説明

非接触ウェット処理システム及び方法

【課題】本発明は、非接触ウェット処理システム及び方法に関する。
【解決手段】本発明は、基板を予め設定された経路に沿って移動させる移送部と、前記基板の両面にそれぞれ対向して配置され、前記基板に液体を噴射する液体噴射部と、磁力により前記基板の位置を調整する磁性部と、予め設定された方向に赤外線を送信し、受信した赤外線に対する赤外線情報を制御部に伝送する赤外線部と、前記赤外線部から受信した赤外線情報に基づき基板が経路から離脱したか否かを分析し、分析された経路離脱情報に基づきシステムの動作を制御する制御部と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触ウェット処理システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリント回路基板が適用される対象端末のサイズが縮小されるにつれて、プリント回路基板も薄板化しつつある。
しかし、フリップチップパッケージ(FCCSP)のような薄板のCCL(Copper Clad Laminate)の場合、ウェット(Wet)工程中に噴射液の圧力によって基板が傾き移送経路から離脱したり基板が破れ、基板固定用治具から離脱して基板が落下したり破損されるなどの損傷が時々発生している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためのものであり、本発明の目的は、基板の非接触ウェット工程中に基板の傾きを検知して基板の位置を調整する非接触ウェット処理システム及び方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、基板の傾きを予め防止するために、基板を支持するためのガイド台を導入することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施例による非接触ウェット処理システムは、基板を予め設定された経路に沿って移動させる移送部と、前記基板の両面にそれぞれ対向して配置され、前記基板に液体を噴射する液体噴射部と、磁力により前記基板の位置を調整する磁性部と、予め設定された方向に赤外線を送信し、受信した赤外線に対する赤外線情報を制御部に伝送する赤外線部と、前記赤外線部から受信した赤外線情報に基づき基板が経路から離脱したか否かを分析し、分析された経路離脱情報に基づきシステムの動作を制御する制御部と、を含むことを特徴とする。
【0005】
前記赤外線部が前記基板に赤外線を送信した後、反射される赤外線を受信して赤外線応答時間を制御部に伝送する場合、前記制御部は、前記赤外線部から受信した赤外線応答時間を予め設定された基準時間と比較して前記基板が経路から離脱したか否かを分析し、分析結果に応じて前記磁性部の磁力を制御することを特徴とする。
【0006】
また、前記磁性部はそれぞれの位置情報が割り当てられた複数個の磁性体を含み、前記赤外線部はそれぞれの位置情報が割り当てられた複数個の赤外線センサを含み、前記磁性体の位置及び前記赤外線センサの位置は領域別にマッチングされ、前記赤外線応答時間が前記基準時間と一致しない場合、前記制御部は、前記赤外線応答時間を伝送した赤外線センサの位置に基づき該当領域にマッチングされた磁性体の位置を把握し、把握された磁性体の磁力を制御することを特徴とする。
【0007】
また、前記磁性部が前記基板の両面にそれぞれ対向して配置された場合、前記制御部は、前記赤外線応答時間が前記基準時間未満である場合、該当領域の磁性体の磁力が強くなるように調整する制御を行うことを特徴とする。
また、前記磁性部が前記基板の一面に配置された場合、前記制御部は、前記赤外線応答時間が前記基準時間未満である場合、該当領域の磁性体の磁力が強くなるように調整し、前記赤外線応答時間が前記基準時間を超える場合、該当領域の磁性体の磁力が弱くなるように調整する制御を行うことを特徴とする。
【0008】
また、前記磁性体に電流を供給する電流供給部をさらに含み、前記制御部は、前記電流供給部に磁性体の磁力制御情報を伝送して磁力を制御させることを特徴とする。
また、前記赤外線部は赤外線送信部及び赤外線受信部を含み、前記基板の両面にそれぞれ一対の赤外線送信部と赤外線受信部が互いに離隔して配置され、前記赤外線受信部が前記赤外線送信部から伝送された赤外線を受信した後、赤外線受信情報を制御部に伝送する場合、前記制御部は、前記赤外線受信部から予め設定された赤外線受信時間内に赤外線受信情報が伝送されない場合、基板経路離脱通知を送出することを特徴とする。
【0009】
また、前記制御部の制御に従って文字または音により基板経路離脱通知を出力する通知部をさらに含むことを特徴とする。
また、前記基板に噴射する液体を前記液体噴射部に供給する液体供給部をさらに含むことを特徴とする。
【0010】
また、前記基板の移送経路に沿って前記基板のダミー領域に対向して設けられるガイド台をさらに含むことを特徴とする。
また、前記磁性部は電磁石であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の他の実施例による非接触ウェット処理方法は、磁性部及び赤外線部を含む非接触ウェット処理システムにおいて基板に非接触ウェット処理を施すための方法であって、非接触ウェット処理システムに基板を投入する段階と、前記基板が移送経路に沿って移動されると、前記基板に液体を噴射する段階と、前記磁性部に電流が印加されると、前記磁性部が前記基板方向に磁力を発生させる段階と、前記赤外線部が前記基板に赤外線を送信する段階と、前記基板から反射された赤外線を検出する段階と、検出した赤外線情報に基づき前記基板が経路から離脱したか否かを分析し、分析結果基板が経路を離脱した場合、基板を制御するための磁力制御情報を生成する段階と、前記磁力制御情報に基づき前記磁性部の磁力を制御して基板の位置を調整する段階と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記磁力制御情報を生成する段階は、前記反射された赤外線の赤外線応答時間を予め設定された基準時間と比較して前記基板が経路から離脱したか否かを分析し、分析結果に応じて前記磁力制御情報を生成することを特徴とする。
【0013】
また、前記磁性部はそれぞれの位置情報が割り当てられた複数個の磁性体を含み、前記赤外線部はそれぞれの位置情報が割り当てられた複数個の赤外線センサを含み、前記磁性体の位置及び前記赤外線センサの位置は領域別にマッチングされ、前記赤外線応答時間が前記基準時間と一致しない場合、前記磁力制御情報を生成する段階で、前記赤外線応答時間を伝送した赤外線センサの位置に基づき該当領域にマッチングされた磁性体の位置を把握し、把握された磁性体の磁力を制御する情報を生成することを特徴とする。
【0014】
また、前記磁性部が前記基板の両面にそれぞれ対向して配置される場合、前記磁力制御情報を生成する段階で、前記赤外線応答時間が前記基準時間未満である場合、該当領域の磁性体の磁力が強くなるように調整させる情報を生成することを特徴とする。
【0015】
また、前記磁性部が前記基板の一面に配置される場合、前記磁力制御情報を生成する段階で、前記赤外線応答時間が前記基準時間未満である場合、該当領域の磁性体の磁力が強くなるように調整し、前記赤外線応答時間が前記基準時間を超える場合、該当領域の磁性体の磁力が弱くなるように調整させる情報を生成することを特徴とする。
【0016】
また、前記基板の位置を調整する段階の後、赤外線応答時間が予め設定された基準時間と一致するか否かを確認し、確認結果、赤外線応答時間と前記基準時間が一致する場合、該当磁性体の磁力を正常値に調整する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明のまた他の実施例による非接触ウェット処理方法は、磁性部と、赤外線送信部及び赤外線受信部を含む赤外線部と、を含む非接触ウェット処理システムにおいて基板に非接触ウェット処理を施すための方法であって、非接触ウェット処理システムが基板を投入する段階と、前記基板が移送経路に沿って移動されると、前記基板に液体を噴射する段階と、前記磁性部に電流が印加されると、前記磁性部が前記基板方向に磁力を発生させる段階と、前記赤外線送信部が前記赤外線受信部に赤外線を送信する段階と、前記赤外線受信部が予め設定された赤外線受信時間内に前記赤外線送信部から赤外線を受信しない場合、基板経路離脱通知を送出する段階と、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、前記基板の両面にそれぞれ一対の赤外線送信部と赤外線受信部が互いに離隔して配置される場合、前記赤外線を送信する段階で、前記赤外線送信部が自分とマッチングされた前記赤外線受信部に赤外線を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の非接触ウェット処理システム及び方法は、赤外線により基板が傾いているか否かを検知し、基板に傾きが検知されると、磁性部の磁力により基板の傾きを始め位置を調整するため、基板破損を予防して生産性を向上させることができるという効果が期待できる。
【0020】
また、本発明は、基板を支持するガイド台を配置することにより、基板の傾きを予め防止することができ、基板が液噴射により受けるストレスを分散させて基板の損傷を防止することができ、これにより非接触ウェット工程を行う際にノズル圧力の自由度を向上させることができるという長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「一面」、「他面」、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する
[非接触ウェット処理システム]
図1及び図2は本発明の第1実施例による非接触ウェット処理システムの構成を示す図面であり、図3及び図4は本発明の実施例によるガイド台をより詳細に説明するための図面である。
【0023】
図1及び図3に図示されたように、非接触ウェット処理システムは、基板101を予め設定された経路に沿って移動させる移送部110と、前記基板101の両面にそれぞれ対向して配置され、基板101に液体を噴射する液体噴射部135a、145aと、磁力により基板101の位置を調整する磁性部131a、141aと、予め設定された方向に赤外線Aを送信し、受信した赤外線に対する赤外線情報を制御部210に伝送する赤外線部133a、143aと、赤外線部133a、143aから受信した赤外線情報に基づき基板101が経路から離脱したか否かを分析し、分析された経路離脱情報に基づきシステムの動作を制御する制御部210と、を含むことができる。
【0024】
ここで、基板の位置は、傾きを始め、非接触ウェットシステムにおいて最適な状態で基板にウェット工程処理が施されることができる配置状態に係わる位置を全て含む。
また、図3に図示されたように、移送部110は治具111を用いて基板101を固定した状態で移送経路に沿って基板を移動させる。
【0025】
図2に図示されたように、磁性部131a、141a及び赤外線部133a、143aは、液体噴射部135a、145aが形成されたプレート130、140上に共に形成されることができる。
この際、磁性部131a、141a、赤外線部133a、143a及び液体噴射部135a、145aそれぞれは、互いの動作を処理するための空間を考慮してプレート130、140上に形成される。また、磁性部131a、141a、赤外線部133a、143a及び液体噴射部135a、145aそれぞれは互いの動作処理時期を考慮して動作を行う。
【0026】
例えば、液体噴射部135a、145aと赤外線部133a、143aは、それぞれ液体噴射領域と赤外線が送信される経路に該当する領域とが重なり合わないように互いに離隔して形成される。また、赤外線部133a、143a及び液体噴射部135a、145aの赤外線送信時期と液体噴射時期とが互いに重複しないようにすることで、噴射される液体により赤外線が回折しないようにする。
【0027】
本発明の第1実施例のように、赤外線部133a、143aが基板101に赤外線を送信した後、反射される赤外線を受信して赤外線応答時間を制御部210に伝送する場合、制御部210は赤外線部133a、143aから受信した赤外線応答時間を予め設定された基準時間と比較して基板101が経路から離脱したか否かを分析し、分析結果に応じて磁性部131a、141aの磁力を制御する。
【0028】
ここで、基準時間は、基板101が正常位置の状態である時の赤外線応答時間を意味する。
一方、磁性部131a、141aは、それぞれの位置情報が割り当てられた複数個の磁性体を含み、赤外線部133a、143aはそれぞれの位置情報が割り当てられた複数個の赤外線センサを含み、磁性体の位置と赤外線センサの位置は領域別にマッチングされる。
【0029】
ここで、制御部210は、磁性部131a、141aから受信した赤外線応答時間が基準時間と一致しない場合、赤外線応答時間を伝送した赤外線センサの位置に基づき該当領域にマッチングされた磁性体の位置を把握し、把握された磁性体の磁力を制御する。
ここで、磁性部131a、141aの磁性体は電磁石であることができる。
【0030】
以下、説明の便宜上、図面符号131a、141aを磁性部と磁性体両方ともに適用し、図面符号133a、143aを赤外線部と赤外線センサ両方ともに適用して説明する。
例えば、赤外線センサ133aと磁性体131aは互いに一つのグループでマッチングされ、赤外線センサ133aから受信した赤外線応答時間が基準時間と一致しない場合、該当領域の磁性体131aの磁力を制御して基板101の位置を調整する。
【0031】
前記磁性部131a、141aは基板101の両面または一面に形成されることができ、本発明の実施例では説明の便宜上、両面に形成された場合を図示した。
第一に、磁性部131a、141aが基板101の両面にそれぞれ対向して配置された場合、制御部210は磁性部131a、141aから受信した赤外線応答時間が基準時間未満である場合、該当領域の磁性体の磁力が強くなるように調整する制御を行う。
【0032】
第二に、磁性部131aが基板101の一面に配置された場合、制御部210は、磁性部131a、141aから受信した赤外線応答時間が基準時間未満である場合、該当領域の磁性体の磁力が強くなるように調整し、赤外線応答時間が基準時間を超える場合、該当領域の磁性体の磁力が弱くなるように調整する制御を行う。
【0033】
即ち、磁力は赤外線応答時間に反比例する。
これにより、非接触ウェット工程を行う際、基板101の離脱により発生され得る基板破損などの問題点を予め防止することができ、基板の位置が常に正常状態であるように調整することにより液体が均一に噴射され、液体噴射効率に対する信頼性も向上させることができるという効果が期待できる。
【0034】
一方、非接触ウェット処理システムは、電流供給部230、通知部250、液体供給部300及びガイド台160をさらに含むことができる。
電流供給部230は磁性体に電流を供給する。
制御部210は、電流供給部230に磁性体の磁力制御情報を伝送して磁力を制御する。
【0035】
また、通知部250は、制御部の制御に従って文字または音により基板経路離脱通知を出力する。
例えば、通知部250は、管理モジュール(不図示)のモニター上に基板の経路離脱通知を文字または音(アラーム)の形で出力してユーザが基板の離脱を認知できるようにする。
【0036】
また、液体供給部300は、基板101に噴射する液体を液体噴射部135a、145aに供給する。
図3に図示されたように、ガイド台160は、基板101の移送経路に沿って基板101のダミー領域に対向して設けられる。
【0037】
この際、基板101は、ユニット(Unit)単位に分離される前の状態の基板であり、ガイド台160はそれぞれのユニット単位間に形成されるダミー領域に形成される。
図4に図示されたように、ガイド台160は多数の突起を有し、基板の両面にそれぞれ互いに対向して配置され、基板101が移送経路に沿って移動する際、基板の傾きを予め防止する機能を行う。前記ガイド台160は基板と接触する際に接触面積を最小化するために突起が形成されたワイヤ状に具現されることができる。
【0038】
この際、ガイド台160は基板と離隔して配置され、基板101の傾きが実際に発生しないと基板101とガイド台160が接触する現象は発生しない。
これにより、ガイド台160は、基板101に噴射される液体の経路を塞ぐことなく、基板101の傾きも予め防止することができるという効果が期待できる。
【0039】
図4では基板両面に設けられたガイド台160の突起が互いにずれるように形成されているが、これはユーザの必要に応じて互いに対向するように形成される形態などに変更することができる。
【0040】
図5及び図6は本発明の第2実施例による非接触ウェット処理システムの構成を示す図面である。
但し、第2実施例に対する構成のうち、第1実施例の構成と同一の構成に対する説明は省略し、相違する部分についてのみ説明する。
【0041】
図5に図示されたように、非接触ウェット処理システムは、基板101を予め設定された経路に沿って移動させる移送部110と、前記基板101の両面にそれぞれ対向して配置され、基板101に液体を噴射する液体噴射部135a、145aと、磁力により基板101の位置を調整する磁性部131a、141aと、予め設定された方向に赤外線Bを送信し、受信した赤外線に対する赤外線情報を制御部210に伝送する赤外線部150と、赤外線部150から受信した赤外線情報に基づき基板101が経路から離脱したか否かを分析し、分析された経路離脱情報に基づきシステムの動作を制御する制御部210と、を含むことができる。
【0042】
図6に図示されたように、赤外線部150は赤外線送信部及び赤外線受信部を含み、基板101の両面にそれぞれ一対の赤外線送信部と赤外線受信部が互いに離隔して配置され、赤外線送信部が自分とマッチングされた赤外線受信部に赤外線を伝送することにより、赤外線受信部が赤外線を受信した後、赤外線受信情報を制御部210に伝送する。
【0043】
また、制御部210は、赤外線受信部から予め設定された赤外線受信時間内に赤外線受信情報が伝送されない場合、基板経路離脱通知を送出する。
即ち、図5に図示されたように、基板101の両面で基板の移送経路に対して水平に形成される赤外線が基板の傾きにより断絶されて赤外線受信部に伝送されないことによって基板の傾きを把握する。
【0044】
また、通知部250は制御部210の制御に従って文字または音により基板経路離脱通知を出力する。
例えば、通知部250は、管理モジュール(不図示)のモニター上に基板の経路離脱通知を文字または音(アラーム)の形で出力してユーザが基板の離脱を認知できるようにする。
【0045】
[非接触ウェット処理方法]
図7は図1の非接触ウェット処理システムによる非接触ウェット処理方法を説明するためのフローチャートであり、図1及び図2を参照して説明する。
先ず、非接触ウェット処理システムに基板が投入されると、初期設定情報に従って非接触ウェット処理システムを駆動する(S101)。
【0046】
これについてより詳細に説明すると、液体噴射部135a、145aは基板101が投入されて移送経路に沿って移動されると、基板101に液体を噴射する。
また、磁性部131a、141aは電流供給部230を介して電流が印加されると、基板方向に磁力を発生させる。
また、赤外線部133a、143aは基板101に赤外線を送信する。
【0047】
図1に図示されたように、赤外線部133a、143aは基板101に向かうA方向に赤外線を送信する。
次に、赤外線部133a、143aは基板101から反射された赤外線を検出した後、赤外線応答時間を制御部210に伝送する(S103)。
【0048】
次に、制御部210は検出した赤外線情報(赤外線応答時間)に基づき基板101が経路から離脱したか否かを分析し、分析結果、基板が経路を離脱した場合、基板を制御するための磁力制御情報を生成する(S103〜S105)。
【0049】
この際、制御部210は反射される赤外線の赤外線応答時間を予め設定された基準時間と比較して基板が経路から離脱したか否かを分析し、分析結果に応じて磁力制御情報を生成する。
【0050】
ここで、基準時間は基板101が正常位置の状態である時の赤外線応答時間を意味する。
より詳細に説明すると、磁性部131a、141aはそれぞれの位置情報が割り当てられた複数個の磁性体を含み、赤外線部133a、143aはそれぞれの位置情報が割り当てられた複数個の赤外線センサを含み、磁性体の位置と赤外線センサの位置は領域別にマッチングされる。
【0051】
この際、赤外線応答時間が基準時間と一致しない場合、制御部210は赤外線応答時間を伝送した赤外線センサの位置に基づき該当領域にマッチングされた磁性体の位置を把握し、把握された磁性体の磁力を制御する。
【0052】
ここで、制御部210は電流供給部230を介して磁力制御情報に基づき磁性部131a、141aの磁力を制御して基板101の位置を調整する(S107)。
万が一、赤外線応答時間が基準時間と一致すると、非接触ウェット処理システムを段階S101から再度実行する。
【0053】
本発明の実施例では、磁性部が基板101の両面に配置されたり、または基板101の一面にのみ配置されることができる。第一に、磁性部131a、141aが基板101の両面にそれぞれ対向して配置される場合、制御部210は、磁性部131a、141aから受信した赤外線応答時間が基準時間未満であると、該当領域の磁性体の磁力が強くなるように調整させる情報を生成する。
【0054】
第二に、磁性部131aが基板101の一面に配置される場合、制御部210は、赤外線応答時間が基準時間未満であると、該当領域の磁性体の磁力が強くなるように調整し、赤外線応答時間が基準時間を超えると、該当領域の磁性体の磁力が弱くなるように調整させる情報を生成する。
【0055】
磁力を調整した後、制御部210は、赤外線応答時間が予め設定された基準時間と一致するか否かを確認し(S109)、確認結果、赤外線応答時間と基準時間が一致すると、該当磁性体の磁力を正常値に調整する(S111)。
【0056】
万が一、段階S109の確認結果、赤外線応答時間が予め設定された基準時間と一致しないと、制御部210は、段階S107を繰り返して実行し、磁性体の磁力を制御する。
図8は図5の非接触ウェット処理システムによる非接触ウェット処理方法を説明するためのフローチャートであり、図5及び図6を参照して説明する。
【0057】
先ず、非接触ウェット処理システムに基板101が投入されると、初期設定情報に従って非接触ウェット処理システムを駆動する(S201)。
これについてより詳細に説明すると、液体噴射部135a、145aは、基板101が投入されて移送経路に沿って移動されると、基板101に液体を噴射する。
【0058】
また、磁性部131a、141aは、電流供給部230を介して電流が印加されると、基板方向に磁力を発生させる。
一方、図6に図示されたように、赤外線部150は、赤外線送信部と赤外線受信部がそれぞれ基板101を基準に離隔して配置され、赤外線送信部が赤外線受信部に赤外線Bを送信する。
【0059】
ここで、基板101の両面にそれぞれ一対の赤外線送信部と赤外線受信部が互いに離隔して配置される場合、赤外線送信部は自分とマッチングされた赤外線受信部に赤外線を送信する。
【0060】
次に、赤外線受信部が予め設定された赤外線受信時間内に赤外線送信部から赤外線を受信しない場合、制御部210は通知部250を介して基板経路離脱通知を送出する(S203〜S207)。
【0061】
より詳細に説明すると、制御部210は、予め設定された赤外線受信時間が過ぎても赤外線受信部から赤外線受信通知が伝送されない場合、通知部250を介して基板経路離脱通知を送出する。
【0062】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1実施例による非接触ウェット処理システムの構成を示す図面である。
【図2】本発明の第1実施例による非接触ウェット処理システムの構成を示す図面である。
【図3】本発明の実施例によるガイド台をより詳細に説明するための図面である。
【図4】本発明の実施例によるガイド台をより詳細に説明するための図面である。
【図5】本発明の第2実施例による非接触ウェット処理システムの構成を示す図面である。
【図6】本発明の第2実施例による非接触ウェット処理システムの構成を示す図面である。
【図7】図1の非接触ウェット処理システムによる非接触ウェット処理方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】図5の非接触ウェット処理システムによる非接触ウェット処理方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
101 基板
110 移送部
111 治具
130、140 プレート
131a、141a、… 磁性部
133a、143a、… 赤外線部
135a、145a、… 液体噴射部
150 赤外線部
160 ガイド台
210 制御部
230 電流供給部
250 通知部
300 液体供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を予め設定された経路に沿って移動させる移送部と、
前記基板の両面にそれぞれ対向して配置され、前記基板に液体を噴射する液体噴射部と、
磁力により前記基板の位置を調整する磁性部と、
予め設定された方向に赤外線を送信し、受信した赤外線に対する赤外線情報を制御部に伝送する赤外線部と、
前記赤外線部から受信した赤外線情報に基づき基板が経路から離脱したか否かを分析し、分析された経路離脱情報に基づきシステムの動作を制御する制御部と、
を含む非接触ウェット処理システム。
【請求項2】
前記赤外線部が前記基板に赤外線を送信した後、反射される赤外線を受信して赤外線応答時間を制御部に伝送する場合、
前記制御部は、
前記赤外線部から受信した赤外線応答時間を予め設定された基準時間と比較して前記基板が経路から離脱したか否かを分析し、分析結果に応じて前記磁性部の磁力を制御する請求項1に記載の非接触ウェット処理システム。
【請求項3】
前記磁性部はそれぞれの位置情報が割り当てられた複数個の磁性体を含み、
前記赤外線部はそれぞれの位置情報が割り当てられた複数個の赤外線センサを含み、
前記磁性体の位置及び前記赤外線センサの位置は領域別にマッチングされ、
前記赤外線応答時間が前記基準時間と一致しない場合、
前記制御部は、
前記赤外線応答時間を伝送した赤外線センサの位置に基づき該当領域にマッチングされた磁性体の位置を把握し、把握された磁性体の磁力を制御する請求項2に記載の非接触ウェット処理システム。
【請求項4】
前記磁性部が前記基板の両面にそれぞれ対向して配置された場合、
前記制御部は、
前記赤外線応答時間が前記基準時間未満である場合、該当領域の磁性体の磁力が強くなるように調整する制御を行う請求項3に記載の非接触ウェット処理システム。
【請求項5】
前記磁性部が前記基板の一面に配置された場合、
前記制御部は、
前記赤外線応答時間が前記基準時間未満である場合、該当領域の磁性体の磁力が強くなるように調整し、
前記赤外線応答時間が前記基準時間を超える場合、該当領域の磁性体の磁力が弱くなるように調整する制御を行う請求項3に記載の非接触ウェット処理システム。
【請求項6】
前記磁性体に電流を供給する電流供給部をさらに含み、
前記制御部は、前記電流供給部に磁性体の磁力制御情報を伝送して磁力を制御させる請求項3に記載の非接触ウェット処理システム。
【請求項7】
前記赤外線部は赤外線送信部及び赤外線受信部を含み、
前記基板の両面にそれぞれ一対の赤外線送信部と赤外線受信部が互いに離隔して配置され、前記赤外線受信部が前記赤外線送信部から伝送された赤外線を受信した後、赤外線受信情報を制御部に伝送する場合、
前記制御部は、
前記赤外線受信部から予め設定された赤外線受信時間内に赤外線受信情報が伝送されない場合、基板経路離脱通知を送出する請求項2に記載の非接触ウェット処理システム。
【請求項8】
前記制御部の制御に従って文字または音により基板経路離脱通知を出力する通知部をさらに含む請求項7に記載の非接触ウェット処理システム。
【請求項9】
前記基板に噴射する液体を前記液体噴射部に供給する液体供給部をさらに含む請求項1に記載の非接触ウェット処理システム。
【請求項10】
前記基板の移送経路に沿って前記基板のダミー領域に対向して設けられるガイド台をさらに含む請求項1に記載の非接触ウェット処理システム。
【請求項11】
前記磁性部は電磁石である請求項1に記載の非接触ウェット処理システム。
【請求項12】
磁性部及び赤外線部を含む非接触ウェット処理システムにおいて基板に非接触ウェット処理を施すための方法であって、
非接触ウェット処理システムに基板を投入する段階と、
前記基板が移送経路に沿って移動されると、前記基板に液体を噴射する段階と、
前記磁性部に電流が印加されると、前記磁性部が前記基板方向に磁力を発生させる段階と、
前記赤外線部が前記基板に赤外線を送信する段階と、
前記基板から反射された赤外線を検出する段階と、
検出した赤外線情報に基づき前記基板が経路から離脱したか否かを分析し、分析結果、基板が経路を離脱した場合、基板を制御するための磁力制御情報を生成する段階と、
前記磁力制御情報に基づき前記磁性部の磁力を制御して基板の位置を調整する段階と、
を含む非接触ウェット処理方法。
【請求項13】
前記磁力制御情報を生成する段階は、
前記反射された赤外線の赤外線応答時間を予め設定された基準時間と比較して前記基板が経路から離脱したか否かを分析し、分析結果に応じて前記磁力制御情報を生成する請求項12に記載の非接触ウェット処理方法。
【請求項14】
前記磁性部はそれぞれの位置情報が割り当てられた複数個の磁性体を含み、
前記赤外線部はそれぞれの位置情報が割り当てられた複数個の赤外線センサを含み、
前記磁性体の位置及び前記赤外線センサの位置は領域別にマッチングされ、
前記赤外線応答時間が前記基準時間と一致しない場合、
前記磁力制御情報を生成する段階で、
前記赤外線応答時間を伝送した赤外線センサの位置に基づき該当領域にマッチングされた磁性体の位置を把握し、把握された磁性体の磁力を制御する情報を生成する請求項13に記載の非接触ウェット処理方法。
【請求項15】
前記磁性部が前記基板の両面にそれぞれ対向して配置される場合、
前記磁力制御情報を生成する段階で、
前記赤外線応答時間が前記基準時間未満である場合、該当領域の磁性体の磁力が強くなるように調整させる情報を生成する請求項14に記載の非接触ウェット処理方法。
【請求項16】
前記磁性部が前記基板の一面に配置される場合、
前記磁力制御情報を生成する段階で、
前記赤外線応答時間が前記基準時間未満である場合、該当領域の磁性体の磁力が強くなるように調整し、
前記赤外線応答時間が前記基準時間を超える場合、該当領域の磁性体の磁力が弱くなるように調整させる情報を生成する請求項14に記載の非接触ウェット処理方法。
【請求項17】
前記基板の位置を調整する段階の後、
赤外線応答時間が予め設定された基準時間と一致するか否かを確認し、確認結果、赤外線応答時間と前記基準時間が一致する場合、該当磁性体の磁力を正常値に調整する段階をさらに含む請求項12に記載の非接触ウェット処理方法。
【請求項18】
磁性部と、赤外線送信部及び赤外線受信部を含む赤外線部と、を含む非接触ウェット処理システムにおいて基板に非接触ウェット処理を施すための方法であって、
非接触ウェット処理システムが基板を投入する段階と、
前記基板が移送経路に沿って移動されると、前記基板に液体を噴射する段階と、
前記磁性部に電流が印加されると、前記磁性部が前記基板方向に磁力を発生させる段階と、
前記赤外線送信部が前記赤外線受信部に赤外線を送信する段階と、
前記赤外線受信部が予め設定された赤外線受信時間内に前記赤外線送信部から赤外線を受信しない場合、基板経路離脱通知を送出する段階と、
を含む非接触ウェット処理方法。
【請求項19】
前記基板の両面にそれぞれ一対の赤外線送信部と赤外線受信部が互いに離隔して配置される場合、
前記赤外線を送信する段階で、
前記赤外線送信部が自分とマッチングされた前記赤外線受信部に赤外線を送信する請求項18に記載の非接触ウェット処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−8964(P2013−8964A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−126738(P2012−126738)
【出願日】平成24年6月4日(2012.6.4)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】