説明

非接触カード

本発明は、一連のカード識別処理においてリーダライタが通信相手を特定することができるとともに、カード所有者のプライバシーを保護することができる可能性を向上させる非接触カードを提供することを目的とする。非接触カード(200)は、電力検出部(203)と、電力検出部(203)によって電力が供給されたことが検出された場合、都度、カード(200)を特定するための識別子を決定する乱数ID生成部(210)と、決定された識別子を記憶するためのID記憶部(2081)と、カード(200)を特定するための識別子をリーダライタ(100)に送信することを要求する指示を受信する送受信回路(204)とを備え、送受信回路(204)は、1回目の前記指示を受信した場合、決定された識別子をリーダライタ(100)に送信し、2回目以降の前記指示を受信した場合、記憶された識別子をリーダライタ(100)に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーダライタと無線により通信する非接触カードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電磁誘導方式等を用いてデータを送受信する非接触カードとその非接触カードを認識するリーダライタとの間の通信には、タイムスロット方式が採用されている。複数の非接触カードがリーダライタの通信エリア内に同時に存在し、リーダライタによるポーリングに対して、複数の非接触カードが同時に応答信号を送信した場合、複数の応答信号が衝突することにより、何れの非接触カードもリーダライタと正常に通信することができなくなる。タイムスロット方式は、このような状況が発生することを防止する。
【0003】
タイムスロット方式による通信を以下に説明する。
【0004】
(1)リーダライタは、非接触カードの存在を検出するため、リクエストコマンドを送信する。リクエストコマンドには、非接触カードが初期応答を行なうことが可能な期間(タイムスロット)の数である「スロット数」が含まれる。
【0005】
(2)非接触カードは、リクエストコマンドを受信した後、何れかのタイムスロットで、カードIDを含む初期応答を返す。非接触カードは、初期応答を行なうタイムスロットを自ら決定する。
【0006】
(3)リーダライタは、初期応答の衝突を検出した場合、リクエストコマンドを再度送信する。これにより、タイムスロットは新規に開始する。
【0007】
(4)リーダライタは、何れのタイムスロットにおいても初期応答の衝突を検出しない場合、全ての非接触カードを認識することができる。これにより、カード識別処理は完了する。
【0008】
リーダライタが非接触カードを識別する方法として、初期応答を行なうことができるタイミングをリーダライタが通知するスロットマーカ方式も存在する。この方式においても、非接触カードは、初期応答を行なうタイムスロットを自ら決定する。
【0009】
リーダライタが各非接触カードを識別するためには、各非接触カードが他の非接触カードと区別することができるカードIDを使用する必要がある。リーダライタは、カードIDを使用して通信相手の非接触カードを特定する。このような方式は、ISO/IEC14443−3(TypeB 初期化アンチコリジョン仕様)により規格化されている。
【発明の開示】
【0010】
しかしながら従来は、各非接触カードに、特定の値を記憶しているRead Only Memory(ROM)が搭載されており、その値がカードIDとして用いられている。そのため、非接触カードが初期応答を行なう際に用いるカードIDが、その非接触カードを所有する人(以下、「カード所有者」という)を特定する識別子と推定され、カード所有者のプライバシーが侵害される可能性がある。
【0011】
非接触カードは、リーダライタから送信されるリクエストコマンドに対して、カードIDを含む初期応答を返す。異なる場所に設けられている複数のリーダライタにより初期応答を記録し、その記録を解析することにより、カード所有者の行動範囲及び行動時間を特定することできる。そのため、同じカードIDが常に使用されると、そのカードIDを使用する非接触カードの所有者の行動が特定され、そのカード所有者のプライバシーが侵害される可能性がある。
【0012】
このような問題に対処するために、リーダライタから送信されるリクエストコマンドを受け取った非接触カードが、リクエストコマンド毎にカードIDを変更して初期応答を行なう、という方法が考えられる。しかしながら、カードIDがリクエストコマンド毎に変更されると、リーダライタは、特定のカードIDを使用する非接触カードと通信することができない。一連のカード識別処理においては、非接触カードが同一のカードIDを使用すること、が要求される。“一連のカード識別処理”とは、リーダライタが、非接触カードに最初にリクエストコマンドを送信してから、非接触カードを識別するまで、の処理を意味する。
【0013】
本発明は、上記課題を考慮し、一連のカード識別処理においてリーダライタが通信相手を特定することができるとともに、カード所有者のプライバシーを保護することができる可能性を向上させる非接触カードを提供することを目的とする。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の非接触カードは、電力が供給された後にリーダライタと通信する非接触カードであって、前記リーダライタと通信するための十分な電力を検出する電力検出部と、前記電力検出部によって前記十分な電力が検出される場合、都度、前記非接触カードを特定するための識別子を決定する識別子決定部と、前記識別子決定部によって決定された識別子を記憶するための決定識別子記憶部と、前記リーダライタからの、前記非接触カードを特定するための識別子を前記リーダライタに送信することを要求する指示を受信する受信部と、(i)1回目の前記指示が前記受信部によって受信された場合、前記識別子決定部によって決定された識別子を前記リーダライタに送信し、(ii)2回目以降の前記指示が前記受信部によって受信された場合、前記決定識別子記憶部に記憶された識別子を前記リーダライタに送信する送信部とを備える。ここで、「前記リーダライタと通信するための十分な電力を検出すること」とは、電力が供給されたことを検出することを意味する。また、「前記電力検出部によって前記十分な電力が検出される場合」とは、前記電力検出部によって電力が供給されたことが検出される場合を意味する。
【0015】
前記識別子決定部は、前記電力検出部によって前記十分な電力が検出される場合、都度、前記非接触カードを特定するための識別子を決定する。これにより、前記電力検出部が前記十分な電力を検出する毎に、他者が予測することができない識別子が決定される可能性が高くなる。したがって、本発明の非接触カードが使用する識別子を記録して解析しても、カード所有者の行動を特定することは困難である。すなわち、本発明の非接触カードは、カード所有者のプライバシーを保護することができる可能性を向上させる。
【0016】
また、前記送信部は、決定された識別子、又はそれと同じ識別子である、前記決定識別子記憶部に記憶された識別子を送信する。これにより、リーダライタは、通信相手が本発明の非接触カードであるということを判断して通信することができる。
【0017】
前記識別子決定部は、前記電力検出部によって前記十分な電力が検出される都度、識別子を生成し、生成された識別子を、前記非接触カードを特定するための識別子と決定してもよい。
【0018】
前記識別子決定部は、固定値の部分と乱数部分とにより構成される識別子を生成してもよい。これにより、本発明の非接触カードの識別子の固定値の部分に、カードの発行者のIDや、サービスの種別等を含めることができる。乱数部分により本発明の目的を達成することができる。そのため、リーダライタは、固定値の部分の識別子をチェックすることでカードの情報を取得することができる。また、カード所有者の行動が特定されることを防止することができる。
【0019】
本発明の非接触カードは、更に、識別子の候補を複数記憶する候補識別子記憶部を備え、前記識別子決定部は、前記電力検出部によって前記十分な電力が検出される都度、前記候補識別子記憶部によって記憶されている複数の前記識別子の候補の何れか一つを選択し、選択された識別子の候補を、前記非接触カードを特定するための識別子と決定してもよい。
【0020】
前記識別子決定部は、乱数を用いて識別子を決定する。このように、識別子が乱数を用いて決定されると、他者は、決定された識別子を推測することができない。他者は、次回に決定される識別子を推測することもできない。
【0021】
本発明の非接触カードは、更に、前記受信部及び前記送信部と前記リーダライタとの通信の終了を検出する通信終了検出部を備え、前記通信終了検出部が前記通信の終了を検出した場合、前記識別子決定部は新たな識別子を決定し、前記決定識別子記憶部は前記新たな識別子を記憶してもよい。
【0022】
リーダライタは、非接触カードとの通信が終了すると、その後の通信では、そのカードを別のカードと見なすことができる。そのため、非接触カードが自身の識別子を変更することが可能である。これにより、カード所有者の行動が特定されることを防止することができる可能性を更に向上させることができる。
【0023】
前記リーダライタと前記非接触カードとの通信は、ISO/IEC14443に基づいて行なわれ、前記送信部によって送信される識別子は、前記リーダライタから前記非接触カードへ送信されるリクエストコマンドに対する応答における、Pseudo−Unique Proximity Integrated Circuit Card(PICC) Identifierとして設定される。
【0024】
本発明の非接触カードは、更に、前記非接触カードの動作を示す動作モードを判定するモード判定部と、無秩序に識別子を生成する無秩序識別子生成部と、特定の識別子を生成する特定識別子生成部とを備え、前記識別子決定部は、前記モード判定部により得られる判定結果に基づいて、前記無秩序識別子生成部により生成される識別子と、前記特定識別子生成部により生成される識別子との何れか一方を、前記非接触カードを特定するための識別子と決定してもよい。
【0025】
本発明の非接触カードは、動作モードに応じて識別子を決定する。その結果、カード所有者がプライバシーを気にしない場合、特定の識別子(固定の識別子等)を用いることにより、カード所有者は、特別なサービスを受けることができる。逆に、カード所有者がプライバシーを気にする場合、無秩序に生成される識別子を用いることにより、カード所有者の利便性の向上を図ることができる。
【0026】
前記動作モードは、前記非接触カードが検査工程にあることを示す検査モードと、前記非接触カードが一般のユーザによって使用される環境にあることを示す使用モードとを含み、前記識別子決定部は、(i)前記検査モードにおいては、前記特定識別子生成部により生成される識別子を、前記非接触カードを特定するための識別子と決定し、(ii)前記運用モードにおいては、前記無秩序識別子生成部により生成される識別子を、前記非接触カードを特定するための識別子と決定してもよい。
【0027】
本発明の非接触カードを用いると、検査工程において、非接触の通信によりテストすることが可能な環境では、検査機は、特定の識別子を用いることができる。また、検査機は、非接触カードからの応答に含まれる識別子をパターンとして保持することができる。これにより、識別子に関する計算を行なう必要がなくなる。その結果、検査の効率が向上する。他方、非接触カードの使用時には、無秩序に生成された識別子が使用されるので、カード所有者のプライバシーを保護することができる。
【0028】
また、本発明の非接触カードを用いると、検査機は、テストパターンを事前に用意することが可能である。
【0029】
前記特定識別子生成部は、情報を書き換えることができないRead Only Memoryに記載されている情報に基づいて、識別子を生成してもよい。
【0030】
前記特定識別子生成部は、情報を書き換えることができる不揮発メモリに記載されている情報に基づいて、識別子を生成してもよい。前記不揮発メモリは、Electrically Erasable Programmable Read Only Memory、Ferroelectric Random Access Memory、Magnetoresistive Random Access Memory、又は、Ovonic Unified memoryである。
【0031】
上述したように、本発明は、一連のカード識別処理においてリーダライタが通信相手を特定することができるとともに、カード所有者のプライバシーを保護することができる可能性を向上させる非接触カードを提供することができる。
【0032】
更に、本発明は、本発明の非接触カードの特徴的な構成部をステップとする方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムが格納された、CD−ROM等の記憶媒体として実現したり、集積回路として実現することもできる。プログラムは、通信ネットワーク等の伝送媒体を介して流通させることもできる。
【0033】
明細書、図面、及び特許請求の範囲を含む、2004年4月14日にされた出願番号2004−118807号の日本特許出願により開示されている事項は、そっくりそのまま引用されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
ISO/IEC14443−3(TypeB 初期化アンチコリジョン仕様)に基づいてリーダライタと通信する非接触カードについての実施の形態を説明する。ISO/IEC14443−3(TypeB 初期化アンチコリジョン仕様)は、例えば、公共交通機関の改札ゲート等で適用される通信規約の一つである。図1を参照して、乗車券としての機能を有する非接触カード200及び非接触カード300が、改札ゲートとして機能するリーダライタ100に、同時に接近してきた場合を想定する。
【0035】
ISO/IEC14443−3(TypeB 初期化アンチコリジョン仕様)において、非接触カードは以下の手順により識別される。
【0036】
先ず、改札ゲートであるリーダライタ100がリクエストコマンドを送信する。リクエストコマンドは図2に示されるフォーマットの信号である。タイムスロット数(N)は、リクエストコマンドに含まれる“PARM”の“bit1(図2の“b1”)”から“bit3(図2の“b3”)”の3bitにおいて特定される。特定されたタイムスロット数(N)は、非接触カード200及び非接触カード300に通知される。非接触カード200及び非接触カード300は、タイムスロット1からNまでの何れかで初期応答を行なう。
【0037】
以下では、タイムスロット数(N)が“4”である場合を想定する。すなわち、非接触カード200及び非接触カード300は、リクエストコマンドに対して、タイムスロット1から4までの何れか一つのタイムスロットを選択し、選択したタイムスロットで初期応答を行なう。
【0038】
初期応答は図3に示されるフォーマットの信号である。初期応答には、非接触カードを識別するためのカードID(PUPI)と、非接触カードに搭載されているアプリケーションの情報をリーダライタ100に通知するためのAPP Dataと、リーダライタ100と通信する際のプロトコルをリーダライタ100に通知するためのProtocol Infとが含まれる。非接触カード200及び非接触カード300は、カードID(PUPI)と、APP Dataと、Protocol Infとを設定して、リーダライタ100に初期応答を行なう。
【0039】
リーダライタ100は、非接触カード200及び非接触カード300からの初期応答を受信すると、受信した初期応答のCRCの値等を参照し、初期応答の衝突が発生しているか否かを判定する。
【0040】
図4の1回目のカード識別処理において、リーダライタ100は、リクエストコマンドR1を送信する。リクエストコマンドR1に対して、非接触カード200も非接触カード300も、タイムスロット2において初期応答を行なう。すなわち、同一のタイミングであるタイムスロット2において、非接触カード200は初期応答A21を行ない、非接触カード300は初期応答A31を行なう。そのため、リーダライタ100は、初期応答の衝突が発生していることを検出する。したがって、カード識別処理が再度行なわれる。
【0041】
2回目のカード識別処理において、リーダライタ100は、リクエストコマンドR2を送信する。リクエストコマンドR2に対して、非接触カード200はタイムスロット3において初期応答A22を行ない、非接触カード300はタイムスロット2において初期応答A32を行なう。すなわち、非接触カード200と非接触カード300とは、異なるタイムスロットにおいて初期応答を行なう。この場合、リーダライタ100は、初期応答の衝突が発生していることを検出しない。そのため、リーダライタ100は、非接触カード200及び非接触カード300を識別することができる。これにより、カード識別処理は完了する。
【0042】
本明細書では、リーダライタが非接触カードに最初にリクエストコマンドを送信してからその非接触カードを識別するまで、の処理を“一連のカード識別処理”と定義する。したがって、図4に示す例では、1回目のカード識別処理と2回目のカード識別処理とが、“一連のカード識別処理”を構成する。
【0043】
“一連のカード識別処理”が終了すると、非接触カード200と非接触カード300とは、リーダライタ100を介して、実体的なデータを通信する。図5は、“一連のカード識別処理”と、実体的なデータの通信とを示す図である。
【0044】
非接触カード200及び非接触カード300がリーダライタ100から所定の距離範囲内に同時に位置し、非接触カード200及び非接触カード300に電力が供給されると(図5の“Power On”参照)、通信開始時における一連のカード識別処理が行なわれる。
【0045】
通信開始時における一連のカード識別処理が終了した後、非接触カード200と非接触カード300とは、リーダライタ100を介して、実体的なデータを通信する。
【0046】
実体的なデータの通信が行なわれた後、通信終了時における一連の処理が行なわれる。その処理では、リーダライタ100は、個々のカードに対して、通信の終了を意味するDeselectコマンドを送信する。
【0047】
なお、図1に示すように、非接触カード200及び非接触カード300がリーダライタ100に同時に接近する例として、以下に示す場合を想定することもできる。それは、非接触カード200が、非接触カード200の所有者の名前が格納されているマスターカードであって、非接触カード300内のメモリにそのカード所有者の名前を複製する目的で、非接触カード200及び非接触カード300がリーダライタ100に同時に接近する、という場合である。
【0048】
以下では、説明の簡単化のために、リーダライタ100が最初にリクエストコマンドを送信してから非接触カード200を識別するまでの、“一連のカード識別処理”について説明する。
【0049】
(実施の形態1)
図6は、実施の形態1のリーダライタ100及び非接触カード200の構成を示す図である。
【0050】
リーダライタ100は、アンテナ101と、送受信回路102と、中央演算処理装置(CPU)103と、メモリ104とを有する。メモリ104は、CPU103が実行するプログラムが格納されているとともに、プログラムの実行時にデータを格納する格納部として使用される。メモリ104は、例えば、情報を書き換えることが可能な不揮発メモリにより実現されてもよいし、情報を書き換えることができない、プログラムやデータを格納するROMと、プログラムの実行時に一時的な作業領域として使用されるRAMとにより実現されてもよい。
【0051】
非接触カード200は、アンテナ201と、蓄電部202と、電力検出部203と、送受信回路204と、中央演算処理装置(CPU)205と、RAM208と、ROM207とを有する。蓄電部202は、非接触カード200がリーダライタ100からの所定の距離範囲内に位置するときに誘導起電力により電力を蓄積する。電力検出部203は、送受信回路204がリーダライタ100と通信するための十分な電力を検出する。すなわち、電力検出部203は、電力が供給されたことを検出する。更に言い換えると、電力検出部203は、蓄電部202が電力を蓄積したことを検出する。
【0052】
ROM207は、リーダライタ100からのコマンドを処理するためのプログラムが格納されているとともに、プログラムの実行時に処理データを格納する格納部として使用される。処理データには、格納対象のデータが含まれる。RAM208は、例えば、情報を書き換えることが可能な不揮発メモリにより実現される。
【0053】
ROM207には、乱数を用いてカードIDを生成するための乱数ID生成プログラム210Aが格納されている。RAM208は、乱数ID生成プログラム210AがCPU205によって実行されることにより生成されたカードIDを記憶する。また、RAM208は、“一連のカード識別処理”において、送受信回路204が受け取ったリクエストコマンドが最初のリクエストコマンドであるか否かを示す初回リクエスト判定フラグを記憶する。
【0054】
また、ROM207には、“一連のカード識別処理”において、送受信回路204が受け取ったリクエストコマンドが最初のリクエストコマンドであるか否かを判定するための初回リクエスト判定プログラム211Aが格納されている。更に、ROM207には、RAM208に記憶されるカードIDを抽出するための抽出プログラム212Aが格納されている。
【0055】
ROM207に格納されている、乱数ID生成プログラム210A、初回リクエスト判定プログラム211A、及び抽出プログラム212Aは、CPU205によって実行される。
【0056】
図7は、図6に示す非接触カード200の内部の構成を機能的に示す図である。以下の説明では図7を用いる。乱数ID生成部210の機能は、CPU205が乱数ID生成プログラム210Aを実行することによって実現される。初回リクエスト判定部211の機能は、CPU205が初回リクエスト判定プログラム211Aを実行することによって実現される。抽出部212の機能は、CPU205が抽出プログラム212Aを実行することによって実現される。
【0057】
乱数ID生成部210、初回リクエスト判定部211、及び抽出部212の全部又は一部は、ソフトウェアにより実現されてもよいし、専用のハードウェアにより実現されてもよい。
【0058】
乱数ID生成部210は、本発明の非接触カードの識別子決定部の一例である。
ID記憶部2081は、RAM208のカードIDが記憶される領域である。初回リクエスト判定フラグ記憶部2082は、RAM208の初回リクエスト判定フラグが記憶される領域である。
【0059】
初回リクエスト判定フラグには、蓄電部202が電力を蓄積するまでは、初期値、例えば“0”が設定される。蓄電部202が電力を蓄積した時以降であって、“一連のカード識別処理”において、送受信回路204がリクエストコマンドを最初に受け取ったときに、初回リクエスト判定フラグには、初期値と異なる値、例えば“1”が設定される。初回リクエスト判定フラグに、初期値と異なる値、例えば“1”が設定されている場合、送受信回路204がリクエストコマンドを受け取ったとき、そのリクエストコマンドは、“一連のカード識別処理”において、2回目以降のリクエストコマンドであることを意味する。
【0060】
初回リクエスト判定部211が、初回リクエスト判定フラグの値を変更する。
図8は、非接触カード200がカードIDを含む初期応答を行なう場合の各手順を示すフローチャートである。
【0061】
ここで、蓄電部202が電力を蓄積したことを電力検出部203が検出した場合を想定する。
【0062】
送受信回路204がリーダライタ100からリクエストコマンドを受信すると(S201)、初回リクエスト判定部211は、初回リクエスト判定フラグ記憶部2082に記憶されている初回リクエスト判定フラグを抽出する(S202)。初回リクエスト判定部211は、抽出した初回リクエスト判定フラグの値に基づいて、送受信回路204によって受信されたリクエストコマンドが初回のリクエストコマンドであるか否かを判定する(S203)。初回リクエスト判定フラグの値が初期値、例えば“0”である場合、初回リクエスト判定部211は、受信されたリクエストコマンドが初回のリクエストコマンドであると判定する。他方、初回リクエスト判定フラグの値が初期値と異なる値、例えば“1”である場合、初回リクエスト判定部211は、受信されたリクエストコマンドが初回のリクエストコマンドではないと判定する。つまり、初回リクエスト判定部211は、受信されたリクエストコマンドが2回目以降のリクエストコマンドであると判定する。
【0063】
受信されたリクエストコマンドが初回のリクエストコマンドであると初回リクエスト判定部211によって判定された場合(S203でYes)、乱数ID生成部210は、乱数を用いてカードIDを生成する(S204)。カードIDは乱数が用いられて生成されるので、他者はカードIDを推測することは困難である。他者は、次回に生成されるカードIDを推測することも困難である。乱数ID生成部210は、乱数を用いた計算によりカードIDを生成してもよいし、所定の乱数の列を利用してカードIDを生成してもよい。要するに、乱数ID生成部210は、他者がカードIDを推測することができないように、乱数を用いてカードIDを生成する。乱数ID生成部210は、生成したカードIDをID記憶部2081に格納する(S205)。
【0064】
初回リクエスト判定部211は、初回リクエスト判定フラグ記憶部2082に記憶されている初回リクエスト判定フラグの値を、初期値からそれと異なる値、例えば“1”に変更する(S206)。その変更は、一連のカード識別処理において、同一のカードIDを使用させるために行なわれる。
【0065】
抽出部212は、ID記憶部2081に格納されているカードIDを抽出する(S207)。送受信回路204は、抽出されたカードIDを含む初期応答をリーダライタ100に送信する。
【0066】
他方、送受信回路204によって受信されたリクエストコマンドが初回のリクエストコマンドではないと初回リクエスト判定部211によって判定された場合(S203でNo)、抽出部212は、ID記憶部2081に格納されているカードIDを抽出する(S207)。送受信回路204は、抽出されたカードIDを含む初期応答をリーダライタ100に送信する(S208)。
【0067】
すなわち、送受信回路204によって受信されたリクエストコマンドが2回目以降のリクエストコマンドである場合も、送受信回路204は、受信されたリクエストコマンドが初回のリクエストコマンドである場合に送信するカードIDと同一のカードIDをリーダライタ100に送信する。
【0068】
上述したように、実施の形態1では、非接触カード200は、一連のカード識別処理において、受信したリクエストコマンドが初回のリクエストコマンドである場合であっても、2回目以降のリクエストコマンドである場合であっても、同一のカードIDを含む初期応答をリーダライタ100に送信する。これにより、リーダライタ100は、通信相手が非接触カード200であることを判断して通信することができる。
【0069】
また、非接触カード200は、電力が供給される毎に、乱数を用いてカードIDを生成する。そのため、他者は、非接触カード200が生成するカードIDを推測することは困難である。図9は、(1)非接触カード200が、電力が供給される毎に、異なるカードIDを生成して初期応答を行ない、(2)一連のカード識別処理においては、非接触カード200が同一のカードIDを含む初期応答をリーダライタ100に送信する、ことを示す図である。
【0070】
図9に示すように、非接触カード200は、電力が供給される毎に、最初のリクエストコマンドを受信すると、他者が推測することが困難なカードIDを用いて初期応答を行なう。これにより、リーダライタ100に初期応答が記録され、その記録が解析されても、非接触カード200の所有者の行動範囲及び行動時間が推定される可能性は低い。その結果、非接触カード200の所有者のプライバシーを保護することができる。
【0071】
更に、図10に示すように、非接触カード200は、乱数ID生成部210の代わりに、複数のカードIDの候補を記憶しているID候補記憶部230と、ID選択部231とを有する非接触カード200Aに置き換えられてもよい。受信されたリクエストコマンドが初回のリクエストコマンドであると初回リクエスト判定部211によって判定された場合、ID選択部231は、ID候補記憶部230に記憶されている複数のカードIDの候補の何れか一つを選択して抽出し、抽出したカードIDをID記憶部2081に格納する。この場合、複数のカードIDの候補が十分に秘匿されていれば、乱数ID生成部210が乱数を用いてカードIDを生成する場合と同様に、非接触カード200の所有者のプライバシーを保護することができる。
【0072】
(実施の形態2)
図11は、実施の形態2における、製造途中の非接触カード200Bの様子を示す図である。非接触カード200Bは、製造途中では、検査部251と一体化されており、製品となる直前に検査部251と分離される。製造途中の検査工程において、複数の非接触カード200Bそれぞれが有するメモリを一括して初期化する場合等、リーダライタ100が複数の非接触カード200Bと同時に通信することが求められる場合がある。その場合、全ての非接触カード200Bは、所定のカードID(以下、「固定のカードID」という。)を含む初期応答を行なわなければならない。他方、製品となった非接触カード200Bは、固定のカードIDを含む初期応答を行なうことは許されない。なぜなら、リーダライタ100が通信相手を判断する必要があるからである。また、カード所有者のプライバシーを保護する必要があるからである。
【0073】
したがって、非接触カード200Bは、固定のカードIDを生成しなければならないのか、固定ではないカードIDを生成しなければならないのかを、判定しなければならない。
【0074】
そのために、実施の形態2の非接触カード200Bは、実施の形態1において説明した非接触カード200が有する機能に加えて、固定のカードIDを生成すべきなのか、固定ではないカードIDを生成すべきなのかを判定する機能を有する。以下では、非接触カード200Bと非接触カード200との相違点を中心に説明する。なお、図11に示すように、非接触カード200Bは電圧測定部250を有する。実施の形態2では、非接触カード200Bが製造途中にある場合、非接触カード200Bと検査部251とが一体化されており、非接触カード200Bと検査部251とを接続する配線が存在し、電圧測定部250によって0Vの電圧値が得られる。他方、非接触カード200Bが製品として使用されている場合、非接触カード200Bと検査部251とは分離し、非接触カード200Bと検査部251とを接続する配線が断線しており、電圧測定部250によって電圧値V0(例えば、5V)が得られる。
【0075】
図12は、実施の形態2の非接触カード200Bの構成を示す図である。非接触カード200Bは、実施の形態1の非接触カード200と同様に、アンテナ201と、蓄電部202と、電力検出部203と、送受信回路204と、CPU205と、ROM207Aと、RAM208Aとを有し、更に、電圧測定部250を有する。
【0076】
ROM207Aには、乱数ID生成プログラム210Aと、初回リクエスト判定プログラム211Aと、抽出プログラム212Aとが格納されている。ROM207Aには、更に、固定ID生成プログラム213Aと、モード判定プログラム214Aとが格納されている。ROM207Aに格納されている各プログラムは、CPU205によって実行される。
【0077】
固定ID生成プログラム213Aは、固定のカードIDを生成するためのプログラムである。
【0078】
モード判定プログラム214Aは、動作モードを判定するためのプログラムである。ここで、動作モードとして、“検査モード”と“使用モード”とがある場合を想定する。“検査モード”は、非接触カード200Bが製造途中であって、検査のために、固定のカードIDを生成させるためのモードである。“使用モード”は、非接触カード200Bが製品として使用されており、通信相手を特定する目的と、カード所有者のプライバシーを保護する目的とを達成するために、乱数を用いてカードIDを生成させるためのモードである。電圧測定部250によって測定された電圧値に基づいて、“検査モード”と“使用モード”との何れかが選択される。
【0079】
RAM208Aは、乱数ID生成プログラム210A又は固定ID生成プログラム213AがCPU205によって実行されることにより生成されたカードIDを記憶する。また、RAM208Aは初回リクエスト判定フラグを記憶する。また、RAM208Aは、カードIDを、“検査モード”により生成させるのか、“使用モード”により生成させるのか、を特定するモード判定フラグを記憶する。
【0080】
図13は、図12に示す非接触カード200Bの内部の構成を機能的に示す図である。以下の説明では図13を用いる。固定ID生成部213の機能は、CPU205が固定ID生成プログラム213Aを実行することによって実現される。モード判定部214の機能は、CPU205がモード判定プログラム214Aを実行することによって実現される。
【0081】
固定ID生成部213及びモード判定部214の双方又は一方は、ソフトウェアにより実現されてもよいし、専用のハードウェアにより実現されてもよい。
【0082】
乱数ID生成部210及び固定ID生成部213は、本発明の非接触カードの識別子決定部の一例である。また、乱数ID生成部210は、本発明の非接触カードの無秩序識別子生成部の一例でもある。更に、固定ID生成部213は、本発明の非接触カードの特定識別子生成部の一例でもある。
【0083】
固定ID生成部213は、例えば、ROM207Aに記載されている情報に基づいて、固定のカードIDを生成する。また、非接触カード200Bが、ROM207A以外のROM又は不揮発メモリを有している場合、固定ID生成部213は、ROM207A以外のROM又は不揮発メモリに記載されている情報に基づいて、固定のカードIDを生成してもよい。上記情報は、例えば、製造時に付与された、非接触カード200Bを特定するための識別子である。不揮発メモリは、Electrically Erasable Programmable Read Only Memory(EEPROM)、Ferroelectric Random Access Memory(FeRAM)、Magnetoresistive Random Access Memory(MRAM)、又は、Ovonic Unified memory(OUM)である。
【0084】
モード判定フラグ記憶部2083は、RAM208Aのモード判定フラグが記憶される領域である。
【0085】
モード判定フラグには、非接触カード200Bが製造途中にある場合、初期値、例えば“0”が設定される。他方、非接触カード200Bが製品として使用されている場合、モード判定フラグには、初期値と異なる値、例えば“1”が設定される。
【0086】
モード判定部214が、電圧測定部250によって測定された電圧値に基づいて、モード判定フラグの値を変更する。
【0087】
図14は、非接触カード200BがカードIDを含む初期応答を行なう場合の各手順を示すフローチャートである。
【0088】
ここで、蓄電部202が電力を蓄積したことを電力検出部203が検出した場合を想定する。
【0089】
送受信回路204がリーダライタ100からリクエストコマンドを受信すると(S301)、初回リクエスト判定部211は、初回リクエスト判定フラグ記憶部2082に記憶されている初回リクエスト判定フラグを抽出する(S302)。初回リクエスト判定部211は、抽出した初回リクエスト判定フラグの値に基づいて、送受信回路204によって受信されたリクエストコマンドが初回のリクエストコマンドであるか否かを判定する(S303)。
【0090】
初回リクエスト判定部211が、受信されたリクエストコマンドが初回のリクエストコマンドであると判定した場合(S303でYes)、モード判定部214は、モード判定フラグ記憶部2083に記憶されているモード判定フラグを抽出する(S304)。モード判定部214は、抽出したモード判定フラグの値に基づいて、“検査モード”によりカードIDを生成させるべきであるのか、“使用モード”によりカードIDを生成させるべきであるのか、を判定する(S305)。
【0091】
モード判定フラグの値が初期値、例えば“0”である場合、モード判定部214は、“検査モード”によりカードIDを生成させるべきであると判定する(S305で“検査モード”)。他方、モード判定フラグの値が初期値と異なる値、例えば“1”である場合、モード判定部214は、“使用モード”によりカードIDを生成させるべきであると判定する(S305で“使用モード”)。
【0092】
モード判定部214が“検査モード”によりカードIDを生成させるべきであると判定した場合(S305で“検査モード”)、固定ID生成部213は、予め決められた固定のカードIDを生成し(S306)、生成したカードIDをID記憶部2081に格納する(S308)。他方、モード判定部214が“使用モード”によりカードIDを生成させるべきであると判定した場合(S305で“使用モード”)、乱数ID生成部210は、乱数を用いてカードIDを生成し(S307)、生成したカードIDをID記憶部2081に格納する(S308)。
【0093】
初回リクエスト判定部211は、初回リクエスト判定フラグ記憶部2082に記憶されている初回リクエスト判定フラグの値を、初期値からそれと異なる値、例えば“1”に変更する(S309)。
【0094】
抽出部212は、ID記憶部2081に格納されているカードIDを抽出する(S310)。送受信回路204は、抽出されたカードIDを含む初期応答をリーダライタ100に送信する(S311)。
【0095】
それに対して、送受信回路204によって受信されたリクエストコマンドが初回のリクエストコマンドではないと初回リクエスト判定部211によって判定された場合(S303でNo)、抽出部212は、ID記憶部2081に格納されているカードIDを抽出する(S310)。送受信回路204は、抽出されたカードIDを含む初期応答をリーダライタ100に送信する(S311)。
【0096】
すなわち、送受信回路204によって受信されたリクエストコマンドが2回目以降のリクエストコマンドである場合も、送受信回路204は、受信されたリクエストコマンドが初回のリクエストコマンドである場合に送信するカードIDと同一のカードIDをリーダライタ100に送信する。
【0097】
上述したように、実施の形態2では、非接触カード200Bは、動作モードが“検査モード”であるのか“使用モード”であるのかを判定し、判定結果に基づいてカードIDを生成する。これにより、非接触カード200Bが製造途中にあれば、リーダライタ100は、複数の非接触カード200Bそれぞれと、固定のカードIDを用いて一括して通信することができる。他方、非接触カード200Bが使用されていれば、非接触カード200Bは、他者が推測することが困難であるカードIDを用いてリーダライタ100と通信する。そのため、非接触カード200Bの所有者のプライバシーを保護することができる。
【0098】
“検査モード”では、検査機が、リーダライタ100を介して、固定のカードIDを用いて複数の非接触カード200Bと通信して、複数の非接触カード200Bを検査することができる。検査機は、固定のカードIDを保持することにより、カードIDに関する計算を行なう必要がなくなり、検査の効率が向上する。
【0099】
なお、動作モードは、“検査モード”と“使用モード”とであると限定されない。動作モードは、メモリを初期化することが可能なモードと、メモリを初期化することが不可能なモードとであってもよい。いずれにしても、非接触カード200Bは、動作モードに応じてカードIDを生成する。
【0100】
例えば、カード所有者がプライバシーを気にしない場合、非接触カード200Bは、固定のカードIDを生成するモードにより固定のカードIDを生成する。その場合、その固定のカードIDが用いられることにより、カード所有者は特別なサービスを受けることができる。逆に、カード所有者がプライバシーを気にする場合、非接触カード200Bは、乱数を用いてカードIDを生成するモードによりカードIDを生成する。その場合、そのカードIDが用いられることにより、カード所有者の利便性の向上を図ることができる。
【0101】
また、固定のカードIDは、情報を書き換えることができないROMに記憶されていてもよい。その場合、上記検査機等は、テストパターンを事前に用意することが可能である。
【0102】
また、固定のカードIDは、情報を書き換えることができる不揮発メモリに記憶されてもよい。その場合、固定のカードIDを書き換えることができる。不揮発メモリの例は、EEPROM、FeRAM、MRAM、及び、OUM等である。
【0103】
なお、固定ID生成部213は、固定のカードIDを生成するのではなく、既知のカードID列のカードIDを順に利用してカードIDを生成してもよい。この場合、リーダライタ100が、上記カードID列と、上記カードID列の使用開始時に使用されるカードIDとから、送信されるカードIDを予め知ることにより、固定のカードIDが使用される場合と同様の効果を得ることができる。
【0104】
また、図15に示すように、非接触カード200Bは、エリア検出部220を更に有する非接触カード200Cに置き換えられてもよい。エリア検出部220は、非接触カード200Cが特定の場所に存在することを検出する。エリア検出部220は、検出結果に基づいて、モード判定フラグ記憶部2083に記憶されているモード判定フラグの値を変更する。
【0105】
例えば、非接触カード200Cの所有者が特定の会社の社員である場合を想定する。その社員が非接触カード200Cを携帯して会社が所有する建物に入った場合、エリア検出部220は、非接触カード200Cがその建物内に存在することを検出する。この場合、エリア検出部220は、モード判定フラグの値を、固定のカードIDを生成させることを示す値に変更する。他方、エリア検出部220は、非接触カード200Cが上記建物内に存在しないことを検出した場合、モード判定フラグの値を、乱数を用いてカードIDを生成させることを示す値に変更する。
【0106】
これにより、会社の建物内では、社員の行動を管理することができるとともに、会社の建物外における社員のプライバシーは保護される。
【0107】
更に、図16に示すように、非接触カード200Bは、非接触カード200Bから、初回リクエスト判定部211と、初回リクエスト判定フラグ記憶部2082とが削除された非接触カード200BBに置き換えられてもよい。この場合、非接触カード200BBの動作は、図17に示すように、図14に示す動作から、初回リクエスト判定部211が初回リクエスト判定フラグを抽出する手順(S302)と、リクエストコマンドが初回のリクエストコマンドであるか否かを判定する手順(S303)と、初回リクエスト判定フラグの値を変更する手順(S309)とが削除された動作である。
【0108】
非接触カード200BBは、非接触カード200Bが動作モードに基づいてカードIDを生成する際の効果をもたらすことができる。
【0109】
(実施の形態3)
図18は、実施の形態3の非接触カード200Dの構成を示す図である。
【0110】
非接触カード200Dは、実施の形態1の非接触カード200と同様に、アンテナ201と、蓄電部202と、電力検出部203と、送受信回路204と、CPU205と、ROM207Bと、RAM208とを有する。
【0111】
ROM207Bには、乱数ID生成プログラム210Aと、初回リクエスト判定プログラム211Aと、抽出プログラム212Aとが格納されている。ROM207Bには、更に、通信終了判定プログラム221Aが格納されている。ROM207Bに格納されている各プログラムは、CPU205によって実行される。
【0112】
通信終了判定プログラム221Aは、送受信回路204とリーダライタ100との通信の終了を監視するためのプログラムである。
【0113】
図19は、図18に示す非接触カード200Dの内部の構成を機能的に示す図である。以下の説明では図19を用いる。通信終了判定部221の機能は、CPU205が通信終了判定プログラム221Aを実行することによって実現される。
【0114】
通信終了判定部221は、ソフトウェアにより実現されてもよいし、専用のハードウェアにより実現されてもよい。
【0115】
以下に、通信終了判定部221の動作を説明する。
通信終了判定部221は、送受信回路204とリーダライタ100との通信の終了を監視する。通信終了判定部221は、送受信回路204とリーダライタ100との通信が終了したと判定した場合、初回リクエスト判定フラグ記憶部2082に記憶されている初回リクエスト判定フラグの値を、初期値、例えば“0”に変更する。通信が終了したと判定しない場合、通信終了判定部221は初回リクエスト判定フラグの値を変更しない。
【0116】
実施の形態1及び実施の形態2における説明から明らかなように、初回リクエスト判定フラグの値が初期値であると、新規にカードIDが生成される。したがって、非接触カード200Dは、送受信回路204とリーダライタ100との通信が終了し、その後にリクエストコマンドを受信した場合、新規にカードIDを生成する。
【0117】
リーダライタ100は、非接触カードとの通信が終了すると、その後の通信では、そのカードを別のカードと見なすことができる。そのため、非接触カードは、自身のカードIDを変更することができる。これにより、非接触カードの所有者のプライバシーを保護することができる。
【0118】
なお、通信終了判定部221が、送受信回路204とリーダライタ100との通信が終了したと判定した場合、乱数ID生成部210は、新たなカードIDを生成し、新たなカードIDをID記憶部2081に格納してもよい。この場合、次回の通信が開始するときに行なわなければならない新たなカードIDを生成する手順を、前もって行なうことができる。
【0119】
(実施の形態4)
上述した実施の形態では、カードIDが乱数値又は固定値である場合を説明した。図20に示すように、カードIDは、乱数により構成される部分500と、固定値により構成される部分501とで構成されてもよい。一連のカード識別処理においては同一のカードIDが使用され、かつ、同じカードIDが常に使用されなければ、本発明の目的は達成される。そのため、カードIDの一部分は固定値であってもよい。
【0120】
非接触カードのカードIDの固定値の部分には、カードの発行者のIDや、サービスの種別等を含めることができ、乱数値の部分により、本発明の目的が達成される。したがって、リーダライタが固定値の部分のカードIDをチェックすることによりカードの情報を取得することができるとともに、カード所有者の行動が特定されることを防止することができる。
【0121】
この場合、乱数により構成される部分500は乱数ID生成部210により生成され、固定値により構成される部分501は固定ID生成部213により生成される。
【0122】
また、カードIDは不揮発メモリに記録されてもよい。その場合、固定のカードID部分を書き換えることができる。したがって、非接触カードがサービスに応じてカードIDを選択し、その値を不揮発メモリに格納することにより、カード所有者のプライバシーをより強く保護することができる。
【0123】
(実施の形態5)
図21に示すように、非接触カード200は、携帯電話機等の携帯端末装置400に収納されて使用される非接触カード200Eに置き換えられてもよい。図22は、携帯端末装置400及び非接触カード200Eの構成を示す。
【0124】
非接触カード200Eはアンテナを有していない。非接触カード200Eは、携帯端末装置400に挿入された際に、携帯端末装置400に設けられているアンテナ401を利用して、リーダライタ100と通信する。また、非接触カード200Eは、蓄電部202の代わりに、電力伝達部260を有している。電力伝達部260は、携帯端末装置400に設けられている電力供給部402から供給される電力を非接触カード200E内部に伝達する。
【0125】
非接触カード200Eの動作は次の通りである。電力検出部203が、電力伝達部260が電力供給部402から供給される電力を非接触カード200E内部に伝達したことを検出した後に、初回リクエスト判定部211は以下の判定を行なう。送受信回路204がアンテナ401を介してリクエストコマンドを受信した場合、初回リクエスト判定部211は、受信されたリクエストコマンドが初回のリクエストコマンドであるのか、2回目以降のリクエストコマンドであるのかを判定する。
【0126】
受信されたリクエストコマンドが初回のリクエストコマンドである場合、乱数ID生成部210は乱数を用いてカードIDを生成し、送受信回路204は、そのカードIDを含む初期応答を、アンテナ401を介してリーダライタ100に送信する。また、乱数ID生成部210は、生成したカードIDをID記憶部2081に格納する。
【0127】
他方、受信されたリクエストコマンドが2回目以降のリクエストコマンドである場合、送受信回路204は、ID記憶部2081に記憶されているカードIDを含む初期応答を、アンテナ401を介してリーダライタ100に送信する。
【0128】
実施の形態5においても、実施の形態1における効果と同様の効果が得られる。すなわち、一連のカード識別処理において、リーダライタ100は、通信相手が非接触カード200Eであることを判断して非接触カード200Eと通信することができる。また、非接触カード200Eの所有者のプライバシーを保護することができる可能性を向上させることができる。
【0129】
(実施の形態1から5の補足事項1)
上記の実施の形態において説明した、乱数ID生成部210、ID記憶部2081、初回リクエスト判定部211、抽出部212、通信終了判定部221、モード判定部214、及び固定ID生成部213の各機能は、典型的には、CPUがコンピュータプログラムを実行することにより実現される。そのプログラムは、非接触カードに設けられているROMに格納されて実行されてもよいし、外部よりダウンロードされ、不揮発メモリに格納されて、実行されてもよい。
【0130】
(実施の形態1から5の補足事項2)
上記の機能は、プログラムと、CPU、RAM、ROM、不揮発メモリ等のハードウェア資源との組み合わせにより、集積回路であるLSIにより実現されてもよい。各機能は、個別に1チップ化されてもよいし、複数の機能の全部又は一部が1チップ化されてもよい。
【0131】
図23、図24、及び図25は、実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態3それぞれにおける集積回路化の一例を示す。LSI1001、LSI1002、及びLSI1003は集積回路の一例である。破線で囲まれている部分が集積回路である。集積回路は、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0132】
集積回路は、LSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサにより実現されてもよい。LSI製作後にプログラムを格納することが可能な、Field Programmable Gate Array(FPGA)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成することが可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーが利用されてもよい。
【0133】
更には、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然その技術を用いて上記機能の集積化が行なわれてもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0134】
また、上述した実施の形態では、ISO/IEC14443−3(TypeB 初期化アンチコリジョン仕様)に基づいて通信する非接触カードについて説明した。本発明の非接触カードは、ISO/IEC14443−3のTypeAや、TypeCと称される規格に基づいて通信する非接触カードであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明の非接触カードは、他者が推測することが困難であるカードIDを用いることにより、カード所有者のプライバシーを保護する。加えて、リーダライタは、本発明の非接触カードを特定して通信することが可能である。本発明の非接触カードは、非接触の通信が行なわれるシステム(RFタグ等)の用途にも応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0136】
これら、並びに、発明の他の目的、効果、及び特徴は、発明の特定の実施の形態を説明する添付図面とともに行なう説明から明らかである。
【図1】実施の形態が実行される状況を説明するための図である。
【図2】リクエストコマンドの構成を示す図である。
【図3】初期応答の構成を示す図である。
【図4】一連のカード識別処理を示す図である。
【図5】一連のカード識別処理と、実体的なデータの通信とを示す図である。
【図6】実施の形態1におけるリーダライタ及び非接触カードのモジュール構成図である。
【図7】実施の形態1におけるリーダライタ及び非接触カードの機能を示す構成図である。
【図8】実施の形態1の非接触カードがカードIDを含む初期応答を行なう場合の各手順を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1における効果を説明するための図である。
【図10】実施の形態1における非接触カードの機能を示す構成図である。
【図11】実施の形態2における、製造途中の非接触カードを示す図である。
【図12】実施の形態2における非接触カードのモジュール構成図である。
【図13】実施の形態2における非接触カードの機能を示す構成図である。
【図14】実施の形態2の非接触カードがカードIDを含む初期応答を行なう場合の各手順を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態2における非接触カードの機能を示す構成図である。
【図16】実施の形態2における非接触カードの機能を示す構成図である。
【図17】実施の形態2の非接触カードがカードIDを含む初期応答を行なう場合の各手順を示すフローチャートである。
【図18】実施の形態3における非接触カードのモジュール構成図である。
【図19】実施の形態3における非接触カードの機能を示す構成図である。
【図20】実施の形態4におけるカードIDの構成図である。
【図21】実施の形態5における携帯端末装置及び非接触カードの外観図である。
【図22】実施の形態5における携帯端末装置及び非接触カードの機能を示す構成図である。
【図23】実施の形態1における非接触カードの機能の一部をLSIにより実現したことを示す図である。
【図24】実施の形態2における非接触カードの機能の一部をLSIにより実現したことを示す図である。
【図25】実施の形態3における非接触カードの機能の一部をLSIにより実現したことを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力が供給された後にリーダライタと通信する非接触カードであって、
前記リーダライタと通信するための十分な電力を検出する電力検出部と、
前記電力検出部によって前記十分な電力が検出される場合、都度、前記非接触カードを特定するための識別子を決定する識別子決定部と、
前記識別子決定部によって決定された識別子を記憶するための決定識別子記憶部と、
前記リーダライタからの、前記非接触カードを特定するための識別子を前記リーダライタに送信することを要求する指示を受信する受信部と、
(i)1回目の前記指示が前記受信部によって受信された場合、前記識別子決定部によって決定された識別子を前記リーダライタに送信し、(ii)2回目以降の前記指示が前記受信部によって受信された場合、前記決定識別子記憶部に記憶された識別子を前記リーダライタに送信する送信部と
を備える非接触カード。
【請求項2】
前記識別子決定部は、前記十分な電力が検出される都度、識別子を生成し、生成された識別子を、前記非接触カードを特定するための識別子と決定する
請求項1に記載の非接触カード。
【請求項3】
前記識別子決定部は、固定値の部分と乱数部分とにより構成される識別子を生成する
請求項2に記載の非接触カード。
【請求項4】
更に、識別子の候補を複数記憶する候補識別子記憶部を備え、
前記識別子決定部は、前記電力検出部によって前記十分な電力が検出される都度、前記候補識別子記憶部によって記憶されている複数の前記識別子の候補の何れか一つを選択し、選択された識別子の候補を、前記非接触カードを特定するための識別子と決定する
請求項1に記載の非接触カード。
【請求項5】
前記識別子決定部は、乱数を用いて識別子を決定する
請求項1に記載の非接触カード。
【請求項6】
更に、前記受信部及び前記送信部と前記リーダライタとの通信の終了を検出する通信終了検出部を備え、
前記通信終了検出部が前記通信の終了を検出した場合、前記識別子決定部は新たな識別子を決定し、前記決定識別子記憶部は前記新たな識別子を記憶する
請求項1に記載の非接触カード。
【請求項7】
前記リーダライタと前記非接触カードとの通信は、ISO/IEC14443に基づいて行なわれ、
前記送信部によって送信される識別子は、前記リーダライタから前記非接触カードへ送信されるリクエストコマンドに対する応答における、Pseudo−Unique Proximity Integrated Circuit Card Identifierとして設定される
請求項1に記載の非接触カード。
【請求項8】
更に、
前記非接触カードの動作を示す動作モードを判定するモード判定部と、
無秩序に識別子を生成する無秩序識別子生成部と、
特定の識別子を生成する特定識別子生成部とを備え、
前記識別子決定部は、前記モード判定部により得られる判定結果に基づいて、前記無秩序識別子生成部により生成される識別子と、前記特定識別子生成部により生成される識別子との何れか一方を、前記非接触カードを特定するための識別子と決定する
請求項1に記載の非接触カード。
【請求項9】
前記動作モードは、前記非接触カードが検査工程にあることを示す検査モードと、前記非接触カードが一般のユーザによって使用される環境にあることを示す使用モードとを含み、
前記識別子決定部は、(i)前記検査モードにおいては、前記特定識別子生成部により生成される識別子を、前記非接触カードを特定するための識別子と決定し、(ii)前記運用モードにおいては、前記無秩序識別子生成部により生成される識別子を、前記非接触カードを特定するための識別子と決定する
請求項8に記載の非接触カード。
【請求項10】
前記特定識別子生成部は、情報を書き換えることができないRead Only Memoryに記載されている情報に基づいて、識別子を生成する
請求項8に記載の非接触カード。
【請求項11】
前記特定識別子生成部は、情報を書き換えることができる不揮発メモリに記載されている情報に基づいて、識別子を生成する
請求項8に記載の非接触カード。
【請求項12】
前記不揮発メモリは、Electrically Erasable Programmable Read Only Memory、Ferroelectric Random Access Memory、Magnetoresistive Random Access Memory、又は、Ovonic Unified memoryである
請求項11に記載の非接触カード。
【請求項13】
電力が供給された後にリーダライタと通信する非接触カードが識別子を送信する場合の通信方法であって、
前記リーダライタと通信するための十分な電力を検出し、
前記電力を検出する際において前記十分な電力を検出する場合、都度、前記非接触カードを特定するための識別子を決定し、
決定した識別子を記憶部に記憶させ、
前記リーダライタからの、前記非接触カードを特定するための識別子を前記リーダライタに送信することを要求する指示を受信し、
(i)1回目の前記指示を受信した場合、決定した識別子を前記リーダライタに送信し、(ii)2回目以降の前記指示を受信した場合、前記記憶部に記憶された識別子を前記リーダライタに送信する
非接触カードによる識別子の通信方法。
【請求項14】
電力が供給された後にリーダライタと通信する非接触カードにおける集積回路であって、
前記リーダライタと通信するための十分な電力を検出する電力検出部と、
前記電力検出部によって前記十分な電力が検出される場合、都度、前記非接触カードを特定するための識別子を決定する識別子決定部と、
前記識別子決定部によって決定された識別子を記憶するための決定識別子記憶部と、
前記リーダライタからの、前記非接触カードを特定するための識別子を前記リーダライタに送信することを要求する指示を受信する受信部と、
(i)1回目の前記指示が前記受信部によって受信された場合、前記識別子決定部によって決定された識別子を前記リーダライタに送信し、(ii)2回目以降の前記指示が前記受信部によって受信された場合、前記決定識別子記憶部に記憶された識別子を前記リーダライタに送信する送信部と
を備える集積回路。
【請求項15】
電力が供給された後にリーダライタと通信する非接触カードの識別子を送信するためのプログラムであって、
前記リーダライタと通信するための十分な電力を検出し、
前記電力を検出する際において前記十分な電力を検出する場合、都度、前記非接触カードを特定するための識別子を決定し、
決定した識別子を記憶部に記憶させ、
前記リーダライタからの、前記非接触カードを特定するための識別子を前記リーダライタに送信することを要求する指示を受信し、
(i)1回目の前記指示を受信した場合、決定した識別子を前記リーダライタに送信し、(ii)2回目以降の前記指示を受信した場合、前記記憶部に記憶された識別子を前記リーダライタに送信すること
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
電力が供給された後にリーダライタと通信する非接触カードの識別子を送信するためのプログラムが格納された記憶媒体であって、
前記リーダライタと通信するための十分な電力を検出し、
前記電力を検出する際において前記十分な電力を検出する場合、都度、前記非接触カードを特定するための識別子を決定し、
決定した識別子を記憶部に記憶させ、
前記リーダライタからの、前記非接触カードを特定するための識別子を前記リーダライタに送信することを要求する指示を受信し、
(i)1回目の前記指示を受信した場合、決定した識別子を前記リーダライタに送信し、(ii)2回目以降の前記指示を受信した場合、前記記憶部に記憶された識別子を前記リーダライタに送信すること
をコンピュータに実行させるためのプログラムが格納された記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公表番号】特表2007−538296(P2007−538296A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519490(P2006−519490)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【国際出願番号】PCT/JP2005/007194
【国際公開番号】WO2005/101289
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】