吸器治療の当業者によって理解されるように、ガスの流れ、又はコンディショニングガスは、空気、酸素ガス、窒素ガス、ヘリウムガス、一酸化窒素ガス、及びそれらの組み合わせ(例えば、ヘリオックス、又はヘリウム、酸素、及び窒素の「トライミックス」)を含有する、空気と他の2次加工されたガスの調合物を意味することが好ましい。ガスは空気と酸素ガスの調合物であることが好ましく、酸素含有量は全ガス成分の約20%から約100%まで変化する。ガス調合物中の酸素の総量は、主治医によって容易に決定できる。
【0053】
用語「シースガス」及び「コンディショニングエア」は、「コンディショニングガス」と同義に使用される。
【0054】
ここで使用されるように、用語「限定、形成、及び方向付け」及び「限定し、形成し、及び方向付ける」は、エアロゾル中で微粒子の流れに対してコンディショニングガスによって行われるコンディショニングを意味する。これは、図8で最も明瞭に示される。特に、エアロゾル中の微粒子の流れが、コンディショニングガスと接触させられる。ある場合には、コンディショニングガスは、微粒子の流れを、コンディショニングガスによって限定された、更に濃縮され、集中させられた流れに形成できる(即ち、方向の一貫性を微粒子のエアロゾル流に提供する)。図8に示されるように、微粒子のこの形成され、限定された流れは、搬送装置へ方向付けられる。当業者は、「コンディショニングガス」を用いてエアロゾルに影響を与える効果はエアロゾルの特性、装置の構成、及び動作パラメータによって変化でき、従って、図8に示されるコンディショニングは単なる実施例であり、特許請求の範囲を限定するものでないことを容易に認めるであろう。
【0055】
実施例の中には、相当な割合のエアロゾルがコンディショニングガスによって条件付けられるものもある。相当な割合は、エアロゾルの約10%以上、好ましくは約25%以上、更に好ましくは約50%以上、及び更に好ましくは約90%を意味する。
【0056】
ガス乱流を作り出さないように、ガスが流量に加えられることが好ましい。コンディショニングガス流の単位時間当たりの容積は約0.1から約6リットル/分であり、患者に依存することが好ましい。流れは噴霧器から発生するエアロゾルの総量に基づいて最適化され、搬送路の調節装置と他の部品中のエアロゾル沈着が最小化でき、エアロゾルの希釈度も最小化される割合に特に最適化される。
【0057】
コンディショニングガスが、微粒子の中に存在する媒質の一部を蒸発させるために使用される実施例では、患者の受渡地点に対して微粒子が発生される噴霧器から微粒子が移動するときに、エアロゾル中の微粒子からの媒質の蒸発をコンディショニングガスが加速すると考えられる。この蒸発は、コンディショニングガスが加熱され、及び/又は相対的に低水分(湿度)レベルにある時に促進され得る。コンディショニングガスの温度は好ましくは約37から約50℃であり、更に好ましくは約37から約42℃である。好ましくは、コンディショニングガスは37℃において約60%より低い相対湿度を有し、更に好ましくは、約20%より低い相対湿度を有し、更に好ましくは、約5%より低い相対湿度を有する。或いは、コンディショニングガスは、100%までの相対湿度を含む、更に高い相対湿度をもち得る。
【0058】
本発明のいくつかの側面では、コンディショニングガスが微粒子を蒸発させ、微粒子は媒質を実質的にもたない。実質的にもたないは、搬送されるエアロゾルが著しい量の媒質を含まないことを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
以下で詳細に論じられるように、本発明の多くの実施例は、陽性気道圧の投与を含む他の非侵襲的な肺の呼吸器治療と連動するエアロゾル化された有効な薬剤の搬送を含む。用語「非侵襲的な肺の呼吸器治療」は、機械的な酸素供給を使用せず、CPAP、2相性陽性気道圧(BiPAP)、呼吸同期性間欠的強性換気(SIMV)、及び類似のものを含み得る呼吸器治療を意味する。当業者が認めるように、その主の治療法の利用は、種々の呼吸ガスの使用を含む。非侵襲的な肺の呼吸器治療に使用される呼吸ガスは、「CPAPガス」「CPAP空気」「人工呼吸ガス」「人工呼吸空気」又は単に「空気」と呼ばれることもある。しかし、それらの用語は、限定するものではないが、コンディショニングガスとして使用するための上記にリストされたガスの組み合わせを含む、非侵襲的な肺の呼吸器治療のために通常使用される任意の型のガスを含むことを意図する。実施例の中には、非侵襲的な肺の呼吸器治療に使用されるガスが、コンディショニングガスと同じであるものもある。他の実施例では、各々のガスは互いに異なる。
【0060】
実施例の中には、本発明の肺吸入方法が、CPAPと連動して利用されるものもある。CPAPの使用が、機能できる残気量の増加、及び向上した酸素化を可能にすることが示された。喉頭が拡張され、声門上の気道抵抗は普通である。呼吸器胸腹部の動きの同調性の向上、及び気道閉塞に続く改善したヘーリング・ブロイエル反射も存在する。CPAPが、睡眠時無呼吸、鼾声、ARDS、IRDS、及び類似のもののような種々の状態の治療に有用であることが示された。
【0061】
CPAPを実行するために、圧力源、及び搬送機器、又は搬送装置が必要である。CPAPが生成する空気流は、新鮮な加湿されたガスのジェットからの運動エネルギを陽性気道圧に変換することによって、経鼻呼吸チューブの付近で一般に生成される。約5から約12リットル/分の呼吸ガスの連続流量は、約2から約10cmH2Oの対応するCPAPを発生する。種々の変更が、患者の必要性に基づいて圧力の総量を個別化できるセンサを含むCPAPシステムに適用できる。
【0062】
一般に、CPAPを達成するために適切な流量と圧力は、治療中の患者の特性に基づく。本発明の方法による治療を受ける患者は、新生児、幼児、年少者、及び大人であり得る。一般に、新生児は、時期尚早に生まれた、又は4週未満の幼児である。一般に、幼児は、4週以上であるが2年未満の者を意味する。年少者は、2年以上であるが11年未満の者を意味する。大人は、11年以上の者である。
【0063】
適切な流量と圧力が、主治医によって容易に計算できる。本発明は、低い、中程度の、及び高い流量を含む、換気ガスのための種々の流量の使用を含む。或いは、エアロゾルは、陽圧を付加すること無しに、即ち呼吸器治療と同時のCPAP無しに供給できる。
【0064】
患者に搬送中のCPAPが生成する空気流は、肺と気道の容認できない乾燥レベルを防止する水分レベルを有することが好ましい。従って、CPAPが生成する空気は、約70%より大きいことが好ましい相対湿度を達成するために加湿器、又は類似のものを通して泡立てることによって加湿されることが多い。更に好ましくは、湿度は約85%より大きく、更に好ましくは、98%より大きい。
【0065】
CPAPが誘導する空気流の適切なソースは、水面下の管CPAP(水面下の呼気抵抗)ユニットである。一般に、これはバブルCPAPと呼ばれる。
【0066】
圧力の他の好ましいソースは、CPAP回路の呼気性肢上の可変抵抗弁を使用する呼気流弁である。一般に、これは人工呼吸器を介して行われる。
【0067】
他の好ましいソースは、Infant Flow Driver、又は「IFD」(Electro Medical Equipment社、ブライトン、サセックス州、英国)である。IFDは圧力を鼻のレベルで発生し、従来の流れのソース、及び圧力計を利用して、CPAP効果を生ずることができる高圧供給ジェットを発生する。高圧供給ジェットの方向は患者の努力によって鼻腔の中で作用した圧力に応答すること、及び吸気サイクルの間に空気圧の変動を減少させることが文字通り提案される。
【0068】
議論したばかりのシステムに類似の特徴を含む他のCPAPシステムも、本発明によって実施される。
【0069】
本発明によって発生するエアロゾル流は、例えば、マスク、単鼻側カニューレ、両鼻側カニューレ、鼻咽頭カニューレ、鼻カニューレ、及び類似のものを含む鼻搬送装置を介して患者に搬送されることが好ましい。搬送装置は、トラウマを最小化し、エアロゾルの損失を避けるために封止を維持し、患者が呼吸するために行わなければらならい仕事を最小化するように選択される。両鼻側カニューレが使用されることが好ましい。
【0070】
エアロゾル流も、経口的に搬送できる。好ましい経口搬送インターフェースは、マスク、カニューレ、及び類似のものを含む。
【0071】
本発明の方法、システム、及び装置は、エアロゾル化された有効な薬剤を肺に搬送する。実施例の中には、搬送前に、即ち、コンディショニングガス、又は他のコンディショニング手段を用いて影響を与えられる前に、エアロゾル化された有効な薬剤が調節されるものもある。
【実施例】
【0072】
図1に示されるように、本発明は媒質中の有効な薬剤の混合物を利用する。この混合物は、有効な薬剤と媒質を混合容器12の内部にライン10,14を介してそれぞれ付加することによって形成できる。付加の順序は重要ではない。この実施例では、有効な薬剤と媒質が混合羽根13を用いて混合され、所望する実質的に均一な混合物を提供する。媒質と有効な薬剤は充分な量だけ付加され、現在の向上したエアロゾル化プロセスを介して患者に搬送されるときに有効な濃度を提供する。媒質と有効な薬剤は、バッチ式、又は連続プロセスで混合される。
【0073】
他の実施例では、媒質と有効な薬剤が予め混合される。図2に示されるように、予め混合したものは容器22の中に存在する。
【0074】
有効な薬剤と媒質の混合物は調節装置18までライン16を介して通過し、以下に記載されるように処理される。
【0075】
大部分のエアロゾル微粒子は、粒子に斥力をもたらし、その結果、沈着をもたらすいくらかの電荷を搬送する。従って、他の実施例では、噴霧器24、及び以下で論じられる調節装置の種々の構成要素は、粒子沈着、及び/又は粒子斥力を減少させる材料で被覆できる。この材料は湿らせることができて、エアロゾルに対する静電気制御剤として振る舞えることが好ましい。或いは、この材料は、付加、及び押し出し配合を介した製造を用いて混合される。
【0076】
沈着、及び/又は斥力を減少させる他の取り組みは、エアロゾルをコロナ放電、又は放射によって生成される高濃度の双極性イオンと混合することである。エアロゾル中和物は、噴霧器24の下流に配置されるか、又はコンディショニングガスが以下に記載される調節装置へ入る前にコンディショニングガスと混合される。
【0077】
混合物は、ライン16を介して調節装置18に送られる。調節装置18の運転が図1、及び図8に示され、両方が参照される。調節装置18は、コンディショニング容器26と流体連絡する噴霧器(エアロゾル発生器)24を含む。1実施例では、エアロゾル発生器は、超音波噴霧器、振動膜噴霧器、又は振動スクリーン噴霧器である。一般に、ジェット噴霧器は利用されないが、本発明の方法は全型の噴霧器に適用できる。1実施例では、エアロゾル発生器は、Aeroneb(登録商標)Professional噴霧器(Aerogen社、マウンテンビュー、米国)である。噴霧器24は、混合物の微粒子の高濃度の混乱した(調節されていない)流れを発生する。エアロゾル微粒子のサイズは、本発明にとって重要ではない。粒子MMAD範囲の代表的な限定されないリストは、約0.5から約10マイクロメートル、約1から約10マイクロメートル、約0.5から約8マイクロメートル、約0.5から約6マイクロメートル、約0.5から約3マイクロメートル、及び約0.5から約2マイクロメートルのサイズを含む。0.5マイクロメートルより小さい、又は10マイクロメートルより大きいMMADを有するエアロゾル微粒子は、本発明によって等しく実施される。
【0078】
他の実施例では、エアロゾル発生器は毛細管エアロゾル発生器であり、毛細管エアロゾル発生器の実施例は、Chrysalis Technologies社、リッチモンド、バージニア州から購入可能なsoft-mist発生器である(T.T.Nguyen,K.A.Cox,M.Parker及びS.Pham(2003)Generation and Characterization of Soft-Mist Aerosols from Aqueous Formulations Using the Capillary Aerosol Generator,J.Aerosol Med.16:189)。
【0079】
本発明のいくつかの実施例は、ガスの流れ、又はコンディショニングガスの使用を含み、一方、図面及び記載から明らかなように、他の実施例は含まない。コンディショニングガスの使用を含む実施例の中には、未調節のエアロゾル20がコンディショニング容器26まで開口部50を介して通過するものもあり(図3を参照)、図1でガス流21,21a−21gとして示されるコンディショニングガスを用いてエアロゾルは調節される。図1、及び図8が示すように、実施例の中には、コンディショニングガス流21,21a−21gが媒質を微粒子から蒸発させることができるものもあり、第1MMADから第2MMAD、更に小さいMMAD、に向けてサイズの減少を加速することが好ましく、結果として、更に小さい液滴は搬送システムを通過して、肺に搬送される高い確率を有するであろう。微粒子のサイズが減少するとき、慣性が減少するにつれて、微粒子が表面によって遮られる確率は減少する。実施例の中には、コンディショニングガスも、コンディショニング容器26の中で更に集束された一貫性のある流れ28に微粒子の流れを限定し、形成し、方向付けることができるものもある(図8参照)。エアロゾル化された有効な薬剤が、エアロゾル発生器から患者への受渡地点まで本質的に変化しない方法、実施例、及び装置を本発明が含むことを銘記する。
【0080】
図3、及び図8に示されるように、1実施例では、噴霧器24は、コンディショニング容器26の吸入口本体34にわたってぴったりとしたスリップフィット封止を可能にする内部寸法32を有する排出口スリーブ30を含む。利用される特定の噴霧器に基づいて、噴霧器24とコンディショニング容器の間の接合部は変更できる。この構成には示されないが、噴霧器24はコンディショニング容器26から間隔を空けられ、可撓管、又は類似のものを介して接続される。図3に示されるように、コンディショニング容器26は、2つの部品、即ちコンディショニングガス吸入口ユニット36、及び調節された流れのノズル38を含む。これら2つのユニットの詳細は、図3,4,5,6,6A,6B,及び7に示される。コンディショニングガス流は、コンディショニングガス・ユニット吸入口38にコンディショニングガス流をチャンバ44に搬送する開口部41を有する入口40,42を介して入り込む。流量は、非乱流であることを保証するように設定されることが好ましい。既に議論したように、場合によっては、コンディショニングガスは、調節された温度とモニタされた水分レベルを有し、コンディショニングガス流と接触するときに微粒子20からの媒質の蒸発が適切なレベルに上昇するように変更される。患者の人工呼吸設定でこの温度、及び水分レベル調節を達成する装置は、当該分野で既知であり、これら図面には示されない。
【0081】
図3に示されるように、コンディショニングガスはチャンバ44の中を循環し、先細の円錐壁部47によって定められるエアロゾル流域50を囲むチャンバ46付近まで上昇する。壁部47は、複数の開口部49を含む領域48を含む。図3では、これら開口部は、壁部47によって定められる流域50を囲む一連の穴として示される。次に、チャンバ46からのコンディショニングガスは、領域48の開口部49を通過する。領域48の開口部49は貫通した設計で示されるが、本発明は、スリット、及び類似のもののような、シースガスの一様な分布(即ち、好ましくは、放射対称な流れ)を可能にする他の設計を実施する。開口部49を通るコンディショニングガス流路は、図1、及び図8の流れ21,21a−21gとして図示される。図示されるように、コンディショニングガスの流路は、先細の壁部47によって定められるエアロゾル流域からノズル52を通って出る非乱流流動様式を提供するように較正されることが好ましい。有効な薬剤−媒質混合物の微粒子のエアロゾルが、コンディショニングガスによって限定され、形成され、方向付けられ、コンディショニングガス・ユニット36の中から外へ搬出され、ノズル52を通って、噴霧器24が元々発生した微粒子20と比較して減少したサイズを有する微粒子の一貫性のある流れとして搬出される。
【0082】
コンディショニングガス発生器が、本発明のシステムが過圧されたとき、及びコンディショニングガス流が適切に調節されたときを認識する機能を有することは高く評価されるであろう。
【0083】
開口部49を通して搬送されるコンディショニングガスは、流域50の壁部47と未調節のエアロゾルの間の緩衝剤として振る舞い、壁部47へのエアロゾル固体、又は濃縮した液体の蓄積によるノズル52の目詰まりを減少させる。この緩衝剤効果は、搬送装置、例えば、ノズル52を通して継続する。
【0084】
実施例の中には、コンディショニングガスが、エアロゾル流を限定し、形成し、方向付けることによってだけでなく、液体媒質を微粒子20から蒸発させることによっても調節されたエアロゾルを作り出し、エアロゾルの中に存在する微粒子の平均粒子サイズ(MMAD)を減少させるものもある。液体媒質の蒸発が微粒子の体積の変化を招き、粒子体積の変化が粒子直径変化の3乗の関数であることが認められる。
【0085】
もし所望するなら、コンディショニングガスを有するこのエアロゾル流は、例えば、マスク、単鼻側カニューレ、両鼻側カニューレ、鼻咽頭カニューレ、鼻カニューレ、及び類似のものを含む周知の装置を用いて経口、又は経鼻径路へ直接搬送できる。図12に示される本発明の実施例は、両鼻側カニューレ100の使用を示す。図12Aは、鼻カニューレ100が幼児の鼻孔に挿入された本発明の典型的な実施例を示す(図12Aの参照番号は、以下に記載される)。装置は、治療中の疾患、及び患者に基づいて選択される。選択された装置が、装置と患者の間の封止を維持してエアロゾル生成物の損失を防止することが好ましく、重要なことは、連続的な空気陽圧を維持することである。
【0086】
コンディショニングガスの流量、及びノズル52から出る流量を設定するとき、当業者は治療中の患者特性、及び投与の径路(経鼻、及び経口)も考慮に入れる。ノズル52の典型的流量は、主治医によって容易に決定される。
【0087】
一般に、コンディショニングガス、及び調節されたエアロゾルは、約20から約40℃の搬送温度で患者に搬送される。搬送温度は、エアロゾル、及び空気が患者によって受け取られる温度を意味する。従って、一般に、コンディショニングガスは、搬送温度より約0から約25℃高い温度で調節装置に入り込む。コンディショニングガスは、約37から約45℃の初期温度を有することが好ましい。
【0088】
記載した投与方法に加えて、本発明は調節されたエアロゾルを患者に搬送し、他の形態の非侵襲的な呼吸器治療を同時に投与することも実施する。療法は、CPAPが好ましい。更に好ましくは、療法がバブルCPAPを利用するか、又は患者による吸気性の操作に応答して陽圧が変化する同期性の療法の形態である。
【0089】
CPAPが生成する空気流を用いてエアロゾルを同時に搬送するとき、患者への搬送への前にCPAPが生成する空気流と調節されたエアロゾルとの接触を最小化することが望ましい。搬送の前に2つの成分が広範囲にわたって混合されるとき、問題が発生する。主に、CPAPが生成する空気流によるエアロゾルの希釈のために、2つの流れの接触が、患者に搬送されるエアロゾルの量の減少を招く場合もある。
【0090】
そのために、本発明は、CPAPが生成する空気流と調節されたエアロゾルの時期尚早な接触を最小化するように設計された、CPAPが生成する空気流と調節されたエアロゾルの同時搬送に対する複数の取り組みを実施する。これらは、図9−図11、図9A−図11Aに示される。これら図示される実施例は鼻カニューレ設計を示すが、設計の原理に基づいて、鼻マスクを介した類似の搬送、又は経口搬送装置影響を与えるために小変更を行う必要だけがあることが考慮される。例えば、調節されたエアロゾルとCPAPが生成する空気流が経口的に搬送されているとき、鼻カニューレに類似の方法で2つの別々のラインを収容するように、適切な変更が経口搬送装置に行われる。
【0091】
次の実施例に対して、CPAP発生器(図示されない)は、ライン60を介して搬送されるCPAPが生成する空気62の適切な流れを発生する。ライン54は、調節されたエアロゾル28を搬送する。
【0092】
1実施例では、CPAP発生器とコンディショニングガス発生器は、人工呼吸器に類似の同じ機器で流れ分割器が利用されるか、又は2つのガス排出ポートを有する人工呼吸器に類似の1つの機器である。流れ分割器の使用は、CPAPガスとコンディショニングガスが、互いに独立して交代する流れの同じガス成分、温度、湿度、及び類似のものを有することを可能にする。
【0093】
他の実施例では、CPAPが生成する空気流とコンディショニングガスは独立した加熱源によって加熱され、CPAPが生成する空気流が加熱されて加湿されることを可能にし、一方、コンディショニングガスは加熱されるだけである。コンディショニングガスが、エアロゾルと接触したときに僅かに加湿されることを銘記する。
【0094】
また、本発明は、エアロゾルが搬送されない間は陽性気道圧が維持されることを可能にする完全に封止された環境を提供するために使用される遮断弁、又は他の機構も利用する。換言すれば、エアロゾル搬送の有無に拘わらずCPAPの連続運転を維持するために弁が使用できる。有効性が達成されるとき、エアロゾルが搬送されないときの状況は、噴霧器の交換、調節装置の洗浄、又は界面活性剤療法の中止を含む。
【0095】
図9、及び図9Aに示される1実施例では、患者への搬送の前に、調節されたエアロゾル28とCPAP62が直ちに混合される。ライン60を介して配送されるCPAP空気流62、及びライン54を介して配送される調節されたエアロゾルは、患者への搬送の直前に混合機64の中で混合される。図9Aは、実施例の断面図である。調節されたエアロゾル28とCPAP62が、鼻カニューレ63、63Aの両方を介して患者に混合物として搬送される。
【0096】
図3Aは、図9で参照される混合機、又は流体流コネクタ64の1実施例を示す。混合機、又は流体流コネクタ64は、例えば、図1に示されるエアロゾル発生器/調節装置のノズル52を封止して結合するように設計される吸入口66を有する。発生器/調節装置で生成されるエアロゾル54の流れは、チャンバ72に入り込む。ガスのCPAPが誘導する流れが、チャンバ72にCPAP空気流供給ライン70を介して供給される。一般に、ライン70と一致する排出口が存在する。以前に論じたように、混合された流れは、オリフィス54を通過して、鼻カニューレ、又は他の類似の搬送装置まで移動する。エアロゾルを排出口に方向付けて、調節されたエアロゾルとCPAPが生成する空気流の間の時期尚早な接触を最小化するように、チャンバ72はバッフル68を任意に備える。他の実施例では、バッフルは利用されない。更に、チャンバ72は、乱流を最小化し、2つの流れを混合するように設計される。また、チャンバ72も、固体、又は濃縮した液体が鼻カニューレのような搬送装置を閉塞するか、又は患者の気道に入り込む可能性を最小化するように設計され、例えば、捕集、及び/又は抽出貯蔵所として振る舞う固体/液体捕集装置73を含む。捕集装置73の中に捕集される任意の材料は抽出されてリサイクルできるが、更に一般には廃棄される、或いは、液体の除去を可能にするポートが取り入れられる。
【0097】
図10、及び図10Aに示される他の実施例では、調節されたエアロゾル28とCPAPが生成する空気流62は患者への搬送の前に混合されないが、代わりに、ライン54,60を介して別々の鼻カニューレ63,63Aに各々搬送される。
【0098】
図11、及び図11Aに示される更に他の実施例では、ライン54を通して供給される調節されたエアロゾル28とライン60を通して供給されるCPAPが生成する空気流62が、最小の混合を用いて別々に搬送され、CPAPが生成する空気流が調節されたエアロゾル流を同軸に囲む。これは、コンディショニングエア流と初期エアロゾルの間に存在する本質的に同じ形状であることを高く評価されるであろう。そのために、余分の同軸であるCPAPが生成する空気を流れに付加するコンディショニングユニットに類似の装置を使用する。或いは、場合によっては、患者にCPAP状態を誘導できるポイントまで、コンディショニングガスの流れを増加させることが可能である。
【0099】
図18−図21を参照すると、典型的な流体流コネクタ200は、その中に配置された(いくつかはオプションである)一連のポートを有する密閉されたチャンバ202の形態で実質的に示される。鼻カニューレはチャンバへ任意に接続できるので、コネクタ202は本明細書では「混合機」又は「プロングアダプタ」として参照される。チャンバ202は、流体流コネクタ200へ直接的、又は間接的に接続できるエアロゾル発生器(図示されない)によってエアロゾル化された有効な薬剤を受け取るためのエアロゾル吸入口204を含む。任意の数の装置が、例えば、管、管継手(例えば、ニップル)、又は接合コネクタのような、エアロゾル化された有効な薬剤を供給するためのエアロゾル吸入口204に挿入できる。エアロゾル吸入口204は、弁を利用してもよい。1例として、クロススリット弁203が、環状チャネル205に据え付けられる(図21を参照)。エアロゾル化された有効な薬剤は搬送排出口206を通ってチャンバ202を出て、搬送排出口206は1組の鼻カニューレと流体連絡することが好ましい。また、搬送排出口も、マスク、ディフューザ、又はエアロゾル化された有効な薬剤の吸入のために患者の口、及び/又は鼻の付近に配置される、当業者に既知の他の装置と接続するように形成できる。実施例の中には、搬送排出口が、1組の鼻カニューレ、又はエアロゾル化された有効な薬剤の吸入のための他の装置と間接的に接続されるものもある。例えば、実施例の中には、流体流コネクタ200の搬送排出口206が、エアロゾル化された有効な薬剤に、他の装置、又は例えば、1組の鼻カニューレと流体連絡するが、エアロゾル化された有効な薬剤と関連する沈着を捕集するように形成される必要はない導管と連絡させるものもある。
【0100】
好ましい実施例では、流体流コネクタ、並びに、それらのオプション機能、及びオプション構成要素は、エアロゾル発生器と患者の間の経路に沿うエアロゾル沈着の嵌入を最小化するように設計される。例えば、図21を参照すると、コネクタ200を通って流れるエアロゾルの少なくともいくらかは、主(即ち、実質的に直接)エアロゾル流路MAFPにエアロゾル吸入口204から搬送排出口206まで従うと考えられる。エアロゾルの一部は、主流路MAFPの外側の経路に沿って流れる可能性が高く、これは図21の追加の典型的なエアロゾル流路矢印によって示される。エアロゾル流路での急旋回が嵌入を誘導できるので、主流路MAFPは90°より小さい角度αを有することが好ましい。角度90°は、T字接続を使用したときの典型である。(コネクタ200に入り込んだときのエアロゾル流に対して平行な)基準線、及びエアロゾル吸入口204がチャンバ202と交わるエアロゾル吸入口の中心軸点と搬送排出口206がチャンバ202と交わる搬送排出口の中心軸点の間で定められる線の間で角度αは計測される。角度αは約75°より小さいことが好ましく、約60°より小さいことが更に好ましい。
【0101】
種々のエアロゾル導管における急旋回が欠如しても、エアロゾル化された微粒子の嵌入は搬送のまえに起こり、患者への有効な薬剤の有効な搬送を損ない得る沈着をもたらす。本発明による流体流コネクタは、大人と幼児の両方のための鼻カニューレへの接続に適合できる。エアロゾル化された有効な薬剤を鼻カニューレ(他の搬送装置も利用できる)を通して搬送するとき、相対的に小さい内径のために、鼻カニューレ自体が沈着蓄積に対する問題領域になり得る。
【0102】
好ましい流体流コネクタは、鼻カニューレに形成される沈着の発生を減少させる、及び/又は著しい沈着蓄積の前の投与時間の総量を増加させる目的で、鼻カニューレの「上流」沈着の捕獲を容易にするように設計される。図21に再度注意を向けると、主エアロゾル流路MAFPが示され、少なくともエアロゾルの著しい部分がコネクタチャンバ202にエアロゾル吸入口204を介して入り込み、搬送排出口206に向かって曲がる。1つの理論に制限されることなく、相対的に大きなエアロゾル微粒子は主エアロゾル流路から分離されるようになり、実質的に直線に沿って連続し、チャンバ202の反対側の面に影響を与えることが分かる。好ましい実施例では、影響を与える面は、沈着を捕捉する方に形成できる。1例として、チャンバ202は、凹部210を含む内側面208を有する。内側面208の形状は、チャンバ202を流れるエアロゾルから分離される沈着を受け入れるため、及びシステムの何処かに作り出され、エアロゾルを用いてコネクタ200まで搬送される沈着を捕集するための液体捕集装置209を定めることを補助する。
【0103】
捕集された沈着が患者への有効な薬剤搬送を中断しないように、例えば、凹部210のような、流体流コネクタの内部の沈着を捕集するための領域は、主エアロゾル流路の外側に少なくとも部分的に配置されることが好ましい。これを実行する1つの方法は、沈着捕集領域(又は、その一部)を搬送排出口206から離すことである。本発明のコネクタは、指定された領域で沈着を捕集するように設計され形成されることが好ましいが、しかし、当業者は、沈着がコネクタの任意の全ての面で起こり得ることを容易に考慮するであろう。
【0104】
患者への有効な薬剤の搬送の中断を最小化する更なる試みでは、流体流コネクタは、捕集された沈着が主エアロゾル流路から分離されたままにするための種々の手段を利用できる。1つの手段は、コネクタチャンバの壁部に形成された陥凹部を含む。例えば、チャンバ202の中に形成された凹部210を参照のこと。他の手段は、コネクタ搬送排出口の付近に配置されたリップを含む。例えば、リップ211を参照のこと。コネクタ200は陥凹部とリップの両方を有するものとして示されるが、他の実施例は、一方、又は他方だけを取り入れてもよい。
【0105】
もし(特定の量に限定されない)沈着の著しい蓄積が存在したら、チャンバ202は廃棄でき、新しいチャンバと交換できる。或いは、沈着は、(封止されていることが好ましい)エアロゾル吸入口204、又は他の適切なポートを介して、スポイト、又は他の適切な装置を用いてチャンバ202から除去できる。或いは、以下で論じられるように、チャンバは、沈着が留まるようになる使い捨ての、又は着脱可能な挿入部を含むことができる。留まった沈着を含む挿入部は除去され、新鮮な挿入部と交換できる。沈着はチャンバ202から回収でき、その間に、又は、有効な薬剤の複数の投与量の間の非搬送時間帯の間に、エアロゾル化された有効な薬剤を患者に投与する。
【0106】
上記議論の観点から、本発明の好ましい実施例では、沈着捕集の位置を制御し、有効な薬剤搬送の中断を最小化するために捕集された沈着を主エアロゾル流路から分離し、及び廃棄のために、又は継続した、若しくは後の有効な薬剤搬送のために沈着を捕集することが可能である。
【0107】
本発明の流体流コネクタから回収された沈着は、患者への搬送のために再エアロゾル化される。例えば、沈着は手動で回収され、エアロゾル発生器の内部に配置できる。また、沈着は、流体流コネクタの実質的に下に配置されるエアロゾル発生器貯蔵器へ自動的に戻される。ここで、エアロゾルは上向きにコネクタと連絡し、沈着はエアロゾル発生器貯蔵器へコネクタ機能(例えば、傾斜した底面)、沈着出口ポート、及び可撓管、又は他の流体連絡装置を介して自動的に戻される。
【0108】
本発明のいくつかは、患者へのエアロゾル化された有効な薬剤の搬送を、他の形態の非侵襲的な呼吸器治療の投与と同時に行う。好ましい実施例では、本明細書で詳細に論じたように、呼吸器治療は(nCPAPを含む)CPAPである。このために、チャンバ202は、人工呼吸ガス吸入口、及び人工呼吸ガス排出口として各々が機能するオプションのポート212,214を有するものとして示される。CPAPが内蔵された実施例では、CPAPガスとエアロゾル化された有効な薬剤の混合を最小化し、及び/又は遅延させることが望ましくなり得る。これを実施する1つの方法は、エアロゾル吸入口の遠端部(即ち、エアロゾル吸入口とチャンバの内側のインターフェース)と人工呼吸ガス(CPAP)吸入口の間にバッフル、又は分流器を含むことである。例えば、一般に、人工呼吸ガスの流れを、少なくとも最初に、流体流経路VPWに沿って方向付けるバッフル207をが含まれる図22を参照のこと。一般に、エアロゾルは、流体流経路APWを流れる。2つの流体流経路は、搬送排出口206付近の領域で合併する。
【0109】
他の2つのオプションのポート216,218が、チャンバ202から伸長する。ポート216は、CPAPの投与に関連する近接圧力測定のために利用できる。ポート218は、エアロゾル吸入口204に挿入された装置を除去することなく、チャンバ202の中に捕集された沈着を除去するために使用できる。本願に対して、ポート218は、標準的な針、及びスポイトに貫通される隔壁を利用できる。
【0110】
上記のものを含む、チャンバ202に関する機構の数、配置、サイズ、及び形状が、有用な機能、及び本発明の範囲から逸脱することなく相当に変わり得ることを、当業者は容易に評価するであろう。
【0111】
他の実施例では、エアロゾル化された有効な薬剤は、CPAPと連動して搬送されない。更に他の実施例では、エアロゾル化された有効な薬剤が、他の形態の非侵襲的な呼吸器治療の同時搬送なしに搬送される。
【0112】
沈着を含む流体流コネクタを廃棄すること、又はコネクタの追加使用を可能にするための沈着除去よりも、患者に嵌入された沈着の連絡を容易にする1又は複数の機構をチャンバが含み得る。即ち、エアロゾル化された有効な薬剤と沈着の両方が、有効な薬剤の搬送効率を最大化するように患者に搬送され得る。例えば、図23を参照すると、他の典型的な流体流コネクタ300は、搬送排出口306の方向に対して下向きに角度を付けられた内側面308を有するチャンバ302を含む。内側面308に嵌入する沈着は、重力の助けを借りて搬送排出口306へ本質的に転落でき、湿潤剤が内側面308へ任意に適用される。流れているエアロゾルに関する圧力、もし内蔵されるならCPAP人工呼吸ガス、も下向きに角度の付いた面308に沈着を「押し付け」ようとする。
【0113】
コネクタ200,300の各々は、上壁部に配置されたエアロゾル吸入口を通して上記コネクタからエアロゾル化された有効な薬剤を受け取るように形成され、示される。しかし、エアロゾル発生器は流体流コネクタの下、又は近くに配置できるので、エアロゾル吸入口はコネクタの側壁、又は底面に配置される。これらの実施例では、底面以外を含む、1又は複数の内側面が、エアロゾル化された有効な薬剤と関連する沈着の何れでも捕集するために、又はエアロゾル化された有効な薬剤と沈着の両方が患者に搬送されるように沈着を搬送排出口に連絡させるために形成される嵌入面として機能できる。上向きの方向にエアロゾルを効果的に「発射」するように、流体流コネクタの下にエアロゾル発生器を有する1つの潜在的利点は、重力がエアロゾルを減速させて、嵌入、及び内部チャンバ面への沈着の蓄積を減少させることである。上記のように、エアロゾル発生器が流体流コネクタの下に配置されているので、コネクタの中で最初に捕集される沈着は再エアロゾル化のためにエアロゾル発生器へ任意に戻すことが出来る。
【0114】
図24−図25を参照すると、(図18−図21を参照して示され、記載されるように)他の流体流コネクタ400はチャンバ202を含み、エアロゾル・コンディショニング容器402はエアロゾル吸入口204に挿入される。流体流コネクタ200,300がエアロゾル・コンディショニング容器を欠いて示される理由は、コンディショニング容器が特許請求の範囲に読み込まれないオプション機能だからであることを理解すべきである。
【0115】
エアロゾル・コンディショニング容器402は、エアロゾル化された有効な薬剤を受け取るための吸入口404、エアロゾル吸入口204と流体連絡する排出口406、及びコンディショニングガス入口408を有する。コンディショニングガスは独立したソースから供給できるか、又はチャンバ202へ吸入口212を介して導入されるCPAP人工呼吸ガスから「分離」できる。人工呼吸ガスの一部がコンディショニング容器に供給されるので、管が人工呼吸管からのステムを利用し、吸入口408へ接続されるか、又は人工呼吸ガスのいくらかをコンディショニング容器と連絡させるために、チャンバ202からコンディショニング容器に伸長するコネクタ200によって、(内部に、又は外部に配置された)導管、又はチャネルが利用される。
【0116】
コンディショニング容器402は2つの正反対に向かい合うガス入口408を有することが好ましいが、容器402はたった1つの、又は3つ以上のガス吸入口を利用してもよい。2又は3以上のガス入口が存在するとき、実質的に均一なガス流がコンディショニング容器の内部に入りやすくするように、(「放射対称な」)コンディショニング容器の周囲へ対称的にガス入口を配置することが好ましく、均一でないガス流は沈着がコンディショニング容器の側壁に形成される原因になる。しかし、非対称設計も本発明の範囲内であり、臨床医は均一でないガス流を特定の用途で所望してもよいことを銘記する。たった1つのガス吸入口を利用するコンディショニング容器が、放射対称なコンディショニングガス流を維持するために設計できる。例えば、コンディショニングガス吸入口はエアロゾル発生器の後ろに配置でき、コンディショニングガス流はエアロゾルと同じ方向に方向付けられる。この実施例では、コンディショニングガスはエアロゾル発生器の周りを通過し、エアロゾル流と再び交わって包囲し、コンディショニングガスとエアロゾルの両方が同じ方向に移動する。コンディショニングガスが壁部に吹き込むエアロゾルでないように、放射対称は維持される。或いは、コンディショニング容器は内部機構 (例えば、ディフューザとして機能するメッシュ、又はスリットの組)を含み、エアロゾルと連絡する前に、いったんガスが容器の内側に入れば、放射対称なシースガス流を保証する。
【0117】
図26に示されるように、基本的にエアロゾル・コンディショニング容器402は、接続、又は一緒に形成された2つの円筒体である。円筒体410は円筒体412の内部で部分的に伸長し、コンディショニング容器を流れるエアロゾル化された有効な薬剤と関連する沈着を捕集するための環状液体捕集装置414を定める。エアロゾル・コンディショニング容器402は、液体捕集装置414で捕集された沈着を回収するための(図示されない)ポートを利用してもよい。
【0118】
図24を再び参照して、コンディショニング容器402は別に製造された構成要素であり、クロス・スリット弁を通してエアロゾル吸入口204へ取り外し可能に挿入されるように設計されることが好ましいが、他の型の封止、ガスケット、等も、エアロゾル化された有効な薬剤の明らかな漏洩を防止するために使用できる。実施例の中には、コンディショニング容器が、摩擦と寸法拘束によってチャンバ202と係合して単に保持されるものもある。しかし、運転中は、エアロゾルは構成要素の面を滑らかにすることができ、それによってコンディショニング容器がチャンバ202から切り離されるポイントへの摩擦嵌合を減少させる。時期尚早な離脱を防止するために、ロッキング機構(図示されない)が構成要素の各々に含まれ得る。例えば、構成要素は、コンディショニング容器が挿入されて、安全な係合をもたらすように回転できるように、各係合面にネジ山を付ける接合ネジを有することができる。好ましい1実施例では、エアロゾル吸入口204はL字型溝を有し、コンディショニング容器は溝の内部に嵌合できるポストを有し、コンディショニング容器は軸方向に挿入されて、構成要素を所定の位置に固定するために(例えば、1/4回転だけ)回転される。
【0119】
他の実施例では、コンディショニング容器とチャンバの少なくとも一部が、(例えば、射出成形を介して)一緒に成形される。この一体化された設計は、エアロゾル化された有効な薬剤と関連する沈着を捕集するための1又は複数の液体捕集装置、及び沈着を回収するための1又は複数のポートを利用できる。他の実施例では、エアロゾル発生器、流体流コネクタ、及び任意にコンディショニング容器が、一体化された設計として形成される。これら構成要素も別々に製造して、互いに永久固着できる。
【0120】
コンディショニング容器は、エアロゾル化された有効な薬剤の流れ、エアロゾルの特性、又は両方を変更するために利用できる。コンディショニングガスは、本発明の流体流コネクタを通してエアロゾルの流れを方向付けることを補助できる。即ち、エアロゾル微粒子の流れの方向の一貫性を向上させる。例えば、実施例の中には、媒質に対する有効な薬剤の割合を修正すること、又はエアロゾル微粒子の空気動力学的中央粒子径を減少させることによって、コンディショニングガスが入ってくるエアロゾルの特性を変更できるものもある。
【0121】
チャンバに濃縮する有効な薬剤は、本発明の流体流コネクタを用いて利用できる。一般に、これら濃縮チャンバは、エアロゾル発生器と上で論じたようなコネクタの主チャンバ(例えば、202,302)の間に配置される。例えば、典型的な濃縮チャンバ500が図27に示され、流体流コネクタ510の上に配置される。濃縮チャンバは、有効な薬剤の搬送速度を最大化するために、患者に連絡できる高濃度エアロゾル雲の創出を容易にすることを目的とすることが好ましい。高濃度エアロゾル雲を発生させる1方法は、搬送の前に有効な薬剤が濃縮されるように、エアロゾル発生器から搬送チャンバへの、流体流コネクタに関連するエアロゾルの流れを制限することである。例えば、一方向弁を含む単純な可撓管(又は、他のチャンバ)は、エアロゾル発生器と搬送チャンバの間に配置できる。通常、一方向弁(例えば、図27の弁520を参照)は閉じられ、患者の吸入によって発生した陰圧は弁を駆動し、エアロゾル化された有効な薬剤の濃縮部分が搬送されることを可能にする。エアロゾルを制限することは、エアロゾル発生器と搬送チャンバの間に一方向弁を内蔵すること以外の技術によって達成できる。
【0122】
本発明の流体流コネクタは、エアロゾル化された有効な薬剤と関連する沈着を捕集するために搬送チャンバの下に配置される捕集貯蔵器を利用できる。捕集貯蔵器は、スポイト、又は他の適切な装置を用いた手動除去と比較した、流体流コネクタのチャンバからの沈着の「自動」除去を提供する。捕集貯蔵器は、沈着を捕集するための追加的手段(例えば、捕集装置、チャンバ内部形状)として利用されるか、又は前記の沈着捕集機構の代わりとして機能できる。捕集貯蔵器は、直接的、又は間接的に(例えば、導管を用いて)搬送チャンバへ接続できる。いくつかの形態では、捕集貯蔵器は使い捨てであり、(部分的に、又は完全に)充填された捕集貯蔵器は、その後の沈着を捕集するために接続された新しい捕集貯蔵器から除去できる。捕集貯蔵器は、例えば、吸収性の不織布パッドのような使い捨ての挿入部を受け入れるように形成できる。また、捕集貯蔵器は、沈着を回収するため、及び/又は圧力を逃がすためのポートも含むことができる。図28を参照すると、典型的な捕集貯蔵器600が示される。捕集貯蔵器600は、流体流コネクタ610へ導管620を介して接続される。流体流コネクタ610は陥凹部612を含むので、沈着は最初に陥凹部の中で捕集され、次に捕集貯蔵器600に流れ込む。この「流れ込み」効果は、捕集された沈着を主エアロゾル流路から分離したままにするための更に他の手段を提供する。
【0123】
エアロゾル発生器、流体流コネクタ、及びオプションのコンディショニング容器が患者の付近に配置される実施例に図面と記載は焦点を合わせるが、代わりの構成要素の位置が本発明によって実施される。例えば、(実施例が図示され、記載された)エアロゾル発生器と流体流コネクタは患者から離れて配置でき、エアロゾル化された有効な薬剤は、可撓管、(沈着を捕集するように設計されても、設計されなくてもよい)オプションの第2コネクタ、及び、例えば、鼻カニューレのような適切なインターフェースを介して患者と連絡する。
【0124】
ここに記載される方法とシステムは、RDSの幼児とARDSの大人の救命と予防的治療で特に有用である。勿論、有効な薬剤の実際の投与量は、患者の曝露の程度、及び特定の状態(例えば、患者の年齢、サイズ、適応度、症状の程度、感受性要因、等)のような要因によって変化する。ここでは、「有効な投与量」によって、投与先に効果を発揮する投与量を意味する。正確な投与量は、既知の技術を使用して当業者に確かめられる。典型的な1実施例では、本発明の方法による患者へ搬送するための肺界面活性剤の有効な投与量は、約2mg/kg界面活性剤TPLから約175mg/kg界面活性剤TPLである。また、治療時間の長さも当業者によって確認され、一般に有効な薬剤の投与される量と搬送速度に依存する。例えば、患者へのエアロゾルの搬送速度が約0.6mg/分である実施例では、100mgより多いエアロゾルが3時間未満の時間枠で配送される。更に低い搬送速度は更に長い投与時間に対応し、更に高い搬送速度は更に短い時間に対応することを当業者は理解するであろう。同様に、投与量の変化は、治療時間に影響する。
【0125】
加えて、方法とシステムは、膵嚢胞性線維症、伝染性プロセスに対する処置、細気管支炎、及び類似のもののような、幼児、及び他の小児科の患者に見られる他の疾病の治療でも有用である。
【0126】
ここに記載される方法とシステムから利益を得る患者は、妊娠期間約24週に生まれた早産の幼児から大人に及ぶことが分かる。幼児が成熟するにつれて、経鼻換気装置から経口換気装置に変化し、従って、搬送システムの特性がフェイスマスク、及び類似のものを含む経口搬送システムを介して使用するように変更されると考えられる。
【0127】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群、上気道抵抗症候群、及び少なくとも一部がCPAPによって改善する他の疾病に罹患する大人の患者も更に考慮する。従って、それらの大人も利益を得る。
【0128】
他の呼吸器疾患に罹患した患者は、本発明の方法とシステムから利益を得られる。これら呼吸器疾患は、例えば、幼児の肺高血圧症に限定するものではないが、幼児の気管支肺異形成症、慢性閉塞性肺疾患、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫、細気管支炎、気管支拡張症、放射性肺炎、過敏性肺臓炎、急性の炎症性喘息、急性の気道熱傷、温熱性肺障害、例えば、アレルギー性喘息、及び医原性喘息のような喘息、珪肺、気道閉塞症、膵嚢胞性線維症、肺胞タンパク症、Alpha-1-プロテアーゼ欠損症、肺の炎症疾患、肺炎、急性呼吸窮迫症候群、急性の肺障害、突発性呼吸困難症候群、突発性肺線維症、副鼻腔炎、鼻炎、気管炎、耳炎、並びに、類似のものを含む。従って、本発明は、患者のこれら疾患を治療するための方法、システム、及び装置を提供する。
【0129】
実施例
特に指定のない限り、全ての温度は摂氏温度目盛である。また、これらの実施例では、略号は以下の意味を有する。
bpm=呼吸/分
cm=センチメートル
DPPC=ジパルミトイルホスファチジルコリン
l/min=リットル/分
mg=ミリグラム
min=分
ml=ミリリットル
mM=ミリモル
mm=ミリメートル
PA=パルミチン酸
POPG=パルミトイル−オレイル・ホスファチジルグリセロール
rpm=回転/分
μl=マイクロリットル
μm=マイクロメートル
【0130】
実施例1
KL4を含む典型的な肺界面活性剤の調剤
成分のベースは、DPPC、POPG、パルミチン酸(PA)、及び21マペプチド、リジン−ロイシン(4)繰返し含む sinapultide (KL4)の組合せである。ペプチドは従来の固体相のt−Boc化学物質によって生成され、フリーベースとして分子量2469.34を有する。以下に記載されるように、成分はDPPC:POPG:PA:KL4として7.5:2.5:1.5:0.267の重量比で組み合わされ、水溶性 trimethamine (20mM)、及び室温でpH7.6に調節された塩化ナトリウム(130mM)緩衝剤の中で安定したコロイド状の分散系を生成する。濃度10,20,及び30mg/mlのリン脂質含有量が生成された。
【0131】
DPPC,POPG,PA,及びKL4の正確に計量された粉末が、成分を溶解するために45℃に充分に加熱されたエタノールを含む適切な大きさの丸底フラスコに加えられる。エタノールは、120:1(体積:質量)を超過して存在する。有効な薬剤の各々は、水槽の内部の超音波処理の5分バーストと連動して加えられた。有効な薬剤の全てが加えられた後、超音波処理の更に5分のバーストが加えられる。次に、エタノール性溶液は回転して蒸発し(温度50−55℃、回転速度50rpm、及び真空度0ミリバール)、持続性薄膜をフラスコの底面に生成する。残留エタノールは、真空乾燥器の内部で少なくとも12時間フラスコを保持することによって除去された。
【0132】
乾燥した膜はトリス−アセテートの中で水和され、水和の後に温度50−55℃でおよそ30分の水槽超音波処理と組み合わせて塩類を加え、膜の完全な水和と最終的な水溶性分散系の中に目に見える凝集が無い事を保証する。
【0133】
逆相の高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析が、上記調剤で使用されるリン脂質(DPPC,POPG)、及び遊離脂肪酸(PA)の完全性と回収を確立するために使用された。分析は、クロマトグラフ用ワークステーション (HP1100, Agilent Technologies 社、パロ・アルト、カリフォルニア州)で行われる。 Zorbax-C18 分離管(5μ,250*4.6mm)は、容量でメタノール90%、アセトニトリル6%、水4%、トリフルオロ酢酸0.2%で構成され1ml/分で広がる移動相を使用して、調合物成分を分離して分解するために利用された。分離管温度は、60℃に維持された。射出体積は、20μlであった。エバポレイティブ光散乱ディテクタが、成分の検出に使用された。
【0134】
次に、分散系のアリコートはホウケイ酸塩バイアルに移され、2−8℃で貯蔵される。
【0135】
実施例2
調節されたエアロゾルと未調節のエアロゾルとの比較
実施例1の成分は、濃度15mg/mlで準備される。図12は、利用されたシステム概略図を示す。図示されないライン70と一致する排出口が存在することを銘記する。特に、Aeroneb Pro噴霧器(Aerogen 社、マウンテンビュー、カリフォルニア州)が、成分をエアロゾル化するために使用された。エアロゾルはシステムによって条件付けられ、調節されたエアロゾルは鼻カニューレ(Fisher-Paykel, NZ)に向けて方向付けられた。人工呼吸器はCPAPが生成するガス流を作り出すために使用され、6リットル/分の流量、及び5cmH2OのCPAPに設定された。幼児の呼吸パターンは、54bpm,1回呼吸量6.4mlに設定された人工呼吸器を使用して擬態された。人工呼吸器は、(図示されない)捕集システムの下流に接続された。シースガス無しに、無視できるエアロゾルが鼻カニューレを通過し、エアロゾルの大部分がシステム構成要素に沈着した。コンディショニングガス流量が室温で1リットル/分に設定されたとき、平均0.64mg/分の調節されたエアロゾルが10分間(n=2)にわたって捕集された。
【0136】
結果は、未調節のシステム、及び典型的な調節されたシステムに捕集された調節されたエアロゾルの割合を示す図13に示される。
【0137】
実施例3
コンディショニングガス流量と温度の、鼻カニューレを通して出現するエアロゾルの量への効果
実施例2で使用されたのと同じ設定、及び実験条件が利用され、コンディショニングガス流量と温度の搬送装置から出現するエアロゾルの総量への効果を調べる。この実施例では、鼻カニューレが利用された。1リットル/分のコンディショニングガス流量によって、ガス温度が25から37℃に上昇し、(フィルタによって捕集される)プロングを通して出現する調節されたエアロゾルのの総量は約38%だけ増加する。結果は、図14に示される。この実施例では、更に高いコンディショニングガス温度がエネルギーを更に提供し、液滴の中の水分を蒸発させて更に小さい液滴を作り出し、粒子融合、及び/又は面状の沈着によって沈着損失が減少する。同じガス温度(37℃)で、コンディショニングガス流量が1リットル/分から2リットル/分に増加すると、更に高いガス流量を有する更に高いエアロゾル希釈度のために、フィルタに捕集されたエアロゾルの総量が約33%だけ減少する。図15は、プロングを通過した異なるコンディショニングガス流量と温度を有する調節されたエアロゾルのパーセンテージ、即ち、25℃で1リットル/分に対して19%、37℃で1リットル/分に対して25%、及び37℃で2リットル/分に対して16%を示す。
【0138】
実施例4
コンディショニングガス流量と温度の、鼻カニューレを通して出現するエアロゾルのサイズへの効果
実施例2で使用されたのと同じ設定、及び実験条件が利用される。調節されたエアロゾル・サイズ、及びサイズ分布が、レーザ回折分析(Sympatec Helos/BF,Sympatec,プリンストン、ニュージャージー州)を利用して決定された。図16,17に示されるように、コンディショニングガス温度が25から37℃に増加すると、decreasedエアロゾル体積メジアン径(d50)が減少する。即ち、1リットル/分に対して3.5から3.1マイクロメートル、及び2リットル/分シースガス流量に対して3.17から2.0マイクロメートルである。コンディショニングガス温度のエアロゾル サイズへの影響は、更に高いガス流量において更に表明される。
【0139】
図17では、「lpm」はリットル/分を意味し、「ET」は高度、又は37℃を意味し、「RT」は室温、又は25℃を意味する。
【0140】
実施例5
健康な大人へのエアロゾル化されたKL4肺界面活性剤の肺沈着の効果
健康な大人の研究が、本発明の典型的な装置を使用して実施された。肺に沈着した少量のエアロゾル化されたKL4肺界面活性剤が測定された。表2はこのデータを要約し、エアロゾル化された薬物の16から25%が健康な大人の肺に沈着することを示す。
【表2】

【0141】
実施例6
Surfaxin(登録商標)エアロゾルCPAP治験
平均妊娠期間30.7週、出生時体重1095−1744グラムの4人の患者、即ち、ラテンアメリカ系女性と1人の白人男性が、Surfaxin(登録商標)エアロゾルで本発明の典型的な装置を使用して治療される。アプガール指数は、1分で7−9から5分で8−9まで分布する。Surfaxin(登録商標)エアロゾル治療時間は、3時間19分から4時間22分まで分布する。ベースラインでの患者1に対するFiO2は、0.40であった。Surfaxin(登録商標)エアロゾルを用いた1治療の後、患者1に対するFiO2は0.21まで減少される。ベースラインでの患者2に対するFiO2は、0.60であった。Surfaxin(登録商標)エアロゾルを用いた1治療の後、患者2に対するFiO2は0.24まで減少した。同様に、患者3,4に対するFiO2は、ベースラインで各々0.28及び0.40であった。患者3は2つの治療をSurfaxin(登録商標)エアロゾルで行ったが、FiO2の類似の減少0.22及び0.23が各々見られた。次に続く典型的な手順は、以下のようである。
1.Surfaxin(登録商標)のバイアルを、加温クレードルに挿入する。
2.約15から20分だけ加熱する。
3.6mLを10mLスポイトに吸い込み、濃度20mg/mLを達成する。
4.3mLの防腐用生理食塩水を、スポイトに吸い込む。
5.1mLの空気をスポイトに吸い込む。
6.スポイトをゆっくり旋回させ、Surfaxin(登録商標)を生理食塩水と混合する。
7.支持取付具を幼児用ベッドに配置する。クッションが良い。
8.適切な大きさの鼻カニューレを、プロング・アダプタの排出口ポートに取り付ける。
9.人工呼吸器回路のCPAP吸気性ラインと呼気性ラインを、プロング・アダプタの大きな開ポートに接続する。
10.オス継手を圧力センサ・ラインから引き出し、管を1/4インチから1/2インチに切断する。CPAP圧力センサ管を、プロング・アダプタの最小のポート(近接圧力ポート)に接続する。ぴったりした嵌合を保証する。
11.プロング・アダプタを幼児の上方に配置し、鼻カニューレを幼児の鼻孔に正しく配置する。
12.人工呼吸器管の吸気性ラインと呼気性ラインを、チャネルを通して支持取付具でスライドさせ、支持取付具の各側面のホルスタの高さを所望するレベルに調節する。人工呼吸器管(吸気性ラインと呼気性ライン)を適切なホルスタに挿入する。人工呼吸器管を、支持取付具に嵌め込む。鼻カニューレを幼児の鼻孔に残す。
13.ポール・フィルタを、CPAP回路の呼気性ラインに取り付ける。
14.吸気性ラインの遠端部を、Fisher Paykel加湿器に接続する。吸気性ラインと呼気性ラインの電熱線を、加湿器の適切な接続部に接続する。
15.近接温度プローブと遠端温度プローブを、人工呼吸器回路に挿入する。
16.適切な大きさの経鼻管を配置し、経鼻管は幼児の出生時体重に対応し、空気に対して幼児の胃への入り口を開く。
17.CPAP人工呼吸を開始し、動作圧力5−6cmH2Oの適切な流量に調節する。
18.NICUに移動する。
19.Aeroneb Pro制御モジュール・ケーブルをAeroneb Pro噴霧器ヘッドに接続する。制御モジュール・ケーブルの反対側の端部を、Aeroneb Pro Control Moduleに接続する。
20.Aeroneb Pro Control Moduleが標準の110vコンセントに差し込まれ、動作する事を確認する。
21.2つの内径1/4インチの管(長さ8インチ)を、Yコネクタからコンディショニングシステムの側面の2つのポートに接続する。残りの内径1/4インチの管(長さ6インチ)を、Yコネクタから幼児 Star 人工呼吸器の混合ガス排出口に取り付けられたFloTec流量計に接続されたアダプタの反矢じり端に接続される。この時点で、空気流は開始するべきではない。
22.黒いダイヤルを「1」がディスプレイに表示されるまで回すことによって混合ガス排出口(人工呼吸器の背面)に取り付けられたFloTec流量計のスイッチを入れる。
23.オレンジ色の保護キャップを、Aeroneb Pro噴霧器ヘッドから除去する。Aeroneb Pro噴霧器ヘッドを、コンディショニングシステムの入口ポートに直接取り付ける。
24.コンディショニングシステムの排出口ポートをプロング・アダプタのスリット弁ポートを通して挿入することによって、コンディショニングシステムを噴霧器ヘッドに取り付ける。コンディショニングシステムをプロング・アダプタに挿入する間、プロング・アダプタの底面を支持する。鼻カニューレを、幼児の鼻孔に残す。
25.16ゲージ針を、Surfaxin(登録商標)が希釈される10mLスポイトから除去する。希釈された9mL Surfaxin(登録商標)20mg/mLを、スポイトのleur-tipを通して噴霧器ヘッドの貯蔵器に加える。
26.噴霧器に加えられたSurfaxin(登録商標)の総量を、症例報告に記録する。
27.次に、Surfaxin(登録商標)薬物搬送システムは、動作の準備が出来る。
28.シースガス呼吸流量計が1リットル/分に設定されたことを確認し、もし正しく設定されていなければ調節する。CPAP圧力が維持されることを保証する。
29.「青いボタン」を3秒間押し続けることによって、Aeroneb Pro Control Moduleのスイッチを入れる。モジュール上の「30分」マークの隣の表示灯が点灯する。制御モジュールは、30分毎に再起動しなければならない。
30.エアロゾル化を開始する。Surfaxin(登録商標)搬送システムを通してエアロゾルが発生することを監視する。
31.Surfaxin(登録商標)バイアルを、加熱ブロックに挿入する。
32.必要ならば、幼児の口を、少なくとも30分毎に吸引する。
33.Aeroneb Pro Control Moduleで噴霧器のスイッチを切り(青いボタンをいったん押して離す)、噴霧器ヘッドを有するコンディショニングシステムをプロング・アダプタからクロス・スリット弁を通して除去し、真っ直ぐ引き上げ、プロング・アダプタが動かないことを保証する。もし抵抗に遭えば、装置を左右にゆっくり回し、動かし続ける。コンディショニングシステム、及び噴霧器を除外する。
34.(針無しの)使い捨ての無菌3mlスポイトをプロング・アダプタの上面のクロス・スリット弁を通して挿入し、ドリップ捕集装置から蓄積した材料を除去する。CPAPが中断しないことを保証するために、弁はポイトの周りで充分きつく閉まらなければならない。(いくらかの空気流が弁を通過するように感じるかも知れないが、これは正常で、CPAPに影響を与えない。)
35.Aeroneb Pro制御モジュール・ケーブルを噴霧器ヘッドからゆっくり除去する。
36.噴霧器ヘッドをコンディショニングシステムの上面からゆっくり除去する。
37.シースガス管を、使用済みのコンディショニングシステムから新しいコンディショニングシステムに切り替える。使用済みのコンディショニングシステムを、適切な医療廃棄物容器に廃棄する。
38.ポール・フィルタを交換する。呼気性ラインを古いフィルタから素早く取り外す用意が出来たとき、それを除去して、呼気性ラインを新しいフィルタに再接続する。新しいフィルタが所定の位置にあるとき、数分の間にCPAPは元の設定値に再設定される。
39.噴霧器の底面を無菌水ですすぐ。
40.Aeroneb Pro噴霧器ヘッドを、新しいコンディショニングシステムにゆっくりと再度取り付ける。
41.Aeroneb Pro制御モジュール・ケーブルをAeroneb Pro噴霧器ヘッドに接続する。
42.噴霧器ヘッドを有する新しいコンディショニングシステムを、プロング・アダプタのスリット弁ポートを通してゆっくり挿入する。もし抵抗に遭えば、挿入の間に装置を左右にゆっくり回す。新しいコンディショニングシステムと噴霧器ヘッドを挿入する間に、プロング・アダプタの底面を支持する。
43.フィラー・キャップを噴霧器ヘッドから外す。噴霧器ヘッドの貯蔵器20mg/mLを、Surfaxin(登録商標)で充填する。Surfaxin(登録商標)が希釈された10mLスポイトから、16ゲージ針を除去する。希釈された9mL Surfaxin(登録商標)20mg/mLをスポイトのluer-tipを通して加え、フィラー・キャップを通して噴霧器ヘッドの貯蔵器に加える。終わったとき、フィラー・キャップを閉じる。
44.「青いボタン」を3秒間押し続けることによって、Aeroneb Pro Control Moduleのスイッチを入れる。モジュール上の「30分」マークの隣の表示灯が点灯する。制御モジュールは、30分毎に再起動しなければならない。
45.Aeroneb Pro制御モジュールで噴霧器のスイッチを切る(青いボタンを押す)。
46.噴霧器ヘッドを有するコンディショニングシステムを、プロング・アダプタから除去する。
47.Aeroneb Pro噴霧器ヘッドを、コンディショニングシステムから除去する。
48.Y字管(1/4インチ*6インチ*6フィート)を人工呼吸器から切り離し、病院毎の手順によって廃棄される。
49.CPAP回路は他の変更無しに動作を継続できるが、以下の手順で装置を完全に除去する。
a.幼児Star人工呼吸器のスイッチを切る。
b.人工呼吸器管を装置支持ユニットから除去して、鼻カニューレを幼児の鼻孔から回収する。
50.制御モジュール・ケーブルを噴霧器ヘッドから引き抜く。
【0142】
以上、本発明の好ましい実施例について図示し記載したが、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱することなしに種々の変形および変更がなし得ることは、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本発明の方法と連動して使用されるシステムの概略図である。
【図2】有効な薬剤と媒質が予め混合されるときに本発明の方法と連動して使用されるシステムの他の実施例の概略図である。
【図3】噴霧器とコンディショニング容器の部分分解断面図である。
【図3A】エアロゾル化された有効な薬剤と同時にCPAPが投与されるとき、コンディショニング容器に結合されるCPAPアダプタの断面図である。
【図4】図3の線4−4に沿って切られた、コンディショニングガス・ユニットの一部の断面図である。
【図5】コンディショニングガス・ユニットの平面図である。
【図6】コンディショニングガス・ユニットの上から見下ろした斜視図、及びコンディショニング区画の上から見下ろした斜視図である。
【図6A】前記ユニット、及び前記ユニットの底板を除去した区画の下から見上げた斜視図である。
【図6B】図6Aで底板が所定の位置にある図である。
【図7】図3の線7−7に沿って切られた、コンディショニングガス・ユニットの一部の断面図である。
【図8】噴霧器からコンディショニング容器を通って移動し、コンディショニングガスによって限定され、形成され、方向付けられるエアロゾルの概略図である。
【図9】CPAPの投与とエアロゾルの搬送を同時に行う方法の概略図であって、2つの成分は患者への搬送の直前に混合される。
【図9A】記載された搬送方法を利用する鼻カニューレの断面図である。
【図10】CPAPの投与とエアロゾルの搬送を同時に行う第2の方法の概略図であって、エアロゾルが1つの鼻カニューレを介して搬送され、CPAPがもう1つの鼻カニューレを介して搬送される。
【図10A】記載された搬送方法を利用する鼻カニューレの断面図である。
【図11】CPAPの投与とエアロゾルの搬送を同時に行う第3の方法の概略図であって、2つの成分が鼻カニューレの各々へ同軸で別々に搬送される。
【図11A】記載された搬送方法を利用する鼻カニューレの断面図である。
【図12】本発明の典型的なシステムの概略図である。
【図12A】新生児に使用される図12の典型的なシステムである。
【図13】未調節のシステムの中のエアロゾル化された界面活性と調節されたシステムの中のエアロゾル化された界面活性剤の捕集率の比較を示す。
【図14】コンディショニングガス流量と温度を変化させた調節されたエアロゾルの捕集率の比較を示す。
【図15】コンディショニングガス流量と温度を変化させた調節されたエアロゾルの捕集効率のパーセンテージを示す。
【図16】コンディショニングガス温度と流量が変化するときの調節されたエアロゾルの体積メジアン径の変化を示す。
【図17】コンディショニングガス流量と温度が変化するときの調節されたエアロゾルのサイズ分布を示す。
【図18】本発明による流体流コネクタの斜視図である。
【図19】図18の流体流コネクタの底面図である。
【図20】図18の流体流コネクタの側面図である。
【図21】図18の線XXI−XXIに沿って切った流体流コネクタの断面図である。
【図22】本発明による第2の流体流コネクタの断面図である。
【図23】本発明による第3の流体流コネクタの断面図である。
【図24】本発明による第4の流体流コネクタの断面図である。この実施例は、エアロゾル・コンディショニング容器を含む。
【図25】図24の流体流コネクタの断面図である。
【図26】本発明による典型的なエアロゾル・コンディショニング容器の上面斜視図である。
【図27】本発明の流体流コネクタに接続された典型的なエアロゾル濃縮チャンバの部分断面図である。
【図28】本発明による典型的な沈着捕集貯蔵器の部分断面図である。
【図29】T−アダプタと比較した、本発明の典型的な装置を使用して新生児に搬送される界面活性剤のパーセンテージを示す。
【図30】異なるサイズの鼻カニューレを用いて搬送されるエアロゾル化された肺界面活性剤の量を示す。
【図31】本発明のコネクタを通って変化した人工呼吸器ガス流量と連動するエアロゾル化された有効な薬剤の搬送効率を示す。
【図32】様々なエアロゾル発生器出力量で患者の肺に搬送されるKL4肺界面活性剤の量を示す。
【符号の説明】
【0144】
10,14 ライン
12 混合容器
13 混合羽根
18 調節装置
20 エアロゾル
21,21a−21g ガス流
24 噴霧器
26 コンディショニング容器
30 排出口スリーブ
34 吸入口本体
38 ノズル
40,42 入口
44 チャンバ
47 壁部
48 領域
50 エアロゾル流域
50 開口部
54 オリフィス
54 ライン
60 ライン
62 空気流
63,63A 鼻カニューレ
64 混合機
64 流体流コネクタ
66 吸入口
70 CPAP空気流供給ライン
72 チャンバ
73 固体/液体捕集装置
90 メタノール
100 鼻カニューレ
200,300 コネクタ
202 コネクタ
203 スリット弁
204 エアロゾル吸入口
206 搬送排出口
207 バッフル
208 内側面
211 リップ
212 吸入口
212,214 ポート
216,218 ポート
300 流体流コネクタ
308 内側面
402 コンディショニング容器
406 排出口
412 円筒体
510 流体流コネクタ
600 捕集貯蔵器
610 流体流コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送するための方法であって、
媒質中の混合物として前記有効な薬剤を取得し、
前記エアロゾル化された有効な薬剤を生成するエアロゾル発生器を用いて前記混合物の微粒子の流れを発生し、
前記エアロゾル化された有効な薬剤を、前記エアロゾル化された有効な薬剤を前記患者に搬送するための排出口を有する流体流コネクタに連絡させ、前記流体流コネクタが、前記エアロゾル化された有効な薬剤を主エアロゾル流路に沿って前記排出口へ向けるように構成され、前記エアロゾル化された有効な薬剤に関連する沈着を、少なくとも部分的に前記主エアロゾル流路の外側に配置される領域で捕集でき、それによって前記エアロゾル化された有効な薬剤を前記患者に搬送する諸ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
非侵襲的な肺の呼吸器治療を前記患者へ投与するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記非侵襲的な肺の呼吸器治療が持続陽圧呼吸療法(CPAP)である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
非侵襲的な肺の呼吸器治療を前記患者に投与するステップを実行しながら、同時に前記捕集された沈着を前記流体流コネクタから回収するステップを更に含む、請求項2−3の何れか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記エアロゾル化された有効な薬剤を流体流コネクタに連絡させるステップを停止し、前記捕集された沈着を前記流体流コネクタから回収する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記エアロゾル化された有効な薬剤が肺界面活性剤を含む、請求項1−5の何れか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記肺界面活性剤が動物から得た、又は合成的に得られる界面活性剤である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記合成的に得られる界面活性剤が、KL4,RL4,RL8,R2L7,RL4CL3,RL5CL3,RL3CL3, ポリリシン,magainans,デフェンシン,iseganan,ヒスタチン、及びそれらの組み合わせから構成される群から選択される疎水ペプチドを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記疎水ペプチドがKL4である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記疎水ペプチドが、リン脂質、及び遊離脂肪酸、又は脂肪アルコールの水溶性分散系の中に浮遊する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記混合物が湿潤剤を含む、請求項1−10の何れか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記媒質が生理食塩水である、請求項1−11の何れか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記捕集された沈着を前記流体流コネクタから回収するステップを更に含む、請求項1−12の何れか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記沈着をエアロゾル化して、前記エアロゾル化された有効な薬剤の追加体積を生成し、
前記エアロゾル化された有効な薬剤の前記追加体積を前記患者に搬送するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1及び第2のエアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送するための方法であって、
媒質中の混合物として前記有効な薬剤を取得し、
第1のエアロゾル化された有効な薬剤を生成するエアロゾル発生器を用いて前記混合物の微粒子の第1の流れを発生し、
前記第1のエアロゾル化された有効な薬剤を前記第1のエアロゾル化された有効な薬剤を前記患者に搬送するための排出口を含む流体流コネクタに連絡させ、前記流体流コネクタは前記エアロゾル化された有効な薬剤を前記排出口に方向付けるように形成され、一方で、前記排出口から実質的に間隔を空けられた前記流体流コネクタで、又はその一部で前記エアロゾル化された有効な薬剤に関連する沈着を捕集し、
前記第1のエアロゾル化された有効な薬剤を前記患者に搬送し、
沈着を前記流体流コネクタから回収し、
第2のエアロゾル化された有効な薬剤を生成するエアロゾル発生器を用いて前記混合物の微粒子の第2の流れを発生し、
前記第2のエアロゾル化された有効な薬剤を前記患者に搬送する諸ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
エアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送するための方法であって、
媒質中の混合物として前記有効な薬剤を取得し、
前記エアロゾル化された有効な薬剤を生成するエアロゾル発生器を用いて前記混合物の微粒子の流れを発生し、
多量の前記エアロゾル化された有効な薬剤を鼻カニューレを含む流体流コネクタに連絡させ、前記エアロゾル化された有効な薬剤を前記患者に搬送し、
前記エアロゾル化された有効な薬剤に関連する前記沈着の少なくともいくらかを前記流体流コネクタから除去し、
前記沈着を再エアロゾル化して追加の前記エアロゾル化された有効な薬剤を生成し、
前記同じ患者への搬送のために、前記追加の前記エアロゾル化された有効な薬剤を前記流体流コネクタに連絡させる諸ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記流体流コネクタが、沈着を捕集するための捕集装置を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記流体流コネクタが、そこで捕集された沈着を回収するためのポートを含む、請求項16−17の何れか1つに記載の方法。
【請求項19】
多量の前記第1の前記エアロゾル化された有効な薬剤に関連する前記沈着の少なくともいくらかを前記流体流コネクタから除去するステップ、及び前記同じ患者への搬送のために、多量の第2の前記エアロゾル化された有効な薬剤を前記流体流コネクタに連絡させるステップが、実質的に同時に行われる、請求項16−18の何れか1つに記載の方法。
【請求項20】
多量の前記第1の前記エアロゾル化された有効な薬剤に関連する前記沈着の少なくともいくらかを前記流体流コネクタから除去するステップが、前記流体流コネクタに接続された沈着捕集貯蔵器を介して行われる、請求項16−19の何れか1つに記載の方法。
【請求項21】
エアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送するための方法であって、
媒質中の混合物として前記有効な薬剤を取得し、
前記エアロゾル化された有効な薬剤を生成するエアロゾル発生器を用いて前記混合物の微粒子の流れを発生し、
前記エアロゾル化された有効な薬剤から分離された沈着を捕集し、
前記エアロゾル化された有効な薬剤を前記患者に搬送し、
前記捕集された沈着の少なくともいくらかを前記患者に搬送する諸ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
エアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送するための方法であって、
媒質中の混合物として前記有効な薬剤を取得し、
前記エアロゾル化された有効な薬剤を生成するエアロゾル発生器を用いて前記混合物の微粒子の流れを発生し、
実質的に放射対称な方法でガスの流れを用いて前記エアロゾル化された有効な薬剤に影響を与え、
前記患者に搬送する諸ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
前記ガスの流れが約37℃から約45℃の初期温度を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
エアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送するための方法であって、
媒質中の混合物として前記有効な薬剤を取得し、
前記有効な薬剤と前記媒質を含有する第1のエアロゾルを生成するエアロゾル発生器を用いて前記混合物の微粒子の流れを発生し、
前記第1のエアロゾルの少なくとも一部の特性を変更して、第2のエアロゾルを生成し、
前記第2のエアロゾルを前記患者に搬送する諸ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
第2のエアロゾルを生成するために前記第1のエアロゾルの少なくとも一部の特性を変更するステップが、前記第1のエアロゾルをガスの制御された流れと接触させることによって、少なくとも部分的に行われる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第2のエアロゾルに関連する微粒子の空気動力学的中央粒子径が、前記第1のエアロゾルに関連する微粒子の空気動力学的中央粒子径よりも小さい、請求項24−25の何れか1つに記載の方法。
【請求項27】
媒質に対する有効な薬剤の比率が、前記第1のエアロゾルの比率と比較して前記第2のエアロゾルの比率が大きい、請求項24−26の何れか1つに記載の方法。
【請求項28】
前記第2のエアロゾルを定める微粒子の流れの方向の一貫性が、前記第1のエアロゾルを定める微粒子の流れの方向の一貫性より大きい、請求項24−27の何れか1つに記載の方法。
【請求項29】
患者の呼吸器疾患を治療するための方法であって、エアロゾル化された肺界面活性剤を前記患者に投与するステップを含み、前記患者の肺環境に沈着する界面活性剤の量が、前記患者の呼吸器疾患を治療するのに有効であることを特徴とする方法。
【請求項30】
前記患者が幼児である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
エアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送するためのシステムであって、
前記エアロゾル化された有効な薬剤を形成するためのエアロゾル発生器、
前記エアロゾル化された有効な薬剤を搬送するための搬送手段、及び
前記エアロゾル化された有効な薬剤から分離した沈着を捕集するために前記エアロゾル発生器と前記搬送手段の間に配置される捕集装置を含み、
前記捕集装置の少なくとも一部が、前記エアロゾル化された有効な薬剤の主流路の実質的に外側に配置されることを特徴とするシステム。
【請求項32】
前記捕集装置が流体流コネクタの内部で定められ、前記搬送手段が前記流体流コネクタから伸長する鼻カニューレである、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記捕集装置から離間された第2の捕集装置を更に含む、請求項31−32の何れか1つに記載のシステム。
【請求項34】
前記捕集装置が流体流コネクタの内部で定められ、前記第2の捕集装置が前記流体流コネクタと流体連絡するエアロゾルコンディショニング容器の内部で定められる、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
エアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送するための流体流コネクタであって、
チャンバは、エアロゾル吸入口、搬送排出口、前記エアロゾル吸入口と前記搬送排出口の間に定められたエアロゾル流路、及び、前記エアロゾル化された有効な薬剤に関連する沈着を捕集するための領域を含み、沈着が捕集されて、前記流体流コネクタを流れるエアロゾル化された有効な薬剤から実質的に分離されるように、前記領域は、前記エアロゾル流路に少なくとも部分的に配置される沈着を捕集するためのものであることを特徴とするコネクタ。
【請求項36】
エアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送するための流体流コネクタであって、
エアロゾル吸入口、搬送排出口、前記エアロゾル吸入口と前記搬送排出口の間に定められたエアロゾル流路、前記エアロゾル流路から分離された前記エアロゾル化された有効な薬剤に関連する沈着を維持するための手段を含むチャンバを含むことを特徴とするコネクタ。
【請求項37】
前記エアロゾル流から分離された沈着を維持するための前記手段が、前記チャンバの底部に定められる陥凹部を含む、請求項36に記載のコネクタ。
【請求項38】
前記エアロゾル流から分離された沈着を維持するための前記手段が、前記搬送排出口に近接して配置されるリップを含む、請求項36−37の何れか1つに記載のコネクタ。
【請求項39】
エアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送するための流体流コネクタであって、
チャンバ、前記エアロゾル化された有効な薬剤を前記チャンバに連絡させるためのエアロゾル吸入口、前記エアロゾル化された有効な薬剤を前記チャンバの外に連絡させるための搬送排出口、及び前記エアロゾル吸入口から前記搬送排出口に伸長するエアロゾル流路を含み、
前記エアロゾル化された有効な薬剤が前記流路を約90°より小さい角度で流れ、前記流路の前記角度が、前記エアロゾル吸入口が前記チャンバと交わる前記エアロゾル吸入口の中心軸点から、前記搬送排出口が前記チャンバと交わる前記搬送排出口の中心軸点まで測定されることを特徴とするコネクタ。
【請求項40】
前記流路の前記角度が約75°より小さい、請求項39に記載のコネクタ。
【請求項41】
前記流路の前記角度が約60°より小さい、請求項39−40の何れか1つに記載のコネクタ。
【請求項42】
エアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送するための流体流コネクタであって、
エアロゾル吸入口、搬送排出口、及び前記エアロゾル化された有効な薬剤に関連する沈着が影響を与える内側面を含むチャンバを含み、
前記内側面が、前記沈着を捕集するため、及び/又は前記搬送排出口への前記沈着の連絡を容易にするために形成されることを特徴とするコネクタ。
【請求項43】
前記内側面が、前記沈着を捕集できる凹部を含む、請求項42に記載のコネクタ。
【請求項44】
重力、及び/又は表面特性が、影響を与える位置から前記搬送排出口まで前記沈着に連絡させることができるように、前記内側面が前記搬送排出口の方向に対して下向きに角度を付けられる、請求項42−43の何れか1つに記載のコネクタ。
【請求項45】
前記チャンバが、人工呼吸ガス吸入口、及び人工呼吸ガス排出口を更に含む、請求項42−44の何れか1つに記載のコネクタ。
【請求項46】
第1の流体径路が前記エアロゾル吸入口と前記搬送排出口の間で伸長し、人工呼吸ガスを前記搬送排出口に連絡させるための第2の流体径路を定めるため、及び前記第1の流体径路に沿って流れる前記エアロゾル化された有効な薬剤との前記人工呼吸ガスの混合を遅延させるために、前記人工呼吸ガス吸入口と前記エアロゾル吸入口の間に配置されるバッフルを更に含む、請求項45に記載のコネクタ。
【請求項47】
前記チャンバに接続されたエアロゾルコンディショニング容器を更に含み、前記エアロゾルコンディショニング容器は、エアロゾル発生器から前記エアロゾル化された有効な薬剤を受け取るための容器吸入口、及び前記チャンバ・エアロゾル吸入口と流体連絡している容器排出口を含む、請求項42−46の何れか1つに記載のコネクタ。
【請求項48】
前記エアロゾルコンディショニング容器が、前記チャンバに永久的に接続される、請求項47に記載のコネクタ。
【請求項49】
前記チャンバの一部と前記エアロゾルコンディショニング容器の一部が一体形成される、請求項47に記載のコネクタ。
【請求項50】
前記エアロゾルコンディショニング容器が、前記エアロゾルコンディショニング容器の周囲で放射対称に配置される複数のガス吸入口を含む、請求項47−49の何れか1つに記載のコネクタ。
【請求項51】
前記エアロゾルコンディショニング容器が、前記エアロゾル化された有効な薬剤に関連する沈着を受け入れるための捕集装置を含む、請求項47−50の何れか1つに記載のコネクタ。
【請求項52】
前記エアロゾル吸入口と流体連絡するチャンバに濃縮する有効な薬剤を含む、請求項42−51の何れか1つに記載のコネクタ。
【請求項53】
一方向弁が、前記有効な薬剤が濃縮するチャンバと前記エアロゾル吸入口の間に配置される、請求項52に記載のコネクタ。
【請求項54】
前記チャンバが、流体流をそこで方向付けるための1又は複数のバッフルを含む、請求項42−53の何れか1つに記載のコネクタ。
【請求項55】
前記エアロゾル化された有効な薬剤に関連する沈着を受け入れるために、前記チャンバの下に流体連絡して配置された沈着捕集貯蔵器を更に含む、請求項42−54の何れか1つに記載のコネクタ。
【請求項56】
エアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送するための流体流コネクタであって、
エアロゾル吸入口、搬送排出口、人工呼吸ガス吸入口、及び人工呼吸ガス排出口を含むチャンバ含み、
前記エアロゾル吸入口と前記搬送排出口が互いに実質的に平行であるコネクタ。
【請求項57】
前記エアロゾル吸入口が、前記搬送排出口から水平方向にオフセットされる、請求項56に記載のコネクタ。
【請求項58】
エアロゾル化された有効な薬剤を患者に搬送するためのシステムであって、
エアロゾル発生器、
前記エアロゾル発生器に接続され、チャンバ、エアロゾル吸入口、搬送排出口、及び前記エアロゾル化された有効な薬剤に関連する沈着を捕集するための捕集装置を含む流体流コネクタを含み、
エアロゾル流路が、前記エアロゾル吸入口と前記搬送排出口の間に定められ、前記エアロゾル流路が約90°以上の角度を欠くことを特徴とするシステム。
【請求項59】
前記搬送排出口に接続され、各々が約10mm以上の内径を有する1組の鼻カニューレを更に含む、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記鼻カニューレの各々が約5mm以下の内径を有する、請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記鼻カニューレの各々が約3mm以下の内径を有する、請求項59に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図9A】
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【図10】
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【図10A】
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【図11】
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【図11A】
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【図12】
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【図12A】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公表番号】特表2007−537833(P2007−537833A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527356(P2007−527356)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/017184
【国際公開番号】WO2005/115520
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(506387627)ディスカバリー ラボラトリーズ,インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】