非密閉呼吸インタフェースを利用する高流速治療デバイス及び関連方法
【課題】マイクロプロセッサ、加温素子、非密閉呼吸インタフェース及びセンサを含んでなる高流速治療システムを開示する。
【解決手段】加温素子はマイクロプロセッサと電気的導通状態で配置し、液体を加温してガスを作成しうる。非密閉呼吸インタフェースは前記ガスを患者に送達するよう構成される。前記センサは前記マイクロプロセッサと電気的導通状態に配置し、患者の上部気道内圧力を測定するよう構成する。
【解決手段】加温素子はマイクロプロセッサと電気的導通状態で配置し、液体を加温してガスを作成しうる。非密閉呼吸インタフェースは前記ガスを患者に送達するよう構成される。前記センサは前記マイクロプロセッサと電気的導通状態に配置し、患者の上部気道内圧力を測定するよう構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連技術へのクロスリファレンス)
本出願は、2006年9月12日付け米国特許出願公開第11/520490号の継続であり、2005年9月12日付け米国仮出願公開第60/716776号の利益を主張する。本出願はまた、2005年12月14日付け米国仮出願公開第60/750063号、2006年4月18日付け米国仮出願公開第60/792711号、及び2006年10月18日付け米国仮出願公開第60/852851号の利益及び優先権を主張する。これらの各出願の内容は、本願明細書の参照により、本願明細書に取り入れられる。
【背景技術】
【0002】
経鼻カニューレ等の呼吸インタフェースは、酸素治療、睡眠時無呼吸の治療、及び呼吸サポートを含んでなる治療効果のための呼吸ガスを、送達するために用いられる。小型の経鼻カニューレは、少量の酸素送達のために一般に用いられる。Woodらの米国特許第6595215号等に開示の密閉カニューレは、睡眠時無呼吸の治療に用いられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ある種の経鼻カニューレには、重要な治療パラメータにおける情報を欠いていることによる制約がある。このパラメータには、ユーザの上部気道内のガスに関する、圧力、流速、及び二酸化炭素の停留等に関する情報を含んでなる。これら及び他のデータは、治療制御及びモニタリングと同様に、治療の有効性判定に有用であろう。
【0004】
加えて、従来の経鼻カニューレのデザインは(特に新生児の酸素治療用にデザインされたものは)ユーザの鼻孔への密閉形成が望ましくなく、このためにユーザの健康を損なう効果を有していた可能性がある。
【0005】
酸素(O2)治療は、回復、治癒、及び日常的活力の維持のためにも、酸素補給に応答する呼吸不全を有する患者の救助及び補給に、しばしば用いられる。
【0006】
経鼻カニューレは、一般的に酸素治療中に用いられる。この治療法は、典型的には、毎分1−6リットル(L/分)の流速の約24%から約35%のO2を含む空気/ガス混合物を提供する。毎分2リットル程度では、患者は、約28%の酸素のFiO2(吸入O2/空気混合物における酸素パーセント)を有する。この速度は、ガスが室温で加湿器を通り、経鼻インタフェースを介して患者の鼻に送られるならば、約8L/分にまで増加しうる。これは、通常、約30−40%の吸入O2(FiO2)に応答する状態にある多くの人には適切であるが、より高濃度のO2を求めるには、通常はより大きな流速が必要になる。
【0007】
より高いFiO2が必要である時には、単に流速を上げることはできない。これは、経鼻カニューレを介して室温で100%のO2を呼吸することが鼻の通路に刺激性であり、通常は約7−8L/分を上回ることは許容できないからである。単に流速を増加させると、気管支けいれんも引き起こしうる。
【0008】
約40%から約100%のFiO2を投与するためには、高流速において非再呼吸マスク(又は密閉マスク)が用いられる。マスクは顔を密閉し、呼気相の期間中の酸素流を捕集するための貯蔵バッグを有し、1方向の一方通行弁を用いて、呼気を部屋へ、吸気を酸素貯蔵バッグから方向付ける。この方法は、大部分は緊急事態で使用され、通常は拡張治療にはあまり許容されない。
【0009】
高流速経鼻気道呼吸サポート(「高流速治療」又は「HFT、High Flow Therapy」)は、経鼻カニューレを通じて「開放」経鼻気道を施すものである。気道圧力は、通常、持続的気道内陽圧(CPAP、Continuous Positive Airway Pressure)及びバイレベル気道陽圧(BiPAP、Bi−level Positive Airway Pressure)より低く、モニタも制御もされない。このような高流速治療の効果は、治療学として報告され、若干の臨床家に受け入れられている一方、未知の要因及び任意の投与技術を含むために、他者からは疑問を投げかけられている。こうした手順においては、患者の気道に発生する圧力は、通常は、例えばカニューレ寸法、鼻孔サイズ、流速及び呼吸速度の影響を受ける変数である。気道内圧は酸素飽和に影響するため、通常、これらの変数だけで多くの内科医がHFTを避けてしまうことが知られている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、マイクロプロセッサ、加温素子、非密閉呼吸インタフェース及びセンサを含んでなる高流速治療システムに関する。加温素子は前記マイクロプロセッサと電気的導通状態に配置し、液体を加温してガスを発生させうる。非密閉呼吸インタフェースは、ガスを患者に送達するよう構成する。センサは、マイクロプロセッサと電気的導通に配置され、患者の上部気道の圧力を測定するよう構成する。
【0011】
本開示は、マイクロプロセッサ、加温素子、非密閉呼吸インタフェース、センサ及びマウスピースを含んでなる高流速治療システムにも関する。加温素子は前記マイクロプロセッサと電気的導通状態に配置し、液体を加温してガスを発生させうる。非密閉呼吸インタフェースは、ガスを患者に送達するよう構成する。センサは、マイクロプロセッサと電気的導通に配置され、患者の上部気道の圧力を測定するよう構成する。マウスピースは、センサと機械的に協働するよう配置されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、本願明細書において添付の図面を参照して記載され、ここにいくつかの実施形態を示すが、これが全てではない。実際、本発明は、本願明細書に記載の実施形態に限定されるように解釈すべきではない多くの異なった形態において、実施しうる。むしろ、本開示が適用可能な法的要求を満たすように、これらの実施例は設けられている。同じ数は、全体にわたって同じ要素を表す。例えば、要素130、230、330、430、530、830、及び930は、全て、本発明の種々の実施形態に係る経鼻インサートである。
【0013】
(機能の概要)
本発明の種々の実施形態に係る経鼻カニューレは、高流速治療ガスを患者の鼻を介して患者の上部気道に送達するよう構成しうる。このようなガスは、例えば、空気、湿気、酸素、治療ガス又はこれらの混合物を含んでなり、加温してもよく、加温しなくてもよい。本発明の特定の実施形態において、前記カニューレは、CPAP(持続的気道陽圧法)アプリケーションに有用であり、睡眠時無呼吸の治療、及び呼吸サポートを患者に提供する際(例えば、腹部外科手術後)、いびきの軽減、又は他の治療用途に有用でありうる。
【0014】
本発明の実施形態に係る経鼻カニューレは、1以上の経鼻カニューレ内に隣接する(又は、容易に位置決めできるように取り付けた)1以上のセンサを含んでなる。従って、経鼻カニューレは、経鼻カニューレがユーザにより稼動消耗する時には、1以上のセンサの少なくとも一部がユーザの片方又は両方の鼻孔内の適切な位置になるように構成してもよい。これは、特にユーザの鼻及び/又はユーザの上部気道の内部環境を評価するのに有効でありうる。後で詳しく述べるように、本発明の種々の実施形態において、カニューレは、使用中の時に患者の鼻孔を密閉しないように取り付ける。
【0015】
本発明の他の実施形態に係る経鼻カニューレは、使用の間にユーザの鼻孔の外に残るように取り付けるノズルを含んでなる。従って、カニューレの使用中に、ノズルが患者の鼻孔を密閉することを避けている。いくつかの実施形態において、経鼻カニューレは、片方又は両方の鼻孔内の圧力を検出するためにユーザの鼻孔に挿入される伸長部を含んでなる。
【0016】
本発明の特定の実施形態において、経鼻カニューレの経鼻インサートの両方に隣接して、又は内部に、センサを備える。種々の他の実施形態において、ユーザの鼻孔内に延びる1以上の伸長部に隣接して、又は内部に、センサを備える。種々の実施形態において、伸長部を、経鼻インサート又はノズルと共に用いてもよい。センサの使用は、例えば、ユーザの鼻孔の一方から他方への環境変化のモニタに有用でありうる。この情報は、例えば、優位な空気の流れがユーザの一方の鼻孔から他方に、いつ変化するかを計測する助けになり、これは所望の治療フロー特性に影響しうる。従って、各鼻孔からのデータは、ユーザの治療計画の立案又は修正において有用な情報提供になりうる。
【0017】
(具体的なカニューレ構造の概要)
図1に、本発明の一実施形態に係るカニューレ100を示す。この図から理解しうるように、本実施形態において、カニューレ100は、中心部110、第1の端部115及び第2の端部120を含む中空の細長いチューブ基部105を含んでなる。図1に示すように、第1及び第2の端部115、120は中心部110に対して屈曲してもよい。
【0018】
本発明の種々の実施形態において、カニューレ100は、第1の端部115の外端に隣接する第1の入口117、及び第2の端部120に隣接する第2の入口を含んでなる(他の実施形態においては、カニューレは、こうした入口を1つだけ含みうる)。カニューレ100は、さらに、経鼻カニューレ基部105から外延し、基部内部と気体伝達状態にある、一対の中空で、細長い、管状の経鼻インサート(例えば経鼻カテーテル)125、130を含んでなる。種々の実施形態において、経鼻インサート125、130の各々の中心軸は実質的に互いに平行であり、経鼻カニューレ基部105の中心部110の中心軸に実質的に直角である。
【0019】
本発明の特定の実施形態において、カニューレは、センサがカニューレ内部に隣接又は内部に導入され、ユーザによりカニューレが稼動消耗する時には、センサがモニタする環境がユーザの鼻及び/又は上部気道の内部環境を反映するように、当該センサを導くために取り付けられる、少なくとも1つの導管を画定する。本発明の種々の実施形態において、ユーザは、一時的に導管中に又は導管を通過してセンサを挿入し、カニューレシステムの正しいセッティングを計測し、次いで正しいセッティングが為された後にセンサを外してもよい。他の実施形態において、センサは、経時的にカニューレ内(又は隣接)のデータをモニタする目的のため(例えばユーザの治療計画を制御する目的のため)に、導管内の適切な位置に残してもよい。さらなる実施形態において、導管の出口に隣接してセンサを位置決めしてもよい。
【0020】
センサは、カニューレ内への呼吸ガスフローを制御するコンピュータ及び/又はマイクロプロセッサに接続(例えば、電線経由で)してもよい。コンピュータは、センサから受信した情報を用い、このガスフロー及び/又は他のシステムの特性を制御してもよく、当該情報が所定の基準(例えば、当該情報が患者気道内における潜在的に危険な状態を示す場合、又はシステムが正しく動作しない場合)を満たすならば警報を出してもよい。
【0021】
図8A−Cから理解しうるように、本発明の特定の実施形態においては、カニューレの導管850の少なくとも1つは、カニューレ800側壁により画定され、その内部に延びる。あるいは、導管は、カニューレにより画定される内部通路の中に配置されうる。例えば、1以上の導管を、カニューレ内面に直接隣接(例えば、カニューレ基部の内面、又はカニューレの経鼻インサートのうちの1つの内面に、隣接)して取り付けられるチューブと画定してもよい。好適には、(1)導管に通じる1以上の入口においてガスフローを受けるため、及び(2)このガスフローをカニューレ内の出口へ導くために、カニューレの導管を取り付ける。種々の実施形態において、カニューレの経鼻インサートの1つの外部部分の範囲内に、1以上の入口を画定する。
【0022】
図1から理解しうるように、本発明の種々の実施形態において、カニューレ導管出口136、141のそれぞれを、各々の細長く実質的に管状の出口部材135、140の端部に配置する。例えば、図1に示した実施形態において、カニューレ100は、カニューレの第1の経鼻インサート125と実質的に平行である、第1の出口部材135を含んでなる。この実施形態において、第1の出口部材135及び第1の経鼻インサート125を、図1に示すように、経鼻カニューレ基部105の反対側に位置決めしてもよい。同様に、本発明の特定の実施形態において、カニューレ100は、カニューレの第2の経鼻インサート130と実質的に平行である、第2の出口部材140を含んでなる。第2の出口部材140及び第2の経鼻インサート130を、好適には経鼻カニューレ基部105の反対側に位置決めしてもよい。
【0023】
本発明の種々の実施形態において、センサ(例えば圧力、温度又はO2センサ)を、少なくとも1のカニューレ出口136、141(好ましくは各々)に隣接して設け、出口136、141からのガス特性を測定するために用いる。本発明の別の実施形態において、アクセサリチューブを用いて各出口135、140に、少なくとも1のセンサ(及び/又は少なくとも1の外部モニタリング機器)を接続し、これは例えば、カニューレ100から間隔を離してもよい。
【0024】
本発明のさらに別の実施形態において、導管の範囲内に1以上のセンサを備え、導管を通じてアクセスするガスの特性の測定に用いる。この実施形態において、各センサからの情報は、例えば、センサの導管の出口135、140を通って延びる電線を介し、センサからカニューレ外の制御系にリレーしてもよい。
【0025】
本発明の別の実施形態において、カニューレの導管の各々は:(1)入口152、154から;(2)カニューレの経鼻インサート125、130のうちの1つの側壁を通過し、又は隣接し;(3)カニューレ本体部105の側壁を通過して又は隣接して;並びに、(4)カニューレ本体部105の中に画定されるか又は隣接して配置される出口135、140へ延びてもよい。このような一実施形態において、導管は、カニューレの本体部分の内面に隣接して配置される、実質的に管状の部分を含んでなる。
【0026】
図2から理解しうるように、本発明の特定の実施形態において、カニューレ200は、カニューレ200の外部に統合される(例えば、カニューレの経鼻インサート225、230のうちの1つの外面内に形成される凹部223の範囲内に)、少なくとも1のセンサ245を含んでなる。本実施形態において、センサ245からの情報は、センサ245から、導管及び導管出口235、240を通って延びる電線246を介し、カニューレ200の外側の制御系にリレーしてもよい。本発明の種々の実施形態において、導管は、カニューレ経鼻インサート225、230のうちの1つの側壁の内部を通過又は隣接して、及び/又は、カニューレ本体部205の側壁内部を通過するか又は隣接して延びる。
【0027】
本発明の特定の実施形態において、少なくとも1のセンサ245を、ユーザが容易には外せないように、カニューレ100に固定接着する。また、特定の実施形態において、少なくとも1のセンサ245は、センサ245が容易にカニューレ100に隣接して取り外せるように(並びに、ある実施形態においては再度取り付けるように)、着脱可能に接続する。
【0028】
カニューレ1000は、中心部1010、第1の端部1015及び第2の端部1020を含む、中空で細長い管状の基部1005を含んでなる。図10に示すように、第1及び第2の端部1010、1015は、中心部1010に対して屈曲しうる。本発明の種々の実施形態において、カニューレ1000は、第1の端部1015の外端部に隣接する第1の入口1017、及び第2の端部1020の外端部に隣接する第2の入口1022を含んでなる。
【0029】
カニューレ1000は、表面的に経鼻カニューレ基部1005から外延する、一対の中空で細長い管状ノズル(第1ノズル1026及び第2ノズル1031)を含んでなる。種々の実施形態において、ノズル1026、1031の各々の中心軸は、実質的に互いに平行で、経鼻カニューレ基部1005の中心部1010の中心軸に、実質的に直角である。種々の実施形態において、ノズル1026、1031は、カニューレ基部1005の内部と気体伝達状態にある導管を画定する。本発明の特定の実施形態において、カニューレ使用中は、第1及び第2ノズル1026、1031はユーザの鼻孔の外側に位置決めするよう取り付ける。特定の実施形態において、ノズル1026、1031のそれぞれは、各々のノズル出口を画定する。例えば、第1ノズル1026は第1ノズル出口1083を画定し、第2ノズル1031は第2ノズル出口1084を画定する。種々の実施形態において、経鼻カニューレ1000をユーザの鼻孔に隣接して動作可能に位置決めすると、ノズル出口1083、1084はそれぞれ、対応するユーザの鼻孔の1つに集中してガスフローを導くように位置決めされる。
【0030】
図12に示した実施形態等の、別の実施形態において、経鼻カニューレ1200は、カニューレ基部1205の内部で気体伝達状態にある導管又は空気の流路を画定する、単一のノズル1227を含みうる。後で詳しく述べるように、種々の実施形態において、ノズル1227は、カニューレ基部1205から外延し、長方形又は楕円形の横断面を有する。当該及び他の実施形態において、ノズル1227は、カニューレ1200を使用するユーザの鼻孔の両方に、同時にフォーカスしてガスフローを送達する形状をとる。
【0031】
種々の実施形態において、経鼻カニューレは、ユーザの鼻孔の1つ以上へに挿入するよう取り付けられる、1つ以上の伸長部を含んでなる。例えば、図10に示した実施形態に戻ると、経鼻カニューレ1000は、経鼻カニューレ1000の使用中にそれぞれの伸長部1070、1702を各々1のユーザの鼻腔に挿入できるように、十分に長い複数の伸長部(例えば、第1の伸長部1070及び第2の伸長部1072)を含んでもよい。種々の実施形態において、伸長部1070、1072はそれぞれ、対応するノズル1026、1031の中心軸と実質的に平行にある中心軸を有してもよい。図10から理解しうるように、特定の実施形態において、経鼻カニューレがユーザの鼻孔に隣接して動作可能に位置決めされる時に、第1の伸長部1070は、対応する第1ノズル1026の中心軸と実質的に平行かつ下方にある、中心軸を有する。同様に、種々の実施形態において、経鼻カニューレがユーザの鼻孔に隣接して動作可能に位置決めされる時に、第2の伸長部1072は、対応する第2ノズル1031の中心軸実質的に平行かつ下方に中心軸を有する。種々の他の実施形態において、伸長部は、対応するノズル1070、1072の内部に置かれ、これらから外延してもよい。
【0032】
さらなる例として、図12に、複数の伸長部(第1の伸長部1270及び第1の伸長部1272)を有する、経鼻カニューレ1200の例を示す。この両者は、経鼻カニューレ1200がユーザの鼻に隣接して動作可能に位置決めされる時に、単一のノズル1227の実質的に下方に置かれる。一実施形態において、第1及び第2の伸長部1270、1272の中心軸は、ノズル1227の中心軸と、実質的に平行でもよい。また、種々の実施形態において、伸長部1270、1272の一方又は両方を、ノズル1227の中に置いてもよい。当該及び他の実施形態において、伸長部1270、1272のそれぞれの遠位端は、ノズル1227の遠位端を超えて延長してもよい。
【0033】
上述のように、本発明の特定の実施形態において、経鼻カニューレは、経鼻カニューレの使用中に、ユーザの鼻孔内のガスデータ(例えばガス圧力)を測定するために取り付けられる1以上のセンサを含んでなる。例えば、図10に示す経鼻カニューレ1000は、第1及び第2の伸長部1070、1072の一方又は両方の遠位端に隣接して位置決めされるセンサを含んでもよい。種々の実施形態において、それぞれの伸長部を、(1)伸長部の遠位端に隣接して(例えばその位置に)センサを支持し、(2)センサ、及びカニューレ1000を通じるガスフローの特性を調節するために取り付けられる制御メカニズムに、同時に接続される導線を支持するために、取り付けてもよい。
【0034】
他の実施形態において、伸長部は導管を画定する。例えば、センサ(単一又は複数)を、伸長部の内部又は外側に位置決めしてもよく、センサからの情報は、導管(例えば、図10の導管1023)又は伸長部の各々によって画定される通路を通って延びる導線を介して、制御系にリレーしてもよい。一実施形態において、図示のように、例えば図10において、導管1023は経鼻カニューレ基部1005に同様に成形され、経鼻カニューレ1000が有効に使用中のときに、基部1005の実質的に下方に置かれる。種々の実施形態において、第1及び第2の伸長部1070、1072は、各々の第1及び第2ノズル1026、1031の中に置かれ、並びにこれらから外延するように、基部1005内に位置決めされる。
【0035】
種々の実施形態において、それぞれの伸長部は、空気の通路となる各々の導管を画定する。例えば、ある実施形態において、それぞれの導管は、ユーザの鼻孔、制御システム又は空気の特性を測定、調整するための他の装置の間で気体伝達状態を許容するように取り付けられる。当該及び他の実施形態において、ユーザの鼻孔内の空気の特性(例えば圧力)を測定するために、制御ボックスにセンサを位置決めしてもよい。いくつかの実施形態において、伸長部は、空気の流路、並びに、伸長部の一片に隣接して位置決めされるセンサから、制御系又は他の装置へ導線が通過できる導管、の両者として働く、導管を画定する。
【0036】
(センサによりモニタするデータ)
上述等の本発明の種々の実施形態において、1以上のセンサを、経鼻カニューレの導管のうちの1本の内部でガスデータを測定するか、又はカニューレ外部に隣接してガスデータを測定するために、位置決めしてもよい。当該実施例では、1以上のセンサを、例えば、カニューレの内面又は外面に隣接して位置決めしてもよい。本発明のある実施形態において、カニューレの1以上のセンサを、1以上の下記のタイプのデータをモニタするために、カニューレの導管内に、又はカニューレの外面(例えば、カニューレの経鼻インサートのうちの1つの、側面隣接、又は遠位端)に隣接して、取り付けてもよい。(1)ガス圧力;(2)ガス流速;(3)二酸化炭素含量;(4)温度;(5)湿気レベル;及び/又は(6)酸素含有量。
【0037】
(絶対vs相対圧力測定)
本発明の種々の実施形態において、カニューレの特定の部位内、又は隣接において絶対圧力を検知するよう、カニューレを構成してもよい。同様に、特定の実施形態において、カニューレ内で2つの異なる部位の圧力の違いを測定するよう、カニューレを構成してもよい。これは、例えば、2台の別々のセンサ(例えば、1本のカニューレ導管内の異なる場所に位置決めされる)を備えることにより、又は、2本の物理的に異なるガス取り込み導管を備えることにより行われ、それぞれはカニューレの中で異なる場所からガスを回送するために取り付けられる。例えば、図1に示す本発明の種々の実施形態において、第1の入口152は第1のセンサにガスを回送するように接続してもよく、第2の入口154は物理的に分離した第2の圧力センサにガスを回送するように接続してもよい。次いで、第1及び第2のセンサからの情報は、第1及び第2の入口152、154の間の圧力差を算出するために用いてもよい。あるいは、差動的圧力センサを用いてもよい。
【0038】
(適切なセンサ)
本発明の種々の実施形態と共に用いるセンサは、電子的及び光学的センサを含んでなる。例えば、適切なセンサには次を含んでなる。(1)使い捨てMEM圧電センサ(例えば、Silex Microsensors);(2)McCaul O2センサ等の光ベースのセンサ、McCaulの米国特許大6150661号を参照;並びに、(3)マイクロ圧力センサ、Honeywellから入手可能なもの等。
【0039】
(非密閉の特徴)
図4に示すように、本発明の種々の実施形態において、経鼻カニューレの経鼻インサート425、430の1以上は、経鼻インサートの外面の長さに沿って延びる1以上の凹部423(例えば溝、半円状の凹部又は他のへこみ又は導管)を画定する。この図から理解しうるように、本発明の種々の実施形態において、これらの凹部423のうちの少なくとも1つは、経鼻インサート325、330、425、430の遠位面の隣接から、及び次の中間点を過ぎて、延びる細長い溝である。(1)経鼻インサートの遠位面、及び(2)経鼻インサート425、430の、経鼻カニューレ基部305、405に直接隣接する部分。この図から理解しうるように、本発明の種々の実施形態において、それぞれの溝423は、各々の経鼻インサート425、430の中心軸に実質的に平行に延びる。
【0040】
図4に示した実施形態等の、本発明の特定の実施形態において、少なくとも1の経鼻カニューレの経鼻インサート425、430は、経鼻インサート425、430がユーザの鼻孔内に動作可能に位置決めされる時に、経鼻インサートがユーザの鼻孔内に気密シールを生成しないように、構成してもよい。これは、例えば、ユーザが経鼻カニューレを摩耗させる時に、経鼻インサート425、430内の凹部423を通じて、空気がユーザの鼻腔の隣接に流れうるためのものである。
【0041】
図5−8に、カニューレの経鼻インサートがユーザの鼻孔に隣接して(例えば、部分的に内部に)動作可能に位置決めされる時に、経鼻インサートがユーザの鼻孔内において密閉を形成しないように構成される、本発明の実施形態を追記する。例えば、図5に示す実施形態において、カニューレの経鼻インサート525、530の少なくとも1つ(好適には両方)は、入口555(例えば実質的に管状でもよい)、及び、経鼻インサート525,530がユーザの鼻孔に挿入される時に、入口555の外部側面間とユーザの鼻孔を物理的に分離しておくために取り付けられる1以上のフランジ部560、561を含んでなる。
【0042】
例えば、図5に示す本発明の実施形態において、カニューレの経鼻インサート525、530はそれぞれ、実質的に管状の入口555、及びそれぞれが実質的にC型の断面を有して共に面する一対の延長フランジ560、561を含んでなる。当該実施形態において、これらのC形のフランジ560、561は、入口555の外部と協働し、カニューレ500がユーザの鼻孔内に動作可能に配置されると、ユーザの経鼻流路に環境空気が通過して流入又は流出する、実質的にU型のチャネル(「鼻の内腔」の一例)を形成する。当該実施形態において、経鼻インサート525、530がユーザの鼻孔内に適切に配置されると、呼吸ガスは入口555を通じてユーザの鼻の中に自由に流入し、並びに環境空気は以下で画定される通路を通じて、ユーザの鼻に流入及び鼻から流出する。(1)フランジ560、561;(2)フランジ560、561の間に延びる入口555の外部側面;並びに、(3)ユーザの鼻の内部。種々の実施形態において、カニューレ500がユーザの鼻孔内に動作可能に配置されると、空気はこの通路を通じてユーザの鼻に流入及び/又は鼻から流出するこのU型チャンネルの内部端に隣接して、経路(例えば半円状の経路)を設けてもよく、これはU型チャンネルを通じて排出及び吸引されるガスのための通路として動作してもよい。
【0043】
図5に示す一般的な実施形態は、多くの異なる構造上の構成を有してもよい。例えば、図6、すなわち本発明の具体例に係る経鼻インサートの横断面図に示すように、カニューレの経鼻インサート655の呼吸ガス入口は、円形の横断面よりもむしろ不規則な横断面(例えば実質的にパイの一部形状の横断面)を有するチューブの形状でもよい。あるいは、図7から理解しうるように、カニューレの経鼻インサート755の呼吸ガス入口は、円形の横断面よりもむしろ実質的に半円状の横断面を有するチューブの形状でもよい。
【0044】
同様に、図6及び7から理解しうるように、カニューレのフランジの形状及び寸法は、実施形態により変化しうる。例えば、図6に示した実施形態において、フランジ660、661はそれぞれ比較的短く実質的にC形の横断面を有し、フランジ660、661の遠位端は隙間を形成するように互いに離れて置かれる。図7に示すように、他の実施形態においては、フランジ760、761のそれぞれ比較的長く実質的にC形の横断面を有してもよく、フランジ760、761の遠位端は互いに直接隣接して位置決めしてもよい。
【0045】
図7から理解しうるように、本発明の種々の実施形態において、フランジ760、761の間に分離763(例えば、角度付きスリット等のスリット)を設ける。これにより、フランジ760、761はそれぞれに対して移動できるため、経鼻インサートが挿入される鼻孔内に適合しうる。他の実施形態において、経鼻インサートの横断面は、半円状のフランジ内には分離763を設けない点を除き、実質的に図7に示されるものと同様である。従って、本発明の当該実施形態において、実質的に半円形の、吸気口の外側部分は、実質的に半円形のフランジ部分と協働して、接触し実質的に円形の横断面を有する外面を形成する。このような実施例を、図8A−Cに示す。
【0046】
図8A−Cから理解しうるように、当該実施形態において、カニューレ800の使用中には、カニューレの経鼻インサート825、830の各々を通じて延びる通路881(例えば、対応する呼吸ガス入口855により画定されうる部分)を通して、呼吸ガスをユーザの鼻に流入してもよい。実質的に半円形横断面の通路885は、各経鼻インサート825、830の遠位端の間で、カニューレ基部805内に画定される実質的に半円状の出口865に延びる。種々の実施形態において、カニューレ800の使用中に、ユーザはこの通路885を通じてガスを吸引又は排出してもよい。
【0047】
ある実施形態において、上記のように、カニューレの経鼻インサート825、830(図8Cを参照)の各々に、導管850を設ける。これらの導管850はそれぞれ、(1)対応する通路885の内部からの、及び/又はカニューレの経鼻インサート825、830の1つの外部の隣接からのガスを受け、並びに(2)カニューレ800内の対応する出口835、840からのガスを導くために取り付けてもよい。上記のように、導管850内に、又はこれに隣接して1以上のセンサを配置してもよく、導管850を通じて、又はこれに隣接して、1以上のガスフローの属性を評価するために用いてもよい。
【0048】
図4−8に示した本発明の実施形態及び関連する実施形態は、センサ又はセンサ導管の使用を伴っても伴わなくても、有用でありうることを理解すべきである。種々の経鼻インサートは、カニューレをユーザの鼻孔内に動作可能に位置決めすると、ユーザの鼻孔内の任意の適切な配向に配置するよう構成しうることも理解すべきである。例えば、本発明の一実施形態において、カニューレは、カニューレの鼻腔がユーザの鼻棘に直接隣接するように、又はユーザの鼻棘から前側−側方へ面するように、位置決めしてもよい。
【0049】
本発明のさらに別の実施例においては、図9に示すように、少なくとも1のセンサ(又はセンサ自体)のためのチューブ入口970、972が、各々の経鼻インサート925、930の遠位端に隣接するように、又は遠位端から所定の間隔を空けておくように、カニューレ900及び対応するセンサを取り付けてもよい。当該実施形態において、センサ(又はセンサ取入口)は、経鼻カニューレの出口開口部の1つに隣接する経鼻カニューレ900の他から、間隔を空けて離してもよい。
【0050】
図10から理解しうるように、種々の実施形態において、経鼻カニューレの第1及び第2ノズル1026、1031は、カニューレの使用中に、ユーザの鼻孔の外に残るように構成する。例えば、カニューレの使用中に、ノズル1026、1031の遠位端は、ユーザの鼻孔に隣接して置かれるが、外側である。ノズル1026、1031の鼻孔内への挿入を防ぐことにより、鼻孔の密閉を回避できる。図13から理解しうるように、種々の実施形態において、経鼻カニューレがユーザの鼻孔に隣接して動作可能に位置決めされる時に、各ノズル1326、1331の出口部分(及び、遠位端)は、対応する患者の鼻孔の1つから間隔を空けられ、実質的にこれとインライン(例えば、実質的に同軸)である。種々の実施形態において、経鼻カニューレが動作可能に使用中の時には、各ノズル出口は患者の鼻孔から離れて間隔を置かれ、各ノズルは、各々特定のユーザの鼻孔の1つに集中したガスフローを導くように位置決めされる。
【0051】
図11から理解しうるように、特定の実施形態において、停止部1190を、経鼻カニューレ基部1105から外延してもよい。いくつかの実施形態において、停止部1190を第1及び第2ノズル1126、1131の間に置き、ノズル1126、1131の各々の中心軸と実質的に平行な中心軸を画定する停止部1190は、若干の実施形態において、経鼻カニューレ基部1105から、ノズル1126、1131以上の長さを外延してもよい。このように、停止部1190は、経鼻カニューレ1100が使用中である時に、ノズル1126、1131がユーザの鼻孔に挿入されるのを防止する。
【0052】
例えば、停止部1190は、経鼻カニューレ1100の使用中にユーザの鼻軸に係合する設計に位置決めされてもよく、これによりノズル1126、1131がユーザの鼻孔に挿入されるのを防止してもよい。種々の実施形態において、第1及び第2ノズル1126、1131は停止部1190の両側に位置決めされ、経鼻カニューレ1100を動作可能に使用している時に、ノズル1126、1131のそれぞれが患者の鼻孔の特定の1つから各々間隔を空け、例えば、各ノズル(第1出口1183及び第2出口1184)の出口(及び遠位端)が対応する患者の鼻孔の1つと実質的に一列となる用に位置決めされることにより、当該特定の鼻孔にガスフローをフォーカスする位置になるようにする。
【0053】
図12から理解しうるように、種々の実施形態において、経鼻カニューレ1200は単一のノズル1227のみを含んでもよい。ノズル1227は、種々の実施形態において、長方形又は実質的に楕円の横断面を有する。これらの実施形態において、楕円の長軸は、経鼻カニューレ基部1205の中心軸と実質的に平行である。一実施形態において、ノズル1227は、経鼻カニューレの使用中に、ユーザの両鼻孔に空気が流入しうる十分な幅がある。例えば、種々の実施形態において、ノズル1227(例えば、楕円形のノズル横断面の長軸で画定される長さ)の幅は、ユーザの鼻孔の総幅にほぼ等しく(又はより大きく)てもよい。
【0054】
図14から理解しうるように、経鼻カニューレ1100を動作可能に使用している時に、ノズル出口1429の第1の側面1430は、ユーザの第1の鼻孔から間隔を空け、かつ隣接し、ノズル1429の第2の側面1430は、ユーザの第2の鼻孔から間隔を空け、かつ隣接する。当該及び他の構成において、ノズル1422は、ユーザの鼻孔それぞれにガスフローをフォーカスして同時に導くように構成される。種々の実施形態において、ノズル幅がユーザの鼻孔及び他の幅の総幅にほぼ等しい(又はより大きい)と、ノズル1227にはノズル1227がユーザの鼻孔に挿入されるのを防止する十分な広さがあるので、経鼻カニューレが鼻孔を密閉することを防止する。
【0055】
種々の他の実施形態において、カニューレの単一のノズルは、長方形でも楕円形でもない異なる横断面を有してもよい。例えば、ノズルは、カニューレが使用中である時に、ユーザの両鼻孔中に空気を流入しうる十分な幅であって、一方、同時に、単一の鼻孔への挿入を防止する十分な幅の直径を有する、実質的に円形の断面を有してもよい。種々の他の実施形態において、経鼻カニューレは、それぞれが実質的に長方形の横断面及びユーザの各鼻孔への挿入を防止する幅を有する、1以上のノズルを有してもよい。
【0056】
種々の実施形態において、1以上のカニューレの伸長部は、ユーザの鼻孔の密閉を防止するために適応される直径を有する。例えば、伸長部(単数又は複数)は、ユーザの鼻孔よりも実質的に狭い直径を有してもよく、これにより密閉を回避する。他の実施形態において、上述のように、ユーザの鼻孔(単数又は複数)中への挿入時に密閉を防ぐため、伸長部(単数又は複数)には溝又は凹部等の特徴を含んでもよい。
【実施例】
【0057】
(カニューレの使用例)
本発明の実施形態に係るカニューレを使用するため、内科医又は技師は、患者にカニューレを短時間使用させる一方、内科医又は技師は、カニューレの種々のセンサから受信する情報、又は後の分析のために記録されうる情報をモニタする。内科医又は技師は、次いで、患者の気道サポート環境が特定の条件を満たすことをカニューレのセンサが示すまで、カニューレの構造又は動作を調節するために、この情報を用いてもよい。
【0058】
同様に、種々の実施形態において、カニューレのセンサは、患者の上部気道内の状態を経時的にモニタするために用いてもよい。特定の実施形態において、カニューレのセンサは、センサからの情報が患者の上部気道内の望ましくない状態を示す場合に、カニューレ内への治療ガスフローを自動的に変更又は修正する制御システムに、接続してもよい。本発明のさらなる実施形態において、センサは、カニューレのセンサからの情報が患者の気道内の望ましくない状態を示す場合に、警報を出す制御システムに、接続する。
【0059】
図13及び14に、患者に使用する経鼻カニューレの種々の実施形態を示す。図13から理解しうるように、例えば、経鼻カニューレは、年少者又は小さな幼児への高流速治療に用いる。例えば、図10の図示と同様の経鼻カニューレを用いうる。種々の実施形態において、第1及び第2の伸長部1370、1372を患者の鼻孔に挿入する一方、対応する第1及び第2ノズル1326、1331は患者の鼻孔に隣接して外側に維持する。明らかなように、経鼻カニューレの使用時はノズルを介して患者の鼻孔に空気が流入する。図14に、患者に使用中の経鼻カニューレの一実施形態を示す。一実施形態において、図12の図示等の経鼻カニューレを用いうる。図14から理解しうるように、単一のノズル1427を有する経鼻カニューレを用いうるが、ノズルは患者の鼻孔への挿入を防ぐ寸法及び形状に(例えば、楕円形及び/又は患者の鼻孔よりも広く)する。種々の他の実施形態において、全体に記載のごとく、経鼻インサートを有する経鼻カニューレを用いうる。これらの実施例において、カニューレの使用中に、経鼻インサートはユーザの鼻孔に挿入される。本発明の実施形態に係る経鼻カニューレは、種々の患者に用いうる。
【0060】
(高流速治療装置)
ここで図15−17を参照し、高流速治療装置2000を示す。高流速治療装置2000は、カニューレ100等の非密閉呼吸インタフェースと共に用いて、例えばガスを患者に送達するよう構成する。種々の実施形態において、高流速治療装置2000は、ガスを患者に送達する前に、ガスを加温、加湿及び/又は酸素添加しうる。加えて、高流速治療装置2000の実施形態は、ガスの温度、ガスの湿度、ガスの酸素量、ガスの流速及び/又は患者に送達するガスの量を制御及び/又は調整しうる。
【0061】
図15に、ハウジング2010、加湿容器2020(蒸気発生装置、等)、ユーザインタフェース2030、ガス入口ポート2040及びガス出口ポート2050を含んでなる高流速治療装置2000を示す。図16に、マイクロプロセッサ2060、空気入口ポート2070、ブロワ2080、酸素入口2090及びプロポーションバルブ2100を例示する。非密閉呼吸インタフェース(図1−14に例示の経鼻カニューレ(100又は1200等であり、本願明細書において以後100として記載)等)は、患者にガスを供給するためにガス出口ポート2050と機械的に協働するよう構成される。
【0062】
図17に模式的に示す加温素子21107(図15では加湿容器2020により視野から隠れている)は、例えば導線2112を介してマイクロプロセッサ2060(プリント基板(PCB)に含まれる)と電気的導通にあり、加湿容器2020内の液体(水、等)を加温してガスを発生しうる。非密閉呼吸インタフェース100は、このガスを患者に送達するよう構成する。さらに、センサ2120又は変換器(図20に図示)をマイクロプロセッサ2060と電気的導通状態に配置し、患者の上部気道UA(Upper Airway、鼻腔及び口腔の両者を含む)の圧力を測定するよう構成する。一実施形態において、導管2130は、患者の上部気道及びセンサ2120の間に延びる(図19、センサ2120は図19には明示しないが、マイクロプロセッサ2060に隣接配置してもよい)。別の実施形態において、センサ2120を、マイクロプロセッサ2060(図18及び20)に信号をリレーする導線2122と共に、少なくとも部分的には患者の上部気道内に配置する。
【0063】
使用中、例えば、容器ポート2022を通じて液体(水、等)を加湿容器2020に入れる。加温素子2110は、液体を加温して蒸気又はガスを発生する。この蒸気は、ガス入口ポート2040を通じて加湿容器2020に入るガスを加湿する。加温及び加湿された蒸気は、ガス出口ポート2050を通じ、非密閉呼吸インタフェース100を通じて流れる。
【0064】
開示の実施形態において、センサ2120は、患者の呼吸速度、一回呼吸気量、及び一回換気量を測定するためのデータを収集する。さらに、センサ2120が取得し、マイクロプロセッサ2060にリレーされた測定に基づき、マイクロプロセッサ2060は、ガスの温度、ガスの湿気、ガスの酸素量、ガスの流速及び/又は患者に送達するガスの量を調整しうる。例えば、患者の上部気道の圧力を計測して低すぎる(例えば、マイクロプロセッサ2060に埋め込まれた予めプログラムされたアルゴリズムにより、又はオペレータが入力したセッティングから)場合は、マイクロプロセッサ2060は、充分な圧力レベルが維持されるように、例えば、ブロワ2080の速度及び/又は酸素ポロポーショナルバルブ2100を調節しうる。
【0065】
加えて、センサ2120は呼吸数をモニタするために用いてもよく、マイクロプロセッサ2060は、呼吸速度がマイクロプロセッサ2060又はオペレータの設定のいずれかにより定められた範囲を超過又は不足する場合に、警報を送ってもよい。例えば、呼吸数超過の警報は、オペレータに警告してもよく、患者がより高い流速及び/又はより高い酸素フローを必要としていることを示してもよい。
【0066】
図17を参照し、一対の熱電対2200及び2202を示す。これらは、呼吸インタフェース100及びガス出口ポート200に出入りする温度を検知する。さらに、第2の加温素子2114(又はヒーター)(電熱線、等)を、ガスをさらに加温するために空気出口ポート2050に隣接配置してもよい。第2の加温素子2114を回路2210内に配置することも想定する。熱電対2200及び2202をマイクロプロセッサ2060と導通し、加温素子2110及び第2の加温素子2114の温度を調節するために用いてもよい。送達ガスの温度制御、並びに湿度制御及び水滴形成を最小化するために、帰還ループを用いてもよい。図16に、本開示の実施形態に係る、内部に同軸配置する導管2130を含む、回路2210の実施形態を例示する。
【0067】
図16に示す実施形態に関し、ブロワ2080は、環境空気を空気入口ポート2070に引き込み、これを空気フローチューブ2140、ガス入口ポート2040、加湿容器2020及びガス出口ポート2050を通じて非密閉呼吸インタフェース100に押し込むために、用いる。ブロワ2080は、患者(例えば成人患者)に最大毎分約60リットルのガス流速を提供するように構成する。特定の実施形態において、ブロワ2080は、患者に最大毎分約40リットルのガス流速を提供するように構成することを想定する。加えて、患者に送達する空気を濾過するために、空気取り込みフィルタ2072(図17に模式的に示す)を、空気入口ポート2070に隣接して提供してもよい。空気取り込みフィルタ2072は、ブロワ2080が受けた微粒子(ダスト、花粉、菌(酵母菌、カビ、芽胞、他を含む)、細菌、ウイルス、アレルゲン物質及び/又は病原体を含む)の量を減少するために構成することを想定する。加えて、ブロワ2080を使用することは、例えば、圧縮空気を利用する必要性を不要としうる。圧力センサを空気取り込みフィルタ2072(図17に模式的に示す)に隣接配置することも想定し、これによって、空気取り込みフィルタ2072を交換すべき時(例えば、汚れ、陰圧発生、その他)を決定しうる。
【0068】
引き続き図16を参照し、酸素入口2090を、例えば、酸素が高流速治療装置2000を通過して環境空気と混合できるように、外部酸素源(又は酸素ガス)(明示せず)に接続するよう構成する。プロポーションバルブ2100は、マイクロプロセッサ2060と電気的導通状態にあり、酸素入口2090に隣接配置され、酸素フローチューブ2150を通じて酸素入口2090から流れる酸素の量を調節するように構成する。図16及び17に示すように、酸素フローチューブ2150を流れる酸素は、加湿容器2020に入る前に混合領域2155内の空気フローチューブ2140を流れる空気(又はフィルタ後の空気)と混合する。
【0069】
開示の実施形態において、センサ2120は、患者の吸気圧及び呼気圧を測定する。図18及び19に示す実施形態において、導管2130は、センサ2120(図18及び19には明示せず)に圧力測定を伝達するが、これはマイクロプロセッサ2060に隣接配置してもよい。図20に示す実施形態において、センサ2120は、患者の上部気道の隣接位置であり、読み取り値をマイクロプロセッサ2060に送信するための導線2122を含んでなる。
【0070】
種々の例において、臨床家は患者の上部気道に空気が入ることを望まない。環境空気が患者の上部気道に入るかどうかを計測するには、上部気道内(又は隣接)からの吸気及び呼気の圧力読み取りを、環境空気の圧力と比較してもよい。すなわち、患者は、高流速治療装置2000が患者に送達するガス速度よりも高い速度でガスを吸引しうる。こうした状況(呼吸インタフェース100が非密閉であることから)において、供給ガスでの呼吸に加えて、患者は空気も吸引する。この情報に基づき、高流速治療装置2000のマイクロプロセッサ2060は、環境空気の同調を最小化又は抑圧するために、流速を増加させる等、種々のフローパラメータを調節しうる。
【0071】
図21に、スクリーンショットの実施例を示す。これは、ユーザインタフェース2030の一部に表示してもよい。サイン波のような波の頭部は呼気圧を表し、谷は吸気圧を表す。この状態では、圧力ゼロのライン以下にサイン波の谷が沈むことから明らかなように、患者の上部気道中への環境空気の同調が起こっている。マイクロプロセッサ2060は、環境空気の同調に打ち勝つために、高流速治療装置2000によって患者に供給されるガスの態様を自動的に調節するよう構成してもよい。さらに、マイクロプロセッサ2060は、環境空気の同調を最小化するよう流速を調節するため、又は環境空気の圧力以上の圧力を維持するための設定を入力するオペレータに、圧力表示を伝達してもよい。さらに、呼気の間、流速を低下させることで、高流速治療装置2000を通過する酸素フローも最小化しうる。このように流速を低下することにより、高レベル酸素が有害でありうる患者室又は救急車内等の閉鎖環境への、酸素の流入も最小化しうる。
【0072】
開示の実施形態において、導管2130は、患者の上部気道内又は隣接の空気を多様に測定(例えば、酸素パーセント、二酸化炭素パーセント、圧力、温度、他)するよう構成しうるガス分析器として用いてもよい。
【0073】
別の実施形態(明示せず)において、ハウジング2010の外部と連絡するために、ハウジング2010に隣接してガスポートを配置してもよい。ガスポートは、外部装置を用いて種々のガス特性(例えば、酸素パーセント及び圧力)を測定できるよう構成することを想定する。加えて、ガスポートは、ガスの数値を外部で確認するために用いてもよい。さらに、例えば、付加的な分析のためにコンピュータ等の外部装置を接続可能とするための通信ポート2300(図16に示す)を含めてもよい。さらに、通信ポート2300は他の装置と接続でき、例えば、データを遠隔モニタし、記録及び再プログラムを可能にする。
【0074】
分析ガスを容易にサンプリングするため、一方通行弁2160及び/又はサンプルポンプ2170(図17に模式的に示す)も含めてもよい。より詳しくは、特定の実施形態において、サンプルポンプ2170は、ガス成分計に一定量のガスを移動しうる。図17に模式的に示すように、ガスサンプルは、導管2130を介して患者の上部気道から、又はサンプルライン2180及びサンプルポート2182を介して混合領域2155から、採取しうる。いずれかの部位(又はガス加温後等の、異なる部位)からのガスサンプルを導くため、マイクロプロセッサ2060により方向弁2160を制御しうる。ガス分析器は、高流速治療装置2000が最適に動いていることを確認するために、予め定められた測定とガスサンプル(単数又は複数)測定とを比較しうる。さらに、試料ポンプ2170は、例えば麻酔ガス等の追加ガスを患者に提供するため、及び又は導管2130を浄化又は清掃するために、ガス又は液体を患者方向へポンプ輸送するために構成しうることを想定する。
【0075】
本開示は、患者にガスを供給する方法にも関する。この方法は、例えば、上述のように、高流速治療装置2000を提供すること、ガスを加温すること、並びにガスを患者に送達することを含んでなる。当該実施形態において、高流速治療装置2000は、マイクロプロセッサ2060、マイクロプロセッサ2060と電気的導通状態に配置される加温素子2110、患者にガスを送達するよう構成する非密閉呼吸インタフェース100、及びマイクロプロセッサ2060と電気的導通状態に配置され患者の上部気道内の圧力を測定するよう構成されるセンサ2120を含んでなる。当該実施形態の方法は、例えば、患者に呼吸補助を提供するために用いうる。ブロワ2080も、この方法の高流速治療装置2000に含めてもよい。ブロワ2080は、高流速治療装置2000(例えば、フィルタ2072を通じて)に環境空気を入れて患者に供給することを可能にする。この実施形態において、高流速治療装置は、例えば外部の圧縮空気源を必要としないので、ポータブルである。
【0076】
本開示の別の方法は、患者の呼吸感染症を最小化することに関する。この方法の実施形態において、高流速治療装置2000は、加温素子2110及び非密閉呼吸インタフェース100を含んでなる。ここで、患者には、患者の呼吸感染症を最小化するため、加温及び/又は加湿された空気(例えば、種々の流速で)が提供されてもよい。さらに、例えば病院で、患者が汚染された空気の吸入に伴う種々の症状を取り込まないようにするために、ある種のフィルタ2072を接続して、この方法を用いてもよい。加えて、適切に暖められ及び加湿された呼吸ガスを提供することにより、鼻の前方3分の1から呼吸細気管支の入口への呼吸通路に沿って並ぶ繊毛の運動が最適化し、感染症のリスクをさらに最小化する。さらに、酸素補給により、この作用を増してもよい。センサ2120と接続するマイクロプロセッサ2060を、例えば、上述のように、患者に送達されるガスの種々の態様を測定するために、この方法の高流速治療装置2000に含めてもよい。
【0077】
本開示の更なる方法は、患者にガスを供給する他の方法に関する。本発明の方法は、加温素子2110、非密閉呼吸インタフェース100、ブロワ2080、環境空気がブロワ2080に向かって流れるよう構成する空気入口ポート2070、及び空気入口ポート2070と機械的に協働するよう配置され、環境空気から病原体を除去するよう構成されるフィルタ2070を含む、高流速治療装置2000を提供することを含んでなる。この方法の高流速治療装置2000は、マイクロプロセッサ2060及びセンサ2120も含んでもよい。
【0078】
本開示の他の方法は、頭痛、上部気道抵抗シンドローム、閉塞性睡眠時無呼吸、呼吸低下及び/又はいびきを治療するための、高流速治療装置2000の使用を含んでなる。高流速治療装置2000は、とりわけ使用者が眠っている間、吸気期間の上部気道圧潰を最小化するために充分な気道内圧を提供するよう設定しうる。HFTは、密閉インタフェースを必要とする従来のCPAP治療を許容できない児童及び他者に、より受け入れられうる。HFTを用いる早期治療により、軽度の上部気道抵抗症が、睡眠時無呼吸及び付随する罹患等、より進行した症状に進むことを防止しうる。
【0079】
本開示の他の方法は、HFTを用いる頭痛治療である。頭痛の治療/予防の実施形態において、約32℃と約40℃の間の温度(この範囲の高温端の温度はより早い応答をもたらしうる)で、少なくとも27ミリグラム/リットルの水分を有するガスを患者に送達してもよい。より詳しくは、約33mg/Lと約44mg/Lの間の水蒸気量を有するガスを用いることを想定する。患者に送達するガスは、典型的な呼気と同様の含水量を含むことを想定する。一実施形態において、この加温及び加湿された空気の流速は、上述のように、吸気の間、呼吸ガスへの空気の同調を十分に防止/最小化する。酸素パーセントの増加を含めることも有益でありうる。さらに、非密閉呼吸インタフェース100を使用している患者に、このガスを送達してもよい。
【0080】
これらの方法に用いる高流速治療装置2000は、加温素子2110及び非密閉呼吸インタフェース100を含んでなる。マイクロプロセッサ2060及びセンサ2120も、この方法の高流速治療装置2000に含めてもよい。開示の実施形態に係るブロワ2080を含めることにより、高流速治療装置2000は外部の圧縮空気又は酸素源を接続する必要がないため、ポータブルになりうる。このように、この方法の高流速治療装置2000は、比較的容易に、個人の家庭、診療室、救急車等において用いうる。
【0081】
本開示は、呼吸ガスを患者に送達する方法にも関し、患者の呼吸の位相モニタリングを含んでなる。患者の呼吸の位相モニタリングは、患者の上部気道圧力を計測することにより可能になる。加えて、呼吸の位相は、回路2210による圧力計測でもよく、又は横隔神経活動のモニタにより計測してもよい。リアルタイム圧力計測(例えば、図21のサイン波類似の波を参照)により、種々のガスを異なった圧力で患者に送達すること、又は種々の圧力で送達することが可能になる。例えば、より高圧のガスを吸気の間に患者に届け、より低圧のガスを呼気の間に患者に届けてもよい。この例は、患者が脆弱で、高い圧力のガスが入って来ると吐き出しが困難である時に有用でありうる。さらに、患者の快適さを改善するため、患者に送達されるガス圧のレベルを、例えば、段階的に(例えば数分以上に渡り)増加することを想定する。
【0082】
図22−24を参照し、本開示の実施形態に係るマウスピース3000を例示する。概要を上述のように、マウスピース3000は本開示の呼吸のインタフェースの実施例である。マウスピース3000(おしゃぶり類似の図示)は、患者の上部気道内圧を検出するために用いてもよい。
【0083】
第1のマウスピースポート3010は、第1ポートの開放端3012を通じてマウスピース3000内の圧力を測定するために用いてもよい。第1のマウスピースポート3010は、第1ポートの導管2130aを介してセンサ2120(図22−24には明示せず)にマウスピース3000の圧力を伝える開放チューブを含んでもよい。センサ2120は、マウスピース3000内に位置決めしてもよい。マウスピース3000は、ガス又は水等の液体で少なくとも部分的に充填されることを想定する。
【0084】
マウスピース3000内の圧力は、例えば、吸引又は摂食強度を計測するために、当該圧力データを評価、記録、又は他用する役に立つ。吸引運動のタイミング及び口の圧力差も、測定してもよい。吸引圧は、吸引強度の計測に役立ててもよく、例えば、小児の健康評価に用いてもよい。経口的な咽頭圧計測により、患者への呼吸サポート治療を設定又は調節するためのデータを与えてもよい。マウスピース3000のバルブ3030が圧力風船として動作するように、比較的短い第1のマウスピースポート3010を用いることを想定する。剛性を有する比較的長い第1のマウスピースポート3010を、例えば、歯槽堤又は歯の圧力によるチューブ閉鎖の妨げに役立てて用いうることも想定する。
【0085】
第2のマウスピースポート3020は、マウスピース3000の使用中に患者の口又は口腔に入るように構成し、第2のマウスピースポート3020の開放端3022を通じて口腔内の圧力(上部気道圧力)を測定するように構成する。上部気道からの圧力(例えば、咽頭に隣接して測定される)は、第2ポートの導管2130bを介してセンサ2120に転送してもよく、又はセンサ2120はマウスピース3000に隣接して位置決めしてもよい。すなわち、上部気道から患者の口に連絡される圧力が、測定される圧力である。正確な上部気道内圧を容易に計測するために、第2のマウスピースポート3020はバルブ3030の一片を超えて延長することを想定する。
【0086】
図23を参照し、第2のポート3020の遠位端3024に隣接する風船3040を示す。ここで、導管2130bの内腔は、風船3040の内部領域と流体連絡することを想定する。さらに、風船3040の壁に対する任意の力は、観察又は分析用のセンサ2120又はトランスデューサ側の内腔を通じて転送される。
【0087】
口腔内の圧力は、吸引及び嚥下の位相の間に変化しうる。マウスピース3000を用いる高流速治療装置2000は、マウスピース3000内の吸入圧力及びマウスピース3000外側の圧力の同時計測を可能にする。このデータは、小児、児童又は成人(例えば無意識の成人)の呼吸サポートのための、治療特性の決定に役立ちうる。
【0088】
(結論)
当業者であれば、これらの発明が前述の記載及び付随図面に示される教示の利点を有して関連する、本願明細書に記載の本発明の多くの変更及び他の実施形態を思い浮かべるであろう。従って、本発明は開示の特定の実施形態に限定されず、変形及び他の実施形態は添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されていることを理解すべきである。例えば、図1に示した実施形態は2つの入口152、154を有する経鼻インサート125、130を示すが、本発明の別の実施形態においては、1以上の経鼻インサート125、130が2つ以上又は以下の入口(及び/又は2つ以上又は以下のセンサ)を有してもよい。さらに、センサ2120は、据えられてもよく、気道の任意の領域と通じてもよく、鼻腔前方の環境を検知することに限定されない。特定の用語が本願明細書に用いられても、それらは一般的及び記載の意味のみで使用され、限定を目的とするものではない。
【0089】
添付図面を参照するが、これらには寸法比は必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の特定の実施形態に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図2】本発明のさらなる実施形態に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図3】本発明の別の実施例に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図4】本発明のまた別の実施形態に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図5】本発明のさらなる実施形態に係る経鼻カニューレの正面の斜視図である。
【図6】本発明の特定の実施形態に係る経鼻カニューレを鼻に挿入する横断面図である。
【図7】本発明のさらなる実施形態に係る経鼻カニューレを鼻に挿入する横断図である。
【図8A】本発明の他の実施形態に係る経鼻カニューレの正面の斜視図である。
【図8B】図8Aに示す経鼻カニューレの後面斜視図である。
【図8C】図8Aに示す経鼻カニューレの斜視図断面図である。
【図9】本発明のさらなる実施形態に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図10】本発明の別の実施形態に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図11】本発明のさらなる実施形態に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図12】本発明のまた別の実施形態に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る、患者に使用中の経鼻カニューレの実施形態を例示する。
【図14】本発明のさらなる実施形態に係る、患者に使用中の経鼻カニューレの別の実施形態を例示する。
【図15】本開示の実施形態に係る、高流速治療装置の斜視図を例示する。
【図16】本開示の実施形態に係り内部要素を示す、図15の高流速治療装置の斜視図を例示する。
【図17】本開示の実施形態に係り、経鼻インタフェース及び患者を伴う、図15及び16の高流速治療装置の略図を例示する。
【図18】本開示の実施形態に係り、経鼻インタフェース及び導管を含む高流速治療装置を例示する。
【図19】及び
【図20】本開示の2つの実施形態に係り、患者の上部気道及び経鼻インタフェースの拡大図を例示する。
【図21】本開示の実施形態に係り、図15−17の高流速治療装置のユーザインタフェースのスクリーンショット例を示す。
【図22】及び
【図23】本開示の実施形態に係り、マウスピースの形状における非密閉呼吸インタフェースの実施例を示す。
【図24】本開示の実施形態に係り、患者に使用中の図22又は23のマウスピースを例示する。
【技術分野】
【0001】
(関連技術へのクロスリファレンス)
本出願は、2006年9月12日付け米国特許出願公開第11/520490号の継続であり、2005年9月12日付け米国仮出願公開第60/716776号の利益を主張する。本出願はまた、2005年12月14日付け米国仮出願公開第60/750063号、2006年4月18日付け米国仮出願公開第60/792711号、及び2006年10月18日付け米国仮出願公開第60/852851号の利益及び優先権を主張する。これらの各出願の内容は、本願明細書の参照により、本願明細書に取り入れられる。
【背景技術】
【0002】
経鼻カニューレ等の呼吸インタフェースは、酸素治療、睡眠時無呼吸の治療、及び呼吸サポートを含んでなる治療効果のための呼吸ガスを、送達するために用いられる。小型の経鼻カニューレは、少量の酸素送達のために一般に用いられる。Woodらの米国特許第6595215号等に開示の密閉カニューレは、睡眠時無呼吸の治療に用いられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ある種の経鼻カニューレには、重要な治療パラメータにおける情報を欠いていることによる制約がある。このパラメータには、ユーザの上部気道内のガスに関する、圧力、流速、及び二酸化炭素の停留等に関する情報を含んでなる。これら及び他のデータは、治療制御及びモニタリングと同様に、治療の有効性判定に有用であろう。
【0004】
加えて、従来の経鼻カニューレのデザインは(特に新生児の酸素治療用にデザインされたものは)ユーザの鼻孔への密閉形成が望ましくなく、このためにユーザの健康を損なう効果を有していた可能性がある。
【0005】
酸素(O2)治療は、回復、治癒、及び日常的活力の維持のためにも、酸素補給に応答する呼吸不全を有する患者の救助及び補給に、しばしば用いられる。
【0006】
経鼻カニューレは、一般的に酸素治療中に用いられる。この治療法は、典型的には、毎分1−6リットル(L/分)の流速の約24%から約35%のO2を含む空気/ガス混合物を提供する。毎分2リットル程度では、患者は、約28%の酸素のFiO2(吸入O2/空気混合物における酸素パーセント)を有する。この速度は、ガスが室温で加湿器を通り、経鼻インタフェースを介して患者の鼻に送られるならば、約8L/分にまで増加しうる。これは、通常、約30−40%の吸入O2(FiO2)に応答する状態にある多くの人には適切であるが、より高濃度のO2を求めるには、通常はより大きな流速が必要になる。
【0007】
より高いFiO2が必要である時には、単に流速を上げることはできない。これは、経鼻カニューレを介して室温で100%のO2を呼吸することが鼻の通路に刺激性であり、通常は約7−8L/分を上回ることは許容できないからである。単に流速を増加させると、気管支けいれんも引き起こしうる。
【0008】
約40%から約100%のFiO2を投与するためには、高流速において非再呼吸マスク(又は密閉マスク)が用いられる。マスクは顔を密閉し、呼気相の期間中の酸素流を捕集するための貯蔵バッグを有し、1方向の一方通行弁を用いて、呼気を部屋へ、吸気を酸素貯蔵バッグから方向付ける。この方法は、大部分は緊急事態で使用され、通常は拡張治療にはあまり許容されない。
【0009】
高流速経鼻気道呼吸サポート(「高流速治療」又は「HFT、High Flow Therapy」)は、経鼻カニューレを通じて「開放」経鼻気道を施すものである。気道圧力は、通常、持続的気道内陽圧(CPAP、Continuous Positive Airway Pressure)及びバイレベル気道陽圧(BiPAP、Bi−level Positive Airway Pressure)より低く、モニタも制御もされない。このような高流速治療の効果は、治療学として報告され、若干の臨床家に受け入れられている一方、未知の要因及び任意の投与技術を含むために、他者からは疑問を投げかけられている。こうした手順においては、患者の気道に発生する圧力は、通常は、例えばカニューレ寸法、鼻孔サイズ、流速及び呼吸速度の影響を受ける変数である。気道内圧は酸素飽和に影響するため、通常、これらの変数だけで多くの内科医がHFTを避けてしまうことが知られている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、マイクロプロセッサ、加温素子、非密閉呼吸インタフェース及びセンサを含んでなる高流速治療システムに関する。加温素子は前記マイクロプロセッサと電気的導通状態に配置し、液体を加温してガスを発生させうる。非密閉呼吸インタフェースは、ガスを患者に送達するよう構成する。センサは、マイクロプロセッサと電気的導通に配置され、患者の上部気道の圧力を測定するよう構成する。
【0011】
本開示は、マイクロプロセッサ、加温素子、非密閉呼吸インタフェース、センサ及びマウスピースを含んでなる高流速治療システムにも関する。加温素子は前記マイクロプロセッサと電気的導通状態に配置し、液体を加温してガスを発生させうる。非密閉呼吸インタフェースは、ガスを患者に送達するよう構成する。センサは、マイクロプロセッサと電気的導通に配置され、患者の上部気道の圧力を測定するよう構成する。マウスピースは、センサと機械的に協働するよう配置されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、本願明細書において添付の図面を参照して記載され、ここにいくつかの実施形態を示すが、これが全てではない。実際、本発明は、本願明細書に記載の実施形態に限定されるように解釈すべきではない多くの異なった形態において、実施しうる。むしろ、本開示が適用可能な法的要求を満たすように、これらの実施例は設けられている。同じ数は、全体にわたって同じ要素を表す。例えば、要素130、230、330、430、530、830、及び930は、全て、本発明の種々の実施形態に係る経鼻インサートである。
【0013】
(機能の概要)
本発明の種々の実施形態に係る経鼻カニューレは、高流速治療ガスを患者の鼻を介して患者の上部気道に送達するよう構成しうる。このようなガスは、例えば、空気、湿気、酸素、治療ガス又はこれらの混合物を含んでなり、加温してもよく、加温しなくてもよい。本発明の特定の実施形態において、前記カニューレは、CPAP(持続的気道陽圧法)アプリケーションに有用であり、睡眠時無呼吸の治療、及び呼吸サポートを患者に提供する際(例えば、腹部外科手術後)、いびきの軽減、又は他の治療用途に有用でありうる。
【0014】
本発明の実施形態に係る経鼻カニューレは、1以上の経鼻カニューレ内に隣接する(又は、容易に位置決めできるように取り付けた)1以上のセンサを含んでなる。従って、経鼻カニューレは、経鼻カニューレがユーザにより稼動消耗する時には、1以上のセンサの少なくとも一部がユーザの片方又は両方の鼻孔内の適切な位置になるように構成してもよい。これは、特にユーザの鼻及び/又はユーザの上部気道の内部環境を評価するのに有効でありうる。後で詳しく述べるように、本発明の種々の実施形態において、カニューレは、使用中の時に患者の鼻孔を密閉しないように取り付ける。
【0015】
本発明の他の実施形態に係る経鼻カニューレは、使用の間にユーザの鼻孔の外に残るように取り付けるノズルを含んでなる。従って、カニューレの使用中に、ノズルが患者の鼻孔を密閉することを避けている。いくつかの実施形態において、経鼻カニューレは、片方又は両方の鼻孔内の圧力を検出するためにユーザの鼻孔に挿入される伸長部を含んでなる。
【0016】
本発明の特定の実施形態において、経鼻カニューレの経鼻インサートの両方に隣接して、又は内部に、センサを備える。種々の他の実施形態において、ユーザの鼻孔内に延びる1以上の伸長部に隣接して、又は内部に、センサを備える。種々の実施形態において、伸長部を、経鼻インサート又はノズルと共に用いてもよい。センサの使用は、例えば、ユーザの鼻孔の一方から他方への環境変化のモニタに有用でありうる。この情報は、例えば、優位な空気の流れがユーザの一方の鼻孔から他方に、いつ変化するかを計測する助けになり、これは所望の治療フロー特性に影響しうる。従って、各鼻孔からのデータは、ユーザの治療計画の立案又は修正において有用な情報提供になりうる。
【0017】
(具体的なカニューレ構造の概要)
図1に、本発明の一実施形態に係るカニューレ100を示す。この図から理解しうるように、本実施形態において、カニューレ100は、中心部110、第1の端部115及び第2の端部120を含む中空の細長いチューブ基部105を含んでなる。図1に示すように、第1及び第2の端部115、120は中心部110に対して屈曲してもよい。
【0018】
本発明の種々の実施形態において、カニューレ100は、第1の端部115の外端に隣接する第1の入口117、及び第2の端部120に隣接する第2の入口を含んでなる(他の実施形態においては、カニューレは、こうした入口を1つだけ含みうる)。カニューレ100は、さらに、経鼻カニューレ基部105から外延し、基部内部と気体伝達状態にある、一対の中空で、細長い、管状の経鼻インサート(例えば経鼻カテーテル)125、130を含んでなる。種々の実施形態において、経鼻インサート125、130の各々の中心軸は実質的に互いに平行であり、経鼻カニューレ基部105の中心部110の中心軸に実質的に直角である。
【0019】
本発明の特定の実施形態において、カニューレは、センサがカニューレ内部に隣接又は内部に導入され、ユーザによりカニューレが稼動消耗する時には、センサがモニタする環境がユーザの鼻及び/又は上部気道の内部環境を反映するように、当該センサを導くために取り付けられる、少なくとも1つの導管を画定する。本発明の種々の実施形態において、ユーザは、一時的に導管中に又は導管を通過してセンサを挿入し、カニューレシステムの正しいセッティングを計測し、次いで正しいセッティングが為された後にセンサを外してもよい。他の実施形態において、センサは、経時的にカニューレ内(又は隣接)のデータをモニタする目的のため(例えばユーザの治療計画を制御する目的のため)に、導管内の適切な位置に残してもよい。さらなる実施形態において、導管の出口に隣接してセンサを位置決めしてもよい。
【0020】
センサは、カニューレ内への呼吸ガスフローを制御するコンピュータ及び/又はマイクロプロセッサに接続(例えば、電線経由で)してもよい。コンピュータは、センサから受信した情報を用い、このガスフロー及び/又は他のシステムの特性を制御してもよく、当該情報が所定の基準(例えば、当該情報が患者気道内における潜在的に危険な状態を示す場合、又はシステムが正しく動作しない場合)を満たすならば警報を出してもよい。
【0021】
図8A−Cから理解しうるように、本発明の特定の実施形態においては、カニューレの導管850の少なくとも1つは、カニューレ800側壁により画定され、その内部に延びる。あるいは、導管は、カニューレにより画定される内部通路の中に配置されうる。例えば、1以上の導管を、カニューレ内面に直接隣接(例えば、カニューレ基部の内面、又はカニューレの経鼻インサートのうちの1つの内面に、隣接)して取り付けられるチューブと画定してもよい。好適には、(1)導管に通じる1以上の入口においてガスフローを受けるため、及び(2)このガスフローをカニューレ内の出口へ導くために、カニューレの導管を取り付ける。種々の実施形態において、カニューレの経鼻インサートの1つの外部部分の範囲内に、1以上の入口を画定する。
【0022】
図1から理解しうるように、本発明の種々の実施形態において、カニューレ導管出口136、141のそれぞれを、各々の細長く実質的に管状の出口部材135、140の端部に配置する。例えば、図1に示した実施形態において、カニューレ100は、カニューレの第1の経鼻インサート125と実質的に平行である、第1の出口部材135を含んでなる。この実施形態において、第1の出口部材135及び第1の経鼻インサート125を、図1に示すように、経鼻カニューレ基部105の反対側に位置決めしてもよい。同様に、本発明の特定の実施形態において、カニューレ100は、カニューレの第2の経鼻インサート130と実質的に平行である、第2の出口部材140を含んでなる。第2の出口部材140及び第2の経鼻インサート130を、好適には経鼻カニューレ基部105の反対側に位置決めしてもよい。
【0023】
本発明の種々の実施形態において、センサ(例えば圧力、温度又はO2センサ)を、少なくとも1のカニューレ出口136、141(好ましくは各々)に隣接して設け、出口136、141からのガス特性を測定するために用いる。本発明の別の実施形態において、アクセサリチューブを用いて各出口135、140に、少なくとも1のセンサ(及び/又は少なくとも1の外部モニタリング機器)を接続し、これは例えば、カニューレ100から間隔を離してもよい。
【0024】
本発明のさらに別の実施形態において、導管の範囲内に1以上のセンサを備え、導管を通じてアクセスするガスの特性の測定に用いる。この実施形態において、各センサからの情報は、例えば、センサの導管の出口135、140を通って延びる電線を介し、センサからカニューレ外の制御系にリレーしてもよい。
【0025】
本発明の別の実施形態において、カニューレの導管の各々は:(1)入口152、154から;(2)カニューレの経鼻インサート125、130のうちの1つの側壁を通過し、又は隣接し;(3)カニューレ本体部105の側壁を通過して又は隣接して;並びに、(4)カニューレ本体部105の中に画定されるか又は隣接して配置される出口135、140へ延びてもよい。このような一実施形態において、導管は、カニューレの本体部分の内面に隣接して配置される、実質的に管状の部分を含んでなる。
【0026】
図2から理解しうるように、本発明の特定の実施形態において、カニューレ200は、カニューレ200の外部に統合される(例えば、カニューレの経鼻インサート225、230のうちの1つの外面内に形成される凹部223の範囲内に)、少なくとも1のセンサ245を含んでなる。本実施形態において、センサ245からの情報は、センサ245から、導管及び導管出口235、240を通って延びる電線246を介し、カニューレ200の外側の制御系にリレーしてもよい。本発明の種々の実施形態において、導管は、カニューレ経鼻インサート225、230のうちの1つの側壁の内部を通過又は隣接して、及び/又は、カニューレ本体部205の側壁内部を通過するか又は隣接して延びる。
【0027】
本発明の特定の実施形態において、少なくとも1のセンサ245を、ユーザが容易には外せないように、カニューレ100に固定接着する。また、特定の実施形態において、少なくとも1のセンサ245は、センサ245が容易にカニューレ100に隣接して取り外せるように(並びに、ある実施形態においては再度取り付けるように)、着脱可能に接続する。
【0028】
カニューレ1000は、中心部1010、第1の端部1015及び第2の端部1020を含む、中空で細長い管状の基部1005を含んでなる。図10に示すように、第1及び第2の端部1010、1015は、中心部1010に対して屈曲しうる。本発明の種々の実施形態において、カニューレ1000は、第1の端部1015の外端部に隣接する第1の入口1017、及び第2の端部1020の外端部に隣接する第2の入口1022を含んでなる。
【0029】
カニューレ1000は、表面的に経鼻カニューレ基部1005から外延する、一対の中空で細長い管状ノズル(第1ノズル1026及び第2ノズル1031)を含んでなる。種々の実施形態において、ノズル1026、1031の各々の中心軸は、実質的に互いに平行で、経鼻カニューレ基部1005の中心部1010の中心軸に、実質的に直角である。種々の実施形態において、ノズル1026、1031は、カニューレ基部1005の内部と気体伝達状態にある導管を画定する。本発明の特定の実施形態において、カニューレ使用中は、第1及び第2ノズル1026、1031はユーザの鼻孔の外側に位置決めするよう取り付ける。特定の実施形態において、ノズル1026、1031のそれぞれは、各々のノズル出口を画定する。例えば、第1ノズル1026は第1ノズル出口1083を画定し、第2ノズル1031は第2ノズル出口1084を画定する。種々の実施形態において、経鼻カニューレ1000をユーザの鼻孔に隣接して動作可能に位置決めすると、ノズル出口1083、1084はそれぞれ、対応するユーザの鼻孔の1つに集中してガスフローを導くように位置決めされる。
【0030】
図12に示した実施形態等の、別の実施形態において、経鼻カニューレ1200は、カニューレ基部1205の内部で気体伝達状態にある導管又は空気の流路を画定する、単一のノズル1227を含みうる。後で詳しく述べるように、種々の実施形態において、ノズル1227は、カニューレ基部1205から外延し、長方形又は楕円形の横断面を有する。当該及び他の実施形態において、ノズル1227は、カニューレ1200を使用するユーザの鼻孔の両方に、同時にフォーカスしてガスフローを送達する形状をとる。
【0031】
種々の実施形態において、経鼻カニューレは、ユーザの鼻孔の1つ以上へに挿入するよう取り付けられる、1つ以上の伸長部を含んでなる。例えば、図10に示した実施形態に戻ると、経鼻カニューレ1000は、経鼻カニューレ1000の使用中にそれぞれの伸長部1070、1702を各々1のユーザの鼻腔に挿入できるように、十分に長い複数の伸長部(例えば、第1の伸長部1070及び第2の伸長部1072)を含んでもよい。種々の実施形態において、伸長部1070、1072はそれぞれ、対応するノズル1026、1031の中心軸と実質的に平行にある中心軸を有してもよい。図10から理解しうるように、特定の実施形態において、経鼻カニューレがユーザの鼻孔に隣接して動作可能に位置決めされる時に、第1の伸長部1070は、対応する第1ノズル1026の中心軸と実質的に平行かつ下方にある、中心軸を有する。同様に、種々の実施形態において、経鼻カニューレがユーザの鼻孔に隣接して動作可能に位置決めされる時に、第2の伸長部1072は、対応する第2ノズル1031の中心軸実質的に平行かつ下方に中心軸を有する。種々の他の実施形態において、伸長部は、対応するノズル1070、1072の内部に置かれ、これらから外延してもよい。
【0032】
さらなる例として、図12に、複数の伸長部(第1の伸長部1270及び第1の伸長部1272)を有する、経鼻カニューレ1200の例を示す。この両者は、経鼻カニューレ1200がユーザの鼻に隣接して動作可能に位置決めされる時に、単一のノズル1227の実質的に下方に置かれる。一実施形態において、第1及び第2の伸長部1270、1272の中心軸は、ノズル1227の中心軸と、実質的に平行でもよい。また、種々の実施形態において、伸長部1270、1272の一方又は両方を、ノズル1227の中に置いてもよい。当該及び他の実施形態において、伸長部1270、1272のそれぞれの遠位端は、ノズル1227の遠位端を超えて延長してもよい。
【0033】
上述のように、本発明の特定の実施形態において、経鼻カニューレは、経鼻カニューレの使用中に、ユーザの鼻孔内のガスデータ(例えばガス圧力)を測定するために取り付けられる1以上のセンサを含んでなる。例えば、図10に示す経鼻カニューレ1000は、第1及び第2の伸長部1070、1072の一方又は両方の遠位端に隣接して位置決めされるセンサを含んでもよい。種々の実施形態において、それぞれの伸長部を、(1)伸長部の遠位端に隣接して(例えばその位置に)センサを支持し、(2)センサ、及びカニューレ1000を通じるガスフローの特性を調節するために取り付けられる制御メカニズムに、同時に接続される導線を支持するために、取り付けてもよい。
【0034】
他の実施形態において、伸長部は導管を画定する。例えば、センサ(単一又は複数)を、伸長部の内部又は外側に位置決めしてもよく、センサからの情報は、導管(例えば、図10の導管1023)又は伸長部の各々によって画定される通路を通って延びる導線を介して、制御系にリレーしてもよい。一実施形態において、図示のように、例えば図10において、導管1023は経鼻カニューレ基部1005に同様に成形され、経鼻カニューレ1000が有効に使用中のときに、基部1005の実質的に下方に置かれる。種々の実施形態において、第1及び第2の伸長部1070、1072は、各々の第1及び第2ノズル1026、1031の中に置かれ、並びにこれらから外延するように、基部1005内に位置決めされる。
【0035】
種々の実施形態において、それぞれの伸長部は、空気の通路となる各々の導管を画定する。例えば、ある実施形態において、それぞれの導管は、ユーザの鼻孔、制御システム又は空気の特性を測定、調整するための他の装置の間で気体伝達状態を許容するように取り付けられる。当該及び他の実施形態において、ユーザの鼻孔内の空気の特性(例えば圧力)を測定するために、制御ボックスにセンサを位置決めしてもよい。いくつかの実施形態において、伸長部は、空気の流路、並びに、伸長部の一片に隣接して位置決めされるセンサから、制御系又は他の装置へ導線が通過できる導管、の両者として働く、導管を画定する。
【0036】
(センサによりモニタするデータ)
上述等の本発明の種々の実施形態において、1以上のセンサを、経鼻カニューレの導管のうちの1本の内部でガスデータを測定するか、又はカニューレ外部に隣接してガスデータを測定するために、位置決めしてもよい。当該実施例では、1以上のセンサを、例えば、カニューレの内面又は外面に隣接して位置決めしてもよい。本発明のある実施形態において、カニューレの1以上のセンサを、1以上の下記のタイプのデータをモニタするために、カニューレの導管内に、又はカニューレの外面(例えば、カニューレの経鼻インサートのうちの1つの、側面隣接、又は遠位端)に隣接して、取り付けてもよい。(1)ガス圧力;(2)ガス流速;(3)二酸化炭素含量;(4)温度;(5)湿気レベル;及び/又は(6)酸素含有量。
【0037】
(絶対vs相対圧力測定)
本発明の種々の実施形態において、カニューレの特定の部位内、又は隣接において絶対圧力を検知するよう、カニューレを構成してもよい。同様に、特定の実施形態において、カニューレ内で2つの異なる部位の圧力の違いを測定するよう、カニューレを構成してもよい。これは、例えば、2台の別々のセンサ(例えば、1本のカニューレ導管内の異なる場所に位置決めされる)を備えることにより、又は、2本の物理的に異なるガス取り込み導管を備えることにより行われ、それぞれはカニューレの中で異なる場所からガスを回送するために取り付けられる。例えば、図1に示す本発明の種々の実施形態において、第1の入口152は第1のセンサにガスを回送するように接続してもよく、第2の入口154は物理的に分離した第2の圧力センサにガスを回送するように接続してもよい。次いで、第1及び第2のセンサからの情報は、第1及び第2の入口152、154の間の圧力差を算出するために用いてもよい。あるいは、差動的圧力センサを用いてもよい。
【0038】
(適切なセンサ)
本発明の種々の実施形態と共に用いるセンサは、電子的及び光学的センサを含んでなる。例えば、適切なセンサには次を含んでなる。(1)使い捨てMEM圧電センサ(例えば、Silex Microsensors);(2)McCaul O2センサ等の光ベースのセンサ、McCaulの米国特許大6150661号を参照;並びに、(3)マイクロ圧力センサ、Honeywellから入手可能なもの等。
【0039】
(非密閉の特徴)
図4に示すように、本発明の種々の実施形態において、経鼻カニューレの経鼻インサート425、430の1以上は、経鼻インサートの外面の長さに沿って延びる1以上の凹部423(例えば溝、半円状の凹部又は他のへこみ又は導管)を画定する。この図から理解しうるように、本発明の種々の実施形態において、これらの凹部423のうちの少なくとも1つは、経鼻インサート325、330、425、430の遠位面の隣接から、及び次の中間点を過ぎて、延びる細長い溝である。(1)経鼻インサートの遠位面、及び(2)経鼻インサート425、430の、経鼻カニューレ基部305、405に直接隣接する部分。この図から理解しうるように、本発明の種々の実施形態において、それぞれの溝423は、各々の経鼻インサート425、430の中心軸に実質的に平行に延びる。
【0040】
図4に示した実施形態等の、本発明の特定の実施形態において、少なくとも1の経鼻カニューレの経鼻インサート425、430は、経鼻インサート425、430がユーザの鼻孔内に動作可能に位置決めされる時に、経鼻インサートがユーザの鼻孔内に気密シールを生成しないように、構成してもよい。これは、例えば、ユーザが経鼻カニューレを摩耗させる時に、経鼻インサート425、430内の凹部423を通じて、空気がユーザの鼻腔の隣接に流れうるためのものである。
【0041】
図5−8に、カニューレの経鼻インサートがユーザの鼻孔に隣接して(例えば、部分的に内部に)動作可能に位置決めされる時に、経鼻インサートがユーザの鼻孔内において密閉を形成しないように構成される、本発明の実施形態を追記する。例えば、図5に示す実施形態において、カニューレの経鼻インサート525、530の少なくとも1つ(好適には両方)は、入口555(例えば実質的に管状でもよい)、及び、経鼻インサート525,530がユーザの鼻孔に挿入される時に、入口555の外部側面間とユーザの鼻孔を物理的に分離しておくために取り付けられる1以上のフランジ部560、561を含んでなる。
【0042】
例えば、図5に示す本発明の実施形態において、カニューレの経鼻インサート525、530はそれぞれ、実質的に管状の入口555、及びそれぞれが実質的にC型の断面を有して共に面する一対の延長フランジ560、561を含んでなる。当該実施形態において、これらのC形のフランジ560、561は、入口555の外部と協働し、カニューレ500がユーザの鼻孔内に動作可能に配置されると、ユーザの経鼻流路に環境空気が通過して流入又は流出する、実質的にU型のチャネル(「鼻の内腔」の一例)を形成する。当該実施形態において、経鼻インサート525、530がユーザの鼻孔内に適切に配置されると、呼吸ガスは入口555を通じてユーザの鼻の中に自由に流入し、並びに環境空気は以下で画定される通路を通じて、ユーザの鼻に流入及び鼻から流出する。(1)フランジ560、561;(2)フランジ560、561の間に延びる入口555の外部側面;並びに、(3)ユーザの鼻の内部。種々の実施形態において、カニューレ500がユーザの鼻孔内に動作可能に配置されると、空気はこの通路を通じてユーザの鼻に流入及び/又は鼻から流出するこのU型チャンネルの内部端に隣接して、経路(例えば半円状の経路)を設けてもよく、これはU型チャンネルを通じて排出及び吸引されるガスのための通路として動作してもよい。
【0043】
図5に示す一般的な実施形態は、多くの異なる構造上の構成を有してもよい。例えば、図6、すなわち本発明の具体例に係る経鼻インサートの横断面図に示すように、カニューレの経鼻インサート655の呼吸ガス入口は、円形の横断面よりもむしろ不規則な横断面(例えば実質的にパイの一部形状の横断面)を有するチューブの形状でもよい。あるいは、図7から理解しうるように、カニューレの経鼻インサート755の呼吸ガス入口は、円形の横断面よりもむしろ実質的に半円状の横断面を有するチューブの形状でもよい。
【0044】
同様に、図6及び7から理解しうるように、カニューレのフランジの形状及び寸法は、実施形態により変化しうる。例えば、図6に示した実施形態において、フランジ660、661はそれぞれ比較的短く実質的にC形の横断面を有し、フランジ660、661の遠位端は隙間を形成するように互いに離れて置かれる。図7に示すように、他の実施形態においては、フランジ760、761のそれぞれ比較的長く実質的にC形の横断面を有してもよく、フランジ760、761の遠位端は互いに直接隣接して位置決めしてもよい。
【0045】
図7から理解しうるように、本発明の種々の実施形態において、フランジ760、761の間に分離763(例えば、角度付きスリット等のスリット)を設ける。これにより、フランジ760、761はそれぞれに対して移動できるため、経鼻インサートが挿入される鼻孔内に適合しうる。他の実施形態において、経鼻インサートの横断面は、半円状のフランジ内には分離763を設けない点を除き、実質的に図7に示されるものと同様である。従って、本発明の当該実施形態において、実質的に半円形の、吸気口の外側部分は、実質的に半円形のフランジ部分と協働して、接触し実質的に円形の横断面を有する外面を形成する。このような実施例を、図8A−Cに示す。
【0046】
図8A−Cから理解しうるように、当該実施形態において、カニューレ800の使用中には、カニューレの経鼻インサート825、830の各々を通じて延びる通路881(例えば、対応する呼吸ガス入口855により画定されうる部分)を通して、呼吸ガスをユーザの鼻に流入してもよい。実質的に半円形横断面の通路885は、各経鼻インサート825、830の遠位端の間で、カニューレ基部805内に画定される実質的に半円状の出口865に延びる。種々の実施形態において、カニューレ800の使用中に、ユーザはこの通路885を通じてガスを吸引又は排出してもよい。
【0047】
ある実施形態において、上記のように、カニューレの経鼻インサート825、830(図8Cを参照)の各々に、導管850を設ける。これらの導管850はそれぞれ、(1)対応する通路885の内部からの、及び/又はカニューレの経鼻インサート825、830の1つの外部の隣接からのガスを受け、並びに(2)カニューレ800内の対応する出口835、840からのガスを導くために取り付けてもよい。上記のように、導管850内に、又はこれに隣接して1以上のセンサを配置してもよく、導管850を通じて、又はこれに隣接して、1以上のガスフローの属性を評価するために用いてもよい。
【0048】
図4−8に示した本発明の実施形態及び関連する実施形態は、センサ又はセンサ導管の使用を伴っても伴わなくても、有用でありうることを理解すべきである。種々の経鼻インサートは、カニューレをユーザの鼻孔内に動作可能に位置決めすると、ユーザの鼻孔内の任意の適切な配向に配置するよう構成しうることも理解すべきである。例えば、本発明の一実施形態において、カニューレは、カニューレの鼻腔がユーザの鼻棘に直接隣接するように、又はユーザの鼻棘から前側−側方へ面するように、位置決めしてもよい。
【0049】
本発明のさらに別の実施例においては、図9に示すように、少なくとも1のセンサ(又はセンサ自体)のためのチューブ入口970、972が、各々の経鼻インサート925、930の遠位端に隣接するように、又は遠位端から所定の間隔を空けておくように、カニューレ900及び対応するセンサを取り付けてもよい。当該実施形態において、センサ(又はセンサ取入口)は、経鼻カニューレの出口開口部の1つに隣接する経鼻カニューレ900の他から、間隔を空けて離してもよい。
【0050】
図10から理解しうるように、種々の実施形態において、経鼻カニューレの第1及び第2ノズル1026、1031は、カニューレの使用中に、ユーザの鼻孔の外に残るように構成する。例えば、カニューレの使用中に、ノズル1026、1031の遠位端は、ユーザの鼻孔に隣接して置かれるが、外側である。ノズル1026、1031の鼻孔内への挿入を防ぐことにより、鼻孔の密閉を回避できる。図13から理解しうるように、種々の実施形態において、経鼻カニューレがユーザの鼻孔に隣接して動作可能に位置決めされる時に、各ノズル1326、1331の出口部分(及び、遠位端)は、対応する患者の鼻孔の1つから間隔を空けられ、実質的にこれとインライン(例えば、実質的に同軸)である。種々の実施形態において、経鼻カニューレが動作可能に使用中の時には、各ノズル出口は患者の鼻孔から離れて間隔を置かれ、各ノズルは、各々特定のユーザの鼻孔の1つに集中したガスフローを導くように位置決めされる。
【0051】
図11から理解しうるように、特定の実施形態において、停止部1190を、経鼻カニューレ基部1105から外延してもよい。いくつかの実施形態において、停止部1190を第1及び第2ノズル1126、1131の間に置き、ノズル1126、1131の各々の中心軸と実質的に平行な中心軸を画定する停止部1190は、若干の実施形態において、経鼻カニューレ基部1105から、ノズル1126、1131以上の長さを外延してもよい。このように、停止部1190は、経鼻カニューレ1100が使用中である時に、ノズル1126、1131がユーザの鼻孔に挿入されるのを防止する。
【0052】
例えば、停止部1190は、経鼻カニューレ1100の使用中にユーザの鼻軸に係合する設計に位置決めされてもよく、これによりノズル1126、1131がユーザの鼻孔に挿入されるのを防止してもよい。種々の実施形態において、第1及び第2ノズル1126、1131は停止部1190の両側に位置決めされ、経鼻カニューレ1100を動作可能に使用している時に、ノズル1126、1131のそれぞれが患者の鼻孔の特定の1つから各々間隔を空け、例えば、各ノズル(第1出口1183及び第2出口1184)の出口(及び遠位端)が対応する患者の鼻孔の1つと実質的に一列となる用に位置決めされることにより、当該特定の鼻孔にガスフローをフォーカスする位置になるようにする。
【0053】
図12から理解しうるように、種々の実施形態において、経鼻カニューレ1200は単一のノズル1227のみを含んでもよい。ノズル1227は、種々の実施形態において、長方形又は実質的に楕円の横断面を有する。これらの実施形態において、楕円の長軸は、経鼻カニューレ基部1205の中心軸と実質的に平行である。一実施形態において、ノズル1227は、経鼻カニューレの使用中に、ユーザの両鼻孔に空気が流入しうる十分な幅がある。例えば、種々の実施形態において、ノズル1227(例えば、楕円形のノズル横断面の長軸で画定される長さ)の幅は、ユーザの鼻孔の総幅にほぼ等しく(又はより大きく)てもよい。
【0054】
図14から理解しうるように、経鼻カニューレ1100を動作可能に使用している時に、ノズル出口1429の第1の側面1430は、ユーザの第1の鼻孔から間隔を空け、かつ隣接し、ノズル1429の第2の側面1430は、ユーザの第2の鼻孔から間隔を空け、かつ隣接する。当該及び他の構成において、ノズル1422は、ユーザの鼻孔それぞれにガスフローをフォーカスして同時に導くように構成される。種々の実施形態において、ノズル幅がユーザの鼻孔及び他の幅の総幅にほぼ等しい(又はより大きい)と、ノズル1227にはノズル1227がユーザの鼻孔に挿入されるのを防止する十分な広さがあるので、経鼻カニューレが鼻孔を密閉することを防止する。
【0055】
種々の他の実施形態において、カニューレの単一のノズルは、長方形でも楕円形でもない異なる横断面を有してもよい。例えば、ノズルは、カニューレが使用中である時に、ユーザの両鼻孔中に空気を流入しうる十分な幅であって、一方、同時に、単一の鼻孔への挿入を防止する十分な幅の直径を有する、実質的に円形の断面を有してもよい。種々の他の実施形態において、経鼻カニューレは、それぞれが実質的に長方形の横断面及びユーザの各鼻孔への挿入を防止する幅を有する、1以上のノズルを有してもよい。
【0056】
種々の実施形態において、1以上のカニューレの伸長部は、ユーザの鼻孔の密閉を防止するために適応される直径を有する。例えば、伸長部(単数又は複数)は、ユーザの鼻孔よりも実質的に狭い直径を有してもよく、これにより密閉を回避する。他の実施形態において、上述のように、ユーザの鼻孔(単数又は複数)中への挿入時に密閉を防ぐため、伸長部(単数又は複数)には溝又は凹部等の特徴を含んでもよい。
【実施例】
【0057】
(カニューレの使用例)
本発明の実施形態に係るカニューレを使用するため、内科医又は技師は、患者にカニューレを短時間使用させる一方、内科医又は技師は、カニューレの種々のセンサから受信する情報、又は後の分析のために記録されうる情報をモニタする。内科医又は技師は、次いで、患者の気道サポート環境が特定の条件を満たすことをカニューレのセンサが示すまで、カニューレの構造又は動作を調節するために、この情報を用いてもよい。
【0058】
同様に、種々の実施形態において、カニューレのセンサは、患者の上部気道内の状態を経時的にモニタするために用いてもよい。特定の実施形態において、カニューレのセンサは、センサからの情報が患者の上部気道内の望ましくない状態を示す場合に、カニューレ内への治療ガスフローを自動的に変更又は修正する制御システムに、接続してもよい。本発明のさらなる実施形態において、センサは、カニューレのセンサからの情報が患者の気道内の望ましくない状態を示す場合に、警報を出す制御システムに、接続する。
【0059】
図13及び14に、患者に使用する経鼻カニューレの種々の実施形態を示す。図13から理解しうるように、例えば、経鼻カニューレは、年少者又は小さな幼児への高流速治療に用いる。例えば、図10の図示と同様の経鼻カニューレを用いうる。種々の実施形態において、第1及び第2の伸長部1370、1372を患者の鼻孔に挿入する一方、対応する第1及び第2ノズル1326、1331は患者の鼻孔に隣接して外側に維持する。明らかなように、経鼻カニューレの使用時はノズルを介して患者の鼻孔に空気が流入する。図14に、患者に使用中の経鼻カニューレの一実施形態を示す。一実施形態において、図12の図示等の経鼻カニューレを用いうる。図14から理解しうるように、単一のノズル1427を有する経鼻カニューレを用いうるが、ノズルは患者の鼻孔への挿入を防ぐ寸法及び形状に(例えば、楕円形及び/又は患者の鼻孔よりも広く)する。種々の他の実施形態において、全体に記載のごとく、経鼻インサートを有する経鼻カニューレを用いうる。これらの実施例において、カニューレの使用中に、経鼻インサートはユーザの鼻孔に挿入される。本発明の実施形態に係る経鼻カニューレは、種々の患者に用いうる。
【0060】
(高流速治療装置)
ここで図15−17を参照し、高流速治療装置2000を示す。高流速治療装置2000は、カニューレ100等の非密閉呼吸インタフェースと共に用いて、例えばガスを患者に送達するよう構成する。種々の実施形態において、高流速治療装置2000は、ガスを患者に送達する前に、ガスを加温、加湿及び/又は酸素添加しうる。加えて、高流速治療装置2000の実施形態は、ガスの温度、ガスの湿度、ガスの酸素量、ガスの流速及び/又は患者に送達するガスの量を制御及び/又は調整しうる。
【0061】
図15に、ハウジング2010、加湿容器2020(蒸気発生装置、等)、ユーザインタフェース2030、ガス入口ポート2040及びガス出口ポート2050を含んでなる高流速治療装置2000を示す。図16に、マイクロプロセッサ2060、空気入口ポート2070、ブロワ2080、酸素入口2090及びプロポーションバルブ2100を例示する。非密閉呼吸インタフェース(図1−14に例示の経鼻カニューレ(100又は1200等であり、本願明細書において以後100として記載)等)は、患者にガスを供給するためにガス出口ポート2050と機械的に協働するよう構成される。
【0062】
図17に模式的に示す加温素子21107(図15では加湿容器2020により視野から隠れている)は、例えば導線2112を介してマイクロプロセッサ2060(プリント基板(PCB)に含まれる)と電気的導通にあり、加湿容器2020内の液体(水、等)を加温してガスを発生しうる。非密閉呼吸インタフェース100は、このガスを患者に送達するよう構成する。さらに、センサ2120又は変換器(図20に図示)をマイクロプロセッサ2060と電気的導通状態に配置し、患者の上部気道UA(Upper Airway、鼻腔及び口腔の両者を含む)の圧力を測定するよう構成する。一実施形態において、導管2130は、患者の上部気道及びセンサ2120の間に延びる(図19、センサ2120は図19には明示しないが、マイクロプロセッサ2060に隣接配置してもよい)。別の実施形態において、センサ2120を、マイクロプロセッサ2060(図18及び20)に信号をリレーする導線2122と共に、少なくとも部分的には患者の上部気道内に配置する。
【0063】
使用中、例えば、容器ポート2022を通じて液体(水、等)を加湿容器2020に入れる。加温素子2110は、液体を加温して蒸気又はガスを発生する。この蒸気は、ガス入口ポート2040を通じて加湿容器2020に入るガスを加湿する。加温及び加湿された蒸気は、ガス出口ポート2050を通じ、非密閉呼吸インタフェース100を通じて流れる。
【0064】
開示の実施形態において、センサ2120は、患者の呼吸速度、一回呼吸気量、及び一回換気量を測定するためのデータを収集する。さらに、センサ2120が取得し、マイクロプロセッサ2060にリレーされた測定に基づき、マイクロプロセッサ2060は、ガスの温度、ガスの湿気、ガスの酸素量、ガスの流速及び/又は患者に送達するガスの量を調整しうる。例えば、患者の上部気道の圧力を計測して低すぎる(例えば、マイクロプロセッサ2060に埋め込まれた予めプログラムされたアルゴリズムにより、又はオペレータが入力したセッティングから)場合は、マイクロプロセッサ2060は、充分な圧力レベルが維持されるように、例えば、ブロワ2080の速度及び/又は酸素ポロポーショナルバルブ2100を調節しうる。
【0065】
加えて、センサ2120は呼吸数をモニタするために用いてもよく、マイクロプロセッサ2060は、呼吸速度がマイクロプロセッサ2060又はオペレータの設定のいずれかにより定められた範囲を超過又は不足する場合に、警報を送ってもよい。例えば、呼吸数超過の警報は、オペレータに警告してもよく、患者がより高い流速及び/又はより高い酸素フローを必要としていることを示してもよい。
【0066】
図17を参照し、一対の熱電対2200及び2202を示す。これらは、呼吸インタフェース100及びガス出口ポート200に出入りする温度を検知する。さらに、第2の加温素子2114(又はヒーター)(電熱線、等)を、ガスをさらに加温するために空気出口ポート2050に隣接配置してもよい。第2の加温素子2114を回路2210内に配置することも想定する。熱電対2200及び2202をマイクロプロセッサ2060と導通し、加温素子2110及び第2の加温素子2114の温度を調節するために用いてもよい。送達ガスの温度制御、並びに湿度制御及び水滴形成を最小化するために、帰還ループを用いてもよい。図16に、本開示の実施形態に係る、内部に同軸配置する導管2130を含む、回路2210の実施形態を例示する。
【0067】
図16に示す実施形態に関し、ブロワ2080は、環境空気を空気入口ポート2070に引き込み、これを空気フローチューブ2140、ガス入口ポート2040、加湿容器2020及びガス出口ポート2050を通じて非密閉呼吸インタフェース100に押し込むために、用いる。ブロワ2080は、患者(例えば成人患者)に最大毎分約60リットルのガス流速を提供するように構成する。特定の実施形態において、ブロワ2080は、患者に最大毎分約40リットルのガス流速を提供するように構成することを想定する。加えて、患者に送達する空気を濾過するために、空気取り込みフィルタ2072(図17に模式的に示す)を、空気入口ポート2070に隣接して提供してもよい。空気取り込みフィルタ2072は、ブロワ2080が受けた微粒子(ダスト、花粉、菌(酵母菌、カビ、芽胞、他を含む)、細菌、ウイルス、アレルゲン物質及び/又は病原体を含む)の量を減少するために構成することを想定する。加えて、ブロワ2080を使用することは、例えば、圧縮空気を利用する必要性を不要としうる。圧力センサを空気取り込みフィルタ2072(図17に模式的に示す)に隣接配置することも想定し、これによって、空気取り込みフィルタ2072を交換すべき時(例えば、汚れ、陰圧発生、その他)を決定しうる。
【0068】
引き続き図16を参照し、酸素入口2090を、例えば、酸素が高流速治療装置2000を通過して環境空気と混合できるように、外部酸素源(又は酸素ガス)(明示せず)に接続するよう構成する。プロポーションバルブ2100は、マイクロプロセッサ2060と電気的導通状態にあり、酸素入口2090に隣接配置され、酸素フローチューブ2150を通じて酸素入口2090から流れる酸素の量を調節するように構成する。図16及び17に示すように、酸素フローチューブ2150を流れる酸素は、加湿容器2020に入る前に混合領域2155内の空気フローチューブ2140を流れる空気(又はフィルタ後の空気)と混合する。
【0069】
開示の実施形態において、センサ2120は、患者の吸気圧及び呼気圧を測定する。図18及び19に示す実施形態において、導管2130は、センサ2120(図18及び19には明示せず)に圧力測定を伝達するが、これはマイクロプロセッサ2060に隣接配置してもよい。図20に示す実施形態において、センサ2120は、患者の上部気道の隣接位置であり、読み取り値をマイクロプロセッサ2060に送信するための導線2122を含んでなる。
【0070】
種々の例において、臨床家は患者の上部気道に空気が入ることを望まない。環境空気が患者の上部気道に入るかどうかを計測するには、上部気道内(又は隣接)からの吸気及び呼気の圧力読み取りを、環境空気の圧力と比較してもよい。すなわち、患者は、高流速治療装置2000が患者に送達するガス速度よりも高い速度でガスを吸引しうる。こうした状況(呼吸インタフェース100が非密閉であることから)において、供給ガスでの呼吸に加えて、患者は空気も吸引する。この情報に基づき、高流速治療装置2000のマイクロプロセッサ2060は、環境空気の同調を最小化又は抑圧するために、流速を増加させる等、種々のフローパラメータを調節しうる。
【0071】
図21に、スクリーンショットの実施例を示す。これは、ユーザインタフェース2030の一部に表示してもよい。サイン波のような波の頭部は呼気圧を表し、谷は吸気圧を表す。この状態では、圧力ゼロのライン以下にサイン波の谷が沈むことから明らかなように、患者の上部気道中への環境空気の同調が起こっている。マイクロプロセッサ2060は、環境空気の同調に打ち勝つために、高流速治療装置2000によって患者に供給されるガスの態様を自動的に調節するよう構成してもよい。さらに、マイクロプロセッサ2060は、環境空気の同調を最小化するよう流速を調節するため、又は環境空気の圧力以上の圧力を維持するための設定を入力するオペレータに、圧力表示を伝達してもよい。さらに、呼気の間、流速を低下させることで、高流速治療装置2000を通過する酸素フローも最小化しうる。このように流速を低下することにより、高レベル酸素が有害でありうる患者室又は救急車内等の閉鎖環境への、酸素の流入も最小化しうる。
【0072】
開示の実施形態において、導管2130は、患者の上部気道内又は隣接の空気を多様に測定(例えば、酸素パーセント、二酸化炭素パーセント、圧力、温度、他)するよう構成しうるガス分析器として用いてもよい。
【0073】
別の実施形態(明示せず)において、ハウジング2010の外部と連絡するために、ハウジング2010に隣接してガスポートを配置してもよい。ガスポートは、外部装置を用いて種々のガス特性(例えば、酸素パーセント及び圧力)を測定できるよう構成することを想定する。加えて、ガスポートは、ガスの数値を外部で確認するために用いてもよい。さらに、例えば、付加的な分析のためにコンピュータ等の外部装置を接続可能とするための通信ポート2300(図16に示す)を含めてもよい。さらに、通信ポート2300は他の装置と接続でき、例えば、データを遠隔モニタし、記録及び再プログラムを可能にする。
【0074】
分析ガスを容易にサンプリングするため、一方通行弁2160及び/又はサンプルポンプ2170(図17に模式的に示す)も含めてもよい。より詳しくは、特定の実施形態において、サンプルポンプ2170は、ガス成分計に一定量のガスを移動しうる。図17に模式的に示すように、ガスサンプルは、導管2130を介して患者の上部気道から、又はサンプルライン2180及びサンプルポート2182を介して混合領域2155から、採取しうる。いずれかの部位(又はガス加温後等の、異なる部位)からのガスサンプルを導くため、マイクロプロセッサ2060により方向弁2160を制御しうる。ガス分析器は、高流速治療装置2000が最適に動いていることを確認するために、予め定められた測定とガスサンプル(単数又は複数)測定とを比較しうる。さらに、試料ポンプ2170は、例えば麻酔ガス等の追加ガスを患者に提供するため、及び又は導管2130を浄化又は清掃するために、ガス又は液体を患者方向へポンプ輸送するために構成しうることを想定する。
【0075】
本開示は、患者にガスを供給する方法にも関する。この方法は、例えば、上述のように、高流速治療装置2000を提供すること、ガスを加温すること、並びにガスを患者に送達することを含んでなる。当該実施形態において、高流速治療装置2000は、マイクロプロセッサ2060、マイクロプロセッサ2060と電気的導通状態に配置される加温素子2110、患者にガスを送達するよう構成する非密閉呼吸インタフェース100、及びマイクロプロセッサ2060と電気的導通状態に配置され患者の上部気道内の圧力を測定するよう構成されるセンサ2120を含んでなる。当該実施形態の方法は、例えば、患者に呼吸補助を提供するために用いうる。ブロワ2080も、この方法の高流速治療装置2000に含めてもよい。ブロワ2080は、高流速治療装置2000(例えば、フィルタ2072を通じて)に環境空気を入れて患者に供給することを可能にする。この実施形態において、高流速治療装置は、例えば外部の圧縮空気源を必要としないので、ポータブルである。
【0076】
本開示の別の方法は、患者の呼吸感染症を最小化することに関する。この方法の実施形態において、高流速治療装置2000は、加温素子2110及び非密閉呼吸インタフェース100を含んでなる。ここで、患者には、患者の呼吸感染症を最小化するため、加温及び/又は加湿された空気(例えば、種々の流速で)が提供されてもよい。さらに、例えば病院で、患者が汚染された空気の吸入に伴う種々の症状を取り込まないようにするために、ある種のフィルタ2072を接続して、この方法を用いてもよい。加えて、適切に暖められ及び加湿された呼吸ガスを提供することにより、鼻の前方3分の1から呼吸細気管支の入口への呼吸通路に沿って並ぶ繊毛の運動が最適化し、感染症のリスクをさらに最小化する。さらに、酸素補給により、この作用を増してもよい。センサ2120と接続するマイクロプロセッサ2060を、例えば、上述のように、患者に送達されるガスの種々の態様を測定するために、この方法の高流速治療装置2000に含めてもよい。
【0077】
本開示の更なる方法は、患者にガスを供給する他の方法に関する。本発明の方法は、加温素子2110、非密閉呼吸インタフェース100、ブロワ2080、環境空気がブロワ2080に向かって流れるよう構成する空気入口ポート2070、及び空気入口ポート2070と機械的に協働するよう配置され、環境空気から病原体を除去するよう構成されるフィルタ2070を含む、高流速治療装置2000を提供することを含んでなる。この方法の高流速治療装置2000は、マイクロプロセッサ2060及びセンサ2120も含んでもよい。
【0078】
本開示の他の方法は、頭痛、上部気道抵抗シンドローム、閉塞性睡眠時無呼吸、呼吸低下及び/又はいびきを治療するための、高流速治療装置2000の使用を含んでなる。高流速治療装置2000は、とりわけ使用者が眠っている間、吸気期間の上部気道圧潰を最小化するために充分な気道内圧を提供するよう設定しうる。HFTは、密閉インタフェースを必要とする従来のCPAP治療を許容できない児童及び他者に、より受け入れられうる。HFTを用いる早期治療により、軽度の上部気道抵抗症が、睡眠時無呼吸及び付随する罹患等、より進行した症状に進むことを防止しうる。
【0079】
本開示の他の方法は、HFTを用いる頭痛治療である。頭痛の治療/予防の実施形態において、約32℃と約40℃の間の温度(この範囲の高温端の温度はより早い応答をもたらしうる)で、少なくとも27ミリグラム/リットルの水分を有するガスを患者に送達してもよい。より詳しくは、約33mg/Lと約44mg/Lの間の水蒸気量を有するガスを用いることを想定する。患者に送達するガスは、典型的な呼気と同様の含水量を含むことを想定する。一実施形態において、この加温及び加湿された空気の流速は、上述のように、吸気の間、呼吸ガスへの空気の同調を十分に防止/最小化する。酸素パーセントの増加を含めることも有益でありうる。さらに、非密閉呼吸インタフェース100を使用している患者に、このガスを送達してもよい。
【0080】
これらの方法に用いる高流速治療装置2000は、加温素子2110及び非密閉呼吸インタフェース100を含んでなる。マイクロプロセッサ2060及びセンサ2120も、この方法の高流速治療装置2000に含めてもよい。開示の実施形態に係るブロワ2080を含めることにより、高流速治療装置2000は外部の圧縮空気又は酸素源を接続する必要がないため、ポータブルになりうる。このように、この方法の高流速治療装置2000は、比較的容易に、個人の家庭、診療室、救急車等において用いうる。
【0081】
本開示は、呼吸ガスを患者に送達する方法にも関し、患者の呼吸の位相モニタリングを含んでなる。患者の呼吸の位相モニタリングは、患者の上部気道圧力を計測することにより可能になる。加えて、呼吸の位相は、回路2210による圧力計測でもよく、又は横隔神経活動のモニタにより計測してもよい。リアルタイム圧力計測(例えば、図21のサイン波類似の波を参照)により、種々のガスを異なった圧力で患者に送達すること、又は種々の圧力で送達することが可能になる。例えば、より高圧のガスを吸気の間に患者に届け、より低圧のガスを呼気の間に患者に届けてもよい。この例は、患者が脆弱で、高い圧力のガスが入って来ると吐き出しが困難である時に有用でありうる。さらに、患者の快適さを改善するため、患者に送達されるガス圧のレベルを、例えば、段階的に(例えば数分以上に渡り)増加することを想定する。
【0082】
図22−24を参照し、本開示の実施形態に係るマウスピース3000を例示する。概要を上述のように、マウスピース3000は本開示の呼吸のインタフェースの実施例である。マウスピース3000(おしゃぶり類似の図示)は、患者の上部気道内圧を検出するために用いてもよい。
【0083】
第1のマウスピースポート3010は、第1ポートの開放端3012を通じてマウスピース3000内の圧力を測定するために用いてもよい。第1のマウスピースポート3010は、第1ポートの導管2130aを介してセンサ2120(図22−24には明示せず)にマウスピース3000の圧力を伝える開放チューブを含んでもよい。センサ2120は、マウスピース3000内に位置決めしてもよい。マウスピース3000は、ガス又は水等の液体で少なくとも部分的に充填されることを想定する。
【0084】
マウスピース3000内の圧力は、例えば、吸引又は摂食強度を計測するために、当該圧力データを評価、記録、又は他用する役に立つ。吸引運動のタイミング及び口の圧力差も、測定してもよい。吸引圧は、吸引強度の計測に役立ててもよく、例えば、小児の健康評価に用いてもよい。経口的な咽頭圧計測により、患者への呼吸サポート治療を設定又は調節するためのデータを与えてもよい。マウスピース3000のバルブ3030が圧力風船として動作するように、比較的短い第1のマウスピースポート3010を用いることを想定する。剛性を有する比較的長い第1のマウスピースポート3010を、例えば、歯槽堤又は歯の圧力によるチューブ閉鎖の妨げに役立てて用いうることも想定する。
【0085】
第2のマウスピースポート3020は、マウスピース3000の使用中に患者の口又は口腔に入るように構成し、第2のマウスピースポート3020の開放端3022を通じて口腔内の圧力(上部気道圧力)を測定するように構成する。上部気道からの圧力(例えば、咽頭に隣接して測定される)は、第2ポートの導管2130bを介してセンサ2120に転送してもよく、又はセンサ2120はマウスピース3000に隣接して位置決めしてもよい。すなわち、上部気道から患者の口に連絡される圧力が、測定される圧力である。正確な上部気道内圧を容易に計測するために、第2のマウスピースポート3020はバルブ3030の一片を超えて延長することを想定する。
【0086】
図23を参照し、第2のポート3020の遠位端3024に隣接する風船3040を示す。ここで、導管2130bの内腔は、風船3040の内部領域と流体連絡することを想定する。さらに、風船3040の壁に対する任意の力は、観察又は分析用のセンサ2120又はトランスデューサ側の内腔を通じて転送される。
【0087】
口腔内の圧力は、吸引及び嚥下の位相の間に変化しうる。マウスピース3000を用いる高流速治療装置2000は、マウスピース3000内の吸入圧力及びマウスピース3000外側の圧力の同時計測を可能にする。このデータは、小児、児童又は成人(例えば無意識の成人)の呼吸サポートのための、治療特性の決定に役立ちうる。
【0088】
(結論)
当業者であれば、これらの発明が前述の記載及び付随図面に示される教示の利点を有して関連する、本願明細書に記載の本発明の多くの変更及び他の実施形態を思い浮かべるであろう。従って、本発明は開示の特定の実施形態に限定されず、変形及び他の実施形態は添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されていることを理解すべきである。例えば、図1に示した実施形態は2つの入口152、154を有する経鼻インサート125、130を示すが、本発明の別の実施形態においては、1以上の経鼻インサート125、130が2つ以上又は以下の入口(及び/又は2つ以上又は以下のセンサ)を有してもよい。さらに、センサ2120は、据えられてもよく、気道の任意の領域と通じてもよく、鼻腔前方の環境を検知することに限定されない。特定の用語が本願明細書に用いられても、それらは一般的及び記載の意味のみで使用され、限定を目的とするものではない。
【0089】
添付図面を参照するが、これらには寸法比は必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の特定の実施形態に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図2】本発明のさらなる実施形態に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図3】本発明の別の実施例に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図4】本発明のまた別の実施形態に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図5】本発明のさらなる実施形態に係る経鼻カニューレの正面の斜視図である。
【図6】本発明の特定の実施形態に係る経鼻カニューレを鼻に挿入する横断面図である。
【図7】本発明のさらなる実施形態に係る経鼻カニューレを鼻に挿入する横断図である。
【図8A】本発明の他の実施形態に係る経鼻カニューレの正面の斜視図である。
【図8B】図8Aに示す経鼻カニューレの後面斜視図である。
【図8C】図8Aに示す経鼻カニューレの斜視図断面図である。
【図9】本発明のさらなる実施形態に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図10】本発明の別の実施形態に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図11】本発明のさらなる実施形態に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図12】本発明のまた別の実施形態に係る経鼻カニューレの斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る、患者に使用中の経鼻カニューレの実施形態を例示する。
【図14】本発明のさらなる実施形態に係る、患者に使用中の経鼻カニューレの別の実施形態を例示する。
【図15】本開示の実施形態に係る、高流速治療装置の斜視図を例示する。
【図16】本開示の実施形態に係り内部要素を示す、図15の高流速治療装置の斜視図を例示する。
【図17】本開示の実施形態に係り、経鼻インタフェース及び患者を伴う、図15及び16の高流速治療装置の略図を例示する。
【図18】本開示の実施形態に係り、経鼻インタフェース及び導管を含む高流速治療装置を例示する。
【図19】及び
【図20】本開示の2つの実施形態に係り、患者の上部気道及び経鼻インタフェースの拡大図を例示する。
【図21】本開示の実施形態に係り、図15−17の高流速治療装置のユーザインタフェースのスクリーンショット例を示す。
【図22】及び
【図23】本開示の実施形態に係り、マウスピースの形状における非密閉呼吸インタフェースの実施例を示す。
【図24】本開示の実施形態に係り、患者に使用中の図22又は23のマウスピースを例示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロプロセッサ;
前記マイクロプロセッサと電気的導通状態に配置され、液体を加温してガスを作成しうる加温素子;
前記ガスを患者に送達するよう構成される非密閉呼吸インタフェース;及び
前記マイクロプロセッサと電気的導通状態に配置され、前記患者の上部気道内圧を測定するよう構成されるセンサ、を含んでなる、
高流速治療システム。
【請求項2】
前記非密閉呼吸インタフェースは経鼻カニューレを含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項3】
さらに、マウスピースを含んでなり、前記センサは前記マウスピースと機械的に協働するよう配置される、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項4】
前記センサは少なくとも部分的に患者の上部気道内に配置される、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項5】
前記センサは患者の口腔に隣接して配置される、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項6】
さらに、前記患者の上部気道と前記センサとの間に延長する導管を含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項7】
さらに、前記患者の口腔と前記センサとの間に延長する導管を含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項8】
前記センサは、呼吸速度、一回呼吸気量、及び一回換気量の少なくとも1を測定する、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項9】
前記マイクロプロセッサは、前記患者に送達される前記ガスの温度、前記ガスの湿度、前記ガス中の酸素量、前記ガスの流速、及び前記ガスの体積の少なくとも1を制御するように構成される、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項10】
さらに、ガスを加温するように構成される第2の加温素子を含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項11】
さらに、前記非密閉呼吸インタフェースと機械的に協働するよう構成され、少なくとも部分的に前記非密閉呼吸インタフェースを通じて前記ガスを前進させうるブロワを含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項12】
前記ブロワは、最大毎分60リットルのガス流速を患者に提供するよう構成される、請求項11に記載の高流速治療システム。
【請求項13】
前記ブロワは、最大毎分40リットルのガス流速を患者に提供するよう構成される、請求項11に記載の高流速治療システム。
【請求項14】
さらに、前記ブロワへ環境空気を送風しうるよう構成される空気入口ポートを含んでなる、請求項11に記載の高流速治療システム。
【請求項15】
さらに、前記空気入口ポートと機械的に協働するよう配置される空気フィルタを含んでなる、請求項14に記載の高流速治療システム。
【請求項16】
前記空気フィルタは、前記ブロワで受け取られる粒子の量を減少するように構成される、請求項15に記載の高流速治療システム。
【請求項17】
前記センサは、前記患者の吸気圧及び呼気圧を測定するよう構成される、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項18】
前記マイクロプロセッサは、前記患者の上部気道への環境空気の取り込みを最小化するように構成される、請求項17に記載の高流速治療システム。
【請求項19】
さらに、外部酸素源と接続するように構成される酸素入口を含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項20】
さらに、外部酸素源と接続するように構成される酸素入口を含んでなる、請求項11に記載の高流速治療システム。
【請求項21】
さらに、前記マイクロプロセッサと電気的に導通するよう配置されるガス分析計を含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項22】
さらに、前記マイクロプロセッサと電気的に導通するよう配置されるガス分析計を含んでなる、請求項6に記載の高流速治療システム。
【請求項23】
さらに、前記導管の一部と機械的に協働するように配置される一方通行弁を含んでなり、前記一方通行弁は前記患者の上部気道から前記一方通行弁へ空気が移動できるように構成される、請求項6に記載の高流速治療システム。
【請求項24】
さらに、前記導管の一部と機械的に協働するように配置される一方通行弁を含んでなり、前記一方通行弁は前記一方通行弁から前記患者へ空気が移動できるように構成される、請求項6に記載の高流速治療システム。
【請求項25】
さらに、試験管と機械的に協働する一方通行弁を含んでなり、前記試験管は、前記ガスの加温前に、前記一方通行弁へ前記ガスが移動できるように構成される、請求項6に記載の高流速治療システム。
【請求項26】
さらに、試験管と機械的に協働する一方通行弁を含んでなり、前記試験管は、ガスが、前記ガスの加温後かつ前記ガスが前記患者に到達する前に、前記一方通行弁に移動できるように構成される、請求項6に記載の高流速治療システム。
【請求項27】
さらに、前記マイクロプロセッサと電気的に導通するアラームを含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項28】
前記アラームは、視覚及び聴覚フィードバックの少なくとも1つを与える、請求項27に記載の高流速治療システム。
【請求項29】
マイクロプロセッサ;
前記マイクロプロセッサと電気的導通状態に配置され、液体を加温してガスを作成しうる加温素子;
前記ガスを患者に送達するよう構成される非密閉呼吸インタフェース;
前記マイクロプロセッサと電気的導通状態に配置され、前記患者の上部気道内の圧力を測定するよう構成されるセンサ;及び
前記センサと機械的に協働するよう配置されるマウスピース、を含んでなる、
高流速治療システム。
【請求項30】
さらに、前記マウスピースの一部と前記センサの間との間に延長する少なくとも1の導管を含んでなる、請求項29に記載の高流速治療システム。
【請求項1】
マイクロプロセッサ;
前記マイクロプロセッサと電気的導通状態に配置され、液体を加温してガスを作成しうる加温素子;
前記ガスを患者に送達するよう構成される非密閉呼吸インタフェース;及び
前記マイクロプロセッサと電気的導通状態に配置され、前記患者の上部気道内圧を測定するよう構成されるセンサ、を含んでなる、
高流速治療システム。
【請求項2】
前記非密閉呼吸インタフェースは経鼻カニューレを含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項3】
さらに、マウスピースを含んでなり、前記センサは前記マウスピースと機械的に協働するよう配置される、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項4】
前記センサは少なくとも部分的に患者の上部気道内に配置される、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項5】
前記センサは患者の口腔に隣接して配置される、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項6】
さらに、前記患者の上部気道と前記センサとの間に延長する導管を含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項7】
さらに、前記患者の口腔と前記センサとの間に延長する導管を含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項8】
前記センサは、呼吸速度、一回呼吸気量、及び一回換気量の少なくとも1を測定する、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項9】
前記マイクロプロセッサは、前記患者に送達される前記ガスの温度、前記ガスの湿度、前記ガス中の酸素量、前記ガスの流速、及び前記ガスの体積の少なくとも1を制御するように構成される、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項10】
さらに、ガスを加温するように構成される第2の加温素子を含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項11】
さらに、前記非密閉呼吸インタフェースと機械的に協働するよう構成され、少なくとも部分的に前記非密閉呼吸インタフェースを通じて前記ガスを前進させうるブロワを含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項12】
前記ブロワは、最大毎分60リットルのガス流速を患者に提供するよう構成される、請求項11に記載の高流速治療システム。
【請求項13】
前記ブロワは、最大毎分40リットルのガス流速を患者に提供するよう構成される、請求項11に記載の高流速治療システム。
【請求項14】
さらに、前記ブロワへ環境空気を送風しうるよう構成される空気入口ポートを含んでなる、請求項11に記載の高流速治療システム。
【請求項15】
さらに、前記空気入口ポートと機械的に協働するよう配置される空気フィルタを含んでなる、請求項14に記載の高流速治療システム。
【請求項16】
前記空気フィルタは、前記ブロワで受け取られる粒子の量を減少するように構成される、請求項15に記載の高流速治療システム。
【請求項17】
前記センサは、前記患者の吸気圧及び呼気圧を測定するよう構成される、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項18】
前記マイクロプロセッサは、前記患者の上部気道への環境空気の取り込みを最小化するように構成される、請求項17に記載の高流速治療システム。
【請求項19】
さらに、外部酸素源と接続するように構成される酸素入口を含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項20】
さらに、外部酸素源と接続するように構成される酸素入口を含んでなる、請求項11に記載の高流速治療システム。
【請求項21】
さらに、前記マイクロプロセッサと電気的に導通するよう配置されるガス分析計を含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項22】
さらに、前記マイクロプロセッサと電気的に導通するよう配置されるガス分析計を含んでなる、請求項6に記載の高流速治療システム。
【請求項23】
さらに、前記導管の一部と機械的に協働するように配置される一方通行弁を含んでなり、前記一方通行弁は前記患者の上部気道から前記一方通行弁へ空気が移動できるように構成される、請求項6に記載の高流速治療システム。
【請求項24】
さらに、前記導管の一部と機械的に協働するように配置される一方通行弁を含んでなり、前記一方通行弁は前記一方通行弁から前記患者へ空気が移動できるように構成される、請求項6に記載の高流速治療システム。
【請求項25】
さらに、試験管と機械的に協働する一方通行弁を含んでなり、前記試験管は、前記ガスの加温前に、前記一方通行弁へ前記ガスが移動できるように構成される、請求項6に記載の高流速治療システム。
【請求項26】
さらに、試験管と機械的に協働する一方通行弁を含んでなり、前記試験管は、ガスが、前記ガスの加温後かつ前記ガスが前記患者に到達する前に、前記一方通行弁に移動できるように構成される、請求項6に記載の高流速治療システム。
【請求項27】
さらに、前記マイクロプロセッサと電気的に導通するアラームを含んでなる、請求項1に記載の高流速治療システム。
【請求項28】
前記アラームは、視覚及び聴覚フィードバックの少なくとも1つを与える、請求項27に記載の高流速治療システム。
【請求項29】
マイクロプロセッサ;
前記マイクロプロセッサと電気的導通状態に配置され、液体を加温してガスを作成しうる加温素子;
前記ガスを患者に送達するよう構成される非密閉呼吸インタフェース;
前記マイクロプロセッサと電気的導通状態に配置され、前記患者の上部気道内の圧力を測定するよう構成されるセンサ;及び
前記センサと機械的に協働するよう配置されるマウスピース、を含んでなる、
高流速治療システム。
【請求項30】
さらに、前記マウスピースの一部と前記センサの間との間に延長する少なくとも1の導管を含んでなる、請求項29に記載の高流速治療システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2009−519759(P2009−519759A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545789(P2008−545789)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/047640
【国際公開番号】WO2008/060295
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(508076185)マージェネット メディカル,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/047640
【国際公開番号】WO2008/060295
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(508076185)マージェネット メディカル,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]